JP6467414B2 - 身体用洗浄剤およびそのための界面活性剤ブレンド - Google Patents

身体用洗浄剤およびそのための界面活性剤ブレンド Download PDF

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Description

本発明は、身体用洗浄剤およびそれに有用な界面活性剤ブレンドに関する。ブレンドは、ボディーソープ、シャンプー、液体ハンドソープ、および他の身体用洗浄剤に優れた起泡性、マイルドさ、および増粘を付与する。
身体用洗浄剤は、豊かな泡や、毛髪と皮膚のさわやかで清浄な感触で使用者を喜ばせる。大部分の身体用洗浄剤−シャンプー、ボディーソープ、洗顔料、および液体石鹸等−には、界面活性剤の組み合わせが配合されている。主アニオン性界面活性剤は洗浄性および起泡性を付与し、皮膚や毛髪から固形物を迅速で完全に除去することを可能にする。アルキル硫酸塩およびアルキルエーテル硫酸塩は、豊かに泡立ち、費用効果が高いため、この役割に広く使用されている。粘度を増加させる、溶解度を向上させる、泡を安定化させる、起泡性を向上させる、またはマイルドさを向上させるために、通常、比較的低比率の「副」界面活性剤を含む。最も一般的な副界面活性剤は、脂肪族アルカノールアミド(例えば、コカミドMEA、ラウラミドMEA、またはコカミドDEA)、およびベタイン(例えば、コカミドプロピルベタイン)である。刺激を低減するために、または、カリフォルニア州のプロポジション65(California’s Proposition 65)などの特定の政府規制により義務付けられる警告の必要性をなくすために、コカミドMEAまたはコカミドDEAを含まない配合物が配合者にとって望ましくなってきた。
脂肪族アルキルN,N−ジアルキルアミド、とりわけC〜C10アルキルN,N−ジメチルアミドは公知の溶剤である。Stepan Companyは、例えば、工業用脱脂、コーティング、および農業用製剤に溶剤として使用されるHALLCOMID(登録商標)M−10およびHALLCOMID(登録商標)M−8−10を販売している。N,N−ジアルキルアミドは、日焼け止め化粧料有効成分用の可溶化剤として(例えば、米国特許第4,506,051号明細書;米国特許第6,485,713号明細書;米国特許第7,790,146号明細書;および米国特許第8,153,105号明細書、ならびにPCT国際出願、国際公開第2007/085568号パンフレットを参照されたい)、またはデオドラントスティックの成分として(米国特許出願公開第2003/0215472号明細書を参照されたい)使用される以外、パーソナルケア用に一般的には使用されない。PCT国際出願、国際公開第2013/052545号パンフレットは、薄毛化または白髪化の治療に使用される組成物中のアピゲニンを可溶化することを助けるために脂肪族アルキルN,N−ジアルキルアミドを使用することを教示している。脂肪族アルキルN,N−ジアルキルアミドは、洗濯用洗剤の石鹸カス分散剤として(例えば、米国特許第3,843,543号明細書を参照されたい)または軽質台所用洗剤の一部として(米国特許第3,676,372号明細書を参照されたい)提案されてきた。従って、C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドを含み、身体用洗浄剤として使用することが意図された組成物は知られていないと思われる。
最近、一不飽和脂肪族アルキルN,N−ジメチルアミドおよび一不飽和脂肪族アルカノールアミドを試験し、それらが良好な起泡性および増粘性を有することが判明した(PCT国際出願、国際公開第2012/061094号パンフレットを参照されたい)。
望ましい界面活性剤またはブレンドは添加される粘度調整剤の量の影響を受け易い。粘度を増加させるために、通常、塩(例えば、塩化ナトリウム)を添加する。好ましい粘度特性を達成するのに必要な塩の添加量を最小限に抑えることが好ましい。しかし、多くの主アニオン性界面活性剤(例えば、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、脂肪族スルホコハク酸塩、脂肪族スルホ酢酸塩、およびそれらの混合物)では、一般的なアルカノールアミドまたはベタインを用いた粘度の増加は困難なことがある、または比較的高比率の塩を必要とする場合がある。
良好な界面活性剤は必ずしも良好な可溶化剤であるとは限らない。このことは、当業界では種々の化学構造を有する様々な香料、精油、および他の成分が使用されることから、身体用洗浄剤において特に考慮すべき事柄である。これらの材料の多くは疎水性であり、高含水量の混合物に可溶化することが困難である。
身体用洗浄剤に良好な起泡性、マイルドさ、および改善された増粘性を付与することができる界面活性剤または界面活性剤ブレンドが依然として必要とされている。液体界面活性剤またはブレンド、特に、高い有効成分レベルで配合することができる製品も必要とされている。有効成分100%までの任意の有効成分レベルで配合することができる界面活性剤またはブレンドが特に有益である。より様々な香料および高レベルの香料(例えば、>2重量%)を含む、洗浄剤成分を可溶化する能力を有する界面活性剤またはブレンドも必要とされている。さらに、困難なアニオン性界面活性剤であっても容易に粘度を増加させるMEAまたはDEA非含有配合物が使用可能であれば当業界に有益となるであろう。
一態様では、本発明は身体用洗浄剤に関する。洗浄剤は、主アニオン性界面活性剤5〜98重量%と、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド0.1〜30重量%と、水とを含む。本発明は、主アニオン性界面活性剤と、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドとを含む界面活性剤ブレンドを含む。
別の態様では、身体用洗浄剤は、主アニオン性界面活性剤1〜75重量%と、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド0.1〜20重量%と、保湿油剤(moisturizing oil)0.1〜50重量%と、水とを含む。
別の態様では、身体用洗浄剤は、主アニオン性界面活性剤5〜98重量%と、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド0.1〜30重量%と、香料0.1〜5重量%と、水とを含む。
