JP6466741B2 - シリカ製シェルと金属ケイ酸塩インターフェイスを有する鉄−コバルト系三元合金ナノ粒子 - Google Patents

シリカ製シェルと金属ケイ酸塩インターフェイスを有する鉄−コバルト系三元合金ナノ粒子 Download PDF

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Description

関連する出願の相互参照
本出願は、2014年3月5日に出願されたアメリカ合衆国出願第61/948,276号の優先権を主張するものであり、その開示内容の全体が参考としてこの明細書に組み込まれている。
本発明は、新規な被覆された超常磁性合金ナノ粒子と、そのような材料を調製する方法に関する。本発明は特に、シリカで被覆された鉄−コバルト系三元合金ナノ粒子に関するものであり、その合金とシリカ被覆の間に金属ケイ酸塩層を有する。
モータ、発電機、及び変圧器の磁性コアを構成するのに鉄−コバルト系合金が一般に用いられている。これまで、そのようなコアは、磁性合金(典型的には鉄−コバルト−バナジウム合金又は鉄−コバルト−クロム合金)のラミネート構造で構成されてきた。そのようなラミネート構造は、一般に、ラミネート間の絶縁層と結合層に挟まれた合金層からなる。これらラミネート間層は、磁性コアの大きな電気効率を保証する必要がある。
しかし、モータ、発電機、及び変圧器の性能を向上させるとともにより効率的にすることに対する要求がますます高まっているため、飽和磁気誘導が最大でヒステリシス損失がほとんどないか、あるいは全くないコンパクトな磁性コアを構成できる新規な材料の探索に拍車がかかっている。
そのような軟磁性コア成分の最も重要な特性は、その最大誘導特性、透磁率特性、及びコア損失特性である。磁性材料を急速に変化する磁場に曝露すると、その結果、コア材料の中でエネルギー損失が発生する。そのコア損失は、一般に、寄与が大きい2つの現象に分けられる。すなわちヒステリシス損失と渦電流損失である。ヒステリシス損失は、コア素子の中に保持される磁力に打ち勝つためのエネルギー消費から生じる。渦電流損失は、交流(AC)条件によって磁束が変化することが原因でコア素子の中に誘導電流が発生することによってもたらされる。
粉末化した磁性材料を用いると、形とサイズがさまざまな磁性部品を製造することができる。しかし、従来は、粉末化した磁性材料を固めてできたこれらの材料は、直流での用途に限られていた。直流での用途では、交流での用途とは異なり、渦電流を減らすために磁性粒子を互いに絶縁する必要がない。
従来は、磁性粒子を熱可塑性材料で被覆し、粒子間の障壁として機能させることで、誘導される渦電流損失を減らしている。しかし、そのような被覆は比較的高価であることに加え、プラスチックは物理的強度が小さいため、プラスチックで被覆した粒子を用いて製造した部品は機械的強度が比較的小さい。それに加え、プラスチックで被覆した粉末の多くは、圧縮するときに大量の結合剤を必要とする。これは、圧縮されたコアの密度の低下を招き、その結果、透磁率が低下し、誘導がより少なくなる。それに加え、重要なこととして、そのようなプラスチック被覆は、150〜200℃の温度で質が低下するのが一般的である。したがって、熱可塑性材料で被覆された磁性材料は用途が限られる。
これまで、軟磁性コア装置の製造には強磁性粉末が用いられてきた。そのような粉末は一般にミクロンを単位として測定されるサイズの範囲であり、バルク材料の機械的粉砕でサイズを小さくすることによって得られる。粒径が100nm未満の超常磁性ナノ粒子材料は、磁気記録イメージング、例えば医用イメージングのためのプローブ、での用途が見いだされるとともに、治療薬を体内に送り込むのに応用されている。しかし、超常磁性鉄酸化物ナノ粒子は一般にこれらの用途に限定されており、コア磁性部品の製造に用いるのに適した鉄−コバルト系三元合金ナノ粒子を開発する努力はほとんど払われてこなかった。
