JP6468331B2 - 熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法、有機ランキンサイクル装置、及び作動流体を置換える方法 - Google Patents

熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法、有機ランキンサイクル装置、及び作動流体を置換える方法 Download PDF

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本発明は、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む作動流体組成物および作動流体を収容した有機ランキンサイクル装置において熱エネルギーを機械エネルギーに変換する方法、その有機ランキンサイクル装置、及び地球温暖化係数が大きな作動流体を置換える方法に関する。
二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、代替フロン等の温室効果ガス排出量を規制する京都議定書が発効し、現在温室効果ガスは排出が制限されている。このため、温室効果ガスを抑制する未利用エネルギーの活用による廃熱発電の開発は重要な課題となっている。鉄鋼・石油・化学・セメント・紙パルプ・窯業・バイオマス等の各種産業から発生する廃熱またはガスタービン、エンジン等の原動機からの廃熱等中低温度の廃ガス、温水廃熱は今日十分には利用されているとはいいがたい。
一般に作動媒体として有機化合物を用いる有機ランキンサイクル(ORC)は、作動媒体を外部に排出しない閉鎖ランキンサイクルであり、作動媒体を気化させる蒸発器と、発電機、膨張機、凝縮器及び再循環用ポンプ等から構成される。ランキンサイクルにおいて、作動流体は、ポンプにおける断熱圧縮、定圧加熱(蒸発)、断熱膨張、定圧冷却(凝縮)の4つの過程を経て装置内部を循環する。定圧加熱過程において外部熱源と熱交換し、気化した作動媒体が膨張機に運ばれ、断熱膨張しエネルギー(仕事)を外部に与え、電気エネルギー等として取り出される。
従来、ランキンサイクルの作動媒体としては、水が用いられ、古くから実用化されている(例えば、米国特許第3,393,515号)。しかしながら、水は凝固点が0℃と高く、蒸気比体積が非常に大きいために、使用温度範囲が比較的低温(約200℃以下)の熱源を使用する場合は、設備が大きくなり、またサイクル効率が低下するという欠点を有する。
このような背景のもと、低温廃熱利用技術として、水より沸点の低い有機化合物を作動流体として用いる有機ランキンサイクル(ORC)について種々の検討がなされており、中でも、有機ランキンサイクル用の作動流体として、有機フッ素化合物を用いる技術が提案されている。
特許文献1には、有機ランキンサイクル用作動流体として、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン等の炭素数が3である水素含有ハロゲン化飽和炭化水素類が開示されている。
また、特許文献2には、2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを作動流体として用いる有機ランキンサイクル装置が開示されている。
また、特許文献3には、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、モノクロロノナフルオロペンテン等のフルオロオレフィン類を作動流体として用いる有機ランキンサイクル装置が開示されている。
また、特許文献4には、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン等の4つの炭素原子を有するヒドロフルオロオレフィンを作動流体として用いる有機ランキンサイクルシステムが開示されている。
特開平2−272086号公報 特開2007−6684号公報 特表2012−511087号公報 特表2013−500374号公報
特許文献1において、作動流体として炭素数が3である水素含有ハロゲン化飽和炭化水素類が提案されているが、地球温暖化係数(GWP)が大きいため、将来永続的に使用することが懸念されている。
特許文献2において、2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを作動流体として用いる有機ランキンサイクル装置について提案されているが、これらの化合物は、オゾン層破壊の観点または非常に大きい地球温暖化係数を有する点から環境への負荷が大きいため、将来永続的に使用することが懸念されている。
特許文献3または4において、地球温暖化係数の小さい不飽和ハロゲン化炭化水素類を含む組成物を作動流体として用いる有機ランキンサイクルについて提案されている。現在、有機ランキンサイクル作動流体として広く使用されている1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンと比較して、ランキンサイクル効率は向上しているが、膨張機の容量が大きくなるなどの欠点を有しており、性能の観点から総合的に未だ十分なものではなく、更なる性能の向上が望まれている。
このように、環境適合性の高い作動流体を用いた有機ランキンサイクルの性能はなお不十分である。したがって、150℃以下の未利用熱からの熱伝達を実現し、かつ従来の作動流体よりも熱伝達性能に優れた、低GWP化合物を主成分とする作動流体組成物を見出すことが望まれている。
本発明の目的は、更に改良した、新規な作動流体組成物および有機ランキンサイクル装置及び地球温暖化係数が大きな作動流体を置換える方法を提供することを目的とする。本発明は、現在使用されている多くのハイドロフルオロカーボンと比較して、地球温暖化には実質上寄与しない作動流体組成物および有機ランキンサイクル装置を提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、不飽和ハロゲン化炭化水素に着目し、特にシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを主成分とする二成分系ハロゲン化炭化水素を含む組成物を所定の温度、圧力下で作動流体として用いれば極めて有効な熱エネルギー変換方法となるという知見を得て、本発明を完成させた。
本発明の一実施形態によると、作動流体組成物を気化させ、前記作動流体組成物を膨張させ、前記作動流体組成物を凝縮させ、前記作動流体組成物を昇圧することを順次行う、前記作動流体組成物を収容した有機ランキンサイクルシステムを用いた、熱エネルギー変換方法であって、前記作動流体組成物は、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比率が92.0質量%以上99.9質量%以下であり、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンまたは2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比率が0.1質量%以上8.0質量%以下であり、且つ、蒸発温度が60℃以上150℃以下である熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法が提供される。
本発明の一実施形態によると、作動流体組成物を気化させ、前記作動流体組成物を膨張させ、前記作動流体組成物を凝縮させ、前記作動流体組成物を昇圧することを順次行う、前記作動流体組成物を収容した有機ランキンサイクルシステムを用いた、熱エネルギー変換方法であって、前記作動流体組成物は、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比率が80.0質量%以上99.9質量%以下であり、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの質量比率が0.1質量%以上20.0質量%以下であり、且つ、蒸発温度が60℃以上150℃以下である熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法が提供される。
前記熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法において、前記作動流体組成物のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比率が90.0質量%以上99.9質量%以下であり、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの質量比率0.1質量%以上10.0質量%以下であってもよい。
本発明の一実施形態によると、作動流体組成物を気化させ、前記作動流体組成物を膨張させ、前記作動流体組成物を凝縮させ、前記作動流体組成物を昇圧することを順次行う、前記作動流体組成物を収容した有機ランキンサイクルシステムを用いた、熱エネルギー変換方法であって、前記作動流体組成物は、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比率が50.0質量%以上99.9質量%以下であり、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの質量比率が0.1質量%以上50.0質量%以下であり、且つ、蒸発温度が60℃以上150℃以下である熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法が提供される。
前記熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法において、前記作動流体組成物のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比率が80.0質量%以上99.9質量%以下であり、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの質量比率0.1質量%以上20.0質量%以下であってもよい。
前記熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法において、前記作動流体組成物が潤滑剤を含んでもよい。
