JP6467268B2 - 遊星歯車機構 - Google Patents

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本発明は、軸方向に延びる回転軸と、回転軸と周方向に一体回転するキャリヤと、を備えた遊星歯車機構に関する。
上記のような遊星歯車機構として、特開2007−139061公報(特許文献1)や特開2008−106907号公報(特許文献2)に記載されたものが知られている。以下、この背景技術の欄の説明では、〔〕内に特許文献1や特許文献2における部材名や符号を引用して説明する。特許文献1には、回転軸〔入力軸15〕と一体的に形成された第一部材〔後キャリヤプレート21〕と、第一部材に溶接により固定される第二部材〔前キャリヤプレート22〕とによって、ピニオンギヤ〔ピニオンP1〕を支持するピニオン軸〔ピニオンシャフトPS〕を軸方向の両側から支持する構成が記載されている。また、特許文献2には、回転軸〔主軸1〕に溶接により固定される第一部材〔プラネタリキャリヤカバー5〕と、第一部材に溶接により固定される第二部材〔バックカバー6〕とによって、ピニオンギヤ〔ピニオンギヤ3〕を支持するピニオン軸〔軸7〕を軸方向の両側から支持する構成が記載されている。
特開2007−139061号公報 特開2008−106907号公報
ところで、このような遊星歯車機構では、ピニオン軸の内部に形成された油路に油を導入して、ピニオンギヤを支持する軸受やピニオンギヤ等の潤滑を行うのが一般的である。特許文献1には明記されていないが、当該文献の図1及び図2の記載内容から、特許文献1の構成では、回転軸の内部に形成された油路内の油を、第一部材の内部に形成されて径方向に延びる油路を介して、ピニオン軸の内部の油路に導入する構成であると理解される。また、特許文献2には明記されていないが、当該文献の図1の記載内容から、特許文献2の構成では、回転軸の回転に伴う遠心力によって径方向の内側から飛散する油を第二部材に固定されたレシーバによって受け止めて、ピニオン軸の内部の油路に導入する構成であると理解される。
上記のように、特許文献1に記載の構成では、ピニオン軸の内部の油路と回転軸の内部の油路とを接続する油路が、第一部材の内部に形成される。よって、回転軸の回転が停止している場合においても回転軸の内部の油路内の油圧を利用してピニオン軸の内部の油路に油を供給することができる等、回転軸の回転状態によらずピニオン軸の内部の油路に対して油を効率良く供給することができる。しかしながら、油路が内部に形成された第一部材は、回転軸の外周面から径方向に大きく突出するように回転軸と一体的に形成されるため、熱間鍛造に比べて成形精度の高い冷間鍛造によって回転軸を形成することが困難となる等、製造コストの低減を図ることが容易ではない。一方、特許文献2に記載の構成では、第一部材は回転軸と一体的に形成されないものの、回転軸の回転に伴う遠心力を利用してピニオン軸の内部の油路に対して油を供給する構成であるため、回転軸の回転が停止している場合等においてピニオン軸の内部の油路に対して油を効率良く供給することが容易ではない。
そこで、製造コストの低減を図ることが可能であると共に、ピニオン軸の内部の油路に対して油を効率良く供給することが可能な遊星歯車機構の実現が望まれる。
上記に鑑みた、軸方向に延びる回転軸と、前記回転軸と周方向に一体回転するキャリヤと、を備えた遊星歯車機構の特徴構成は、前記回転軸は、当該回転軸の外周面に対して径方向の外側に突出するフランジ部を備え、前記キャリヤは、第一部材、第二部材、及びピニオン軸を有するピニオンギヤを含み、前記第一部材は、前記フランジ部の外周面に接合される第一接合部と、前記ピニオンギヤに対して前記軸方向の一方側において前記ピニオン軸を支持する第一軸支持部と、を備え、前記第二部材は、前記第一部材に接合される第二接合部と、前記ピニオンギヤに対して前記軸方向の他方側において前記ピニオン軸を支持する第二軸支持部と、を備え、前記フランジ部の内部に形成されて前記径方向に延びる第一油路と、前記ピニオン軸の内部に形成された第二油路とが、前記第一部材の内部に形成された第三油路を介して連通しており、前記第一油路と前記第三油路とは、前記フランジ部の外周面と前記第一接合部との接合面において接続されている点にある。
上記の特徴構成によれば、フランジ部の内部に形成された第一油路と、ピニオン軸の内部に形成された第二油路とが、第一部材の内部に形成された第三油路を介して連通する。そのため、回転軸の回転が停止している場合においても、第一油路内の油圧を利用して、第三油路を介して第二油路に油を供給することができる。すなわち、回転軸の回転状態によらず、第二油路に対して油を効率良く供給することが可能となる。
更に、上記の特徴構成によれば、第三油路が内部に形成される第一部材は、回転軸のフランジ部の外周面に接合される第一接合部を備える。すなわち、第一部材が回転軸とは別部材とされるため、回転軸の外周面からのフランジ部の径方向の突出量を、第一部材が回転軸と一体的に形成される場合に比べて小さく抑えることができる。よって、フランジ部を備えた回転軸を、熱間鍛造に比べて成形精度の高い冷間鍛造によって形成された部品とすることが可能となる等、製造コストの低減を図ることができる。
