JP6467808B2 - 電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、電気化学素子電極材料の製造方法、電気化学素子電極の製造方法及び電気化学素子の製造方法 - Google Patents

電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、電気化学素子電極材料の製造方法、電気化学素子電極の製造方法及び電気化学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、電気化学素子電極材料、電気化学素子電極及び電気化学素子に関するものである。
小型で軽量であり、エネルギー密度が高く、さらに繰り返し充放電が可能な特性を活かして、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ及びリチウムイオンキャパシタなどの電気化学素子は、その需要を急速に拡大している。リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が比較的大きいことから、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータなどのモバイル分野で利用されている。一方、電気二重層キャパシタは急速な充放電が可能なので、パーソナルコンピュータ等のメモリーバックアップ小型電源として利用されている他、電気二重層キャパシタは電気自動車等の補助電源としての応用が期待されている。さらに、リチウムイオン二次電池と電気二重層キャパシタの長所を生かしたリチウムイオンキャパシタは、電気二重層キャパシタよりエネルギー密度、出力密度ともに高いことから電気二重層キャパシタが適用される用途、および電気二重層キャパシタの性能では仕様を満たせなかった用途への適用が検討されている。これらのうち、特に、リチウムイオン二次電池では近年ハイブリッド電気自動車、電気自動車などの車載用途のみならず、電力貯蔵用途にまでその応用が検討されている。
これら電気化学素子への期待が高まる一方で、これら電気化学素子には、用途の拡大や発展に伴い、低抵抗化、高容量化、機械的特性や生産性の向上など、より一層の改善が求められている。このような状況において、電気化学素子用電極に関してもより生産性の高い製造方法が求められている。
電気化学素子用電極は、通常、電極活物質と、必要に応じて用いられる導電材とを結着樹脂で結着することにより形成された電極活物質層を集電体上に積層してなるものである。電気化学素子用電極には、電極活物質、結着樹脂、導電材等を含む塗布電極用スラリーを集電体上に塗布し、溶剤を熱などにより除去する方法で製造される塗布電極があるが、結着樹脂などのマイグレーションにより、均一な電気化学素子の製造が困難であった。また、この方法はコスト高で作業環境が悪くなり、また、製造装置が大きくなる傾向があった。
それに対して、複合粒子を得て粉体成形することにより均一な電極活物質層を有する電気化学素子を得ることが提案されている。このような電極活物質層を形成する方法として、例えば特許文献1には、電極活物質、結着樹脂及び分散媒を含む複合粒子用スラリーを噴霧、乾燥することにより複合粒子を得て、この複合粒子を用いてプレス成形等の乾式成形を行うことにより電極活物質層を形成する方法が開示されている。
特開2010−92601号公報
特許文献1においては、噴霧を行う際のスラリーの粘度範囲が記載されているが、この粘度はスラリー中の成分の沈降を抑制する等の貯蔵安定性の観点から決められていた。しかし、噴霧を長時間行う場合、噴霧したスラリーの液滴がはね、アトマイザーの噴霧部周辺にスラリーが付着し、その付着物が固化することで、噴霧状態が悪化することがあった。その結果、噴霧開始初期に得られる複合粒子と、長時間噴霧を継続して得られる複合粒子との粒子径が異なることがあった。従って、長時間噴霧を行う場合には、安定した品質の複合粒子を作製することが困難であった。
本発明の目的は、長時間噴霧を行った場合でも安定した品質の複合粒子を得ることができる電気化学素子電極用複合粒子の製造方法を提供すること、また、この複合粒子の製造方法により製造された電気化学素子電極用複合粒子を含む電気化学素子電極材料、この電気化学素子電極材料を用いて得られる電気化学素子電極及び電気化学素子を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討の結果、高剪断速度の時と低剪断速度の時にそれぞれ所定の粘度を有するスラリーを噴霧することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、
(1) 電極活物質及び結着剤が溶媒に分散または溶解されてなるスラリーを得る工程と、前記スラリーを噴霧して造粒する工程とを含む電気化学素子電極用複合粒子の製造方法であって、25℃における前記スラリーの粘度は、剪断速度が1sec-1のときに1500mPa・s以下であり、剪断速度が200sec-1のときに500mPa・s以下である電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、
(2) 前記スラリーの粘度と剪断速度との関係を累乗近似し、下記(I)式で表した場合にBの値が0以下である(1)記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法
η=AXB・・・(I)(ηは粘度、Xは剪断速度、Aは剪断速度1s-1における粘度を示す。)
(3) 前記溶媒は水であり、前記スラリーはさらに水溶性高分子を含む(1)または(2)に記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、
(4) 前記結着剤は粒子状である請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、
(5) 前記造粒する工程は、前記スラリーを噴霧した後に乾燥させることで造粒を行う(1)〜(4)のいずれかに記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、
(6) 前記造粒する工程は、前記スラリーを噴霧した後に凝固させることで造粒を行う(1)〜(4)のいずれかに記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、
(7) 前記スラリーを噴霧する方法が静電霧化である(1)〜(6)のいずれかに記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、
(8) 前記スラリーを噴霧する方法が回転霧化である(1)〜(6)のいずれかに記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、
(9) (1)〜(8)のいずれかに記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法により得られる電気化学素子電極用複合粒子を含んでなる電気化学素子電極材料、
(10) (9)記載の電気化学素子電極材料からなる電極活物質層を集電体上に積層してなる電気化学素子電極、
(11) (10)記載の電気化学素子電極を用いた電気化学素子
が提供される。
本発明の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法によれば、長時間噴霧を行った場合でも安定した品質の電気化学素子電極用複合粒子を得ることができる。また、本発明によれば、上記複合粒子の製造方法により製造された電気化学素子電極用複合粒子を含む電気化学素子電極材料、この電気化学素子電極材料を用いて得られる電気化学素子電極及び電気化学素子が提供される。
以下、本発明の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法について説明する。本発明の電気化学素子電極用複合粒子(以下、「複合粒子」ということがある。)の製造方法は、電極活物質及び結着剤が溶媒に分散または溶解されてなるスラリーを得る工程と、前記スラリーを噴霧して造粒する工程とを含む電気化学素子電極用複合粒子の製造方法であって、25℃における前記スラリーの粘度は、剪断速度が1sec-1のときに1500mPa・s以下であり、剪断速度が200sec-1のときに500mPa・s以下である。
なお、以下において、「正極活物質」とは正極用の電極活物質を意味し、「負極活物質」とは負極用の電極活物質を意味する。また、「正極活物質層」とは正極に設けられる電極活物質層を意味し、「負極活物質層」とは負極に設けられる電極活物質層を意味する。
(スラリーを得る工程)
本発明のスラリーを得る工程で作製されるスラリーは、電極活物質及び結着剤が溶媒に分散または溶解されてなるスラリーである。また、このスラリーの25℃における粘度は、剪断速度が1sec-1のときに1500mPa・s以下であり、剪断速度が200sec-1のときに500mPa・s以下である。また、このスラリーの粘度と剪断速度との関係を累乗近似し、下記(I)式で表した場合にBの値が0以下であることが好ましい。
η=AXB・・・(I)(ηは粘度、Xは剪断速度、Aは剪断速度1s-1における粘度を示す。)
尚、「1s-1」は「sec-1」と同義である。
(電極活物質)
