JP6375751B2 - 電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、電気化学素子電極用複合粒子、電気化学素子電極、および電気化学素子 - Google Patents
電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、電気化学素子電極用複合粒子、電気化学素子電極、および電気化学素子 Download PDFInfo
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Description
(1) 少なくとも活物質、および結着剤を有してなる複合粒子に乾式の状態で加圧操作を加えることにより電気化学素子電極を製造するための複合粒子の製造方法であって、 水を含む溶媒に少なくとも前記活物質、前記結着剤、および凝固能を有する物質を含んでなるスラリーを得るスラリー化工程(I)と、前記スラリーを静電微粒化法により液滴とする液滴生成工程(II)と、前記液滴を凝固により固形化して複合粒子を得る液滴凝固工程(III)とを有し、前記液滴凝固工程(III)より得られる複数の前記複合粒子からなる複合粒子群の、体積基準で求めた粒子径分布におけるメディアン径が50μm以上、160μm以下であることを特徴とする電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、
(2) 前記液滴凝固工程(III)より得られる複数の前記複合粒子からなる前記複合粒子群の、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度が50%以下であることを特徴とする(1)に記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、
(3) 少なくとも活物質、および結着剤を有してなる複合粒子に乾式の状態で加圧操作を加えることにより電気化学素子電極を製造するための複合粒子であって、水を含む溶媒に少なくとも前記活物質、前記結着剤、および凝固能を有する物質を含んでなるスラリーを得るスラリー化工程(I)と、前記スラリーを静電微粒化法により液滴とする液滴生成工程(II)と、前記液滴を凝固により固形化して複合粒子を得る液滴凝固工程(III)とを有する工程を経て得られ、前記液滴凝固工程(III)より得られる複数の前記複合粒子からなる複合粒子群の、体積基準で求めた粒子径分布におけるメディアン径が50μm以上、160μm以下であることを特徴とする電気化学素子電極用複合粒子、
(4) (3)に記載の電気化学素子電極用複合粒子を含んでなる電極合剤層を集電体上に積層してなることを特徴とする電気化学素子電極、
(5) (4)に記載の電気化学素子電極を備えることを特徴とする電気化学素子、
が提供される。
本発明の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法は、水を含む溶媒に少なくとも活物質、結着剤、および凝固能を有する物質を含んでなるスラリーを得るスラリー化工程(I)、このスラリーを静電微粒化法により液滴とする液滴生成工程(II)、そして生成した液滴を凝固により固形化して複合粒子を得る液滴凝固工程(III)を有する。以下、各工程について説明する。
スラリー化工程(I)においては、上記した活物質、結着剤、および凝固能を有する物質ならびに必要に応じて導電材、およびその他の添加剤を、水を含む溶媒に分散または溶解して、活物質、結着剤、および凝固能を有する物質ならびに必要に応じて導電材およびその他の添加剤が分散または溶解されてなるスラリーを得る。以下、スラリーに用いる各成分について説明する。
本発明の複合粒子を構成する活物質は、電気化学素子の種類によって適宜選択される。例えば、複合粒子に用いる活物質にリチウムイオン二次電池の正極用活物質を用いることで複合粒子をリチウムイオン二次電池正極用複合粒子として機能させることができる。また、同様にして複合粒子に用いる活物質にリチウムイオン二次電池の負極用活物質を用いることで複合粒子をリチウムイオン二次電池負極用複合粒子として機能させることができる。
また、例えば、鉄系酸化物を炭素源物質の存在下において還元焼成することで、炭素材料で覆われた複合材料を作製し、この複合材料を正極用活物質として用いてもよい。鉄系酸化物は電気伝導性に乏しい傾向があるが、前記のような複合材料にすることにより、高性能な正極用活物質として使用できる。さらに、前記の化合物を部分的に元素置換したものを正極用活物質として用いてもよい。 これらの正極用活物質は、1種類だけを用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。また、前述の無機化合物と有機化合物との混合物を正極用活物質として用いてもよい。
これらの負極用活物質は、1種類だけを用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ナトリウムイオン二次電池の正極用活物質としては、ここに例示されるものに限定されるものではないが、NaFeO2、NaMnO2、NaNiO2およびNaCoO2等のNaM1a1O2で表される酸化物、Na0.44Mn1-a2M1a2O2で表される酸化物、Na0.7Mn1-a2M1a2O2.05で表される酸化物(M1は1種以上の遷移金属元素、0<a1<1、0≦a2<1);Na6Fe2Si12O30およびNa2Fe5Si12O30等のNabM2cSi12O30で表される酸化物(M2は1種以上の遷移金属元素、2≦b≦6、2≦c≦5); Na2Fe2Si6O18およびNa2MnFeSi6O18等のNadM3eSi6O18で表される酸化物(M3は1種以上の遷移金属元素、2≦d≦6、1≦e≦2); Na2FeSiO6等のNafM4gSi2O6で表される酸化物(M4は遷移金属元素、MgおよびAlからなる群より選ばれる1種以上の元素、1≦f≦2、1≦g≦2)NaFePO4、NaMnPO4、Na3Fe2(PO4)3等のリン酸塩;Na2FePO4F、Na2VPO4F、Na2MnPO4F、Na2CoPO4F、Na2NiPO4F等のフッ化リン酸塩;NaFeSO4F、NaMnSO4F、NaCoSO4F、NaFeSO4F等のフッ化硫酸塩;NaFeBO4、Na3Fe2(BO4)3等のホウ酸塩;およびNa3FeF6、Na2MnF6等のNahM5F6で表されるフッ化物(M5は1種以上の遷移金属元素、2≦h≦3)。
