以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略する。なお、構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置等は、特に特定的な記載がない限りは、この技術思想の適応範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
まず、画像形成装置の全体構成および動作について、図1を用いて説明する。その後、帯電ローラと感光体とを離間して保持する離間保持機構および画像形成装置本体から駆動力が入力されて感光体の駆動に伴う離間保持の自動解除機構について詳細に説明する。
(画像形成装置の全体構成及び動作)
図1は、本発明の一実施例に係る画像形成装置の模式的な断面図である。本実施例の画像形成装置1は、電写真方式を用いてフルカラー画像の形成が可能な、中間転写方式を採用したタンデム型の画像形成装置である。
本実施例の画像形成装置1は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色のトナー像をそれぞれ形成する画像形成部を備える。これらの画像形成部の構成及び動作は、使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同一である。したがって、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用の要素であることを示す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して、当該要素について総括的に説明する。
画像形成部は、ドラム形(円筒形)の電子写真感光体(感光体)である像担持体としての感光ドラム11(感光体)を有する。感光ドラム11は、画像形成装置本体に備えられている図示しない駆動手段からの駆動力が伝達されて100mm/secのプロセススピード(周速度)で回転駆動される。画像形成部において、感光ドラムの周囲には、その回転方向に沿って順に、次の各手段が配置されている。まず、帯電手段としての回転可能なローラ状の帯電部材である帯電ローラ12が配置されている。次に、露光手段(静電潜像形成手段)としての露光装置(レーザースキャナー装置)16による露光を感光ドラム11の表面に受ける配置になっている。次に、現像手段としての現像装置14が配置されている。現像装置14には、トナー収容容器としてのトナーボトル19から図示しないトナー搬送路を介してトナーが供給される。次に、一次転写手段としてのローラ状の一次転写部材である一次転写ローラ17が配置されている。次に、感光体の清掃手段としてのドラムクリーニング装置15が配置されている。また、画像形成部には、帯電部材の清掃手段としてのローラ状の帯電清掃部材であるクリーニングローラ13が帯電ローラ12に接触して配置されている。本実施例では、帯電ローラ12は、感光ドラム11の表面に例えばバネなどの付勢手段によって所定の押圧力で接触させられており、感光ドラム11の回転に伴って従動して回転する。
また、本実施例では、清掃ローラ13は、帯電ローラ12の表面に例えばバネなどの付勢手段によって所定の押圧力で接触させられており、帯電ローラ12の回転に伴って従動して回転する。
また、画像形成装置1は、各画像形成部の各感光ドラム11と接触するように、中間転写体としての無端状のベルト体で形成された中間転写ベルト61を有する。中間転写ベルト61は、複数の支持ローラ(張架ローラ)に所定の張力をもって掛け回されている。中間転写ベルト61の内周面側(裏面側)において各感光ドラム11と対向する位置に、上述の一次転写ローラ17が配置されている。一次転写ローラ17は、中間転写ベルト61を介して感光ドラム1に押圧されており、中間転写ベルト61と感光ドラム11とが接触する一次転写部(一次転写ニップ部)N1を形成している。一次転写ローラ17は、中間転写ベルト61の回転に伴って従動して回転する。また、中間転写ベルト61の外周面側(表面側)において二次転写対向ローラ62に対向する位置に、2次転写手段としてのローラ状の二次転写部材である二次転写ローラ35が配置されている。二次転写ローラ35は、中間転写ベルト61を介して二次転写対向ローラ35に押圧されており、中間転写ベルト61と二次転写ローラ35とが接触する二次転写部(二次転写ニップ部)N2を形成している。また、中間転写ベルト61の外周面側においてテンションローラ64に対向する位置に、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置70が配置されている。中間転写ベルト61は、ポリイミドなどの誘電体樹脂によって無端状に形成されている。
その他、画像形成装置1には、記録用紙などの記録材Pの給搬送ローラ23、トナー像を記録材Pに定着させる定着器40などが設けられている。
画像形成時には、回転駆動される感光ドラム11の表面は、帯電ローラ12によって所定の極性の所定の電位に一様に帯電される。本実施例においては、帯電ローラ12に対して図示しない高圧電源(帯電電源)から−1300Vの直流電圧のみが印加されて感光ドラムの表面に対して放電が発生することによって感光ドラムの表面が約−700Vに帯電される。