電気化学素子がリチウムイオン二次電池である場合の正極活物質としては、リチウムイオンをドープ及び脱ドープ可能な活物質が用いられ、無機化合物からなるものと有機化合物からなるものとに大別される。
無機化合物からなる正極活物質としては、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、リチウムと遷移金属とのリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。上記の遷移金属としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo等が使用される。
遷移金属酸化物としては、MnO、MnO2、V25、V613、TiO2、Cu223、非晶質V2O−P25、MoO3、V25、V613等が挙げられ、中でもサイクル安定性と容量からMnO、V25、V613、TiO2が好ましい。遷移金属硫化物としては、TiS2、TiS3、非晶質MoS2、FeS等が挙げられる。リチウム含有複合金属酸化物としては、層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。
層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としてはリチウム含有コバルト酸化物(LiCoO2)、リチウム含有ニッケル酸化物(LiNiO2)、Co−Ni−Mnのリチウム複合酸化物、Ni−Mn−Alのリチウム複合酸化物、Ni−Co−Alのリチウム複合酸化物等が挙げられる。スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としてはマンガン酸リチウム(LiMn24)やMnの一部を他の遷移金属で置換したLi[Mn3/21/2]O4(ここでMは、Cr、Fe、Co、Ni、Cu等)等が挙げられる。オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としてはLiXMPO4(式中、Mは、Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Mg,Zn,V,Ca,Sr,Ba,Ti,Al,Si,B及びMoから選ばれる少なくとも1種、0≦X≦2)であらわされるオリビン型燐酸リチウム化合物が挙げられる。
有機化合物としては、例えば、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子を用いることもできる。電気伝導性に乏しい、鉄系酸化物は、還元焼成時に炭素源物質を存在させることで、炭素材料で覆われた正極活物質として用いてもよい。また、これら化合物は、部分的に元素置換したものであってもよい。正極活物質は、上記の無機化合物と有機化合物の混合物であってもよい。
電気化学素子がリチウムイオンキャパシタである場合の正極活物質としては、リチウムイオンと、例えばテトラフルオロボレートのようなアニオンとを可逆的に担持できるものであればよい。具体的には、炭素の同素体を好ましく用いることができ、電気二重層キャパシタで用いられる電極活物質が広く使用できる。炭素の同素体の具体例としては、活性炭、ポリアセン(PAS)、カーボンウィスカ、カーボンナノチューブ及びグラファイト等が挙げられる。
また、電気化学素子がリチウムイオン二次電池である場合の負極活物質としては電気化学素子の負極において電子の受け渡しをできる物質が挙げられる。電気化学素子がリチウムイオン二次電池である場合の負極活物質としては、通常、リチウムを吸蔵及び放出できる物質を用いることができる。
リチウムイオン二次電池に好ましく用いられる負極活物質の例としては、アモルファスカーボン、グラファイト、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、ピッチ系炭素繊維等の炭素質材料;ポリアセン等の導電性高分子;ケイ素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケル等の金属又はこれらの合金;前記金属又は合金の酸化物又は硫酸塩;金属リチウム;Li−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn−Cd等のリチウム合金;リチウム遷移金属窒化物;シリコン等が挙げられる。また、負極活物質として、当該負極活物質の粒子の表面に、例えば機械的改質法によって導電材を付着させたものを用いてもよい。また、負極活物質は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、電気化学素子がリチウムイオンキャパシタである場合に好ましく用いられる負極活物質としては、上記炭素で形成された負極活物質が挙げられる。
電極活物質層における電極活物質の含有量は、リチウムイオン二次電池の容量を大きくでき、また、電極の柔軟性、及び、集電体と電極活物質層との結着性を向上させることができる観点から、好ましくは90〜99.9重量%、より好ましくは95〜99重量%である。
電極活物質の体積平均粒子径は、スラリーを調製する際の結着剤の配合量を少なくすることができ、電池の容量の低下を抑制できる観点、および、スラリーを噴霧するのに適正な粘度に調製することが容易になり、均一な電極を得ることができる観点から、好ましくは1〜50μm、より好ましくは2〜30μmである。
(結着剤)
本発明に用いる結着剤としては、上述の電極活物質を相互に結着させることができる物質であれば特に限定はない。結着剤としては、溶媒に分散する性質のある分散型結着樹脂を好ましく用いることができる。
分散型結着樹脂として、例えば、シリコン系重合体、フッ素含有重合体、共役ジエン系重合体、アクリレート系重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン等の高分子化合物が挙げられ、好ましくはフッ素含有重合体、共役ジエン系重合体およびアクリレート系重合体、より好ましくは共役ジエン系重合体およびアクリレート系重合体が挙げられる。これらの重合体は、それぞれ単独で、または2種以上混合して、分散型結着樹脂として用いることができる。
フッ素含有重合体は、フッ素原子を含む単量体単位を含有する重合体である。フッ素含有重合体の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体、パーフルオロエチレン・プロペン共重合体が挙げられる。中でも、PVDFを含むことが好ましい。
共役ジエン系重合体は、共役ジエン系単量体の単独重合体もしくは共役ジエン系単量体を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体、またはそれらの水素添加物である。共役ジエン系単量体として、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などを用いることが好ましく、電極とした際における柔軟性を向上させることができ、割れに対する耐性を高いものとすることができる点で1,3−ブタジエンを用いることがより好ましい。また、単量体混合物においてはこれらの共役ジエン系単量体を2種以上含んでもよい。
共役ジエン系重合体が、上述した共役ジエン系単量体と、これと共重合可能な単量体との共重合体である場合、かかる共重合可能な単量体としては、たとえば、α,β−不飽和ニトリル化合物や酸成分を有するビニル化合物などが挙げられる。
共役ジエン系重合体の具体例としては、ポリブタジエンやポリイソプレンなどの共役ジエン系単量体単独重合体;カルボキシ変性されていてもよいスチレン・ブタジエン共重合体(SBR)などの芳香族ビニル系単量体・共役ジエン系単量体共重合体;アクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NBR)などのシアン化ビニル系単量体・共役ジエン系単量体共重合体;水素化SBR、水素化NBR等が挙げられる。
共役ジエン系重合体中における共役ジエン系単量体単位の割合は、好ましくは20〜60重量%であり、より好ましくは30〜55重量%である。共役ジエン系単量体単位の割合が多すぎると、結着剤を含む複合粒子を用いて電極を製造した場合に、耐電解液性が低下する傾向がある。共役ジエン系単量体単位の割合が少なすぎると、複合粒子と集電体との十分な密着性が得られない傾向がある。
アクリレート系重合体は、一般式(II):CH2=CR1−COOR2(式中、R1は水素原子またはメチル基を、R2はアルキル基またはシクロアルキル基を表す。R2はさらにエーテル基、水酸基、リン酸基、アミノ基、カルボキシル基、フッ素原子、またはエポキシ基を有していてもよい。)で表される化合物〔(メタ)アクリル酸エステル〕由来の単量体単位を含む重合体、具体的には、一般式(II)で表される化合物の単独重合体、または前記一般式(II)で表される化合物を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体である。一般式(II)で表される化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、および(メタ)アクリル酸トリデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等のエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸等のカルボン酸含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル等のフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸リン酸エチル等のリン酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル;等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」及び「メタクリロイル」を意味する。