以上のように、上記の特徴構成によれば、製造コストの低減を図ることが可能であると共に、ピニオン軸の内部の油路に対して油を効率良く供給することが可能な遊星歯車機構を実現することができる。
本発明の実施形態に係る遊星歯車機構の断面図である。 図1におけるII−II視図である。 本発明の実施形態に係る溶接部の軸方向の深さの説明図である。 本発明のその他の実施形態に係る溶接部の軸方向の深さの説明図である。
本発明に係る遊星歯車機構の実施形態について、図面を参照して説明する。ここでは、本発明に係る遊星歯車機構を、シングルピニオン型の遊星歯車機構に適用した場合を例として説明する。なお、以下の説明における各部材についての方向は、それらが遊星歯車機構に組み付けられた状態での方向を表す。また、本明細書では、寸法、配置方向、配置位置等に関する用語(例えば、平行や同心等)は、誤差(製造上許容され得る程度の誤差)による差異を有する状態も含む概念として用いている。
本実施形態に係る遊星歯車機構1は、シングルピニオン型の遊星歯車機構である。図1に示すように、遊星歯車機構1は、軸方向Lに延びる回転軸90と、回転軸90と周方向Cに一体回転するキャリヤ2と、を備えている。ここで、軸方向Lは、回転軸90の軸心Aを基準とする軸方向であり、周方向Cは、軸心Aを基準とする周方向である。後述する径方向Rは、軸心Aを基準とする径方向である。図1では簡略化して示しているが、遊星歯車機構1は、更に、キャリヤ2が支持するピニオンギヤ5に噛み合うサンギヤ3と、キャリヤ2が支持するピニオンギヤ5に噛み合うリングギヤ4と、を備えている。遊星歯車機構1は、例えば、ハイブリッド車両において動力分配機構として用いられる。この動力分配機構の一例について説明すると、例えば、サンギヤ3が回転電機に駆動連結され、キャリヤ2(回転軸90)が内燃機関に駆動連結され、リングギヤ4が車輪に駆動連結されるように、遊星歯車機構1が備えられる。そして、遊星歯車機構1は、キャリヤ2(回転軸90)に伝達される内燃機関のトルクの一部を、サンギヤ3を介して回転電機に分配すると共に、残りのトルクを、リングギヤ4を介して車輪に伝達する。
図1及び図2に示すように、回転軸90は、当該回転軸90の外周面に対して径方向Rの外側に突出するフランジ部92を備えている。すなわち、回転軸90は、その本体部である軸部91と、軸部91の外周面に対して径方向Rの外側に突出するフランジ部92と、を備えている。フランジ部92は、軸部91と一体的に形成されている。また、フランジ部92は、円環板状に形成されており、フランジ部92の外周面は、軸心Aと同心の円筒状に形成されている。本実施形態では、図1に示すように、回転軸90における軸方向Lの端部に、軸方向Lに窪む凹部93が形成されている。本例では、軸方向Lにおける第一部材10側から第二部材20側へ向かう側(後述する軸方向第二側L2)の回転軸90の端部に、それとは反対側(後述する軸方向第一側L1)に窪む凹部93が形成されている。凹部93の内周面には、軸方向Lに延びるスプライン歯94が形成されている。
本実施形態では、回転軸90が、フランジ部92とスプライン歯94を有する凹部93とを冷間鍛造によって当該回転軸90の軸部91と一体的に形成した冷間鍛造部品とされている。すなわち、本実施形態に係る回転軸90は、フランジ部92の成形及びスプライン歯94を有する凹部93の成形の双方が冷間鍛造によって行われた部品である。具体的には、回転軸90は、冷間鍛造によって素材(粗材)から軸部91を成形する際に、フランジ部92の成形やスプライン歯94を有する凹部93の成形も同時に行われた部品である。なお、ここでの「成形」は最終的な成形を意味し、当然ながら、回転軸90の素材を用意する過程において熱間鍛造や切削加工等の冷間鍛造以外の加工が行われていても良い。
詳細は省略するが、本実施形態では、回転軸90に形成された凹部93を介して、回転軸90と第一オイルポンプ(機械式オイルポンプ)の駆動軸であるポンプ駆動軸とが連結される。具体的には、ポンプ駆動軸における軸方向Lの端部に、軸方向Lに延びるスプライン歯を外周面に有する筒状部が形成されており、当該筒状部が凹部93に内嵌された状態で、ポンプ駆動軸と回転軸90とが連結される。そして、回転軸90の回転時には、回転軸90と一体回転するポンプ駆動軸によって第一オイルポンプが駆動される。第一オイルポンプが吐出した油は、ポンプ駆動軸の内部に形成された油路を介して凹部93に供給され、凹部93に供給された油は、回転軸90の内部に形成されて軸方向Lに延びる第四油路44に供給される。本実施形態では、専用の回転電機により駆動される第二オイルポンプ(電動オイルポンプ)が吐出した油も、凹部93を介して第四油路44に供給されるように構成されている。すなわち、第一オイルポンプが停止している状態においても第二オイルポンプを駆動して第四油路44に油を供給することができるため、遊星歯車機構1の各要素の回転状態によらず、第四油路44及びその下流側に接続された後述する第一油路41に対して、常時、油を供給することが可能となっている。
