JP6466055B2 - 水生生物観賞施設 - Google Patents

水生生物観賞施設 Download PDF

Info

Publication number
JP6466055B2
JP6466055B2 JP2013153800A JP2013153800A JP6466055B2 JP 6466055 B2 JP6466055 B2 JP 6466055B2 JP 2013153800 A JP2013153800 A JP 2013153800A JP 2013153800 A JP2013153800 A JP 2013153800A JP 6466055 B2 JP6466055 B2 JP 6466055B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aquarium
space
facility
water tank
aquatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013153800A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015023805A (ja
Inventor
岡村 耕治
耕治 岡村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP2013153800A priority Critical patent/JP6466055B2/ja
Publication of JP2015023805A publication Critical patent/JP2015023805A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6466055B2 publication Critical patent/JP6466055B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)

Description

本発明は、水族館などの水生生物観賞施設などに関連する。より詳細には、大型の水槽構造体が配置された水生生物観賞施設などに関連する。
水族館などの水生生物観賞施設は、主に、海・河川・湖沼や水辺などで生育する生物を収集・展示する施設である。多くの場合、水槽などに、魚介類・無脊椎動物・両生類・海獣類・爬虫類・ペンギン・水草・サンゴなどが入れられ、公開されている。
近年、大型水槽を備える水生生物観賞施設が増加しており、全体として、水槽を大型化する傾向が強まっている。水槽を大型化することにより、比較的大型の水生生物も水槽内に収容でき、また、それらが水中を遊泳する姿を、自然界における実際の生態に近い状態で観賞できる。加えて、展示面が大きく、展示面のすぐ近くから水生生物を観賞できるため、観賞者に対し、臨場感・迫力感を与えることができる。そのため、水槽の大型化は、水生生物観賞施設における集客力の向上に大きく寄与している。
なお、先行文献として、例えば、特許文献1には、大規模水槽を有する建築物が、特許文献2には海産熱帯魚水槽にトンネルが貫通し、トンネル内から海水熱帯魚を観賞する構成が、特許文献3には、海底散歩体験施設が、特許文献4には、観賞用水槽が、それぞれ記載されている。
実用新案登録第3146272号公報 特開平8−312174号公報 特開平4−404661号公報 特開2002−84921号公報
上述の通り、水生生物観賞施設における水槽の大型化により、大型の水生生物などを、自然界における実際の生態に近い状態で収容・展示することが可能になり、かつ観賞者に対し、臨場感・迫力感を与えることが可能になった。一方、水槽の建設費用、維持・運転費用は、水槽の大きさ・水量などにほぼ比例して増大するという課題がある。
そこで、本発明は、大型の水生生物などを収容でき、実際の生態に近い状態で展示でき、かつ観賞者に与えるスケール感・臨場感・迫力感などの印象を維持しつつ、水槽の建設・維持・運転費用を低減できる手段を提供することなどを目的とする。
本発明では、水生生物を観賞できる水生生物観賞施設であって、該施設内には、大型水槽構造体と、該大型水槽構造体の外周側から水生生物を観賞する外側観賞用空間とが配置され、前記大型水槽構造体は、上下方向略筒状に形成され、外壁面及び内壁面が透明部材で形成され、前記外壁面と前記内壁面とで挟まれた領域に前記水生生物が収容される水槽部と、前記水槽部の前記内壁面に囲繞された内側観賞用空間と、前記内側観賞用空間の天面を構成し、透明部材と該部材上に形成された透明又は半透明の液面とを有する天面部と、を備え、前記天面部を介した前記内側観賞用空間への自然光及び/又は人工光の採光が可能な構造を有するとともに、前記施設内において、前記外側観賞用空間及び前記内側観賞用空間から水生生物を観賞できる水生生物観賞施設を提供する。