本発明者らは、驚くべきことに、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドを副界面活性剤として組み込む身体用洗浄剤が、良好な起泡性と、副界面活性剤としてのアルカノールアミドまたはベタインに依存する洗浄剤と比較して改善された粘度特性とを有することを見い出した。飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドは、洗浄剤成分を可溶化し、100%までの任意の有効成分レベルで加熱することなく容易に配合することができる無色透明の液体である。界面活性剤ブレンドにより、アルカノールアミド界面活性剤を使用する必要がなくなる。重要なことには、界面活性剤ブレンドは、身体用洗浄剤を配合するのに現在使用されているアルカノールアミドまたはベタインをベースにするブレンドと比較して少ない塩添加量で粘度を増加させる。実際、脂肪族N,N−ジアルキルアミドは、困難な主アニオン性界面活性剤、即ち、アルカノールアミドで増粘し難いもの、例えば、オレフィンスルホン酸塩または比較的マイルドな主アニオン性界面活性剤などであっても容易に粘度を増加させる。
脂肪族N,N−ジアルキルアミドは、香料、精油、および他の疎水性洗浄剤成分のための優れた可溶化剤であり、それらはエモリエント剤と容易に混合し、化粧料、フェイスクリーム、ローション、および他のスキンケア製品に有用な、安定なエマルションが得られる。保湿油剤を含む洗浄剤は、優れた速泡性、泡量、および泡感触を有し、贅沢でローション様の使用感を付与する。本発明の身体用洗浄剤には、例えば、シャンプー、ボディーソープ、洗顔料、シャワージェル、液体石鹸、ハンドソープ、ベビー用液体洗浄剤、ペット用シャンプー、および泡風呂用入浴剤が含まれる。
本発明の身体用洗浄剤は、主アニオン性界面活性剤と、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドと、水とを含む。身体用洗浄剤は、配合物の特定のタイプに応じて、追加の界面活性剤、添加剤、または他の成分を組み込むことができる。身体用洗浄剤には、シャンプー、ボディーソープ、洗顔料、シャワージェル、液体石鹸、ハンドソープ、ベビー用液体洗浄剤、ペット用シャンプー、および泡風呂用入浴剤等が含まれる。
幾つかの態様では、本発明の身体用洗浄剤は、主アニオン性界面活性剤を5〜98重量%、好ましくは15〜90重量%、最も好ましくは20〜60重量%含む。
好適なアニオン性界面活性剤は公知であり、これらの様々なものが身体洗浄に有用であると考えられている。洗浄剤および界面活性剤ブレンドに使用するのに好適なアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩(例えば、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ヤシ油アルキル硫酸ナトリウム)、アルキルエーテル硫酸塩(例えば、1〜3モルのEOを有するラウレス硫酸ナトリウム、例えば、STEOL(登録商標)CS−170、STEOL(登録商標)CS−230、またはSTEOL(登録商標)CS−330)、α−オレフィンスルホン酸塩(例えば、BIO−TERGE(登録商標)AS−40、C14〜C16オレフィンスルホン酸ナトリウム)、パラフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、BIO−SOFT(登録商標)N−300、TEAドデシルベンゼンスルホン酸塩)、α−スルホメチルエステル、アルキルスルホ酢酸塩およびアルキルエーテルスルホ酢酸塩(例えば、LANTHANOL(登録商標)LAL、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム)、アルキルスルホコハク酸塩およびアルキルエーテルスルホコハク酸塩(例えば、STEPAN−MILD(登録商標)LSB、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムとラウレススルホコハク酸二ナトリウムとのブレンド)、スルホラウリン酸塩(例えば、ALPHA−STEP(登録商標)PC−48、メチル2−スルホラウリン酸ナトリウムと2−スルホラウリン酸二ナトリウムとの混合物)、プロピオン酸塩、アンホ酢酸塩、サルコシン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル乳酸塩、アシルグリシン酸塩、アルキルイセチオン酸塩、およびアルキルタウリン酸塩等、ならびにこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アルキルエーテルスルホ酢酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、およびこれらの混合物から選択される。追加の好適な主アニオン性界面活性剤の具体例については、米国特許第8,053,400号明細書および米国特許出願公開第2010/0183539号明細書(これらの教示は参照により援用される)を参照されたい。
身体用洗浄剤は、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドを0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜25重量%、最も好ましくは1〜10重量%含む。
本明細書で「脂肪酸N,N−ジアルキルアミド」とも称される好適な飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドは、炭素数8〜14の直鎖または分岐鎖、好ましくは直鎖を有する。好適な脂肪酸N,N−ジアルキルアミドは、好都合には、対応する脂肪族カルボン酸または酸誘導体(好ましくはエステル)を第二級アミンと反応させることにより製造される。場合により、脂肪族カルボン酸誘導体はトリグリセリドであってもよいが、それは、より典型的には、低級アルキルエステル、例えば、メチルエステルである。N,N−ジアルキルアミドは、好ましくはC〜Cの第二級アミン、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、およびジイソプロピルアミン等に由来する。典型的には、脂肪酸エステル前駆体をジメチルアミンまたはジエチルアミンと、通常はアルコキシドなどの塩基の存在下で反応させ、対応する脂肪酸N,N−ジメチルアミドまたは脂肪酸N,N−ジエチルアミドを得る。脂肪酸N,N−ジメチルアミドが最も好ましい。
〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドは個々の成分(例えば、直鎖C12ジアルキルアミドまたは直鎖C14ジアルキルアミド)を含んでもよく、またはそれはC〜C14の範囲に入る成分の任意の混合物(例えば、CジアルキルアミドとC10ジアルキルアミドとの混合物、またはC12ジアルキルアミドとC14ジアルキルアミドとの混合物)を含んでもよい。
