以下、本発明の複数の実施形態について図面を用いて説明する。各実施形態及び従来構成の説明において、同一部材または同一機能を有する部材には、基本的には同一の符号を付し、後段の実施形態及び従来構成においてはその説明を省略する。なお、以下の記載は例であり、特許請求の範囲を限定するものではない。また当業者は本発明の特許請求の範囲内で変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であるが、これらの変更・修正は当然この特許請求の範囲に含まれる。なお、図中Y、M、C、Kは(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した構成部材に付す添え字であり、適宜省略する。
(第1実施形態)
図2は、本発明が適用された画像形成装置としての電子写真方式でタンデム型のカラー複写機(以下、「複写機500」という)の概略構成図である。なお、複写機500は、モノクロ複写機であってもよい。画像形成装置としては、複写機ではなく、プリンタ、ファクシミリ単体、あるいは、複写機、プリンタ、ファクシミリ、スキャナのうちの少なくとも2つの機能を備えた複合機であってもよい。複写機500は、複写機装置本体(以下、「プリンタ部100」という)、給紙テーブル(以下、「給紙部200」という)及びプリンタ部100上に取り付ける原稿読取部(以下、「スキャナ部400」という)から主に構成されている。
プリンタ部100の上部に設けられた粉体容器収納部としてのトナー容器収納部70には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した四つの粉体収容容器としてのトナー容器32Y,32M,32C,32Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。トナー容器収納部70の下方には中間転写ユニット85が配設されている。
中間転写ユニット85は、中間転写体としての中間転写ベルト48、四つの一次転写バイアスローラ49Y,49M,49C,49K、二次転写バックアップローラ82、複数のローラ、及び、中間転写クリーニング装置等で構成されている。中間転写ベルト48は、複数のローラによって張架、支持されるとともに、これら複数のローラの一つである二次転写バックアップローラ82の回転駆動によって図2中の反時計回り方向に無端移動する。
プリンタ部100には、中間転写ベルト48に対向するように、各色に対応した四つの作像部46Y,46M,46C,46Kが並設されている。四つのトナー容器32Y,32M,32C,32Kの下方には、それぞれの色のトナー容器に対応した四つの粉体補給(供給)装置としてのトナー補給装置60Y,60M,60C,60Kが配設されている。そして、トナー容器32Y,32M,32C,32Kに収容された粉体の現像剤であるトナーは、それぞれに対応するトナー補給装置60Y,60M,60C,60Kによって、各色に対応した作像部46Y,46M,46C,46Kの現像装置内に供給(補給)される。本実施形態においては、四つの作像部46Y,46M,46C,46Kによって画像形成部が構成されている。
図2に示すように、プリンタ部100は、四つの作像部46Y,46M,46C,46Kの下方に潜像形成手段である露光装置47を備えている。露光装置47は、スキャナ部400で読み込んだ原稿画像の画像情報に基づいて、後述する像担持体としての感光体41Y,41M,41C,41K)の表面をそれぞれ露光走査し、各感光体の表面に静電潜像を形成する。画像情報はスキャナ部400からの読み込みではなく、複写機500に接続されたパーソナルコンピュータ等の外部装置から入力される画像情報であってもよい。
本実施形態において、露光装置47には、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナ方式を用いているが、露光手段としてはLEDアレイを用いるものなど他の構成でも良い。
図3は、イエローに対応した作像部46Yの概略構成を示す模式図である。
作像部46Yは、ドラム状の感光体41Yを備える。作像部46Yは、帯電手段である帯電ローラ44Y、現像手段である現像装置50Y、感光体クリーニング装置42Y、除電装置等を感光体41Yの周囲に配設した構成である。そして、感光体41Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われることで、感光体41Y上にイエローのトナー像が形成される。
なお、他の三つの作像部46M,46C,46Kも、使用されるトナーの色が異なる点以外は、イエローに対応した作像部46Yとほぼ同様の構成となっていて、感光体41M,41C,41K上にそれぞれの色のトナーに対応したトナー像が形成される。以下、他の三つの作像部46M,46C,46Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部46Yのみの説明を行うことにする。
感光体41Yは、駆動モータによって図3中の時計回り方向に回転駆動される。感光体41Yは、帯電ローラ44Yと対向する位置で、感光体41Yの表面が一様に帯電される(帯電工程)。その後、感光体41Yの表面は、露光装置47から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程)。その後、感光体41Yの表面は、現像装置50Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像がイエローのトナーで現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程)。