図1に示すように、キャリヤ2は、第一部材10と、第二部材20と、ピニオン軸30を有するピニオンギヤ5と、を備えている。すなわち、キャリヤ2は、第一部材10、第二部材20、及びピニオンギヤ5を含んでいる。なお、ピニオン軸30は、ピニオンギヤ5(ピニオン軸30を除く本体部、以下同様。)を軸方向Lに貫通するように配置された状態で、ピニオンギヤ5を回転可能に支持する。第一部材10は、回転軸90のフランジ部92の外周面に接合される第一接合部11と、ピニオンギヤ5に対して軸方向Lの一方側(軸方向第一側L1)においてピニオン軸30を支持する第一軸支持部12と、を備えている。すなわち、第一部材10は、第一接合部11を介して回転軸90に固定される。また、第二部材20は、第一部材10に接合される第二接合部21と、ピニオンギヤ5に対して軸方向Lの他方側(軸方向第二側L2)においてピニオン軸30を支持する第二軸支持部22と、を備えている。すなわち、第二部材20は、第二接合部21を介して第一部材10に固定される。
第一軸支持部12は、ピニオン軸30が挿入される第一支持孔13を備え、第二軸支持部22は、ピニオン軸30が挿入される第二支持孔23を備えている。ピニオン軸30は、当該ピニオン軸30の軸方向第一側L1の端部が第一支持孔13に挿入されると共に、当該ピニオン軸30の軸方向第二側L2の端部が第二支持孔23に挿入された状態で、第一部材10と第二部材20とによって軸方向Lの両側から支持される。なお、ピニオン軸30は、第一支持孔13及び第二支持孔23のそれぞれに対して相対回転不能に固定される。1つのピニオン軸30を支持する第一支持孔13と第二支持孔23は、径方向R及び周方向Cの双方について互いに同じ位置に、すなわち、軸方向Lに見て互いに重なる位置に配置される。本実施形態では、キャリヤ2は3つのピニオンギヤ5を備える。よって、第一部材10は、3つの第一軸支持部12(すなわち、3つの第一支持孔13)を備え、第二部材20は、3つの第二軸支持部22(すなわち、3つの第二支持孔23)を備えている。3つの第一支持孔13は、径方向Rの同じ位置において周方向Cに沿って均等な間隔で配置され、3つの第二支持孔23は、径方向Rの同じ位置において周方向Cに沿って均等な間隔で配置されている。
第一接合部11は、フランジ部92の外周面に対して外嵌した状態で、溶接(例えば、電子ビーム溶接やレーザ溶接等)によりフランジ部92の外周面に接合されている。すなわち、フランジ部92の外周面と第一接合部11との接合部50には、フランジ部92の外周面と第一接合部11とが溶融した後に凝固して形成された溶接部60(溶融凝固部)が形成されている。第一接合部11におけるフランジ部92の外周面に対して外嵌する嵌合面(本例では、軸心Aと同心の円筒状面)は、第一部材10を軸方向Lに貫通する第一貫通孔14の内周面によって形成されている。本実施形態では、第一貫通孔14の内周面には、軸方向第一側L1が大径となり軸方向第二側L2が小径となるように段差部が形成されており、第一貫通孔14の内周面における当該段差部よりも軸方向第一側L1の部分が上記の嵌合面として機能する。そして、当該段差部により形成される軸方向第一側L1を向く円環状の面に、フランジ部92の外周部が軸方向第一側L1から当接した状態で、フランジ部92の外周面と第一接合部11とが接合されている。なお、回転軸90はキャリヤ2を軸方向Lに貫通するように配置されており、第二部材20における径方向Rの中心部には、回転軸90の外周面よりも大径の第二貫通孔24が、第二部材20を軸方向Lに貫通するように形成されている。
第一部材10及び第二部材20の少なくとも一方には、他方の部材に向かって軸方向に延びる連結部31が備えられる。連結部31は、ピニオンギヤ5を挟んで軸方向Lの両側に配置される第一部材10と第二部材20とを連結するための部分である。本実施形態では、第一部材10は全体として軸心Aと同心の円環板状に形成され、第二部材20に連結部31が備えられている。すなわち、第二部材20は、軸心Aと同心の円環板状の本体部と、当該本体部から軸方向第一側L1に向かって延びる連結部31とを備えている。連結部31は、第二部材20の本体部と一体的に形成されている。連結部31は、図2に示すように、ピニオンギヤ5と干渉しない周方向Cの位置に形成される。本実施形態では、連結部31は、周方向Cに隣接するピニオンギヤ5の間のそれぞれに1つずつ設けられている。そして、連結部31の先端部(軸方向第一側L1の端部)は、第一部材10に接合されている。すなわち、本実施形態では、第二部材20における第一部材10に接合される部分である第二接合部21は、連結部31の先端部に形成されている。本例では、連結部31の先端部は、第一部材10の外周面に対して外嵌した状態で、溶接により第一部材10の外周面に対して接合されている。
図1に示すように、ピニオン軸30の内部には、ピニオンギヤ5を潤滑するための油路である第二油路42が形成されている。第二油路42の下流側の端部は、ピニオン軸30の外周面に開口しており、当該開口からピニオン軸30の外部に排出される油によって、ピニオンギヤ5、ピニオンギヤ5とピニオン軸30との間に配置された軸受32、ピニオンギヤ5と第一軸支持部12との間に配置されたワッシャ、ピニオンギヤ5と第二軸支持部22との間に配置されたワッシャ等が潤滑される。図1に油の流れの概略を破線矢印で示すように、本実施形態では、上述した第四油路44の内部の油が、第一油路41及び第三油路43を記載の順に通って、第二油路42に供給される。ここで、第一油路41は、フランジ部92の内部に形成されて径方向Rに延びる油路であり、第三油路43は、第一部材10の内部に形成された油路である。第一油路41の上流側の端部は、第四油路44に接続されている。図1及び図2に示すように、本実施形態では、第一油路41は、軸方向Lに直交する面に沿って径方向Rに平行に延びるように形成されている。また、本実施形態では、第三油路43は、後述する幅広部49を除いて、軸方向Lに直交する面に沿って径方向Rに平行に延びるように形成されている。なお、上述したように、第一油路41に対して常時、油を供給することが可能に構成されているため、遊星歯車機構1の各要素の回転状態によらず、第一油路41の油を第三油路43を介して第二油路42に供給して、軸受32やピニオンギヤ5等を強制的に潤滑することが可能となっている。