Brunner(アメリカ合衆国特許第7,532,099号)は、射出成形又は鋳造で軟磁性材料を製造するために、強磁性合金粉末と熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーとを用いた、被覆された合金粒子を記載している。鉄、銅、ニオブ、ケイ素、及びホウ素の合金を熱処理してナノ結晶構造を形成した後、ミルで粉砕して、サイズが約0.01〜1.0mmの粒子を得る。鉄とケイ素酸化物の150〜400nmの耐摩耗層でその粒子を被覆する。
Anandら(アメリカ合衆国特許第6,808,807号)は、被包された強磁性粉末を記載している。この粉末は、強磁性コアをポリ有機シロキサン又はポリ有機シランで被覆し、被覆したそのコアを熱処理してポリマーをケイ素と酸素を含む残留物に変換することによって得られる。コアの合金として、ケイ素、アルミニウム、ニッケル、コバルト、ホウ素、リン、ジルコニウム、ネオジミウム、及び炭素のいずれかと鉄の合金が可能である。平均直径が2mm未満の強磁性コア粒子がこの組成物に適している。
Gayら(アメリカ合衆国特許第6,193,903号)は、セラミックで被覆した強磁性粉末を記載している。この粉末は鉄又は鉄合金であり、粒子表面の被包層として、金属酸化物、金属窒化物、金属ケイ酸塩、及び金属リン酸塩などのセラミックの群から1つ選択可能である。粒径は5〜1000ミクロンである。被覆に適したセラミック材料の主要な群の1つとしてシリカが挙げられる。
Moorheadら(アメリカ合衆国特許第6,051,324号)は、ガラス、セラミック、又はセラミックガラスの二酸化ケイ素を含むもののいずれかで被覆した粒径が44ミクロン未満の鉄/コバルト/バナジウム合金粒子を記載している。
新子ら(アメリカ合衆国特許第5,763,085号)は、表面に多層膜を有する磁性粒子を記載している。この磁性粒子は、カラー磁性材料、例えば、磁性トナーの出発材料として有用である。この粒子はサイズは0.01〜200μmである。金属酸化物被覆として二酸化ケイ素が記載されるとともに、ゾルゲル法による調製が記載されている。錯化剤の存在下で可溶性金属塩を還元することによって粒子の表面に金属層を形成することが記載されている。
山中ら(アメリカ合衆国特許第4,983,231号)は、鉄−希土類金属合金をアルカリ変性シリカ粒子で処理することによって得られた表面改質磁性粉末を記載している。合金粒子の平均直径は20〜200μmである。アルカリケイ酸を加熱すると、脱水されて濃化し、“ポリシロキサン”被覆が形成される。
魚住ら(日本国特開2007−123703)は、鉄、コバルト、及びバナジウムの合金を含む平均粒径70ミクロンの軟磁性粉末にケイ酸塩膜を被覆することを記載している。被覆した粒子を熱処理してSiとOを軟磁性コアの中に移動させ、外側酸化物層と軟磁性コアの間に拡散ゾーンを形成する。
山田ら(日本国特開平03−153838)(要約)は、鉄/コバルト/バナジウム粉末を、ケイ素とアルコキシ基(例えばビニルトリエトキシシラン)を含む化合物で表面処理することを記載している。粒径や、合金粒子を製造する方法に関する記述はない。
Sunら(J.Am.Chem.Soc.、2002年、第124巻、8204〜8205ページ)は、サイズが20nmまでのより大きなナノ粒子に成長させる種として使用できる単分散マグネタイト・ナノ粒子の製造方法を記載している。
Bumbら(Nanotechnology、第19巻、2008年、335601ページ)は、約2nmのシリカ被覆層の中に被包された10〜40nmの超常磁性鉄酸化物ナノ粒子の合成を記載している。変圧器としての用途に言及されているが、コア構造の製造に関する記述はない。
Zhangら(Nanotechnology、第19巻、2008年、085601ページ)は、シリカで被覆された鉄酸化物粒子の合成を記載している。被覆される鉄酸化物粒子の平均サイズは8〜10nmであり、シリカ製コアは約2nmである。