飽和C12アルキルジメチルアミドであるN,N−ジメチルラウラミドは、Stepan CompanyからHALLCOMID(登録商標)M−12として市販されている。ヤシ油アルキルメチルエステルから誘導される飽和C12〜C14アルキルN,N−ジメチルアミド混合物であるN,N−ジメチルコカミドもStepanからHALLCOMID(登録商標)M−12−14として入手可能である。下記の実施例に示すように、これらの材料は身体用洗浄剤中の副界面活性剤として非常に優れた性能を発揮する。N,N−ジメチルカプリルアミドとN,N−ジメチルカプラミドとの混合物であるHALLCOMID(登録商標)M−8−10、およびN,N−ジメチルカプラミドであるHALLCOMID(登録商標)M−10もStepanから入手可能である。
飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドは、100%までの任意の有効成分レベルで加熱することなく容易に配合することができる無色透明の液体である。他の副界面活性剤では高有効成分の配合物は得られない可能性があるため、これは操作上かなりの利点となる。N,N−ジアルキルアミドも香料、精油、および他の疎水性洗浄剤成分のための優れた可溶化剤である。C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドを副界面活性剤として使用すると、アルカノールアミド界面活性剤を使用する必要をなくすこともできる。これは、カリフォルニア州のプロポジション65(California’s Proposition 65)などの厳しくなりつつある政府基準を満たすのに望ましい場合があるまたは重要な場合がある。
主アニオン性界面活性剤と飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドは任意の望ましい重量比で使用することができ、使用量はアニオン性界面活性剤の性質、脂肪酸N,N−ジアルキルアミドの性質、特定の身体用洗浄剤用途、および他の要因に依存することになる。通常、高比率の主アニオン性界面活性剤を使用する。1つの好ましい態様では、主アニオン性界面活性剤と脂肪酸N,N−ジアルキルアミドとの重量比は50:1〜2:1、より好ましくは10:1〜3:1の範囲である。
身体用洗浄剤はまた、主アニオン性界面活性剤と飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドの他に含むことができる追加の界面活性剤または他の添加剤を除く配合物の残部を構成する水も含む。存在する水の量は、身体用洗浄剤が濃縮された処方であるか、または希薄な処方であるかどうかによって変わる。例えば、洗浄剤は、95重量%の多量の水を有しても、または1重量%の少量の水を有してもよい。典型的には、身体用洗浄剤中の水の量は10〜90重量%、より典型的には25〜75重量%、好ましくは45〜65重量%の範囲である。
本発明の身体用洗浄剤に追加の界面活性剤が含まれてもよい。好適な追加の界面活性剤としては、カチオン性、両性、双性イオン性、およびノニオン性界面活性剤が挙げられる。好適なカチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアンモニウムハライド、四級化セルロース、エステル四級塩、アミド四級塩、およびステアリルアミドプロピルジメチルアミン四級塩等が挙げられる。その他の例については、米国特許第4,228,044号明細書(その教示は参照により本明細書に援用される)を参照されたい。好適な両性界面活性剤としてはアミンオキサイド、ベタイン、サルテイン(sultaines)、およびスルホベタイン等が挙げられる。例としては、ラウラミンオキサイド、ミリスチルアミンオキサイド、コカミンオキサイド(AMMONYX(登録商標)アミンオキサイドとしてStepanから入手可能)、コカミドプロピルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、およびコカミドプロピルヒドロキシサルテイン(AMPHOSOL(登録商標)製品としてStepanから入手可能)が挙げられる。好適なノニオン性界面活性剤としては、アルカノールアミドおよびエトキシ化アルカノールアミド(例えば、コカミドMEA、コカミドDEA、ラウラミドDEA、ラウラミドMEA、例えば、Stepanの製品であるNINOL(登録商標)COMF、NINOL(登録商標)30−LL、NINOL(登録商標)C−4、およびNINOL(登録商標)C−5)、脂肪族アルコール、脂肪族アルコールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、およびアルキルフェノールエトキシレート等が挙げられる。好適な追加の界面活性剤のその他の例については、米国特許第8,053,400号明細書および米国特許出願公開第2010/0183539号明細書(それらの教示は参照により本明細書に援用される)を参照されたい。
幾つかの態様では、身体用洗浄剤に保湿油剤が含まれる。保湿油剤は、一般に、ボディーソープ、洗顔料、シャワージェル、液体石鹸、ハンドソープ、泡風呂用入浴剤、および他の類似の身体用洗浄剤に含まれる。好適な保湿油剤は当該技術分野で公知である。それらには、例えば、天然油(例えば、大豆油、オリーブ油、ブドウ種子油、ヒマワリ油)、およびワセリン等が挙げられる。
身体用洗浄剤は他の1種以上の添加剤を含んでもよい。好適な添加剤としては、湿潤剤、粘度調整剤、pH調整剤、泡安定剤、防腐剤、染料、増粘剤、皮膚感触向上剤、コンディショナー、抗菌剤、清浄剤、ビルダー、タンパク質、ビタミン、およびエモリエント剤等が挙げられる。これらの通常の成分の例については、米国特許第8,053,400号明細書(その教示は参照により本明細書に援用される)を参照されたい。
本発明の身体用洗浄剤は、アルカノールアミドまたはベタインを副界面活性剤として使用する場合に通常見られるものと同等の、良好な起泡性を示す。表1〜4から、特に飽和C12〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドを副界面活性剤として使用する場合、ヒマシ油が存在してもまたは存在しなくても、充分な量で持続性のある泡が概ね観察されることが分かる。
本発明者らは、驚くべきことに、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドを副界面活性剤として組み込む身体用洗浄剤は、アルカノールアミドまたはベタインに依存する洗浄剤と比較して粘度特性が改善されていることを見い出した。界面活性剤ブレンドは困難な主アニオン性界面活性剤、即ち、アルカノールアミドで増粘し難いもの、例えば、オレフィンスルホン酸塩または比較的マイルドな主アニオン性界面活性剤であっても容易に粘度を増加させる。表1〜4に示すように、主アニオン性界面活性剤の同一性はさほど重要ではない。飽和C12〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドを副界面活性剤として使用する場合、塩化ナトリウムを添加すると粘度が非常に急速に増加する。これにより、配合者が望ましい高粘度を達成するのに必要な塩の量を低減することが可能となる。さらに、飽和C12〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドはまた、さらには、最近のメタセシス化学の改善により現在入手可能となった材料である一不飽和類似体、C12〜25よりもずっと容易に粘度を増加させる(国際公開第2012/061094号パンフレットを参照されたい)。