この水生生物観賞施設では、大型水槽構造体の水槽部に水生生物が収容される。水槽部は上下方向略筒状に形成されており、水槽部の外周距離(即ち、水生生物の遊泳可能な距離)及び高さは、本発明における大型水槽構造体と同じ容積の既存の大型水槽と同じである。従って、本発明に係る構成により、既存の大型水槽と同様、比較的大型の水生生物も水槽部内に収容でき、また、泳ぎ方・群れの有無・泳ぎのスピードなど、自然界における実際の生態に近い状態で水中を遊泳する姿を観賞できる。
この水生生物観賞施設では、施設内に、大型水槽構造体と、その外周側から水生生物を観賞する外側観賞用空間とが配置される。大型水槽構造体の外周、即ち、水槽部の外壁面は透明部材で形成されており、大型の展示面が形成されている。そのため、外側観賞用空間にいる観賞者は、大型水槽構造体の外周に形成された大型の展示面と対面し、展示面のすぐ近くから水生生物を観賞することが可能である。従って、本発明では、外側観賞用空間にいる観賞者に対し、臨場感・迫力感を与えることができる。また、本発明では、視覚上、水槽部と内側観賞用空間が一体化し、大型水槽構造体の全体に飼育水が充填されている印象を、外側観賞用空間にいる観賞者に与えることができるため、既存の大型水槽と同等のスケール感を与えることができる。
一方、本発明に係る大型水槽構造体は、水生生物を収容する水槽部が上下方向略筒状に形成されており、中空部分には飼育水が充填されていない。従って、この大型水槽構造体と同等の容積を有する既存の大型水槽と比較して、水槽部内に充填する飼育水を大幅に減量できる。これにより、重量負荷を軽減でき、水槽設置箇所における必要強度を下げることができるため、初期費用、即ち、水槽建設時の費用などを大幅に削減できる。また、水槽の容積を小さくできるため、稼働後も、飼育水の交換費用、及び、水槽の保守・点検・交換・修繕費用などを大幅に削減できるほか、清掃・ろ過などの作業も低労力で効率的に行うことができ、維持・運転費用も大幅に削減できる。
本発明では、大型水槽構造体内の中空部分を内側観賞用空間とするとともに、その内側観賞用空間の天面を構成し、透明部材と、該部材上に形成された透明又は半透明の液面とを有する天面部を備える。また、この施設は、天面部を介して前記内側観賞用空間への自然光・人工光の採光が可能な構造を有する。これにより、内側観賞用空間にいる観賞者は、大型水槽構造体内の水槽部の内壁面を構成する大型の展示面と対面し、展示面のすぐ近くから水生生物を観賞できる。そして、内側観賞用空間は大型の展示面に包囲されており、また、その天面部では液面の揺れにより光が屈曲するため、内側観賞用空間にいる観賞者は、大型の展示面に包囲されることによる臨場感・迫力感に加え、水中にいて、水底から水生生物を観賞する感覚、その際の水面の変動の美しさなどを疑似体験できる。
本発明では、水槽部を介して、外側観賞用空間と内側観賞用空間の両方に大型の展示面が形成されているため、本発明における大型水槽構造体と同じ容積の既存の大型水槽と比較して、展示面の面積が大幅に増加する。従って、より多くの観賞者が、水槽のすぐ近傍から水生生物などを観賞できるという利点もある。
加えて、本発明では、大型水槽構造体内に中空部分が形成されているため、水槽の内部において、様々な空間演出を少ない制約の中で自由に行うことが可能である。従来、水生生物観賞施設では、観賞者が水生生物を観賞でき、かつ水生生物が観賞者に驚かないようにするため、観賞用空間を暗くし、水槽内を明るくするなどの演出が施されていることが多い。また、例えば、観賞者が水中にいるような感覚を体験できるように、色彩・音響などの演出を施すことも多い。しかし、水槽内には飼育水が充填されているため、水槽内から光などによる演出を自由に行うことは難しく、空間演出上の制約が多かった。それに対し、本発明では、大型水槽構造体内に中空部分が形成されており、飼育水の充填されていない空間が形成されているため、水槽の内部において、光・音・映像・オブジェなど、様々な空間演出を少ない制約の中で自由に行うことが可能である。これにより、水生生物の展示と協調し、透明部材で形成された展示面や、水槽部内や天面部などに存在する液体などの透明性・反射・屈折などの性質を利用して、従来の大型水槽では行うことのできなかった様々な空間演出を行うことが可能となる。
本発明により、水生生物観賞施設において、大型水槽のスケール感を保持し、観賞者に与える臨場感・迫力感などの印象を維持しつつ、水槽建設時の費用、稼働後の維持・運転費用などを低く抑えることができる。
本発明に係る水生生物観賞施設について、以下、図1〜図5を用いて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに狭く限定されない。
図1は、本発明に係る水生生物観賞施設の例を示す断面模式図、図2は同外観斜視模式図である。