感光ドラムの表面が一様に帯電された後、画像情報の信号に基づいてレーザスキャナ16によって感光ドラムの表面が走査露光されて感光ドラム上に静電潜像(静電像)が形成される。感光ドラム11上に形成された潜像は、現像器14によって現像剤としてのトナーを用いてトナー像として現像される。本実施例では、トナーの正規の帯電極性は負極性である。現像装置14は、トナーを担持して感光ドラム11との対向部(現像位置)に搬送する現像剤担持体としての現像スリーブを有している。現像スリーブは、回転駆動される。現像時に、現像スリーブには、図示しない現像電源としての高圧電源から所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。現像電圧としては、直流電圧(直流成分)と交流電圧(交流成分)とが重畳された振動電圧が用いられる。
感光ドラム11上に形成されたトナー像は、一次転写部N1において、一次転写ローラ17の作用により、中間転写ベルト61の表面に転写(一次転写)される。このとき、一次転写ローラ17には、図示しない一次転写電源(高圧電源)から、現像時のトナーの帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。フルカラー画像の形成時には、上述の動作が各画像形成部において行われ、各感光ドラム1上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が、順次に重ね合わせるようにして中間転写ベルト61上に転写される。
転写後、感光ドラム11上に残った僅かな転写残トナーは、清掃部材としてのクリーニングブレード15によって除去され、回収部に回収される。
一方、給紙カセット20から記録材Pが1枚ずつ給送され、レジストローラ対23に搬送される。その後、レジストローラ対23は、中間転写ベルト61上のトナー像と同期を取って、記録材Pを中間転写ベルト61と二次転写外ローラ35との間に搬送する。中間転写ベルト61上のカラーのトナー像は、二次転写部N2において、二次転写ローラ35の作用によって、記録材Pの表面に転写(二次転写)される。この記録材Pが二次転写部N2を通過する際に、二次転写ローラ35には、図示しない二次転写電源(高圧電源)から、現像時のトナーの帯電極性とは逆極性の直流電圧である二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。転写後、中間転写ベルト61上に残った僅かな残トナーは、クリーニングユニット70によって除去回収され、再び、次の画像形成に備える。記録材P上に転写されたトナー像は、定着器40によって、加熱加圧されることで定着され、排紙ローラ対41により排紙トレイ50上に排出される。
(帯電ローラ)
次に、本実施例における帯電ローラ12について説明する。
本実施例では、帯電部材としての帯電ローラ12は、回転軸としての導電性支持体(芯金、芯材)12aと、該導電性支持体12aの周囲に形成された一層以上の弾性層12bと、を有するローラ状の部材である。その外周面が感光体としての感光ドラム11に接触する。特に、本実施例では、帯電ローラ12は、弾性層12bが基層と表層からなる2層構造を有しており、弾性層12bの基層と表層とでは材料が異なる。つまり、導電性支持体12a上に、少なくとも基層と表層とを設け、上層の表層に適度な体積抵抗を保持させ、下層の基層に被帯電体との当接を適正にするための適度な弾性を保持させる。これにより、感光体の帯電均一性の向上や感光体の表面のピンホール、傷などによるリーク防止などを図ることができる。
帯電ローラ12の表層の材料としては、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、これらの混合物、又はこれらの材料にカーボンブラックや金属酸化物などの導電性粒子を分散したものを用いることができる。本実施例では、帯電ローラ12の表層は、主成分としてアクリル樹脂を使用して構成されている。これらの材料は、電子吸引効果により、帯電ローラ2に高い負帯電性をもたらすことができる。帯電ローラ12の表層は、例えば、浸漬塗工、スプレー塗工及びローラ塗工などにより形成することができる。
また、帯電ローラ12の基層の材料としては、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、エピクロルヒドリゴム(CO、ECO)、ウレタンゴム(U)及びシリコーンゴムなどの合成ゴム、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンスチレン(SRS)、ポリオレフィン系及びポリウレタン系熱可塑性エラストマー、又はこれらの混合物などを用いることができる。本実施例では、帯電ローラ2の基層は、主成分としてエピクロルヒドリンゴム(ECO、CO)を使用した、イオン導電機構を有する中抵抗材料を主体に構成されている。感光体と帯電ローラ2とを安定的に当接させるために、基層の材料には合成ゴム材料を用いることが好ましい。なお、帯電ローラ12としては、導電性を付与するために、カーボンブラック、グラファイト、金属粉及び金属酸化物などの導電性粉末を弾性材料中に分散した層を有するものを用いることもある。また、所要の低抵抗化のために弾性材料中に比較的多量の導電性微粉末などが配合されることがある。多量の導電性微粉末が配合されると弾性材料の硬度が上がることがあるが、その硬度を所要のものに下げるために比較的多量の軟化油や可塑剤が配合されることがある。帯電ローラ2の基層は、金型成形などで形成することができる。
