図1は、本発明の第一の実施例における放射線撮像システムのブロック図の一例を示す図である。
まず、図1を用いて放射線撮像システムの全体構成を説明する。図1は、本実施例を示す放射線撮像システムのブロック図の一例である。
放射線撮像システム1は、放射線撮像装置100、画像処理およびシステム制御を行う画像処理部101、ディスプレイ等を含む表示部102、放射線制御部103、放射線を発生する放射線源104を有する。放射線撮像を行う際には、画像処理部101により、放射線撮像装置100と放射線制御部103が同期制御され得る。被写体を透過した放射線(X線、α線、β線、γ線等)は放射線撮像装置100によって検出され、画像処理部101等で所定の処理が行われた後、被写体の画像データが生成される。画像データは、表示部102に放射線画像として表示される。本実施例における放射線撮像システム1は、本発明における撮像システムに相当する。
次に放射線撮像装置100の全体構成について説明する。放射線撮像装置100は、センサパネル105と、制御部109を有する。データ処理部262(図1中不図示)と、転送制御部(図1中不図示)266は、制御部109に含まれて構成されている。センサパネル105は、放射線叉は光に応じた信号を出力する画素が複数配列されている。データ処理部262は、画像データをオフセット補正するためのオフセット補正データを埋め込む。画像データは、センサパネル105から出力された信号に基づくデータである。そして転送制御部266は、オフセット補正データが埋め込まれた画像データを、画像データの画像処理をする画像処理部に転送する。ここで、画素データとは、画像データを構成する1つの画素のデータである、画素の輝度値や濃度値を規定するデータである。本実施例における放射線撮像装置100は、本発明における撮像装置に相当する。以下、各部について詳細に説明する。
センサパネル105は、複数の画素アレイ120が板状の基台の上にタイリング(2次元配列)されて構成されている。画素アレイ120は、例えば、半導体基板から構成される。このような構成により大型のセンサパネル105が形成され得る。なお、画素アレイ120毎に複数の画素が配列されている。また、ここでは、画素アレイ120が12列×2行を形成するように半導体基板がタイリングされた構成が例示されているが、この構成に限られるものではない。本実施例において、画素アレイ120は、センサパネル105における複数の画素が配置された領域を複数に分けた領域のうちの1つの領域である。以下、画素アレイ120は、センサパネル105のうち各々の半導体基板毎に分離した領域として説明する。
画素アレイ120の上には、例えば、放射線を光に変換するシンチレータ(不図示)が設けられ得る。当該シンチレータの放射線の入射側と逆側に複数の光電変換素子(センサ)が配置されている。各センサには、MIS型、PIN型等の光電変換を行う変換素子が用いられる。これにより、照射された放射線量に基づく電気信号が得られる。すなわち、本実施例では、各センサとそれに対応するシンチレータとによって、放射線に応じた電荷を生成する変換素子が構成され得る。なお、当該変換素子は、放射線を直接電荷に変換するものであってもよい。
信号読出部20は、差動アンプ等を含む信号増幅部107と、アナログ信号をデジタル信号への変換(AD変換)を行うAD変換部108とを少なくとも有している。信号読出部20は、後述する行走査回路203、列走査回路204で選択された画素の信号を読み出し得る。そして、センサパネル105の上辺部および下辺部には、信号の入出力又は電源の供給を行うための複数の電極が配列されている。電極は、外部回路に接続され、接続には例えばフライングリード式プリント配線板(不図示)が用いられる。そして、画素アレイ120からの信号は、電極を介して信号読出部20により読み出される。制御部109からの制御信号は、電極を介して画素アレイ120に入力される。
制御部109は、画像処理部101との間で、制御コマンドの通信を行い、同期信号の通信を行い、また、画像処理部101への画像データの出力を行う。また、制御部109は、画素アレイ120ないし各ユニットを制御し、各画素と温度センサの駆動制御や動作モード制御を行う。また、制御部109は、信号読出部20のAD変換部108によりAD変換された各画素アレイ120の画像データ(デジタルデータ)を用いて1つの画像データに合成し、画像処理部101に出力する。更に、制御部109は、画素アレイ120における1フレーム分の読み出し対象の画素202から信号を読み出す期間に、温度センサ127から1フレーム毎に温度データを読み出すように制御し得る。制御部109は、取得した温度センサ127のデータからセンサパネル105の温度叉は、センサパネル105の温度の変化量を算出し得る。また、制御部109は、算出した温度センサ127のデータからオフセット補正データを生成し、画像データに埋め込むこともできる。
画像処理部101は、オフセット補正データを用いて画像データの画像処理を行う機能を有する。画像処理部101は、取得した1つの画像データからオフセット用の画像データ(オフセット画像データ)を差し引くことでオフセット補正を行い得る。画素アレイ120は、撮影のための放射線が照射されていない期間においても暗電流が発生する。このため、画素アレイ120は画像データにオフセット値を持っている。画像処理部101は、所定の期間に放射線が照射されていない状態で取得した画像データを画素アレイ120のオフセット用の画像データとして有している。そして、画像処理部101は、前記所定の期間とは別の期間にて取得した画像データから、オフセット用の画像データを減算しオフセット補正を行え得る。