中間転写ユニット85の一次転写バイアスローラ49Yは、中間転写ベルト48を感光体41Yとの間に挟み込んでイエローの一次転写ニップを形成している。一次転写バイアスローラ49Yには、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
現像工程でトナー像が形成された感光体41Yの表面は、中間転写ベルト48を挟んで一次転写バイアスローラ49Yと対向する一次転写ニップに達して、この一次転写ニップで感光体41Y上のトナー像が中間転写ベルト48上に転写される(一次転写工程)。このとき、感光体41Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。一次転写ニップでトナー像を中間転写ベルト48に転写した感光体41Yの表面は、感光体クリーニング装置42Yとの対向位置に達する。感光体41Y上に残存した未転写トナーは、この対向位置で感光体クリーニング装置42Yが備えるクリーニングブレード42aによって機械的に回収される(クリーニング工程)。最後に、感光体41Yの表面は、除電装置との対向位置に達して、この位置で感光体41Y上の残留電位が除去される。こうして、感光体41Y上で行われる一連の作像プロセスが終了する。
このような作像プロセスは、他の作像部46M,46C,46Kでも、イエローの作像部46Yと同様に行われる。すなわち、作像部46M,46C,46Kの下方に配設された露光装置47から、画像情報に基づいたレーザ光Lが、各作像部46M,46C,46Kの感光体41M,41C,41K上に向けて照射される。詳しくは、露光装置47は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体41M,41C,41K上に照射する。
その後、現像工程を経て各感光体41M,41C,41K上に形成した各色のトナー像は、一次転写バイアスローラ49M,49C,49Kと感光体41M,41C,41Kとの間に中間転写ベルト48を挟み込むことで形成された各色の一次転写ニップで、各一次転写バイアスローラに印加される転写バイアスの作用によって中間転写ベルト48上に転写される。
このとき、中間転写ベルト48は、図2中の反時計回り方向に走行して、各一次転写バイアスローラ49Y,49M,49C,49Kの一次転写ニップを順次通過する。これにより、感光体41Y,41M,41C,41K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト48上に重ねて一次転写され、中間転写ベルト48上にカラートナー像が形成される。
各色のトナー像が重ねて転写され、カラートナー像が形成された中間転写ベルト48は、二次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、二次転写バックアップローラ82が、二次転写ローラ89との間に中間転写ベルト48を挟み込んで二次転写ニップを形成している。中間転写ベルト48上に形成されたカラートナー像は、二次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に、例えば二次転写バックアップローラ82に印加される転写バイアスの作用によって転写される。このとき、中間転写ベルト48には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。二次転写ニップを通過した中間転写ベルト48は、中間転写クリーニング装置の位置に達し、その表面上の未転写トナーが回収され、中間転写ベルト48上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
次に、記録媒体Pの動きについて説明する。
上述した二次転写ニップに搬送される記録媒体Pは、プリンタ部100の下方に配設された給紙部200に設けられた給紙トレイ26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されるものである。詳しくは、給紙トレイ26には記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図2中、反時計回り方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28の二つのローラによって形成されるローラニップに向けて搬送される。
レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト48上のカラートナー像が二次転写ニップに到達するタイミングに合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されることで、記録媒体Pが二次転写ニップに向けて搬送される。これにより、記録媒体P上に、所望のカラートナー像が転写される。
二次転写ニップでカラートナー像が転写された記録媒体Pは、定着装置86の位置に搬送される。定着装置86では、定着ベルト及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラートナー像が記録媒体P上に定着される。定着装置86を通過した記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。こうして、複写機500における一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、作像部46における現像装置50の構成及び動作について、さらに詳しく説明する。なお、ここではイエローに対応した作像部46Yを例に挙げて説明を行うが、他色の作像部46M,46C,46Kにおいても同様の構成及び動作を行う。
