JP6464845B2 - 白色フィルム - Google Patents

白色フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP6464845B2
JP6464845B2 JP2015053126A JP2015053126A JP6464845B2 JP 6464845 B2 JP6464845 B2 JP 6464845B2 JP 2015053126 A JP2015053126 A JP 2015053126A JP 2015053126 A JP2015053126 A JP 2015053126A JP 6464845 B2 JP6464845 B2 JP 6464845B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
white film
inorganic particles
bubbles
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015053126A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015193818A (ja
Inventor
前川 茂俊
茂俊 前川
博門 仲村
博門 仲村
裕仁 内田
裕仁 内田
田中 照也
照也 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2015053126A priority Critical patent/JP6464845B2/ja
Publication of JP2015193818A publication Critical patent/JP2015193818A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6464845B2 publication Critical patent/JP6464845B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、白色フィルムに関する。更に詳しくは面光源用反射部材として好適な、高い反射率と隠蔽性を持つ白色フィルムに関する。
近年、パソコン、テレビ、携帯電話などに用いられる表示装置として、液晶を利用したディスプレイが数多く用いられている。これらの液晶ディスプレイ自体は発光体でないために、裏側からバックライトと呼ばれる面光源を設置して光を照射することにより表示を可能としている。また、バックライトは、単に光を照射するだけでなく画面全体を均一に照射するために、サイドライト型もしくは直下型と呼ばれる面光源の構造をとっている。なかでも、薄型化や省エネルギー化が望まれるテレビ用途、モニター用途、ノート型パソコン等に使用される薄型液晶ディスプレイ用途には、光源にLEDを用いたサイドライト型のバックライトが適用されている。
一般的に、このLEDを用いたサイドライト型バックライトでは、LEDを照明光源とし、光を均一に伝播・拡散する導光板のエッジから液晶ディスプレイ全体を均一に照射する導光板方式が採用されている。この照明方法において、光をより効率的に活用するため、導光板の背面には反射板を設けて導光板から拡散された光を液晶画面側に効率的に反射させている。
このような液晶画面用の面光源に用いられるリフレクターや反射板( 面光源反射部材と総称する) には、薄膜であることと同時に高い反射機能が要求され、従来、白色顔料を添加したフィルムや内部に微細な気泡を含有させたフィルムが単独で、もしくはこれらのフィルムと金属板、プラスチック板などとを張り合わせたものが使用されてきた。特に内部に微細な気泡を含有させたフィルムを使用した場合には、輝度の向上効果や均一性に優れることから広く使用されている。かかる微細な気泡は、樹脂にそれとは非相溶な成分(気泡核剤) を含有せしめ、一方向以上に延伸させることにより得ることができる。このような内部に微細な気泡を含有したフィルムは特許公報などに開示されている(特許文献1〜2参照)。また、気泡核剤は通常1種類であることが多いが、2種類以上の気泡核剤を併用した例も開示されている(特許文献3〜4)。さらに、気泡形状の厚み方向の長さと面内方向の長さの比の分散を制御することによって、反射率や隠蔽性を向上させる技術も開示されている。(特許文献5)
また、フィルム内部に多数の微細な気泡を含有させることによって白色化したフィルムは、高い反射性を有することから高い白色度を有するので、画像印字媒体、とりわけ昇華転写方式用の受像紙にも好ましく用いられている。
特開平6−322153号公報 特開平7−118433号公報 特開2001−225433号公報 特開2001−288291号公報 特開2004−339403号公報
近年、バックライトに組み込まれる反射板の背面に板状の筐体がない場合や筐体に凹凸がある場合は反射板を透過した光がさらに背面の凹凸によって反射し、バックライトとしてみた場合、背面の凹凸が光のムラとなって表れる場合がある。
