[実施の形態1]
図1に、本実施の形態におけるセンサシステムの概要を示す。黒丸の図形は、例えば加速度センサ、ジャイロセンサ、方位センサ、或いは高度センサ等の機能を有するセンサノードである。センサノードは面状に設置される。各センサノードはケーブル等によって他のセンサノードと接続されており、他のセンサノードとデータ通信を行うことができる。第1の実施の形態においては、センサノードは、例えばコンクリートの構造物(橋梁或いはトンネルなど)に等間隔で設置される。
センサノードによって形成される面の角に位置する1のセンサノードには、ゲートウェイ31が接続される。ゲートウェイ31には、サーバ11が接続される。また、センサノードによって形成される面の他の角に位置する1のセンサノードには、ゲートウェイ32が接続される。ゲートウェイ32には、サーバ12が接続される。サーバ11はゲートウェイ31に無線で接続されてもよく、サーバ12はゲートウェイ32に無線で接続されてもよい。
なお、図1においてはセンサノードの数は66であるが、数に限定は無い。また、サーバ及びゲートウェイはそれぞれ2台であるが、ゲートウェイ32及びサーバ12が無くても本実施の形態の方法を実現することは可能である。
図2に、センサノードの回路構成の概要を示す。センサノードは、制御部51と、センサ部52と、電源回路53と、電源スイッチS1乃至S4と、物理ポート1乃至4と、制御線L1乃至L4とを含む。
物理ポート1乃至4は、隣接する装置との接続インタフェースである。各物理ポートには座標軸及び座標軸の符号(極性とも呼ばれる)が割り当てられる。ここでは、X軸及びY軸は、センサノードによって形成される長方形の面に含まれ、Z軸はその面に直行するとする。初期的には、物理ポート1にはX軸の正号が割り当てられ、物理ポート2にはY軸の正号が割り当てられ、物理ポート3にはX軸の負号が割り当てられ、物理ポート4にはY軸の負号が割り当てられる。但し、後述する処理によって各物理ポートに対応する仮想ポートが決定されると、各物理ポートの座標軸及びその符号は、対応する仮想ポートに割り当てられた座標軸及びその符号に変更される。
センサ部52には、仮想ポート1乃至4に割り当てられた座標軸及びその符号に従って、計測における座標軸及びその符号が設定される。具体的には、X軸の正方向が、X軸の負号が割り当てられた仮想ポート(本実施の形態においては、仮想ポート3)からX軸の正号が割り当てられた仮想ポート(本実施の形態においては、仮想ポート1)に向かう方向になり、Y軸の正方向が、Y軸の負号が割り当てられた仮想ポート(ここでは、仮想ポート4)からY軸の正号が割り当てられた仮想ポート(ここでは、仮想ポート2)に向かう方向になるように設定が行われる。
制御部51は、他のセンサノード又はゲートウェイ31及び32との間で送受信されるパケットの伝送ルートを制御する。また、制御部51は、電源スイッチS1乃至S4のオン及びオフを制御することによって、他のセンサノードに対する、物理ポートを介した電力供給を制御する。
電源スイッチS1は、制御部51から制御線L1を介して送信された制御信号に従って、物理ポート1への電力の出力をオン又はオフするスイッチである。電源スイッチS2は、制御部51から制御線L2を介して送信された制御信号に従って、物理ポート2への電力の出力をオン又はオフするスイッチである。電源スイッチS3は、制御部51から制御線L3を介して送信された制御信号に従って、物理ポート3への電力の出力をオン又はオフするスイッチである。電源スイッチS4は、制御部51から制御線L4を介して送信された制御信号に従って、物理ポート4への電力の出力をオン又はオフするスイッチである。なお、電源スイッチS1乃至S4としてサイリスタが示されているが、サイリスタに限られるわけではない。
電源回路53は、隣接するセンサノード或いはゲートウェイ31及び32から物理ポートを介して供給された電力から、自センサノード内で使用する電力を生成する回路である。
なお、ゲートウェイ31及び32の回路構成はセンサノードの回路構成と同様である。
図3に、サーバ11の機能ブロック図を示す。サーバ11は、通信部101と、解析部102と、出力部103と、センサデータ格納部104とを含む。サーバ12の機能ブロック図はサーバ11の機能ブロック図と同じである。
通信部101は、ゲートウェイ31との間でデータの送受信を行う。解析部102は、センサデータ格納部104に格納されたデータに基づき解析処理を実行し、解析処理の結果を出力部103に通知する。出力部103は、解析部102から受け取った解析処理の結果及びセンサデータ格納部104に格納されたデータに基づき表示データを生成し、表示装置(例えばモニタ)に表示させる。
次に、図4乃至図13を用いて、センサノードが設置された後にセンサノードに対して自動で設定を行う処理について説明する。説明を簡単にするため、図4に示すセンサノード1、センサノード2、センサノード5、及びセンサノード6に対して設定を行う場合の設定を例にして説明する。各センサノード及びゲートウェイ31に付された数字は物理ポート番号を表す。図4の例では、ゲートウェイ31の物理ポート1に、センサノード1の物理ポート1が接続されている。センサノード1の物理ポート4にはセンサノード2の物理ポート3が接続され、センサノード1の物理ポート3にはセンサノード5の物理ポート4が接続されている。センサノード5の物理ポート3にはセンサノード6の物理ポート4が接続され、センサノード5の物理ポート2には他のセンサノード(図示せず)が接続されている。センサノード2の物理ポート4にはセンサノード6の物理ポート3が接続され、センサノード2の物理ポート1には他のセンサノード(図示せず)が接続されている。センサノード6の物理ポート2には他のセンサノード(図示せず)が接続され、センサノード6の物理ポート1には他のセンサノード(図示せず)が接続されている。
図4に示した状態は、本実施の形態で説明する自動設定が行われる前の状態であり、センサノードに設定された座標軸の方向が統一されていない。具体的には、センサノード1のX軸正方向は12時方向であり、センサノード5のX軸正方向は9時方向であり、センサノード2のX軸正方向は3時方向であり、センサノード6のX軸正方向は6時方向である。
図5乃至図13を用いて、センサシステムにおいて行われる処理について説明する。
まず、ゲートウェイ31は、ゲートウェイ31の物理ポート1を介してセンサノード1の電源を投入する(図5:ステップS1001)。センサノード1はパワーオンされ、センサノード1は初期化処理を実行する(ステップS1003)。ここで、ゲートウェイ31は監視タイマを起動し、ノード1からの応答を監視する。
センサノード1は、センサノード1の起動が完了したことを通知するための起動通知を生成し、センサノード1の全物理ポートに送信する(ステップS1005)。本実施の形態において、データは図6に示すようなフレームの形式で転送される。図6の例では、フレームは、宛先座標と、宛先IDと、送信元座標と、送信元IDと、フレームの種別と、送信元から宛先までのホップ数と、仮想ポート番号と、ペイロードとを含む。宛先座標及び送信元座標は、X座標及びY座標を含む。フレームが起動通知である場合には、フレームの種別として起動通知であることを表す情報が含まれる。仮想ポート番号は、フレームを出力したポートの仮想ポート番号である。但し、ステップS1005の段階においては、フレームは仮想ポート番号を含まず、物理ポートの番号(図4の例では、物理ポート番号「1」)を含むものとする。