前記熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法において、前記潤滑剤が、鉱物油(パラフィン系油またはナフテン系油)または合成オイルのアルキルベンゼン類(AB)、ポリ(アルファ−オレフィン)、エステル類、ポリオールエステル類(POE)、ポリアルキレングリコール類(PAG)、ポリビニルエーテル類(PVE)およびそれらの組合せから選択されてもよい。
前記熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法において、前記作動流体組成物が安定剤をさらに含んでもよい。
前記熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法において、前記安定剤が、ニトロ化合物、エポキシ化合物、フェノール類、イミダゾール類、アミン類、ジエン系化合物類、ホスフェート類、芳香族不飽和炭化水素類、イソプレン類、プロパジエン類、テルペン類等およびそれらの組合せから選択されてもよい。
前記熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法において、前記作動流体組成物が難燃剤をさらに含んでもよい。
前記熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法において、前記難燃剤が、ホスフェート類、ハロゲン化芳香族化合物、フッ素化ヨードカーボン、フッ素化ブロモカーボンおよびそれらの組合せから選択されてもよい。
前記熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法において、蒸発器の加熱源として60℃以上150℃以下の温水、加圧熱水または過熱蒸気を使用してもよい。
また、本発明の一実施形態によると、前記いずれかに記載の熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法を用いる有機ランキンサイクル装置が提供される。
また、本発明の一実施形態によると、有機ランキンサイクル装置において作動流体を置換える方法であって、前記作動流体が1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(R245fa)を主として含み、前記いずれかの作動流体組成物を、前記作動流体を使用する、使用したまたは使用するよう設計されている、前記有機ランキンサイクル装置に供給することを含む方法が提供される。
本発明の作動流体組成物によれば、不燃性または微燃性で、環境への影響が小さく、かつ、熱伝達および熱エネルギー変換特性に優れた有機ランキンサイクル用混合作動流体を提供することができる。また、本発明の作動流体組成物を用いて、熱伝達および熱エネルギー変換特性に優れた有機ランキンサイクル装置を提供することができる。また、本発明によると、地球温暖化係数が大きな作動流体を新規な作動流体組成物に置換える方法を提供することができる。
本発明に係る作動流体を適用可能な有機ランキンサイクルの概略図である。 本発明の実施例1におけるTs線図である。 本発明の実施例2におけるTs線図である。 本発明の実施例3におけるTs線図である。 本発明の実施例4におけるTs線図である。 本発明の実施例5におけるTs線図である。 本発明の実施例6におけるTs線図である。 本発明の実施例7におけるTs線図である。 本発明の実施例8におけるTs線図である。 本発明の実施例9におけるTs線図である。 本発明の実施例10におけるTs線図である。 本発明の実施例11におけるTs線図である。 本発明の実施例12におけるTs線図である。 本発明の比較例1におけるTs線図である。 本発明の比較例2におけるTs線図である。 本発明の比較例3におけるTs線図である。 本発明の比較例4におけるTs線図である。 本発明の比較例5におけるTs線図である。 本発明の比較例6におけるTs線図である。 本発明の比較例7におけるTs線図である。 本発明の比較例8におけるTs線図である。 本発明の比較例9におけるTs線図である。 本発明の比較例10におけるTs線図である。 本発明の比較例11におけるTs線図である。 本発明の比較例12におけるTs線図である。
以下、図面を参照して本発明に係る有機ランキンサイクル装置および熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法について説明する。但し、本発明の有機ランキンサイクル装置および熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法は、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態及び実施例で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本発明に係る熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法(以下、熱エネルギー変換方法という)は、主成分である第1の成分としてシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、第2の成分としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンまたは2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、を混合した二成分系ハロゲン化炭化水素を含む作動流体組成物を用いる。また、本発明に係る熱エネルギー変換方法は、主成分である第1の成分としてシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、第2の成分としてトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンまたは1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンと、を混合した二成分系ハロゲン化炭化水素を含む作動流体組成物を用いる。本発明に係る作動流体組成物は、このような二成分系の混合物であることにより、不燃性または微燃性であり、且つ環境への負荷が小さく、優れた熱サイクル特性および熱伝達特性を有することを、本発明者らは見出した。
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze(Z))について説明する。
<HFO−1234ze(Z)>
HFO−1234ze(Z)は、分子内に炭素−炭素間の二重結合を含み、水酸基ラジカルとの反応性が高いため、地球温暖化係数(GWP)が極めて小さく環境負荷が小さい。また、HFO−1234ze(Z)は微燃性又は難燃性であり、毒性がない。なお、HFO−1234ze(Z)の沸点は、大気圧下において9.8℃、大気寿命は10日、地球温暖化係数(GWP)は3(Chemical Physics Letters 2009, Vol.473, P233-237)である。また、臨界温度は150.1℃、臨界圧力は3.54MPa(4th IIR Conference on Thermophysical Properties and Transfer Processes of Refrigerant予稿集TP-018)である。
トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze(E))について説明する。
<HFO−1234ze(E)>
HFO−1234ze(E)は、分子内に炭素−炭素間の二重結合を含み、水酸基ラジカルとの反応性が高いため、地球温暖化係数(GWP)が極めて小さく環境負荷が小さい。また、HFO−1234ze(E)は微燃性又は難燃性であり、毒性がない。なお、HFO−1234ze(E)の沸点は、大気圧下において−19℃、大気寿命は14日、地球温暖化係数(GWP)は6(Chemical Physics Letters 2007, Vol.443, P199-204)である
。また、臨界温度は109.4℃、臨界圧力は3.63MPa(Journal of Chemical Engineering Data 2010, Vol55, P1594-1597)である。
2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)について説明する。
<HFO−1234yf>
HFO−1234yfは、分子内に炭素−炭素間の二重結合を含み、水酸基ラジカルとの反応性が高いため、地球温暖化係数(GWP)が極めて小さく環境負荷が小さい。また、HFO−1234yfは微燃性であり、毒性がない。なお、HFO−1234yfの沸点は、大気圧下において−29℃、大気寿命は11日、地球温暖化係数(GWP)は4(Chemical Physics Letters 2007, Vol.439, P18-22)である。また、臨界温度は94.7℃、臨界圧力は3.38MPa(International Journal of Refrigeration 2010, Vol33, P474-479)である。
次に、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd(E))について説明する。
<HCFO−1233zd(E)>
HCFO−1233zd(E)は、分子内に炭素−炭素間の二重結合を含み、水酸基ラジカルとの反応性が高いため、地球温暖化係数(GWP)が極めて小さく環境負荷が小さい。また、 HCFO−1233zd(E)は不燃性であり、毒性がない。なお、HCFO−1233zd(E)の沸点は、大気圧下において18.3℃、大気寿命は26日、地球温暖化係数(GWP)は7(Journal of Photochemistry and Photobiology A: Chemistry 2008, Vol.199, P92-97)である。また、臨界温度は165.6℃、臨界圧力は3.77MPa(Journal of Chemical Engineering Data 2012, Vol57, P3581-3586)である。
次に、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)について説明する。
<HFC−245fa>
HFC−245faは、不燃性であり、毒性が低い。なお、HFC−245faの沸点は、大気圧下において15.3℃、大気寿命は7.6年、地球温暖化係数(GWP)は1030(IPCC4次評価報告書 2007)である。