現像装置50Yは、図3に示すように、現像剤担持体としての現像ローラ51Y、現像剤規制板としてのドクタブレード52Y、二つの現像剤搬送スクリュ55Y、及びトナー濃度検知センサ56Y等で構成されている。現像ローラ51Yは、感光体41Yに対向し、ドクタブレード52Yは、現像ローラ51Yに対向する。二つの現像剤搬送スクリュ55Yは、二つの現像剤収容部53Y,54Y内に配設されている。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットローラ、及び、マグネットローラの周囲を回転するスリーブ等で構成されている。第一現像剤収容部53Y及び第二現像剤収容部54Y内には、キャリアとトナーとからなる二成分の現像剤Gが収容されている。第二現像剤収容部54Yは、その上方に形成された開口を介してトナー落下搬送経路64Yに連通している。トナー濃度検知センサ56Yは、第二現像剤収容部54Y内の現像剤G中のトナー濃度を検知する。
現像装置50Y内の現像剤Gは、二つの現像剤搬送スクリュ55Yによって、攪拌されながら、第一現像剤収容部53Yと第二現像剤収容部54Yとの間を循環する。第一現像剤収容部53Y内の現像剤Gは、現像剤搬送スクリュ55Yの一方に搬送されながら現像ローラ51Y内のマグネットローラにより形成される磁界によって現像ローラ51Yのスリーブ表面上に供給されて担持される。現像ローラ51Yのスリーブは、図3に矢印で示すように反時計回り方向に回転駆動し、現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。このとき、現像剤G中のトナーは、現像剤G中のキャリアとの摩擦帯電によりキャリアとは逆極性の電位に帯電して静電的にキャリアに吸着し、現像ローラ51Y上に形成された磁界によって引き寄せられるキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、図3中の矢印方向に搬送されて、ドクタブレード52Yと現像ローラ51Yとが対向するドクタ部に達する。現像ローラ51Y上の現像剤Gは、ドクタ部を通過する際にその量が規制されて適量化され、その後、感光体41Yとの対向位置である現像領域まで搬送される。現像領域では、現像ローラ51Yと感光体41Yとの間に形成された現像電界によって感光体41Y上に形成された潜像に現像剤G中のトナーが吸着される。現像領域を通過した現像ローラ51Yの表面上に残った現像剤Gは、スリーブの回転に伴い第1現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
現像装置50Y内の現像剤Gは、トナー濃度が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置50Y内の現像剤Gに含まれるトナーの現像による消費量に応じて、トナー容器32Yに収容されているトナーが、後述するトナー補給装置60Yからトナー落下搬送経路64Yを介して第二現像剤収容部54Y内に補給される。第二現像剤収容部54Y内に補給されたトナーは、二つの現像剤搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合、攪拌されながら、第一現像剤収容部53Yと第二現像剤収容部54Yとの間を循環する。
次に、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kについて説明する。
図4は、トナー容器収納部70に4つのトナー容器32Y、32M、32C、32Kが装着された状態を示す概略斜視図である。図5は、トナー補給装置60Yにトナー容器32Yが装着された状態を示す模式図である。各色のトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kは、トナーの色が異なる以外は同一構成である。このため、図5では、イエローに対応したトナー補給装置60Yとトナー容器32Yのみの説明を行い、他の三つの色に対応したトナー補給装置60M、60C、60Kやトナー容器32M、32C、32Kの説明を適宜省略する。なお、色毎で異なる構成がある場合は、特定の色を示す添え字であるY、M、CまたはKを符号として用いるが、色毎で異なる構成ではない場合、あるいは共通の構成である場合には、(Y、M、C、K)を付す場合と適宜添え字を省略する場合がある。図4において矢印Qは、各色のトナー容器32の各トナー補給装置60への装着方向を示し、Q1は各色のトナー容器32の各トナー補給装置60からの離脱方向をそれぞれ示す。