図5の説明に戻り、物理ポート2乃至4から送信された起動通知は、送信先にセンサノードが存在しないか又は送信先のセンサノードが未起動であるため廃棄される。なお、起動通知に対する応答が無いことを確認したうえでタイムアウト処理を行うようにしてもよい。一方、物理ポート1から送信された起動通知は、ゲートウェイ31に受信される。
ゲートウェイ31は、起動通知の送信元であるセンサノード1のIDを登録し(ステップS1007)、ゲートウェイ31のIDと仮想ポート番号「1」とを含む応答をセンサノード1に送信する。
センサノード1は、応答を受信すると、登録処理を実行する(ステップS1009)。登録処理については、図7乃至図9を用いて説明する。
まず、センサノード1の制御部51は、(応答を受信した物理ポートの番号)−(受信した仮想ポートの番号)を算出する(図7:ステップS1)。
制御部51は、ステップS1において算出された数が「+2」又は「−2」であるか判断する(ステップS3)。ステップS1において算出された数が「+2」又は「−2」である場合(ステップS3:Yesルート)、制御部51は、各物理ポートに対応する仮想ポート番号を、仮想ポート番号=物理ポート番号として設定する。また、制御部51は、軸のズレが無いと判定する(ステップS5)。ここで、制御部51は、センサ部52に対し、軸の設定を行う。具体的には、計測におけるX軸の正方向が、X軸の負号が割り当てられた物理ポートからX軸の正号が割り当てられた物理ポートに向かう方向になり、Y軸の正方向が、Y軸の負号が割り当てられた物理ポートからY軸の正号が割り当てられた物理ポートに向かう方向になるように設定を行う。
また、制御部51は、ステップS5の処理結果に従い管理テーブルに情報を登録する。図8に、制御部51が管理する管理テーブルの一例を示す。図8の例では、物理ポートの番号と、ゲートウェイに接続された物理ポートであるか否かを示す情報と、上位のセンサノードと接続された物理ポートであるか否かを示す情報と、他のセンサノードに接続された物理ポートであるか否かを示す情報と、他のセンサノード(又はゲートウェイ)の仮想ポート番号と、軸のズレを表す情報と、物理ポートに対応する仮想ポートの番号と、自センサノードの座標と、他のセンサノードの座標と、他のセンサノードのIDとが格納される。上位のセンサノードとは、ゲートウェイ31により近いセンサノードのことである。物理ポートがゲートウェイに接続されている場合(すなわち、ゲートウェイであることを示す情報を受信した場合)には、他のセンサノードの座標の欄にはゲートウェイのIDが格納される。また、他のセンサノードの仮想ポート番号は、物理ポートに対応する仮想ポートの番号が1である場合には3、2である場合には4、3である場合には1、4である場合には2に設定される。処理は端子Kを介して図9のステップS17に移行する。
図5の説明に戻り、ステップS1において算出された数が「+2」又は「−2」ではない場合(ステップS3:Noルート)、制御部51は、ステップS1において算出された数が「+3」又は「−1」であるか判断する(ステップS7)。ステップS1において算出された数が「+3」又は「−1」である場合(ステップS7:Yesルート)、制御部51は、各物理ポートに対応する仮想ポート番号を、仮想ポート番号=(物理ポート番号−1)として設定する。但し、物理ポート番号が1である場合には、仮想ポート番号を4とする。また、センサノード1は、X軸及びY軸を右に(本実施の形態においては、時計回りに)90度回転すべきと判定する(ステップS9)。ここで、制御部51は、センサ部52に対し、軸の設定を行う。具体的には、計測におけるX軸の方向及びY軸の方向を右に90度回転するように設定を行う。これにより、X軸の値とY軸の値とが入れ替えられ、且つX軸の正号と負号とが入れ替えられる。処理は端子Kを介して図9のステップS17に移行する。
ステップS1において算出された数が「+3」又は「−1」ではない場合(ステップS7:Noルート)、制御部51は、ステップS1において算出された数が「0」であるか判断する(ステップS11)。ステップS1において算出された数が「0」である場合(ステップS11:Yesルート)、制御部51は、各物理ポートに対応する仮想ポートの番号を、仮想ポート番号=(物理ポート番号±2)として設定する。具体的には、物理ポートの番号が1である場合には仮想ポートの番号を3に、2である場合には4に、3である場合には1に、4である場合には2に設定する。また、制御部51は、X軸及びY軸を右に180度回転すべきと判定する(ステップS13)。ここで、制御部51は、センサ部52に対し、軸の設定を行う。具体的には、計測におけるX軸の方向及びY軸の方向を逆にする(すなわち、右に180度回転する)ように設定を行う。これにより、X軸及びY軸について、正号と負号とが入れ替えられる。処理は端子Kを介して図9のステップS17に移行する。
ステップS1において算出された値が「0」ではない場合(ステップS11:Noルート)、制御部51は、各物理ポートに対応する仮想ポートの番号を、仮想ポート番号=(物理ポート番号+1)として設定する。但し、物理ポートの番号が4である場合には仮想ポートの番号を1に設定する。また、制御部51は、X軸及びY軸を右に270度回転すべきと判定する(ステップS15)。ここで、制御部51は、センサ部52に対し、軸の設定を行う。具体的には、計測におけるX軸の方向及びY軸の方向を右に270度回転するように設定を行う。これにより、X軸の値とY軸の値とが入れ替えられ、且つY軸の正号と負号とが入れ替えられる。処理は端子Kを介して図9のステップS17に移行する。
図9の説明に移行し、制御部51は、応答の送信元がゲートウェイであるか判定する(ステップS17)。応答の送信元がゲートウェイであるか否かは、応答に含まれる送信元IDによって判定される。
応答の送信元がゲートウェイである場合(ステップS17:Yesルート)、制御部51は、自座標(0,0)を管理テーブルに登録する(ステップS19)。そして呼び出し元の処理に戻る。
応答の送信元がゲートウェイではない場合(ステップS17:Noルート)、制御部51は、応答の送信元の仮想ポート番号は1であるか判断する(ステップS21)。応答の送信元の仮想ポート番号は1である場合(ステップS21:Yesルート)、制御部51は、自座標を、応答の送信元の座標(X,Y)のX座標に1加えた座標(X+1,Y)を管理テーブルに登録する(ステップS23)。そして呼び出し元の処理に戻る。
応答の送信元の仮想ポート番号は1ではない場合(ステップS21:Noルート)、制御部51は、応答の送信元の仮想ポート番号は2であるか判断する(ステップS25)。応答の送信元の仮想ポート番号は2である場合(ステップS25:Yesルート)、制御部51は、自座標を、応答の送信元の座標(X,Y)のY座標に1加えた座標(X,Y+1)を管理テーブルに登録する(ステップS27)。そして呼び出し元の処理に戻る。
応答の送信元の仮想ポート番号は2ではない場合(ステップS25:Noルート)、制御部51は、応答の送信元の仮想ポート番号は3であるか判断する(ステップS29)。応答の送信元の仮想ポート番号は3である場合(ステップS29:Yesルート)、制御部51は、自座標を、応答の送信元の座標(X,Y)のX座標から1引いた座標(X−1,Y)を管理テーブルに登録する(ステップS31)。そして呼び出し元の処理に戻る。