これら(メタ)アクリル酸エステルは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、および(メタ)アクリル酸n−ブチルやアルキル基の炭素数が6〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。これらを選択することにより、電解液に対する膨潤性を低くすることが可能となり、サイクル特性を向上させることができる。
また、アクリレート系重合体が、上述した一般式(II)で表される化合物と、これと共重合可能な単量体との共重合体である場合、かかる共重合可能な単量体としては、たとえば、2つ以上の炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸エステル類、芳香族ビニル系単量体、アミド系単量体、オレフィン類、ジエン系単量体、ビニルケトン類、及び複素環含有ビニル化合物などのほか、α,β−不飽和ニトリル化合物や酸成分を有するビニル化合物が挙げられる。
上記共重合可能な単量体の中でも、電極を製造した際に変形しにくく強度が強いものとすることができ、また、電極活物質層と集電体との十分な密着性が得られる点で、芳香族ビニル系単量体を用いることが好ましい。芳香族ビニル系単量体としては、スチレン等が挙げられる。
なお、芳香族ビニル系単量体の割合が多すぎると電極活物質層と集電体との十分な密着性が得られない傾向がある。また、芳香族ビニル系単量体の割合が少なすぎると、電極を製造した際に耐電解液性が低下する傾向がある。
アクリレート系重合体中における(メタ)アクリル酸エステル単位の割合は、電極とした際における柔軟性を向上させることができ、割れに対する耐性を高いものとする観点から、好ましくは50〜95重量%であり、より好ましくは60〜90重量%である。
分散型結着樹脂を構成する重合体に用いられる、前記α,β−不飽和ニトリル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、及びα−ブロモアクリロニトリルなどが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。
分散型結着樹脂中におけるα,β−不飽和ニトリル化合物単位の割合は、好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%である。分散型結着樹脂中にα,β−不飽和ニトリル化合物単位を含有させると、電極を製造した際に変形しにくく強度が強いものとすることができる。また、分散型結着樹脂中にα,β−不飽和ニトリル化合物単位を含有させると、複合粒子を含む電極活物質層と集電体との密着性を十分なものとすることができる。
なお、α,β−不飽和ニトリル化合物単位の割合が多すぎると電極活物質層と集電体との十分な密着性が得られない傾向がある。また、α,β−不飽和ニトリル化合物単位の割合が少なすぎると、電極を製造した際に耐電解液性が低下する傾向がある。
前記酸成分を有するビニル化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、及びフマル酸などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、およびイタコン酸が好ましく、接着力が良くなる点でメタクリル酸がより好ましい。
分散型結着樹脂中における酸成分を有するビニル化合物単位の割合は、スラリーとした際における安定性が向上する観点から、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜8重量%、さらに好ましくは2〜7重量%である。
なお、酸成分を有するビニル化合物単位の割合が多すぎると、スラリーの粘度が高くなり、取扱いが困難になる傾向がある。また、酸成分を有するビニル化合物単位の割合が少なすぎるとスラリーの安定性が低下する傾向がある。
分散型結着樹脂の形状は、特に限定はないが、粒子状であることが好ましい。粒子状であることにより、結着性が良く、また、製造した電極の容量の低下や充放電の繰り返しによる劣化を抑えることができる。粒子状の結着剤としては、例えば、ラテックスのごとき結着剤の粒子が水に分散した状態のものや、このような分散液を乾燥して得られる粉末状のものが挙げられる。
分散型結着樹脂の平均粒子径は、スラリーとした際における安定性を良好なものとしながら、得られる電極の強度及び柔軟性が良好となる点から、好ましくは0.001〜10μm、より好ましくは10〜5000nm、さらに好ましくは50〜1000nmである。
また、本発明に用いる結着剤の製造方法は特に限定されず、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法または溶液重合法等の公知の重合法を採用することができる。中でも、乳化重合法で製造することが、結着剤の粒子径の制御が容易であるので好ましい。また、本発明に用いる結着剤は、2種以上の単量体混合物を段階的に重合することにより得られるコアシェル構造を有する粒子であっても良い。
本発明の複合粒子中における結着剤の配合量は、得られる電極活物質層と集電体との密着性が十分に確保でき、かつ、電気化学素子の内部抵抗を低くすることができる観点から、電極活物質100重量部に対して、乾燥重量基準で好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部である。
(水溶性高分子)
本発明に用いるスラリーは、水溶性高分子を含むことが好ましい。本発明に用いる水溶性高分子とは、25℃において、高分子0.5gを100gの純水に溶解させた場合の未溶解分が10.0重量%未満の高分子をいう。
水溶性高分子の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ならびにこれらのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどのアルギン酸エステル、ならびにアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩、ポリアクリル酸、およびポリアクリル酸(またはメタクリル酸)ナトリウムなどのポリアクリル酸(またはメタクリル酸)塩、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリカルボン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプン、キチン、キトサン誘導体などが挙げられる。
分子量が高い水溶性高分子を使用する、あるいは、水溶性高分子の添加量を多くする、あるいはスラリー濃度を下げると上記(I)式のBの値を小さくすることができる。一方で、低分子量タイプの使用や添加量を減らす、スラリー濃度を上げることで反対にBの値を大きくすることができる。従って、水溶性高分子の分子量と添加量を適宜変更することで高剪断速度及び低剪断速度での粘度を調整することができる。
スラリー中における水溶性高分子の添加量は、電極活物質100重量部に対して、固形分換算量で好ましくは0.2〜1.2重量部、より好ましくは0.2〜1重量部、さらに好ましくは0.2〜0.8重量部である。
水溶性高分子の添加量が多すぎると低剪断速度での粘度が上昇し、長時間安定したスラリーの噴霧を行うことが困難になる。また、水溶性高分子の添加量が少なすぎると高剪断速度での粘度が上昇し、スラリーの送液を安定して行うことができない。また、得られる複合粒子の形状がいびつになる。
また、水溶性高分子の分子量は好ましくは10,000〜400,000である。水溶性高分子の分子量が大きすぎると、上記式(I)におけるBの値が小さくなりやすいため、低剪断粘度が上がりやすく、長時間安定的なスラリーの噴霧を行うことが困難になる。また、水溶性高分子の分子量が小さすぎると、上記(I)式におけるBの値が大きくなり、スラリーをアトマイザーで微細な液滴にしにくくなる可能性がある。ただし、分子量が大きい水溶性高分子を用いる場合はその添加量を低減させることにより、また、分子量の小さい水溶性高分子を用いる場合はその添加量を増加させることにより、Bの値を小さくすることが可能であり、さらに、異なる分子量の水溶性高分子を組み合わせることでもBの値を制御できるため、水溶性高分子の分子量が必ずしも上記範囲に入っていなくても、Bの値を0以下とすることが可能である。