本発明に用いる結着剤としては、上述の活物質を相互に結着させることができる物質であれば特に限定はない。結着剤としては、水溶性の結着剤、溶媒に分散する性質のある分散型結着剤を好ましく用いることができ、分散型結着剤を用いることがより好ましい。
本発明の複合粒子は、凝固能を有する物質を含む。凝固能を有する物質とは、前述したスラリーを、後述する凝固液に接触させたときに、凝固液中の特定成分と凝固反応を起こしてスラリーを凝固させ得る物質である。その具体的な物質としては、水溶性高分子が好ましい。水溶性高分子としては、アニオン性の水溶性高分子やノニオン性の水溶性高分子を用いることができるが、噴霧したスラリーを凝固させやすい観点から、アニオン性の水溶性高分子が好ましい。ここで、アニオン性の水溶性高分子は少なくともアニオン性基を含んでなり、アニオン性基としてはカルボキシル基、スルホ基、ホスホ基等が挙げられる。
また、必要に応じて、水溶性高分子に非水溶性多糖高分子繊維を更に加えて用いてもよい。本発明に記載の技術において、非水溶性多糖高分子繊維を添加することにより、後述する液滴を凝固させて固形化する工程において液滴の凝固性を高めたり、得られる複合粒子の強度を向上させたりすることが可能である。非水溶性多糖高分子繊維は、多糖類の中でいわゆる高分子化合物に属するものであり、非水溶性の繊維状のものであればそれ以外の限定はないが、通常は、機械的せん断力によりフィブリル化させた繊維(短繊維)である。なお、本発明に用いる非水溶性多糖高分子繊維とは、25℃において、多糖高分子繊維0.5gを100gの純水に溶解させた場合の未溶解分が90重量%以上となる多糖高分子繊維をいう。
本発明の複合粒子には必要に応じて導電材を添加してもよい。導電材は、導電性を有する粒子状、繊維状の物質であり、電気化学素子電極の導電性を向上させるものである。例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、およびケッチェンブラック(アクゾノーベル ケミカルズ ベスローテン フェンノートシャップ社の登録商標)等の導電性カーボンブラック;天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛;ポリアクリロニトリル系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、VGCF(気相法炭素繊維)、カーボンナノチューブ、グラフェン等が挙げられる。これらの導電材は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の複合粒子は、さらに必要に応じてその他の添加剤を含有していてもよい。その他の添加剤としては、例えば、界面活性剤がある。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、ノニオニックアニオン等の両性の界面活性剤が挙げられるが、中でもアニオン性またはノニオン性界面活性剤で熱分解しやすいものが好ましい。界面活性剤の量は、特に限定されないが、複合粒子中において、活物質100質量部に対して0〜50質量部、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部の範囲である。界面活性剤の添加によりスラリーの表面張力を調整できる。本発明の静電微粒化法において、表面張力は微粒化特性に影響を及ぼす因子である。表面張力を制御することで本発明の静電微粒化造粒法における複合粒子群の粒子径分布を調整することができる。
スラリーを得るために用いる溶媒としては、特に限定されないが、上記の凝固能を有する物質を溶解可能な溶媒が好適に用いられる。具体的には、通常水が用いられるが、水と有機溶媒との混合溶媒を用いてもよい。
メディアン径とは、小粒子径側(オーバーサイズ)からの体積基準で求めた粒子径分布において累積50%地点における粒子径のことである。50%平均粒子径とも称されることがある。
なお、本明細書において記載する粘度は25℃、せん断速度10s-1における粘度である。ブルックフィールドデジタル粘度計DV−II+Proを用いることで測定が可能である。
次に、液滴生成工程(II)について説明する。本発明の液滴生成工程(II)においては、スラリー化工程(I)で得られたスラリーを静電微粒化法により液滴を生成させ、凝固液に向けて前記液滴を噴霧する。
ここで、本発明における液滴生成方法である静電微粒化法は、アトマイザーノズルに数kV以上の高電圧を加え、アトマイザーノズル先端部に電荷を集中させることでアトマイザーノズルに供給されるスラリーの分裂を促し、前記スラリーからなる液滴を生成する方法である。
また、ノズル先端部の形状を針状に尖らせることによってアトマイザーノズル先端部に電荷を集中させることが可能であり、静電微粒化法における液滴の生成を促すことができる。ノズル先端部の形状の工夫によって所望の範囲の粒子径分布を有する複合粒子群の製造に必要な印加電圧を低く設定することが可能になり、装置コストや、ランニングコスト、操業における安全性の面において有利に働く。
ここで、アトマイザーノズルに供給されるスラリーの温度は、通常は室温であるが、状況や目的に応じて加温して室温以上にしたものであってもよい。
アトマイザーノズルの直下に接地電極を設けることで、静電微粒化による液滴の生成をより促すことが可能になる。