そこで、反射フィルムに対してはさらに高い隠蔽性が要求されており、気泡核剤を用いた反射フィルムにおいては、気泡核剤を単純に増量した反射フィルムや気泡核剤を2種以上用いた反射フィルム等も提案されているが、隠蔽性の飛躍的な向上にはつながっておらず、反射性能とともにさらなる光反射フィルムの隠蔽性向上が求められている。
また画像印字媒体の分野においても、デジタルフォトの高画質化、高精細化にともない受像紙には高い反射性能による白色性とともに、裏写りの無い高い隠蔽性が要求されている。
上記課題を解決するために、本発明に係る白色フィルムは以下の構成を有する。
(1)気泡を含有する白色フィルムであって、同一気泡に有機粒子および無機粒子を含有する気泡の個数が全気泡個数の10%以上であり、比重が0.6以上0.8以下であることを特徴とする白色フィルム。
(2)無機粒子の粒径が有機粒子の粒径より小さく、有機粒子の表面に無機粒子が付着している(1)に記載の白色フィルム。
(3)無機粒子の粒径が有機粒子の粒径より小さく、気泡の内壁に無機粒子が付着している(1)に記載の白色フィルム。
)無機粒子が屈折率2.0以上であって、数平均粒径が1.5μm以下である(1)〜()のいずれかに記載の白色フィルム。
)無機粒子が10〜45重量%含有する(1)〜()のいずれかに記載の白色フィルム。
本発明の白色フィルムによれば、実用上十分な反射率と隠蔽性を備えた白色フィルムを提供することができる。
白色フィルムの断面の走査性電子顕微鏡(SEM)写真である。
本発明の白色フィルムは、白色フィルムを構成する主たる樹脂成分と、該樹脂成分に対して非相溶である成分とを含有する。これらの混合物を溶融押出し、少なくとも一方向に延伸することによってフィルム中に均一に気泡を生成させる事が容易となる。本発明でいう主たる樹脂成分とは、白色フィルム中の連続相(マトリックス)を構成している樹脂中の51%以上を占める樹脂を示す。
白色フィルムを構成する主たる樹脂成分としては、可視光領域に吸収を有しないものが好ましい。また、本発明における白色フィルムは、フィルム内部の気泡と樹脂との気固界面にて光を反射・拡散させるため、固相を形成する樹脂成分の屈折率は、気相の屈折率との差が大であることが好ましい。屈折率差が小であると、気固界面での反射があまり起こらず、結果として所望の光反射効果が得られない。気体および真空の屈折率は実質1.0であることから、実質的に有効な光反射性を得るためには、樹脂成分の屈折率は1.4以上であることが好ましく、より好ましくは1.5以上である。かかる条件を満たす樹脂の例としては、ポリオレフィンやポリエステル等が挙げられる。中でも寸法安定性、機械特性、ハンドリング特性(取扱い性)が良好でかつ高い屈折率を有する芳香族ポリエステルを好適に用いることができる。
さらに、芳香族ポリエステルの中でも、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリプロピレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレン
テレフタレートなどは安価に入手でき、かつ製膜性も良好であるため、特に好適に用いる
ことができる。
これらのポリエステルはホモポリマーであってもコポリマーであってもよく、また2種類以上のポリエステルを組み合わせて用いてもよいが、好ましくはホモポリマーである。コポリマーである場合の共重合成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、炭素数2〜15のジオール成分を挙げることができ、これらの例としては、たとえばイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、スルホン酸塩基含有イソフタル酸、およびこれらのエステル形成性化合物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、分子量400〜2万のポリアルキレングリコールなどを挙げることができる。
これらのポリエステル樹脂中には本発明の効果が損なわれない範囲内で各種添加物、たとえば蛍光増白剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤、耐光剤、帯電防止剤、染料、分散剤などが添加されていてもよい。
本発明の白色フィルムは無機粒子および有機粒子を含有することが必要である。
無機粒子としては、たとえば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン(アナターゼ型、ルチル型)、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫化亜鉛、塩基性炭酸鉛、雲母チタン、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、マイカ、タルクが好適に用いられる。
無機粒子は光を散乱し隠蔽性を高めるために屈折率が2.0以上の粒子が好ましく、さらに好ましくは2.5以上が好ましい。屈折率が2.0以上の粒子としては酸化亜鉛や硫化亜鉛を、屈折率2.5以上の無機粒子としては酸化チタン(アナターゼ型、ルチル型)を用いることが出来る。さらには屈折率の高いルチル型酸化チタンを用いることがもっとも好ましく用いられる。