HFC−245faは、地球温暖化係数(GWP)が高いので、HFC−245faを用いる場合には、1質量%以上20質量%以下含むことが望ましく、1質量%以上10質量%以下含むことが特に望ましい。
一実施形態において、本発明の作動流体組成物は、熱交換器における熱伝達効率の観点から、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比率が92.0質量%以上99.9質量%以下であり、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンまたは2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比率が0.1質量%以上8.0質量%以下であることを特徴としている。このような組成を有することにより、本発明の作動流体組成物は、地球温暖化係数が150未満であり、汎用されるHFC−245faに比して環境への影響が小さい。
また、一実施形態において、本発明の作動流体組成物は、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比率が80.0質量%以上99.9質量%以下であり、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンが0.1質量%以上20.0質量%以下であることを特徴としている。このような組成を有することにより、本発明の作動流体組成物は、地球温暖化係数が150未満であり、汎用されるHFC−245faに比して環境への影響が小さい。
また、一実施形態において、本発明の作動流体組成物は、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比率が50.0質量%以上99.9質量%以下であり、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンが0.1質量%以上50.0質量%以下であることを特徴としている。このような組成を有することにより、本発明の作動流体組成物は、地球温暖化係数が150未満であり、汎用されるHFC−245faに比して環境への影響が小さい。
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンまたは1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンとは、互いに臨界温度が近接しており、これらを含む本発明に係る作動流体組成物は、組成物としての臨界温度に与える影響が小さい。一方、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンまたは2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを比較すると、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンまたは2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの臨界温度が低い。したがって、これらを含む本発明に係る作動流体組成物においては、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンまたは2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比率が高まるに連れて、臨界温度が低下する。このため、本発明においては、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンまたは2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含む作動流体組成物においては、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンまたは2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを0.1質量%以上8.0質量%以下とすることが好ましい。
一方、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンとを含む作動流体組成物においては、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比率が50.0質量%以上、好ましくは90.0質量%以上99.9質量%以下であり、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの質量比率が0.1質量%以上50.0質量%以下、好ましくは0.1質量%以上10.0質量%以下である。
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンとを含む作動流体組成物においては、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比率が80.0質量%以上、好ましくは90.0質量%以上99.9質量%以下であり、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの質量比率が0.1質量%以上20.0質量%以下、好ましくは0.1質量%以上10.0質量%以下である。
<潤滑剤>
また、本発明の作動流体組成物を有機ランキンサイクルの作動流体に用いる場合、膨張機摺動部で使用する潤滑油は、鉱物油(パラフィン系油またはナフテン系油)または合成油のアルキルベンゼン類(AB)、ポリ(アルファ−オレフィン)、エステル類、ポリオールエステル類(POE)、ポリアルキレングリコール類(PAG)またはポリビニルエーテル類(PVE)を用いることができる。
アルキルベンゼン類としては、n−オクチルベンゼン、n−ノニルベンゼン、n−デシルベンゼン、n−ウンデシルベンゼン、n−ドデシルベンゼン、n−トリデシルベンゼン、2−メチル−1−フェニルヘプタン、2−メチル−1−フェニルオクタン、2−メチル−1−フェニルノナン、2−メチル−1−フェニルデカン、2−メチル−1−フェニルウンデカン、2−メチル−1−フェニルドデカン、2−メチル−1−フェニルトリデカン等が挙げられる。
エステル類としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの混合物等の芳香族エステル、二塩基酸エステル、ポリオールエステル、コンプレックスエステル、炭酸エステル等が挙げられる。
ポリオールエステル類の原料となるアルコールとしては、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、ジ−(ペンタエリスリトール)、トリ−(ペンタエリスリトール)等のヒンダードアルコールのエステル等が挙げられる。
ポリオールエステル類の原料となるカルボン酸としては、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、オレイン酸、イソペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸等が挙げられる。
ポリアルキレングリコールは、炭素数1以上18以下のメタノール、エタノール、直鎖状または分枝状のプロパノール、直鎖状又は分枝状のブタノール、直鎖状又は分枝状のペンタノール、直鎖状又は分枝状のヘキサノール等脂肪族アルコールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等を付加重合した化合物が挙げられる。
ポリビニルエーテル類としては、ポリメチルビニルエーテル、ポリエチルビニルエーテル、ポリn−プロピルビニルエーテル、ポリイソプロピルビニルエーテル等が挙げられる。
<安定剤>
また、本発明の作動流体組成物は、熱安定性、耐酸化性等を改善するために安定剤を用いることができる。安定剤としては、ニトロ化合物、エポキシ化合物、フェノール類、イミダゾール類、アミン類、炭化水素類等が挙げられる。
ニトロ化合物としては、公知の化合物が例示されるが、脂肪族及び/または芳香族誘導体が挙げられる。脂肪族系ニトロ化合物として、例えばニトロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン等が挙げられる。芳香族ニトロ化合物として、例えばニトロベンゼン、o−、m−又はp−ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、o−、m−又はp−ニトロトルエン、o−、m−又はp−エチルニトロベンゼン、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−又は3,5−ジメチルニトロベンゼン、o−、m−又はp−ニトロアセトフェノン、o−、m−又はp−ニトロフェノール、o−、m−又はp−ニトロアニソール等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えばエチレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、グリシドール、エピクロルヒドリン、グリシジルメタアクリレート、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等のモノエポキシ系化合物、ジエポキシブタン、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントルグリシジルエーテル等のポリエポキシ系化合物等が挙げられる。
フェノール類としては、水酸基以外にアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、ハロゲン等各種の置換基を含むフェノール類も含むものである。たとえば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、チモール、p−t−ブチルフェノール、o−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール、オイゲノール、イソオイゲノール、ブチルヒドロキシアニソール、フェノール、キシレノール等の1価のフェノールあるいはt−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−アミノハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン等の2価のフェノール等が例示される。