応答の送信元の仮想ポート番号は3ではない場合(ステップS29:Noルート)、制御部51は、自座標を、応答の送信元の座標(X,Y)のY座標から1引いた座標(X,Y−1)を管理テーブルに登録する(ステップS33)。そして呼び出し元の処理に戻る。
図5の説明に戻り、センサノード1は、起動通知に対する応答を受信した物理ポートに対応する仮想ポートの番号「3」及びセンサノード1の座標(0,0)を含む変更通知をゲートウェイ31に送信する。
ゲートウェイ31は、センサノード1の座標(0,0)及び仮想ポート番号「3」を登録し(ステップS1011)、電源投入指示をセンサノード1に送信する。
センサノード1は、電源投入指示を受信した場合、電源を未だ投入していない物理ポートを探索する(ステップS1013)。処理は端子A乃至Eを介して図10のステップS1015に移行する。
図10の説明に移行し、センサノード1は、電源を未だ投入していない物理ポートのうち1の物理ポート(ここでは、仮想ポート「1」に対応する物理ポート)を介してセンサノード(ここでは、センサノード5)に電源を投入する(ステップS1015)。センサノード5はパワーオンされ、センサノード5は初期化処理を実行する(ステップS1017)。ここで、センサノード1は監視タイマを起動し、センサノード5からの応答を監視する。なお、全物理ポートに同時に電源を投入することも可能であるが、その場合にはサージ電流に注意する。ステップS1015においては、例えば、電源を未だ投入していない物理ポートのうち仮想ポート番号が最も小さい物理ポートを介して電源が投入される。
センサノード5は、センサノード5の起動が完了したことを通知するための起動通知を生成し、センサノード5の全物理ポートに送信する(ステップS1019)。
センサノード5から送信された起動通知のうち、物理ポート1乃至3から送信された起動通知は、送信先にセンサノードが存在しないか又は送信先のセンサノードが未起動であるため廃棄される。なお、起動通知に対する応答が無いことを確認したうえでタイムアウト処理を行うようにしてもよい。一方、物理ポート4から送信された起動通知は、センサノード1に受信される。
センサノード1は、起動通知の送信元であるセンサノード5のIDを管理テーブルに登録し(ステップS1021)、センサノード1の座標(0,0)と仮想ポート番号「1」とを含む応答をセンサノード5に送信する。
センサノード5は、応答を受信すると、登録処理を実行する(ステップS1023)。登録処理については、図7乃至図9を用いて説明したとおりである。
センサノード5は、起動通知に対する応答を受信した物理ポートに対応する仮想ポートの番号「3」及びセンサノード5の座標(1,0)を含む変更通知をセンサノード1に送信する。
センサノード1は、センサノード5の座標(1,0)及び仮想ポート番号「3」を登録し(ステップS1025)、センサノード5の起動通知をゲートウェイ31に転送する。
ゲートウェイ31は、センサノード5の起動通知をセンサノード1から受信し、センサノード5のID及び座標(1,0)を登録する(ステップS1027)。
ゲートウェイ31は、電源投入指示をセンサノード1に送信する。センサノード1は、電源投入指示を受信した場合、電源を未だ投入していない物理ポートを探索する(ステップS1029)。処理は端子F乃至Jを介して図11のステップS1031に移行する。
図11の説明に移行し、センサノード1は、電源を未だ投入していない物理ポートのうち1の物理ポート(ここでは、仮想ポート「2」に対応する物理ポート)に電源を投入する(ステップS1031)。センサノード2はパワーオンされ、センサノード2は初期化処理を実行する(ステップS1033)。ここで、センサノード1は監視タイマを起動し、センサノード2からの応答を監視する。ステップS1031においては、例えば、電源を未だ投入していない物理ポートのうち仮想ポート番号が最も小さい物理ポートを介して電源が投入される。
センサノード2は、センサノード2の起動が完了したことを通知するための起動通知を生成し、センサノード2の全物理ポートに送信する(ステップS1035)。
センサノード2から送信された起動通知のうち、物理ポート1、物理ポート2、及び物理ポート4から送信された起動通知は、送信先にセンサノードが存在しないか又は送信先のセンサノードが未起動であるため廃棄される。なお、起動通知に対する応答が無いことを確認したうえでタイムアウト処理を行うようにしてもよい。一方、物理ポート3から送信された起動通知は、センサノード1に受信される。
センサノード1は、起動通知の送信元であるセンサノード2のIDを管理テーブルに登録し(ステップS1037)、センサノード1の座標(0,0)と仮想ポート番号「2」とを含む応答をセンサノード2に送信する。
センサノード2は、応答を受信すると、登録処理を実行する(ステップS1039)。登録処理については、図7乃至図9を用いて説明したとおりである。
センサノード2は、起動通知に対する応答を受信した物理ポートに対応する仮想ポートの番号「4」及びセンサノード2の座標(0,1)を含む変更通知をセンサノード1に送信する。
センサノード1は、センサノード2の座標(0,1)及び仮想ポート番号「4」を登録し(ステップS1041)、センサノード2の起動通知をゲートウェイ31に転送する。
ゲートウェイ31は、センサノード2の起動通知をセンサノード1から受信し、センサノード2のID及び座標(0,1)を登録する(ステップS1043)。
以上のような処理を繰り返すことで、各センサの軸合わせ及び符号合わせを自動で行うことができるようになる。設置時にこれらの設定を手作業で行う場合、誤りが無いように注意して作業を行うことになり、また、設置場所などによっては手作業で設定を行うことが難しく危険である場合もある。しかし、本実施の形態のようにすればこのような問題が生じることは無い。
なお、上で述べた処理を実行した後にセンサノード1、センサノード5、センサノード2、及びセンサノード6の管理テーブルに格納されるデータは、例えば図12に示すようになる。
また、上で述べた処理を実行した後におけるセンサノード1、センサノード5、センサノード2、及びセンサノード6における座標軸及び座標は、図13に示すようになる。図13においては、上で述べた処理を実行する前における座標軸が点線で示されており、実行した後における座標軸が実線で示されている。各物理ポート番号に付された矢印が指し示す数字は仮想ポート番号である。図13に示すように、4つのセンサノードに設定された座標軸の方向は揃っている。センサノード6のように、座標軸の回転が行われていないセンサノードについては、物理ポート番号と仮想ポート番号が同じである。
[実施の形態2]
第2の実施の形態においては、センサノードによって計測されたセンサ値を利用してサーバ11及び12が実行する解析処理について説明する。
各センサノードの設定が完了すると、各センサノードにおけるセンサ部52は計測を開始する。センサ値は、例えば定期的に計測される。計測されたセンサ値はゲートウェイ31及びゲートウェイ32に送信される。ゲートウェイ31は、受信したセンサ値をサーバ11に送信し、ゲートウェイ32は、受信したセンサ値をサーバ12に送信する。なお、サーバ11及びサーバ12の両方が全センサノードからセンサ値を収集してもよいし、収集を分担してもよい。以下では、サーバ11が全センサノードからセンサ値を取得することを前提として説明を行う。また、サーバ11は全センサノードの位置を把握できるものとする。