無機粒子の数平均粒径は0.1μm以上1.5μm以下が光の散乱により隠蔽性を高めるために好ましく、0.1μm以上0.3μm以下がより好ましい。
無機粒子の白色フィルムにおける含有量は10〜45重量%が反射性能および隠蔽性を向上させる点から好ましい。10重量%未満では十分な反射性能および隠蔽性を得られない場合があり、また45重量%より多いと高い反射性能が得られない場合があるため好ましくない。
本発明の白色フィルムに含有する有機粒子は、有機粒子を構成する熱可塑性樹脂が白色フィルムを構成する主たる樹脂成分に非相溶な熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。非相溶な熱可塑性樹脂を用いることによって、有機粒子が気泡核剤として、少なくとも1方向に延伸することによってフィルム中に均一に気泡を生成させ白色フィルムとすることができる。
有機粒子を構成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、シクロオレフィンなどのポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
白色フィルムを構成する主たる樹脂成分がポリエステルの場合、これらの中でも、臨界表面張力の小さなポリプロピレン、ポリメチルペンテン、シクロオレフィン共重合体のようなポリオレフィンが気泡を形成しやすいために好ましく、さらにはポリメチルペンテン、シクロオレフィン共重合体がとくに好ましく用いられる。
有機粒子の数平均粒径は0.3μm以上3μm以下が好ましい。0.3μm未満では形成される気泡の大きさが小さく十分な反射性能が得られないために好ましくなく、また3μmより大きいとフィルム中の気泡の数が少なく十分な反射性能が得られなくなるために好ましくない。上記範囲にすることにより気泡の大きさと数のバランスがよく高い反射性能を得ることが出来る。有機粒子の数平均粒径を上記範囲とするためには、あらかじめ上記範囲の有機粒子を用いる方法や、エラストマー樹脂などの分散剤を用いる方法などを挙げることが出来る。また、有機粒子の数平均粒径は無機粒子の数平均粒径より大きいことが高い反射性能と隠蔽性を得られるために好ましい。
有機粒子は、白色フィルム中5〜25重量%含有することが反射率の点から好ましい。より好ましくは10〜20重量%である。5%未満であると空洞が少なく、反射率が低くなる場合があり好ましくない。また、25%より高くなると気泡が連結し反射率が低くなる場合があり好ましくない。上記範囲とすることによって高い反射率を得られる。
本発明の白色フィルムは、フィルム内部に気泡を有するフィルムであって、有機粒子および無機粒子を一緒に含有する気泡の個数が、全気泡個数の10%以上であることが必要である。好ましくは50%以上であり、より好ましくは80%以上である。10%未満では隠蔽性が小さい場合がある。無機粒子が気泡の中にあることによって空気と無機粒子の大きな屈折率差により光の散乱が強くなるために、高い隠蔽性を得ることが出来る。また、同一の気泡中に無機粒子と有機粒子があることによって光拡散が強く高い隠蔽性を得ることが出来る。ひとつの気泡中にある無機粒子の数は1つでも良いし複数でもかまわないが、隠蔽性の向上の観点から複数あることが好ましい。また、無機粒子は有機粒子の表面に付着していても良く、無機粒子が気泡の内壁に付着していてもよい。本発明でいう気泡の内壁とは気泡と樹脂の界面を言う。同一の気泡中に無機粒子と有機粒子を含有させる方法としては、例えば主たる樹脂成分からなる低粘度の熱可塑性樹脂中に無機粒子と有機粒子を含有させたマスターバッチと、主たる樹脂成分からなる高粘度の熱可塑性樹脂とを混合しシート化した後に、少なくとも一方向に延伸することによって得ることが出来る。
また、内部に微細な気泡を形成させた白色フィルムの片面もしくは両面に、共押出しなどの手法によって表皮層を形成しても良い。さらに、表皮層中に各種粒子や蛍光増白剤等が添加されていてもよい。かかる表皮層を積層することにより、機械的強度、表面平滑性などを白色フィルムに付与することができる。
また、本発明の効果が損なわれない範囲で、白色フィルムの表面に、易接着性や帯電防止性、紫外光吸収性能等を付与するために、周知の技術を用いて種々の塗液を塗布してもよく、耐衝撃性を高めるためにハードコート層などを設けても良い。塗布は、フィルム製造時に塗布(インラインコーティング)してもよいし、フィルム製造後の白色フィルム上に塗布(オフラインコーティング)してもよい。
さらに、電磁波遮蔽性や折り曲げ加工性付与などの目的で、白色フィルムの一方の表面にアルミニウム、銀などを貼り合わせても良いし、蒸着してもよい。
本発明の白色フィルムの気泡含有率の目安となるみかけの比重は1.0以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.6以上0.8以下である。比重が0.6未満の場合はフィルムとしての機械的強度が不十分であり、折れやすく取り扱い性に劣るなどの問題が生じる場合がある。一方、1.0を越える場合には気泡の含有量が少なく反射率が低下する傾向にある。比重を上記範囲にするためには、気泡核剤の量、フィルム製膜時における延伸倍率によって調整することができる。