制御部109と画像処理部101との間では、各種インターフェースを介して、制御コマンドないし制御信号および画像データの授受が行われる。画像処理部101は、制御用インターフェース110を介して、動作モードや各種パラメータなどの設定情報ないし撮影情報を制御部109に出力する。また、制御部109は、制御用インターフェース110を介して、放射線撮像装置100の動作状態などの装置情報を画像処理部101に出力する。また、制御部109は、画像データインターフェース111を介して、放射線撮像装置100で得られた画像データを画像処理部101に出力する。また、制御部109は、READY信号112を用いて、放射線撮像装置100が撮影可能な状態になったことを画像処理部101に通知する。また、画像処理部101は、外部同期信号113を用いて、制御部109からのREADY信号112に応答して制御部109に、放射線の照射開始(曝射)のタイミングを通知する。また、制御部109は、曝射許可信号114がイネーブル状態の間に、放射線制御部103に制御信号を出力して放射線照射を開始させる。
温度センサ127は、センサパネル105の温度を取得するために、センサパネル105を構成する各画素アレイ120に配置されている。温度センサ127と画素アレイ120とは、共通の配線で接続されている。なお、温度センサ127の位置は、表面端部としているが、これに限られない。放射線又は光が入射されない箇所であれば、画素アレイ120の表面のどの位置でも配置可能である。少なくとも、画素アレイ120及び温度センサ127は、共通の半導体基板に配置されている。更に、温度センサ127は、半導体基板において画素アレイ120とは異なる領域に配置されていてもよい。なお、共通の半導体基板に配置する構成には、画素アレイ120と温度センサ127が共通の半導体基板に形成される構成も含まれるものとする。
冷却パネル133は、センサパネル105を冷却する機能を有する。センサパネル105の温度変化を少なくし、センサパネルの特性の変動を抑えることができる。冷却パネル133はセンサパネル105の全面を均一の温度にするため、熱伝導率が高い物質が用いられる。
冷却装置131は、冷却パネル133の温度を一定に制御する機能を有する。冷却ホース132は、冷却装置131と冷却パネルとに接続され、冷却液を循環させる経路としての機能を有する。冷却装置131は、温度管理された冷却液を循環させることで、例えば、27℃に保つことができる。
次に図2を用いて、画素の一例を示す。図2は、画素アレイ120を形成する1個当たり画素202の回路構成の一例を示す等価回路図である。
図2に示すように、複数の画素の夫々は、例えば、第1部分ps1と第2部分ps2と第3部分ps3とを含み得る。なお、各部分に構成されるトランジスタであるM1〜M13は、制御部109によって導通の可否が制御され得る。
第1部分ps1は、フォトダイオードPDと、トランジスタM1〜M3と、フローティングディフュージョン容量CFD(以下、FD容量CFD)と、感度切り替え用の容量CFD1とを有し得る。フォトダイオードPDは光電変換素子であり、放射線叉は光に応じた電荷を生成し得る。フォトダイオードPDは、照射された放射線に応じて前述のシンチレータで生じた光を電気信号に変換する。なお、フォトダイオードPDは、放射線を直接検出し電荷を生成し得るものであってもよい。そして、当該放射線叉は光に応じた量の電荷がフォトダイオードPDで発生し、発生した電荷量に応じたFD容量CFDの電圧が第2部分ps2に出力される。また、感度切り替え用の容量CFD1は、画素202の放射線に対する感度を切り替えるために用いられ、トランジスタM1(スイッチ素子)を介してフォトダイオードPDに接続されている。制御部109が、WIDE信号を活性化することによってトランジスタM1が導通状態になり、FD容量CFDと容量CFD1との合成容量の電圧が第2部分ps2に出力される。このように、画素202では、容量CFD1を用いるか否かで放射線に対する感度を変更している。また、トランジスタM2は、PRES信号が活性化されることによってフォトダイオードPDの電荷を初期化し、第2部分ps2に出力される電圧をリセットする。なお、感度切り替え機能を有しない場合、M1およびCFD1はps1に含まれない。
第2部分ps2は、トランジスタM3〜M7とクランプ容量CCLと定電流源とを有し得る。トランジスタM3とトランジスタM4と定電流源(例えばカレントミラー構成のトランジスタ)とは電流経路を形成するように直列に接続されている。制御部109が、トランジスタM3のゲートに入力されるイネーブル信号ENが活性化されることによって、第1部分ps1からの電圧を受けるトランジスタM4が動作状態となる。このようにしてソースフォロワ回路が形成され、第1部分ps1からの電圧に応じた電圧が出力される。その後段には、トランジスタM5〜7とクランプ容量CCLとで構成されたクランプ回路が設けられている。具体的には、クランプ容量CCLの一方の端子n1が、第1部分ps1のトランジスタM3とトランジスタM4との間のノードに接続されており、他方の端子n2が、クランプスイッチとして機能するトランジスタM5に接続されている。また、トランジスタM6とトランジスタM7と定電流源とは電流経路を形成するように直接に接続されており、当該他方の端子n2は、トランジスタM7のゲートに接続されている。この構成により、第1部分ps1のフォトダイオードPDで生じるkTCノイズ(いわゆるリセットノイズ)の影響が低減され得る。具体的には、前述のリセット時における第1部分ps1からの電圧に応じた電圧がクランプ容量CCLの端子n1に入力される。また、クランプ信号PCLが活性化されることによりトランジスタM5が導通状態になり、クランプ電圧VCLがクランプ容量CCLの端子n2に入力される。このようにして、端子n2の電位をノイズ成分としてクランプし、その後のフォトダイオードPDでの電荷の発生および蓄積に伴う電圧の変化分を信号成分として出力する。また、イネーブル信号ENはトランジスタM6のゲートにも入力され、イネーブル信号ENが活性化されることによってトランジスタM7が動作状態となる。このようにしてソースフォロワ回路が形成され、トランジスタM7のゲート電圧に応じた電圧が第3部分ps3に出力される。