図4に示すプリンタ部100のトナー容器収納部70に装着された各色のトナー容器32Y、32M、32C、32K内のうち、トナー容器32Yに収容されているイエローのトナーは、図5に示すように、現像装置50Y内のトナー消費に応じて、適宜に現像装置内に補給される。このとき、トナー容器32Y内のトナーは、トナー補給装置60Yによって補給される。トナー補給装置60Yは、トナー容器収納部70、搬送管としての搬送ノズル611Y、搬送部材としての搬送スクリュ614Y、トナー落下搬送経路64Y、駆動部(容器回転駆動部)91Y等で構成されている。他の色のトナー補給装置も同様の構成である。トナー容器32Yが図5中、装着方向Qへユーザーによって押し込まれる装着動作によってプリンタ部100のトナー容器収納部70内を移動されると、その装着動作に連動して、トナー容器32Yの装着方向Qにおける容器先端側からトナー補給装置60Yの搬送ノズル611Yが容器内に挿入される。これにより、トナー容器32Y内と搬送ノズル611Y内とが連通する。この装着動作に連動して連通する構成についての詳細は後述する。
トナー容器32Yはトナーボトルとも称され、トナー容器収納部70に非回転で保持される保持部であり容器カバーとしての容器先端側カバー34Yと、容器側歯車としての容器ギア301Yが一体的に形成された粉体収容部としての略円筒形状の容器本体33Yとから主に構成される。容器本体33Yは、容器先端側カバー34Yに対して回転可能に保持されている。なお、図5中のセットカバー608Yは、トナー容器収納部70の容器カバー受入部73の一部である。
トナー容器収納部70は、図4に示すように、主として、容器カバー受入部73と、容器受部72と、挿入口形成部71とで構成されている。容器カバー受入部73は、各色のトナー容器32Y、32M、32C、32Kの容器先端側カバー34Y、34M、34C、34K及び容器本体33Y、33M、33C、33Kを保持する部分である。容器受部72は、トナー容器32Y、32M、32C、32Kの容器本体33Y、33M、33C、33Kを支持する部分である。挿入口形成部71は、トナー容器32Y、32M、32C、32Kの装着動作時における挿入口71aが形成された部分である。複写機500は、手前側(図2の紙面垂直方向手前側)に設置された図示しない本体カバーを開放すると、トナー容器収納部70の挿入口形成部71が露呈される。そして、トナー容器32Y、32M、32C、32Kの長手方向を水平方向とした状態で、複写機500の手前側からトナー容器32Y、32M、32C、32Kの着脱操作(各トナー容器の長手方向を着脱方向とする着脱操作)を行う。
容器受部72は、その長手方向の長さが、各色の容器本体33Y、33M、33C、33Kの長手方向の長さとほぼ同等になるように形成されている。容器カバー受入部73は、容器受部72における長手方向(着脱方向)の容器先端側(装着方向Q側)に設けられ、挿入口形成部71は容器受部72における長手方向の一端側(離脱方向Q1側)に設けられている。四つのトナー容器32Y、32M、32C、32Kは、それぞれ容器受部72上で摺動可能とされている。このため、各トナー容器の装着動作にともない、容器先端側カバー34Y、34M、34C、34Kは、挿入口形成部71を通過した後に、しばらく容器受部72上を滑動して、その後に容器カバー受入部73に装着される。
容器先端側カバー34Yが容器カバー受入部73に装着された状態で、図5に示すように駆動モータとギア等で構成されている駆動部(容器回転駆動部)91Yから本体側歯車としての容器駆動ギア601Yを介して、容器本体33Yに具備された歯車としての容器ギア301Yに回転駆動が入力される。これにより、容器本体33Yが図5中の矢印A方向に回転駆動される。容器本体33Y内のトナーは、容器本体33Y自体が回転することで、容器本体33Yの内周面に螺旋状に形成された螺旋状突起302Yによって、容器本体長手方向に沿って図5中の右側に位置する一端から左側に位置する他端へ搬送される。すなわち本実施形態において、搬送手段は螺旋状突起302Yである。これにより、他端に設けられた容器先端側カバー34Y側から搬送ノズル611Yに形成された粉体受入口としてのノズル開口610Yを介して搬送ノズル611Y内にトナーが供給される。ノズル開口610Yは、容器本体33Yの長手方向における容器ギア301Yが設けられている位置を越えた内側の位置で後述するシャッタ支持開口335bと連通する。すなわち、容器ギア301Yは、ノズル開口610とシャッタ支持開口335bとが連通する位置よりも容器開口部33a側において容器駆動ギア601Yと噛み合う。
搬送ノズル611Y内には、搬送スクリュ614Yが配置されている。搬送スクリュ614Yは、駆動部(容器回転駆動部)91Yから搬送スクリュギア605Yに回転駆動が入力されることで回転し、搬送ノズル611Y内に供給されたトナーを搬送する。搬送ノズル611Yの搬送方向下流端は、トナー落下搬送経路64Yに接続されている。搬送スクリュ614Yによって搬送されたトナーは、トナー落下搬送経路64Yを自重落下して現像装置50Y(第二現像剤収容部54Y)内に補給される。
トナー容器32Y、32M、32C、32Kは、それぞれ寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になったとき)に新品のものに交換される。図4に示す各色のトナー容器32Y、32M、32C、32Kの長手方向における容器先端側カバー34Y、34M、34C、34Kとは反対側の端部、すなわち、離脱方向Q1には把手部303Y、303M、303C、303Kがそれぞれ設けられており、容器交換の際には、作業者が把手部303Y、303M、303C、303Kを握って引き出すことで、トナー容器収納部70に装着されたトナー容器32Y、32M、32C、32Kを取り外すことが出来る。