本発明における白色フィルムの厚みは30〜600μmが好ましく、80〜450μmがより好ましい。厚みが30μm未満の場合、フィルムの平坦性を確保することが困難となり、面光源として用いた際に、明るさにムラが生じやすい。一方、600μmより厚い場合、白色フィルムとして液晶ディスプレイなどに用いた場合、厚みが大きく薄膜化の要求に応えられないことがある。
本発明の白色フィルムにおいて、光反射率は、光反射性およびバックライト輝度特性の点より、90%以上であることが好ましく、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは100%以上である。光反射率が90%未満の場合、隠蔽性に劣るフィルムとなり、また白色フィルムとして液晶ディスプレイなどに用いた場合、充分な輝度が得られないことがある。反射率の上限は特に規定されないが、光反射率の明度および色目の点より、200%以下が好ましい。光反射率を上記範囲にするためには、有機粒子を白色フィルム中に5〜25重量%、および無機粒子を白色フィルム中に10〜45重量%含有することによって達成することができる。
本発明の白色フィルムにおいて、光透過率は、隠蔽性の点より、1.5%以下であることが好ましく、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。光反射率が3%より大きいの場合、隠蔽性に劣るフィルムとなり、また白色フィルムとして液晶ディスプレイなどに用いた場合、輝度ムラを生じる場合がある。透過率の下限は特に規定されないが、0.01%以上が好ましい。光の透過率を上記範囲にするためには、有機粒子を白色フィルム中に5〜25重量%、および無機粒子を白色フィルム中に10〜45重量%含有し、有機粒子および無機粒子を一緒に含有する気泡の個数が、全気泡個数の10%以上とすることによって達成することができる。
次に本発明の白色フィルムの製造方法について、その一例を説明するが、かかる例に限定されるものではない。
二軸混練押出機を用いて低粘度の主たる樹脂および無機粒子および有機粒子を構成する樹脂をコンパウンドしマスターバッチを作成する。このとき主たる樹脂の粘度は有機粒子を構成する樹脂の粘度より低いことが好ましい。特に主たる樹脂がPETである場合はその極限粘度が0.52dl/g以下であることが好ましい。次に主押出機、副押出機を有する複合製膜装置において、必要に応じて十分な真空乾燥を行った前記マスターバッチと白色フィルムを構成する高粘度の主たる樹脂のチップで希釈混合したものを加熱された主押し出し機に供給する。このとき希釈に用いる高粘度の主たる樹脂の粘度は有機粒子を構成する樹脂の粘度以上であることが好ましい。特に主たる樹脂がPETである場合はその極限粘度が0.70dl/g以上であることが好ましい。また、表皮層を積層するために、必要に応じて十分な真空乾燥を行った主たる樹脂のチップ、無機粒子および蛍光増白剤を加熱された副押出機に供給する。
ここで、本発明の白色フィルムとするための方法として、有機粒子を構成する樹脂の含有量は5重量%〜25重量%含有させることが好ましい。かかる粒子量を含有させることによって、小さな気泡を多く生成させ高い反射率を得ることが出来る。
このようにして各押出機に原料を供給し、Tダイ複合口金内で主押出機のポリマーの少なくとも片面に副押出機のポリマーが来るように積層(A/BもしくはA/B/A)してシート状に共押し出し成形し、溶融積層シートを得る。
この溶融積層シートを、冷却されたドラム上で密着冷却固定化し、未延伸積層フィルムを作製する。この時、均一なフィルムを得るために静電気を印加してドラムに密着させることが望ましい。その後、必要により延伸工程、熱処理工程等を経て目的の光反射フィルムを得る。
延伸の方法は特に問われないが、長手方向の延伸と巾方向の延伸を分離して行う逐次二軸延伸法や長手方向の延伸と巾方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸法がある。
逐次二軸延伸の方法としては、例えば、上記の未延伸積層フィルムを加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向) に延伸し、次いで冷却ロール群で冷却する方法が一般的である。長手方向における延伸工程では、延伸を2段階以上に分けて行う多段延伸法を用いても良い。長手方向に延伸した後、続いて巾方向の延伸を行うことができる。逐次二軸延伸法では、フィルムの両端をクリップで把持しながら加熱されたテンターに導き、長手方向に垂直な方向(横方向あるいは幅方向)に延伸を行うことができる。
一方、同時二軸延伸の方法としては、例えば、上記の未延伸積層フィルムの両端をクリップで把持しながら加熱されたテンターに導き、巾方向に延伸を行うと同時にクリップ走行速度を加速していくことで、長手方向の延伸を同時に行う方法がある。この同時二軸延伸法は、フィルムが加熱されたロールに接触することがないため、フィルム表面に光学的な欠点となるキズが入らないという利点を有する。このとき、2段階で延伸を行っても良い。
こうして得られた二軸延伸積層フィルムに平面安定性、寸法安定性を付与するため、引き続いてテンター内で熱処理(熱固定)を行い、均一に徐冷後、室温付近まで冷却した後、巻き取ることにより、本発明の白色フィルムを得ることができる。