本発明の液滴凝固工程(III)においては、液滴生成工程(II)により生成した液滴を凝固液に接触させ、凝固により固形化させて複合粒子を得る。
カチオン性ポリマー水溶液に含まれるカチオン性ポリマーは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る複合粒子は、上述の通り、少なくともスラリー化工程(I)、液滴生成工程(II)及び液滴凝固工程(III)を有する製造方法により得られる。
本発明の複合粒子は、少なくとも活物質、結着剤、凝固能を有する物質を含んでなるが、活物質、結着剤、および凝固能を有する物質のそれぞれが個別に独立した粒子として存在するのではなく、構成成分である活物質、結着剤、および凝固能を有する物質を含む成分、および必要に応じて添加されるその他成分によって一粒子を形成するものである。具体的には、上述した成分の個々の粒子が実質的に形状を維持した状態で複数個が結合して二次粒子を形成しており、複数個(好ましくは数十個〜数千個)の活物質が、結着剤によって結着されて粒子を形成しているものが好ましい。
また、本発明の製造方法により得られる複数の複合粒子からなる複合粒子群の、体積基準で求めた粒子径分布におけるメディアン径は50μm以上、160μm以下、好ましくは50μm以上、130μm以下、より好ましくは50μm以上、110μm以下の範囲である。
また、本発明により得られる複数の複合粒子からなる複合粒子群の個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度は、オーバーサイズの累積粒子径分布曲線において40μm以下の累積頻度が50%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは0%である。
また、本発明により得られる複数の複合粒子からなる複合粒子群のモード径の頻度は、12%以上、好ましくは13%以上、より好ましくは15%以上である。
本発明の電気化学素子電極(以下、単に「電極」ということがある。)は、前記の電気化学素子電極用複合粒子から形成される合剤層を集電体上に積層してなるものである。
集電体としては、電気導電性を有し且つ電気化学的に耐久性のある材料が使用可能である。中でも、耐熱性を有するとの観点から、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金などの金属材料が好ましい。その中でも、電気化学素子をリチウムイオン二次電池、あるいは電気化学キャパシタの中でもとりわけリチウムイオンキャパシタとして機能させるには、正極用としてはアルミニウムが特に好ましく、負極用としては銅が特に好ましい。また、電気化学素子をナトリウムイオン二次電池、あるいは電気化学キャパシタの中でもとりわけ電気二重層キャパシタとして機能させるには、正極用および負極用共にアルミニウムであることが特に好ましい。
合剤層を形成する方法としては、加圧成形法等の乾式成形方法、および塗布方法等の湿式成形方法があるが、乾燥工程が不要で製造コストを抑えることが可能な乾式成形法が好ましい。乾式成形法としては、加圧成形法、押出成形法(ペースト押出ともいう。)等がある。加圧成形法は、複合粒子に圧力を加えることで電極材料の再配列、変形により緻密化を行い、合剤層を成形する方法である。押出成形法は、複合粒子を押出成形機で押し出しフィルム、シート等に成形する方法である。
図1に示すようにロール加圧成形装置2は、ホッパー4と、ホッパー4に定量フィーダー16を介して供給された複合粒子6を導電性接着剤層付集電箔8に圧縮する一対のロール(10A,10B)からなるプレ成形ロール10、プレ成形ロール10により形成されたプレ成形体をさらにプレスする一対のロール(12A,12B)からなる成形ロール12、および一対のロール(14A,14B)からなる成形ロール14を備えている。
本発明の電気化学素子は、上述のようにして得られる正極、負極、セパレーターおよび電解液を備え、正極または負極のうちの少なくとも一方に本発明の電気化学素子電極を用いる。電気化学素子としては、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ等が挙げられる。
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や、芳香族ポリアミド樹脂を含んでなる微孔膜または不織布;無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート;セルロースからなる不織布;などを用いることができる。具体例を挙げると、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル)、及びこれらの混合物あるいは共重合体等の樹脂からなる微多孔膜;ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアラミド、ポリシクロオレフィン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂からなる微多孔膜;ポリオレフィン系の繊維を織ったもの又はその不織布;絶縁性物質粒子の集合体等が挙げられる。これらの中でも、セパレーター全体の膜厚を薄くすることができ、リチウムイオン二次電池内の活物質比率を上げて体積あたりの容量を上げることができるため、ポリオレフィン系の樹脂からなる微多孔膜が好ましい。
リチウムイオン二次電池用の電解液としては、例えば、非水溶媒に支持電解質を溶解した非水電解液が用いられる。支持電解質としては、リチウム塩が好ましく用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)NLiなどが挙げられる。中でも、溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF6、LiClO4、CF3SO3Liが好ましい。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。解離度の高い支持電解質を用いるほど、リチウムイオン伝導度が高くなるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