服部ら(アメリカ合衆国特許出願公開2006/0283290)は、シリカで被覆した平均直径5〜25nmの窒化鉄粒子を記載している。粒子は“実質的に球形”であり、磁性層、例えば磁気記録媒体、として有用である。
Yuら(J.Phys.Chem.C、2009年、第113巻、537〜543ページ)は、シリカ製シェルの中に被包された磁性鉄酸化物ナノ粒子の調整を記載している。タンパク質の磁性結合剤としてのこの粒子の用途が研究されている。
したがって、軟磁性部品を製造するための新規な磁性粉末として、圧粉体強さが増大していて、高温耐性があり、力学的特性が優れていて、コア損失がわずかであるか、あるいは実質的にない磁性粉末が必要とされている。
この研究における以前の成果は、2012年7月26日に出願された従前のアメリカ合衆国出願第13/558,397号に記載されており、その開示内容の全体が参考としてこの明細書に組み込まれている。磁性コアへの応用は、2012年8月2日に出願された従前のアメリカ合衆国出願第13/565,250号に記載されており、その開示内容の全体が参考としてこの明細書に組み込まれている。
しかし、軟磁性部品を製造するための新規な磁性粉末及び/又は改善された磁性粉末として、圧粉体強さが増大していて、高温耐性があり、機械的特性が優れていて、コア損失がわずかであるか、あるいは実質的にない磁性粉末が必要とされている。
したがって、本発明の1つの目的は、高性能の磁性コアを製造するため、軟磁性部品の製造に適する調節可能な磁気特性を有すると同時に、増大した圧粉体強さ、高温耐性、及び高性能の磁性コアを製造するための優れた機械的特性を有する超常磁性粉末を提供することである。
本発明の第2の目的は、そのような超常磁性粉末のナノ粒子粉末を調製する方法を提供することである。
出願人は、未来の高性能のモータ、発電機、変圧器を製造するのに必要な特性を有する磁性コアの製造に役立つであろう材料の研究に努力と資源を傾注し続けている。一連のコア−シェルFeCoV/SiOナノ粒子を2段階の化学合成によって作製した。FeCoVコアと金属ケイ酸塩インターフェイス相がX線電子分光によって明らかにされた。これら金属ケイ酸塩インターフェイス相が存在することで磁気異方性(すなわち飽和保磁力)が顕著に増大する。この効果はSiO製シェルをより厚くすることによって大きくでき、その結果として、より多くの金属ケイ酸塩が形成される。磁気活性のあるこの金属ケイ酸塩インターフェイス層の構造とサイズを制御することにより、金属ケイ酸塩インターフェイス層は、これら材料を利用するための磁気特性を調節することができる。
上記の目的とそれ以外の目的は本発明によって達成され、その第1の実施態様は、下記を有するコア−シェルナノ粒子を提供する:
鉄−コバルト系三元合金のコア;
前記コアを被覆しているケイ素酸化物のシェル;及び
前記コアと前記シェルとの間の領域にある金属ケイ酸塩インターフェイス。
ここで、三元合金の第3の成分が、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ニッケル、銅、及び亜鉛からなる群から選択された遷移金属であり、ナノ粒子の粒径が2〜200nmであり、かつ金属ケイ酸塩インターフェイスの金属ケイ酸塩が、ケイ酸鉄、ケイ酸コバルト、及び第3の成分である遷移金属のケイ酸塩のうちの少なくとも1種類を含む。
本発明の好ましい実施態様の1つでは、金属ケイ酸塩インターフェイスは磁気活性を有する。
本発明の好ましい実施態様の別の1つでは、金属ケイ酸塩インターフェイスは、ケイ酸鉄、ケイ酸コバルト、及びケイ酸バナジウムを含んでいる。
さらに別の好ましい一実施態様では、コア−シェルナノ粒子のインターフェイスの領域の幅は0.1〜10nmである。