また、水溶性高分子を非水溶性多糖高分子と組み合わせて用いてもよく、そうすることで、複合粒子の補強効果が得られる。ここで、非水溶性多糖高分子繊維としては、多糖高分子のナノファイバーを用いることが好ましく、多糖高分子のナノファイバーのなかでも柔軟性を有し、かつ、繊維の引張強度が大きいため複合粒子の補強効果が高く、粒子強度を向上させることができる観点、および、導電材の分散性が良好となる観点から、セルロースナノファイバー、キチンナノファイバー、キトサンナノファイバーなどの生物由来のバイオナノファイバーから選ばれる単独又は任意の混合物を使用するのがより好ましい。これらのなかでも、セルロースナノファイバーを使用するのがさらに好ましく、竹、針葉樹、広葉樹、綿を原料とするセルロースナノファイバーを使用するのが特に好ましい。
(導電材)
本発明に用いるスラリーは、必要に応じて導電材を含んでいてもよい。必要に応じて用いられる導電材としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック(アクゾノーベル ケミカルズ ベスローテン フェンノートシャップ社の登録商標)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、グラフェンなどの導電性カーボンが好ましく用いられる。これらの中でも、アセチレンブラックがより好ましい。導電材の平均粒子径は、特に限定されないが、より少ない使用量で十分な導電性を発現させる観点から、電極活物質の平均粒子径よりも小さいものが好ましく、好ましくは0.001〜10μm、より好ましくは0.005〜5μm、さらに好ましくは0.01〜1μmである。
導電材を添加する場合における導電材の配合量は、電極活物質100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部である。
(その他の添加剤)
本発明の複合粒子は、さらに必要に応じてその他の添加剤を含有していてもよい。その他の添加剤としては、例えば、界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、ノニオニックアニオン等の両性の界面活性剤が挙げられるが、中でもアニオン性またはノニオン性界面活性剤が好ましい。界面活性剤の配合量は、特に限定されないが、複合粒子中において、電極活物質100重量部に対して好ましくは0〜50重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。界面活性剤を添加することで、スラリーから得られる液滴の表面張力を調整することができる。
(スラリーの作製方法)
本発明で用いるスラリーは、電極活物質、結着剤、必要に応じて添加される水溶性高分子及び導電材を含有する。スラリーは、電極活物質、結着剤、必要に応じて添加される水溶性高分子及び導電材を、溶媒に分散又は溶解させることにより調製することができる。なお、この場合において、結着剤が溶媒に分散されたものである場合には、溶媒に分散させた状態で添加することができる。
スラリーを得るために用いる溶媒としては、水を用いることが好ましいが、水と有機溶媒との混合溶媒を用いてもよく、有機溶媒のみを単独または数種組み合わせて用いてもよい。この場合に用いることができる有機溶媒としては、たとえば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のアルキルケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類;等が挙げられる。有機溶媒を用いる場合には、アルコール類が好ましい。これにより、スラリーの粘度や流動性を調整することができ、生産効率を向上させることができる。
また、スラリーの粘度は、25℃において、剪断速度が1sec-1のときに1500mPa・s以下、好ましくは40〜1500mPa・s、より好ましくは100〜1300mPa・s、さらに好ましくは400〜1200mPa・sである。25℃における剪断速度が1sec-1のときの粘度が上記範囲であることにより、経時での噴霧状態に変化がなく、長時間の噴霧を行うことができる。また、25℃における剪断速度が1sec-1のときのスラリーの粘度が大きすぎるとアトマイザーの噴霧部近傍にスラリーが付着し、経時で乾燥が進み噴霧を阻害するようになる。また、25℃における剪断速度が1sec-1のときのスラリーの粘度が小さすぎると通常の撹拌ではスラリーの成分の沈降を抑制することができない。
さらに、スラリーの粘度は、25℃における、剪断速度が200sec-1のときに500mPa・s以下、好ましくは400mPa・s以下、より好ましくは300mPa・s以下、さらに好ましくは200mPa・s以下である。25℃における剪断速度が200sec-1のときの粘度が上記範囲にあることによりスラリーの液滴の微細化が進みやすく、安定的に噴霧を行うことができる。また、25℃における剪断速度が200sec-1のときの粘度が大きすぎると、高剪断速度における粘度が下がらないため、スラリーの送液を安定して行うことができない。また、得られる複合粒子の形状がいびつになる。
また、このスラリーの粘度と剪断速度との関係を累乗近似し、下記(I)式で表した場合にBの値が好ましくは0以下、より好ましくは−0.6〜−0.05、さらに好ましくは−0.55〜−0.05、最も好ましくは−0.45〜−0.05である。
η=AXB・・・(I)(ηは粘度、Xは剪断速度、Aは剪断速度1s-1における粘度を示す。)
Bの値が大きすぎると、高剪断速度における粘度が下がらないため、スラリーの送液を安定して行うことができない。また、得られる複合粒子の形状がいびつになる。また、Bの値が小さすぎると、低剪断速度における粘度が上昇し、長時間安定した噴霧を行うことが困難となる。
なお、本明細書において記載する粘度は25℃における粘度である。ブルックフィールドデジタル粘度計DV−II+Proを用いることで測定が可能である。
スラリーを調製する際に使用する溶媒の量は、スラリー中に結着剤を均一に分散させる観点から、スラリーの固形分濃度が、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜40重量%となる量である。スラリーの固形分濃度を調整することにより、スラリーの高剪断速度及び低剪断速度での粘度を調整することができる。
電極活物質、結着剤、必要に応じて添加される水溶性高分子及び導電材等を溶媒に分散又は溶解する方法又は順番は、特に限定されず、例えば、溶媒に電極活物質、結着剤、水溶性高分子および導電材を添加し混合する方法、溶媒に水溶性高分子を溶解した後、電極活物質及び導電材を添加して混合し、最後に溶媒に分散させた結着剤(例えば、ラテックス)を添加して混合する方法、溶媒に分散させた結着剤に電極活物質および導電材を添加して混合し、この混合物に溶媒に溶解させた水溶性高分子を添加して混合する方法等が挙げられる。
また、混合装置としては、たとえば、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、顔料分散機、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等を用いることができる。混合は、好ましくは室温〜80℃で、10分〜数時間行う。
(造粒する工程)
本発明の造粒する工程においては、スラリーを得る工程で得たスラリーの噴霧を行う。スラリーを噴霧する噴霧方法としては、特に限定されないが、静電噴霧、回転霧化により噴霧することが好ましい。
(静電噴霧)
静電噴霧は、静電微粒化法を用いることによりスラリーから液滴を生成させ、凝固液に向けて液滴を噴霧する方法である。静電微粒化法は、アトマイザーノズルに数kV以上の高電圧を加え、アトマイザーノズル先端部に電荷を集中させることでアトマイザーノズルに供給される複合粒子用スラリーの分裂を促し、複合粒子用スラリーからなる液滴を生成する方法である。
アトマイザーノズルに印加する電圧を変えることによって数100μm〜数μmの均一な液滴を生成、噴霧することができる。
また、ノズル先端部の形状を針状に尖らせることによってアトマイザーノズル先端部に電荷を集中させることが可能であり、静電微粒化法における液滴の生成を促すことができる。ノズル先端部の形状の工夫によって所望の範囲の粒子径分布を有する複合粒子群の製造に必要な印加電圧を低く設定することが可能になり、装置コストや、ランニングコスト、操業における安全性の面において有利に働く。
液滴の生成に適した印加電圧は、アトマイザーノズルの先端形状、複合粒子用スラリーの表面張力、粘度、固形分濃度、供給速度、電導度、および活物質が蓄積可能な静電容量、そして後述するアトマイザーノズル近傍に設置可能な接地電極の形状や設置位置によって種々異なるために特に制限されないが、通常2kV以上である。当業者らはこれら要素を考慮しつつ、適宜液滴の生成に適した電圧条件を検討することで所望のサイズの液滴を生成することができる。
ここで、アトマイザーノズルに供給されるスラリーの温度は、通常は室温であるが、状況や目的に応じて加温して室温以上にしたものであってもよい。
また、ノズル先端部直下には、アトマイザーノズルに対向して接地電極が設けることが好ましい。接地電極の形状としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、例えば、リング状に形成するのが好ましい。アトマイザーノズルの直下に接地電極を設けることで静電微粒化による液滴の生成をより促すことができる。
(回転霧化)