なお、リチウムイオンキャパシタ用の電解液としては、上述のリチウムイオン二次電池に用いることができる電解液と同様のものを用いることができる。
リチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタ等の電気化学素子の具体的な製造方法としては、例えば、正極と負極とをセパレーターを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する方法が挙げられる。さらに、必要に応じてエキスパンドメタル;ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子;リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電を防止してもよい。リチウムイオン二次電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、何れであってもよい。電池容器の材質は、電池内部への水分の侵入を阻害するものであればよく、金属製、アルミニウムなどのラミネート製など特に限定されない。
(負極用粒子状結着樹脂の製造)
攪拌機付き5MPa耐圧容器に、スチレン62部、1,3−ブタジエン34部、メタクリル酸3部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4部、イオン交換水150部、連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン0.4部および重合開始剤として過硫酸カリウム0.5部を入れ、十分に攪拌した後、50℃に加温して重合を開始した。重合転化率が96%になった時点で冷却し反応を停止して、粒子状結着樹脂S(スチレン・ブタジエン共重合体;以下、「SBR」と略記することがある。)を得た。
負極用活物質として50%体積平均粒子径10μmの非晶質炭素が被覆された塊状天然黒鉛100部、及び凝固能を有する物質としてカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(以下、「CMC Na塩」ということがある。)を固形分換算量で1.0部混合し、さらにイオン交換水を適量加え、プラネタリーミキサーを用いて高粘度の状態にて十分混練した。その後、イオン交換水で希釈し、結着剤として前記粒子状結着樹脂Sの水分散液を固形分換算で1.5部加えることで固形分濃度37%のリチウムイオン二次電池負極用としての合剤スラリーを調製した。
直径5 mmの円状の空孔を有する平板グランド電極、およびその空孔の中心部に金属製ノズル型アトマイザー(外径200μm、内径120μm)を備える静電微粒化装置(浜松ナノテクノロジー株式会社製)に前記リチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーを供給し、ノズル型アトマイザーに11kVの印加電圧を加えることでノズル型アトマイザーに供給される前記リチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーの液滴を生成した。この時、前記液滴は予め用意しておいた凝固液としての10%硝酸アルミニウム(Al(NO3)3)水溶液に向けて噴霧した。これにより前記液滴と前記凝固液とが接触し、前記凝固液中に前記リチウムイオン二次電池負極用合剤スラリー液滴が凝固することで固形化した複合粒子を含む懸濁液を得た。この時、凝固液液面とノズル型アトマイザー先端の距離は30cmであった。
また、実施例1のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子群のメディアン径は85μmであり、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度は0%であり、モード径の頻度は15.3%であった。
なお、実施例1のリチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーの噴霧終了後に、アトマイザーのノズル内を調査したところ、ノズル部の詰まりは確認されなかった。
まず、ロール加圧成形装置において30℃に加熱されたロール径50mmφの一対のプレ成形ロール上に、導電性接着剤を厚さ10μmの銅集電体上にダイコーターで塗布、乾燥することで得た導電性接着剤層付銅集電箔を設置した。次に、定量フィーダーを介して、前記プレ成形ロールの上部に設けられたホッパーに上記にて得られたリチウムイオン二次電池負極用複合粒子を供給した。プレ成形ロールの上部に設けられたホッパー内の前記複合粒子の堆積量がある一定高さになったところで、10m/分の速度でロール加圧成形装置を稼働させ、前記プレ成形ロールで複合粒子を加圧成形し、前記導電性接着剤層付銅集電箔上にリチウムイオン二次電池負極用負極合剤層のプレ成形体を形成した。その後、前記ロール加圧成形装置のプレ成形ロールの下流に設けられ、100℃に加熱された二対の300mmφ成形ロールで前記負極合剤層がプレ成形された電極をプレスし、前記電極の表面を均すとともに電極密度を高めた。このままロール加圧成形装置を連続して10分間稼働し、実施例1のリチウムイオン二次電池負極を約100m作製した。
凝固能を有する物質としてアルギン酸のナトリウム塩(以下、「アルギン酸Na塩」ということがある)を用いたこと、スラリーの固形分濃度を33%にしたこと、凝固液を10%塩化カルシウム(CaCl2)水溶液にしたこと以外は実施例1と同様にして実施例2の球形状のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子を得た。実施例1と同様にして収率を求めたところ、収率は95.1%であった。
