JP6469370B2 - 光学ラインセンサ装置 - Google Patents
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Description
そこで、複数の可視光の波長帯の光に対してそれぞれ異なる透過特性を有するカラーフィルタを受光素子に設け、可視光の波長帯の光を照射する複数の光源を同時点灯し(あるいは白色光源を点灯し)、カラーフィルタごとにそれぞれの色情報を読み取る方式が考え出された。この方式であれば、可視光の波長帯の光を照射する複数の光源を1回同時点灯するだけで、媒体の色情報を取得できる。
本発明の課題は、可視波長の光源と可視波長以外の光源の同時点灯時に、可視波長の光源の色情報を取得し、続いて可視波長の光源と可視波長以外の光源の同時消灯時に、可視波長以外の光源による色情報を、燐光により取得することで、光源の少ない点灯回数で可視波長と可視波長以外の光源の色情報を取得することが可能な光学ラインセンサ装置を提供することである。
本発明の実施態様によれば、前記複数の光源は、1種類以上の可視光の波長帯の光を照射する第1の光源と、1種類以上の可視光以外の波長帯の光を照射する第2の光源と、を有し、前記点灯手段は、前記第1の光源と前記第2の光源を同時点灯する同時点灯手段を備え、前記信号処理部は、前記同時点灯の後の、前記第1の光源と前記第2の光源の全消灯時の光検出信号を信号処理するものである。
本発明のさらに別の実施態様によれば、前記第1の光源は、可視光の波長帯内で第1〜第3の3種類の波長の光を照射する複数の光源、若しくは、白色光源を有し、前記第2の光源は、赤外光を照射する赤外光源を有する。このような構成によれば、赤外光を照射する光源の燐光を光検出信号として取得することが可能である。
本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。
<光学ラインセンサ装置>
図1は、有価証券や紙幣などの紙葉類(「媒体S」という)の画像を検出する光学ラインセンサ装置を示す断面図である。紙幣搬送路11において、媒体Sは、搬送方向xに沿った姿勢で直線状に搬送される。光学ラインセンサ装置は、媒体Sをx方向に直線状に搬送するための紙幣搬送路11を挟んで両側に対向配置されるセンサユニット12、13を有している。
透光カバー17の材質はライン光源20から出射される光を透過させるものであれば良く、例えばアクリル樹脂やシクロオレフィン系樹脂などといった透明の樹脂であってもよい。ただ、本発明の実施の形態では、白板ガラス、ホウケイ酸ガラスなど特に紫外光を透過させるものを使用するのが好ましい。
受光部14もユニット本体Uと同様に細長い形状をなしており、その長さ(y)方向を、ユニット本体Uの長さ(y)方向に一致させて筐体16の中に取り付けられている。この受光部14は、その画像検出方向を透光カバー17に向けている。
基板18上の点灯駆動回路28はライン光源20に電力を供給してその発光を駆動・制御する回路である。点灯駆動回路28はライン光源20の各発光素子30を任意の組合せで同時点灯制御することもでき、各発光素子30を個別に点灯制御することもでき、発光素子30を全て消灯させることもできる。
このライン光源20は、受光部14とほぼ同等若しくはそれ以上の長さの、細長い形状の透明樹脂等からなる導光体32と、導光体32内に光を照射する半導体素子からなる発光素子30とを有している。発光素子30は複数設置され、ユニット本体Uの長さ(y)方向に沿って均等のピッチ、若しくは不均等のピッチで配列されている。例えば、発光素子30は、導光体32の端面付近に集中して設置されていてもよい。
各発光素子30は、それぞれが可視光の所望の波長領域の光を単独で照射可能な3つの発光素子(LED素子)30A〜30Cと、波長300nm〜400nmの紫外光の発光が可能な発光素子30Dと、波長800nm以上の赤外光の発光が可能な発光素子30Eとを含む。各発光素子30A〜30Eは、所定の電極端子(図示せず)を備え、それらはワイヤーボンディング等(図示せず)によって点灯駆動回路28に接続されている。
各発光素子30A〜30Eは、異なる波長領域の光を導光体32内に照射可能とされており、このため点灯駆動回路28によって各素子に電圧を印加する電極端子を選択することにより発光素子30A〜30Eを同時に、若しくは時間的に切り替えて発光できる回路構成となっている。
この構成により、図1における図示上側のセンサユニット12の受光部14は、図1における図示上側のライン光源20から照射され、観測ラインR1で反射される反射画像を検出できる。
また、センサユニット13のユニット本体U内には、前述したライン光源20と同じ構成のライン光源23,24が備えられている。ライン光源23は、図1において下から上に(媒体Sの裏面を下から上に)向けて照射する。ライン光源23はセンサユニット12の受光部14に相対して配置されているので、ライン光源23から照射され、媒体Sを透過した光は、レンズアレイ25を通過して受光部14に入射される。