サーバ11は、受信したセンサ値を順次センサデータ格納部104に格納する。センサデータ格納部104には、計測されたセンサ値がセンサノード毎に蓄積される。
例えば、図14に示すような崩落(或いは陥没)が発生したと仮定する。図14の例では、センサノードが設置されたエリアの一部が崩落により落ち込んでいる。このような場合に、崩落が発生した箇所をセンサ値に基づいて特定することを考える。
図15に、通常時におけるセンサノードの状態と崩落時におけるセンサノードの状態とを比較した例を示す。ここでは、センサノードU及びVについて、通常時における状態と崩落時における状態とが示されている。説明を簡単にするため、YZ平面のみについて考える。
図15に示すように状態が変化する場合には、センサノードの加速度、位置、及び向きなどに変化が生じると考えられるので、センサノードが加速度センサ、高度センサ、或いは方位センサの機能を有していれば、崩落が発生した箇所を特定することができると考えられる。
例えば、センサノードU及びVが加速度センサを搭載しているとする。通常時は重力によりZ軸方向のセンサ値が検出される。このセンサ値を基準とすると、図15における崩落時には、センサノードUについては、Z軸方向に負の偏移が生じ、Y軸方向に正の偏移が生じる。センサノードVについては、Z軸方向に負の偏移が生じ、Y軸方向に負の偏移が生じる。センサノードUのY軸方向の偏移が正であり、センサノードVのY軸方向の偏移が負であることから、センサノードUとセンサノードVとの間において崩落が発生したと推定することができる。
図16乃至図19を用いて、崩落が発生した場合におけるセンサノードの状態の変化についてより詳細に検討する。図16は、センサノードU及びセンサノードVの状態の変化を3次元空間において把握するための図である。図16において、センサノードUとセンサノードVとをつなぐ線はケーブルを表し、両者の間に存在するセンサノードについては省略されている。図14に示した崩落によって、センサノードUは、中心位置は変わらないものの回転し、センサノードVは、位置が変化し且つ回転したとする。図16における(1)から(3)は視線の方向を表す。(1)はY軸方向であり、(2)はZ軸方向であり、(3)はX軸方向である。以下では、崩落前におけるセンサノードUの座標を(a,b,c)とし、センサノードVの座標を(d,e,f)とする。
図17に、(1)の視線方向(すなわち、Y軸方向)から見た場合におけるセンサノードU及びVの状態の変化を示す。センサノードUは、中心位置を通るY軸方向の直線を回転軸として右回りに回転し、センサノードVは、左回りに回転し、X軸のマイナス方向に移動し、且つZ軸のマイナス方向に移動している。崩落の発生後、XZ平面におけるセンサノードUの座標は(a,c)であり、センサノードVの座標は(d−1,f−1)である。
図18に、(2)の視線方向(すなわち、Z軸方向)から見た場合におけるセンサノードU及びVの状態の変化を示す。センサノードUは、中心位置を通るZ軸方向の直線を回転軸として右回りに回転し、センサノードVは、左回りに回転し、X軸のマイナス方向に移動し、且つY軸のマイナス方向に移動している。崩落の発生後、XY平面におけるセンサノードUの座標は(a,b)であり、センサノードVの座標は(d−1,e−1)である。
図19に、(3)の視線方向(すなわち、X軸方向)から見た場合におけるセンサノードU及びVの状態の変化を示す。センサノードUは、中心位置を通るX軸方向の直線を回転軸として右回りに回転し、センサノードVは、左回りに回転し、Z軸のマイナス方向に移動し、且つY軸のマイナス方向に移動している。崩落の発生後、YZ平面におけるセンサノードUの座標は(b,c)であり、センサノードVの座標は(e−1,f−1)である。
なお、図面を簡単にするため各軸方向からセンサノードU及びVの1面だけが見えるようにしており、実際の見え方は図17乃至図19に示したものとは異なる。
このように、センサノードの状態の変化を三次元で把握することによって、どのような崩落が発生したのかを知ることができるようになる。
図20A及び図20Bを用いて、センサ値を利用して構造物における亀裂を検出する方法について説明する。例えば、図20AにおけるセンサノードUの付近に衝撃が加わり、構造物に揺れが発生したとする。この場合、揺れが発生した位置に近いほど振動の振幅は大きく、揺れが発生した位置から離れるほど、振動の振幅は減衰により小さくなると考えられる。振幅の大きさは、揺れが発生した位置からの距離に基づき所定の計算式を用いて推定することが可能である。
しかし、図20Bに示すように、構造物に亀裂が生じている場合には、亀裂が有る部分において振動が弱まると考えられる。この場合、揺れが発生した位置からの距離によっては振幅の大きさを推定することはできない。逆に言えば、通常とは異なる振幅の減衰が検出された場合には、揺れが発生した位置とその振幅が検出された位置との間に亀裂が生じていると推定できる。
以上のような点を踏まえ、以下では、サーバ11が実行する、イベントの発生箇所を特定する処理について説明する。第2の実施の形態においては、特に揺れの発生箇所及び亀裂の発生箇所を特定する処理について説明する。
図21に、揺れの発生箇所及び亀裂の発生箇所を示す。図21に示すように、本実施の形態においては、センサノードN1と、センサノードN2と、センサノードN3と、センサノードN4との間が揺れの発生源(以下、震央と呼ぶ)であるとする。また、センサノードN6とセンサノードN14との間に亀裂が有り、センサノードN2とセンサノードN7との間に亀裂が有るとする。また、各センサノードは加速度センサを搭載しているとする。
図21においては、震央からの距離がおおよそ同じであるセンサノードN5乃至N12のうち、N7のセンサ値が他のセンサノードのセンサ値よりも特に小さい。また、震央からの距離がおおよそ同じであるセンサノードN13乃至N16のうち、センサノードN14のセンサ値が特に小さい。このような場合には、センサ値を利用すれば、センサノードN6とセンサノードN14との間に亀裂が有り、センサノードN2とセンサノードN7との間に亀裂が有ると推定できる。
図22を用いて、図21に示した位置において揺れが発生した場合にセンサシステムにおいて行われる処理について説明する。
まず、サーバ11、ゲートウェイ31、センサノードN1、センサノードN2、及びセンサノードN7等を設置する作業が人手で行われる(ステップS2001)。
センサノードN1、センサノードN2、及びセンサノードN7は、センサの軸合わせ及び符号合わせ等を実行する(ステップS2003)。本処理は、第1の実施の形態において説明した処理である。
ゲートウェイ31、センサノードN1、センサノードN2、及びセンサノードN7は、アドホックの経路構築を行う(ステップS2005)。本処理は、ゲートウェイ31とセンサノードとの間及びセンサノード間においてデータ通信のための経路を構築する処理である。本処理は、本実施の形態における主要な部分ではないので、詳細な説明を省略する。なお、本処理については、例えば特開2014-183557号公報を参照のこと。
さらに、サーバ11、ゲートウェイ31、センサノードN1、センサノードN2、及びセンサノードN7等は、時刻を同期するための処理を行う。本処理は本実施の形態における主要な部分ではなく、またよく知られた処理であるので、詳細な説明を省略する。