第3部分ps3は、トランジスタM8、M10、M11、M13と、アナログスイッチSW9、SW12と、容量CSおよびCNとを有し得る。第3部分ps3は、本発明における保持部に相当する。保持部は、信号保持部と、基準信号部を有する。信号保持部は、光電変換素子で発生した電荷の量に応じた信号を保持する機能を有する。具体的には、M8、M10、SW9、容量CSを有する。基準信号部は、発生した電荷の量の基準となる基準信号を保持する機能を有する。具体的には、M9、M11、SW12、容量CNを有する。
トランジスタM8と容量CSとはサンプルホールド回路を形成しており、第2部分ps2からの出力値を保持する信号保持部として機能する。まず、信号保持部で信号が保持される動作について説明する。具体的には、制御部109が、制御信号TS1を用いてトランジスタM8の状態(導通状態または非導通状態)を切り替えることにより、第2部分ps2から得られる信号(光成分にしたがう信号)を容量CSに保持し、即ち、サンプリングを行う。また、トランジスタM10は、そのソースフォロワ動作によってアンプとして機能し、これによって当該信号は増幅される。当該増幅された信号は、制御信号VSRを用いてアナログスイッチSW9を導通状態にすることより、端子Sから出力される。次に、基準保持部により、基準信号が保持される動作について説明する。同様に、トランジスタM11およびM13とアナログスイッチSW12と容量CNとは、基準信号が保持され得る。
次に、図3を用いて第一の実施例における温度センサの構成について詳細に説明する。図3は、第一の実施例における温度センサの構成の一例を示す図である。
はじめに、温度センサの全体構成について説明する。図3における温度センサ127は、少なくとも1又は複数のダイオードを含んでいる。さらに、当該ダイオードの信号を増幅する信号増幅部と、信号増幅部から出力された信号を保持する信号保持部と、を有している。さらに、温度センサ127は、画素アレイ120の温度の基準となる基準信号を保持する基準保持部と、を有している。そして、温度センサ127は、画素アレイ120の温度の基準となる基準信号を増幅する第2の信号増幅部と、第2の信号増幅部から出力された信号を保持する基準保持部と、を更に有している。以下、各構成について具体的に説明する。
まず、温度センサ127のダイオードについて説明する。D1〜D4はPN接合によるダイオードである。当該ダイオードの材料はシリコン半導体で構成されている。以下の順方向電圧と温度特性はシリコン半導体で構成されたPN接合型のダイオードを使用する場合について説明する。PN接合ダイオードに流れる電流Iと印加される電圧Vの関係は、数式(1)で表わされる。
ここで、qは単位電荷、nは理想因子、kはボルツマン定数、Tは温度、Ioは飽和電流を示す。数式(1)に基づく特性の一例として、PN接合ダイオードは常温で約0.6Vの順方向電圧特性、さらに順方向電圧は約−2.5mV/℃の温度特性を持つ温度センサとして機能する。本実施例では、ダイオードを4段直列に接続し、常温で約2.4Vの順方向電圧、約−10mV/℃の出力特性を持たせている。温度センサの出力は、図2に示したセンサと同等の出力レンジ内に収めることが可能なため、画素202と同様に図1に示した信号読出部20を用いて読み出しが可能となっている。
次に、信号増幅部について説明する。信号増幅部は、少なくとも1つのトランジスタ(M23)を含んでいる。M23はソースフォロアとして動作するトランジスタで、温度信号Sとして温度センサから出力されるダイオードの順方向電圧VFに応じた信号の信号増幅を行う機能を有する。
次に、第2の信号増幅部について説明する。第2の信号増幅部としてのM29はソースフォロアとして動作するトランジスタで、基準信号Nとして温度センサのN端子から出力される基準信号VCLの信号増幅を行う機能を有する。
次に、信号保持部について説明する。信号保持部は、M24とCSと少なくとも含んでおり、温度センサ信号のサンプルホールド回路を構成する。M24は、サンプルホールド用トランジスタ(サンプルホールドスイッチS)である。CSは温度センサ信号用ホールド容量である。さらに信号増幅用のトランジスタM26を有していてもよい。M26はソースフォロアとして動作し、温度センサ信号の増幅用トランジスタとして機能する。
次に、基準保持部について説明する。基準保持部はM30とCNとを少なくとも含んでおり、基準信号蓄積用のサンプルホールド回路を構成する。M30は、サンプルホールド用トランジスタ(サンプルホールドスイッチN)である。CNは基準信号用ホールド容量である。さらに信号増幅用のトランジスタM32を有していてもよい。M32はソースフォロアとして動作し、基準信号の増幅用トランジスタとして機能する。