さらに別の好ましい一実施態様では、本発明は、下記を含む、第1実施形態のコア−シェルナノ粒子を調製する方法を提供する:
鉄塩、コバルト塩、及び遷移金属の塩のそれぞれを、アルカリ性アルコール溶液に溶かし、前記鉄塩、前記コバルト塩、及び鉄とコバルト以外の前記遷移金属塩の溶液を取得すること;前記溶液を還元剤で処理して、鉄−コバルト系三元合金のナノ粒子を生成させること;前記合金粒子をケイ素酸化物のシェルで被覆して、コア−シェルナノ粒子を取得すること;得られたコア−シェルナノ粒子を単離及び乾燥させること。
上記の段落は、全体的な導入として提供したものであり、以下の請求項の範囲を制限することは意図していない。本発明の好ましい実施態様は、さらなる利点とともに、添付の図面と組み合わせた以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されよう。
実施例で調製したコア−シェルナノ粒子のTEM画像を示す。 実施例で調製したコア−シェルナノ粒子のXPSスペクトルであり、ケイ酸バナジウムの詳細を示している。 実施例で調製したコア−シェルナノ粒子のXPSスペクトルであり、ケイ酸鉄の詳細を示している。 実施例で調製したコア−シェルナノ粒子のXPSスペクトルであり、ケイ酸コバルトの詳細を示している。
この明細書全体を通じ、特に断わらない限り、記載したあらゆる範囲には、その中のすべての値と範囲が含まれる。
この明細書では、「1つの」などの用語は「1つ以上」の意味を持つ。「からなる群から選択された」、「から選択された」などの表現には、記載されている材料の混合物が含まれる。「含む」などの用語は、特に断わらない限り、開かれた用語であり、「少なくとも…を含む」を意味する。
発明者は、コア損失として測定される磁性コアの効率を大きくするには、磁性コアが、磁気ヒステリシスの減少とともに渦電流の形成低下を示す必要があることを認識した。理論に拘束されないが、粒径をほぼ粒子の磁気ドメインのサイズに制御することが、磁性コアのヒステリシスを減少させるのに寄与する1つの因子であると考えられている。さらに、この明細書で発見して報告しているように、絶縁性シリカのシェルとコア粒子の間に磁気活性のある金属ケイ酸塩層が存在することが、コア−シェルナノ粒子の全体的な磁気特性に大きな影響を与えており、その結果として磁気異方性(すなわち飽和保磁力)が顕著に増大する。SiO製シェルの厚みを制御することで、金属ケイ酸塩層の厚みを制御することができる。その後、シェルの厚さが異なるコア−シェルナノ粒子を調製することによって磁気特性を制限内で調節することができる。
そこで本発明の第1の実施態様は下記を備える:鉄−コバルト系三元合金のコア;前記コアを被覆するケイ素酸化物のシェル;コアとシェルとの間の領域にある金属ケイ酸塩インターフェイス。三元合金の第3の成分は、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ニッケル、銅、及び亜鉛からなる群から選択した遷移金属である。好ましい実施態様では、第3の合金成分としてバナジウム又はコバルトが可能であり、最も好ましい第3の合金成分はバナジウムである。ナノ粒子の全体的なサイズとして1〜200nmが可能であり、2〜160nmであることが好ましく、3〜30nmが最も好ましい。
金属ケイ酸塩インターフェイスの金属ケイ酸塩は、ケイ酸鉄、ケイ酸コバルト、及び第3の成分である遷移金属のケイ酸塩のうちの少なくとも1種類を含んでいる。より好ましいのは、インターフェイスが、ケイ酸鉄とケイ酸コバルトを含んでいることであり、最も好ましいのは、インターフェイスが、ケイ酸鉄、ケイ酸コバルト、及び第3の金属のケイ酸塩を含んでいることである。非常に好ましい実施態様では、合金の第3の金属はバナジウム又はコバルトであり、金属ケイ酸塩層は、ケイ酸バナジウム又はケイ酸コバルトを含んでいる。
インターフェイス層の金属ケイ酸塩は磁気活性があり、インターフェイス層の幅は、シリカ製シェル被覆の幅に依存する。