また、実施例2のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子群のメディアン径は85μmであり、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度は0%であり、モード径の頻度は15.1%であった。
なお、実施例1のリチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーの噴霧終了後に、アトマイザーのノズル内を調査したところ、ノズル部の詰まりは確認されなかった。
得られた複合粒子を用いて実施例1のリチウムイオン二次電池負極の作製方法と同様にして実施例2のリチウムイオン二次電池負極を約100m作製した。
スラリーの固形分濃度を40%にしたこと以外は実施例2と同様にして実施例3の球形状のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子を得た。実施例1と同様にして収率を求めたところ、収率は95.7%であった。
また、実施例3のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子群のメディアン径は137μmであり、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度は0%であり、モード径の頻度は13.1%であった。
なお、実施例3のリチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーの噴霧終了後に、アトマイザーのノズル内を調査したところ、ノズル部の詰まりは確認されなかった。
得られた複合粒子を用いて実施例1のリチウムイオン二次電池負極の作製方法と同様にして実施例3のリチウムイオン二次電池負極を約100m作製した。
スラリーの固形分濃度を30%にしたこと以外は実施例2と同様にして実施例4の球形状のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子を得た。実施例1と同様にして収率を求めたところ、収率は94.3%であった。
また、実施例4のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子群のメディアン径は58μmであり、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度は39%であり、モード径の頻度は14.2%であった。
なお、実施例4のリチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーの噴霧終了後に、アトマイザーのノズル内を調査したところ、ノズル部の詰まりは確認されなかった。
得られた複合粒子群を用いて実施例1のリチウムイオン二次電池負極の作製方法と同様にして実施例4のリチウムイオン二次電池負極を約100m作製した。
スラリーの固形分濃度を34%にしたこと、凝固液を10%ポリエチレンイミン水溶液にしたこと以外は実施例1と同様にして実施例5の球形状のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子を得た。実施例1と同様にして収率を求めたところ、収率は95.0%であった。
また、実施例5のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子群のメディアン径は84μmであり、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度は0%であり、モード径の頻度は14.8%であった。
なお、実施例5のリチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーの噴霧終了後に、アトマイザーのノズル内を調査したところ、ノズル部の詰まりは確認されなかった。
得られた複合粒子群を用いて実施例1のリチウムイオン二次電池負極の作製方法と同様にして実施例5のリチウムイオン二次電池負極を約100m作製した。
凝固能を有する物質として、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を固形分換算で0.6%、繊維径10nmの竹由来のセルロースナノファイバーを固形分換算で0.4%としたこと、スラリーの固形分濃度を28%にしたこと、凝固液を10%塩化カルシウム水溶液にしたこと以外は実施例1と同様にして実施例6の球形状のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子を得た。実施例1と同様にして収率を求めたところ、収率は95.7%であった。
また、実施例6のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子群のメディアン径は87μmであり、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度は0%であり、モード径の頻度は15.2%であった。
なお、実施例6のリチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーの噴霧終了後に、アトマイザーのノズル内を調査したところ、ノズル部の詰まりは確認されなかった。
凝固能を有する物質として、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を固形分換算で0.7%、アルギン酸のナトリウム塩を固形分換算で0.3%としたこと、スラリーの固形分濃度を30%にしたこと、凝固液を10%塩化カルシウム水溶液にしたこと以外は実施例1と同様にして実施例7の球形状のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子を得た。実施例1と同様にして収率を求めたところ、収率は94.6%であった。