イミダゾール類としては、炭素数1以上18以下の直鎖もしくは分岐を有するアルキル基、シクロアルキル基、またはアリール基をN位の置換基とする、1−メチルイミダゾール、1−n−ブチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、1−(β−オキシエチル)イミダゾール、1−メチル−2−プロピルイミダゾール、1−メチル−2−イソブチルイミダゾール、1−n−ブチル−2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジメチルイミダゾール、1,5−ジメチルイミダゾール、1,2,5−トリメチルイミダゾール、1,4,5−トリメチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール等が挙げられる。これらの化合物は単独であるいは併用してもよい。
アミン類としては、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジアリルアミン、トリエチルアミン、N−メチルアニリン、ピリジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、トリアリルアミン、アリルアミン、α―メチルベンジルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ジベンチルアミン、トリベンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等が例示される。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
炭化水素類としては、α―メチルスチレンやp−イソプロペニルトルエン、イソプレン類、プロパジエン類、テルペン類等が例示される。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
安定化剤は、予め冷媒および潤滑剤の一方または両方に添加してもよく、また、単独で蒸発器内に添加してもよい。このとき、安定化剤の使用量は、特に限定されないが、主冷媒(100質量%)に対して、0.001質量%以上10質量%以下が好ましく、0.01質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.02質量%以上2質量%以下がさらに好ましい。安定剤の添加量が上限値を越えるか、下限値未満では、冷媒の安定性、熱サイクル性能等が十分得られない。
<難燃剤>
また、本発明の作動流体組成物は、燃焼性を改善するために難燃剤を用いることができる。難燃剤としては、ホスフェート類、ハロゲン化芳香族化合物、フッ素化ヨードカーボン、フッ素化ブロモカーボン等が挙げられる。
このような組成を有する本発明の作動流体組成物の蒸発温度は、60℃以上150℃以下、好ましくは80℃以上130℃以下である。
このような組成を有する本発明の作動流体組成物の蒸発圧力は、作動流体組成物の組成および蒸発温度によって決められる。すなわち、蒸発圧力は、蒸発温度における作動流体組成物の飽和蒸気圧力と等しくなる。一般的に、蒸発圧力が5.0MPaを超えると、圧縮機、凝縮器および配管部品に高い耐圧性能が求められ、それらの機器が高価になるため、好ましくない。本発明に係る作動流体組成物を用いる場合、蒸発圧力を5.0MPaより低くすることができ、公知の膨張機、凝縮器、ポンプおよび配管部品を使用することができる。
本発明の作動流体組成物は、不燃性かつ環境への負荷が小さく、熱サイクル特性に優れている。そのため、発電システム等に利用される有機ランキンサイクル用作動流体、加圧温水または過熱蒸気生成等に利用される高温ヒートポンプ用の熱媒体、蒸気圧縮式冷凍サイクルシステム用冷媒、吸収式ヒートポンプ、ヒートパイプ等の媒体や、冷却システムまたはヒートポンプシステムのサイクル洗浄用洗浄剤、金属洗浄剤、フラックス洗浄剤、希釈溶剤、発泡剤、エアゾール等として用いることができる。
なお、本発明の熱伝達および熱エネルギー変換方法は、パッケージ型の小型装置(ランキンサイクルシステムやヒートポンプサイクルシステム等)のみだけでなく、工場スケールの大規模な発電システム、ヒートポンプ給湯システム、ヒートポンプ蒸気生成システム等に適用可能である。
以下、本発明の作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクル装置について詳細に説明する。
<有機ランキンサイクル装置>
有機ランキンサイクル装置とは、蒸発器において、加熱源から作動流体へ熱エネルギーを供給し、高温高圧状態の蒸気となった作動流体を膨張機にて断熱膨張させ、この断熱膨張によって発生する仕事によって、発電機を駆動させ、発電を行う装置である。断熱膨張した後の作動流体蒸気は、凝縮器で凝縮して液体となり、ポンプにより蒸発器へ移送される。なお、加熱源の熱エネルギーとしては、200℃以下の中低温度の排熱や再生可能熱エネルギーを使用してもよい。
有機ランキンサイクル装置の蒸発器または凝縮器において、作動流体組成物と熱交換をする被冷却流体または被加熱流体は、空気、水、ブライン、シリコーンオイルなどが挙げられる。これらはサイクル運転温度条件により、選択して使用されることが好ましい。
図1は、本発明の作動流体組成物を適用可能な有機ランキンサイクル装置の一例を示す概略図である。以下に図1の有機ランキンサイクル100の構成と動作(繰り返しサイクル)について説明する。
本発明の有機ランキンサイクルシステム100は、熱を受け取る蒸発器10(ボイラー)と、熱を供給する凝縮器11(コンデンサー)と、を備える。さらに、有機ランキンサイクルシステム100は、システムを流通する作動流体によって仕事される膨張機12と、凝縮器11を出た液体の圧力を高め、電力を消費する循環ポンプ13と、を有しており、膨張機12によって、電力を発生させる発電機14を駆動する。
本発明の作動流体を用いて有機ランキンサイクルを繰り返す場合、以下の(a)〜(e)を経て、熱エネルギーを機械エネルギーへ変換し、発電機を経て、電気的エネルギーとして取り出すことができる。
(a)熱交換器(蒸発器10)内で液体の作動流体が被冷却流体(加熱源)と熱交換し、気化(液体から気体へ相変化)させる。
(b)熱交換器から気化した作動流体を取り出す。
(c)気化した作動流体を膨張器(発電用タービン12)に通して膨張させ、機械的(電気的)エネルギーに変換する。
(d)膨張器から出た作動流体を凝縮器へ通し、気体の作動流体を凝縮(気体から液体へ相変化)させる。
(e)液化した作動流体をポンプ13により昇圧するともに移送して、工程(a)へ再循環させる。
作動流体を収容した有機ランキンサイクルシステムは少なくとも一つの蒸発器10と、膨張機12と、凝縮器11と、ポンプ13と、これらの要素間で作動流体を輸送する配管とを有する。なお、システムの中に、内部熱交換器を有してもよい。
膨張機の種類は特に限定されないが、単段または多段の遠心式膨張機、回転ピストン式膨張機、ロータリーベーン式膨張機、スクロール式膨張機、スクリュ式膨張機またはピストン・クランク式膨張機を使用できる。
本発明の作動流体組成物を有機ランキンサイクルシステムの作動流体として用いることにより、60℃以上150℃以下の熱エネルギーを機械エネルギーへ変換することができる。なお、機械エネルギーは、発電機により電気エネルギーへ変換してもよい。
また、本発明の作動流体組成物を、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(R245fa)を主として含む地球温暖化係数が大きな作動流体(高GWP作動流体)を使用する、使用したまたは使用するよう設計されている有機ランキンサイクル装置に適用することができる。有機ランキンサイクル装置において、高GWP作動流体を本発明の作動流体組成物に置換えることにより、GWPを小さくし、環境への負荷を低減することができる。
有機ランキンサイクル装置に収容されている作動流体を置換える方法の一様態は、収容されている高GWP作動流体を全て回収し、その後、本発明の作動流体組成物を充填する、という方法である。作動流体を置換える方法は、特に限定されないが、有機ランキンサイクル装置の運転を停止しているときに行うことが望ましい。高GWP作動流体の回収は、環境に対する負荷を軽減するために、フルオロカーボン冷媒を回収するときに用いられる回収装置を使用することが望ましい。高GWP作動流体を回収した後、かつ本発明の作動流体組成物を充填する前に、有機ランキンサイクル装置の作動流体収容部を真空ポンプで減圧してもよい。本発明の作動流体組成物の充填方法は、特に限定されないが、作動流体と有機ランキンサイクル装置の圧力差を利用して充填してもよく、ポンプなどの機械的動力を利用して充填してもよい。
本発明の作動流体組成物は、主成分である第1の成分としてシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、第2の成分としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンまたは2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、を混合した二成分系ハロゲン化炭化を含む作動流体組成物であることにより、不燃性または微燃性で、汎用されるHFC−245faに比して環境への影響が小さい。また、本発明の作動流体組成物は、熱伝達および熱エネルギー変換特性に優れ、有機ランキンサイクル装置に好適に用いることができる。
有機ランキンサイクル装置に用いる作動流体組成物の特性評価の指標として、例えば、発電サイクル効率(ηcycle)と膨張機サイズパラメーター(SP)が挙げられる。
発電サイクル効率(ηcycle)は、一般に認められている作動流体性能の尺度であり、ランキンサイクルにおける作動流体組成物の相対的な熱力学的効率を表すのに特に有益である。作動流体が蒸発する際に加熱源から供給された熱エネルギーに対する膨張機および発電機において作動流体が生み出す電気エネルギーの比率をηcycleで表す。