(クリーニングローラ)
次に、本実施例におけるクリーニングローラ13について説明する。
本実施例では、帯電清掃部材としてのクリーニングローラ13は、回転軸としての棒状の支持部(芯金、芯材)13aと、該支持部13aの周囲に形成された弾性層13bと、を有し、その外周面が帯電ローラ12に接触するローラ状の部材である。そして、弾性層13bは、帯電ローラ12の表面(外周面)に接触する最外層(当接部)として発泡弾性体層を備えている。特に、本実施例では、清掃ローラ13は、支持部13aと、該支持部13aの外周面上に形成された帯電ローラ12に接触する発泡弾性体層13bと、で構成される。弾性層13bは、最外層に発泡弾性体層を有していれば、より内側の層として単数又は複数の他の弾性層を有していてよい。発泡弾性体層13bを構成する発泡弾性体(多孔性の弾性部材)の構造としては、連続気泡構造が例示できる。
クリーニングローラ13の支持部13aは、円柱状の棒状部材であることが好ましい。支持部13aの材料は、特に制限されず、例えば金属又は合成樹脂などの材料が使用できる。なお、支持部13aが合成樹脂で構成される場合は、導電性物質を含有させて、導電性を付与することが好ましい。支持部13aとしては、例えば、金属製の円柱状シャフトや樹脂製の円柱状シャフトが例示できる。
クリーニングローラ13の発泡弾性体層13bは、支持部13aの外周面上に略均一な厚さで形成され、その外形は円筒状である。クリーニングローラ13の発泡弾性体層13bは、発泡樹脂材料に、該発泡樹脂材料よりも帯電ローラ12の表面を構成する材料との摩擦帯電性が小さい帯電制御剤(導電剤)が添加されて構成されていることが好ましい。クリーニングローラ13の発泡弾性層13bの厚さは適宜選択することができるが、1〜50mmであることが好ましく、1〜15mmであることがより好ましい。また、クリーニングローラ13の全体の半径は2〜100mmであることが好ましく、2〜40mmであることがより好ましい。
発泡樹脂としては、溶融又は流動中の合成樹脂にガスを分散・膨張させ、樹脂を固化させて、気泡を有する樹脂として成形したものが代表的である(三田達監訳、高分子大辞典、丸善、平成6年刊、「発泡体」参照)。合成樹脂として好適なものとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ビスコース、アイオノマー等の熱可塑性樹脂、又はポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール/ユリア樹脂、メラミン樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂、ピラニル樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂が例示できる。発泡剤としては、物理的な変化によってガスを発生させる物理的発泡剤も使用できるが、加熱によりガスを発生する化学的発泡剤が好ましい。原料となる樹脂としては、その硬度や耐久性の点で熱硬化性樹脂も使用できる。このような熱硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂やメラミン樹脂が例示でき、ウレタン樹脂が好ましい。
導電剤としては、電子導電剤としてのカーボンブラックや金属粒子、イオン導電剤としてのイオン導電性付与可能なモノマーが例示できる。これらを発泡樹脂中に練り込むことにより、清掃ローラ13の電荷を中和して除電することができる。本実施例においては、帯電ローラ12の表面に対する、カーボンブラックや金属粒子の導電剤による摺擦傷などを軽減するために、イオン導電剤を使用することが好ましい。
(ドラムカートリッジ)
次に図2〜4を用いて感光体ユニットとしてのドラムカートリッジ100の構成について説明する。
本実施例のドラムカートリッジ100は、感光体としての感光ドラム11、帯電部材としての帯電ローラ12、帯電清掃部材としてのクリーニングローラ13、清掃部材としてのクリーニングブレード15を枠体としてのドラム容器30で一体的に保持した構成となっている。また、画像形成装置本体から長手方向に沿ってスライドさせることで画像形成装置本体に対して着脱可能に構成してあり、メンテナンス等で交換可能となっている。
ドラム容器30には、感光ドラム11が軸受け(図示しない)を介して回転軸線を中心にして回転可能に保持されており、感光ドラム11には画像形成装置本体に装着された状態で画像形成装置本体に設けられた図示しない駆動源としてのモータから駆動力を受け取って回転するためのカップリング39が設けられている。
また、ドラム容器30には感光体の表面に画像形成時における感光体の回転方向に対してカウンター方向で当接するように設けられ、感光体の表面を清掃するための清掃部材としてのクリーニングブレード15が固定されている。また、クリーニングブレード15の近傍にはクリーニングブレード15によって感光体の表面から除去された転写残トナーを回収する回収部が設けられ、回収部に回収されたトナーを搬送してドラムカートリッジ100(感光体ユニット)の外に搬送するための搬送部としてのトナー搬送スクリュー38が設けられている。トナー搬送スクリュー38によってドラムカートリッジ100外に搬送されたトナーは画像形成装置本体に設けられた図示しない廃トナー容器に回収される。感光ドラム11の長手方向端部には、感光ドラムの回転軸線を中心として感光ドラムと一体で回転するように固定された回転部材としてのギア36が設けられており、感光ドラムが回転した時に一体で回転するギア36の回転力がトナー搬送スクリュー38に伝達されることによってトナー搬送スクリュー38が回転し、回収部に回収されている転写残トナーをドラムカートリッジ100の外に搬送可能な構成となっている。