インターフェイスの領域の幅は0.1〜10nmであり、0.1〜5nmであることが好ましい。しかし、上述のように、特別な目標特性を有するコア−シェルナノ粒子を実現するには別の幅が好ましい可能性がある。
合金組成に制限はなく、本発明ではこれまでに知られている任意の組成を用いることができる。一般に、第3の成分は、合金ナノ粒子の0.1〜5モル%を占めることができる。
好ましい実施態様では、三元合金は、鉄、コバルト、及びバナジウムからなり、バナジウムの濃度は2モル%以下である。
別の好ましい一実施態様では、三元合金は鉄−コバルト−クロム合金であり、クロムの濃度は1モル%以下である。
ケイ素酸化物のシェルは、合金ナノ粒子の上に直接被覆され、適切な任意の幅にすることができる。非常に好ましい一実施態様では、シェルのケイ素酸化物は二酸化ケイ素である。
本発明の三元合金コア−シェルナノ粒子は、下記を含む工程によって調整することができる:
鉄塩、コバルト塩、及び鉄とコバルト以外の遷移金属塩のそれぞれをリガンドの存在下でアルカリ性アルコール溶液に溶かしてこれら金属塩の溶液を取得すること;
前記溶液を還元剤で処理して鉄−コバルト系三元合金のナノ粒子を生成させること;
前記合金粒子をケイ素酸化物のシェルで被覆してコア−シェルナノ粒子を取得し、得られたコア−シェルナノ粒子を単離及び乾燥させること。
好ましい一実施態様では、還元剤は金属水素化物であり、ホウ水素化ナトリウムが最も好ましい。
合金ナノ粒子は半導性材料又は非導電性材料で直接被覆することができる。前記被覆は下記によるケイ素酸化物のシェルであることが好ましい:合金ナノ粒子をトリアルキルアミン水溶液の中に分散させること;テトラアルキルオルトシリケートを前記分散液に添加すること;前記オルトシリケートを反応させてケイ素酸化物を形成することによってナノ粒子の表面にケイ素酸化物の被覆を形成すること。
用いる鉄塩、コバルト塩、及び遷移金属塩は、アルカリ性アルコール溶媒に溶ける限り制限はない。鉄とコバルト以外の遷移金属は、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ニッケル、銅、及び亜鉛からなる群から選択する。塩はハロゲン化物であることが好ましく、塩化物であることがより好ましい。
非常に好ましい実施態様では、鉄とコバルト以外の遷移金属はバナジウム又はクロムであり、バナジウム、又はクロムのハロゲン化物が金属供給源として使用される。
アルカリ性アルコール溶液は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、及び2−ブタノールからなる群より選択した少なくとも1種類のアルコールを含んでいる。好ましい一実施態様では、アルコールはエタノールである。
金属ナノ粒子の表面に配位させるのに有効な任意のリガンドを使用できる。好ましい一実施態様では、クエン酸ナトリウムがキレート剤であり、三塩基性クエン酸ナトリウムが好ましい。別の一実施態様では、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム・リガンドを使用する。好ましいハロゲン化テトラアルキルアンモニウム・リガンドは塩化テトラブチルアンモニウム又はテトラオクチルアンモニウムブロミドである。
金属イオンを還元して金属の状態にできる任意の還元剤を使用することが可能である。好ましい一実施態様では、還元剤は水素化ホウ素ナトリウムである。
ここまでで本発明を全体的に記述し終えたため、この明細書に提示したいくつかの具体的な実施例を参照することによってさらなる理解を得ることができる。ただし、特に断わらない限り、実施例は単なる説明を目的としたものであり、本発明を制限する意図はない。