次に転送スイッチについて説明する。M25はM26で増幅された温度センサ信号をS信号出力線へ出力するための転送スイッチSである。M31はM32で増幅された基準信号をN信号出力線へ出力するための転送スイッチNである。
次に温度センサ127の制御に関連する各信号とその信号に基づく動作について説明する。以下説明する各信号は、制御部109から入力される。
まず、EN信号について説明する。EN信号は制御部109から入力され各トランジスタの動作状態を制御する機能を有する。EN信号は、ダイオード用定電流選択スイッチ(M21)、ダイオード信号アンプ用定電流選択スイッチ(M22)、基準電圧アンプ用定電流選択スイッチ(M28)のゲートに接続される。EN信号がハイレベルの時、これらの選択スイッチM21、M22、M28はオン状態となる。EN信号がハイレベルの時、直列接続のダイオードD1〜D4に定電流が流れ、動作状態となったトランジスタM23からダイオードの順方向電圧VFに応じた信号が温度センサの信号出力として出力される。
PCL信号は、基準電圧選択スイッチM27を制御する信号である。EN信号がハイレベルの時、PCL信号がハイレベルになると基準電圧選択スイッチM27がオン状態となり、動作状態となったトランジスタM29から基準信号VCLが増幅され出力される。
TS信号は、温度センサの信号出力のサンプルホールド制御信号で、TS信号をハイレベルとし、M24をオン状態にすることでダイオードの順方向電圧VFが、M23を通して容量CSに印加される。次いで、信号TSをローレベルとし、M24をオン状態にすることで、サンプルホールド回路への温度センサ信号の保持が完了する。
TN信号は、基準信号VCLのサンプルホールド制御信号で、TN信号をハイレベルとし、M30をオン状態にすることでM29を介して増幅された基準信号VCLが容量CNに印加される。次いで、信号TNをローレベルとし、M30をオフ状態にすることで、サンプルホールド回路への基準信号VCLの保持が完了する。
容量CS、容量CNのサンプルホールド後は、M26、M32がオン状態となり、再度サンプルホールドされるまで保持した信号を非破壊で読み出すことが可能である。
TSEL信号は、温度センサ選択信号で、転送スイッチS(M25)、転送スイッチN(M31)のオン/オフの状態を制御する。そして、温度センサ信号用ホールド容量(CS)の信号S、基準電圧VCLホールド用容量(CN)の信号Nが、それぞれ出力される。
図4を用いて、第一の実施例における画素アレイ120について説明する。図4は画素アレイ120の構成例を示す図である。図4に示すように、画素アレイ120は、長辺側である縦方向にm個、短辺側である横方向にn個に複数の画素202が配列されている。画素アレイ120は、センサが行列状に複数配列されている。本実施例においては、列信号線206、207のうち、1組の列信号線が温度センサ127と画素アレイ120との間で共通に用いられる。
画素アレイ120と温度センサ127の各信号は、共通の配線を介して信号読出部20により読み出される。本実施例において、画素アレイ120の複数のセンサを行単位で走査する行走査回路を更に有し、行走査回路は、所定行のセンサと温度センサとを共通に走査する。
駆動部210は、各画素202を駆動するための行走査回路203と、各画素202から信号読出を行うための列走査回路204と、を有している。
行走査回路203および列走査回路204は、例えばシフトレジスタで構成されており、制御部109からの制御信号に基づいて動作する。行走査回路203は、行信号線205を介して各画素202に制御信号を入力し、当該制御信号に基づいて各画素202を行単位で駆動する。例えば、行走査回路203は行選択部として機能し、信号読出を行うべき画素202を複数の画素に対し、行ごとに所定の選択周期で選択する。また、列走査回路204は列選択部として機能し、制御信号に基づいて各画素202を列ごとに選択して、所定の読み出し周期で当該各画素202からの信号を順に出力させる。温度センサ127は、行選択信号V0がイネーブルになると、温度センサ127の出力が基準信号出力端子N、信号出力端子Sに出力される。V0に関しては温度センサ専用の行となる。
画素アレイ120は、更に入力端子としてVST、HST、CLKV、CLKHを有する。入力端子VSTは、行走査スタート信号VSTが入力される端子である。入力端子CLKVは、行走査クロック信号CLKVが入力される端子である。入力端子CLKHは、列走査クロック信号CLKHが入力される端子である。入力端子HSTは、列走査スタート信号HSTが入力される端子である。
行走査回路203は行ごとに複数の画素を選択し、行走査クロックCLKVに同期して画素を副走査方向である行方向に順次走査する。列走査回路204は行走査回路203により選択された行の画素の列信号線を列走査クロック信号CLKHに同期して1画素ごとに順次選択する。行走査回路203の出力線である行信号線205がイネーブルになることにより、列信号線206、207を介して信号、基準信号は出力される。列信号線206,207に出力された信号を列走査回路204が順次選択することにより、アナログ電圧出力線208,209に各画素の信号が順次出力される。
更に、画素アレイ120は、チップセレクト端子CS、信号出力端子S、基準信号出力端子Nを有する。チップセレクト端子CSは、画素アレイ120から信号を読み出し得る状態にするための端子である。信号出力端子SIGは、各画素202の容量CSに保持された信号を読み出すための端子であり、基準信号出力端子Nは、容量CNに保持される。