第一油路41と第二油路42とは、第三油路43を介して連通している。すなわち、第一油路41の下流側の端部が第三油路43の上流側の端部に接続されると共に、第三油路43の下流側の端部が第二油路42の上流側の端部に接続されている。第一油路41と第三油路43とは、フランジ部92の外周面と第一接合部11との接合面において接続されている。この接合面は、フランジ部92の外周面と第一接合部11との接合部50において形成される、フランジ部92の外周面と第一接合部11の上述した嵌合面との合わせ面である。本実施形態では、図2に示すように、第三油路43は、第一油路41と第三油路43との接続部側の端部(すなわち、上流側の端部)に、当該端部から離れた部分よりも周方向Cの流路幅が大きい幅広部49を有している。上記の接合面における幅広部49の周方向Cの流路幅は、当該接合面における第一油路41の周方向Cの流路幅よりも大きい。なお、本例では、幅広部49は、第一油路41と第三油路43との接続部側に向かうに従って、周方向Cの流路幅が次第に大きくなるように形成されている。本実施形態では、図1に示すように、幅広部49の軸方向Lの流路幅は、第三油路43における幅広部49以外の部分の軸方向Lの流路幅よりも大きい。そして、上記の接合面における幅広部49の軸方向Lの流路幅は、当該接合面における第一油路41の軸方向Lの流路幅よりも大きい。
上記のような幅広部49が第三油路43に備えられるため、以下のような利点を得ることができる。すなわち、上記の接合面において第一油路41の開口の全体を第三油路43に連通させることが可能な、フランジ部92に対する第一部材10の周方向Cの相対位置を、第一油路41及び第三油路43のそれぞれの周方向Cの中心位置が合う位置を中心とした周方向Cに広がりを有する範囲内に含まれる位置とすることができる。よって、遊星歯車機構1の製造時に要求されるフランジ部92と第一部材10との間の周方向Cの位置決め精度を、幅広部49が第三油路43に備えられない場合に比べて緩和することができ、遊星歯車機構1の製造コストの低減を図ることが可能である。
上述したように、フランジ部92の外周面と第一接合部11との接合部50には、溶接部60が形成されている。本実施形態では、図2及び図3に示すように、接合部50における周方向Cの全域に亘って、溶接部60が形成されている。なお、図3は、本実施形態に係る溶接部60を簡略化して示したものであり、フランジ部92の外周面の一部を周方向Cに平面状に展開した様子を模式的に示している。このように、接合部50における周方向Cの全域に亘って溶接部60を形成することで、溶接部60の疲労強度を確保することが容易となる。補足説明すると、例えば図4に示すように、接合部50における周方向Cの一部の領域においてのみ溶接部60を形成する場合には、溶接部60が形成されている周方向Cの領域の端部において、溶接部60の軸方向Lの深さが浅くなり易く、この部分に応力が集中することによって溶接部60の疲労強度が低下する場合がある。これに対し、本実施形態では、溶接部60の軸方向Lの深さが極端に浅い部分をなくすことができるため、溶接部60の疲労強度を比較的容易に確保することができる。この結果、必要な疲労強度を確保するための溶接部60の軸方向Lの深さ(最も深い部分の深さ)も浅くなり、フランジ部92や第一接合部11の軸方向Lの厚さを小さく抑えてキャリヤ2の軸方向Lにおける小型化を図ることも可能となる。
本実施形態では、図3に示すように、第一領域71における溶接部60の軸方向Lの深さが、第二領域72における溶接部60の軸方向Lの深さよりも浅い。ここで、図2に示すように、第一領域71は、第一油路41と第三油路43との接続部を含む周方向Cの領域であり、第二領域72は、第一油路41と第三油路43との接続部を含まない周方向Cの領域である。なお、ここでの第一油路41と第三油路43との接続部の周方向Cの領域は、例えば、上記の接合面における第一油路41及び第三油路43のそれぞれの開口の周方向Cの配置領域が重複する共通部分のみとし、或いは、上記の接合面における第一油路41及び第三油路43のそれぞれの開口の周方向Cの配置領域の和集合とすることができる。後者の場合、本実施形態では、第一油路41と第三油路43との接続部の周方向Cの領域は、上記の接合面における幅広部49の周方向Cの形成領域と一致する。