ここで、駆動部91の構成について図6を用いて補足する。なお図6では、色の識別符号は省略している。駆動部91は、容器駆動ギア601と搬送スクリュギア605を備えている。容器駆動ギア601は、取付基板602に固定された駆動モータ603が駆動し、その出力歯車603が回転することで回転駆動され、搬送スクリュギア605は出力歯車の回転が連結歯車604を介して伝達されることで回転駆動される。
図4に示すようにトナー補給装置60Yでは、搬送スクリュ614Yの回転数によって現像装置50Yへのトナーの供給量を制御している。このため、搬送ノズル611Y内を通過したトナーは、現像装置50Yへの供給量を制御されることなく、トナー落下搬送経路64Yを介して、直接に現像装置50Yへと搬送される。本実施形態のように、搬送ノズル611Yをトナー容器32Yに挿入するトナー補給装置60Yであっても、トナーホッパ等のトナー一時貯留部を設けてもよい。他の色のトナー補給装置60M、60C、60Kにおいても、トナー補給装置60Yと同様にトナーの供給量が制御される。
次に、本実施形態に係るトナー容器32Y、32M、32C、32K及びトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kについてより詳細に説明する。なお、上述したように、トナー容器32Y、32M、32C、32K及びトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kは、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっている。よって、以下、トナーの色を示す添字Y、M、C、Kは省略して説明する。
図1は、トナー容器32を装着する前のトナー補給装置60と、容器先端側のトナー容器32の端部との断面説明図である。図7は、トナー容器32を容器先端側カバー34の上方から見た斜視説明図であり、図8は、トナー容器32を装着した状態のトナー補給装置60と、容器先端側のトナー容器32の端部との断面説明図であり、図9は、トナー容器収納部70の容器カバー受入部73の構成を示す斜視図である。
トナー補給装置60は、内部に搬送スクリュ614を備える搬送ノズル611と、ノズルシャッタ612を備える。ノズルシャッタ612は、トナー容器32が装着される前の非装着時(図1の状態)ではノズル開口610を閉鎖し、トナー容器32が装着された装着時(図8の状態)ではノズル開口610を開放するように、搬送ノズル611の外周面にスライド自在に装着されている。このノズルシャッタ612には、後述する搬送管受入部材としてのノズル受入部材330における搬送ノズル611と当接する端面よりも装着方向下流側に鍔部としてのノズルシャッタ鍔部612aが設けられている。
一方、図7に示すようにトナー容器32の先端面の中央には、装着時に搬送ノズル611が挿入される管挿入口としてのノズル受入口331が形成されており、非装着時にノズル受入口331を閉鎖する開閉部材としての容器シャッタ332を備える。
トナー容器収納部70に設けられた容器受部72は、図4に示すように、トナー容器32の長手方向(着脱方向)と直交する幅方向Wにおいて4つに区分されていて、各容器本体33(Y、M、C、K)の長手方向に沿って、挿入口形成部71から容器カバー受入部73まで続く、図9に示す容器載置部としての溝部74が形成されている。各色のトナー容器32(Y,M,C,K)は、この溝部74上で長手方向に滑り移動可能に構成されている。
図9に示すように、幅方向Wに位置する溝部74の互いに対向する側面74a、74bには、互いに対向するようにガイドレール75、75がそれぞれ設けられている。各ガイドレール75は、側面74a、74bから幅方向Wに突出しているとともに、長手方向に延在し、容器カバー受入部73の手前に配置されている。ガイドレール75、75は、トナー容器32をプリンタ部100(トナー容器収納部70/トナー補給装置60)へ装着する際に、図7に示すトナー容器32側の案内部材としてのスライドガイド361と係合し、開口部としての容器開口部33aを容器受入部としての容器セット部615に案内する機能を備えている。各ガイドレール75は、トナー補給装置60にトナー容器32を装着するときに、容器本体33の回転軸と平行になるように形成されている。
図9に示すように、容器カバー受入部73には、各色に対応したセットカバー608が設けられている。セットカバー608は、その中央に搬送ノズル611が配置されている。搬送ノズル611は、トナー容器32の装着方向において下流側となる容器セット部615における装着方向奥側である端面615bから装着方向上流側に向けて容器カバー受入部73内に突出するように配置されている。容器受入部としての容器セット部615は、搬送ノズル611の周囲を囲むように、搬送ノズル611の突出方向であって、トナー容器32の装着方向上流側に向かって立設している。つまり、容器セット部615は、搬送ノズル611の根本に配置されており、トナー容器32内のトナーを搬送するためにトナー容器32内の搬送手段が回転する際に回転軸として機能する容器開口部33aのトナー容器収納部70への位置決め部である。すなわち、容器開口部33aが容器セット部615に挿入されて嵌合することで、容器開口部33aの径方向への位置が確定される。
容器セット部615には、トナー容器32がトナー補給装置60に装着された状態で、トナー容器32の容器開口部33aの外周面33bが摺動可能な状態で嵌合する。容器セット部615の端部内周面615aには、端部内周面615aの一部として端部内周面615aから径方向内側に向けて突出して形成された摺動突面615dが等間隔に4箇所形成されており、この摺動突面615dと外周面33bとがトナー容器32の回転に伴い摺動する。