図1又は図2の水生生物観賞施設Aでは、同施設内Aに、大型水槽構造体1と、大型水槽構造体1の外周11側から水生生物Fを観賞する外側観賞用空間2とが配置され、大型水槽構造体1は、上下方向略筒状に形成され、外壁面31及び内壁面32が透明部材で形成され、その外壁面31と内壁面32とで挟まれた領域に飼育水W1が充填され、その中に水生生物Fが収容される水槽部3と、水槽部3の内壁面32に囲繞された内側観賞用空間4と、内側観賞用空間4の天面41を構成し、透明部材と該部材上に形成された透明又は半透明の液面W2とを有する天面部5と、を備え、天面部5を介して内側観賞用空間4への自然光及び/又は人工光の採光が可能な構造(符号X参照)を有するとともに、施設A内において、外側観賞用空間2及び内側観賞用空間4から水生生物Fを観賞できる構成を備える。両図では、外側観賞用空間2にいる観賞者P2は大型水槽構造体1の外側から、内側観賞用空間にいる観賞者P4は大型水槽構造体1の内側から、それぞれ、水槽部3内の水生生物Fを観賞している。その他、図2では、外側観賞用空間2と内側観賞用空間4を連結する通路Tが形成されている。
水生生物観賞施設Aは、水族館など、主に、海・河川・湖沼や水辺などで生育する生物を収集・展示する施設である。本発明では、少なくとも水槽部3内に水生生物Fを収容し、展示する施設であればよく、例えば、他の目的・用途を含む建築物などの中に構築されている場合なども広く包含される。
水生生物Fは、自然界において、海・河川・湖沼・水辺などに生育する生物で、水槽部3内に収容・展示が可能なものであればよく、生物種などにより、狭く限定されない。例えば、魚介類・無脊椎動物・両生類・海獣類・爬虫類・ペンギン・水草・サンゴなどを適用可能である。また、淡水域に生息する種・汽水域に生息する種・海水域に生息する種などをすべて包含する。
大型水槽構造体1は、既存の大型水槽、即ち、飼育水を充填し、その中に水生生物を収容する槽と、透明部材で形成される展示面と、を備えた設備を代替する部位であり、水槽部3と内部観賞用空間4と天面部5とを備える。
大型水槽構造体1の外周11、即ち、水槽部3の外壁面31は、透明部材で形成され、大型の展示面を形成しており、外側観賞用空間2にいる観賞者P2に対し、視覚上、水槽部3と内側観賞用空間4が一体化し、大型水槽構造体1の全体に飼育水W1が充填されている印象を与える。従って、大型水槽構造体1の容積を大型化することにより、観賞者P2に対し、同じ容積の既存の大型水槽と同等のスケール感を与えることができる。
大型水槽構造体1の形状は、目的・用途・美観などにより適宜設計することができ、特に限定されないが、水槽部3の形状に規定される。外観上、例えば、円柱状、だ円柱状、多角柱状などの形態を採り得る。
大型水槽構造体1の容積は、1,000m3以上が好適であり、2,000m3以上がより好適であり、4,000m3以上が最も好適である。また、大型水槽構造体1の容積の上限は特に限定されないが、水圧を支える透明部材の強度・耐久性などの観点から、100,000m3以下が好適であり、60,000m3以下がより好適であり、40,000m3以下が最も好適である。
大型水槽構造体1の高さ、即ち、水槽部3の高さ(図1中、符号d参照)は、6m以上が好適であり、8m以上がより好適であり、10m以上が最も好適である。また、大型水槽構造体1又は水槽部3の高さの上限は特に限定されないが、水圧を支える透明部材の強度・耐久性などの観点から、50m以下が好適であり、40m以下がより好適であり、30m以下が最も好適である。
外側観賞用空間2は、観賞者P2が大型水槽構造体1の水槽部3内に収容された水生生物Fなどを大型水槽構造体1の外周側から観賞するための空間である。外側観賞用空間2にいる観賞者P2は、大型水槽構造体1の外周11に形成された大型の展示面、即ち、水槽部3の外壁面31と対面し、展示面のすぐ近くから水生生物を観賞することができる。また、本発明に係る構成では、外側観賞用空間にいる観賞者P2に対し、視覚上、水槽部3と内側観賞用空間4が一体化し、大型水槽構造体1の全体に飼育水W1が充填されている印象を与えることができる。
水槽部3は、大型水槽構造体1の構成要素であり、上下方向略筒状に形成され、外壁面31及び内壁面32が透明部材で形成され、外壁面31と内壁面32とで挟まれた領域に飼育水W1が充填され、その中に水生生物Fが収容される。
水槽部3の形状は、上下方向略筒状で、内側観賞用空間4となる中空部分が形成されていればよく、特に限定されない。例えば、外壁面31及び内壁面32の水平断面形状が、それぞれ、略円形、略だ円形、略多角形などの形態を採り得る。
水槽部の幅、即ち、外壁面31と内壁面32との間隔は、目的・用途・美観などにより適宜設計することができ、特に限定されないが、作業員が水槽部3内で清掃などの作業を容易に行うことが可能な幅、例えば、好適には1.5m以上、より好適には2.0m以上、最も好適には3.0m以上の幅に設定することができる。
水槽部3の外壁面31は、外側観賞用空間2と対面する大型の展示面であり、必ずしも全面である必要はないが、原則的には略全面に亘って透明部材で形成される。外側観賞用空間2にいる観賞者P2は、水槽部3の外壁面31を介して、水槽部3内の水生生物F、さらにはその奥の内側観賞用空間4内の演出を観賞する。水槽部3の外壁面31には、水槽部3内の飼育水W1を貯留する役割も有する。