センサノードN1、センサノードN2、及びセンサノードN7は、センサ値を取得する(ステップS2007、S2009、S2011)。そして、センサノードN1、センサノードN2、及びセンサノードN7は、取得したセンサ値をサーバ11に送信する。ここでは、輻輳を回避するため、送信のタイミングをずらしてもよい。
サーバ11は、センサ値を収集し、センサ値に変化が有る(例えば、センサ値が所定の閾値以上になった)か判定する(ステップS2013)。ここでは、センサ値に変化が無いと判定される。
その後、図21に示した位置において揺れが発生し、揺れの発生後、センサノードN1、センサノードN2、及びセンサノードN7は、センサ値を取得する(ステップS2015、S2017、S2019)。そして、センサノードN1、センサノードN2、及びセンサノードN7は、取得したセンサ値をサーバ11に送信する。
サーバ11は、センサ値を収集し、センサ値に変化が有る(例えば、センサ値が所定の閾値以上になった)か判定する(ステップS2021)。ここでは、センサ値に変化が有ると判定される。センサノードN7のセンサ値は、揺れの発生箇所からの距離から推定される値よりも小さいため、センサノードN2とセンサノードN7との間において亀裂が発生したと推定される。
図23及び図24を用いて、第2の実施の形態におけるサーバ11の動作についてより詳細に説明する。ここでは、サーバ11が各センサノードの配置を把握していることを前提とする。
まず、サーバ11の通信部101は、センサシステムにおける各センサノードからセンサ値を取得し(図23:ステップS41)、センサデータ格納部104に格納する。
解析部102は、ステップS41において取得されたセンサ値のいずれかが閾値以上であるか判定する(ステップS43)。いずれのセンサ値も閾値未満である場合(ステップS43:Noルート)、ステップS57の処理に移行する。
いずれかのセンサ値が閾値以上である場合(ステップS43:Yesルート)、解析部102は、最大のセンサ値が取得されたセンサノードをグループ化する(ステップS45)。例えば図21の例においては、センサノードN1、N2、N3、及びN4がグループ化される。なお、上位所定位以上のセンサノード又は上位所定数以上のセンサノードをグループ化してもよい。
解析部102は、ステップS45の処理結果に基づき震央を特定する(ステップS47)。例えば、ステップS45においてグループ化された複数のセンサノードの中心を震央として特定する。
解析部102は、ステップS47において特定された震央からの距離に基づき、センサノードをグループ分けする(ステップS49)。具体的には、震央からの距離がおおよそ同じである(例えば、距離の差が所定距離以内である)センサノードが同じグループに属するようにグループ分けを行う。
解析部102は、センサ値に基づき、各グループにおいて特異点を探索する(ステップS51)。例えば、図24に示すようなデータがセンサデータ格納部104に格納されているとする。図24の例では、加速度センサの値がセンサノード毎に格納されている。このような場合、センサノードN1乃至N16は、センサノードN1乃至N4が属するグループ(グループ1)と、センサノードN5乃至N12が属するグループ(グループ2)と、センサノードN13乃至N16が属するグループ(グループ3)とにグループ分けされる。そして、グループ2においてはセンサノードN7が特異なセンサ値を有しており、グループ3においてはセンサノードN14が特異なセンサ値を有しているので、センサノードN7及びN14が特異点として検出される。
解析部102は、特異点が検出されたか判断する(ステップS53)。特異点が検出されていない場合(ステップS53:Noルート)、亀裂は生じていないので、ステップS57の処理に移行する。
特異点が検出された場合(ステップS53:Yesルート)、解析部102は、亀裂箇所を特定する(ステップS55)。例えば、震央と特異点との間を亀裂箇所として特定する。
解析部102は、表示データを生成する。例えば、亀裂箇所や震央を示す表示データを生成する。表示データは、例えば図21に示すように、亀裂箇所が明示されたマップのデータである。或いは、例えば図24に示すように、グループ毎に色分けされたセンサ値が表示され、且つ、特異点におけるセンサ値が強調表示されるような表示データであってもよい。亀裂や揺れが発生していない場合には、センサデータ格納部104に格納されたセンサ値そのものであってもよい。そして、出力部103は、解析部102から受け取った表示データを表示装置等に表示させる(ステップS57)。そしてステップS41の処理に戻る。
以上のような処理を実行すれば、震央の位置及び亀裂の発生箇所をユーザが把握できるようになる。
[実施の形態3]
第1及び第2の実施の形態においては、センサノードが等間隔に配置されていることを前提としていた。第3の実施の形態においては、センサノードが等間隔に配置されていない場合においても震央及び亀裂の発生箇所を特定する例について説明する。
図25に、亀裂が発生していない場合におけるセンサ値の分布と、亀裂が発生した場合におけるセンサ値の分布とを示す。上段は、亀裂が発生していない場合におけるセンサ値の分布を表し、下段は、亀裂が発生した場合におけるセンサ値の分布を表す。両者を比較すると、センサノードN7のセンサ値と、センサノードN14のセンサ値は、亀裂が発生した場合においては発生した場合と比べると小さいことがわかる。このような現象を利用すれば、センサノードが等間隔に配置されていない場合であっても、亀裂が発生した箇所を特定することができる。
図26を用いて、第3の実施の形態におけるサーバ11の動作についてより詳細に説明する。ここでは、サーバ11がセンサノード間の距離を把握していないとする。
まず、サーバ11の通信部101は、センサシステムにおける各センサノードからセンサ値を取得し(図26:ステップS61)、センサデータ格納部104に格納する。
解析部102は、基準時におけるセンサ値との差が閾値以上であるセンサ値が有るか判定する(ステップS63)。基準時とは、例えば、亀裂は生じていないが揺れは発生した時のことである。基準時におけるセンサ値との差が閾値以上であるセンサ値が無い場合(ステップS63:Noルート)、ステップS71の処理に移行する。なお、過去の時刻におけるセンサ値はセンサデータ格納部104に蓄積されているものとする。
基準時におけるセンサ値との差が閾値以上であるセンサ値がある場合(ステップS63:Yesルート)、解析部102は、ステップS61において取得されたセンサ値と基準時におけるセンサ値との差に基づき、特異点を特定する(ステップS65)。例えば、図27に示すようなデータがセンサデータ格納部104に格納されているとする。図27の例では、加速度センサの値がセンサノード毎に格納されている。基準時は、「11時22分33秒44」であるとする。この場合、基準時におけるセンサ値と差があるのは、センサノードN7及びN14である。この差が閾値以上である場合には、センサノードN7及びN14が特異点として特定される。
図26の説明に戻り、解析部102は、最大のセンサ値が取得されたセンサノードの位置を震央として特定(ステップS67)し、震央と特異点との間を亀裂箇所として特定する(ステップS69)。