容器セット部615の端部内周面615aとトナー容器32の容器開口部33aの外周面33bとが嵌合することにより、トナー容器32のトナー補給装置60に対するトナー容器32の長手方向(着脱方向)に直交する径方向の位置決めがなされる。また、トナー容器32の回転時には、容器開口部33aの外周面33bが回転軸部として機能し、容器セット部615の端部内周面615aは軸受けとして機能する。このときの容器開口部33aの外周面33bが容器セット部615の端部内周面615aの一部としての摺動突面615dと摺動可能に接触し、トナー容器32のトナー補給装置60に対する径方向の位置決めがなされる位置を図8中のαで示す。
尚、これ以下の記載において、トナー容器32の容器開口部33bが容器セット部615に摺動可能な状態で嵌合ことの説明が頻出する。係る嵌合の状態を厳密に述べれば、トナー容器32の容器開口部33bの外周面33bが、容器セット部615の端部内周面615aに形成された摺動突面615dに接触している状態を意味する。読みやすさのため、これより先は摺動突面615dを省略し、容器開口部33bの外周面33bが容器セット部615の端部内周面615aに嵌合との説明に留めることにする。
図9に示すように、セットカバー608の幅方向Wにおいて互いに対向するように、開口608dがそれぞれ形成されている。セットカバー608には、後述する補給装置側ロック部材78、78が開口608d、608dを介してセットカバー608の外周面から内周面608c側に進退移動可能に設けられている。補給装置側ロック部材78、78は、ねじりコイルばね782などの付勢手段によってセットカバー608の外側から内部に向かって付勢されている。
次に、トナー容器32について説明する。
図7に示すように、トナー容器32は、トナーが収容された容器本体33と、容器先端側カバー34とから主に構成されている。容器本体33は、図11に示すように、略円筒状であり、円筒の中心軸を回転軸として回転する構成となっている。以下、トナー容器32の長手方向において、トナー容器32におけるノズル受入口331が形成されている側(容器先端側カバー34が配置されている側)を「容器先端側」と呼ぶことにする。また、トナー容器32における把手部303が配置されている側(容器先端側とは逆側)を「容器後端側」と呼ぶことにする。なお、トナー容器32の長手方向は回転軸方向であり、トナー補給装置60にトナー容器32を装着した状態では、長手方向は水平方向となる。容器本体33の容器ギア301よりも容器後端側は、容器先端側よりもその外径が大きくなっており、その内周面には螺旋状突起302が形成されている。そして、容器本体33が図中の矢印A方向に回転すると、容器本体33内のトナーは螺旋状突起302の作用によって回転軸方向における一端側(容器後端側)から他端側(容器先端側)に向かう搬送力が付与される。
図11、図12に示すように、容器本体33の容器先端側の内壁には、容器本体33が図中矢印A方向に回転することで螺旋状突起302によって容器先端側に搬送されてきたトナーを、容器本体33の回転によって上方に汲み上げる、汲み上げ部304が形成されている。汲み上げ部304は、螺旋状突起302の搬送力によって搬送されたトナーを、容器本体33の回転に応じてその汲み上げ壁面304fによって上方に汲み上げる。これにより、挿入された搬送ノズル611よりも上方にトナーを汲み上げることができる。また、汲み上げ部304の内周面にも、螺旋状突起302と同様に内部のトナーを搬送するように、螺旋状に形成された汲み上げ部螺旋状突起304aが形成されている。
容器本体33の汲み上げ部304よりもさらに容器先端側には、図7、図8に示すように、容器ギア301が形成されている。容器先端側カバー34には、容器本体33に取り付けた状態で、この容器ギア301の一部が露出するように、歯車露出開口部34aが設けられている。そして、トナー容器32をトナー補給装置60に装着することで、歯車露出開口部34aから露出した容器ギア301が、トナー補給装置60側の容器駆動ギア601に噛み合う構成となっている。容器ギア301は、ノズル開口610よりも容器本体33の長手方向において容器開口部33a側(容器開口部33aの近傍)に設けられていて、容器駆動ギア601と噛合可能に配置されている。そして容器ギア301は、容器駆動ギア601に噛合することで、搬送手段を回転可能とする。
容器本体33の容器ギア301よりもさらに容器先端側には、円筒状の容器開口部33aが容器ギア301と同軸上に形成されている。そして、図1、図8、図11、図12に示すように、この容器開口部33aに容器開口部33aと同軸にノズル受入部材330の受入部材固定部337を圧入することにより、容器本体33に対してノズル受入部材330を固定することが出来る。トナー容器32は、容器本体33に対してその一端側に設けられた開口部としての容器開口部33aの開口からトナーを充填後、ノズル受入部材330を容器本体33の容器開口部33aに固定する構成となっている。
また、容器本体33の容器開口部33aと容器ギア301との間には、図7に示すように、引掛け部としてのカバー爪引掛け部306が形成されている。カバー爪引掛け部306は、容器先端側カバー34の装着方向先端部に回転方向(周方向)に延びるリング形状を成している。