水槽部3の内壁面32は、内側観賞用空間4と対面する大型の展示面であり、必ずしも全面である必要はないが、原則的には略全面に亘って透明部材で形成される。内側観賞用空間4にいる観賞者P4は、四方を内側面32に包囲され、水槽部3の内側面32を介して、水槽部3内の水生生物Fを観賞する。水槽部3の内壁面32には、外壁面31と共同して、水槽部3内の飼育水W1を貯留する役割も有する。
水槽部3の外壁面31及び内壁面32の材質は、透明部材であって、水槽部3内に貯留する飼育水W1による水圧に耐えうる強度・耐久性を備えたものであればよく、公知のものを広く採用でき、特に限定されない。本発明に適用できる透明部材として、例えば、ガラス製、アクリル樹脂製のものなどが挙げられる。
飼育水W1は、水槽部3内で飼育する水生生物の生育に適した水であり、水槽部3の外壁面31及び内壁面32に貯留する。飼育水W1は、飼育する水生生物の生育に適した水であればよく、特に限定されないが、例えば、天然の淡水・汽水・海水や、成分を人工的に調整した人工水などを適宜用いることができる。
内側観賞用空間4は、水槽構造体1内の中空部分に位置し、水槽部3の内壁面32に囲繞されている。この内側観賞用空間4は、観賞者P4が大型水槽構造体1の水槽部3内に収容された水生生物Fなどを大型水槽構造体1の内部から観賞するための空間である。内側観賞用空間4にいる観賞者P4は、大型水槽構造体1内の水槽部3の内壁面32を構成する大型の展示面に包囲され、水底から水生生物Fを観賞する感覚で、展示面のすぐ近くから水生生物Fを観賞できる。
上述の通り、本発明では、水槽部3を介して、外側観賞用空間2と内側観賞用空間4の両方に大型の展示面31、32が形成されているため、本発明における大型水槽構造体1と同じ容積の既存の大型水槽と比較して、展示面の面積が大幅に増加する。従って、より多くの観賞者P2、P4が、水槽のすぐ近傍から水生生物Fなどを観賞できるという利点がある。また、例えば、外側観賞用空間2内、及び/又は、内側観賞用空間4内の展示面31、32近傍の、床面よりも高い位置で水生生物Fを観賞可能な観賞用台床部(図示せず。)が配置された構成の場合、床面上からに加え、その上方に一段階又は二段階以上形成された観賞用台床部上からも同時に水生生物Fなどを観賞できるため、さらに多くの観賞者が、水槽のすぐ近傍から同時に水生生物Fなどを観賞できる。なお、観賞用台床部は、例えば、観賞用空間3、4内に、階段、通路、バルコニーなどを適宜設置することにより、形成することができる。
なお、内側観賞用空間4への出入手段については、公知の手段を広く採用でき、特に限定されない。例えば、図2に示すように、水槽部3を横切るトンネル(同図中、符号T)を形成することにより出入可能な構造にしてもよいし、チューブ状の通路で水槽部3の内外を連結することにより出入可能な構造にしてもよい。その他、階段などを形成し、水槽部3を横切らずに出入できる構造にしてもよい。
天面部5は、内側観賞用空間4の天面41を構成する部位で、透明部材と、該部材上に形成された透明又は半透明の液面W2とを有する。天面部5において、天面41を透明部材で形成するとともに、その上に透明又は半透明の液体が張られていることにより、水槽構造体1の外部から内側観賞用空間4に採光することが可能となる。また、天面部5に液体を張ることで、液面W2の揺れにより光が屈曲するため、内側観賞用空間4にいる観賞者P4は、大型の展示面に包囲されることによる臨場感・迫力感に加え、水中にいて、水底から水生生物を観賞する感覚、その際の水面の変動の美しさなどを疑似体験できる。
天面部5において用いる透明部材は、上記と同様のものを広く採用できる。
透明又は半透明の液面W2を透明部材上に形成するために用いる液体は、無色又は有色の透明又は半透明の液体であればよく、特に限定されない。例えば、天面部5を略受け皿状に形成し、その中に液体を貯留させることにより液面W2を形成してもよいし、天面部5と水槽部3とを連結し、天面部5の透明部材上に飼育水を滴下・供給などし、その部材上に液面W2を形成するとともに、その液体が水槽部3に流れ込む構成にしてもよい。液面W2の厚さは、少なくとも天面部5の透明部材上に液体が原則として全面に亘って存在する状態になっていれば多く、特に限定されないが、液面W2を厚くすると、即ち、天面部5の透明部材上の液体を多くすると、透明部材にその重みが負荷されるため、液面W2の厚さを一定以上にしない方が好ましい。
例えば、天面部5と水槽部3の内壁面32との接続部分が略円弧状に形成された構成にしてもよい(図1中、符号51参照)。これにより、天面部5と水槽部3の内壁面32との境界部分を目立たなくすることができるため、内側観賞用空間4にいる観賞者P4が天面41を見上げた際、観賞者P4に対し、視覚上、空間が限定されず、より広い空間である印象を与えることができる。
本発明に係る水生生物観賞施設Aでは、天面部5を介して内側観賞用空間4への自然光及び/又は人工光の採光が可能な構造を有していることが好ましい(図1又は図2中、符号X参照)。