回転霧化方式は、高速回転する円盤のほぼ中央にスラリーを導入し、円盤の遠心力によってスラリーが円盤の外に放たれ、その際にスラリーを霧状にする方式である。回転円盤方式のアトマイザーとしては、ピン型とベーン型、ケスナー型、カップ型が挙げられるが、好ましくはピン型とカップ型アトマイザーである。ピン型アトマイザーは、噴霧盤を用いた遠心式の噴霧装置の一種であり、該噴霧盤が上下取付円板の間にその周縁に沿ったほぼ同心円上に着脱自在に複数の噴霧用コロを取り付けたもので構成されている。複合粒子用スラリーは噴霧盤中央から導入され、遠心力によって噴霧用コロに付着し、コロ表面を外側へと移動し、最後にコロ表面から離れ噴霧される。また、カップ型アトマイザーは、所定の回転数で回転するアトマイザー先端のカップに複合粒子用スラリーを導入し、複合粒子用スラリーに回転力を加えながらカップの端部から吐出させることにより、遠心力で複合粒子用スラリーの霧化を行い霧状の液滴を得るように構成されている。カップの向きは上向き、下向きがあるが、そのいずれか片方に限るものではなく、いずれも良好な霧化が可能である。
回転霧化方式におけるカップまたは円盤の回転速度は、特に限定されないが、好ましくは5,000〜40,000rpm、さらに好ましくは15,000〜30,000rpmである。カップまたは円盤の回転速度が低いほど、噴霧液滴が大きくなり、得られる複合粒子の平均粒子径が大きくなる。
また、回転霧化により生成される液滴を後述する凝固液に接触させて凝固し、複合化する場合、液滴の噴霧位置と凝固液の液面との距離は、球形度の高い複合粒子が得られる点で、30cm以上であることが好ましく、50cm以上であることがより好ましく、60cm以上であることがさらに好ましい。上記距離が短すぎると、凝固液と液滴とが衝突することにより複合粒子が変形する虞がある。
噴霧されるスラリーの温度は、好ましくは室温であるが、加温して室温より高い温度としてもよい。
(造粒方法)
また、噴霧したスラリーを乾燥または凝固させることにより造粒することが好ましい。以下、乾燥方法及び凝固方法について説明する。
(乾燥方法)
噴霧されたスラリーを乾燥により造粒する場合、乾燥時の熱風温度は、好ましくは25〜250℃、より好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは80〜150℃である。噴霧されたスラリーを乾燥することにより造粒する噴霧乾燥法において、熱風の吹き込み方法は特に限定されず、たとえば、熱風と噴霧方向が横方向に並流する方式、乾燥塔頂部で噴霧され熱風と共に下降する方式、噴霧した滴と熱風が向流接触する方式、噴霧した滴が最初熱風と並流し次いで重力落下して向流接触する方式等が挙げられる。
(凝固方法)
静電噴霧、回転霧化等の上記噴霧方法により得られた液滴を凝固液に接触させることにより、球状又は粒状の複合粒子を得ることができる。
ここで、凝固液としては、スラリー中に含まれる水溶性高分子が凝固する低pHの酸性液、もしくは、多価金属塩水溶液、またはカチオン性ポリマー水溶液を用いることが可能であり、特に多価金属塩水溶液、またはカチオン性水溶液を用いることが好ましい。
多価金属塩の水溶液としては、噴霧した複合粒子用スラリーを凝固させやすく、球状の複合粒子が得られる観点、及び凝固後に複合粒子同士が互いに結着しにくい観点から、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、バリウム塩、銅塩、アンモニウムミョウバン、鉄塩等を含む水溶液が好ましく、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、硝酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウム、鉄ミョウバン等の無機塩類の水溶液がより好ましく、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、硝酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄の水溶液がさらに好ましく、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムの水溶液が特に好ましい。また、ある特定の水溶性高分子が凝固しやすい溶媒を凝固液として用いることで凝固粒子の互着を抑制することが可能である。また、熱応答性が高く、熱で凝固し、冷却しても不可逆な水溶性高分子を用いた場合には、80℃以上の熱水を用いても良く、凝固後の水洗を省略することが可能となる。水溶性高分子としてアニオン性水溶性高分子を用いる場合には酸性の凝固液を用いてもよい。その場合、pHの値が5以下であることが好ましく、揮発性の酸性液で凝固させると凝固液成分の除去が容易となる。
凝固液として多価金属塩水溶液を用いた場合に得られる複合粒子は、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、バリウム塩、銅塩、アンモニウムミョウバン、鉄塩から選ばれる少なくとも1種の多価金属塩を含有することが好ましい。また、多価金属塩の含有量は、電極活物質層と集電体との密着性が良好となる観点から、好ましくは300〜2000ppm、より好ましくは300〜1500ppm、さらに好ましくは300〜1000ppmである。多価金属塩の含有量が多すぎても少なすぎても、電極活物質層と集電体との密着性が不十分となる。尚、ここに記載した多価金属塩の含有量は電極活物質由来の多価金属塩の量を除いたものを指す。また、アルギン酸などの水溶性高分子を金属塩で凝固させると、金属塩とゲル状の膜を形成しており、その厚みが1〜500nmの厚みで複合粒子表面および粒子内部の電極活物質間に存在している。このゲルの膜存在により、粒子の補強効果が得られる
また、カチオン性ポリマー水溶液としては、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリアミンスルホン、ポリアリルアミン、ポリアクリルアミド、ポリジアリルメチルアミン、ポリアミドアミン、ポリアクリル(メタクリル)酸エステル、ポリアミノアルキルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドポリアミン、ポリエステルポリアミン、キトサン、ジアリルアンモニウムクロリド二酸化硫黄共重合体、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト・二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド縮合物の高分子及びこれらの塩、更に、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリビニルピリジニウムクロライド、ポリメタクリル酸エステルメチルクロライド等の4級アンモニウム塩等の4級アンモニウム塩の水溶液を用いることが好ましく、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアミンスルホン、ポリアリルアミン、ポリアクリルアミド、ポリジアリルメチルアミン、ポリアミドアミン、ポリアクリル(メタクリル)酸エステル、ポリアミノアルキルアクリルアミド、ポリアミドポリアミン、ポリエステルポリアミン、ジアリルアンモニウムクロリド二酸化硫黄共重合体、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト・二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド縮合物の高分子及びこれらの塩、更に、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリアクリル(メタクリル)酸エステルメチルクロライド等の4級アンモニウム塩等の4級アンモニウム塩の水溶液を用いることがより好ましく、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル(メタクリル)酸エステル、ポリアクリル(メタクリル)酸エステルメチルクロライド等の4級アンモニウム塩等の4級アンモニウム塩、ジアリルアンモニウムクロリド二酸化硫黄共重合体、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト・二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体の水溶液を用いることがさらに好ましい。
カチオン性ポリマー水溶液に含まれるカチオン性ポリマーは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、アルギン酸などの水溶性高分子を金属塩もしくはカチオン性ポリマーで凝固させると、金属塩もしくはカチオン性ポリマーとゲル状の膜を形成しており、その厚みが1nm〜500nmの厚みで複合粒子表面および粒子内部の活物質間に存在している。このゲルの膜存在により、粒子の補強効果が得られる
凝固液として、カチオン性ポリマー水溶液を用いる場合のカチオン性ポリマーの濃度は、スラリーの液滴を強固に凝固させることができ、得られる複合粒子の形状が良好となる観点から、好ましくは0.4〜20wt%、より好ましくは0.5〜15wt%、さらに好ましくは1.0〜10wt%である。カチオン性ポリマーの濃度が高すぎると、電極活物質層と集電体との接着性が悪化する。また、カチオン性ポリマーの濃度が低すぎると、液滴としたスラリーが凝固しなかったり、得られる複合粒子がもろくなる虞がある。