従って、一態様では、本発明は、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド、好ましくは飽和C12〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドを副界面活性剤として使用し、同じアニオン性界面活性剤とコカミドMEAまたはコカミドプロピルベタインとを使用して配合される類似の洗浄剤と比較して、添加される塩化ナトリウムの重量%に応じた増粘性が改善されている身体用洗浄剤である。別の態様では、本発明は、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド、好ましくは飽和C12〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドを副界面活性剤として使用し、同じアニオン性界面活性剤と一不飽和C12アルキルN,N−ジメチルアミドまたは一不飽和C12アルキルMEAアミドとを使用して配合される類似の洗浄剤と比較して、添加される塩化ナトリウムの重量%に応じた増粘性が改善されている身体用洗浄剤である。
別の態様では、本発明は身体洗浄用途に有用な界面活性剤ブレンドに関する。ブレンドは、主アニオン性界面活性剤と飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドとを含む。ブレンドは、典型的には、高比率のアニオン性界面活性剤と低比率の飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドとを含む。好ましくは、界面活性剤ブレンド中の主アニオン性界面活性剤と脂肪酸N,N−ジアルキルアミドとの重量比は50:1〜2:1、より好ましくは10:1〜3:1の範囲である。
別の態様では、本発明は保湿油剤を含む身体用洗浄剤に関する。このような身体用洗浄剤は、主アニオン性界面活性剤1〜75重量%と、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド0.1〜20重量%と、保湿油剤0.1〜50重量%と、水とを含む。このタイプの好ましい洗浄剤は、主アニオン性界面活性剤3〜70重量%と、ベタイン系界面活性剤(コカミドプロピルベタインなど)1〜15重量%と、飽和C12〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド1〜10重量%と、保湿油剤3〜40重量%と、水とを含む。保湿油剤を含む身体用洗浄剤は、ボディーソープ、洗顔料、シャワージェル、液体石鹸、ハンドソープ、泡風呂用入浴剤、または類似の製品であってもよい。これらの洗浄剤に好適なアニオン性界面活性剤については既に説明した。好ましくは、脂肪酸N,N−ジアルキルアミドはC12〜C14アルキルN,N−ジメチルアミドである。好ましい保湿油剤は天然油(大豆油、オリーブ油、ブドウ種子油,またはヒマワリ油等)およびワセリンである。
飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドにより、優れた速泡性、泡量、および泡感触を有する保湿性洗浄剤を配合することが可能となる。洗浄剤はまた、贅沢でローション様の使用感も付与する。飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドにより、5〜20重量%の油剤を含有する安定なエマルションを室温で製造することが可能となる。高温で試験すると、10重量%の大豆油およびHALLCOMID(登録商標)M−12−14を含む配合物は、45℃で少なくとも4週間安定である(表5〜6を参照されたい)。
別の態様では、本発明は水中油型エマルションに関する。このようなエマルションは、化粧料、フェイスクリーム、ローション、および他のスキンケア製品を含む様々なパーソナルケア用途に有用である。エマルションは、(a)水性連続層と;(b)1種以上のエモリエント剤と、エマルションの量に基づいて0.1〜35重量%の飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドとを含む非連続相と;を含む。好ましくは、エマルションは、水を30〜98重量%、より好ましくは水を50〜95重量%含む。
水中油型エマルションに使用するのに好適なエモリエント剤は当該技術分野で公知であり、天然油または他のトリグリセリド、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、脂肪族カーボネート、脂肪酸、鉱油、ワックスエステル、およびグリコール等、ならびにこれらの混合物が挙げられる。好適なエモリエント剤の具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、脂肪族アルコール安息香酸エステル、ラノリン、ラノリンアルコール、ステロール脂肪酸エステル、ジメチコン、およびアラントイン等、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
水中油型エマルションは、増粘剤、乳化剤(例えば、モノステアリン酸グリセリル、またはセチルアルコール等)、湿潤剤(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、尿素)、および植物抽出物(例えば、アロエ)等を含む他の成分を含んでもよい。
エマルション中のエモリエント剤の量は、エモリエント剤の性質、エマルションの使用目的、および他の要因による。しかし、一般に、エモリエント剤を2〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%、最も好ましくは10〜15重量%含むエマルションを製造することが好ましい。エマルションは、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドを好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%含む。HALLCOMID(登録商標)M−12−14を含む本発明の水中油型エマルションの製造を下記の実施例に示す。