第一領域71における溶接部60の軸方向Lの深さは、例えば、第一領域71に含まれる周方向Cの各位置での溶接部60の軸方向Lの深さの平均値とし、或いは、第一領域71における溶接部60の軸方向Lの深さの最大値等とすることができる。同様に、第二領域72における溶接部60の軸方向Lの深さは、例えば、第二領域72に含まれる周方向Cの各位置での溶接部60の軸方向Lの深さの平均値とし、或いは、第二領域72における溶接部60の軸方向Lの深さの最大値等とすることができる。なお、図2及び図3に示す例では、第一領域71と第二領域72とが、間に他の周方向Cの領域を挟まずに周方向Cに隣接して設定される場合を例として示しているが、第一領域71と第二領域72とを、間に他の周方向Cの領域を挟んで周方向Cに隣接するように設定しても良い。また、第一領域71を、例えば、第一油路41と第三油路43との接続部の周方向Cの領域に等しく設定しても良い。
本実施形態では、フランジ部92の外周面と第一接合部11との接合部50に形成される溶接部60は、第一部材10に対して軸方向第一側L1から行われた溶接によって形成されている。そのため、溶接部60の軸方向Lの深さの比較は、溶接部60(溶融凝固部)の軸方向第二側L2の端部の軸方向Lの位置に基づき、当該位置がより軸方向第一側L1である溶接部60の軸方向Lの深さが、当該位置がより軸方向第二側L2である溶接部60の軸方向Lの深さよりも浅いと判断することができる。図3に示すように、本実施形態では、第一領域71における溶接部60の軸方向Lの深さは、第一油路41が形成された軸方向Lの領域に達しない程度の深さとなっており、第二領域72における溶接部60の軸方向Lの深さは、第一油路41が形成された軸方向Lの領域に達する程度の深さとなっている。なお、本実施形態では、第一部材10と第二接合部21との接合部に形成される溶接部も、接合部50に形成される溶接部60と同様に、第一部材10に対して軸方向第一側L1から行われた溶接によって形成されている。
上記のように、本実施形態では、第一領域71における溶接部60の軸方向Lの深さが、第二領域72における溶接部60の軸方向Lの深さよりも浅い。このような深さ関係の溶接部60を形成すべく、例えば、第一溶接工程及び第二溶接工程の双方の実行により、フランジ部92の外周面と第一接合部11の接合部50において溶接部60が周方向Cの全域に亘って形成される構成とすることができる。ここで、第一溶接工程は、対象部位に溶接部60を形成する溶接工程を、フランジ部92の外周面と第一接合部11との接合部50を少なくとも1周(例えば、1周)するように当該接合部50に沿って対象部位を周方向Cに連続的に移動させながら行う工程である。また、第二溶接工程は、対象部位に溶接部60を形成する溶接工程を、第一油路41と第三油路43との接続部が形成された周方向Cの領域を除外しつつフランジ部92の外周面と第一接合部11との接合部50に沿って対象部位を周方向Cに移動させながら行う工程である。この場合、第一領域71における溶接部60は、第一溶接工程によって形成され、第二領域72における溶接部60は、第一溶接工程及び第二溶接工程のそれぞれによって形成される。すなわち、第二領域72における溶接部60は、二度以上行われる溶接工程によって形成されるため、第二領域72における溶接部60の軸方向Lの深さは、第一領域71における溶接部60の軸方向Lの深さよりも深くなる。なお、第一溶接工程と第二溶接工程とは、いずれの工程を先に実行しても良い。
〔その他の実施形態〕
本発明に係るその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、フランジ部92の外周面と第一接合部11との接合部50における周方向Cの全域に亘って、溶接部60が形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されず、例えば図4に示す例のように、接合部50における第一油路41と第三油路43との接続部を含まない周方向Cの領域においてのみ、溶接部60が形成される構成とすることもできる。この場合において、上記の第二溶接工程を同じ対象部位に対して複数回(例えば、2回)行うことによって、接合部50における第一油路41と第三油路43との接続部を含まない周方向Cの領域(第二領域72)の溶接部60が形成される構成とすることもできる。
(2)上記の実施形態では、第三油路43が幅広部49を有する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されず、第一油路41が、第一油路41と第三油路43との接続部側の端部に、当該端部から離れた部分よりも周方向Cの流路幅が大きい幅広部を有する構成としたり、第一油路41及び第三油路43の双方が幅広部を有する構成としても良い。すなわち、第一油路41及び第三油路43の少なくとも一方が、第一油路41と第三油路43との接続部側の端部に、当該端部から離れた部分よりも周方向Cの流路幅が大きい幅広部を有する構成とすることができる。なお、第一油路41及び第三油路43の双方がこのような幅広部を有さない構成とすることも可能である。
(3)上記の実施形態では、連結部31が第二部材20に備えられ、連結部31の軸方向第一側L1の端部に第二接合部21が形成される場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、連結部31が第一部材10に備えられ、連結部31の軸方向第二側L2の端部が第二部材20に接合される構成とすることもできる。この場合、第二部材20における連結部31が接合される部分(例えば、第二部材20の外周部)に、第二接合部21が形成される。