例えば、図1又は図2のように、施設Aに透明窓などの採光手段A1が形成されていることにより、天面部5を介して内側観賞用空間4へ自然光が到達できる構造になっていてもよいし、採光手段A1に加えて、人工光による補光を行う構造になっていてもよい。また、施設Aに採光手段A1などが特に形成されていない場合であっても、天面部5を介して内側観賞用空間4へ人工光が到達できる構造になっていればよい。なお、人工光を用いる手段については、公知の手段を広く採用できる。人工光を用いる場合、例えば、光の強度・色などを適宜人為的に調整できる。
その他、上記の通り、内側観賞用空間4は水槽構造体1内の中空部分に形成されており、飼育水W1の充填されていない空間を形成しているため、水槽部3の内部において、光・音・映像・オブジェなど、様々な空間演出を少ない制約の中で自由に行うことが可能である。これにより、例えば、水生生物の展示と協調し、天面部5を介した採光も利用し、透明部材で形成された展示面や、水槽部3内や天面部5などに存在する液体W1、W2などの透明性・反射・屈折などの性質も利用して、従来の大型水槽では行うことのできなかった様々な空間演出を行うことが可能となる。
続いて、図3〜図5は、本発明に係る大型水槽構造体1において、水槽部内を複数の領域に分割する場合の例を示す外観斜視模式図である。
本発明では、水槽部3を上下方向略筒状に形成したことにより、従来の大型水槽と比較してより簡易かつ低コストで、水槽部3内を複数の領域に分割することが可能となる。この場合、同じ数の水槽を個別に展示した場合と比較して、同じ数・容量の飼育スペースを確保しつつ、観賞者に対し、全体として、既存の大型水槽のようなスケール感、水底から水生生物を観賞する感覚などを疑似的に体感させることができる。加えて、例えば、水槽部内が、複数の領域に分割された構成を採用することにより、領域ごとに水の交換・清掃・ろ過などの作業をより低労力かつ効率的に行うことができるため、維持・運転費用をさらに削減できる。その他、捕食生物と被食生物を分離して各領域にそれぞれ収容したり、淡水生物と海水生物など、飼育環境の異なる生物を各領域にそれぞれ収容したりすることで、それらの生物を同時に展示・公開することが可能になる。
図3では、水槽部3と内側観賞用空間4と天面部5を備えた大型水槽構造体1において、水槽部3内に、略鉛直方向に形成された仕切り部材6、6を設置することにより、水槽部3内が2つの領域R1、R2に分割されている。
図4では、水槽部3と内側観賞用空間4と天面部5を備えた大型水槽構造体1において、水槽部3内に、略周方向に形成された仕切り部材6を設置することにより、水槽部3内が2つの領域R1、R2に分割されている。
図5では、水槽部3と内側観賞用空間4と天面部5を備えた大型水槽構造体1において、水槽部3内に、略水平方向に形成された仕切り部材6を設置することにより、水槽部3内が2つの領域R1、R2に分割されている。なお、図5では、領域R2の清掃・保守などを簡易に行うことができるように、領域R2に作業員が出入りするための経路R21が形成されている。例えば、図5のように、水槽部3内を略水平方向に形成された仕切り部材6などで分割した場合、各領域R1、R2における水深をそれぞれ小さくできるため、水槽部3内における各水槽面への水圧の負荷を比較的簡易に軽減できるという利点がある。
なお、本発明は、上記の大型水槽構造体1において、少なくとも水槽部内が複数の領域に分割されたものを全て包含し、例えば、いくつの領域に分割されているかなどにより、狭く限定されない。
また、本発明は、図3〜図5のように、略鉛直方向に形成された仕切り部材、略周方向に形成された仕切り部材、略水平方向に形成された仕切り部材などを用いて水槽部3内を複数の領域に分割した場合の他、それらを組み合わせて水槽部3内を複数の領域に分割した場合、若しくはそれ以外の形状・手段などにより、水槽部3内を複数の領域に分割した場合などについても、広く包含する。
水槽部3内を複数の領域に分割する場合において、仕切り部材6を上記と同様の透明部材で形成することにより、視覚上、水槽部3内に仕切り部材6が存在を、外側観賞用空間2及び内側観賞用空間4にいる観賞者にほとんど気付かれないまま、水生生物を展示・公開することができる。従って、観賞者は、本来は同一の水槽内に収容して展示することが難しい水生生物が、自然界における実際の生態に比較的近い状態で水中を遊泳する姿を観賞することができる。
本発明に係る水生生物観賞施設の例を示す断面模式図。 本発明に係る水生生物観賞施設の例を示す外観斜視模式図。 本発明に係る大型水槽構造体において、水槽部内を複数の領域に分割する場合の例を示す外観斜視模式図(略鉛直方向に形成された仕切り部材を設置した場合)。 本発明に係る大型水槽構造体において、水槽部内を複数の領域に分割する場合の別の例を示す外観斜視模式図(略周方向に形成された仕切り部材を設置した場合)。 本発明に係る大型水槽構造体において、水槽部内を複数の領域に分割する場合のさらに別の例を示す外観斜視模式図(略水平方向に形成された仕切り部材を設置した場合)。
1 水槽構造体
2 外側観賞用空間
3 水槽部
4 内側観賞用空間
5 天面部
6 仕切り部材
A 水生生物観賞施設
F 水生生物
P 観賞者
W1 飼育水
W2 天面部の液面