[特性の測定方法および評価方法]
(1)比重
白色フィルムを5cm×5cmの大きさに切りだし、JIS K7112(1980版)に基づいて電子比重計SD−120L(ミラージュ貿易(株)製)を用いて測定した。なお、白色フィルムについて5枚用意し、それぞれを測定し、その平均値でもって該白色フィルムの比重とした。
(2)反射率
分光光度計U−3410((株)日立製作所)に、φ60積分球130−0632((株)日立製作所)(内面が硫酸バリウム製)および10°傾斜スペーサーを取りつけた状態で560nmの光反射率を求めた。なお、光反射率は白色フィルムにコーティング面がある場合はコーティング層側から計測して求めた値を当該白色フィルムの反射率とした。標準白色板には(株)日立計測器サービス製の部品番号210−0740(酸化アルミニウム)を用いた。なお、白色フィルムについて5枚用意し、それぞれを測定し、その平均値でもって該白色フィルムの反射率とした。
(3)透過率
JIS K−7105(1981/03/01制定)に従い、ヘーズメーター(HGM−2、スガ試験機株式会社製)を使用して測定した。なお、白色フィルムについて5枚用意し、それぞれを測定し、その平均値でもって該白色フィルムの透過率とした。
(4)有機粒子および無機粒子を含有する気泡個数
ミクロトームを用いて白色フィルム断面を厚み方向に垂直に凍結切断し、その断面をイオンコーターで白金/パラジウムを蒸着して、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡JSM−6700Fを用いて、倍率2,000倍で画像解析装置に取り込んだ。このとき、1画像中に気泡が150個以上入っており、1画像の大きさ(縦μm×横μm):70.4×53.02、解像度:1,280ピクセル×964ピクセルであった。取り込んだ画像から、全気泡について無機粒子および有機粒子を含有の有無を確認し、全気泡個数を母数とした無機粒子および有機粒子を含有する気泡の個数の割合を計算した。任意に5視野計測し、その平均値を同一気泡に有機粒子および無機粒子を含有する気泡の個数の割合とし、百分率で表記した。
[原料]
(1)ポリエステル樹脂(a−1)
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。
(2)ポリエステル樹脂(a−2)
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.51dl/gのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。
(3)ポリエステル樹脂(a−3)
ポリエステル樹脂(a−2)を温度220℃、真空度0.5mmHgの条件の回転式の真空装置(ロータリーバキュームドライヤー)に入れ、20時間撹拌しながら加熱し続けることによって固相重合を行い極限粘度0.74dl/gのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。
(4)非相溶性樹脂(b−1)
ガラス転移温度が178℃、メルトボリュームレートMVR(260℃/2.16kg)が4.5ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS」(ポリプラスチック社製)を用いた。
(5)非相溶性樹脂(b−2)
融点が236℃、メルトフローレートMFR(260℃/5kg)が180g/10mimであるポリメチルペンテン樹脂「TPX」(三井化学社製)を用いた。
(6)無機粒子(c)
数平均粒径0.21μmのルチル型ニ酸化チタン粒子を用いた。
[実施例1]
ポリエステル樹脂(a−2)を40重量部、非相溶樹脂(b−1)を30重量部および無機粒子(c)を30重量部を二軸押出機にて溶融混練行い、二酸化チタンおよびシクロオレフィンのマスターバッチ(M−1)を作成した。次にマスターバッチ(M−1)を40重量部およびポリエステル樹脂(a−3)を60重量部の混合物を180℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機(A)に供給し、280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ複合口金に導入した。また、ポリエステル樹脂(a−1)を180℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機(B)に供給し、280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターによりろ過を行った後に、Tダイ複合口金に導入した。