本発明のさらなる利点と他の特徴は、一部は、以下の記述の中に現われるであろうし、一部は、以下の内容を検討した当業者に明らかになるか、本発明を実施することによって学習できよう。本発明の利点は、添付の請求項で特に指摘したようにして実現して得ることができる。本発明には他の異なる実施態様が可能であることがわかるであろう。そのいくつかの細部は、明白なさまざまな点を改変することが可能であり、それはすべて、本発明の範囲を逸脱することなく実現できる。この点に関し、この明細書は本来的に例示として理解すべきであり、本発明を制限するものであると理解してはならない。
1リットルの五つ口丸底フラスコに、105mlのエタノールと、0.043gのNaOHと、1.201gのテトラオクチルアンモニウムブロミドと、2.100gの二塩化鉄四水和物と、2.401gの二塩化コバルト六水和物と、0.0763gの三塩化バナジウムを添加した。この混合物を撹拌して完全に溶かした。反応物を氷浴の中で冷却し、アルゴン不活性雰囲気下に置いた。次に、2.4448gのホウ水素化ナトリウムを90mlのエタノールに溶かした溶液をゆっくりと添加した。水素化ホウ素ナトリウム溶液をすべて添加した後にこの反応物をさらに10分間撹拌した。次に、得られたスラリーを水とエタノールの70/30混合物で4回洗浄した(各回200ml)。3.3mlのトリエチルアミンを126mlの水に溶かした溶液を反応フラスコに添加した。得られた混合物をさらに10分間撹拌してFe49%Co49%2%のナノ粒子を分散させた。次に、0.3mlのオルトケイ酸テトラエチルを含む78mlのエタノールを添加してさらに10分間反応させた。最後に、これを200mlのエタノールで3回洗浄した。その後、シリカで被覆されたナノ粒子を単離及び乾燥させた。
次に、乾燥させたコア−シェル粒子をX線電子分光で調べたところ、図2、図3、及び図4に示したように、FeCoV/SiOの中に金属ケイ酸塩が存在することが明らかになった。

Claims (10)

  1. 下記を備えるコア−シェルナノ粒子であって:
    鉄−コバルト系三元合金のコア;
    前記コアを被覆しているケイ素酸化物のシェル;及び
    前記コアと前記シェルとの間の領域にある金属ケイ酸塩インターフェイス;
    前記三元合金の第3の成分が、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ニッケル、銅、及び亜鉛からなる群より選択される遷移金属であり、
    前記ナノ粒子の粒径が2〜200nmであり、
    前記金属ケイ酸塩インターフェイスの金属ケイ酸塩が、ケイ酸鉄、ケイ酸コバルト、及び第3の成分である遷移金属のケイ酸塩のうちの少なくとも1種類を含む、
    コア−シェルナノ粒子。
  2. 前記金属ケイ酸塩インターフェイスが磁気活性を有する、請求項1に記載のコア−シェルナノ粒子。
  3. 前記金属ケイ酸塩インターフェイスがケイ酸鉄及びケイ酸コバルトを含む、請求項1に記載のコア−シェルナノ粒子。
  4. 前記インターフェイスの領域の幅が0.1〜10nmである、請求項1に記載のコア−シェルナノ粒子。
  5. 前記鉄−コバルト系三元合金が鉄−コバルト−バナジウム合金である、請求項1に記載のコア−シェルナノ粒子。
  6. 前記金属ケイ酸塩インターフェイスが、ケイ酸鉄、ケイ酸コバルト、及びケイ酸バナジウムを含む、請求項5に記載のコア−シェルナノ粒子。
  7. 前記鉄−コバルト系三元合金が鉄−コバルト−クロム合金である、請求項1に記載のコア−シェルナノ粒子。
  8. 前記金属ケイ酸塩インターフェイスが、ケイ酸鉄、ケイ酸コバルト、及びケイ酸クロムを含む、請求項5に記載のコア−シェルナノ粒子。
  9. 前記シェルのケイ素酸化物が二酸化ケイ素である、請求項1に記載のコア−シェルナノ粒子。
  10. 前記ナノ粒子の粒径が2〜160nmである、請求項1に記載のコア−シェルナノ粒子。
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