容器先端側カバー34はトナー容器32(容器本体33対して、容器先端側(図8中の左下側)から組み付けられる。これにより、容器本体33が長手方向で容器先端側カバー34を貫き、突部としてのカバー爪部341が引っ掛け部としてのカバー爪引掛け部306に引っ掛かる。容器本体33と容器先端側カバー34とは、カバー爪部341がカバー爪引掛け部306に引っ掛かることで、相対回転可能に取り付けられる。
トナー容器32の容器先端側カバー34には、図7に示すように、プリンタ部100へトナー容器32を装着する際、装着中のトナー容器32の装着方向以外への移動を規制することで開口部33aを容器セット部615へ案内する案内部となるスライドガイド361が幅方向Wに位置する下部にそれぞれ設けられている。図7では片側のみ示す。各スライドガイド361は、容器本体33の長手方向に沿って延びる溝を備えている。各スライドガイド361は、この溝内に、図9で説明した容器受部72の溝部74に形成した一対のガイドレール75がそれぞれ挿入されることで、上下方向からそれぞれ挟み込むことにより、トナー容器32をプリンタ部100(トナー補給装置60、トナー容器収納部70)へ装着する際に、容器先端側カバー34における鉛直方向Z及び着脱方向Q1と直行する幅方向Wへの位置決め部として機能する。
図7に示すように、容器先端側カバー34には、幅方向W側の表面に、トナー容器32のトナー補給装置60に対する長手方向(着脱方向)の位置決め行なうための容器ロック部339、339が、それぞれ形成されている。図7では片側のみ示す。トナー容器32をトナー補給装置60に装着するときに、セットカバー608に設けられた補給装置側ロック部材78、78(図9、図10参照)が各容器ロック部339とそれぞれ係合する。
各容器ロック部339は、図7に示すように、ガイド突起339a、ガイド溝339b、乗り越え部339c及び軸方向規制部としての係止孔339dをひと組として、容器先端側カバー34における左右両側に対を成すように、一組が配置されている。すなわち、各係止孔339dは、容器開口部33aの中心を挟んで左右両側に配置されている。各ガイド突起339aは、容器先端側カバー34の容器先端側のトナー容器32の長手方向に直交する垂直な面上であって、容器本体33の回転中心軸を通る水平面上に配置されている。ガイド突起339aは、トナー容器32の装着時に補給装置側ロック部材78を当接させ、ガイド溝339bに向けて案内できるようにガイド溝339bに繋がる傾斜面を備えている。ガイド溝339bは、容器先端側カバー34の側周面よりも一段低くなった溝である。
ガイド溝339bの容器後端側は、係止孔339dに直接繋がる形状ではなく終端を有し、容器先端側カバー34の側周面の高さになっている。即ち、ガイド溝339bと四角形の係止孔339dの間には幅1[mm]程度の容器先端側カバー34の外周面があり、これが乗り越え部339cに相当する。補給装置側ロック部材78は、この乗り越え部339cを乗り越えて係止孔339dに落ち込み、トナー容器32とトナー補給装置60との結合が達成される。この状態がトナー容器32のセット位置(セット状態)である。なお、本実施形態においては、補給装置側ロック部材78が容器ロック部339の係止孔339dに落ち込む構成としている。しかし、補給装置側ロック部材78が落ち込むことで、トナー容器32とトナー補給装置60との結合が達成される容器ロック部339の形状としては、係止孔339dのような貫通孔の形状であっても、貫通していない有底の係止部のような窪み形状を有する構成であってもよい。
トナー容器32の容器ギア301には、図10に示すように、駆動部(容器回転駆動部)91から容器駆動ギア601を介して回転駆動が入力される。容器ギア301に駆動が入力されると、容器本体33の容器開口部33aにおける外周面33bが回転軸部として機能するとともに、容器セット部615の端部内周面615aが軸受けとして機能し、容器ギア301を固定或いは一体的に構成した容器本体33が回転する。なお、本実施形態においては、容器ギア301の回転中心は、容器開口部33aの軸線と同心位置になるように配置される構成とした。
トナー容器32がトナー容器収納部70に保持される状態(セット状態)において、トナー容器32は、トナー容器32の容器先端側である容器開口部33aにおける外周面33bが回転軸部として容器セット部615の端部内周面615aに支持されるとともに、容器ロック部339の係止孔339dが補給装置側ロック部材78に係合される。そして、容器ロック部339と容器開口部33aとの間に容器ギア301が配置される構成である。
次に、容器本体33に固定されるノズル受入部材330について説明する。
ノズル受入部材330は、図13、図14、図15に示すように、トナー容器32に設けられ、画像形成装置の中でトナー容器32内から供給されたトナーを搬送する搬送ノズル611が挿入および脱離される管挿入口331と、開閉部材としての容器シャッタ332と、封止部材としての容器シール333と、支持部材としての容器シャッタ支持部材334と、容器シャッタバネ336と、受入部材固定部337とを備えている。容器シャッタ332は、搬送ノズル611の挿入の際の押圧によって管挿入口311を開放する開位置への移動をし、かつ搬送ノズル611の脱離によって管挿入口311を閉じる閉止位置への移動するように往復動作可能に容器シャッタ支持部材334内に挿入されて支持されている。つまり、容器シャッタ支持部材334は、容器シャッタ332の開位置及び閉止位置への移動を案内するように支持している。容器シャッタバネ336は容器シャッタ支持部材334内に設けられていて、容器シャッタ332を閉止位置に向けて付勢するコイルスプリングである。