この構成により、図1における図示上側のセンサユニット12の受光部14が図1における図示下側のセンサユニット13の、観測ラインR1における透過画像が検出可能となる。また、図1における図示下側のセンサユニット13の受光部15はライン光源23から照射された観測ラインR2の反射画像が検出可能となる。
<受光部>
受光部14,15は、反射光を受けて光電変換により電気出力として画像を読取る受光素子を含んで構成されている。受光素子の材質・構造は特に規定されるものではなく、アモルファスシリコン、結晶シリコン、CdS、CdSeなどを用いたフォトダイオードやフォトトランジスタを配置したものであってもよい。またCCD(Charge Coupled Device)などのイメージセンサであってもよい。
受光部14,15は、y方向に直線状に並べられた複数の受光素子と信号処理部27とドライバ部31とを一体化させたセンサIC(Integrated Circuit)チップを配列し、各受光素子をカラーフィルタで覆い、これを基板上に実装したものである。ドライバ部31は受光素子を駆動するためのバイアス電流を生成し供給する回路部分であり、信号処理部27は受光素子の光検出信号を読み取り処理する回路部分である。
本発明の第1実施例では、図2に示すように、受光部14,15の一画素(画素とは、画像データを読み取り処理する空間的単位を言う)あたり複数、例えば3つの受光素子が直線状に並んで構成されている。図2では、3つの受光素子のうち、1番目の受光素子が赤のカラーフィルタ(R)で覆われ、2番目の受光素子が緑のカラーフィルタ(G)で覆われ、3番目の受光素子が青のカラーフィルタ(B)で覆われている。なお、R,G,Bに代えて、他の色の組み合わせ、例えばシアン・マゼンタ・イエローを用いても良い。
図4は、本発明の第1実施例に基づく、複数の発光素子の点灯タイミングとその際に取得される光検出信号を示している。
ここで点灯タイミングの定義をする。これらの点灯タイミングは信号処理部27が、点灯駆動回路28,29に対して点灯制御信号を送ることによって実現される。
点灯タイミング4:点灯タイミング3のあとの全消灯期間。
点灯タイミング5:ライン光源における波長800nm以上の赤外光の発光が可能な発光素子30Eが点灯する期間。
図4に示すように、点灯タイミング3において、発光素子30A〜30Cの各可視光(R)、(G)、(B)と発光素子30Dの紫外光(UV)を同時点灯させ、カラーフィルタ(R)を透過した可視光(R)の光検出信号、カラーフィルタ(G)を透過した可視光(G)の光検出信号、カラーフィルタ(B)を透過した可視光(B)の光検出信号を、それぞれ取得する。この際、正味の各可視光(R)、(G)、(B)の光検出信号と比べ、その中に含まれる紫外光(UV)による蛍光の光検出信号は小さいため無視することができる。
点灯タイミング5において、発光素子30Eの赤外光(IR)を点灯させ、カラーフィルタ(RGB)を透過した赤外光(IR)の光検出信号を取得する。点灯タイミング6において、発光素子30Eを消灯させ、点灯タイミング5にて点灯していた発光素子30Eの赤外光(IR)による燐光出力を、カラーフィルタ(R)を透過した燐光(R)の光検出信号、カラーフィルタ(G)を透過した燐光(G)の光検出信号、カラーフィルタ(B)を透過した燐光(B)の光検出信号として、それぞれ取得する。
なお、図4において、点灯タイミング3〜6を連続して実施しているが、必ずしも点灯タイミング3〜6を連続して実施する必要はなく、点灯タイミング3,4のみの実施も可能である。点灯タイミング5,6のみの実施も可能である。
ここで図5の点灯タイミングの定義をする。
点灯タイミング7:ライン光源における可視光の所望の波長領域の光を単独で照射可能な3つの発光素子(LED素子)30A〜30Cが点灯し、かつ波長300nm〜400nmの紫外光の発光が可能な発光素子30Dが点灯する期間。
点灯タイミング9:ライン光源における波長800nm以上の赤外光の発光が可能な発光素子30Eが点灯する期間。
点灯タイミング10:点灯タイミング7のあとの全消灯期間。
点灯タイミング7において、発光素子30A〜30Cの各可視光(R)、(G)、(B)と発光素子30Dの紫外光(UV)を同時点灯させ、カラーフィルタ(R)を透過した可視光(R)の光検出信号、カラーフィルタ(G)を透過した可視光(G)の光検出信号、カラーフィルタ(B)を透過した可視光(B)の光検出信号を、それぞれ取得する。この際、各可視光(R)、(G)、(B)の光検出信号に含まれる紫外光(UV)に基づく蛍光の光検出信号は小さいため無視することができる。
点灯タイミング9において、発光素子30Eの赤外光(IR)を点灯させ、カラーフィルタ(IR)を透過した赤外光(IR)の光検出信号を取得する。点灯タイミング10において、発光素子30Eを消灯させ、点灯タイミング9にて点灯していた発光素子30Eの赤外光(IR)による燐光出力を、カラーフィルタ(R)を透過した燐光(R)の光検出信号、カラーフィルタ(G)を透過した燐光(G)の光検出信号、カラーフィルタ(B)を透過した燐光(B)の光検出信号として、それぞれ取得する。