次いで、該Tダイ複合口金内で、ポリエステル層(B)がポリエステル層(A)の両表層に積層(B/A/B)されるよう合流せしめた後、シート状に共押出して溶融積層シートとし、該溶融積層シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸積層フィルムを得た。続いて、該未延伸積層フィルムを100℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、長手方向(縦方向)に3倍延伸した後に25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。その後、一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内で110℃にて長手方向に垂直な方向(横方向)に3.3倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで180℃ の熱処理を施し、さらに180℃で4%横方向に弛緩処理を行った後、次いで均一に徐冷後に巻き取って、厚み188μmおよび比重0.7の白色フィルムを得た。
本白色フィルムは反射率100.5%、透過率0.5%と反射性能および隠蔽性に優れていた。またフィルムの断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果、有機粒子および無機粒子を含有する気泡の個数は全体気泡個数の85%であり、無機粒子の一部が有機粒子表面に付着していた。
[実施例2]
マスターバッチ(M−1)を30重量部およびポリエステル樹脂(a−3)を70重量部の混合物を180℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機(A)に供給した以外は実施例1と同様にして厚み188μmおよび比重0.9の白色フィルムを得た。
本白色フィルムは反射率99.5%、透過率1.1%と反射性能および隠蔽性に優れていた。またフィルムの断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果、有機粒子および無機粒子を含有する気泡の個数は全体気泡個数の75%であり、無機粒子の一部が有機粒子表面に付着していた。
[実施例3]
マスターバッチ(M−1)を20重量部、マスターバッチ(M−2)を20重量部およびポリエステル樹脂(a−3)を60重量部含む混合物を180℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機(A)に供給した以外は実施例1と同様にして厚み188μmおよび比重0.7の白色フィルムを得た。
本白色フィルムは反射率99.8%、透過率1.4%と反射性能および隠蔽性に優れていた。またフィルムの断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果、有機粒子および無機粒子を含有する気泡の個数は全体気泡個数の45%であり、無機粒子の一部が有機粒子表面に付着していた。
[実施例4]
ポリエステル樹脂(a−2)を40重量部、非相溶樹脂(b−2)を30重量部および無機粒子(c)を30重量部を二軸押出機にて溶融混練行い、二酸化チタンおよびポリメチルペンテンのマスターバッチ(M−3)を作成した。次にマスターバッチ(M−3)を40重量部およびポリエステル樹脂(a−3)を60重量部含む混合物を180℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機(A)に供給した以外は実施例1と同様にして厚み188μmおよび比重0.6の白色フィルムを得た。
本白色フィルムは反射率99.0%、透過率0.9%と反射性能および隠蔽性に優れていた。またフィルムの断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果、有機粒子および無機粒子を含有する気泡の個数は全気泡個数の90%であり、無機粒子の一部が気泡の内壁に付着していた。
[比較例1]
ポリエステル樹脂(a−3)を40重量部、非相溶樹脂(b−1)を30重量部および無機粒子(c)を30重量部を二軸押出機にて溶融混練行い、二酸化チタンおよびシクロオレフィンのマスターバッチ(M−2)を作成した。次にマスターバッチ(M−2)を40重量部およびポリエステル樹脂(a−1)を60重量部の混合物を180℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機(A)に供給した以外は実施例1と同様にして厚み188μmおよび比重0.7の白色フィルムを得た。
本白色フィルムは反射率99.9%、透過率1.7%であり反射性能はよいものの、隠蔽性が低いものであった。またフィルムの断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果、有機粒子および無機粒子を含有する気泡の個数は全体気泡個数の5%であった。

Claims (5)

  1. 気泡を含有する白色フィルムであって、同一気泡に有機粒子および無機粒子を含有する気泡の個数が全気泡個数の10%以上であり、比重が0.6以上0.8以下であることを特徴とする白色フィルム。
  2. 無機粒子の粒径が有機粒子の粒径より小さく、有機粒子の表面に無機粒子が付着している請求項1に記載の白色フィルム。
  3. 無機粒子の粒径が有機粒子の粒径より小さく、気泡の内壁に無機粒子が付着している請求項1に記載の白色フィルム。
  4. 無機粒子が屈折率2.0以上であって、数平均粒径が1.5μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の白色フィルム。