(4)上記の実施形態では、本発明に係る遊星歯車機構を、シングルピニオン型の遊星歯車機構に適用した場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されず、互いに噛み合うピニオンギヤがキャリヤに備えられる構成の遊星歯車機構(例えば、ダブルピニオン型の遊星歯車機構やラビニヨ型の遊星歯車機構等)に本発明を適用することも可能である。
(5)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎないと理解されるべきである。従って、当業者は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔本発明の実施形態の概要〕
以上で説明した本発明の実施形態は、少なくとも以下の構成を備えている。
軸方向(L)に延びる回転軸(90)と、前記回転軸(90)と周方向(C)に一体回転するキャリヤ(2)と、を備えた遊星歯車機構(1)であって、前記回転軸(90)は、当該回転軸(90)の外周面に対して径方向(R)の外側に突出するフランジ部(92)を備え、前記キャリヤ(2)は、第一部材(10)、第二部材(20)、及びピニオン軸(30)を有するピニオンギヤ(5)を含み、前記第一部材(10)は、前記フランジ部(92)の外周面に接合される第一接合部(11)と、前記ピニオンギヤ(5)に対して前記軸方向(L)の一方側において前記ピニオン軸(30)を支持する第一軸支持部(12)と、を備え、前記第二部材(20)は、前記第一部材(10)に接合される第二接合部(21)と、前記ピニオンギヤ(5)に対して前記軸方向(L)の他方側において前記ピニオン軸(30)を支持する第二軸支持部(22)と、を備え、前記フランジ部(92)の内部に形成されて前記径方向(R)に延びる第一油路(41)と、前記ピニオン軸(30)の内部に形成された第二油路(42)とが、前記第一部材(10)の内部に形成された第三油路(43)を介して連通しており、前記第一油路(41)と前記第三油路(43)とは、前記フランジ部(92)の外周面と前記第一接合部(11)との接合面において接続されている。
上記の構成によれば、フランジ部の内部に形成された第一油路と、ピニオン軸の内部に形成された第二油路とが、第一部材の内部に形成された第三油路を介して連通する。そのため、回転軸の回転が停止している場合においても、第一油路内の油圧を利用して、第三油路を介して第二油路に油を供給することができる。すなわち、回転軸の回転状態によらず、第二油路に対して油を効率良く供給することが可能となる。
更に、上記の構成によれば、第三油路が内部に形成される第一部材は、回転軸のフランジ部の外周面に接合される第一接合部を備える。すなわち、第一部材が回転軸とは別部材とされるため、回転軸の外周面からのフランジ部の径方向の突出量を小さく抑えることができる。よって、フランジ部を備えた回転軸を、熱間鍛造に比べて成形精度の高い冷間鍛造によって形成された部品とすることが可能となる等、製造コストの低減を図ることができる。
また、前記回転軸(90)における前記軸方向(L)の端部に、前記軸方向(L)に窪む凹部(93)が形成され、前記凹部(93)の内周面に、前記軸方向(L)に延びるスプライン歯(94)が形成され、前記回転軸(90)が、前記フランジ部(92)と前記スプライン歯(94)を有する前記凹部(93)とを冷間鍛造によって当該回転軸(90)の軸部(91)と一体的に形成した冷間鍛造部品であると好適である。
この構成によれば、回転軸が、フランジ部を熱間鍛造によって成形した後にスプライン歯を有する凹部を冷間鍛造によって成形した部品である場合や、回転軸が、フランジ部及び凹部を熱間鍛造によって成形した後にスプライン歯を切削加工によって成形した部品である場合等に比べて、回転軸の製造工数を低減して遊星歯車機構の製造コストの低減を図ることができる。
また、前記フランジ部(92)の外周面と前記第一接合部(11)との接合部(50)における前記周方向(C)の全域に亘って溶接部(60)が形成され、前記第一油路(41)と前記第三油路(43)との接続部を含む前記周方向(C)の領域を第一領域(71)とし、前記第一油路(41)と前記第三油路(43)との接続部を含まない前記周方向(C)の領域を第二領域(72)として、前記第一領域(71)における前記溶接部(60)の前記軸方向(L)の深さが、前記第二領域(72)における前記溶接部(60)の前記軸方向(L)の深さよりも浅いと好適である。
この構成によれば、フランジ部の外周面と第一接合部との接合部における周方向の一部の領域にのみ溶接部が形成される場合に比べて、溶接部の疲労強度を確保することが容易となる。すなわち、上記接合部における周方向の一部の領域にのみ溶接部が形成される場合には、溶接部が形成されている周方向の領域の端部において、溶接部の軸方向の深さが浅くなり易く、この部分に応力が集中することによって溶接部の疲労強度が低下する場合がある。これに対して、上記の構成では、溶接部の軸方向の深さが極端に浅い部分をなくすことが可能となり、溶接部の疲労強度を比較的容易に確保することができる。この結果、必要な疲労強度を確保するための溶接部の軸方向の深さ(最も深い部分の深さ)も浅くなり、フランジ部や第一接合部の軸方向の厚さを小さく抑えてキャリヤの軸方向における小型化を図ることも可能となる。