なお、図2、図3では1素子のみが同一色のフィルタで覆われていたが、2つ以上の受光素子が対をなして同一色のフィルタで覆われていてもよい。
次に本発明の実施の形態において、波長800nm以上の帯域の赤外光(IR)を照射して、媒体Sから発する赤外光を観測する場合の効果を説明する。
例えば第1実施例において、受光部14,15の受光素子のフィルタは図6(a)に示したように一列に配列されているとは限らず、二列以上に配列されたものであってもよい。図6(b)は、前記受光素子が一画素あたり2×1若しくは1×2に配列されたものであり、図6(c)は、前記受光素子が一画素あたり3列に配列されたものである。このようなフィルタの配列においても、一画素内において、各カラーフィルタ(R)、(G)、(B)を透過した各受光素子の信号強度を検出することができるので、本発明を実施することは可能である。
12、13 センサユニット
14,15 受光部
16、21 筐体
17、22 透光カバー
18,19 基板
20、23、24 ライン光源
25、26 レンズアレイ
27 信号処理部
28,29 (発光素子の)点灯駆動回路
30 発光素子
31 (受光素子の)ドライバ部
32 導光体
B カラーフィルタ(B)
G カラーフィルタ(G)
IR カラーフィルタ(IR)
R カラーフィルタ(R)
R1、R2 観測ライン
S 有価証券、紙幣などの媒体S
U ユニット本体
Claims (8)
- それぞれ異なる波長の光を媒体に照射する複数の光源と、
前記複数の光源を点灯する点灯手段と、
前記点灯された光源から照射され、前記媒体を反射若しくは透過した光を集光するレンズと、
前記レンズによって集光された光を、光検出信号として電気信号に変換する1又は複数の受光素子が配列された受光部と、
前記受光部からの光検出信号を処理する信号処理部と、を有し、
前記点灯手段は、前記複数の光源を組み合わせて同時に点灯することができ、
前記信号処理部は、前記複数の光源の組合せの同時点灯の後の、前記複数の光源の全消灯時の光検出信号を信号処理するものであり、
前記複数の光源は、1種類以上の可視光の波長帯の光を照射する第1の光源と、1種類以上の可視光以外の波長帯の光を照射する第2の光源と、を有し、
前記点灯手段は、前記第1の光源と前記第2の光源を同時点灯する同時点灯手段を備え、
前記信号処理部は、前記同時点灯の後の、前記第1の光源と前記第2の光源の全消灯時の光検出信号を信号処理するものである、光学ラインセンサ装置。 - 前記第1の光源は、可視光の波長帯内で第1〜第3の3種類の波長の光を照射する複数の光源、若しくは白色光源を有し、
前記第2の光源は、紫外光を照射する紫外光源を有する、請求項1に記載の光学ラインセンサ装置。 - 前記第1の光源は、可視光の波長帯内で第1〜第3の3種類の波長の光を照射する複数の光源、若しくは白色光源を有し、前記第2の光源は、赤外光を照射する赤外光源を有する、請求項1に記載の光学ラインセンサ装置。
- それぞれ異なる波長の光を媒体に照射する複数の光源と、
前記複数の光源を点灯する点灯手段と、
前記点灯された光源から照射され、前記媒体を反射若しくは透過した光を集光するレンズと、
前記レンズによって集光された光を、光検出信号として電気信号に変換する1又は複数の受光素子が配列された受光部と、
前記受光部からの光検出信号を処理する信号処理部と、を有し、
前記点灯手段は、前記複数の光源を組み合わせて同時に点灯することができ、
前記信号処理部は、前記複数の光源の組合せの同時点灯の後の、前記複数の光源の全消灯時の光検出信号を信号処理するものであり、
前記受光素子は、可視光の波長帯の光に対してそれぞれ透過特性の異なる2種類以上のカラーフィルタを備え、
前記信号処理部は、前記複数の光源の組合せの同時点灯の後の、前記複数の光源の全消灯時の光検出信号を、前記2種類以上のカラーフィルタごとに分割して信号処理するものである、光学ラインセンサ装置。 - 前記2種類以上のカラーフィルタは、可視光の波長帯内の第1の波長の光と赤外光を透過するカラーフィルタ、可視光の波長帯内の第2の波長の光と赤外光を透過するカラーフィルタ、及び、可視光の波長帯内の第3の波長の光と赤外光を透過するカラーフィルタ、を有する請求項4に記載の光学ラインセンサ装置。
- 前記2種類以上のカラーフィルタは、可視光の波長帯内の第1の波長の光を透過するカラーフィルタ、可視光の波長帯内の第2の波長の光を透過するカラーフィルタ、可視光の波長帯内の第3の波長の光を透過するカラーフィルタ、及び赤外光を透過するカラーフィルタ、を有する請求項4に記載の光学ラインセンサ装置。
- 前記受光部は、前記受光素子が一列に配列されたものである、請求項1から請求項6のいずれかに記載の光学ラインセンサ装置。
- 前記受光部は、前記受光素子が複数列に配列されたものであり、それらの複数列のうち少なくとも1列に、前記カラーフィルタが配列されている、請求項4から請求項6のいずれかに記載の光学ラインセンサ装置。
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