次に、図5を用いて、制御部109の構成について説明する。まず、制御部109の各部が有する機能について説明する。制御部109は、少なくとも、データ処理部262と、転送制御部266と、を含んで構成されている。
通信制御部261は、画像処理部101と通信を行い、画像処理部101から送信される制御コマンドにより放射線撮像装置100の制御を行う機能を有する。当該制御コマンドは、制御用インターフェース110を介して取得される。データ処理部262は、送信された制御コマンドに基づいてセンサパネル105を制御し、センサパネル105から画像データを取得する。そして、画像データの並び替え処理、画像データに対してオフセット補正データの埋め込みを行う。画像データの取得は、センサ制御バス251、データ処理バス256を介して行われる。センサ制御バス251は、センサパネル105及び温度センサ127を駆動させるための各種の信号を授受するバスである。データ処理バス256は、AD変換部108からの信号を取得するバスである。なお、データ処理部262は、画像データに対して、温度データの埋め込み処理の有無を決定する制御を行うことができる。
そして、温度データ処理部264は、温度センサ127から読み出した温度データのデータ処理を行う。ラインバッファ用メモリ265にはセンサパネル105から読み出され並び替えられた画像データが保存される。ラインバッファ用メモリ265は、1叉は複数のラインバッファ用メモリを有している。転送制御部266は画像データインターフェース118を介して画像処理部101へ当該ラインバッファ用メモリに保存されていた画像データを転送する。フレームバッファ267は画像データの並び替えが行われた各画素行を転送順に一時的に記憶する。
温度補正データメモリ268には、センサパネル105に構成された各温度センサ127が持つ固有のオフセット量を補正するための温度補正データが格納されている。これをセンサパネル105のうち、温度センサ127が構成された各画素アレイ120に対して行う。
変換テーブル用メモリ269は、温度変換用ルックアップテーブル270および8b/10b変換テーブル271を有する。温度変換用ルックアップテーブル270は、温度補正後の温度データを変換する。8b/10b変換テーブル271は、変換された温度データに対して、8b/10b変換を行う。
次に図6を用いて、温度センサ127から読み出した温度データからオフセット補正データを取得する方法について説明する。
まず、温度データ群301と画像データ群302がデータ処理部262に入力される。温度データ群301と画像データ群302は、それぞれ、AD変換されたAD変換領域B1からB8の温度データと画像データのデータ行を示す。データ処理部262は、データ処理部262が有するレジスタ303に、温度データ群301を格納する。温度データ群301は、レジスタ303に格納される際に直列に配列されて格納される。
なお、センサパネル105は、センサパネル上段部224とセンサパネル下段部225から構成される。センサパネル上段部224は、B1からB4のブロックで構成される。センサパネル下段部225は、B5からB8のブロックで構成される。各ブロックは画素アレイ120から構成される。センサパネル105中の矢印は、センサパネル105における画素信号読み出しの主走査方向252、副走査方向253を示す。
図6に示すように、センサパネル上段部224の温度データは、画素アレイ120毎にT0、T1、T2の順番に整列される。更に整列された温度データは、ブロック単位でB1からB4の順番になるようにレジスタ303内に整列される。一方、センサパネル下段部225の温度データは、画素アレイ120単位でT2、T1、T0の順番に、上段ブロックのB4に連続して、B8からB5の順番になるようにレジスタ303内に整列される。そのため、データ処理部262でのセンサパネル上段部224とセンサパネル下段部225とで異なる。これは、センサパネル105の主走査方向がセンサパネル上段部224とセンサパネル下段部225とで異なるためである。
以上の並べ替えの処理は、データ処理部262への温度データの入力と並行して順次行われる。レジスタ303内への温度データの並べ替えは、温度データ群301のデータ処理部262への入力完了とともに完了する。
次に並び替えられた温度データに対し、温度データ処理部264が補正処理を行う。温度データ補正処理部304は、順次入力される温度データとその温度データに対応する温度補正データを温度補正データメモリ268から読み出し、温度データの補正処理を行う。
当該補正処理により温度データに含まれる温度センサ127のオフセット成分が補正される。更に、温度データ処理部264は、補正された16ビット温度データから、撮影画像のオフセット補正処理で用いる8ビットのオフセット補正データに変換を行う。温度データ変換処理部305は、温度データ変換用ルックアップテーブル270を参照し、温度データ補正処理部304から順次転送される16ビット温度データを8ビットのオフセット補正データに変換する。当該8ビットのオフセット補正データは、オフセット補正のために複数用意された補正データの切り替えに用いられる。そのため、当該8ビットのオフセット補正データは、温度情報でなくてもよく、例えば、センサパネル105の温度によるオフセット変動特性に合わせあらかじめ設定した補正ステップに1対1で対応する番号でもよい。