また、実施例7のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子群のメディアン径は76μmであり、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度は2%であり、モード径の頻度は13.7%であった。
なお、実施例7のリチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーの噴霧終了後に、アトマイザーのノズル内を調査したところ、ノズル部の詰まりは確認されなかった。
スラリーの液滴を凝固液に代えてイオン交換水に対して噴霧したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーの調製および複合粒子の製造を行ったが、凝固液の代わりに用いたイオン交換水中でグラファイトの1次粒子が回収され、複合粒子を得ることはできなかった。
凝固液を10%塩化ナトリウム(NaCl)水溶液にしたこと以外は実施例2と同様にしてリチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーの調製および複合粒子の製造を行ったが、凝固液中でグラファイトの1次粒子が回収され、複合粒子を得ることはできなかった。
凝固液をアニオン性ポリマー水溶液として2%カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩水溶液にしたこと以外は実施例2と同様にしてリチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーの調製および複合粒子の製造を行ったが、凝固液中でグラファイトの1次粒子が回収され、複合粒子を得ることはできなかった。
(複合粒子の製造)
所定の塔径を有する乾燥塔内の上部に外径200μm、内径120μmの金属製のノズルからなる静電微粒化用アトマイザーが多数設けられた静電微粒化造粒装置に実施例2のリチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーを供給し、アトマイザーに電圧をかけることでアトマイザーに供給される前記リチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーを液滴化し、塔内に噴霧した。この時印加した電圧は11kVであった。
また、比較例4のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子群のメディアン径は85μmであり、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度は0%であり、モード径の頻度は14.9%であった。
得られた複合粒子収量では収量不足により他の実施例1〜9と同様に電極を作製することはできなかった。
(複合粒子の製造)
大川原化工機社製スプレー乾燥機を用いて、実施例1で調製したリチウムイオン二次電池負極用合材スラリーを前記スプレー乾燥機内に組み込まれた25,000rpmの回転数で回転するピン型ディスクアトマイザー(直径84mm)に供給し、遠心法により液滴を生成した。そして、熱交換媒体として加熱空気を導入し、粒子回収出口の温度が90℃以上となる条件で乾燥することで遠心造粒法による比較例5の球形状のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子を得た。実施例1と同様にして収率を求めたところ、収率は85.2%であった。
また、比較例5のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子群のメディアン径は55μmであり、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度は88%であり、モード径の頻度は6.8%であった。
なお、比較例5のリチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーの噴霧終了後に、アトマイザーであるピン型ディスク内を調査したところ、ディスク内に固着物がびっしりと付着していることが確認された。また、スプレー乾燥機内部の塔壁には噴霧した合剤スラリーの付着物が多量に付着していることが確認された。
得られた複合粒子群を用いて実施例1のリチウムイオン二次電池負極の作製方法と同様にして比較例5のリチウムイオン二次電池負極を約100m作製した。
回転数を14,000rpmにしたこと以外は比較例5と同様にして比較例6の球形状のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子を得た。実施例1と同様にして収率を求めたところ、収率は76.1%であった。
また、比較例6のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子群のメディアン径は84μmであり、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度は60%であり、モード径の頻度は10.0%であった。
なお、比較例6のリチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーの噴霧終了後に、アトマイザーであるピン型ディスク内を調査したところ、ディスク内に固着物がびっしりと付着していることが確認された。また、スプレー乾燥機内部の塔壁には噴霧した合剤スラリーの付着物が比較例5と比較して更に多量に付着していることが確認された。