  5. 無機粒子が10〜45重量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の白色フィルム。
JP2015053126A 2014-03-28 2015-03-17 白色フィルム Active JP6464845B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015053126A JP6464845B2 (ja) 2014-03-28 2015-03-17 白色フィルム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014067696 2014-03-28
JP2014067696 2014-03-28
JP2015053126A JP6464845B2 (ja) 2014-03-28 2015-03-17 白色フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015193818A JP2015193818A (ja) 2015-11-05
JP6464845B2 true JP6464845B2 (ja) 2019-02-06

Family

ID=54433135

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015053126A Active JP6464845B2 (ja) 2014-03-28 2015-03-17 白色フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6464845B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018025663A1 (ja) * 2016-08-02 2018-02-08 東レ株式会社 成形用白色ポリエステルフィルム及びそれを用いた白色樹脂成形体

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3296021B2 (ja) * 1993-05-14 2002-06-24 東洋紡績株式会社 空洞含有ポリエステルフィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015193818A (ja) 2015-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW527507B (en) White film for surface light source
JP5564895B2 (ja) 白色単層ポリエステルフィルム及びそれを用いた面光源反射部材
JP5082951B2 (ja) 反射板用ポリエステルフィルム
KR101813543B1 (ko) 백색 필름 및 그것을 사용한 면광원
JP2006072347A (ja) 光反射フィルムおよびそれを用いた面光源
JP2011209499A (ja) 面光源反射板用白色ポリエステルフィルム及びそれを用いた液晶ディスプレイ用面光源反射板
JP2005173546A (ja) 光反射フィルムおよびそれを用いた面光源
JP2003160682A (ja) 光反射フィルム
JP7247887B2 (ja) 白色ポリエステルフィルム
JP4345305B2 (ja) 光反射フィルムおよびそれを用いた面光源
JP2007140542A (ja) 光反射フィルムとそれを用いた面光源
JP2013120313A (ja) 白色ポリエステルフィルム
JP5817165B2 (ja) 反射板用白色積層ポリエステルフィルムおよびバックライト装置
JP6464845B2 (ja) 白色フィルム
JP2012137618A (ja) 面光源反射板用白色ポリエステルフィルム
WO2015125644A1 (ja) ポリエステルフィルム
JP2008309975A (ja) 反射板用白色積層ポリエステルフィルム
JP4525055B2 (ja) 光反射フィルムおよびそれを用いた面光源
JP2015180535A (ja) 白色積層フィルム
JP4923378B2 (ja) 光反射フィルムおよびその製造方法
JP2012207153A (ja) 白色フィルム
CN107111014B (zh) 直下型面光源用白色反射膜及使用该膜的直下型面光源
JP2016045390A (ja) 光反射フィルム
JP2014065817A (ja) 2軸延伸フィルム
JP2015121590A (ja) 直下型面光源用白色反射フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181015

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181224

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6464845

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151