(凝固液からの分離及び乾燥)
上記のようにして噴霧したスラリーを凝固することにより得られる複合粒子(凝固粒子)は、ろ過等を行うことにより凝固液から分離される。また、凝固液から分離された凝固粒子を乾燥することにより、本発明の複合粒子を得ることができる。
凝固液中で得られた凝固粒子を、これらの水溶液から分離する方法としては、ろ過等が挙げられる。
ろ過の方法としては格別な制限はなく、自然ろ過、加圧ろ過、減圧ろ過を採用することができる。また、ろ過フィルターを用いるろ過、掻き取りろ過、ふるい分けろ過等を採用することもできる。また、ふるい分けろ過を行う場合には、凝固粒子を含む2価もしくは3価の金属塩水溶液またはカチオン性ポリマー水溶液中で所定の目開きの篩を用いてろ過を行ってもよい。
また、凝固液から分離された凝固粒子の乾燥方法としては、特に制限はないが、例えば、温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法などが挙げられる。乾燥時間は好ましくは5分〜30分であり、乾燥温度は、用いる材料の耐熱性にもよるが、例えば30〜180℃である。乾燥温度が高すぎると、複合粒子同士が互着し粗大粒子となることがある。
また、凝固液から分離された凝固粒子に水を加えて再攪拌し、さらにろ過等を行う水洗工程を所定回数行ってもよい。この場合には、水洗工程を経た凝固粒子を真空乾燥等により乾燥させる。
(複合粒子の物性)
本発明の複合粒子の形状は、流動性が良好で電極活物質層形成の際に複合粒子の供給装置におけるホッパートラブルを防止できる観点、ホッパーからの複合粒子の供給が良好であり、厚み精度の良い電極を得ることができる観点から実質的に球形であることが好ましい。すなわち、複合粒子の短軸径をls、長軸径をll、la=(ls+ll)/2としたとき、(ll−ls)×100/laで表される球形度(%)が好ましくは15%以下、より好ましくは13%以下、さらに好ましくは12%以下、最も好ましくは10%以下である。ここで、短軸径lsおよび長軸径llは、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡の写真像から測定することができる。球形度が大きすぎると、複合粒子の流動性が悪化し、ホッパートラブルが起きやすくなる。また、電極の目付精度が悪化し、厚み精度のよい電極が得難くなる。
また、本発明の複合粒子の粒子径は、レーザー光回折法を用いた粒子径測定により得られる体積換算の粒子径分布において累積50%径(D50径)は、好ましくは50〜160μm、より好ましくは50〜130μm、さらに好ましくは50〜110μmである。
また、長時間スラリーの噴霧を行った場合における、噴霧開始時に得られる複合粒子の粒子径と、長時間噴霧を行ったときに得られる複合粒子の粒子径とを比較した場合の、粒子径の変化率は、好ましくは7.5%未満、より好ましくは5%未満、さらに好ましくは3%未満である。粒子径の不安定化により小粒径の複合粒子が発生すると流動性が悪化し、複合粒子の移送や袋詰めでの精度が悪化する。また、粗大粒子が発生すると電極活物質層を形成する際の厚みムラや、電極活物質層に筋が発生する原因となる。
また、本発明の複合粒子の圧縮度は、複合粒子の流動性が良好であるため電極活物質層形成の際に複合粒子の供給装置におけるホッパートラブルを防止できる観点、ホッパーからの複合粒子の供給が良好であり、厚み精度の良い電極が得ることができる観点から、15%以下であることが好ましい。複合粒子の圧縮度が大きすぎると、複合粒子の流動性が悪くなるため、ホッパートラブルが起きやすくなり、また、得られる電極の厚み精度が悪化する。
長時間スラリーの噴霧を行った場合における、噴霧開始時に得られる複合粒子の圧縮度と、長時間噴霧を行ったときに得られる複合粒子の圧縮度とを比較した場合の、圧縮度の変化率は、好ましくは7.5%未満、より好ましくは5%未満、さらに好ましくは3%未満である。ここで、圧縮度は流動性の指標の一つであり、圧縮度が経時で変わってしまうと電極活物質層を成形する際の条件が定まらず、成形される電極の厚みや目付量の変化が大きくなってしまう。
なお、圧縮度は、例えば、ホソカワミクロン社製パウダテスタ−PT−S型等の粉体物性測定装置を用いて測定することができる。
(電気化学素子電極)
本発明の電気化学素子電極は、上述の複合粒子を含む電極活物質層を集電体上に積層してなる電極である。集電体の材料としては、たとえば、金属、炭素、導電性高分子などを用いることができ、好適には金属が用いられる。金属としては、通常、銅、アルミニウム、白金、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼、その他の合金等が使用される。これらの中で導電性、耐電圧性の面から、銅、アルミニウム又はアルミニウム合金を使用するのが好ましい。また、高い耐電圧性が要求される場合には特開2001−176757号公報等で開示される高純度のアルミニウムを好適に用いることができる。集電体は、フィルム又はシート状であり、その厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、好ましくは1〜200μm、より好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは10〜50μmである。
電極活物質層を集電体上に積層する際には、複合粒子を含んでなる電気化学素子電極材料をシート状に成形し、次いで集電体上に積層してもよいが、集電体上で複合粒子を含んでなる電気化学素子電極材料を直接加圧成形する方法が好ましい。加圧成形する方法としては、例えば、一対のロールを備えたロール式加圧成形装置を用い、集電体をロールで送りながら、振動フィーダーやスクリューフィーダー等の供給装置で複合粒子をロール式加圧成形装置に供給することで、集電体上に電極活物質層を成形するロール加圧成形法や、複合粒子を集電体上に散布し、複合粒子をブレード等でならして厚みを調整し、次いで加圧装置で成形する方法、複合粒子を金型に充填し、金型を加圧して成形する方法などが挙げられる。これらのなかでも、ロール加圧成形法が好ましい。特に、本発明の複合粒子は、高い流動性を有しているため、その高い流動性により、ロール加圧成形による成形が可能であり、これにより、生産性の向上が可能となる。
ロール加圧成形を行う際のロール温度は、均一な電極を作成するためには、好ましくは10〜100℃、より好ましくは20〜60℃、さらに好ましくは20〜50℃である。また、電極活物質層と集電体との密着性を十分なものとすることができる観点から、好ましくは25〜200℃、より好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは80〜120℃である。均一な電極を作成するのに好ましい温度領域と、密着性を高めるために好ましい温度領域とが重なり合わない場合は、多段階でロール加圧することで、それらを両立させることが可能である。また、ロール加圧成形時のロール間のプレス線圧は、電極活物質の破壊を防ぐ観点から、好ましくは10〜1000kN/m、より好ましくは200〜900kN/m、さらに好ましくは300〜600kN/mである。また、ロール加圧成形時の成形速度は、好ましくは0.1〜20m/分、より好ましくは4〜10m/分である。
また、成形した電気化学素子電極の厚みのばらつきを無くし、電極活物質層の密度を上げて高容量化を図るために、必要に応じてさらに後加圧を行ってもよい。後加圧の方法は、ロールによるプレス工程が好ましい。ロールプレス工程では、2本の円柱状のロールをせまい間隔で平行に上下にならべ、それぞれを反対方向に回転させて、その間に電極をかみこませることにより加圧する。この際においては、必要に応じて、ロールは加熱又は冷却等、温度調節してもよい。
また、電極活物質層の接着強度や導電性を高めるために、集電体表面に中間層を形成してもよく、中でも、導電性接着剤層を形成するのが好ましい。
電極活物質層の密度は、特に制限されないが、通常は0.30〜10g/cm3、好ましくは0.35〜8.0g/cm3、より好ましくは0.40〜6.0g/cm3である。また、電極活物質層の厚みは、特に制限されないが、通常は5〜1000μm、好ましくは20〜500μm、より好ましくは30〜300μmである。
(電気化学素子)
本発明の電気化学素子は、上述のようにして得られる正極、負極、セパレーターおよび電解液を備え、正極または負極のうちの少なくとも一方に本発明の電気化学素子電極を用いる。電気化学素子としては、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ等が挙げられる。
(セパレーター)