更に、上記の構成によれば、第一領域における溶接部の軸方向の深さが、第二領域における溶接部の軸方向の深さよりも浅くなる。よって、溶接部を形成することによって第一油路と第三油路との接続部における油の流通が阻害されることを回避しつつ、フランジ部の外周面と第一接合部との接合部における周方向の全域に亘って溶接部を適切に形成することができる。
また、対象部位に溶接部(60)を形成する溶接工程を、前記フランジ部(92)の外周面と前記第一接合部(11)との接合部(50)を少なくとも1周するように当該接合部(50)に沿って前記対象部位を前記周方向(C)に連続的に移動させながら行う工程を第一溶接工程とし、前記溶接工程を、前記第一油路(41)と前記第三油路(43)との接続部が形成された前記周方向(C)の領域を除外しつつ前記フランジ部(92)の外周面と前記第一接合部(11)との接合部(50)に沿って前記対象部位を前記周方向(C)に移動させながら行う工程を第二溶接工程とし、前記第一溶接工程及び前記第二溶接工程の双方の実行により、前記フランジ部(92)の外周面と前記第一接合部(11)との接合部(50)において前記溶接部(60)が前記周方向(C)の全域に亘って形成されていると好適である。
この構成によれば、第一溶接工程及び第二溶接工程の双方を実行することで、上記のように第一領域における溶接部の軸方向の深さが第二領域における溶接部の軸方向の深さよりも浅くなるように、フランジ部の外周面と第一接合部との接合部における周方向の全域に亘って溶接部を形成することができる。
また、前記第一油路(41)及び前記第三油路(43)の少なくとも一方が、前記第一油路(41)と前記第三油路(43)との接続部側の端部に、当該端部から離れた部分よりも前記周方向(C)の流路幅が大きい幅広部(49)を有していると好適である。
この構成によれば、第一油路が形成されるフランジ部に対する第三油路が形成される第一部材の周方向の相対位置のずれを、幅広部の周方向の幅に応じた分だけ許容することができる。よって、遊星歯車機構の製造時に要求されるフランジ部と第一部材との間の周方向の位置決め精度を、第一油路及び第三油路のいずれもが上記のような幅広部を有さない場合に比べて緩和することができ、遊星歯車機構の製造コストの低減を図ることができる。
本発明は、軸方向に延びる回転軸と、回転軸と周方向に一体回転するキャリヤと、を備えた遊星歯車機構に利用することができる。
1:遊星歯車機構
2:キャリヤ
5:ピニオンギヤ
10:第一部材
11:第一接合部
12:第一軸支持部
20:第二部材
21:第二接合部
22:第二軸支持部
30:ピニオン軸
41:第一油路
42:第二油路
43:第三油路
49:幅広部
50:接合部
60:溶接部
71:第一領域
72:第二領域
90:回転軸
91:軸部
92:フランジ部
93:凹部
94:スプライン歯
C:周方向
L:軸方向
R:径方向

Claims (7)

  1. 軸方向に延びる回転軸と、前記回転軸と周方向に一体回転するキャリヤと、を備えた遊星歯車機構であって、
    前記回転軸は、当該回転軸の外周面に対して径方向の外側に突出するフランジ部を備え、
    前記キャリヤは、第一部材、第二部材、及びピニオン軸を有するピニオンギヤを含み、
    前記第一部材は、前記フランジ部の外周面に接合される第一接合部と、前記ピニオンギヤに対して前記軸方向の一方側において前記ピニオン軸を支持する第一軸支持部と、を備え、
    前記第二部材は、前記第一部材に接合される第二接合部と、前記ピニオンギヤに対して前記軸方向の他方側において前記ピニオン軸を支持する第二軸支持部と、を備え、
    前記フランジ部の内部に形成されて前記径方向に延びる第一油路と、前記ピニオン軸の内部に形成された第二油路とが、前記第一部材の内部に形成された第三油路を介して連通しており、
    前記第一油路と前記第三油路とは、前記フランジ部の外周面と前記第一接合部との接合面において接続され
    前記回転軸における前記軸方向の端部に、前記軸方向に窪む凹部が形成され、
    前記凹部の内周面に、前記軸方向に延びるスプライン歯が形成され、
    前記回転軸が、前記フランジ部と前記スプライン歯を有する前記凹部とを冷間鍛造によって当該回転軸の軸部と一体的に形成した冷間鍛造部品である遊星歯車機構。
  2. 前記フランジ部の外周面と前記第一接合部との接合部における前記周方向の全域に亘って溶接部が形成され、
    前記第一油路と前記第三油路との接続部を含む前記周方向の領域を第一領域とし、前記第一油路と前記第三油路との接続部を含まない前記周方向の領域を第二領域として、
    前記第一領域における前記溶接部の前記軸方向の深さが、前記第二領域における前記溶接部の前記軸方向の深さよりも浅い請求項1に記載の遊星歯車機構。
  3. 軸方向に延びる回転軸と、前記回転軸と周方向に一体回転するキャリヤと、を備えた遊星歯車機構であって、
    前記回転軸は、当該回転軸の外周面に対して径方向の外側に突出するフランジ部を備え、
    前記キャリヤは、第一部材、第二部材、及びピニオン軸を有するピニオンギヤを含み、