解析部102は、表示データを生成する。例えば、亀裂箇所や揺れの発生箇所を示す表示データを生成する。表示データは、例えば図25の下段に示すように、亀裂箇所が明示されたマップのデータである。或いは、例えば図27に示すように、基準時におけるセンサ値及び今回取得されたセンサ値が表示され、且つ、特異点におけるセンサ値が強調表示されるような表示データであってもよい。亀裂や揺れが発生していない場合には、センサデータ格納部104に格納されたセンサデータそのものであってもよい。そして、出力部103は、解析部102から受け取った表示データを表示装置等に表示させる(ステップS71)。そしてステップS61の処理に戻る。
以上のような処理を実行すれば、センサノードが等間隔に配置されておらず、震央からの距離を利用した解析を行うことができない場合であっても、亀裂が発生した箇所を特定できるようになる。
[実施の形態4]
第2及び第3の実施の形態においては、センサノードが一定の時間ごとにセンサ値をサーバ11に送信することを前提としていた。第4の実施の形態においては、イベントが発生した場合にセンサノードがサーバ11にセンサ値を送信する例について説明する。
図28に、崩落の発生箇所を示す。第4の実施の形態においては、センサノードN1と、N2と、N3と、N4との間において崩落が発生したとする。第4の実施の形態においては、センサ値が閾値を超えたセンサノードがセンサ値をサーバ11に送信するようなモード(以下、割り込みモードと呼ぶ)に切り替えることができる。ここでは、崩落の発生時にセンサノードN1、N2、N3、N4、N5、及びN12(図28において色付けされたセンサノード)がセンサ値をサーバ11に送信したとする。サーバ11は、上記センサノードからセンサ値を受信した場合、現象をより詳細に把握するため、周辺に設置された他のセンサノードからもセンサ値を取得する。具体的には、センサノードN6、N7、N8、N9、N10、N11、N13、N14、N15、及びN16からセンサ値を取得する。
図29を用いて、図28に示した位置において崩落が発生した場合にセンサシステムにおいて行われる処理について説明する。
まず、サーバ11、ゲートウェイ31、センサノードN1、センサノードN2、及びセンサノードN7等を設置する作業が人手で行われる(ステップS3001)。
センサノードN1、センサノードN2、及びセンサノードN7は、センサの軸合わせ及び符号合わせ等を実行する(ステップS3003)。本処理は、第1の実施の形態において説明した処理である。
ゲートウェイ31、センサノードN1、センサノードN2、及びセンサノードN7は、アドホックの経路構築を行う(ステップS3005)。本処理は、ゲートウェイ31とセンサノードとの間及びセンサノード間においてデータ通信のための経路を構築する処理である。本処理は、本実施の形態における主要な部分ではないので、詳細な説明を省略する。なお、本処理については、例えば特開2014-183557号公報を参照のこと。
さらに、サーバ11、ゲートウェイ31、センサノードN1、センサノードN2、及びセンサノードN7等は、時刻を同期するための処理を行う。本処理は本実施の形態における主要な部分ではなく、またよく知られた処理であるので、詳細な説明を省略する。
ここで、図28に示した箇所において崩落が発生したとする。そして、センサノードN1は、X軸方向において閾値より大きいマイナスの偏移を検出し、Y軸方向において閾値より大きいマイナスの偏移を検出する(ステップS3007)。また、センサノードN2は、X軸方向において閾値より大きいマイナスの偏移を検出し、Y軸方向において閾値より大きいマイナスの偏移を検出する(ステップS3009)。さらに、センサノードN7は、X軸方向において閾値より小さいマイナスの偏移を検出し、Y軸方向において閾値より小さいプラスの偏移を検出する(ステップS3011)。
センサノードN1は、センサ値が閾値を超えたと判定し(ステップS3013)、センサ値をサーバ11に送信する。センサノードN2は、センサ値が閾値を超えたと判定し(ステップS3015)、センサ値をサーバ11に送信する。センサノードN7は、センサ値が閾値未満であると判定し(ステップS3017)、この時点においてはセンサ値をサーバ11に送信しない。
サーバ11は、センサ値をセンサノードN1及びN2から受信すると、センサノードN1及びN2の周辺に設置されているセンサノード(ここでは、センサノードN1又はN2から1ホップ又は2ホップにおいて到達可能なセンサノード)にセンサ値の取得を要求する取得要求を送信する(ステップS3019)。
これに応じ、センサノードN7はセンサ値を取得し、センサ値をサーバ11に送信する(ステップS3021)。サーバ11は、取得したセンサ値に基づき、崩落箇所を特定する。
次に、図30乃至図32を用いて、第4の実施の形態におけるサーバ11の動作についてより詳細に説明する。まず、解析部102は、検出モードについての設定を受け付ける(図30:ステップS81)。検出モードは、割り込みモード及び定時モードのいずれかである。なお、検出モードについての設定は、ステップS81の処理時点だけではなく、他の処理時点において受け付けるようにしてもよいし、予め定められた時刻になった場合にモードを切り替えるようにしてもよい。
解析部102は、検出モードが割り込みモードであるか判定する(ステップS83)。検出モードが割り込みモードではない場合(ステップS83:Noルート)、通信部101は、センサシステムにおける各センサノードからセンサ値を取得し(ステップS85)、センサデータ格納部104に格納する。
解析部102は、基準時におけるセンサ値との差が閾値以上であるセンサ値が有るか判定する(ステップS87)。基準時とは、例えば、亀裂は生じていないが揺れは発生した時のことである。基準時におけるセンサ値との差が閾値以上であるセンサ値が無い場合(ステップS87:Noルート)、ステップS91の処理に移行する。
基準時におけるセンサ値との差が閾値以上であるセンサ値がある場合(ステップS87:Yesルート)、解析部102は、最大のセンサ値が取得されたセンサノードの位置を崩落箇所として特定する(ステップS89)。
解析部102は、表示データ(例えば、崩落箇所を示す表示データ)を生成する。表示データは、例えば図28に示すように、崩落箇所が明示されたマップのデータである。或いは、崩落箇所に対応するセンサ値が強調表示されるような表示データであってもよい。崩落が発生していない場合には、センサデータ格納部104に格納されたセンサデータそのものであってもよい。そして、出力部103は、解析部102から受け取った表示データを表示装置等に表示させる(ステップS91)。そしてステップS83の処理に戻る。
一方、検出モードが割り込みモードである場合(ステップS83:Yesルート)、処理は端子Lを介して図31のステップS93に移行する。
図31の説明に移行し、通信部101は、割り込みが発生したか判断する(ステップS93)。本実施の形態において、割り込みとは、センサノードからのセンサ値の受信を意味する。割り込みが発生していない場合(ステップS93:Noルート)、ステップS93の処理に戻る。
割り込みが発生した場合(ステップS93:Yesルート)、解析部102は、割り込みを発生させたセンサノードの周辺のセンサノードに、センサ値を取得することを要求する取得要求を送信する(ステップS97)。そして、解析部102は、取得要求に対する応答として、周辺のセンサノードからセンサ値を取得し(ステップS99)、センサデータ格納部104に格納する。