幾つかの態様では、エマルションの非連続相は、可溶化された有効成分をさらに含む。好適な有効成分は、選択されたビタミン、ミネラル、キャリアオイル、精油、顔料、角質除去剤、多不飽和脂肪酸、アンチエイジング剤、抗しわ剤、および香料等、ならびにこれらの混合物である。
別の態様では、本発明は、比較的高パーセンテージで存在し得る香料を組み込む身体用洗浄剤に関する。従って、本発明の幾つかの身体用洗浄剤は主アニオン性界面活性剤5〜98重量%と、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド0.1〜30重量%と、香料0.1〜5重量%と、水とを含む。
幾つかの態様では、脂肪酸N,N−ジアルキルアミドは、飽和C〜C12アルキルN,N−ジアルキルアミド、好ましくはN,N−ジメチルアミドである。他の態様では、N,N−ジアルキルアミドは飽和C〜C10アルキルN,N−ジアルキルアミド、好ましくはN,N−ジメチルアミドである。
1つの好ましい態様では、身体用洗浄剤は、アニオン性界面活性剤20〜60重量%と、C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド1〜10重量%と、香料2〜5重量%とを含む。
好適な香料は公知であり、とりわけ、フローラル、シトラス、フルーティー、グリーン、オーシャニック、オリエンタル、スパイシー、およびウッディを含む、様々な芳香の形態で提供されている。各部類は非常に様々な化学構造および組成を含み、それらは複数の成分の混合物であることが多い。
しかし、大部分の香料は水に対する溶解度が低いまたは非常に低いため、高含水量の身体用洗浄剤にそれらを配合する方法を見い出すことはかなり困難である。これはとりわけ、香料の比率が大きい(例えば、2〜5重量%)ことが望ましい配合物に当てはまる。配合物中にポリオキシエチレンソルビタンラウレート等のエトキシ化界面活性剤を含むことにより高い香料レベルが達成可能である。しかし、多くの配合者は、エトキシ化界面活性剤を回避し、高い香料レベルを身体用洗浄剤に組み込む他の方法を見い出すことを望んでいる。
また、高い香料レベルの使用や、より多くの天然材料が身体用洗浄剤中に含まれることを市場が求めることによっても、配合者が粘度を増加させること、そして過剰量の塩を含むことなくそのようにすることが困難になる。
従って、一態様では、本発明の身体用洗浄剤は香料を0.1〜5重量%有し、それらは、1〜5重量%、2〜5重量%、または3〜4重量%などの比較的高レベルの香料を有することができる。
好ましい態様では、身体用洗浄剤は透明かつ均質であり、好ましくは香料を1〜5重量%含む。
別の好ましい態様では、身体用洗浄剤は、可溶化された有効成分をさらに含む。可溶化された好適な有効成分は、選択されたビタミン、ミネラル、キャリアオイル、精油、顔料、角質除去剤、多不飽和脂肪酸、アンチエイジング剤、および抗しわ剤等、ならびにこれらの混合物である。
香料を含有する前述の身体用洗浄剤は、シャンプー、ボディーソープ、洗顔料、シャワージェル、液体石鹸、ハンドソープ、ベビー用液体洗浄剤、ペット用シャンプー、または泡風呂用入浴剤等であってもよい。
以下の実施例は本発明を説明するに過ぎない。当業者には、本発明の精神および特許請求の範囲に入る多くの変形が分かる。
配合物成分:
主アニオン性界面活性剤(全てStepan Companyの製品):
STEOL(登録商標)CS−130は、ラウレス(1EO)硫酸ナトリウム(SLES)である
STEOL(登録商標)CS−230は、ラウレス(2EO)硫酸ナトリウム(SLES)である
STEPAN−MILD(登録商標)LSBは、ラウレススルホコハク酸二ナトリウムおよびラウリルスルホ酢酸ナトリウムである
STEPAN−MILD(登録商標)PCLは、メチル2−スルホラウリン酸ナトリウム、2−スルホラウリン酸二ナトリウム、およびラウリルスルホ酢酸ナトリウムである
STEPAN−MILD(登録商標)GCCは、カプリン酸/カプリル酸グリセリルである
BIO−TERGE(登録商標)AS−40は、C14〜C16オレフィンスルホン酸ナトリウムである
ALPHA−STEP(登録商標)PC−48は、メチル2−スルホラウリン酸ナトリウムおよび2−スルホラウリン酸二ナトリウムである
副界面活性剤(全てStepan Companyの製品):
NINOL(登録商標)COMFは、コカミドモノエタノールアミン(コカミドMEA)である
NINOL(登録商標)30LLは、ラウラミドジエタノールアミン(ラウラミドDEA)である
NINOL(登録商標)M10は、コカミドモノイソプロパノールアミン(コカミドMIPA)である
AMPHOSOL(登録商標)HCGは、コカミドプロピルベタインである
HALLCOMID(登録商標)M−8−10は、N,N−ジメチルカプリルアミド/N,N−ジメチルカプラミド混合物である
HALLCOMID(登録商標)M−10は、N,N−ジメチルカプラミドである
HALLCOMID(登録商標)M−12は、N,N−ジメチルラウラミドである
HALLCOMID(登録商標)M−12−14は、N,N−ジメチルコカミドである
C12〜30は、モノエタノールアミンをベースにする一不飽和C12アミド(国際公開第2012/061094号パンフレットを参照されたい)である
C12〜25は、ジメチルアミンをベースにする一不飽和C12アミド(国際公開第2012/061094号パンフレットを参照されたい)である
N,N−ジメチルラウラミドの製造
N,N−ジメチルアミドは、一般的に知られている方法によりアルコキシド触媒の存在下、ラウリン酸メチルを僅かに過剰なジメチルアミンと反応させることにより製造される(例えば、米国特許第3,417,114号明細書を参照されたい)。反応生成物を単離し、水で洗浄し、蒸留して、N,N−ジメチルラウラミドを得る。
N,N−ジメチルコカミドの製造
ヤシ油アルキルメチルエステル(飽和C12メチルエステルとC14メチルエステルとの混合物)をジメチルアミンと反応させること以外、N,N−ジメチルラウラミドの製造に使用される手順に概ね従った。反応生成物を単離し、水で洗浄し、蒸留して、N,N−ジメチルコカミドを得る。
洗浄用途
粘度試験および機械的振盪による起泡試験(mechanical shake foam tests)を用いて、パーソナルケア用の洗浄用途における副界面活性剤としての特定の界面活性剤の推定価値を評価する。HALLCOMID(登録商標)M−12(N,N−ジメチルラウラミド)およびHALLCOMID(登録商標)M−12−14(N,N−ジメチルコカミド)の性能を、Stepan Companyの製品である2つの対照:NINOL(登録商標)COMF(コカミドMEA)およびAMPHOSOL(登録商標)HCG(コカミドプロピルベタイン)と比較して評価する。追加の2種の組成物も比較の副界面活性剤として含まれる。それらは、モノエタノールアミンをベースにしたメタセシスによる一不飽和C12アミドである「C12〜30」と、ジメチルアミンをベースにしたメタセシスによる一不飽和C12アミドである「C12〜25」(国際公開第2012/061094号パンフレットを参照されたい)である。