そして、温度データ処理部264は、8b/10b変換処理部306で、8b/10b変換テーブル271を参照し、8ビットのオフセット補正データを10ビットのオフセット補正データに変換する。オフセット補正データは、当該変換によって連続するローまたはハイの状態が3ビット以下になるように変換される。なお、温度データ変換用ルックアップテーブル270と8b/10b変換テーブル271を一つのルックアップテーブルとして統合し、データ変換に使用することもできる。なお、2つのルックアップテーブルを統合することにより、変換の処理時間が短縮される。
レジスタ309は、データ処理部262内に設けられたレジスタであり、パイプライン方式によって、温度データ補正処理、温度データ変換処理、8b/10b変換処理が行われたオフセット補正データが順次格納される。レジスタ309では、レジスタ303と同順に温度データから8b/10b変換処理されたオフセット補正データが整列する。
オフセット補正データ群308は、センサパネル上段部224の変換された10ビットのオフセット補正データ群である。オフセット補正データ群307はセンサパネル下段部225の変換された10ビットのオフセット補正データ群である。
なお、温度データ変換用ルックアップテーブル270を用いて温度データを8ビット温度データである256ステップのデータに変換しているが、これに限られるものではない。温度センサ127で使用される温度範囲が狭い場合、あるいは温度データのオフセット成分が安定している場合には、温度データのビット数は適宜変換され得る。
例えば、オフセット補正の補正ステップを大きくしたい場合には、オフセット補正データを取得する温度範囲を8ビット以下とすることもできる。温度データが32ステップであれば、温度データ変換用ルックアップテーブル270を用いて5ビットの温度データに変換することもできる。更に、温度データのステップが、8あるいは4ステップの場合は、オフセット補正データは3ビット、あるいは2ビットとすることができる。
温度データが3ビット以下の場合には、8b/10b変換のような連続するローまたはハイの数を制限する処理の必要はなく、そのままオフセット補正データをレジスタ309に格納してもよい。そのため、8b/10b変換を行ったがこれに限られるものではなく。温度データのビット数が少ない場合は、連続するローまたはハイの状態が3ビット以下になるような変換テーブルで変換してもよい。
次に、図7を用いてセンサパネル105から読み出した画像データの並び変え処理について説明する。まず、図7を用いて、制御部109が、センサパネル上段部224から読み出した画像データの処理について説明する。
図7は、センサパネル上段部224から読み出した画像データの処理の概念図である。データ群320は、センサパネル上段部224から読み出した画像データ1行のデータ群を示す。図7におけるnは、主走査方向の画素数である。mは副走査方向の画素数である。
放射線撮像装置100では、センサパネル上段部224、センサパネル下段部225のブロックB1からB8の8つのブロックは同じタイミングで駆動される。そして、AD変換された各ブロックの画像データは並列にデータ処理部262に入力される。
図7に示すように、センサパネル上段部224の画素のデータの処理は、まず、ブロックB1からB4の4ブロックから並列に入力される1行目の画素の並び替えを行う。
データ群320は、各ブロック上段部P0(1,1)からP2(n,1)の1行目3n画素4ブロックの合計12n画素である。データ群320は、第1の上段用ラインバッファの領域265−1に連続なアドレスのデータとなるように格納される。次に、第1の上段用ラインバッファ265−1内の画像データの並びについて説明する。まず、ブロックB1の画素P0(1,1)から画素P2(n,1)が順に格納される。以下、ブロックB2からB4の画像データも順に格納される。
1行目のデータの並べ替えが完了するとブロックB1の画素P0(1,1)からブロックB4の画素P2(n,1)は、データ処理部262に転送される。
2行目以降の画像データも同様に、第2の上段用ラインバッファ265−2に、ブロックB1の画素P0(1,2)から画素P2(n,2)が順に格納される。以下、ブロックB2からB4の画像データも順に格納される。
2行目のデータの並べ替えが完了したブロックB1の画素P0(1,2)からブロックB4の画素P2(n,2)は、データ処理部262に転送される。
以下、同様に第1の上段用ラインバッファ265−1と第2の上段用ラインバッファ265−2を交互に使用して各行の画像データの並び変えが行われる。データ処理部262への転送を繰り返し、センサパネル上段部224の最後の読み出しラインの処理までを終了する。
センサパネル下段部225の画素のデータの処理は、センサパネル上段部224の処理と並行して行われる。なお、センサパネル下段部225の画像データの並び替えも同様に行われる。センサパネル下段部225の画像データの並び替えには、第1の下段用ラインバッファ265−3と第2の下段用ラインバッファ265−4を交互に使用して行われる。並び替えられた画像データは、データ処理部262への転送を繰り返す。
データ処理部262は、画像データにおける所定画素を構成するビット中の少なくとも1ビットに、オフセット補正データ群307および308を埋め込む。温度データの埋め込み処理については後述する。そして転送制御部266は、オフセット補正データが埋め込まれた画像データを、オフセット補正データを用いて画像データの画像処理をする画像処理部101に転送する。データ転送部266で転送待ちとなる画像データはフレームバッファ267に一時退避される。