    前記第一部材は、前記フランジ部の外周面に接合される第一接合部と、前記ピニオンギヤに対して前記軸方向の一方側において前記ピニオン軸を支持する第一軸支持部と、を備え、
    前記第二部材は、前記第一部材に接合される第二接合部と、前記ピニオンギヤに対して前記軸方向の他方側において前記ピニオン軸を支持する第二軸支持部と、を備え、
    前記フランジ部の内部に形成されて前記径方向に延びる第一油路と、前記ピニオン軸の内部に形成された第二油路とが、前記第一部材の内部に形成された第三油路を介して連通しており、
    前記第一油路と前記第三油路とは、前記フランジ部の外周面と前記第一接合部との接合面において接続され
    前記フランジ部の外周面と前記第一接合部との接合部における前記周方向の全域に亘って溶接部が形成され、
    前記第一油路と前記第三油路との接続部を含む前記周方向の領域を第一領域とし、前記第一油路と前記第三油路との接続部を含まない前記周方向の領域を第二領域として、
    前記第一領域における前記溶接部の前記軸方向の深さが、前記第二領域における前記溶接部の前記軸方向の深さよりも浅い遊星歯車機構。
  4. 対象部位に溶接部を形成する溶接工程を、前記フランジ部の外周面と前記第一接合部との接合部を少なくとも1周するように当該接合部に沿って前記対象部位を前記周方向に連続的に移動させながら行う工程を第一溶接工程とし、
    前記溶接工程を、前記第一油路と前記第三油路との接続部が形成された前記周方向の領域を除外しつつ前記フランジ部の外周面と前記第一接合部との接合部に沿って前記対象部位を前記周方向に移動させながら行う工程を第二溶接工程とし、
    前記第一溶接工程及び前記第二溶接工程の双方の実行により、前記フランジ部の外周面と前記第一接合部との接合部において前記溶接部が前記周方向の全域に亘って形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の遊星歯車機構。
  5. 軸方向に延びる回転軸と、前記回転軸と周方向に一体回転するキャリヤと、を備えた遊星歯車機構であって、
    前記回転軸は、当該回転軸の外周面に対して径方向の外側に突出するフランジ部を備え、
    前記キャリヤは、第一部材、第二部材、及びピニオン軸を有するピニオンギヤを含み、
    前記第一部材は、前記フランジ部の外周面に接合される第一接合部と、前記ピニオンギヤに対して前記軸方向の一方側において前記ピニオン軸を支持する第一軸支持部と、を備え、
    前記第二部材は、前記第一部材に接合される第二接合部と、前記ピニオンギヤに対して前記軸方向の他方側において前記ピニオン軸を支持する第二軸支持部と、を備え、
    前記フランジ部の内部に形成されて前記径方向に延びる第一油路と、前記ピニオン軸の内部に形成された第二油路とが、前記第一部材の内部に形成された第三油路を介して連通しており、
    前記第一油路と前記第三油路とは、前記フランジ部の外周面と前記第一接合部との接合面において接続され
    対象部位に溶接部を形成する溶接工程を、前記フランジ部の外周面と前記第一接合部との接合部を少なくとも1周するように当該接合部に沿って前記対象部位を前記周方向に連続的に移動させながら行う工程を第一溶接工程とし、
    前記溶接工程を、前記第一油路と前記第三油路との接続部が形成された前記周方向の領域を除外しつつ前記フランジ部の外周面と前記第一接合部との接合部に沿って前記対象部位を前記周方向に移動させながら行う工程を第二溶接工程とし、
    前記第一溶接工程及び前記第二溶接工程の双方の実行により、前記フランジ部の外周面と前記第一接合部との接合部において前記溶接部が前記周方向の全域に亘って形成されている遊星歯車機構。
  6. 前記第一油路及び前記第三油路の少なくとも一方が、前記第一油路と前記第三油路との接続部側の端部に、当該端部から離れた部分よりも前記周方向の流路幅が大きい幅広部を有している請求項1からのいずれか一項に記載の遊星歯車機構。
  7. 軸方向に延びる回転軸と、前記回転軸と周方向に一体回転するキャリヤと、を備えた遊星歯車機構であって、
    前記回転軸は、当該回転軸の外周面に対して径方向の外側に突出するフランジ部を備え、
    前記キャリヤは、第一部材、第二部材、及びピニオン軸を有するピニオンギヤを含み、
    前記第一部材は、前記フランジ部の外周面に接合される第一接合部と、前記ピニオンギヤに対して前記軸方向の一方側において前記ピニオン軸を支持する第一軸支持部と、を備え、
    前記第二部材は、前記第一部材に接合される第二接合部と、前記ピニオンギヤに対して前記軸方向の他方側において前記ピニオン軸を支持する第二軸支持部と、を備え、
    前記フランジ部の内部に形成されて前記径方向に延びる第一油路と、前記ピニオン軸の内部に形成された第二油路とが、前記第一部材の内部に形成された第三油路を介して連通しており、
    前記第一油路と前記第三油路とは、前記フランジ部の外周面と前記第一接合部との接合面において接続され
    前記第一油路及び前記第三油路の少なくとも一方が、前記第一油路と前記第三油路との接続部側の端部に、当該端部から離れた部分よりも前記周方向の流路幅が大きい幅広部を有している遊星歯車機構。
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