膨張機サイズパラメーター(SP)は、膨張機の大きさを評価するための尺度であり、一般的に認められている(Energy 2012, Vol.38, P136-143)。同一条件のランキンサイクルにおいて作動流体組成物を置き換えたとき、SP値が大きいほど、その作動流体組成物はより大きなサイズの膨張機を必要とすることを意味する。すなわち、SP値が小さいほど、より小型の膨張機を採用することができ、ランキンサイクルシステムの小型化に寄与するため、より好ましい。
一方、発電サイクル効率の値が高いと、SPの値も高くなり、逆に発電サイクル効率の値が低いと、SPの値は低くなる。すなわち、発電サイクル効率とSPの値はトレードオフの関係にある。有機ランキンサイクル装置に用いる作動流体組成物において、発電サイクル効率が高いことが好ましいが、ランキンサイクルシステムの小型化への要求を満たすためには、SPの値は低いことが好ましい。従来の作動流体組成物では、この条件を実用的な範囲で満たすのは困難であった。
本発明の作動流体組成物は、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを主成分とする二成分系ハロゲン化炭化水素を含むことにより、実用的な範囲で発電サイクル効率とSPの値を調整することができる新規な組成物である。
また、本発明の作動流体組成物は、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを主成分とすることにより、膨張機入口体積流量と膨張機出口体積流量が汎用されるHFC−245faと同程度となり、既存の有機ランキンサイクル装置において、HFC−245faの代替品として用いることができるため、既存の有機ランキンサイクル装置の環境への負荷を低コストで低減することができる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は係る実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの混合熱伝達用組成物>
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表1に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。作動流体組成物の物性値は、米国国立標準技術研究所(NIST)のREFPROP ver.9.0により求めた。
以下に、有機ランキンサイクル計算条件1を表1に示す。
有機ランキンサイクル条件1は、蒸発器へ供給する熱源水の温度を90℃、凝縮器へ供給する冷却水の温度を30℃と想定している。
非共沸作動流体混合物が、蒸発または凝縮において温度勾配を示すことが知られている。温度勾配とは、非共沸作動流体混合物が定圧で蒸発または凝縮するときに熱交換器の出入口で生じる温度差(熱交換器出口温度と熱交換器入口温度の差)である。非共沸作動流体混合物を有機ランキンサイクルに適用する場合、蒸発および凝縮温度に対する勾配効果を考慮しなければならない。
定圧での非共沸混合物の沸点温度と露点温度の差である温度勾配は、冷媒の特性である。本発明の作動流体組成物は、温度勾配が非常に小さい共沸様組成物または非共沸組成物である。熱交換器における熱伝達効率の観点から、温度勾配が小さいことが望ましく、具体的には5K以下がより好ましい。
有機ランキンサイクルの発電サイクル効率(ηcycle)および膨張機サイズパラメーター(SP)を算出するにあたり、次の項目を仮定した。
(A)ランキンサイクルの理想的な膨張過程は等エントロピー膨張とし、実機損失を考慮し、膨張機断熱効率ηTを導入。
(B)膨張機による発電機損失を発電機効率ηGで考慮。
(C)循環ポンプ動力は発電電気で駆動し、モータ効率を含めポンプ効率ηPを導入。ポンプはキャンド型で、損失分は熱としてサイクルに含める。
(D)軸受潤滑油の循環ポンプ動力は微小であるため無視する。
(E)配管の熱損失、圧力損失は無視する。
(F)蒸発器出口の作動流体は飽和蒸気とする。
(G)凝縮器出口の作動流体は飽和液とする。
作動流体が非共沸混合物の場合、さらに次の項目を仮定した。
(H)蒸発工程の露点を蒸発温度とし、その圧力を蒸発圧力とする。
(I)凝縮工程の露点を凝縮温度とし、その圧力を凝縮圧力とする。
以下に、有機ランキンサイクルの発電サイクル効率(ηcycle)を算出する基礎式について詳細に説明する。なお、基礎式は、エバラ時報No.211(2006−4)、p.11掲載の「廃熱発電装置の開発(作動媒体及び膨張タービンの検討)」の計算式を用いた。また、作動流体が非共沸混合物の場合は、蒸発温度と凝縮温度を露点で決定する露点方式を採用した。なお露点方式は、JIS B8600「冷媒用圧縮機の定格温度条件」で採用されている。
作動流体循環量Gによる膨張機の理論発生動力LTthは、
LTth=G×( h 1 − h 2th)・・・(1)
となる。
膨張機効率ηTを考慮した発生動力LTは、
LT=LTth×ηT =G×( h 1− h 2)・・・(2)
となる。
発電機効率ηGを考慮した発電量EGは、
EG=LT×ηG・・・(3)
となる。
循環ポンプは、凝縮器出口の作動媒体液を凝縮器圧力PCから圧力の高い蒸発器圧力PEに送り込むもので,その理論的な必要動力LPthは、
LP th =(PE −PC)×G /ρ3・・・(4)
となる。
ポンプ効率ηPを考慮した必要電力EPは、
EP=LP thP=G×( h4 − h 3)・・・(5)
となる。
有効発電量Ecycle は、
Ecycle=EG −EP・・・(6)
となる。
蒸発器への供給熱量QEは、
QE =G×( h1− h 4
=G×( h1− h 3)−(PE− PC)×G /(ρ3 ×ηP)・・・(7)
となる。
発電サイクルとしての効率は、
ηcycle =(EG−EP)×100 / QE・・・(8)
となる。
次に、膨張機サイズパラメーター(SP)について詳細に説明する。なお、基礎式は非特許文献(Energy 2012, Vol.38, P136-143)に記載の計算式を用いた。
作動流体循環量がGのとき、等エントロピー膨張における膨張機出口の作動流体体積流量V2thは、
V2th=G /ρ2th・・・(9)
となる。
膨張機の理論断熱熱落差ΔHthは、
ΔHth=h1 − h 2th・・・(10)
となる。
膨張機サイズパラメーター(SP)は、
SP=(V2th0.5/ (ΔHth0.25 ・・・(11)
となる。
なお、上記(1)〜(11)において、各種記号は以下を意味する。
G: 作動流体循環量
LTth: 膨張機の理論発生動力
LT: 膨張機の発生動力
EG: 発電量
EP: 循環ポンプ必要電力
Pc: 凝縮器圧力
PE: 蒸発器圧力
LPth: 循環ポンプの稼動に必要な理論動力
Ecycle: 有効発電量
QE: 入熱量
ηcycle: 発電サイクル効率
V2th: 膨張機出口の理論体積流量
ΔHth: 膨張機の理論断熱熱落差
SP: 膨張機サイズパラメーター
ρ: 作動流体の密度
h: 比エンタルピー
1,2,3,4: サイクルポイント
図2において、実施例1(シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン:1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。図において、サイクルポイント1、2、3、4は有機ランキンサイクル計算条件1を示す。
[実施例2]
<シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの混合作動流体組成物>
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表1に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図3において、実施例2(シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン:トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
[実施例3]
<シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの混合作動流体組成物>
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表2に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図4において、実施例3(シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン:1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
以下に、有機ランキンサイクル計算条件2を表2に示す。
有機ランキンサイクル条件2は、蒸発器へ供給する熱源水の温度を110℃、凝縮器へ供給する冷却水の温度を30℃と想定している。
[実施例4]
<シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの混合作動流体組成物>
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表2に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図5において、実施例4(シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン:トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
[実施例5]
<シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの混合作動流体組成物>
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表3に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図6において、実施例5(シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン:1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
以下に、有機ランキンサイクル計算条件3を表3に示す。
[実施例6]
<シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの混合作動流体組成物>
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表3に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図7において、実施例6(シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン:トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
[実施例7]
<シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの混合作動流体組成物>
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表1に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図8において、実施例7(シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン:トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
[実施例8]
<シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの混合作動流体組成物>
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表2に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図9において、実施例8(シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン:トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
[実施例9]
<シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの混合作動流体組成物>
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表3に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図10において、実施例9(シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン:トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
[実施例10]
<シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの混合作動流体組成物>
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表1に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図11において、実施例10(シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン:2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
[実施例11]
<シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの混合作動流体組成物>
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表2に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図12において、実施例11(シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン:2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
[実施例12]
<シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの混合作動流体組成物>
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表3に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図13において、実施例12(シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン:2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
[比較例1]
<1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン>
本発明の作動流体組成物の代わりに、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを作動流体として用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表1に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図14において、比較例1におけるTs線図を示す。
[比較例2]
<1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン>
本発明の作動流体組成物の代わりに、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを作動流体として用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表2に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図15において、比較例2におけるTs線図を示す。
[比較例3]
<1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン>
本発明の作動流体組成物の代わりに、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを作動流体として用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表3に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図16において、比較例3におけるTs線図を示す。
[比較例4]
<シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン>
本発明の作動流体組成物の代わりに、シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを作動流体として用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表1に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図17において、比較例4におけるTs線図を示す。
[比較例5]
<シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン>
本発明の作動流体組成物の代わりに、シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを作動流体として用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表2に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図18において、比較例5におけるTs線図を示す。
[比較例6]
<シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン>
本発明の作動流体組成物の代わりに、シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを作動流体として用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表3に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図19において、比較例6におけるTs線図を示す。
[比較例7]
<シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの混合作動流体組成物>
シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表1に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図20において、比較例7(シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン:1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
[比較例8]
<シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの混合作動流体組成物>
シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表2に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図21において、比較例8(シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン:1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
[比較例9]
<シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの混合作動流体組成物>
シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表3に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図22において、比較例9(シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン:1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
[比較例10]
<シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンおよびペンタンの混合作動流体組成物>
シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO−1336mzz(Z))について説明する。
<HFO−1336mzz(Z)>
HFO−1336mzz(Z)は、不燃性であり、毒性が低い。なお、HFO−1336mzz(Z)の沸点は、大気圧下において33℃、大気寿命は20日、地球温暖化係数(GWP)は9(Journal of Physical chemistry A 2011 vol.115 P10539-10549)である。
次に、ペンタンについて説明する。
<ペンタン>
ペンタンは、可燃性であり、毒性が低い。なお、ペンタンの沸点は、大気圧下において36℃、地球温暖化係数(GWP)は3である。
シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンおよびペンタンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表1に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図23において、比較例10(シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン:ペンタンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
[比較例11]
<シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンおよびペンタンの混合作動流体組成物>
シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンおよびペンタンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表2に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図24において、比較例11(シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン:ペンタンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
[比較例12]
<シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンおよびペンタンの混合作動流体組成物>
シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンおよびペンタンの混合作動流体組成物を用いた有機ランキンサイクルの性能評価において、表3に示す条件で発電サイクル効率および膨張機サイズパラメーターを算出した。なお、図25において、比較例12(シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン:ペンタンの質量比が95:5)におけるTs線図を示す。
実施例1〜12および比較例1〜12の有機ランキンサイクル性能(ηcycleおよびSP)の算出結果を表4〜41に示す。
実施例1〜12および比較例7〜12において、熱伝達用組成物の第一成分および第二成分の値は質量百分率で示す。実施例1、3および5は、混合熱伝達用組成物の第一成分がシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンであり、第二成分が1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンである。
実施例2、4および6は、混合熱伝達用組成物の第一成分がシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンであり、第二成分がトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンである。
実施例7〜9は、混合熱伝達用組成物の第一成分がシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンであり、第二成分がトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンである。
実施例10〜12は、混合熱伝達用組成物の第一成分がシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンであり、第二成分が2,3,3,3−テトラフルオロプロペンである。
比較例7〜9は、混合熱伝達用組成物の第一成分がシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンであり、第二成分が1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンである。
比較例10〜12は、混合熱伝達用組成物の第一成分がシス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンであり、第二成分がペンタンである。
表4に示した実施例1の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表5に示す。
表6に示した実施例2の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表7に示す。
表8に示した実施例3の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表9に示す。
表10に示した実施例4の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表11に示す。
表12に示した実施例5の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表13に示す。
表14に示した実施例6の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表15に示す。
表16に示した実施例7の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表17に示す。
表18に示した実施例8の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表19に示す。
表20に示した実施例9の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表21に示す。
表22に示した実施例10の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表23に示す。
表24に示した実施例11の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表25に示す。
表26に示した実施例12の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表27に示す。
表30に示した比較例7の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表31に示す。
表32に示した比較例8の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表33に示す。
表34に示した比較例8の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表35に示す。
表36に示した比較例10の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表37に示す。
表38に示した比較例11の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表39に示す。
表40に示した比較例12の膨張機入口体積流量、膨張機出口体積流量、発電サイクル効率及びSPの値について、それぞれ1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1として相対値を表41に示す。
表4〜41に示す通り、本発明の混合作動流体組成物は、上記特許文献1(特開平2−272086号)および特許文献2(特開2007−6684号)に記載の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン作動流体よりも有機ランキンサイクルに適用したときの発電サイクル効率が高い値であり、膨張機サイズパラメーター(SP)が低い値である。すなわち、本発明の作動流体組成物を60℃〜150℃の熱エネルギーを機械エネルギー(および電気エネルギー)へ変換するための有機ランキンサイクルに作動流体として用いた場合、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン作動流体よりもサイクル効率の向上かつ装置の小型化が可能となることを意味する。
表4〜41に示す通り、本発明の混合作動流体組成物は、上記特許文献3(特表2012−511087号)に記載のシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン作動流体よりも有機ランキンサイクルに適用したときの膨張機サイズパラメーター(SP)が低い値である。すなわち、本発明の作動流体組成物を60℃〜150℃の熱エネルギーを機械エネルギー(および電気エネルギー)へ変換するための有機ランキンサイクルに作動流体として用いた場合、シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン作動流体よりも装置の小型化が可能となることを意味する。