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や、芳香族ポリアミド樹脂を含んでなる微孔膜または不織布;無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート;などを用いることができる。具体例を挙げると、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル)、及びこれらの混合物あるいは共重合体等の樹脂からなる微多孔膜;ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアラミド、ポリシクロオレフィン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂からなる微多孔膜;ポリオレフィン系の繊維を織ったもの又はその不織布;絶縁性物質粒子の集合体等が挙げられる。これらの中でも、セパレーター全体の膜厚を薄くすることができ、リチウムイオン二次電池内の活物質比率を上げて体積あたりの容量を上げることができるため、ポリオレフィン系の樹脂からなる微多孔膜が好ましい。
セパレーターの厚さは、リチウムイオン二次電池においてセパレーターによる内部抵抗を小さくすることができる観点、および、リチウムイオン二次電池を製造する際の作業性に優れる観点から、好ましくは0.5〜40μm、より好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは1〜25μmである。
(電解液)
リチウムイオン二次電池用の電解液としては、例えば、非水溶媒に支持電解質を溶解した非水電解液が用いられる。支持電解質としては、リチウム塩が好ましく用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C49SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO22NLi、(C25SO2)NLiなどが挙げられる。中でも、溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF6、LiClO4、CF3SO3Liが好ましい。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。解離度の高い支持電解質を用いるほど、リチウムイオン伝導度が高くなるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
電解液における支持電解質の濃度は、支持電解質の種類に応じて、0.5〜2.5モル/Lの濃度で用いることが好ましい。支持電解質の濃度が低すぎても高すぎても、イオン伝導度が低下する可能性がある。
非水溶媒としては、支持電解質を溶解できるものであれば特に限定されない。非水溶媒の例を挙げると、ジメチルカーボネート(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、メチルエチルカーボネート(MEC)などのカーボネート類;γ−ブチロラクトン、ギ酸メチルなどのエステル類;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物類;支持電解質としても使用されるイオン液体などが挙げられる。中でも、誘電率が高く、安定な電位領域が広いので、カーボネート類が好ましい。非水溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。一般に、非水溶媒の粘度が低いほどリチウムイオン伝導度が高くなり、誘電率が高いほど支持電解質の溶解度が上がるが、両者はトレードオフの関係にあるので、溶媒の種類や混合比によりリチウムイオン伝導度を調節して使用するのがよい。また、非水溶媒は全部あるいは一部の水素をフッ素に置き換えたものを併用あるいは全量用いてもよい。
また、電解液には添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、ビニレンカーボネート(VC)などのカーボネート系;エチレンサルファイト(ES)などの含硫黄化合物;フルオロエチレンカーボネート(FEC)などのフッ素含有化合物が挙げられる。
添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
なお、リチウムイオンキャパシタ用の電解液としては、上述のリチウムイオン二次電池に用いることができる電解液と同様のものを用いることができる。
(電気化学素子の製造方法)
リチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタ等の電気化学素子の具体的な製造方法としては、例えば、正極と負極とをセパレーターを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する方法が挙げられる。さらに、必要に応じてエキスパンドメタル;ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子;リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電を防止してもよい。リチウムイオン二次電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、何れであってもよい。電池容器の材質は、電池内部への水分の侵入を阻害するものであればよく、金属製、アルミニウムなどのラミネート製など特に限定されない。
本発明の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法によれば、長時間噴霧を行った場合でも安定した品質の電気化学素子電極用複合粒子を得ることができる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨及び均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、以下の説明において量を表す「%」及び「部」は、特に断らない限り、重量基準である。
実施例及び比較例において、粒子径変化率及び圧縮度変化率の評価、並びに粘度測定はそれぞれ以下のように行った。
<粒子径変化率>
実施例及び比較例において、噴霧乾燥または凝固を2時間行った際に、15分ごとにサンプリングを行い粒子径を測定した。そのD50粒子径のもっとも大きかった値a及びもっとも小さかった値b、平均値cから、下記式(1)にしたがって、粒子径変化率を算出し、下記基準にて評価した。結果を表1に示す。粒子径変化率が小さいほど連続生産時の噴霧安定性に優れていると判断できる。
粒子径変化率(%)=(|a−b|)×100/c…(1)
A:粒子径変化率が3%未満
B:粒子径変化率が3%以上、5.0%未満
C:粒子径変化率が5.0%以上、7.5%未満
D:粒子径変化率が7.5%以上
<圧縮度変化率>
実施例及び比較例において、噴霧乾燥または凝固を2時間行った際に、30分後にサンプリングした複合粒子および、2時間後にサンプリングした複合粒子を用い圧縮度を測定した。その圧縮度の30分後にサンプリングした複合粒子の値a及び2時間後にサンプリングした値bを下記式(2)にしたがって、変化率を算出し、下記基準にて評価した。結果を表1に示す。圧縮度変化率が少ないほど、連続生産時の噴霧安定性に優れていると判断できる。
圧縮度変化率(%)=(|a−b|)×100/((a+b)/2)…(2)
A:圧縮度変化率が3%未満
B:圧縮度変化率が3%以上、5.0%未満
C:圧縮度変化率が5.0%以上、7.5%未満
D:圧縮度変化率が7.5%以上
<粘度測定>
実施例及び比較例において作製したスラリーについて、ブルックフィールドデジタル粘度計DV−II+Proを用い、25℃において、剪断速度が1sec-1および200sec-1における粘度を測定した。また、スラリーの粘度と剪断速度との関係を累乗近似し、下記(I)式で表した場合のBの値を求めた。
η=AXB・・・(I)(ηは粘度、Xは剪断速度、Aは剪断速度1s-1における粘度を示す。)
(実施例1)
(結着剤の製造)
攪拌機付き5MPa耐圧容器に、スチレン62部、1,3−ブタジエン34部、メタクリル酸3部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4部、イオン交換水150部、連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン0.4部および重合開始剤として過硫酸カリウム0.5部を入れ、十分に攪拌した後、50℃に加温して重合を開始した。重合転化率が96%になった時点で冷却し反応を停止して、粒子状の結着剤S(スチレン・ブタジエン共重合体;以下、「SBR」ということがある。)を得た。
(スラリーの作製)
負極活物質として人造黒鉛(平均粒子径:24.5μm、黒鉛層間距離(X線回折法による(002)面の面間隔(d値)):0.354nm)を97.75部、上記粒子状の結着剤Sを固形分換算量で2.0部、水溶性高分子としてカルボキシメチルセルロース(BSH−12;第一工業製薬社製)(以下、「CMC」ということがある。)を固形分換算量で0.25部を混合し、さらにスラリーの固形分濃度が50wt%となるようにイオン交換水を加え、混合分散してスラリーを得た。得られたスラリーの25℃における剪断速度が1sec-1のときの粘度は812.8mPa・s、剪断速度が200sec-1のときの粘度は190.3mPa・sであった。また、上記式(I)におけるBの値は−0.274であった。
(複合粒子の製造)
上記複合粒子用スラリーを回転円盤方式のピン型アトマイザー(直径84mm)を用いたスプレー乾燥機(大川原化工機社製)に255mL/分で供給し、回転数17,000rpm、熱風温度150℃、粒子回収出口の温度を90℃の条件で噴霧乾燥造粒を行った。