次に図8を用いてオフセット補正データを画像データの所定画素にビットを埋め込む処理について説明する。以下、データ処理部262が所定の行の連続した複数の画素にオフセット補正データを埋め込む場合について詳細に説明する。
図8において、矢印351は、最下位ビットにオフセット補正データを埋め込む処理の方向を示す。この例は、画素データの最下位ビットが、センサが出力する信号のオフセットが含まれ得る範囲のビットと予め定めた例である。画像データ352は、1画素のデータを示す。ビット353は、1画素のデータの中の1ビットを示す。画像データ352は、LSBを最下位ビットとしてBit0からBit15の最上位ビット(MSB)の1バイトで構成される。
アドレス354は、センサパネル105からデータ読み出し時の各ブロックの画像データの読み出し時のアドレスを示す。アドレス355は、制御部109から画像処理部101への画像データの転送時のアドレスを示す。そして、図8に示すように、アドレス354とアドレス355は、1対1で対応している。
オフセット補正データの埋め込み処理について、以下に詳細に述べる。まず、センサパネル上段部224の各画素アレイ120の画像データに対応したオフセット補正データを、オフセット補正データ群308から順次読み出す。
オフセット補正データの埋め込み処理はパイプライン方式で処理が行われ、画像データD(1,1)を先頭に処理を開始し、1バイトずつ順に最後の画像データD(12n,1)まで行う。なお、図6を用いて説明したようにレジスタ309には、センサパネル105のオフセット補正データ群308、307が格納されている。
オフセット補正データ356は、オフセット補正データ群308のD(1,1)で始まる画像データ行のオフセット補正データである。オフセット補正データ357は、同様にD(n+1,1)で始まる画像データ行のオフセット補正データである。
データ処理部262は、10ビットのオフセット補正データ356をレジスタ309から読み出しビット分解する。そして、当該ビット分解されたデータは、最下位ビットのBit0から順に最上位ビットのBit9までの各ビットが、D(1,1)からD(10,1)までの画像データのそれぞれの最下位ビットBit0と順次置き換えられる。ビット分解されたデータ357も同様に、画像データ処理の流れの中で、D(n+1,1)からD(n+10,1)までの画像データのそれぞれの最下位ビットBit0と順次置き換えられる。そして、レジスタ309から残りのオフセット補正データが順次読み出され、ビット分解と置き換え処理が行われる。
以上の処理により、画像データ行のアドレスD(1,1)からD(11n+1,1)をそれぞれ先頭にした10画素の画像データの最下位ビットにオフセット補正データが1ビットずつ埋め込まれる。
アドレスD(1,1)からD(11n+1,1)は、センサパネル上段の最初に転送される画像データ行の各画素アレイ120の先頭画素アドレスである。このため、転送される画像データの各画素アレイ120の先頭部分にオフセット補正データが埋め込まれることになる。
埋め込み処理がされた画像データは、1バイトごとに矢印351方向に流れ、データ処理部262によってデータ処理のタイミングが調整され転送される。
以上、センサパネル上段部224のオフセット補正データの埋め込み処理について上記に述べたが、センサパネル下段部225についても同様に行われる。
なお、オフセット補正データの埋め込み処理が行われるビットは、最下位ビットに限られるものではない。データ処理部262は、画素の一部を置き換えても画像の画質に影響がない範囲でオフセット補正データを埋め込むビットを決定することができる。データ処理部262は、例えば、画像データのノイズレベルに応じて前記オフセット補正データを埋め込むビットの数を決定することができる。ここで、ノイズレベルは、例えば、外来ノイズや画素アレイやその周辺回路等に起因する。この場合において、画像の画質に影響しない範囲で多くのオフセット補正データを埋め込むことができる。そのため、データ処理部262は、例えば、最下位のBit0だけでなく、Bit1に埋め込みを行ってよい。画像データは、画質を確保するため、少なくとも16ビットのうち12ビットは画像に用いられることが好ましい。データ処理部262は、画像データの所定画素の画素データ最下位ビットから4ビット目までの少なくともいずれか1ビットを含む所定の範囲のビットに埋め込むことが好適である。この場合において、画像の画質に影響しない範囲でより多くのオフセット補正データを埋め込むことができる。更に、データ処理部262は、画像データ内のうち先頭画素、先頭行、先頭列のいずれかを含む領域に埋め込むことができる。また、埋め込まれるデータはオフセット補正データを例に説明したが、オフセット補正データだけでなく、他の環境情報を含む画像処理データを埋め込むこともできる。1フレームの画像処理データが一種類の場合はフレームの先頭部分にのみ画像処理データを埋め込めばよい。
上述の通り、データ処理部262が、画像データ内の複数の領域において複数の領域の各々で共通した位置にある画素にオフセット補正データの埋め込みを行っている。当該複数の領域は、AD変換部108のうち1のAD変換器と対応して決定されているがこれに限られるものではない。例えば、画素アレイ120毎に複数の領域で共通した位置にある画素にオフセット補正データの埋め込みを行ってもよい。