帯電ローラ12は保持部としての帯電ローラ軸受け31にその回転軸12aが保持されることによって回転可能に支持されている。また、帯電ローラ軸受け31は、ドラム容器30に対してスライド可能に支持されている。具体的には、支持されている帯電ローラが感光ドラム11の回転軸線に垂直な面における感光ドラム11の回転軸線に向かう方向に沿って移動できるように、帯電ローラ軸受け31が感光ドラム11の軸線に向かう方向にスライド可能に構成されている。さらに、ドラム容器30と帯電ローラ軸受け31の間には第1の付勢手段としての帯電ローラ加圧バネ32が設けられており、この帯電ローラ加圧バネ32が帯電ローラを感光ドラムの回転軸線に垂直な面における感光ドラム11の回転軸線に向かう方向(付勢方向)に付勢しているため、帯電ローラ12は感光ドラム11に加圧されて接触している。
帯電清掃部材としてのクリーニングローラ13(清掃ローラ)はクリーニングローラ軸受け33にその回転軸13aが支持されることによって回転可能に支持されており、クリーニングローラ軸受け33は、帯電ローラ軸受け31に対してスライド可能に支持されている。具体的には、クリーニングローラ13が離間保持部材200の回動軸線に垂直な面における離間保持部材200の回動軸線に向かう方向(帯電ローラの回転軸線に向かう方向)に沿って移動できるように、クリーニングローラ軸受け33が離間保持部材200の回動軸線に向かう方向(帯電ローラの回転軸線に向かう方向)にスライド可能に構成されている。さらに、帯電ローラ軸受け31とクリーニングローラ軸受け33の間には第2の付勢手段としてのクリーニングローラ加圧バネ34が設けられており、このクリーニングローラ加圧バネ34がクリーニングローラ13を離間保持部材200の回動軸線に垂直な面における離間保持部材200の回動軸線に向かう方向(帯電ローラ12の回転軸線方向に向かう方向)(付勢方向)に付勢しているため、クリーニングローラ13は帯電ローラ12に加圧されて接触している。つまり、クリーニングローラ13はクリーニングローラ加圧バネ34による付勢方向に沿って移動可能になされている。また、本実施例では、第1の付勢手段による付勢方向と第2の付勢手段による付勢方向とが同じ方向となっている。
以上の構成によって、感光ドラム12が画像形成装置本体の備えられている駆動源から駆動力を受けて回転すると、帯電ローラ12は感光ドラム11との摩擦力によって従動回転し、さらに、帯電ローラ12が回転するとクリーニングローラ13は帯電ローラ12との摩擦力によって従動回転する。また、トナー搬送スクリュー38はギア36より駆動力(回転力)を受けて回転する。また、以上の構成によって、帯電ローラ12が感光ドラム11から離れる方向に移動するのに連動してクリーニングローラ13が帯電ローラ12の移動方向に移動する。
(離間保持機構について)
図5、図6を用いて感光ドラム11と帯電ローラ12とを離間させた状態を保持する離間保持機構について説明する。
感光体ユニットとしてのドラムカートリッジ100には、流通のための輸送時に帯電ローラ12と感光ドラム11との間、帯電ローラ12とクリーニングローラ13との間をそれぞれ離間してクリアランスを確保するための離間部材としての離間保持部材200が設けられている。
離間保持部材200は帯電ローラ12の回転軸12aの両端に、帯電ローラの回転軸12aを回動軸として回動可能にそれぞれ設けられている。つまり、離間保持部材200は、帯電ローラ12の回転軸線を中心として回動可能に帯電ローラ12に支持されている。そのため、離間保持部材200は帯電ローラ12の移動に連動して移動可能となっている。ただし、両端の構成は同等なので、本実施例では片側のみを示した図を用いて説明する。
離間保持部材200には、感光ドラム11と帯電ローラ12とを離間させるとともにクリアランスの確保するための離間保持部210と帯電ローラ12とクリーニングローラ13とを離間させるとともにクリアランスを確保するための離間保持部220が設けられている。
感光ドラム11と帯電ローラ12、帯電ローラ12とクリーニングローラ13をそれぞれ離間させた状態である離間保持状態(離間状態)のとき、離間保持部210は、第1の付勢手段としての帯電ローラ加圧バネ32の加圧力(付勢力)で帯電ローラ12の回転軸12a(離間保持部材200の回動軸)とギア36の間に挟み込まれている。また、離間保持状態のとき、離間保持部220は、第2の付勢手段としてのクリーニングローラ加圧バネ34の加圧力(付勢力)で支持部材としてのクリーニングローラ13に押圧されて帯電ローラ12の回転軸12a(離間保持部材200の回動軸)とクリーニングローラ13の回転軸13aの間に挟み込まれている。
これによって、帯電ローラ12の弾性層12bと感光ドラム11とを離間させ、さらに、帯電ローラ12とクリーニングローラ13とを離間させ、互いのクリアランスを確保している。