(実施例2)
スラリーを作製する際に用いるCMCの種類をBS−H(第一工業製薬社製)とし、このCMCの量を固形分換算量で0.35部、また、人造黒鉛の量を97.7部、SBRの量を1.95部とし、さらにスラリーの固形分濃度を45wt%とした以外は、実施例1と同様にスラリーを作製し、複合粒子の製造を行った。実施例2において得られたスラリーの25℃における剪断速度が1sec-1のときの粘度は264.4mPa・s、剪断速度が200sec-1のときの粘度は94.6mPa・sであった。また、上記式(I)におけるBの値は−0.194であった。
(実施例3)
スラリーを作製する際に用いる水溶性高分子をCMC(BSH−12;第一工業製薬社製)を固形分換算量で0.35部及びポリアクリル酸を固形分換算量で0.35部とし、また、人造黒鉛の量を97.7部、SBRの量を1.6部とした以外は、実施例1と同様にスラリーを作製し、複合粒子の製造を行った。実施例3において得られたスラリーの25℃における剪断速度が1sec-1のときの粘度は485.9mPa・s、剪断速度が200sec-1のときの粘度は55.9mPa・sであった。また、上記式(I)におけるBの値は−0.41であった。
(実施例4)
スラリーを作製する際に用いる人造黒鉛の量を97.7部、SBRの量を1.95部、CMCの量を固形分換算量で0.35部とし、またスラリーの固形分濃度を35wt%とした以外は、実施例1と同様にスラリーを作製し、複合粒子の製造を行った。実施例4において得られたスラリーの25℃における剪断速度が1sec-1のときの粘度は1137.0mPa・s、剪断速度が200sec-1のときの粘度は75.0mPa・sであった。また、上記式(I)におけるBの値は−0.51であった。
(実施例5)
スラリーを作製する際に用いるCMCの種類をBS−H(第一工業製薬社製)とし、このCMCの量を固形分換算量で0.5部、また、人造黒鉛の量を97.3部、SBRの量を2.2部とした以外は、実施例1と同様にスラリーを作製し、複合粒子の製造を行った。実施例5において得られたスラリーの25℃における剪断速度が1sec-1のときの粘度は634.9mPa・s、剪断速度が200sec-1のときの粘度は354.5mPa・sであった。また、上記式(I)におけるBの値は−0.11であった。
(実施例6)
直径60cm、高さ50cmの円筒のほぼ中心に回転円盤方式のピン型アトマイザー(直径50mm大川原化工機社製)を設置し、円筒の内壁に厚みが3mmとなるように凝固液(10%塩化カルシウム水溶液)を供給した。アトマイザーの回転数を25,000rpmで回転させ、ここへ原料液として、実施例1で用いた人造黒鉛97.7部、結着剤S(SBR)を固形分換算量で1.4部、水溶性高分子としてアルギン酸ナトリウム(アルギテックスH;株式会社 キミカ社製)を固形分換算量で0.7部、CMC(BSH−12)を固形分換算量で0.2部を混合し、固形分濃度が40wt%となるようにイオン交換水を加えたスラリーを、35mL/分で供給し噴霧を行った。スラリーの液滴は円筒内壁に供給される凝固液に対して噴霧され、凝固液に接触して凝固液に添加された。凝固液に接触した複合粒子用スラリーの液滴は凝固し、球状の凝固粒子(複合粒子)となった。尚、凝固液の液面とピン型アトマイザーの噴霧位置との距離は、30cmとして噴霧を行った。
なお、実施例6において用いたスラリーの25℃における剪断速度が1sec-1のときの粘度は168.5mPa・s、剪断速度が200sec-1のときの粘度は119.7mPa・sであった。また、上記式(I)におけるBの値は−0.064であった。
参考例7)
所定の径を有する凝固液(10%塩化カルシウム水溶液)の層の上部に外径200μm、内径120μmの金属製のノズルからなる静電微粒化用アトマイザーが多数設けられた静電微粒化造粒装置に実施例6記載のスラリーの固形分濃度を30wt%に変更したスラリーを供給し、アトマイザーに電圧をかけることでアトマイザーに供給されるスラリーを液滴化し、塔内に噴霧した。この時印加した電圧は7.0kVであった。スラリーの液滴は凝固液に対して噴霧され、凝固液に接触して凝固液に添加された。凝固液に接触したスラリーの液滴は凝固し、球状の凝固粒子(複合粒子)となった。尚、凝固液の層の液面と金属ノズルとの距離は30cmとして噴霧を行った。
なお、参考例7において用いたスラリーの25℃における剪断速度が1sec-1のときの粘度は48.2mPa・s、剪断速度が200sec-1のときの粘度は28.2mPa・sであった。また、上記式(I)におけるBの値は−0.10であった。
(比較例1)
スラリーを作製する際に用いる水溶性高分子をCMC(BSH−12;第一工業製薬社製)を固形分換算量で0.35部及びCMC(BS−H;第一工業製薬社製)を固形分換算量で0.35部とし、また、人造黒鉛の量を97.7部、SBRの量を1.6部とし、さらにスラリーの固形分濃度を35wt%とした以外は、実施例1と同様にスラリーを作製し、複合粒子の製造を行った。比較例1において得られたスラリーの25℃における剪断速度が1sec-1のときの粘度は2116mPa・s、剪断速度が200sec-1のときの粘度は133.2mPa・sであった。また、上記式(I)におけるBの値は−0.522であった。
(比較例2)
スラリーを作製する際に用いる水溶性高分子をCMC(BS−H;第一工業製薬社製)を固形分換算量で0.35部とし、また、人造黒鉛の量を97.7部、SBRの量を1.95部とし、さらにスラリーの固形分濃度を55wt%とした以外は、実施例1と同様にスラリーを作製し、複合粒子の製造を行った。比較例2において得られたスラリーの25℃における剪断速度が1sec-1のときの粘度は67.2mPa・s、剪断速度が200sec-1のときの粘度は609.9mPa・sであった。また、上記式(I)におけるBの値は0.42であった。
Figure 0006467808
表1に示すように電極活物質及び結着剤が溶媒に分散または溶解されてなるスラリーを得る工程と、前記スラリーを噴霧して造粒する工程とを含む複合粒子の製造方法であって、25℃における前記スラリーの粘度は、剪断速度が1sec-1のときに1500mPa・s以下であり、剪断速度が200sec-1のときに500mPa・s以下である複合粒子の製造方法により得られた複合粒子の粒子径変化率及び圧縮度変化率は良好であった。

Claims (8)

  1. 電極活物質、結着剤及び水溶性高分子が溶媒に分散または溶解されてなるスラリーを得る工程と、
    前記スラリーを回転速度5,000〜40,000rpmの回転霧化方式で噴霧して造粒する工程と
    を含む電気化学素子電極用複合粒子の製造方法であって、
    前記電極活物質の体積平均粒子径が1〜50μmであり、
    前記水溶性高分子が、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩、カルボキシメチルセルロースアルカリ金属塩、アルギン酸エステル、アルギン酸塩、ポリアクリル酸塩、及びポリメタクリル酸塩から選ばれる少なくとも一種であり、
    25℃における前記スラリーの粘度は、剪断速度が1sec-1のときに100〜1300mPa・sであり、剪断速度が200sec-1のときに500mPa・s以下であり、
    前記スラリーの粘度と剪断速度との関係を累乗近似し、下記(I)式で表した場合にBの値が−0.6〜−0.05である電気化学素子電極用複合粒子の製造方法。
    η=AX B ・・・(I)(ηは粘度、Xは剪断速度、Aは剪断速度1sec -1 における粘度を示す。)
  2. 前記溶媒は水である請求項1記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法。
  3. 前記結着剤は粒子状である請求項1または2に記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法。
  4. 前記造粒する工程は、前記スラリーを噴霧した後に乾燥させることで造粒を行う請求項1〜のいずれかに記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法。
  5. 前記造粒する工程は、前記スラリーを噴霧した後に凝固させることで造粒を行う請求項1〜のいずれかに記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法。
  6. 電気化学素子電極材料の製造方法であって、請求項1〜のいずれかに記載の製造方法により電気化学素子電極用複合粒子を得る工程を含む方法。
  7. 電気化学素子電極の製造方法であって、
    請求項記載の製造方法により電気化学素子電極材料を得る工程と、
    得られた電気化学素子電極材料を成形し、次いで集電体上に積層することにより、前記集電体上に前記電気化学素子電極材料からなる電極活物質層を形成する工程、または、得られた電気化学素子電極材料を集電体上で加圧成形し、前記集電体上に前記電気化学素子電極材料からなる電極活物質層を形成する工程を含む方法。
  8. 請求項記載の電気化学素子電極の製造方法を含む電気化学素子の製造方法。

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