得られた複合粒子群を用いて実施例1のリチウムイオン二次電池負極の作製方法と同様にして比較例6のリチウムイオン二次電池負極を約100m作製した。
スラリーの固形分濃度を42%にしたこと以外は実施例2と同様にして比較例7の球形状のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子を得た。実施例1と同様にして収率を求めたところ、収率は95.0%であった。
また、比較例7のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子群のメディアン径は171μmであり、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度は0%であり、モード径の頻度は13.2%であった。
なお、比較例7のリチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーの噴霧終了後に、アトマイザーのノズル内を調査したところ、ノズル部の詰まりは確認されなかった。
得られた複合粒子群を用いて実施例1のリチウムイオン二次電池負極の作製方法と同様にして実施例7のリチウムイオン二次電池負極を約100m作製した。
スラリーの固形分濃度を27%にしたこと以外は実施例2と同様にして比較例8の球形状のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子を得た。実施例1と同様にして収率を求めたところ、収率は94.5%であった。
また、比較例8のリチウムイオン二次電池負極用複合粒子群のメディアン径は42μmであり、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度は56%であり、モード径の頻度は13.9%であった。
なお、比較例8のリチウムイオン二次電池負極用合剤スラリーの噴霧終了後に、アトマイザーのノズル内を調査したところ、ノズル部の詰まりは確認されなかった。
得られた複合粒子群を用いて実施例1のリチウムイオン二次電池負極の作製方法と同様にして実施例8のリチウムイオン二次電池負極を約100m作製した。
(正極用粒子状結着樹脂の製造)
メカニカルスターラー及びコンデンサを装着した反応器に、窒素雰囲気下、イオン交換水210部、濃度30%のアルキルジフェニルオキシドジスルホネート(ダウファックス(登録商標)2A1、ダウ・ケミカル社製)1.67部、を仕込み、撹拌しながら70℃に加熱し、1.96%過硫酸カリウム水溶液25.5部を反応器に添加した。次いで、メカニカルスターラーを装着した上記とは別の容器に、窒素雰囲気下、アクリル酸ブチル35部メタクリル酸エチル62.5部、メタクリル酸2.4部、濃度30%のアルキルジフェニルオキシドジスルホネート(ダウファックス(登録商標)2A1、ダウ・ケミカル社製)1.67部、及びイオン交換水22.7部を添加し、これを攪拌乳化させて単量体混合液を調製した。そして、この単量体混合液を攪拌乳化させた状態にて、2.5時間かけて一定の速度で、イオン交換水210部及び過硫酸カリウム水溶液を仕込んだ反応器に添加し、重合転化率が95%になるまで反応させて、粒子状結着樹脂A(アクリレート系重合体)の水分散液を得た。
正極用活物質として50%体積平均粒子径5μmのコバルト酸リチウム(以下、「LCO」ということがある。)100部、導電材としてのアセチレンブラック(HS−100、電気化学工業株式会社製)2部、及び凝固能を有する物質としてカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を固形分換算量で0.7部、アルギン酸のナトリウム塩を固形分換算で0. 3部混合し、さらにイオン交換水を適量加え、プラネタリーミキサーを用いて高粘度の状態にて十分混練した。その後、イオン交換水により希釈し、結着剤として前記粒子状結着剤樹脂Aの水分散液を固形分換算で1.5部加えることで固形分濃度40%のリチウムイオン二次電池正極用としての合剤スラリーを調製した。
直径5 mmの円状の空孔を有する平板グランド電極、およびその空孔の中心部に金属製ノズル型アトマイザー(外径200μm、内径120μm)を備える静電微粒化装置(浜松ナノテクノロジー株式会社製)に前記リチウムイオン二次電池正極用合剤スラリーを供給し、ノズル型アトマイザーに7kVの印加電圧を加えることでノズル型アトマイザーに供給される前記リチウムイオン二次電池正極用合剤スラリーの液滴を生成した。この時、前記液滴は予め用意しておいた凝固液としての10%塩化カルシウム水溶液に向けて噴霧した。これにより前記液滴と前記凝固液とが接触し、前記凝固液中に前記リチウムイオン二次電池正極用合剤スラリー液滴が凝固することで固形化した複合粒子を含む懸濁液を得た。この時、凝固液液面とノズル型アトマイザー先端の距離は30cmであった。
また、実施例8のリチウムイオン二次電池正極用複合粒子群のメディアン径は79μmであり、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度は0%であり、モード径の頻度は17.1%であった。
なお、実施例8のリチウムイオン二次電池正極用合剤スラリーの噴霧終了後に、アトマイザーのノズル内を調査したところ、ノズル部の詰まりは確認されなかった。
まず、ロール加圧成形装置において50℃に加熱されたロール径50mmφの一対のプレ成形ロール上に、事前に負極用とは異なる種類の導電性接着剤を厚さ20μmのアルミニウム集電体上にダイコーターで塗布、乾燥することで得た導電性接着剤層付アルミニウム集電箔を設置した。次に、定量フィーダーを介して、前記プレ成形ロールの上部に設けられたホッパーに上記にて得られたリチウムイオン二次電池正極用複合粒子を供給した。プレ成形ロールの上部に設けられたホッパー内の前記複合粒子の堆積量がある一定高さになったところで、10m/分の速度でロール加圧成形装置を稼働させ、前記プレ成形ロールで複合粒子を加圧成形し、前記導電性接着剤層付アルミニウム集電箔上にリチウムイオン二次電池正極用合剤層のプレ成形体を形成した。その後、前記ロール加圧成形装置のプレ成形ロールの下流に設けられ、100℃に加熱された二対の300mmφ成形ロールで前記正極合剤層がプレ成形された電極をプレスし、前記電極の表面を均すとともに電極密度を高めた。このままロール加圧成形装置を連続して10分間稼働し、実施例8のリチウムイオン二次電池正極を約100m作製した。