表4〜41に示す通り、本発明の混合作動流体組成物は、上記特許文献4(特表2013−500374号)に記載のシス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンおよびペンタンの混合作動流体組成物よりも有機ランキンサイクルに適用したときの膨張機サイズパラメーター(SP)が低い値であり同等の発電サイクル効率を有する。すなわち、本発明の作動流体組成物を60℃〜150℃の熱エネルギーを機械エネルギー(および電気エネルギー)へ変換するための有機ランキンサイクルに作動流体として用いた場合、シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンおよびペンタンの混合作動流体組成物と同等のサイクル性能をより小型の装置で達成できることを意味する。
[実施例13]
SUS316製オートクレーブに作動流体30gを充填し、150℃に加熱して、5週間保持した。ガスクロマトグラフィーを用いて、作動流体の分解生成物および作動媒体の異性体生成物の有無について、評価を行った。得られた結果を表42に示す。
いずれの作動流体も、熱分解生成物は見られなかった。また、表42に示した結果から明らかなように、HFO−1234zeは、トランス体、シス体ともに、異性化反応は進行しなかった。HCFO−1233zdのトランス体は、少量の異性体生成が確認され、HCFO−1233zdのシス体は、80%の幾何異性体(トランス体)への異性化が確認された。本発明に用いる熱伝達用組成物は150℃以下の温度条件において、熱安定性に優れていることがわかる。
[実施例14]
シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze(Z))を用いて熱安定性試験を行った。JIS−K−2211「冷凍機油」のシールドチューブテストに準拠して、作動流体1.0gと金属片(鉄、銅、アルミニウムの各試験片)をガラス試験管に封入し、所定温度に加熱して2週間保持した。なお、加熱温度を175または200℃とした。2週間後の作動流体の外観、純度、酸分(F-イオン)を測定し、熱安定性の評価を行った。得られた結果を表43に示す。
[実施例15]
1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)を用いて熱安定性試験を行った。JIS−K−2211「冷凍機油」のシールドチューブテストに準拠して、熱伝達用組成物1.0gと金属片(鉄、銅、アルミニウムの各試験片)をガラス試験管に封入し、所定温度に加熱して2週間保持した。なお、加熱温度を175または200℃とした。2週間後の作動流体の外観、純度、酸分(F-イオン)を測定し、熱安定性の評価を行った。得られた結果を表44に示す。
表43および44に示した結果から明らかなように、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの熱分解生成物は見られなかった。また、熱安定性試験後の副生酸分(F-)は極微量であり、本発明に用いる作動流体組成物は、高温度条件においても、熱安定性に優れていることがわかる。
[実施例16]
JIS−K−2211「冷凍機油」の熱伝達用組成物と冷凍機油の相溶性試験に準拠して、作動流体1.7gと冷凍機油0.3gを厚肉ガラス試験管中に加え、液体窒素で冷却し、熱伝達用組成物および冷凍機油の混合物を固化した。作動流体および冷凍機油の混合物が固化した後、試験管の上部と真空ポンプを接続して、残存する空気を除去し、試験管の上部をガスバーナーで溶封した。溶封した厚肉ガラス試験管を−20℃まで冷却した恒温槽に入れ、恒温槽の温度とガラス試験管内の組成物が等しい温度となるまで静置した。その後、目視により、熱伝達用組成物と冷凍機油との相溶性について、評価を行った。恒温槽の温度を−20〜+80℃まで変化させて、相溶性を評価した。得られた結果を表45〜49に示す。表45〜49において、均一に相溶したときは○、二層分離または組成物に濁りを生じたときは×で評価した。
相溶性試験には、以下の5種類の潤滑油を使用した。
鉱物油(MO):スニソ4GS(日本サン石油製)
ポリオールエステル油(POE):SUNICE T68(日本サン石油製)
アルキルベンゼン油(AB):アトモス68N(JX日鉱日石エネルギー製)
ポリアルキレングリコール油(PAG):SUNICE P56(日本サン石油製)
ポリビニルエーテル油(PVE):ダフニーハーメチックオイルFVC68D(出光興産製)
いずれの作動流体も、合成油であるPOE、PAGまたはPVEに対して、良好な相溶性を示した。また、塩素を含有するHCFO−1233zdは、トランス体、シス体ともに、鉱物油およびアルキルベンゼン油に対しても良好な相溶性を示した。
本発明は、不燃性または微燃性かつ環境への負荷が小さい作動流体組成物を有機ランキンサイクルシステムの作動流体として用いたときの熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法である。この方法は、従来技術であるハイドロフルオロカーボン作動流体による熱エネルギー変換方法に比較して、蒸発温度条件が60℃以上150℃以下において、好適に使用することができる。また、優れたサイクル効率かつ膨張機サイズパラメーターによって、熱エネルギーから電気エネルギーの製造に大きく寄与することが可能となる。本発明の方法によって、これまで十分利用されてこなかった中低温域の熱エネルギーを利用することにより、電気エネルギーとして再利用することができる。
10:蒸発器、11:凝縮器、12:膨張機、13:循環ポンプ、14:発電機、100:有機ランキンサイクル装置

Claims (10)

  1. 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを主として含む作動流体を使用する、使用したまたは使用するよう設計されている、有機ランキンサイクル装置に作動流体組成物を供給し、又は1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを主として含む作動流体を使用する、使用したまたは使用するよう設計されている、前記有機ランキンサイクル装置の前記作動流体を前記作動流体組成物で置換し、
    60℃以上150℃以下の温度で前記作動流体組成物を気化させ、
    前記作動流体組成物を膨張させて、熱エネルギーを機械エネルギーへ変換し、
    前記作動流体組成物を凝縮させ、
    前記作動流体組成物をポンプで昇圧かつ移送することを順次行う、前記作動流体組成物を収容した有機ランキンサイクルシステムを用いた、熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法であって、
    前記作動流体組成物は、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比率が80.0質量%以上99.9質量%以下であり、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの質量比率が0.1質量%以上20.0質量%以下であり、
    60℃以上150℃以下の温度で前記作動流体組成物を気化させたとき、前記作動流体組成物は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1とした発電サイクル効率の相対値が1より大きく、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを1とした膨張機サイズパラメーターの相対値が1より小さことを特徴とする熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法。
  2. 前記作動流体組成物のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの質量比率が90.0質量%以上99.9質量%以下であり、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの質量比率0.1質量%以上10.0質量%以下であり、地球温暖化係数が150未満であることを特徴とする請求項1に記載の熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法。
  3. 前記作動流体組成物が潤滑剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法。
  4. 前記潤滑剤が、パラフィン系油またはナフテン系油である鉱物油または合成オイルのアルキルベンゼン類、ポリ(アルファ−オレフィン)、エステル類、ポリオールエステル類、ポリアルキレングリコール類、ポリビニルエーテル類およびそれらの組合せから選択されることを特徴とする請求項3に記載の熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法。
  5. 前記作動流体組成物が安定剤をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法。
  6. 前記安定剤が、ニトロ化合物、エポキシ化合物、フェノール類、イミダゾール類、アミン類、ジエン系化合物類、ホスフェート類、芳香族不飽和炭化水素類、イソプレン類、プロパジエン類、テルペン類およびそれらの組合せから選択されることを特徴とする請求項5に記載の熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法。
  7. 前記作動流体組成物が難燃剤をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法。
  8. 前記難燃剤が、ホスフェート類、ハロゲン化芳香族化合物、フッ素化ヨードカーボン、フッ素化ブロモカーボンおよびそれらの組合せから選択されることを特徴とする請求項7に記載の熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法。
  9. 蒸発器の加熱源として60℃以上150℃以下の温水、加圧熱水または過熱蒸気を使用することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の熱エネルギーを機械エネルギーへ変換する方法を用いる有機ランキンサイクル装置。
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