図7(a)に示すように離間保持状態で離間保持部210のギア36と向かい合う側の側面には、ギア36のギア歯面ピッチと同じピッチでギア歯を有する係合部211が設けられている。感光ドラム11と帯電ローラ12とを離間させている離間保持状態のとき、係合部211は、ギア36と係合している。言い換えると、この時、離間保持部材200は、係合部211が回転部材としてのギア36に係合した状態で感光ドラム11と帯電ローラ12とを離間させた離間状態を保持する離間位置に位置している。
また、離間保持状態で離間保持部220のクリーニングローラ13と向かい合う側の側面には、凹部である第1の部分としての清掃ローラの受け面221(被支持部)が設けられている。また、離間保持状態のとき、受け面221に支持部材としてのクリーニングローラ13の回転軸13aが受け面221に入り込んだ状態となっている。離間保持状態では、支持部材としてのクリーニングローラ13に対して第2の付勢手段としてのクリーニングローラ加圧バネ34から、離間保持部材200の回動軸線に垂直な面において回動軸線に向かう方向に向かう加圧力(付勢力)が働く。そして、この加圧力によって、クリーニングローラが受け面221を押圧し、帯電ローラ12の回転軸12a(離間保持部材200の回動軸)とクリーニングローラ13の回転軸13aの間に離間保持部220が挟み込まれることによって離間保持部材200が支持されている。
ドラムカートリッジが出荷されてから画像形成装置本体に装着されて感光ドラム11の駆動によって離間保持状態が自動解除されるまでは、このような状態で感光ドラム11と帯電ローラ12との離間状態、および帯電ローラ12とクリーニングローラ13との離間状態が保持されている。
このような構成にすることによって、例えばドラムカートリッジの輸送時の振動や落下で、図8に示すようにギア36と係合部211が一時的に離れたとしても、クリーニングローラ加圧バネ34のバネ力(付勢力)によって、クリーニングローラ13の回転軸13aが離間保持部材200の受け面221を離間保持部材200の回動軸線に向かう方向に押圧して支持しているため、離間保持部材200の回転を抑制することが可能となる。
ここで、離間保持部材200と帯電ローラ12が感光ドラム11から離れる方向に移動する時における帯電ローラ12および帯電ローラ加圧バネ32、クリーニングローラ13およびクリーニングローラ加圧バネ34の状態について、図9を用いて説明する。
図9(a)は例えば本実施例のドラムカートリッジが振動や落下による力を受けて、離間保持部材200と帯電ローラ12が感光ドラム11から離れる方向に移動する瞬間における帯電ローラ12、清掃ローラ、離間保持部材200、帯電ローラ加圧バネ32、クリーニングローラ加圧バネ34の状態を模式的に表した説明図である。ドラムカートリッジが受けた衝撃によって、帯電ローラ12および帯電ローラ軸受け31に対して感光ドラム11から離れる方向に向けて力F1が働く。一方、帯電ローラおよび帯電ローラ軸受け31には感光ドラム11に向かう方向に帯電ローラ加圧バネ32によって付勢力F2が働いている。この力F1が付勢力F2よりも大きい場合、図9(a)に示すように帯電ローラ12および帯電ローラ軸受け31が感光ドラム11から離れる方向に向けて移動を開始する。この時、帯電ローラ加圧バネ32は圧縮され始める。この時、帯電ローラ12に対して相対的に移動できるように帯電ローラ軸受31に支持されたクリーニングローラ13には、帯電ローラ12および帯電ローラ軸受け31が移動する方向とは逆方向に慣性力が働き、図示するように離間保持部材200はクリーニングローラ13からクリーニングローラ加圧バネ34による付勢力F4と慣性力とが合計された力F3を受ける。そのため、クリーニングローラ13と帯電ローラ12との距離Xは変わらずに離間保持部材200がクリーニングローラ13によって支持されている状態を保った状態となる。
図9(b)は離間保持部材200と帯電ローラ12が感光ドラム11から離れる方向に移動開始後、感光ドラム11から離れる方向に移動している途中における帯電ローラ12、清掃ローラ、離間保持部材200、帯電ローラ加圧バネ32、クリーニングローラ加圧バネ34の状態を模式的に表した説明図である。この時、クリーニングローラ13には移動開始時の慣性力は働かずに、離間保持部材200はクリーニングローラ加圧バネ34による付勢力F4と等しい図示するような力F3をクリーニングローラ13から受ける。そのため、クリーニングローラ13は帯電ローラ12との距離Xを保って帯電ローラ12および帯電ローラ軸受け31と共に感光ドラム11から離れる方向に移動する。
図9(c)は離間保持部材200と帯電ローラ12が感光ドラム11から離れる方向への移動が終わり、圧縮された帯電ローラ加圧バネの付勢力F2によって、離間保持部材200と帯電ローラ12が感光ドラムに近づく方向に移動を開始する時における、帯電ローラ12、清掃ローラ、離間保持部材200、帯電ローラ加圧バネ32、クリーニングローラ加圧バネ34の状態を模式的に表した説明図である。この瞬間には、クリーニングローラ13には感光ドラム11から離れる方向の慣性力が働く。この慣性力はクリーニングローラ加圧バネによる付勢力F4とは反対方向の力であり、離間保持部材200は付勢力F4から慣性力を引いた力F3をクリーニングローラ13から受ける。その結果、クリーニングローラ13は帯電ローラ12との距離Xを保った状態となる。この時の慣性力はF1と比較して小さい力であり、よほど大きな衝撃を受けない限り、付勢力F4より大きな力にはならない。
図9(d)は離間保持部材200と帯電ローラ12が感光ドラム11に近づく方向に移動開始後、感光ドラム11に近づく方向に移動している途中における帯電ローラ12、清掃ローラ、離間保持部材200、帯電ローラ加圧バネ32、クリーニングローラ加圧バネ34の状態を模式的に表した説明図である。この時、F1や慣性力は働いておらず、離間保持部材200は図示するような離間保持部材200の回動軸線に向かう力F3をクリーニングローラ13から受け、クリーニングローラ13は帯電ローラ12との距離Xが保たれている。
上記で説明したように、離間部材に対してクリーニングローラ13から離間保持部材200の回動軸線に向かう方向の力F3が働いており、クリーニングローラ13と帯電ローラ12との距離Xが保たれている状態では、図9(b)に示すように、クリーニングローラ13は離間部材200における第1の部分としての受け面221に突き当たって受け面221を押圧している状態となっている。この受け面221の両側には、回動軸線からの直線距離が第1の部分よりも長い第2の部分および第3の部分が設けられている。本実施例では、回動軸線から第1の部分までの直線距離はX1であり、回動軸線から第2の部分、第3の部分までの直線距離がX1よりも長いX2となっている。離間部材が回動して第2の部分や第3の部分がクリーニングローラ13の回転軸13aを通過する時にはクリーニングローラ13を回動軸線に向けて付勢しているクリーニングローラ加圧バネ34が圧縮され、第2の部分や第3の部分が回転軸13aを通過する前と比較して回転軸13aと離間部材との接触部に働く摩擦力が大きくなる。そのため、第2の部分や第3の部分が回転軸13aを通過するためには離間部材を回動させるためにより大きな力が必要となる。図9(a)〜図9(d)のように本実施例のドラムカートリッジが振動や落下による力を受けて、離間保持部材200と帯電ローラ12が感光ドラム11から離れる方向に移動した場合であっても、クリーニングローラ13の回転軸13aがクリーニングローラ加圧バネ34の付勢力によって離間部材に接触している限り、この第2の部分や第3の部分があることによって、離間部材が回転軸13aが第2の部分や第3の部分を乗り越えるように回動することができず、その結果、意図せずに離間状態が解除されることを軽減することができる。
(離間保持の自動解除について)
次に離間保持状態の自動解除について図7を用いて説明する。図7は離間保持状態の自動解除の動作を示した説明図である。
新しいドラムカートリッジ100を画像形成装置本体に装着して画像形成装置本体を起動させたとき、画像形成装置本体によって行われる初期動作によって、感光ドラム11に画像形成装置本体に備えられているモータから駆動力(回転力)が入力される。
図7(a)に示す感光ドラム11と帯電ローラ12との間および帯電ローラ12とクリーニングローラ13との間が離間されている離間保持状態から、感光ドラム11の回転が開始されると、図7(b)に示すように感光ドラム11の回転とともにギア36が回転する。そして、ギア36と係合している離間部材としての離間保持部材200の係合部211がギア36の回転力を受けて回動し、離間保持部材200が回動することによって支持部材としてのクリーニングローラ13の回転軸13aは離間保持部材200の回動方向における受け面221よりも上流側の第2の部分としての端部を乗り越える。離間保持部材200の回動方向におけるこの受け面221よりも上流側に、感光体の回転軸線と垂直な面における離間保持部材200の回動軸線からの直線距離が離間保持状態の時にクリーニングローラ13が押圧している部分(第1の部分)よりも長い部分(第2の部分)が設けられている。図7(a)に示すように、回動軸線から第1の部分までの直線距離X1よりも回動軸線から第2の部分までの直線距離X2の方が長くなっている。
そして、クリーニングローラ13の回転軸13aが受け面221の上流側の端部を乗り超えた状態となることで離間保持状態を解除することが可能となる。言い換えると、離間保持部材200における回動する時にクリーニングローラ13の回転軸13aと接触する面は、ギア36から駆動力を受けて離間保持部材200が離間位置から解除位置に向かって回動する間に、離間保持部材200の回動軸線とクリーニングローラ13との直線距離が図7に示す直線距離X1から直線距離X2に増加し、その後、減少するような形状になされている。
ここで、離間保持部材200における第2の部分が支持部材としてのクリーニングローラ13の回転軸13aを通過して乗り越える動作は、図7に示すように、離間保持部材200が離間位置に位置している時にクリーニングローラ13と離間保持部材200とが接触している位置のうち回動軸線に直線距離で最も近い位置(第1の部分)と回動軸線とを結ぶ直線を直線X1としたとき、離間保持部材200における回動時にクリーニングローラ13と接触する面のうちの前記X1よりも直線距離が長いX2として示されている第2の部分が、離間保持部材200が離間位置から解除位置に向けて回動することによって直線X1を通過すると言い換えることができる。
したがって、離間保持部材200を回転させるためには、クリーニングローラ加圧バネ34の付勢力が働いている方向(付勢方向)の上流側に向けてクリーニングローラ13を移動させて、クリーニングローラ加圧バネ34を圧縮する力が必要なる。
このときギア36と係合部211が噛合っているため、ギア36の回転力を受けて離間保持部材200を回動させて受け面221よりも上流側の端部の第2の部分を通過して乗り越えることが可能となっている。
なお、本実施例では、離間保持部材200の回動方向における受け面221よりも下流側の端部(第3の部分)も有しており、この第3の部分としての下流側の端部は感光体の回転軸線と垂直な面における離間保持部材200の回動軸線からの直線距離が離間保持状態の時にクリーニングローラ13が押圧している部分(第1の部分)よりも長い部分(第3の部分)を有している。
したがって、ドラムカートリッジを装着する前などの離間保持状態では、ドラムカートリッジの搬送中等に大きな振動がドラムカートリッジに加わった場合でも、図9を用いて上記で説明したようにクリーニングローラ13が離間保持部材を押圧した状態が保たれており、クリーニングローラ13の回転軸13aが受け面221の両端部(第2の部分、第3の部分)を乗り超えることができないため離間保持部材200は回動することができず、離間保持状態が保たれる。
図7(c)に示すように、ギア36の回転によって離間保持部材200がさらに回動するとギア36と係合部211が噛合わない領域となる。このとき、クリーニングローラ13はクリーニングローラ加圧バネ34によってA方向に付勢力が働いている。このA方向の力は、離間保持部材200に設けられた離間補助面222(接触部)によって、離間保持部材がB方向へ回動する力に変換される。これは、離間保持部材200が離間解除する時に回動する方向と同一の方向である。離間補助面222はギア36から駆動力を受けた時の回動方向における受け面221の上流側端部(第2の部分)よりも更に上流側に位置し、離間保持部材200の回動軸線から接触部までの直線距離X3、X4は回動軸線から第2の部分までの直線距離X2よりも短く、かつ接触部における回動軸線からの直線距離は図7(c)にX3、X4として示すように、回動方向の下流になるに従って短くなっている。このように接触部が形成されていることによって、A方向の力をB方向へ回動する力に変換可能となっている。上記の動作を言い換えると、係合部211がギア36から外れた時にクリーニングローラ13の回転軸13aが離間補助面222(接触部)に接触し、離間補助面222がクリーニングローラ13の回転軸13aからクリーニングローラ加圧バネ34による付勢力を受けることによって、係合部211がギア36から離れる方向に離間保持部材200が回動する。そして、図7(d)に示すように、離間保持部材200の係合部211がギア36から離れ、帯電ローラ12と感光ドラム11の表面が接触するとともに、クリーニングローラ13と帯電ローラ12とが接触し、離間状態が解除された状態となる。このように、離間保持部材200は離間位置と感光ドラム11と帯電ローラ12とを離間させた状態を解除して感光ドラム11と帯電ローラとを接触可能とする解除位置との間で回動可能になされている。そして、離間保持部材200が離間位置から解除位置に向けて上述したように回動することによって、離間状態を解除できるようになされている。
以上のような動作により、クリーニングローラ加圧バネ34による付勢力が離間保持部材200の回転抵抗となるように受け面221を設けても、受け面221を乗り越えるまでは、駆動連結部211がギア36と噛合っているため自動解除動作を阻害することはない。
また、離間補助面222を設けることで、離間保持部材200が回動してギア36と係合部211とが係合しない位置に達した後も、クリーニングローラ加圧バネ34の付勢力によって離間保持部材200を係合部211がギア36から離れる方向に回動させて離間保持状態を解除することが可能となる。また、離間保持状態を解除した後は帯電ローラ12と接触したクリーニングローラ13によって離間保持部材200はBとは逆の方向に回転できなくなるため、係合部211がギア36と接触せずに離れた状態を維持する。
また、本実施例のように、感光ドラム11と帯電ローラ12とを離間させるだけでなく、帯電ローラ12とクリーニングローラ13とをも離間させる構成とすることで、帯電ローラ12とクリーニングローラ13が互いに接触したままの状態で長期間放置されることによる帯電ローラ12やクリーニングローラ13の変形を防止することが可能になる。
以上、本実施例によれば、ドラムカートリッジに対して振動や衝撃が加わって帯電ローラ12と離間保持部材200が感光ドラム11から離れる方向に移動した場合でも、感光ドラム11と帯電ローラ12との離間状態が意図せずに解除されてしまう事を軽減することができる。
(その他実施例)
実施例1では、係合部211がギア歯形状となっている例を示したがギア歯形状に限らず、係合部211はギア36に引っ掛かってギア36から回転力を受ける事ができる形状であれば良く、図10のようにギア36のギア歯面ピッチと同じピッチで凸部を有する形状にしても実施例1と同様の効果を得ることができる。この場合も図7(a)〜図7(c)で説明した動作と同様にギア36からの回転力を受けて離間保持状態が解除されるようになっている。
また、実施例1では、離間保持部材200が帯電ローラ12の回転軸12aに回転軸12aを中心として回動可能に支持されている例を示したが、離間保持部材200の回動軸線は必ずしも帯電ローラの回転軸線と一致している必要はない。例えば、離間保持部材200の回動軸線は感光ドラム11の回転軸線と帯電ローラ12の回転軸線とを結ぶ直線上に位置するように帯電ローラ12の軸受け31に離間保持部材200の回動軸が設けられていても良い。
また、実施例1では、離間保持部材200が第2の部分と第3の部分を有している例を示したが、離間保持部材200が離間位置から解除位置に向かう一方向にしか回動出来ない構造である場合や、離間保持部材200が離間位置から解除位置に向かう方向とは逆方向に回動しようとすると、離間保持部材200の一部が例えばドラムクリーニング装置15等の他の部材に接触することによって逆方向に回動できないようになっている場合には、第3の部分を有していなくても良い。
また、実施例1では、受け面211が円弧形状となっている例を示したがこの形状に限らず、離間保持部材200の回動方向におけるこの受け面221の両側は、感光体の回転軸線と垂直な面における離間保持部材200の回動軸線からの直線距離が離間保持状態の時にクリーニングローラ13が支持している部分(第1の部分)よりも長い部分(第2の部分、第3の部分)を有していれば良く、例えば図11(a)に示すようなV字形状にして受け面211の2箇所がクリーニングローラに接触するようにしても良い。また、図11(b)のように矩形の凹部形状や、図11(c)のようにフラット面にしても実施例1と同様の効果を得ることができる。
図11(a)のようにクリーニングローラ13が2箇所で接触するような受け面211の形状である場合、回動する方向によって回動軸線からの直線距離X1として示される第1の部分が定まる。例えば、離間保持部材200がBの方向にしか回動できない場合、第1の部分の位置は図11(a)に示すように、離間位置に位置する離間保持部材におけるクリーニングローラ13と接触する2箇所の部分のうち、離間保持部材200の回動方向上流側の接触部分を第1の部分とする。その場合、図11(a)に図示するように第1の部分よりも回動方向の上流側に第2の部分が備えられる。また、離間保持部材200がCの方向にも回動可能である場合、Cの方向への回動に対しては、離間位置に位置する離間保持部材におけるクリーニングローラ13と接触する2箇所の部分のうち、回動方向Cにおける下流側、すなわち、図11(a)に示すX1とは逆側の接触箇所が第1の部分となる。そして、この第1の部分よりも回動方向Cの上流側に回動軸線からの直線距離がこの場合の第1の部分への直線距離よりも長い第3の部分が備えられる。
また、実施例1では、帯電ローラ加圧バネ32が帯電ローラ12を付勢する付勢方向と、クリーニングローラ加圧バネ34がクリーニングローラ13を付勢する付勢方向とが同じ方向である例を示したが、この場合に限らない。具体的には、図12に示すように、クリーニングローラ加圧バネ34による付勢方向が離間保持部材の回動軸線に垂直な面における帯電ローラ加圧バネ32による付勢方向と直交する方向になるようにしても良い。図12に示すようにする事によって、ドラムカートリッジが振動や衝撃を受けて帯電ローラ12が感光ドラム11から離れる方向に移動し、帯電ローラ12の感光ドラム11から離れる方向への移動が終わり、図9(c)のように帯電ローラ加圧バネ32の付勢力によって感光ドラム11に近づく方向への移動が開始された時に、感光ドラム11から離れる方向に向かう慣性力F5を受けてクリーニングローラ13と帯電ローラ12との距離が広がって離間保持部材200からクリーニングローラ13が離れてしまう事を実施例1よりも抑制することができる。帯電ローラ加圧バネ32による付勢方向とクリーニングローラ加圧バネ34による付勢方向の成す角度αは図12に示すような90°が好ましいがこれに限らず、90度以上180度未満の範囲内であれば良い。
また、実施例1では、クリーニングローラ13を離間保持部材を支持する支持部材として用いる例を示したがこれに限らず、クリーニングローラを有しない構成である場合には、クリーニングローラ13に代えて、クリーニングローラ加圧バネ34と同様のバネによる付勢力を受けて離間保持部材を加圧して支持する部材を設ける構成としても実施例1と同様の効果を得る事ができる。この場合、クリーニングローラ13が無いため、クリーニングローラ13と帯電ローラ12との適切なニップ圧を考慮する必要が無く、クリーニングローラ加圧バネ34による付勢力を実施例1の場合よりも大きくすることができ、支持部材が離間保持部材200から離れる事を実施例1の場合よりも抑制することができる。
また、実施例1では、離間保持部材200を帯電ローラの長手方向両端部に設ける場合を示したがこれに限らず、離間保持部材200を設けるのは、帯電ローラ12の長手方向における片側端部でも良い。この場合、離間保持部材200が設けられていない方の端部は帯電ローラ12のゴム部12が感光ドラム12やクリーニングローラ13に接触しないように離間保持部材200によるクリアランスの大きさを設定するか、帯電ローラ12のゴム部12が感光ドラム12やクリーニングローラ13に非画像領域で接触するようにすればよい。このようにした場合は実施例1で挙げた効果に加え、離間保持部材が1つで良いため、ドラムカートリッジのコスト上昇を抑制することができる。
また、実施例1では、帯電清掃部材としてクリーニングローラ13を備える例を示したがこれに限らず、帯電ローラ12に接触して表面の異物を掻き取るブレードや、帯電ローラ12の表面に接触する樹脂フィルムや清掃パッドでも良く、その場合、離間保持部材200を支持する部分を有していれば良い。