解析部102は、センサ値の分布に基づき崩落箇所を特定する(ステップS101)。例えば、図32に示すようなデータがセンサデータ格納部104に格納されているとする。この場合、センサ値が最も大きいセンサノードであるセンサノードN1の位置を崩落箇所として特定する。但し、センサ値が閾値を超えた複数のセンサノード(センサ値に色が付されたセンサノードN1、N2、N3、N4、N5、N12)の中心を崩落箇所とするなど、他の方法で崩落箇所を特定してもよい。なお、センサ値は例えば方位に関する値であるが、崩落を検知できるものであれば他のセンサ値であってもよい。
解析部102は、崩落箇所を示す表示データを生成する(ステップS103)。そして処理は端子Mを介して図30のステップS91に移行する。表示データは、例えば図28に示すように、崩落箇所が明示されたマップのデータである。或いは、例えば、図32に示すように閾値を超えたセンサ値が強調表示されるような表示データであってもよい。
以上のようにすれば、センサ値を送る頻度が低くなることが期待されるので、センサネットワークにおけるトラフィックを減らすことができるようになる。なお、ここでは割り込みモードと定時モードとのいずれかを選択する例を示したが、両方を併用してもよい。
以上本発明の一実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上で説明したサーバ11及び12の機能ブロック構成は実際のプログラムモジュール構成に一致しない場合もある。
また、上で説明した各テーブルの構成は一例であって、上記のような構成でなければならないわけではない。さらに、処理フローにおいても、処理結果が変わらなければ処理の順番を入れ替えることも可能である。さらに、並列に実行させるようにしても良い。
なお、上ではゲートウェイ31及び32を設ける例を示したが、ゲートウェイ31及び32を設けないようなシステム構成であってもよい。すなわち、図33に示すように、センサノードとサーバ11及び12とが直接接続されるようなシステム構成であってもよい。
なお、第1の実施の形態においては、上位センサノードの物理ポートから、その物理ポートに対応する仮想ポートの番号を下位センサノードに送信しているが、このような処理に限られるわけではない。例えば、上位センサノードの物理ポートから、その物理ポートとケーブルでつながる、下位センサノードの物理ポートに対応する仮想ポート番号を、その下位センサノードに送信してもよい。
なお、上で述べたサーバ11及び12は、コンピュータ装置であって、図34に示すように、メモリ2501とCPU(Central Processing Unit)2503とハードディスク・ドライブ(HDD:Hard Disk Drive)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施例における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。CPU2503は、アプリケーション・プログラムの処理内容に応じて表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、所定の動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、主としてメモリ2501に格納されるが、HDD2505に格納されるようにしてもよい。本発明の実施例では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはコンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及びアプリケーション・プログラムなどのプログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
以上述べた本発明の実施の形態をまとめると、以下のようになる。
本実施の形態に係るセンサシステムは、(A)情報処理装置と、(B)それぞれが通信可能に接続された複数のセンサ装置とを備える。そして、情報処理装置は、(a1)複数のセンサ装置の少なくともいずれかに、複数のセンサ装置を用いた計測における座標軸および該座標軸における正負のいずれかに対応する通信ポートの識別情報を送信する送信部を備え、複数のセンサ装置のそれぞれは、(b1)情報処理装置、又は、複数のセンサ装置に含まれる自センサ装置以外の他のセンサ装置にそれぞれが接続される複数の通信ポートと、(b2)情報処置装置又は他のセンサ装置から、識別情報を受信すると、受信した識別情報と同じ座標軸、かつ、異なる正負に対応する識別情報を該識別情報を受信した通信ポートに設定するとともに、識別情報を受信した通信ポート以外の複数の通信ポートのそれぞれに、それぞれが座標軸および座標軸における正負のいずれかに対応し、かつ、複数の通信ポートそれぞれで異なる識別情報を設定する設定部と、(b3)識別情報を受信した通信ポート以外の複数の通信ポートのそれぞれを介して、該通信ポートに設定された識別情報を送信する制御部とを備える。
このようにすれば、複数のセンサ装置それぞれにおける通信ポートに対して、座標軸及び座標軸における正負のいずれかに対応する識別情報を統一的に設定することができるようになる。すなわち、複数のセンサ装置に対する設定の適正化を図ることができるようになる。
また、上で述べた複数のセンサ装置のそれぞれは、(b4)所定の項目について値を計測する計測部をさらに備えてもよい。そして、複数のセンサ装置それぞれにおける制御部は、(b3−1)計測部により計測された値を、情報処理装置に送信する処理をさらに実行してもよい。このようすれば、計測された値を用いた処理を情報処理装置において行えるようになる。
また、上で述べた複数のセンサ装置のそれぞれにおける設定部は、(b2−1)受信した識別情報の座標軸及び該座標軸における正負に従い、計測部に対し、計測における座標軸及び座標軸における正負を設定してもよい。このようにすれば、計測における座標軸及び正負(すなわち符号)を合わせるように設定を行えるようになる。
また、上で述べた情報処理装置が、(a2)複数のセンサ装置それぞれから、当該センサ装置の計測部により計測された値を受信する受信部と、(a3)受信した値の分布に基づき、第1のイベントが発生した場所を特定する特定部と、(a4)第1のイベントが発生した場所についての情報を出力する出力部とをさらに有してもよい。このようにすれば、第1のイベントに対する対処を行えるようになる。
また、上で述べた情報処理装置が、(a5)複数のセンサ装置それぞれから、当該センサ装置の計測部により計測された値を受信する受信部と、(a6)受信した値の分布に基づき、第1のイベントが発生した場所を特定し、第1のイベントが発生した場所から複数のセンサ装置の各々までの距離と、受信した値の分布とに基づき、特異な値が計測されたセンサ装置を特定し、第1のイベントが発生した場所と特定されたセンサ装置との間から第2のイベントが発生した場所を特定する特定部と、(a7)第1のイベントが発生した場所及び第2のイベントが発生した場所の少なくともいずれかについての情報を出力する出力部とをさらに有してもよい。第1のイベントが発生した場所からの距離によって、第2のイベントが発生していない場合における値の分布を推定できる場合がある。従って、上で述べたようにすれば、第2のイベントが発生した場所を高精度で特定できるようになる。
また、上で述べた情報処理装置が、(a8)複数のセンサ装置それぞれから、当該センサ装置の計測部により計測された値を受信する受信部と、(a9)受信した値の分布に基づき、第1のイベントが発生した場所を特定し、第2のイベントが発生していない時刻に計測された値の分布と受信した値の分布とに基づき、特異な値が計測されたセンサ装置を特定し、第1のイベントが発生した場所と特定されたセンサ装置との間から第2のイベントが発生した場所を特定する特定部と、(a10)第1のイベントが発生した場所及び第2のイベントが発生した場所の少なくともいずれかについての情報を出力する出力部とをさらに有してもよい。このようにすれば、第2のイベントが発生した場所を高精度で特定できるようになる。
また、上で述べた設定部は、(b2−2)識別情報を受信した通信ポートに対向する通信ポートに、受信した識別情報と同じ座標軸、かつ、同じ正負に対応する識別情報を設定してもよい。
また、上で述べた第1のイベントが揺れ又は崩落であってもよい。
また、上で述べた第2のイベントが亀裂であってもよい。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
情報処理装置と、それぞれが通信可能に接続された複数のセンサ装置とを備えたセンサシステムであって、
前記情報処理装置は、
前記複数のセンサ装置の少なくともいずれかに、前記複数のセンサ装置を用いた計測における座標軸および該座標軸における正負のいずれかに対応する通信ポートの識別情報を送信する送信部を備え、
前記複数のセンサ装置のそれぞれは、
前記情報処理装置、又は、前記複数のセンサ装置に含まれる自センサ装置以外の他のセンサ装置にそれぞれが接続される複数の通信ポートと、
前記情報処置装置又は前記他のセンサ装置から、前記識別情報を受信すると、受信した前記識別情報と同じ座標軸、かつ、異なる正負に対応する識別情報を該識別情報を受信した通信ポートに設定するとともに、前記識別情報を受信した通信ポート以外の前記複数の通信ポートのそれぞれに、それぞれが前記座標軸および前記座標軸における正負のいずれかに対応し、かつ、前記複数の通信ポートそれぞれで異なる識別情報を設定する設定部と、
前記識別情報を受信した通信ポート以外の前記複数の通信ポートのそれぞれを介して、該通信ポートに設定された識別情報を送信する制御部とを備える
ことを特徴とするセンサシステム。
(付記2)
前記複数のセンサ装置のそれぞれは、
所定の項目について値を計測する計測部をさらに備え、
前記複数のセンサ装置それぞれにおける前記制御部は、
前記計測部により計測された前記値を、前記情報処理装置に送信する処理をさらに実行する
ことを特徴とする付記1記載のセンサシステム。
(付記3)
前記複数のセンサ装置のそれぞれにおける前記設定部は、
受信した前記識別情報の前記座標軸及び該座標軸における正負に従い、前記計測部に対し、計測における前記座標軸及び前記座標軸における正負を設定する、
ことを特徴とする付記2記載のセンサシステム。
(付記4)
前記情報処理装置が、
前記複数のセンサ装置それぞれから、当該センサ装置の前記計測部により計測された前記値を受信する受信部と、
受信した前記値の分布に基づき、第1のイベントが発生した場所を特定する特定部と、
前記第1のイベントが発生した場所についての情報を出力する出力部とをさらに有する
ことを特徴とする付記2記載のセンサシステム。
(付記5)
前記情報処理装置が、
前記複数のセンサ装置それぞれから、当該センサ装置の前記計測部により計測された前記値を受信する受信部と、
受信した前記値の分布に基づき、第1のイベントが発生した場所を特定し、前記第1のイベントが発生した場所から前記複数のセンサ装置の各々までの距離と、受信した前記値の分布とに基づき、特異な前記値が計測されたセンサ装置を特定し、前記第1のイベントが発生した場所と特定された前記センサ装置との間から第2のイベントが発生した場所を特定する特定部と、
前記第1のイベントが発生した場所及び前記第2のイベントが発生した場所の少なくともいずれかについての情報を出力する出力部とをさらに有する
ことを特徴とする付記2記載のセンサシステム。
(付記6)
前記情報処理装置が、
前記複数のセンサ装置それぞれから、当該センサ装置の前記計測部により計測された前記値を受信する受信部と、
受信した前記値の分布に基づき、第1のイベントが発生した場所を特定し、第2のイベントが発生していない時刻に計測された前記値の分布と受信した前記値の分布とに基づき、特異な前記値が計測されたセンサ装置を特定し、前記第1のイベントが発生した場所と特定された前記センサ装置との間から第2のイベントが発生した場所を特定する特定部と、
前記第1のイベントが発生した場所及び前記第2のイベントが発生した場所の少なくともいずれかについての情報を出力する出力部とをさらに有する
ことを特徴とする付記2記載のセンサシステム。
(付記7)
前記設定部は、
前記識別情報を受信した通信ポートに対向する通信ポートに、受信した前記識別情報と同じ座標軸、かつ、同じ正負に対応する識別情報を設定する
付記1乃至6のいずれか1つ記載のセンサシステム。
(付記8)
前記第1のイベントが揺れ又は崩落である
付記4乃至6のいずれか1つ記載のセンサシステム。
(付記9)
前記第2のイベントが亀裂である
付記5又は6記載のセンサシステム。
(付記10)
センサ装置であって、
情報処理装置、又は、前記センサ装置以外の他のセンサ装置にそれぞれが接続される複数の通信ポートと、
前記情報処置装置又は前記他のセンサ装置から、識別情報を受信すると、受信した前記識別情報と同じ座標軸、かつ、異なる正負に対応する識別情報を該識別情報を受信した通信ポートに設定するとともに、前記識別情報を受信した通信ポート以外の前記複数の通信ポートのそれぞれに、それぞれが前記座標軸および前記座標軸における正負のいずれかに対応し、かつ、前記複数の通信ポートそれぞれで異なる識別情報を設定する設定部と、
前記識別情報を受信した通信ポート以外の前記複数の通信ポートのそれぞれを介して、該通信ポートに設定された識別情報を送信する制御部とを備える
ことを特徴とするセンサ装置。
(付記11)
情報処理装置と、それぞれが通信可能に接続された複数のセンサ装置とを備えたセンサシステムにおいて実行させる設定方法であって、
前記情報処理装置は、
前記複数のセンサ装置の少なくともいずれかに、前記複数のセンサ装置を用いた計測における座標軸および該座標軸における正負のいずれかに対応する通信ポートの識別情報を送信し、
前記複数のセンサ装置のそれぞれは、
前記情報処置装置又は前記他のセンサ装置から、前記識別情報を受信すると、前記情報処理装置、又は、前記複数のセンサ装置に含まれる自センサ装置以外の他のセンサ装置にそれぞれが接続される複数の通信ポートのうち、前記識別情報を受信した通信ポートに、受信した前記識別情報と同じ座標軸、かつ、異なる正負に対応する識別情報を設定するとともに、前記識別情報を受信した通信ポート以外の前記複数の通信ポートのそれぞれに、それぞれが前記座標軸および前記座標軸における正負のいずれかに対応し、かつ、前記複数の通信ポートそれぞれで異なる識別情報を設定し、
前記識別情報を受信した通信ポート以外の前記複数の通信ポートのそれぞれを介して、該通信ポートに設定された識別情報を送信する
ことを特徴とする設定方法。