Claims (2)

  1. 水生生物を観賞できる水生生物観賞施設であって、
    該施設内には、容積が1,000m 3 以上である大型水槽構造体と、該大型水槽構造体の外周側から水生生物を観賞する、床面を有した外側観賞用空間とが配置され、
    前記大型水槽構造体は、
    上下方向略筒状に形成され、展示面となる外壁面及び内壁面が透明部材で形成され、前記外壁面と前記内壁面とで挟まれた領域に飼育水が充填され前記水生生物が収容される、高さが6m以上の水槽部と、
    前記水槽構造体内の中空部分であり、前記水槽部の前記内壁面に囲繞され、前記飼育水が充填されていない、床面を有した内側観賞用空間と、
    前記内側観賞用空間の天面を構成し、略受け皿状の透明部材及び該部材内に液体を貯留させることで形成された透明又は半透明の液面を有する天面部と、を備え、
    前記施設に採光手段が形成されることで、前記天面部を介して前記内側観賞用空間へ自然光が到達できる構造を有するとともに、
    前記施設内において、前記外側観賞用空間及び前記内側観賞用空間の前記床面上から水生生物を観賞できる水生生物観賞施設。
  2. 前記水槽部内が、複数の領域に分割された請求項1記載の水生生物観賞施設。
JP2013153800A 2013-07-24 2013-07-24 水生生物観賞施設 Expired - Fee Related JP6466055B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013153800A JP6466055B2 (ja) 2013-07-24 2013-07-24 水生生物観賞施設