3種の異なる主アニオン性界面活性剤を使用する。第1の一連の実験では、主アニオン性界面活性剤はStepanの製品であるSTEOL(登録商標)CS−230(ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)であり、これを副界面活性剤(対照または実験サンプル)と12:3の重量比で使用する。第2組の実験では、主アニオン性界面活性剤はラウリルスルホ酢酸ナトリウムとラウレススルホコハク酸二ナトリウムとの混合物であるSTEPAN−MILD(登録商標)LSBである。ここで、重量比は、対照では12:3(アニオン性界面活性剤対副界面活性剤)であり、実験サンプルでは12:1.5である。第3組の実験では、主アニオン性界面活性剤はBIO−TERGE(登録商標)AS−40(C14〜C16オレフィンスルホン酸ナトリウム)であり、これを12:3の重量比で使用する。
その他の実験は、BIO−TERGE(登録商標)AS−40を液体ハンドソープ配合物中の主アニオン性界面活性剤として使用する(副界面活性剤と12:4の重量比)。対照の副界面活性剤は、NINOL(登録商標)30LL(ラウラミドDEA)である。
主アニオン性界面活性剤を12%含む、試験材料または対照(有効成分含有量1.5〜3.0%)の希薄水溶液を調製した後、Brookfield DV−1+粘度計で粘度を測定することにより、粘度曲線を作成する。塩化ナトリウムを漸次添加し(0.5〜2重量%)、NaCl濃度の増加に応じて粘度を記録する。望ましい副界面活性剤は、少なくとも対照サンプルと同様に粘度を増加させる。結果を表1〜4に示す。
機械的振盪による起泡試験を用いて起泡性を評価する。12%活性主アニオン性界面活性剤と試験材料または対照(有効成分1.5重量%〜3.0重量%)とから構成される水溶液を調製する。その後で、この水溶液から25℃の水道水を用いて、全界面活性物質が0.2%となるように計算されたサンプル溶液を作製する。この溶液100.0g分を500mLのメスシリンダーに慎重に移す。ヒマシ油(2.0g)を添加する。メスシリンダーに栓をして、10回機械的に転倒させた後、15秒間沈降させる。泡の高さを記録する。5分後、泡の高さを再度記録する。ヒマシ油なしで実験を繰り返す。試験サンプルでは対照の実験の+/−25mL以内の泡の高さが得られ、優れた配合物では対照のものより>25mL大きい泡の高さが生じるはずである。結果を表1〜4に示す。
Figure 0006467414
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飽和C12〜C14ジアルキルアミドを配合した身体用洗浄剤の乳化性の評価
主アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤(AMPHOSOL(登録商標)HCG)、HALLCOMID(登録商標)M−12−14、および大豆油またはワセリンを含む保湿性身体用洗浄剤配合物を製造して、様々なアニオン性界面活性剤またはそれらの混合物と組み合わせたときのHALLCOMID(登録商標)M−12−14の乳化性を評価する。試験したアニオン性界面活性剤には、STEOL(登録商標)CS−130、STEOL(登録商標)CS−230、BIO−TERGE(登録商標)AS−40、ALPHA−STEP(登録商標)PC−48、STEPAN−MILD(登録商標)LSB、STEPAN−MILD(登録商標)PCL、およびSTEPAN−MILD(登録商標)GCC(全てStepanの製品)が含まれる。例示的な配合物の詳細を表5に示す。
試験した配合物は全て、速泡性、泡量、泡感触に関して優れた性能を示す。さらに、配合物は全て、贅沢で「ローション様の」使用感を付与する。配合物A〜Fは乳白色の外観と流動性を有する。配合物G〜JにSTEPAN−MILD(登録商標)GCCを添加すると粘度が向上する。
Figure 0006467414
乳化性およびエマルション安定性
室温で高レベルの油剤(脂肪酸とトリグリセリドとをベースにする植物油、例えば、大豆油またはヒマワリ種子油)を乳化し、安定なエマルションを提供する能力について、飽和脂肪酸アミドと不飽和脂肪酸アミドを比較する。
被検配合物:
10%の油剤(重量%)を含む配合物:STEPAN−MILD(登録商標)PCL(55);AMPHOSOL(登録商標)HCG(9.6);STEPAN−MILD(登録商標)GCC(2.0);飽和脂肪酸アミドまたは不飽和脂肪酸アミド(3.0);大豆油(10.0);脱イオン水(20.4)。
20%の油剤(重量%)を含む配合物:STEPAN−MILD(登録商標)PCL(55);AMPHOSOL(登録商標)HCG(9.6);STEPAN−MILD(登録商標)GCC(2.0);飽和脂肪酸アミドまたは不飽和脂肪酸アミド(3.0);大豆油(20.0);脱イオン水(10.4)。
対照配合物:
STEPAN−MILD(登録商標)PCL(55);AMPHOSOL(登録商標)HCG(9.6);NINOL(登録商標)M10(コカミドMIPA)(3.0);大豆油(10.0);脱イオン水(22.4)。
NINOL(登録商標)M10は室温で固体であるため、対照配合物はその製造に高温を必要とする。配合物は室温では4週間安定であるが、45℃では1週間後に分離する。
表6は、試験配合物のエマルション安定性結果を記載する。表に示すように、飽和ジメチルアミドである、HALLCOMID(登録商標)M−12およびHALLCOMID(登録商標)M−12−14は、油剤が10重量%の場合、一般に、不飽和C12アルキルジメチルアミド(C12〜25)および不飽和C12アルキルMEAアミド(C12〜30)と比較して、高レベルのエマルション安定性を提供する。さらに、HALLCOMID(登録商標)M−12およびHALLCOMID(登録商標)M−12−14は、油剤が20重量%の場合でも良好なエマルション安定性を示す。
高温で試験すると、10重量%の大豆油およびHALLCOMID(登録商標)M−12−14を含む配合物は45℃で少なくとも4週間安定である。
Figure 0006467414
水中油型エマルション
比較の配合物K(重量%):HallStar(登録商標)IPM(10);HallStar(登録商標)セチルアルコール(3.0);HallStar(登録商標)GMS、純粋(2.0)、脱イオン水(100になるまで適量);防腐剤、着色剤、染料(適量);クエン酸(適量);水酸化ナトリウム(適量)。
配合物L(重量%):比較の配合物Kと同様に、HALLCOMID(登録商標)M−12−14を3重量%添加。
手順:容器に脱イオン水を仕込み、それを混合して170〜175°F(77〜79℃)に加熱した。別の容器内で、HallStar(登録商標)IPM(ミリスチン酸イソプロピル)、HALLCOMID(登録商標)M−12−14、セチルアルコール、およびHallStar(登録商標)GMS(モノステアリン酸グリセリル)を混合し、170〜175°Fに加熱する。水相の撹拌速度を速くし、油相をゆっくり添加する。さらに5分間混合した後、pHを5.5〜6.5に調整し、混合物を20〜25分間乳化させる。混合物を80°F(27℃)に冷却し、所望により防腐剤、着色剤、および/または染料を添加する。必要に応じてクエン酸または水酸化ナトリウムでpHを調整する。
結果:比較の配合物Kは1日以内に分離する。配合物L(HALLCOMID(登録商標)M−12−14を含む)は3週間安定である。従って、HALLCOMID(登録商標)M−12−14は、水中油型エマルションの製造に乳化剤として十分に機能する。
香料の可溶化
下記の実施例M、N、P、およびQは、パーソナルケア用の香料可溶化剤として機能する脂肪酸N,N−ジアルキルアミドの能力を示す。各配合物は、比較的高いパーセンテージ(3.0重量%)の香料を含有する。多くの香料は水に対する溶解度が非常に低く、相分離を起こすことなく使用できるのは低レベル(例えば、1重量%以下)の時だけである。本発明者らは、驚くべきことに、主アニオン性界面活性剤を含む水性パーソナルケア配合物に脂肪酸N,N−ジアルキルアミドが含まれると、高濃度の香料を許容できることを見い出した(表7を参照されたい)。表に示すように、HALLCOMID(登録商標)M−10またはHALLCOMID(登録商標)M−12と香料♯2とを用いて透明な製品を得ることができる。香料♯1はより困難であることが分かったが、HALLCOMID(登録商標)M−8−10を用いると透明な製品が得られる。
Figure 0006467414
前述の実施例は例として記載されているに過ぎない。本発明は以下の特許請求の範囲により定義される。
本発明を以下に示す。
[発明1]
主アニオン性界面活性剤5〜98重量%と、飽和C 〜C 14 アルキルN,N−ジアルキルアミド0.1〜30重量%と、水とを含む身体用洗浄剤。
[発明2]
前記アニオン性界面活性剤が、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アルキルエーテルスルホ酢酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される、発明1に記載の洗浄剤。
[発明3]
前記N,N−ジアルキルアミドがC 12 〜C 14 アルキルN,N−ジアルキルアミドである、発明1に記載の洗浄剤。
[発明4]
前記N,N−ジアルキルアミドがN,N−ジメチルラウラミドまたはN,N−ジメチルコカミドである、発明1に記載の洗浄剤。
[発明5]
前記アニオン性界面活性剤15〜90重量%と、前記C 〜C 14 アルキルN,N−ジアルキルアミド0.5〜25重量%とを含む、発明1に記載の洗浄剤。
[発明6]
前記アニオン性界面活性剤20〜60重量%と、前記C 〜C 14 アルキルN,N−ジアルキルアミド1〜10重量%とを含む、発明1に記載の洗浄剤。
[発明7]
発明1に記載のシャンプー、ボディーソープ、洗顔料、シャワージェル、液体石鹸、ハンドソープ、ベビー用液体洗浄剤、ペット用シャンプー、または泡風呂用入浴剤。
[発明8]
前記同じアニオン性界面活性剤とコカミドMEAまたはコカミドプロピルベタインとを使用して配合される類似の洗浄剤と比較して、添加される塩化ナトリウムの重量%に応じた増粘性が改善されている、発明3に記載の洗浄剤。
[発明9]
前記同じアニオン性界面活性剤と一不飽和C 12 アルキルN,N−ジメチルアミドまたは一不飽和C 12 アルキルMEAアミドとを使用して配合される類似の洗浄剤と比較して、添加される塩化ナトリウムの重量%に応じた増粘性が改善されている、発明3に記載の洗浄剤。
[発明10]
湿潤剤、粘度調整剤、pH調整剤、泡安定剤、防腐剤、染料、増粘剤、皮膚感触向上剤、コンディショナー、抗菌剤、清浄剤、ビルダー、タンパク質、ビタミン、エモリエント剤、天然油、および保湿剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含む、発明1に記載の洗浄剤。
[発明11]
主アニオン性界面活性剤と、飽和C 〜C 14 アルキルN,N−ジアルキルアミドとを含む界面活性剤ブレンド。
[発明12]
前記主アニオン性界面活性剤と前記N,N−ジアルキルアミドとの重量比が、50:1〜2:1の範囲である、発明11に記載のブレンド。
[発明13]
前記主アニオン性界面活性剤と前記N,N−ジアルキルアミドとの重量比が、10:1〜3:1の範囲である、発明11に記載のブレンド。
[発明14]
飽和C 12 〜C 14 アルキルN,N−ジアルキルアミドを含む、発明11に記載のブレンド。
[発明15]
主アニオン性界面活性剤1〜75重量%と、飽和C 〜C 14 アルキルN,N−ジアルキルアミド0.1〜20重量%と、保湿油剤0.1〜50重量%と、水とを含む身体用洗浄剤。
[発明16]
前記主アニオン性界面活性剤3〜70重量%と、ベタイン系界面活性剤1〜15重量%と、飽和C 12 〜C 14 アルキルN,N−ジアルキルアミド1〜10重量%と、前記保湿油剤3〜40重量%と、水とを含む、発明15に記載の洗浄剤。
[発明17]
発明15に記載のボディーソープ、洗顔料、シャワージェル、液体石鹸、ハンドソープ、または泡風呂用入浴剤。
[発明18]
前記アニオン性界面活性剤が、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アルキルエーテルスルホ酢酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される、発明15に記載の洗浄剤。
[発明19]
前記N,N−ジアルキルアミドがC 12 〜C 14 アルキルN,N−ジメチルアミドである、発明15に記載の洗浄剤。
[発明20]
前記保湿油剤が天然油またはワセリンである、発明15に記載の洗浄剤。
[発明21]
(a)水性連続層と;
(b)1種以上のエモリエント剤と、エマルションの量に基づいて0.1〜35重量%の飽和C 〜C 14 アルキルN,N−ジアルキルアミドとを含む非連続相と;
を含む水中油型エマルション。
[発明22]
前記エモリエント剤が、天然油、トリグリセリド、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、脂肪族カーボネート、脂肪酸、鉱油、ワックスエステル、グリコール、またはこれらの混合物からなる群から選択される、発明21に記載のエマルション。
[発明23]
前記非連続相が飽和C 12 〜C 14 アルキルN,N−ジアルキルアミドを含む、発明21に記載のエマルション。
[発明24]
前記非連続相が、ビタミン、ミネラル、キャリアオイル、精油、顔料、角質除去剤、多不飽和脂肪酸、アンチエイジング剤、抗しわ剤、香料、およびこれらの混合物からなる群から選択される可溶化された有効成分をさらに含む、発明21に記載のエマルション。
[発明25]
主アニオン性界面活性剤5〜98重量%と、飽和C 〜C 14 アルキルN,N−ジアルキルアミド0.1〜30重量%と、香料0.1〜5重量%と、水とを含む身体用洗浄剤。
[発明26]
前記N,N−ジアルキルアミドがC 〜C 12 アルキルN,N−ジメチルアミドである、発明25に記載の洗浄剤。
[発明27]
前記N,N−ジアルキルアミドがC 〜C 10 アルキルN,N−ジメチルアミドである、発明25に記載の洗浄剤。
[発明28]
発明25に記載の透明で均質な洗浄剤。
[発明29]
前記香料を1〜5重量%含む、発明25に記載の洗浄剤。
[発明30]
発明29に記載の透明で均質な洗浄剤。
[発明31]
前記香料を2〜5重量%含む、発明25に記載の洗浄剤。
[発明32]
前記香料を3〜4重量%含む、発明25に記載の洗浄剤。
[発明33]
前記アニオン性界面活性剤20〜60重量%と、前記C 〜C 14 アルキルN,N−ジアルキルアミド1〜10重量%と、前記香料2〜5重量%とを含む、発明25に記載の洗浄剤。
[発明34]
ビタミン、ミネラル、キャリアオイル、精油、顔料、角質除去剤、多不飽和脂肪酸、アンチエイジング剤、抗しわ剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される可溶化された有効成分をさらに含む、発明25に記載の洗浄剤。
[発明35]
発明25に記載のシャンプー、ボディーソープ、洗顔料、シャワージェル、液体石鹸、ハンドソープ、ベビー用液体洗浄剤、ペット用シャンプー、または泡風呂用入浴剤。

Claims (25)

  1. 主アニオン性界面活性剤5〜98重量%と、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド0.1〜30重量%と、水とを含む身体用洗浄剤。
  2. 前記アニオン性界面活性剤が、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アルキルエーテルスルホ酢酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の洗浄剤。
  3. 前記N,N−ジアルキルアミドがC12〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミドである、請求項1に記載の洗浄剤。
  4. 前記N,N−ジアルキルアミドがN,N−ジメチルラウラミドまたはN,N−ジメチルコカミドである、請求項1に記載の洗浄剤。
  5. 前記アニオン性界面活性剤15〜90重量%と、前記C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド0.5〜25重量%とを含む、請求項1に記載の洗浄剤。
  6. 前記アニオン性界面活性剤20〜60重量%と、前記C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド1〜10重量%とを含む、請求項1に記載の洗浄剤。
  7. 請求項1に記載のシャンプー、ボディーソープ、洗顔料、シャワージェル、液体石鹸、ハンドソープ、ベビー用液体洗浄剤、ペット用シャンプー、または泡風呂用入浴剤。
  8. 湿潤剤、粘度調整剤、pH調整剤、泡安定剤、防腐剤、染料、増粘剤、皮膚感触向上剤、コンディショナー、抗菌剤、清浄剤、ビルダー、タンパク質、ビタミン、エモリエント剤、天然油、および保湿剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含む、請求項1に記載の洗浄剤。
  9. 主アニオン性界面活性剤1〜75重量%と、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド0.1〜20重量%と、保湿油剤0.1〜50重量%と、水とを含む身体用洗浄剤。
  10. 前記主アニオン性界面活性剤3〜70重量%と、ベタイン系界面活性剤1〜15重量%と、飽和C12〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド1〜10重量%と、前記保湿油剤3〜40重量%と、水とを含む、請求項に記載の洗浄剤。
  11. 請求項に記載のボディーソープ、洗顔料、シャワージェル、液体石鹸、ハンドソープ、または泡風呂用入浴剤。
  12. 前記アニオン性界面活性剤が、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アルキルエーテルスルホ酢酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項に記載の洗浄剤。
  13. 前記N,N−ジアルキルアミドがC12〜C14アルキルN,N−ジメチルアミドである、請求項に記載の洗浄剤。
  14. 前記保湿油剤が天然油またはワセリンである、請求項に記載の洗浄剤。
  15. 主アニオン性界面活性剤5〜98重量%と、飽和C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド0.1〜30重量%と、香料0.1〜5重量%と、水とを含む身体用洗浄剤。
  16. 前記N,N−ジアルキルアミドがC〜C12アルキルN,N−ジメチルアミドである、請求項15に記載の洗浄剤。
  17. 前記N,N−ジアルキルアミドがC〜C10アルキルN,N−ジメチルアミドである、請求項15に記載の洗浄剤。
  18. 請求項15に記載の透明で均質な洗浄剤。
  19. 前記香料を1〜5重量%含む、請求項15に記載の洗浄剤。
  20. 請求項19に記載の透明で均質な洗浄剤。
  21. 前記香料を2〜5重量%含む、請求項15に記載の洗浄剤。
  22. 前記香料を3〜4重量%含む、請求項15に記載の洗浄剤。
  23. 前記アニオン性界面活性剤20〜60重量%と、前記C〜C14アルキルN,N−ジアルキルアミド1〜10重量%と、前記香料2〜5重量%とを含む、請求項15に記載の洗浄剤。
  24. ビタミン、ミネラル、キャリアオイル、精油、顔料、角質除去剤、多不飽和脂肪酸、アンチエイジング剤、抗しわ剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される可溶化された有効成分をさらに含む、請求項15に記載の洗浄剤。
  25. 請求項15に記載のシャンプー、ボディーソープ、洗顔料、シャワージェル、液体石鹸、ハンドソープ、ベビー用液体洗浄剤、ペット用シャンプー、または泡風呂用入浴剤。
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