(電気二重層キャパシタ用合剤スラリーの調製)
活物質として50%体積平均粒子径6μm、比表面積1650m2/gの活性炭100部、導電材としてのアセチレンブラック(HS−100、電気化学工業株式会社製)5部、及び凝固能を有する物質としてカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を固形分換算量で3.5部混合し、さらにイオン交換水を適量加え、プラネタリーミキサーを用いて高粘度の状態にて十分混練した。その後、イオン交換水により希釈し、結着剤として前記粒子状結着樹脂Aの水分散液を固形分換算で8.0部を加えることで固形分濃度20%の電気二重層キャパシタ用としての合剤スラリーを調製した。
直径5 mmの円状の空孔を有する平板グランド電極、およびその空孔の中心部に金属製ノズル型アトマイザー(外径200μm、内径120μm)を備える静電微粒化装置(浜松ナノテクノロジー株式会社製)に前記電気二重層キャパシタ用合剤スラリーを供給し、ノズル型アトマイザーに6kVの印加電圧を加えることでノズル型アトマイザーに供給される前記電気二重層キャパシタ用合剤スラリーの液滴を生成した。この時、前記液滴は予め用意しておいた凝固液としての10%硝酸アルミニウム水溶液に向けて噴霧した。これにより前記液滴と前記凝固液とが接触し、前記凝固液中に前記電気二重層キャパシタ用合剤スラリー液滴が凝固することで固形化した複合粒子を含む懸濁液を得た。この時、凝固液液面とノズル型アトマイザー先端の距離は30cmであった。
実施例1と同様にして収率を求めたところ、収率は97.2%であった。
また、実施例9の電気二重層キャパシタ用複合粒子群のメディアン径は118μmであり、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度は0%であり、モード径の頻度は15.3%であった。
なお、実施例9の電気二重層キャパシタ用合剤スラリーの噴霧終了後に、アトマイザーのノズル内を調査したところ、ノズル部の詰まりは確認されなかった。
得られた複合粒子群を用いて実施例8のリチウムイオン二次電池正極の作製方法と同様にして実施例9の電気二重層キャパシタ用電極を約100m作製した。
上述の様にして切り出された電気化学素子電極を、幅方向(TD方向)の中央から両端に向けて均等に5cm間隔で3点、長さ方向(MD方向)に均等に10cm間隔で膜厚測定を行い、膜厚の平均値A及び平均値から最も離れた値Bを求めた。そして、平均値A及び最も離れた値Bから、下記式(2)にしたがって、厚みムラを算出し、下記基準にて成形性を評価した。厚みムラが小さいほど、厚みの均一性に優れていると判断できる。
厚みムラ(%)=(|A−B|)×100/A ・・・(2)
A:厚みムラが2.5%未満
B:厚みムラが2.5%以上、5.0%未満
C:厚みムラが5.0%以上、7.5%未満
D:厚みムラが7.5%以上、10%未満
E:厚みムラが10%以上
まず、比較例1〜比較例3から液滴を凝固により固形化するためには凝固液としては2価、もしくは3価数の金属塩水溶液、あるいはカチオン性ポリマー水溶液であることが必要なのが確認できる。
Claims (5)
- 少なくとも活物質、および結着剤を有してなる複合粒子に乾式の状態で加圧操作を加えることにより電気化学素子電極を製造するための複合粒子の製造方法であって、
水を含む溶媒に少なくとも前記活物質、前記結着剤、および凝固能を有する物質を含んでなるスラリーを得るスラリー化工程(I)と、
前記スラリーを静電微粒化法により液滴とする液滴生成工程(II)と、
前記液滴を凝固により固形化して複合粒子を得る液滴凝固工程(III)と
を有し、
前記液滴凝固工程(III)より得られる複数の前記複合粒子からなる複合粒子群の、体積基準で求めた粒子径分布におけるメディアン径が50μm以上、160μm以下であることを特徴とする電気化学素子電極用複合粒子の製造方法。 - 前記液滴凝固工程(III)より得られる複数の前記複合粒子からなる前記複合粒子群の、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度が50%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法。
- 少なくとも活物質、および結着剤を有してなる複合粒子に乾式の状態で加圧操作を加えることにより電気化学素子電極を製造するための複合粒子であって、
水を含む溶媒に少なくとも前記活物質、前記結着剤、および凝固能を有する物質を含んでなるスラリーを得るスラリー化工程(I)と、
前記スラリーを静電微粒化法により液滴とする液滴生成工程(II)と、
前記液滴を凝固により固形化して複合粒子を得る液滴凝固工程(III)と
を有する工程を経て得られ、
前記液滴凝固工程(III)より得られる複数の前記複合粒子からなる複合粒子群の、体積基準で求めた粒子径分布におけるメディアン径が50μm以上、160μm以下であり、個数基準で求めた粒子径分布における40μm以下の累積頻度が50%以下であることを特徴とする電気化学素子電極用複合粒子。 - 請求項3に記載の電気化学素子電極用複合粒子を含んでなる電極合剤層を集電体上に積層してなることを特徴とする電気化学素子電極。
- 請求項4に記載の電気化学素子電極を備えることを特徴とする電気化学素子。
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