次に転送制御部266が行う画像データを転送する処理について述べる。転送制御部266は、センサパネル上段部224の画像データを、1ラインごとに画像データインターフェース111を介して画像処理部101に順次転送する。センサパネル下段部225の画像データは、センサパネル上段部224の画像データを転送中はフレームバッファ267に一時蓄積される。センサパネル上段部224の最後の画像データが転送された後に、順次フレームバッファ267から画像データを読み出し、画像処理部101に転送する。
以上により、放射線撮像装置100は、画像データの読み出しを行いつつオフセット補正データを高速に処理し転送することができる。更に画像データの一部の画素にオフセット補正データを埋め込むため、撮像装置から転送するデータ量を少なくできる。そして、画像データのうち、画像の画質に影響のない範囲にオフセット補正データを埋め込むため画質を担保しつつオフセット補正データを転送することができる。
次に図9を用いて画像処理部が行う画像データからオフセット補正データを抽出する処理について説明する。図9は、オフセット補正データが埋め込まれた画像データ行からオフセット補正データを抽出する処理を説明する概念図である。なお、各処理は、画像処理部100によって行われる。画像処理部100は、8b/10b逆変換テーブル404、セグメントベースデータメモリ409、8b/10b逆変換処理部421、データ変換処理部422を有している。
図9において、矢印423は、最下位ビットにオフセット補正データが埋め込まれた画像データからオフセット補正データを抽出する処理の方向を示す。
オフセット補正データ424は、D(1,1)からD(10,1)までの画像データのそれぞれの最下位ビットBit0に埋め込まれたビットを抽出し、10ビットのデータにビット合成される。また、オフセット補正データ425は、D(n+1,1)からD(n+10,1)までの画像データに対しオフセット補正データ424と同様の抽出処理が行われたものである。
8b/10b逆変換処理部421は、8b/10b逆変換を行う。データ変換処理部422は、8b/10b逆変換が行われた8ビットのオフセット補正データをセグメントベースメモリに変換する。
オフセット補正データの抽出処理では、各画像データ行が、画像データD(1,1)からD(12n,1)を順番に1画像データずつパイプライン方式で処理される。
D(1,1)からD(10,1)までの画像データは、それぞれの最下位ビットにオフセット補正データが埋め込まれている。そのため、画像処理部100は、1つの画像データ毎に最下位ビットをそれぞれ抽出し、10ビットのオフセット補正データ424にビット合成する。処理が終わった画像データは矢印423の方向の次段の処理に転送される。合成されたオフセット補正データ424は、8b/10b逆変換処理部421に転送される。8B/10B逆変換処理部421では、8b/10b逆変換処理テーブル405を参照してオフセット補正データ424を8ビットのオフセット補正データに変換し、次段のデータ変換処理部422に転送する。
データ変換処理部422では、データ変換テーブル406を参照し、オフセット補正データに対応するオフセット画像データの先頭画素を示すセグメントベースアドレスに変換し、セグメントベースアドレスをセグメントベースデータメモリに格納する。
D(11,1)からD(n,1)の画像データにはオフセット補正データは埋め込まれていないので、変換処理は行わずに矢印423の方向の次段の処理に転送さる。
同様に、画像データD(n+1,1)からD(n+10,1)は、オフセット補正データ抽出処理が行われ、セグメントベースアドレスをセグメントベースデータメモリ409に格納される。画像データD(n+11,1)からD(12n,1)まで上記と同様に判断と処理が行われる。
同様に8b/10b逆変換テーブル405とデータ変換テーブル406も一つのルックアップテーブルとして統合し、セグメントベースアドレスを作成しても良い。ルックアップテーブルを統合することにより、変換の処理時間が短縮される。
以上により、各画像データの先頭に埋め込まれたオフセット補正データが抽出され、セグメントベースアドレスに変換され、セグメントベースデータメモリ409に格納される。
図10を用いて、画像処理部101が画像データに対し行うオフセット補正処理について説明する。当該オフセット処理によりオフセット画像データメモリ408に 格納されている複数のオフセット画像データを、領域ごとに対応付けされたセグメントベースアドレスを元に切り替えることができる。
図9で行った処理により、セグメントベースデータメモリ409には、複数の領域毎に対応したセグメントベースアドレスが、1フレーム(1枚)あたりの画像データの画像処理が完了するまでの間格納される。
オフセット画像データ選択処理部456は、複数の領域毎にセグメントベースアドレスを切り替え、オフセット補正のために参照するオフセット画像データを切り替える。
オフセット画像データメモリ408は、オフセット画像データを記憶している。471から476は、セグメントベースアドレスが示すオフセット画像データの画素位置であり、オフセット補正データに対応したオフセット画像データの先頭のアドレスである。オフセット画像データ1〜Nは、オフセット補正データに1対1で対応している。
そして、オフセット補正処理部453は、画像データとオフセット補正データを用いて画像データのオフセット補正を行う。更に、ゲイン補正処理部454が、オフセット補正を行った画像データに対してゲイン補正を行ってもよい。
以上、画像処理部101に入力される画像データは、画像先頭部のオフセット補正データの抽出と、オフセット画像データへのアクセスにより、温度変動を考慮したオフセット補正のパイプライン処理が行われる。