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013153800A JP6466055B2 (ja) 2013-07-24 2013-07-24 水生生物観賞施設

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015023805A JP2015023805A (ja) 2015-02-05
JP6466055B2 true JP6466055B2 (ja) 2019-02-06

Family

ID=52489049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013153800A Expired - Fee Related JP6466055B2 (ja) 2013-07-24 2013-07-24 水生生物観賞施設

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6466055B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6260939B2 (ja) * 2014-10-22 2018-01-17 Jfeエンジニアリング株式会社 マグロの陸上飼育装置
CN106386634A (zh) * 2016-08-29 2017-02-15 青岛科拓恒通乳酸菌产业化开发研究院有限公司 一种海水水族养殖废水高效循环利用的装置及方法
CN106212349A (zh) * 2016-09-29 2016-12-14 中国长江三峡集团公司中华鲟研究所 一种匙吻鲟苗种培育方法和装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61193764U (ja) * 1985-05-24 1986-12-02
JPH0739751B2 (ja) * 1989-06-07 1995-05-01 ジヤツク・エス.レビイ 人間および海洋生物の共同居住のための構造設備
JPH0725564A (ja) * 1993-07-13 1995-01-27 Takenaka Komuten Co Ltd エレベータ装置
JPH07227175A (ja) * 1994-02-12 1995-08-29 Riyouyou Sangyo Kk 中空円形水柱方式水族観察塔
JPH08312174A (ja) * 1995-05-15 1996-11-26 Takanobu Ogata マリンファンタジー
JP2002084921A (ja) * 2000-09-13 2002-03-26 Tokyo Bandokku:Kk 観賞用水槽
DE202006020044U1 (de) * 2006-09-01 2007-09-27 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Hochdruckvorrichtung
JP5076145B2 (ja) * 2007-09-20 2012-11-21 治男 新井 地上に設置されるマグロの養殖池
JP3146272U (ja) * 2008-08-29 2008-11-06 株式会社ボルボックス 大規模水槽を有する建築物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015023805A (ja) 2015-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6466055B2 (ja) 水生生物観賞施設
US20070151523A1 (en) Fantasia aquarium
US20160128301A1 (en) Modular containment system
JP2007068455A (ja) 観賞用水槽
KR101375558B1 (ko) 다단 대형 파이프형 인공어초
JP2008199915A (ja) 水槽及び水槽装置
KR101385662B1 (ko) 물고기 쇼를 위한 원형 무대용 수족관 시스템
RU7122U1 (ru) Бассейн
JP3185232U (ja) 水循環型観賞用水槽
KR20120036733A (ko) 아파트형 어초유닛 및 이를 이용한 아파트형 강제어초
US20230000062A1 (en) Method for Drawing Fish to View
JP3095017U (ja) 鳥籠調観賞用水槽
JP2017184643A (ja) ホタル幼虫育成システム及びホタル幼虫育成方法
JP2018113893A (ja) 揚水式空中アクアリウム装置および揚水エレベータ式階層構造アクアリウム装置
JP4685405B2 (ja) 水浄化装置
JP4245964B2 (ja) 観賞用水槽及び観賞用ディスプレイ装置
JP2008183006A (ja) 連通型水槽装置
JP2006191872A (ja) ホタルの幼虫育成容器
KR200435757Y1 (ko) 디스플레이 장치를 포함하는 디지털 연못
Grorud-Colvert et al. The Ocean: An Introduction to the Marine Environment
KR20110055359A (ko) 부유식 해양 전시관
US6171667B1 (en) Lifelike aquatic animal replica
JP5633596B2 (ja) 水槽付き間仕切り
JP2018113893A5 (ja)
JP3164916U (ja) ビオトープ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170216

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180928

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181121

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20181210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6466055

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees