JP6465462B2 - 複合構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、複合構造物に関する。
基材表面に所望の特性を有する被膜を設けた複合構造物が知られている。例えば、樹脂表面の強度を高めるためにセラミックスの被膜を設けた複合構造物や、金属表面の一部に絶縁性を付与するためにセラミックスあるいは高分子などの被膜を設けた複合構造物が知られている。
被膜を形成する技術として、例えばエアロゾルデポジション法(以降、AD法とも称す)が公知である。AD法とは、セラミックスなどの微粒子を高速で基材に衝突させることで、基材表面に被膜を形成する手法である。微粒子の粒子径や基材への衝突速度などを変化させることで、粉体の凝集体である圧粉体様の構造物から、例えば結晶子サイズが非常に小さい構成粒子からなる緻密な構造物まで、さまざまな構造物を形成することができる。AD法では、微粒子を基材に衝突させ、その衝撃により微粒子を十分に破砕変形させることで、緻密な構造物を形成することができる。微粒子の破砕変形があまり生じない場合には微粒子が押し固められた圧粉体様の多孔質構造物が形成される。
AD法において、比較的緻密な構造物を構成するための基材には、例えば、セラミックス板、ガラス板、金属板等が用いられる。一方、樹脂板の場合には、焼結や溶射等の熱がかかる工程を要するコーティング手法を用いることが難しい。そのため樹脂板表面にセラミックス等の緻密な被膜を形成することは困難であった。また、樹脂板上に常温で構造物を形成可能なAD法により構造物を形成する場合には、樹脂板が削れたり、弾性材料である樹脂板により微粒子が跳ね返されたりして、所望の構造物を得ることが困難な場合がある。
また、AD法により構造物を形成する際に、例えば、表面粗さが大きい等、基材の表面状態によっては所望の構造物を得ることが困難な場合がある。
特開2004−91614号公報(特許文献1)には、基材である樹脂板のDHv2の値を7以上33以下とすることで、樹脂板の削れおよび微粒子の跳ね返りの双方を抑制し、その表面にAD法により構造物を設けることができると記載されている。
基材である樹脂板の表面を改質する方法についても検討されている。
特開2003−34003号公報(特許文献2)には、樹脂板表面に樹脂板よりも高硬度の粒子を食い込ませて下地層を形成し、該下地層の上にAD法により構造物を形成することが記載されている。例えば、樹脂板としてポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用い、該樹脂板をガラス転移温度(Tg)以上に加熱して軟化させ、その表面にサブミクロン粒径の酸化アルミニウム微粒子を含むスラリーを塗布して押圧することで樹脂板表面に下地層を食い込ませることが記載されている。
特開2006−289683号公報(特許文献3)には、樹脂マトリクス中に無機材料を分散させた複合材料により基材を構成することで、例えば基材表面の硬度を高め、AD法による構造物の形成を可能とすることが記載されている。また、複合材料で構成される基材表面の算術平均粗さRaを0.15μm以下に小さくすること、十点平均粗さRzを1.3μm以下に小さくすることも記載されている。
特開2005−161703号公報(特許文献4)には、PETなどの樹脂板表面に、バインダと硬質材料とを含む下地層を形成し、該下地層の上にAD法により構造物を形成することが記載されている。バインダとして例えばPVAを用い、硬質材料として例えば1次粒子の平均粒径が12nmの微粒子シリカを用いることが記載されている。
特開2004−91614号公報 特開2003−34003号公報 特開2006−289683号公報 特開2005−161703号公報
特許文献1では、基材である樹脂板として特定の材料のものを用いることができるが、それ以外の樹脂板にはAD法により構造物を形成することが難しい。
一方、特許文献2〜4では、樹脂板の種類によらず構造物を形成することができる。特許文献2〜4では、樹脂板の表面に、硬質材料等の粒子を配置することは記載されているが、具体的な配置状態については十分な検討がなされていない。特に、樹脂板上に十分に緻密な構造物を得ることについて検討されていない。
特許文献2〜4に記載された従来の方法では、樹脂板上に配置する粒子として、その平均粒子径が1μm以下に小さい粒子を用いている。
AD法では構造物形成用の原料粒子として粒子径が1μm以下のサブミクロン粒子を一般に用いる。AD法で形成された構造物の結晶子サイズは100nm以下と小さい。AD法はこのような性質を有しているため、従来、樹脂板など樹脂を含む基材表面の改質を目的とした場合、これら構成粒子による構造物形成を可能とするには、基材表面における樹脂の露出を極力押さえるために、粒径が原料粒子と同等かそれ以下に小さい粒子を敷き詰め、基材表面の樹脂全体を覆うことが行われてきた。また基材表面を非常に平滑にするために基材表面に配置する粒子の粒径としてサブミクロン以下の小さい粒子を用いていた。すなわち、従来、サブミクロン以下の小さい粒子径を有する粒子を隙間なく敷き詰めて基材表面における樹脂の露出を最小限とする表面改質方法がとられていた。それによって、非常に小さい結晶子サイズで構成される構造物を樹脂板などの樹脂を含む基材表面に設けることが可能となる、と考えられていた。
これに対して、本発明者らは、フィラーとしてその粒子径が比較的大きなものを採用し、かつ基材表面におけるフィラーの面積充填率を所定範囲とすることで、樹脂含む基材表面に比較的緻密な構造物が形成できるようになり、かつ、構造物の剥離等の不具合を抑制することができるとの知見を得た。
本発明は、樹脂を含む基材表面に設けられた、脆性材料を主成分とする構造物を備えた複合構造物を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、複合構造物を提供する。複合構造物は、基材と、基材表面に設けられた構造物と、を含む。構造物は、脆性材料を主成分とする。構造物は多結晶であり、その平均結晶子サイズは100nm以下である。基材は、少なくとも、基材表面を含む第1領域を含む。第1領域は、第1の樹脂を主成分とするマトリクス部と、フィラーと、を含む。フィラーの90%粒子径(D90)は1.0μm以上60μm以下である。基材表面における単位面積あたりのフィラー面積充填率は、10%より大きく70%以下である。
構造物の形成が困難な基材表面にフィラー等を介して構造物を形成する際に、フィラーの90%粒子径(D90)を1.0μm以上60μm以下とし、かつ、基材表面における単位面積当たりのフィラー面積充填率を所定値範囲内とすることで、構造物の形成が可能となり、かつ、該構造物の剥離等を抑制することができることを本発明者らは新たに見出した。
具体的には、用いるフィラーの90%粒子径(D90)が1.0μm未満に小さいと、基材表面に構造物の形成を試みた場合には、構造物は形成されるものの圧粉体様の構造物が形成され緻密な構造物が得られない、あるいはフィラーが基材表面から脱離して構造物の剥離が生じてしまう。一方、D90が60μmよりも大きい場合には、フィラー面積充填率の制御が困難となる。また、単位面積当たりのフィラー面積充填率(以降、充填率とも称す)を10%よりも多くすることで、フィラー添加による構造物形成の改善効果が発現される。一方、充填率が70%よりも大きい場合にも、構造物は形成されるものの圧粉体様の構造物が形成され緻密な構造物が得られないか、あるいはフィラーが基材表面から脱離して構造物の剥離が生じてしまう。
したがって、用いるフィラーの90%粒子径(D90)を1.0μm以上に大きくし、かつフィラー面積充填率を所定値範囲内とする、すなわちフィラー間に所定の間隔を設けることによって、比較的緻密な構造物が形成できるようになり、かつ、構造物の剥離等の不具合を抑制することができる。また、フィラーの90%粒子径(D90)を60μm以下に小さくすることで所望のフィラー面積充填率を達成することが可能となる。
また、本発明にかかる複合構造物では、基材表面におけるフィラー同士の間の距離の平均(rav)を0.5μm以上5.0μm未満とすることが好ましく、0.5μm以上2.0μm以下とすることがより好ましい。
充填率に加えて、フィラー同士の間の距離の平均(rav)を所定範囲内とする、すなわちフィラー同士を十分に近づけることで、構造物をより緻密にし、構造物の形成を促進することが可能となる。一方、フィラー同士が近づき過ぎる場合にはフィラーの保持が困難となり、フィラーが基材表面から脱離する、あるいは、構造物が緻密にならないなどの不具合が生じる恐れがある。
基材表面におけるフィラー同士の間の距離の平均(rav)を0.5μm以上5.0μm未満、より好ましくは0.5μm以上2.0μm以下とすることで上記不具合を抑制し良好な複合構造物を得ることができる。
また、本発明にかかる複合構造物では、基材表面における単位面積あたりのフィラー面積充填率を25%以上とすることが好ましい。
フィラー面積充填率を25%以上に高めることで、構造物をより緻密にすることが可能となる。
また、本発明にかかる複合構造物では、基材表面の表面粗さ(Ra1)を0.1μmよりも大きくすることが好ましく、より好ましくは0.2μmよりも大きく、さらに好ましくは0.25μmよりも大きくする。また、基材表面の表面粗さ(Ra1)を5μm未満とすることが好ましく、より好ましくは1μm未満、さらに好ましくは0.5μm未満とする。
本発明では基材の表面粗さ(Ra1)があまりに小さい場合には、その上に設ける構造物が十分に緻密にならないとの新たな知見を得た。また、基材の表面粗さ(Ra1)があまりに大きい場合には、AD法による構造物の形成が困難となる。基材の表面粗さ(Ra1)を0.1μmよりも大きく、より好ましくは0.2μmよりも大きく、さらに好ましくは0.25μmよりも大きく、あるいは5μm未満、より好ましくは1μm未満、さらに好ましくは0.5μm未満とすることで、その上により緻密な構造物を設けることが可能となる。
また、本発明にかかる複合構造物では、第1領域のマトリクス部を構成する第1の樹脂のDHV2は40以上または7未満であることも好ましい。
一般に、DHV2が40以上または7未満の樹脂上に、例えばAD法等により構造物を形成することは困難である。しかしながら、このような樹脂であっても、その表面に、所定の平均粒子径を有するフィラーを所定範囲のフィラー面積充填率で配置することで、比較的緻密な構造物を形成でき、かつ、構造物の剥離等の不具合を抑制することができる。なお、DHV2とは、材料の塑性変形分を考慮したダイナミック硬さであり、詳細は後述する。DHV2が40以上の樹脂として、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、エポキシ、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ガラスエポキシ等が挙げられる。DHV2の値は一例として、PMMAが89、エポキシは86、PPは48、PCは44、PSは49、ガラスエポキシは48である。DHV2が7未満の樹脂として、例えば、ウレタン、スチレンブタジエン等が挙げられる。
また、本発明にかかる複合構造物では、第1領域のマトリクス部を構成する第1の樹脂のDHV2が7以上40未満であってもよい。このような樹脂の場合、マトリクス部がフィラーを含まない場合でも、AD法により構造物を形成することが可能である。一方、所定の平均粒子径を有するフィラーを所定範囲のフィラー面積充填率を配置することで、構造物をより緻密なものとすることができ好ましい。DHV2が40未満の樹脂として、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミドが挙げられる。DHV2の値は一例として、ABSが33、PETが33、PTFEが8、ポリイミドが10である。
なお、第1領域のマトリクス部を構成する第1の樹脂としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、エポキシ、ウレタン、スチレンブタジエン、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ガラスエポキシ、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミドからなる群より選ばれる少なくともひとつの樹脂成分を含むことも好ましい。また、第1の樹脂が、複数の樹脂成分を含んでいてもよい。
第1の樹脂の種類によっては構造物の形成が難しい場合もあるが、所定の平均粒子径を有するフィラーを所定範囲の充填率で配置した第1領域を設けることで、比較的緻密な構造物を備えた複合構造物を得ることができ、かつ、構造物の剥離等の不具合を抑制することができる。
また、本発明にかかる複合構造物では、基材は、第1領域以外の第2領域をさらに含むことができる。
また、本発明にかかる複合構造物では、第2領域は、第2の樹脂を主成分とすることも好ましい。第2の樹脂は、第1の樹脂と同じであってもよく、また異なっていてもよい。第2の樹脂は、ひとつの樹脂成分を含んでも良いし、複数の樹脂成分を含んでもよい。
また、本発明にかかる複合構造物では、第2領域が多孔質であってもよい。
第1領域を設けることで、第2領域が多孔質であっても複合構造物を得ることができる。
また、本発明にかかる複合構造物では、第2領域の、第1領域と接する面の表面粗さ(Ra2)は0.3μm以上、例えば0.5μm以上、1.0μm以上、1.5μm以上であってもよい。フィラーを含まない樹脂表面に構造物を形成する場合、表面粗さ(Ra2)が0.3μm程度から、構造物の成長と剥離を繰り返すことによって製膜レートが低下する。また、膜質も低下して緻密な構造物を備えた複合構造物を得ることが困難となる。さらに、表面粗さ(Ra2)が1.5μm以上となると、構造物を形成することが不可能となる。本発明では、基材が第1領域を有することによって、表面粗さ(Ra2)が0.3μm以上である第2領域上にも緻密な構造物を形成することが可能となる。
また、本発明にかかる複合構造物では、基材から構造物に向かう方向をZ軸方向としたときに、構造物におけるZ軸方向の長さが1μmよりも大きいことが好ましい。構造物におけるZ軸方向の長さ(厚さ)が1μmよりも大きい場合には、構造物の機能を十分に発現させることができる。
また、本発明にかかる複合構造物では、構造物の表面の表面粗さ(Ra3)は0.1μm未満であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以下である。構造物の表面粗さを十分に小さくすることで、より緻密な構造物とすることができる。
本発明によれば、樹脂を含む基材表面に脆性材料を主成分とする構造物を備えた複合構造物を提供することができる。
本発明にかかる複合構造物の構成を示す模式的断面図。 本発明にかかる複合構造物の構成を示す模式的平面図。 エアロゾルデポジション法に用いる装置の構成を示す模式図。 本発明にかかる第1領域101の平面SEM像。 本発明にかかる基材100の断面SEM像。
本発明の実施形態について、図を参照しつつ説明する。
図1(a)および図1(b)は、本発明にかかる複合構造物の構成を示す模式的断面図である。
図1(a)および図1(b)に示すように、本発明にかかる複合構造物200は、基材100と、構造物50と、を含む。この例では、基材100は、第1領域101と第2領域102とを含む。第1領域101は、基材表面100aを含む。
本明細書において、基材100から構造物50に向かう方向(積層方向)をZ軸方向とする。Z軸方向に垂直な2つの方向をそれぞれX軸方向、およびY軸方向とする。
複合構造物200において、Z軸方向において、第2領域102と構造物50との間に第1領域101が配置される。なお、基材100は、例えば第1領域101と第2領域102との間にさらに別の領域を備えていてもよい。また、基材100は、第2領域102を備えていなくてもよい。
基材100において、第1領域101は、マトリクス部10と、フィラー20と、を含む。マトリクス部10は第1の樹脂を主成分とする。本明細書において「主成分とする」とは、該当する部位の50%以上、より好ましくは70%以上を該成分が占める状態をいう。好ましくは、マトリクス部は第1の樹脂からなる。
第1領域101において、フィラー20はマトリクス部10内に点在している。なお、第2領域102がフィラー20を有していてもよい。
基材表面100aにおけるフィラーの状態について図2を参照しつつさらに説明する。
図2(a)及び図2(b)は、本発明にかかる複合構造物の構成を示す模式的平面図である。図2(a)は、図1に示す複合構造物200をX−Y平面に投影した模式的平面図である。図2(b)は、図2(a)における点線領域を拡大した模式図である。
なお図2(a)及び図2(b)では構造物50(長鎖線)を省略している。
(フィラーの90%粒子径D90)
本発明にかかる複合構造物200において、フィラー20の90%粒子径(D90)は、1.0μm以上60μm以下である。
ここで「90%粒子径(D90)」として、例えば、湿式レーザー回折法によって得られる粒度分布曲線において、相対粒子量が90%となる粒子径を用いてもよい。90%粒子径(D90)は、例えば、マイクロトラック社製のMT3000を用いて測定することができる。
なお、複合構造物200において、基材表面100a全体に構造物50が形成されている場合には、複合構造物200の構造物50を少なくとも一部除去して基材表面100aを露出させ、D90を得ることができる。
複合構造物200の構造物50を一部除去して基材表面100aを露出させ、フィラーのD90を算出する方法について詳細を説明する。
まずSEMなどを用いて断面観察を行い構造物50の厚みを測定する。次に、表面からその厚み分だけ構造物を除去して基材表面100aを露出させる。こうして露出させた基材表面の観察を行う。観察倍率はフィラーの90%粒子径に応じて適宜変えることができる。フィラー径が小さい場合には、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、倍率を2500倍程度とする。単位面積当たり50個以上500個未満のフィラーを含むように視野を選択する。フィラー径が大きい場合には、レーザー顕微鏡を用いて画像を得ても良い。この場合にも同様に単位面積当たり50個以上500個未満のフィラーを含むように視野を選択する。得られた画像を、画像処理ソフト(winroof)を用いてフィラーとマトリクス部とを2値化分離し、各フィラーの円相当径を得る。これを少なくとも5視野で実施して、少なくともフィラー径の数が500以上測定した後、個数分布で90%となる粒子径を得る。得られた数値に、切片法の係数として1.74を乗じてD90を算出する。
基材表面100aが構造物50の形成されていない領域を有する場合には、上述のようにSEMまたはレーザー顕微鏡を用いて得られた画像より、同様にD90を算出する。
次に、構造物50の除去の方法について説明する。
構造物50の除去は任意の方法で行うことができるが、フィラーが脱離しないように配慮が必要である。例えば、研削により徐々に構造物50を除去してもよい。
あるいは構造物50が化学的に溶解可能な場合には、構造物50のみを化学的に溶解させて基材表面100aを露出させてもよい。例えば、構造物50がイットリアの場合は希塩酸を用いて構造物を除去することができる。構造物50がアルミナ、あるいはジルコニアの場合には沸酸等を用いて除去することができる。
なお、複合構造物200において、構造物50を除去せずに、X線CT装置を用いて基材表面100aの画像を得て、SEMやレーザー顕微鏡で得られた画像に対する手法と同様の手法を用いてD90を求めてもよい。
フィラー20の90%粒子径が1.0μm未満に小さい場合には、基材表面に構造物形成を試みた場合に、構造物は形成されるものの圧粉体様の構造物が形成されるか、あるいはフィラーが基材表面から脱離して構造物の剥離が生じてしまう。フィラー20の90%粒子径を1.0μm以上に大きくし、後述するフィラー充填率を所定範囲内とすることで、比較的緻密な構造物が形成できるようになり、かつ、構造物の剥離等の不具合を抑制することができる。
フィラー20の90%粒子径(D90)が60μmよりも大きい場合には、フィラーに占める粗大粒子の割合が大きくなる。そのため後述する充填率の制御が困難となったり、基材100の表面粗さ(Ra1)が著しく大きくなったりする恐れがある。フィラーの平均粒子径を60μm以下に小さくすることで充填率を制御して所望の充填率を達成しやすくなる。また、基材100の表面粗さ(Ra1)を適度に小さくすることができる。
フィラー20の90%粒子径(D90)は、例えば、50μm以下、45μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。また、フィラー20の90%粒子径(D90)が、3μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることがさらに好ましい。
(フィラー面積充填率)
本明細書において、単位面積当たりのフィラー面積充填率(充填率)とは、基材表面100aにおいて、フィラーが占める単位面積当たりの面積割合をいう。
単位面積当たりのフィラー面積充填率は次のようにして算出される。複合構造物200において、基材表面100aが構造物50の形成されていない領域を有する場合には、その基材表面100aを走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察する。例えばフィラー20の90%粒子径(D90)が5〜10μmの場合はSEMで倍率2500倍にて測定を行う。その画像を画像処理ソフト(winroofなど)を用いてフィラー20とマトリクス部10を2値化分離し、統計処理により算出された面積率を算出する。この視野を5視野測定した平均をフィラー面積充填率とする。観察倍率は、単位面積として測定視野内に少なくとも50個以上500個以下のフィラー20を含む視野を確保するように適宜選択すればよく、フィラーの大きさによって変更することができる。例えば、フィラーの90%粒子径(D90)が45μm以上と大きい場合にはSEMの代わりにレーザー顕微鏡を使用しても良い。
複合構造物200において、基材表面100a全体に構造物50が形成されている場合には、複合構造物200の構造物50を少なくとも一部除去した状態で観察を行うことが好ましい。構造物50の除去には前述の方法を用いることができる。また、X線CT装置を使用して基材表面を観察して、算出することも出来る。なお、後述する製造方法にて詳述するが、基材表面100aを研磨した後で充填率を測定することが好ましい。
複合構造物200において、基材表面100aにおける単位面積当たりのフィラー面積充填率(充填率)は、10%より大きく70%以下である。より好ましくは、充填率は25%以上である。ここで基材表面100aとは、Z軸方向に垂直な平面(X−Y平面)と平行な表面である。
充填率が10%以下に小さい場合には、フィラー添加の効果を十分に享受することができない。例えば、マトリクス部10を構成する第1の樹脂への構造物形成が困難である場合において、フィラー20の面積充填率が10%以下に小さい場合にはフィラー20添加による構造物形成の改善効果が得られにくい。また、マトリクス部10を構成する第1の樹脂への構造物形成が可能な場合においても、構造物をより緻密にすることが困難となる。充填率を10%より大きく、より好ましくは25%以上にすることでフィラー20添加の効果をより確実に得ることが出来る。一方、充填率が70%よりも多い場合には、構造物は形成されるものの圧粉体様の構造物が形成されるか、あるいはフィラーが基材表面から脱離するなどして、構造物の剥離が生じてしまう。あるいは構造物が十分に緻密にならない恐れがある。
フィラー面積充填率を10%より大きく70%以下の範囲とすることによって、比較的緻密な構造物とすることができ、かつ、構造物の剥離等の不具合を抑制することができる。
(フィラー間距離rav
本明細書において、フィラー20同士の間の距離の平均(rav)とは、基材表面100aを格子状に区切り、各格子の辺に沿う粒子間の各距離の平均値をいう。測定視野内に少なくとも50個以上のフィラー20を含む範囲を単位面積とする。
具体的には、基材表面100aを走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察する。例えばフィラー20の90%粒子径(D90)が5〜10μmの場合には、SEMで倍率2500倍にて測定を行う。その画像について、単位面積ごとに、画像処理ソフト(winroofなど)を用いてフィラー20とマトリクス部10を2値化分離する。そして、2値化した画像上で描画したライン上の輝度変化を自動的に検出し、変化点間の長さを求めるピーク間距離の測定を格子状に少なくとも測定数500以上行う。このとき、単位面積当たり格子の数は縦横それぞれ15ライン以上とする。それらの距離の平均値をフィラー20同士の間の距離の平均(rav)とする。
例えば図2(b)に示すように、単位面積あたり縦横それぞれ15ライン以上の格子を引く(図はその一部のみを示す)。あるフィラー20aより格子の辺に沿って隣接するフィラーとの間の距離r1、r2、r3、・・・rnのように少なくともr500まで測定する。これを少なくとも単位面積に含まれる全てのフィラーについて行い、それらの平均を算出することで求めることができる。
観察倍率は、測定視野内に少なくとも50個以上のフィラー20を含む単位面積を確保するように適宜選択すればよく、フィラーの大きさによって変更することができる。例えば、フィラーの90%粒子径(D90)が45μm以上と大きい場合にはSEMの代わりにレーザー顕微鏡を使用しても良い。
複合構造物200において、基材表面100a全体に構造物50が形成されている場合には、複合構造物200の構造物50を少なくとも一部除去した状態で観察を行うことが好ましい。また、X線CT装置を使用して基材表面を観察して、算出することも出来る。なお、後述する製造方法にて詳述するが、基材表面を研磨した後でフィラー間距離を測定することが好ましい。
複合構造物200において、基材表面100aにおけるフィラー20同士の間の距離の平均(rav)は、好ましくは0.5μm以上5.0μm未満であり、より好ましくは0.5μm以上2.0μm以下である。ここで基材表面100aとは、Z軸方向に垂直な平面(X−Y平面)と平行な表面である。
フィラー20同士の間の距離の平均(rav)が5.0μm以上の場合には、フィラー20添加の効果を十分に享受することができない。例えば、マトリクス部10を構成する第1の樹脂への構造物形成が困難である場合には、フィラー同士の間の距離の平均(rav)が5.0μm以上大きいと、構造物形成の改善効果が得られにくい。一方、フィラー間距離が0.5μm未満に小さい場合には、構造物は形成されるものの圧粉体様の構造物が形成されるか、あるいはAD法による衝撃等によりフィラーが基材から脱離するなどして、構造物の剥離が生じてしまう。あるいは構造物が十分に緻密にならない恐れがある。
フィラー同士の間の距離の平均(rav)を0.5μm以上5.0μm未満、より好ましくは0.5μm以上2.0μm以下の範囲とすることによって、比較的緻密な構造物とすることができ、かつ、構造物の剥離等の不具合を抑制することができる。
(基材表面の表面粗さRa1)
本発明に係る複合構造物200において、基材表面100aの表面粗さ(Ra1)は、例えば5μm未満であることが好ましく、1μm未満であることがより好ましく、0.5μm未満であることがさらに好ましい。ここで、表面粗さ(Ra1)は、JISB0601に準拠して算出することができる。
基材の表面粗さ(Ra1)が大きい場合には、AD法による構造物の形成が困難となる。基材の表面粗さ(Ra1)を0.1μmよりも大きく、より好ましくは0.2μmよりも大きく、さらに好ましくは0.25μmよりも大きく、および/または、5μm未満、より好ましくは1μm未満、さらに好ましくは0.5μm未満程度に小さくすることで、その上に緻密な構造物を配置することが可能となる。
(フィラー材料)
本発明においてフィラー20として、無機材料フィラー、金属材料フィラーを用いることができる。無機材料フィラーとしては、例えば、アルミナフィラー、ガラスビーズ、シリカフィラー等が挙げられる。金属材料フィラーとしては、銅粉や銀粉、鉄粉、ステンレス鋼粉などが挙げられる。また、フィラー20として樹脂フィラーを用いてもよい。樹脂フィラーの場合には、ナノインデンダーを用いて測定したヤング率が5GPa以上であることが好ましい。このような樹脂フィラーとしては、例えば、ポリイミド樹脂フィラーやポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)フィラーなどが挙げられる。
なお、基材表面100aに機能性を付与するよう適宜フィラーを選択してもよい。強度を高めるには、例えばアルミナ、ジルコニア等のフィラーを用いることができる。またマトリクス部よりも高強度な樹脂フィラーを用いてもよい。
熱伝導性を高めるためには、例えばAlN、BN、アルミナ等のフィラーを用いることができる。導電性を高めるためには、例えば、Ni、Al、Cu、Agなどのフィラーを用いることが出来る。
(フィラー形状)
フィラー20の形状は、任意の形状とすることできる。球形以外にも、破砕粉のような角形状でもよい。
(マトリクス部10)
本発明において、マトリクス部10を構成する第1の樹脂として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化樹脂等任意の樹脂を用いることができる。第1の樹脂は、フィラー20の脱離が生じにくいものが特に好ましい。
マトリクス部10を構成する第1の樹脂のDHV2が40以上であることが好ましい。ここでDHV2とは材料の塑性変形分を考慮したダイナミック硬さである。DHV2は、例えばナノインデンター(エリオニクス社製ENT−2100)を用いて測定することができる。
第1の樹脂として、例えば、エポキシ、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ガラスエポキシなどを含む樹脂用いることができる。また、第1の樹脂として、ウレタン、スチレンブタジエン、あるいは、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミドなどを用いてもよい。
再び図1を参照しつつ、複合構造物200について説明する。
(基材100)
基材100において、第2領域102を任意の材料で構成することができる。
例えば、第2領域102が第2の樹脂を主成分としてもよい。図1(a)に示すように、第1領域101の第1の樹脂と、第2領域102の第2の樹脂を同じ樹脂で構成してもよい。図1(b)に示すように、それぞれ異なる樹脂で構成してもよい。第1の樹脂がひとつ、または複数の樹脂成分を含んでいても良い。第2の樹脂がひとつ、または複数の樹脂成分を含んでいても良い。また、フィラー20は、基材表面100aを含む第1領域101に存在することが必須であるが、第2領域102がフィラー20を含んでいても含んでいなくてもよい。
図1(b)に示すように、第2領域102は樹脂以外、例えばセラミックスや金属で構成されてもよい。例えば、第2領域102がセラミックスや金属で構成され、その表面にうねりがある、表面粗さが粗い、等によりAD法等による構造物形成が困難である場合に、本発明に係る第1領域101を設けることで複合構造物を得てもよい。
基材100において、第2領域102は多孔質でもよい。例えば第2領域102が多孔質である場合、AD法等によりその上に構造物を設けることが困難である場合がある。この場合に第1領域101を設けることにより複合構造物200を得てもよい。
例えば、第2領域102は、アルマイト、溶射膜等であってもよい。第2領域102は、CFRPなどの繊維強化プラスチックであってもよい。第1領域101を設けることで、第2領域102が多孔質、表面粗さが粗いあるいはうねりがある等の表面状態によらず複合構造物200を得ることができる。
(構造物50)
構造物50は、脆性材料を主成分とする。本明細書において「主成分とする」とは、前述の通り、該当する部位の50%以上、より好ましくは70%以上を該成分が占める状態をいう。構造物50は脆性材料からなるものでもよい。
ここで脆性材料として、セラミックスや半金属などが挙げられる。より具体的には、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化クロム、酸化ハフニウム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化珪素などの酸化物、ダイヤモンド、炭化硼素、炭化珪素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化クロム、炭化タングステン、炭化モリブデン、炭化タンタルなどの炭化物、窒化硼素、窒化チタン、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ニオブ、窒化タンタルなどの窒化物、硼素、硼化アルミニウム、硼化珪素、硼化チタン、硼化ジルコニウム、硼化バナジウム、硼化ニオブ、硼化タンタル、硼化クロム、硼化モリブデン、硼化タングステンなどの硼化物、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化イットリウム、フッ化アルミニウムなどのフッ化物、アルミニウムオキシフッ化物、イットリウムオキシフッ化物などのオキシフッ化物、あるいはこれらの混合物や多元系の固溶体、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸リチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸アルミニウム、PZT、PLZTなどの圧電性・焦電性セラミックス、サイアロン、サーメットなどの高靭性セラミックス、水酸アパタイト、燐酸カルシウムなどの生体適合性セラミックス、シリコン、ゲルマニウム、あるいはこれらに燐などの各種ドープ物質を添加した半金属物質、ガリウム砒素、インジウム砒素、硫化カドミウムなどの半導体化合物などが挙げられる。
構造物50は、多結晶であり、平均結晶子サイズは100nm以下である。
ここで、多結晶とは、構造物50が複数の結晶子を含むことを言う。平均結晶子サイズは、例えばX線回折法により求めることができる。
X線回折装置(XRD)として、例えば、「X‘PertPRO(パナリティカル製)」を用いることができる。測定例として、例えば、管電圧45kV、管電流40mA、スキャンステップ0.033°とすることができる。以下のシェラーの式より、結晶子サイズを算出する。
D=Kλ/(βcosθ)
ここで、Dは結晶子サイズであり、βはピーク半値幅(ラジアン(rad))であり、
θはブラッグ角(rad)であり、λは測定に用いたX線の波長である。シェラーの式において、βは、β=(βobs−βstd)により算出される。βobsは、測定試料のX線回折ピークの半値幅であり、βstdは、標準試料のX線回折ピークの半値幅である。Kの値として、例えば0.94を用いる。結晶子サイズの算出に用いることができるX線回折ピークは、構造物50を構成する材料に応じて適宜選択することができる。
なお、TEM観察などの画像から、結晶子サイズを算出してもよい。例えば、平均結晶子サイズには、結晶子の円相当直径の平均値を用いることができる。
構造物50において、平均結晶子サイズは100nm以下である。好ましくは平均結晶子サイズは50nm以下であり、より好ましくは30nm以下である。平均結晶子サイズが十分に小さいほど緻密な構造物を得ることができる。そのため、例えば耐摩耗性や高硬度などの高い機械的特性が要求される用途に、複合構造物200を用いることができる。
ここで、構造物50を形成するための具体的な方法のひとつとして、エアロゾルデポジション法が挙げられる。エアロゾルデポジション法では、脆性材料などの原料微粒子をガス中に分散させたエアロゾルをノズルから基材に向けて噴射し、金属やガラス、セラミックスやプラスチックなどの基材に原料微粒子を衝突させる。この衝突の衝撃により微粒子に変形や破砕を起させしめてこれらを接合させ、基材上に原料微粒子の構成材料からなる構造物をダイレクトで形成させる。特に加熱手段を必要としない常温で構造物が形成可能であり、焼成体同等の機械的強度を保有する構造物を得ることができる。
図3は、エアロゾルデポジション法に用いる装置の構成を示す模式図である。
図3に示すように、エアロゾルデポジション法に用いる装置30は、原料微粒子とガスとを混合したエアロゾルを発生させるエアロゾル発生器303と、エアロゾルを基材に向けて噴射するノズル306とを備えている。ノズル306は、例えば配管304によりエアロゾル発生器303と接続される。また、位置制御手段307により、ステージ308に固定された基材と、ノズル306と、を相対的に移動、揺動させ、所望の面積、所望の厚さの構造物を形成することができる。減圧下で構造物の形成を行う場合には、チャンバー305と真空ポンプ309とを備えればよい。またエアロゾル発生器303とガス発生源301とを配管302で接続してもよい。
エアロゾルデポジション法の形成温度は常温であり、微粒子材料の融点より十分に低い温度、すなわち数百℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは常温で構造物を形成することができる。従って選択できる基材は多種に亘り、低融点金属や樹脂材料を含む複合構造物とすることができる。
AD法によって形成される構造物50において、結晶性の脆性材料微粒子を原料として用いる場合、構造物の脆性材料部分は、その結晶子サイズが原料微粒子のそれに比べて小さい。AD法で形成された構造物の平均結晶子サイズは、例えば100nm以下であり、より好ましくは50nm以下である。その結晶は実質的に結晶配向性がない場合が多い。
この方法により形成される構造物50は、微粒子同士が圧力によりパッキングされただけで物理的な付着で形態を保っている状態のいわゆる圧粉体とは明らかに異なる。圧粉体との違いは、例えば構造物50の硬度によって判別できる。例えば、ビッカース硬度がHV50以下に小さい場合には、圧粉体と判断し、HV50よりも大きい場合、構造物と判断してもよい。なおビッカース硬度は、例えば、ナノインデンター(エリオニクス社製ENT−2100)を用い、構造物の表面から150nm〜500nm付近の深さについて硬度を測定し、ビッカース硬度に換算することができる。
AD法において、脆性材料微粒子が破砕・変形を起していることは、原料として用いる脆性材料微粒子および形成された脆性材料構造物の結晶子サイズをX線回折法で測定することにより判断できる。すなわち構造物の結晶子サイズが原料の結晶子サイズよりも小さい場合には、破砕等が生じたと考えることができる。
AD法に用いる原料微粒子として、用途に応じて、脆性材料微粒子と樹脂微粒子、金属微粒子などとを組み合わせてもよい。
(製造方法)
次に複合構造物200を形成する方法について説明する。
まず、基材100の形成方法について説明する。
マトリクス部10となる第1の樹脂材料と、アセトンなどの溶媒とを攪拌容器内で混合し、スターラーなどの攪拌機で十分に混合して第1の樹脂材料を溶媒に完全に溶解させる。この溶液に、所定量のフィラーを添加し、さらに十分に攪拌して、フィラー樹脂混合溶液を得る。この混合溶液を、支持体(第2領域)の上に滴下して硬化させる。このとき、マトリクス部10を構成する第1の樹脂材料が熱硬化性樹脂の場合には、オーブン等を用いて十分に加熱する。マトリクス部10を構成する第1の樹脂が光硬化性樹脂の場合には、例えば紫外線硬化装置などにより光照射を行う。支持体(第2領域)は、マトリクス部を構成する第1の樹脂と同じ成分である第2の樹脂からなってもよいし、マトリクス部を構成する第1の樹脂とは異なる成分である第2の樹脂からなってもよい。また、支持体(第2領域)は、セラミックス、金属などからなってもよい。また、前述のフィラー樹脂混合溶液を用いずに、支持体(第2領域)に第1の樹脂を塗布し、その上にフィラーを均等に配置させた後、十分に乾燥させて第1の樹脂を硬化させてもよい。乾燥温度は常温〜150℃程度とすることができる。
第1の樹脂硬化後に、その表面を研磨することで、基材100を得ることが好ましい。なお、複合構造物200が第2領域を含まない場合には、樹脂硬化後に支持体を除去してもよい。
次に、基材100上に構造物を形成する。
構造物は公知の方法で形成することができる。例えば、微粒子を高速で基材表面100aに吹き付けることで構造物を形成することができる。
これによって複合構造物200を得ることができる。
試料1〜37
(基材100の作製)
支持体(第2領域)として、20mm角で厚さ10mmのポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)板を用意した。表面の汚れを除去するために、イオン交換水およびエタノールによる洗浄を順次実施した。なお、ポリメチルメタクリレート板は汎用性が高くさまざまな用途に用いられる一方、例えばAD法等による構造物の形成が困難であることが知られている。試料1〜37では、このポリメチルメタクリレート板を、基材100の第2領域102とした。
次に第1領域101を作製した。
50ml攪拌容器に、マトリクス部10を構成する第1の樹脂として、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂とアセトンとを投入し、スターラーを用いて5分間攪拌を行い、エポキシ樹脂をアセトンに完全に溶解させた。更にそのエポキシ溶液に各種フィラー20を所定量投入し、更に5分以上スターラーにて攪拌を行うことで、フィラー樹脂混合溶液1を作製した。
また、同様にマトリクス部を構成する第1の樹脂をアクリル系樹脂とした例では、50ml攪拌容器に光硬化樹脂のアクリル系樹脂とエタノールを加えスターラーにて5分以上攪拌し、アクリル系樹脂をエタノールに完全に溶解させた。その後、硬化剤としてイルガギュア184を投入しスターラーにて攪拌した。さらにフィラーを投入して5分以上攪拌することでフィラー樹脂混合溶液2を得た。
次に、第2領域102の上に第1領域101を形成した。
マトリクス部10を構成する第1の樹脂として、熱硬化樹脂であるエポキシ樹脂を用いた場合には、表面を洗浄した第2領域にフィラー樹脂混合溶液1を滴下し、オーブンにて120℃2時間以上熱硬化させた。また、マトリクス部10を構成する第1の樹脂として、光硬化のアクリル樹脂を用いた場合には、同様に第2領域にフィラー樹脂混合溶液2を滴下した後、紫外線硬化装置で10秒間アクリル樹脂を硬化させた。また、マトリクス部10を構成する第1の樹脂として、ウレタン系樹脂を用いた場合には、第2領域にウレタン系樹脂を塗布し、その上にフィラーを均等に配置させた後、室温で十分に乾燥させて硬化させた。また、マトリクス部10を構成する第1の樹脂として、スチレンブタジエン系樹脂を用いた場合には、同様に第2領域にスチレンブタジエン系樹脂を塗布し、その上にフィラーを均等に配置させた後、室温で十分に乾燥させて硬化させた。
更にこれらの硬化体のうち、マトリクス部10を構成する第1の樹脂としてエポキシ樹脂またはアクリル樹脂を用いた場合には、硬化体を#500、#3600、#8000番の研磨紙を用いて研磨して、基材100を得た。また、マトリクス部10を構成する第1の樹脂としてウレタン系樹脂またはスチレンブタジエン系樹脂を用いた場合には、研磨剤入りのペーストを用いて表面研磨を行い、基材100を得た。なお、第1領域101の厚さは、100〜500μmであった。
試料38、39
第2領域102としてポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)板の代わりに炭素繊維強化プラスチック板(CFRP)または、アルミニウム表面に陽極酸化被膜を設けたアルマイト板とした以外、試料11と同様の方法で試料38、39を得た。
試料1〜39について、マトリクス部を構成する第1の樹脂およびフィラーの詳細を表1に示す。なお、第1の樹脂としてフィラー樹脂混合溶液1または2を用いた試料ではそのDHV2はいずれも40以上だった。また、第1の樹脂としてウレタン系樹脂またはスチレンブタジエン系樹脂を用いた試料ではそのDHV2はいずれも7未満だった。
(基材100の評価)
得られた基材100について、フィラーの90%粒子径(D90)、フィラー面積充填率、フィラー同士の間の距離の平均(rav)及び表面粗さ(Ra1)の測定を行った。
フィラーの90%粒子径(D90)を以下の方法で測定した。
試料3〜30、35〜39については、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて基材表面100aの画像を得た。倍率は2500倍とした。試料31〜34については、レーザー顕微鏡を用いて画像を得た。単位面積当たり50個以上のフィラーを含むように視野を選択した。得られた画像を、画像処理ソフト(winroof)を用いてフィラーとマトリクス部とを2値化分離し、各フィラーの円相当径を得た。これを5視野で実施し、少なくともフィラー径の数が500以上測定した後、個数分布で90%の粒子径を得た。得られた数値に、切片法の係数として1.74を乗じてD90を算出した。なお、試料2については良好なサンプルが得られなかった為、原料の90%粒子径(D90)の値とした。
フィラー面積充填率は以下の方法で測定した。試料3〜30、35〜39については、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて基材表面100aの画像を得た。倍率は2500倍とした。試料31〜34については、レーザー顕微鏡を用いて基材表面100aの画像を得た。単位面積当たり50個以上のフィラーを含むように視野を選択した。得られた画像を、画像処理ソフト(winroof)を用いてフィラーとマトリクス部とを2値化分離し、統計処理により算出された面積率を算出した。この視野を5視野測定した平均をフィラー面積充填率とした。なお、試料2では研磨により良好な基材表面が得られず、フィラー面積充填率の測定ができなかった。
フィラー同士の間の距離の平均(rav)は以下の方法で測定した。
試料3〜30、35〜39については、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて基材表面100aの画像を得た。倍率は2500倍とした。試料31〜34では、レーザー顕微鏡を用いて基材表面100aの画像を得た。単位面積当たり50個以上のフィラーを含むように視野を選択した。このとき、単位面積当たり格子の数は縦横それぞれ15ライン以上とした。得られた画像について、画像処理ソフト(winroof)を用いてフィラーとマトリクス部を2値化分離し、2値化した画像上で描画したライン上の輝度変化を自動的に検出して変化点間の長さを求めるピーク間距離の測定を、格子状に少なくとも測定数500以上行った。それらの距離の平均値をフィラー20同士の間の距離の平均(rav)とした。なお、試料2では研磨により良好な基材表面が得られず、フィラー同士の間の距離の平均(rav)の測定ができなかった。試料8および試料11について、平面SEM像を図4(a)及び図4(b)にそれぞれ示す。また、試料38について、断面SEM像を図5(a)及び図5(b)にそれぞれ示す。図5(a)及び図5(b)では倍率が異なる。これらのSEM像より、比較的大きい粒径のフィラーが点在している様子が確認できる。
基材表面の表面粗さ(Ra1)については、東京精密社製サーフコム130Aを用い、JIS B0601に準拠して算出した。なお、フィラーを添加していない試料1については、マトリクス部10の表面粗さを表している。また、試料2では研磨により良好な基材表面が得られず、基材の表面粗さRa1の測定ができなかった。
基材100のフィラーの90%粒子径(D90)、フィラー面積充填率、フィラー同士の間の距離の平均(rav)及び基材表面の表面粗さ(Ra1)を表1に示す。
(構造物50の作製)
研磨後の基材100を真空チャンバー内に設置し、平均粒子径0.4μmのイットリア微粒子を用いて、窒素ガス10L/minの流量でエアロゾルを発生させ、ノズルより基材100表面に噴射させて、イットリア構造物を形成させ、複合構造物200を得た。
得られた複合構造物200について、東京精密社製サーフコム130Aにて構造物50の厚さ(Z軸方向の長さ)の測定を行った。更に、構造物50の表面を1μmのダイヤモンドペーストを用いて研磨した。ナノインデンター(エリオニクス社製ENT−2100)を用いて、構造物50の表面から150nm〜500nm付近の深さについて硬度を測定し、ビッカース硬度に換算した。
構造物50の厚さが0.5μm未満あるいはビッカース硬度がHV50以下の試料については評価を「D」とした。構造物50の厚さが0.5μm以上かつビッカース硬度がHv100以下の試料については評価を「C」とした。構造物50の厚さが0.5μm以上かつビッカース硬度がHV100〜300の試料については評価を「B」とした。構造物50の厚さが0.5μm以上かつビッカース硬度がHV300以上の試料については評価を「A」とした。なお、試料7について、構造物の厚みは4μm、ビッカース硬度HVは180であった。試料14について、構造物の厚みは4μm、ビッカース硬度HVは80であった。試料16について、厚さは3μm、ビッカース硬度HVは439であった。試料22について、厚さは3μm、ビッカース硬度HVは532であった。ここで、厚さは構造物形成能の指標であり、ビッカース硬度は緻密度の指標である。
また、硬度測定が可能であった試料について、X線回折法を用いて構造物50の平均結晶子サイズを測定した。その結果、平均結晶子サイズはいずれも100nm以下であることが確認された。
第2領域の表面粗さ(Ra2)および構造物の表面粗さ(Ra3)については、東京精密社製サーフコム130Aを用い、JIS B0601に準拠して算出した。構造物の表面粗さ(Ra3)については、評価C・DのサンプルはいずれもRaが0.1μm以上と大きかった。評価A・BのサンプルはいずれもRaが0.1μm未満に小さく、特に評価AのサンプルではRaが0.05μm以下に小さかった。また、第2領域の表面粗さ(Ra2)については、第2の樹脂がアクリル樹脂のものでは0.1μm未満であった。第2の樹脂がCFRPのものでは0.1μmであった。第2の樹脂がアルマイトのものでは0.5μmであった。
結果を表1に示す。
フィラー20を添加していない試料1では、マトリクス部10が削れ、構造物50は形成されなかった。フィラー20としてD90が0.01μmと細かいものを用いた試料2では、フィラーが削れただけで構造物50は形成されなかった。また、フィラー20としてD90が0.1μmと小さいものを用いた場合には、面積充填率とフィラー同士の間の距離の平均(rav)との両方を所定範囲内とすることができないか、所定範囲内にできた場合でも、ビッカース硬度が100以下となり緻密な構造物50を得ることができなかった。また、形成条件を変えて、より緻密な構造物を得ようと試みたが、緻密な構造物50を得ることはできなかった。フィラー径が1.0μm以上の場合において、フィラー面積充填率が10%以下に小さい試料9、12では、マトリクス部10が削れ、構造物50は形成されなかった。また、フィラー面積充填率が10%以下に小さい試料6では、構造物は形成されたものの、緻密な構造物は得られなかった。形成条件を変えて、より緻密な構造物を得ようと試みたが、緻密な構造物50を得ることはできなかった。フィラー面積充填率が70%よりも大きい試料29、30、34では、圧粉体となるかあるいはフィラーが脱離するなど、良好な構造物を得ることができなかった。そのほかの試料については、構造物の厚さが2〜30μmであり、比較的緻密な構造物を備えた複合構造物であった。
10 マトリクス部
20 フィラー
30 エアロゾルデポジション装置
50 構造物
60 ファイバー
100 基材
100a 基材表面
101 第1領域
102 第2領域
200 複合構造物
301 ガス発生源
302 配管
303 エアロゾル発生器
304 配管
305 チャンバー
306 ノズル
307 位置制御手段
308 ステージ
309 真空ポンプ

Claims (22)

  1. 基材と、基材表面に設けられ脆性材料を主成分とする構造物と、を含む複合構造物であって、
    前記構造物は多結晶であり、前記構造物の平均結晶子サイズは100nm以下であって、
    前記基材は、前記基材表面を含む第1領域を少なくとも含み、
    前記第1領域は、
    第1の樹脂を主成分とするマトリクス部と、
    フィラーと、
    を含み、
    前記フィラーの90%粒子径(D90)は1.0μm以上60μm以下であって、
    前記基材表面における単位面積あたりのフィラー面積充填率は、10%より大きく70%以下である、複合構造物。
  2. 前記基材表面における前記フィラー同士の間の距離の平均(rav)は0.5μm以上5.0μm未満である、請求項1に記載の複合構造物。
  3. 前記基材表面における前記フィラー同士の間の距離の平均(rav)は0.5μm以上2.0μm以下である、請求項1に記載の複合構造物。
  4. 前記基材表面における単位面積あたりのフィラー面積充填率は25%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合構造物。
  5. 前記基材表面の表面粗さ(Ra)は0.1μmよりも大きい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合構造物。
  6. 前記基材表面の表面粗さ(Ra)は0.2μmよりも大きい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合構造物。
  7. 前記基材表面の表面粗さ(Ra)は0.25μmよりも大きい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合構造物。
  8. 前記基材表面の表面粗さ(Ra)は5μm未満である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合構造物。
  9. 前記基材表面の表面粗さ(Ra)は1μm未満である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合構造物。
  10. 前記基材表面の表面粗さ(Ra)は0.5μm未満である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合構造物。
  11. 前記第1領域のマトリクス部を構成する前記第1の樹脂のDHV2は40以上または7未満である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の複合構造物。
  12. 前記第1領域のマトリクス部を構成する前記第1の樹脂は、エポキシ、ポリメチルメタクリレート、ウレタン、スチレンブタジエン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド、ガラスエポキシからなる群より選ばれる少なくともひとつの樹脂成分を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の複合構造物。
  13. 前記基材は、前記第1領域以外の第2領域をさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の複合構造物。
  14. 前記第2領域は、第2の樹脂を主成分とする、請求項13に記載の複合構造物。
  15. 前記第2領域の前記第2の樹脂は、前記第1領域の前記第1の樹脂と同じである、請求項14に記載の複合構造物。
  16. 前記第2領域の前記第2の樹脂は、前記第1領域の前記第1の樹脂と異なる、請求項14に記載の複合構造物。
  17. 前記第2領域は多孔質である、請求項13〜16のいずれか1項に記載の複合構造物。
  18. 前記第2領域の、前記第1領域と接する面の表面粗さ(Ra)は0.3μm以上である、請求項13〜17のいずれか1項に記載の複合構造物。
  19. 前記基材から前記構造物に向かう方向をZ軸方向としたときに、前記構造物における前記Z軸方向の長さは1μmよりも大きい、請求項1〜17のいずれか1項に記載の複合構造物。
  20. 前記構造物の平均結晶子サイズは50nm以下である、請求項13〜19のいずれか1項に記載の複合構造物。
  21. 前記構造物の平均結晶子サイズは30nm以下である、請求項13〜19のいずれか1項に記載の複合構造物。
  22. 前記構造物の表面の表面粗さ(Ra)は0.05μm以下である、請求項13〜16のいずれか1項に記載の複合構造物。
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