容器シャッタ支持部材334は、後端部としてのシャッタ後端支持部335、側面部としての一対のシャッタ側面支持部335a、335a、側面開口部としてのシャッタ支持開口部335b、335b及び受入部材固定部337を有している。シャッタ側面支持部335a、335aは、互いに対向するように配置され、かつ容器シャッタ332の移動方向に延びていて、その一端側がシャッタ後端支持部335によって連結され、その他端側が筒状の受入部材固定部337に連結されている。シャッタ側面支持部335a、335aとシャッタ支持開口335bとは、トナー容器回転方向において互いに隣り合って配置されている。つまり、容器シャッタ支持部材334は、シャッタ側面支持部335a、335の部分が、受入部材固定部337側からシャッタ後端支持部335までの部分を上下方向において容器シャッタ332の移動方向に円筒形状を切り落とされた形状をなし、切り落とされた部分にシャッタ支持開口335b、335bをそれぞれ形成している。容器シャッタ支持部材334は、これら一対のシャッタ側面支持部335a、335aと、シャッタ後端支持部335と、受入部材固定部337により囲まれた空間S1内を容器シャッタ332が搬送ノズル611の挿入方向に沿っての移動、言い換えればノズル受入口331を開放する開位置への移動とノズル受入口331を閉じる閉止位置への移動を案内することができるように構成されている。
図12に示すように、容器本体33に固定されるノズル受入部材330は、容器本体33の回転時に容器本体33とともに回転するが、このとき、ノズル受入部材330のシャッタ側面支持部335a、335aは、トナー補給装置60側の搬送ノズル611の周りを回転する。このため、回転しているシャッタ側面支持部335a、335aとシャッタ支持開口334b,334bとが搬送ノズル611の上部に形成されたノズル開口610のすぐ上方の空間を交互に通過する。これにより、仮にノズル開口610の上方でトナーが瞬間的に堆積してもその堆積トナーをシャッタ側面支持部335a、335aが横切って崩すので、放置時に堆積トナーが凝集してしまい、再起動時にトナーの搬送不良を起こすことを抑制することができる。一方、シャッタ側面支持部335a、335aが搬送ノズル611の側方に位置し、ノズル開口610とシャッタ支持開口335b、335bとが対向するタイミングでは、図8中の矢印βで示すように、トナーはシャッタ支持開口335bを通過して容器本体33内のトナーが搬送ノズル611内へと供給される。
図15に示すように、容器シャッタ332は、閉止部としての先端円筒部332c、滑動部332d、延在部となるガイドロッド332e及びシャッタ抜け防止爪332aからなる。先端円筒部332cは、容器シール333の円筒開口(ノズル受入口331)と密着する容器先端側の部分である。滑動部332dは、先端円筒部332cよりも容器後端側に形成され、先端円筒部332cよりは外径が少し大きく、一対のシャッタ側面支持部335aの内周面を滑動する円筒状の部分であり、管挿入口331を封止する封止部である。
ガイドロッド332eは、先端円筒部332cの円筒内部から容器後端側に向けて起立した棒材であり、容器シャッタバネ336のコイル内部に挿入されることで容器シャッタバネ336が座屈しないように規制するロッド部分である。ガイドロッド摺動部332gは、円柱状のガイドロッド332eの途中からガイドロッド332eの中心軸を挟んで両側に一対の平面が形成されている。また、ガイドロッド摺動部332gの容器後端側は、図12、図13に示すように、二股に割れて一対の片持ち梁を形成している。シャッタ抜け防止爪332aは、ガイドロッド332eの起立した根元とは逆側の端部であって片持ち梁の端部に備えられていて、容器シャッタ支持部材334に対して引っ掛かる係止部を構成している。シャッタ抜け防止爪332aとガイドロッド摺動部332gは、シャッタ後端支持部335に形成された貫通孔となる後端開口部335d内に挿入していて、シャッタ抜け防止爪332aが後端開口部335dに引っかかることで、容器シャッタ支持部材340から容器シャッタ332の脱落を防止する一対の爪部分として機能する。
容器シャッタバネ336の先端側端部は先端円筒部332cの内壁面に突き当たり、容器シャッタバネ336の後端側端部はシャッタ後端支持部335の対向面となる内壁面335caに突き当たる。このとき、容器シャッタバネ336は圧縮した状態であるため、容器シャッタ332はシャッタ後端支持部335から離れる方向(図15中の右方向、容器先端方向)の付勢力を受ける。しかし、容器シャッタ332の容器後端側の端部に形成されたシャッタ抜け防止爪332aがシャッタ後端支持部335の後端開口部335dに引っ掛かる。これにより、図15で示す状態よりも容器シャッタ332はシャッタ後端支持部335から離れる方向に移動することを防止している。
このようなシャッタ抜け防止爪332aのシャッタ後端支持部335に対する引っ掛かりと、容器シャッタバネ336の付勢力とによって、容器シャッタ332の位置決めがなされる。詳しくは、容器シャッタ332のトナー漏れ防止機能を発揮する先端円筒部332cと容器シール333との軸方向の容器シャッタ支持部材340に対する位置決めがなされる。両者が密着する関係で位置決めがされ、トナーの漏出を防止することが出来る。
図15に示すように、受入部材固定部337は容器後端側ほど外周面及び内周面の直径が段階的に小さくなる筒状である。容器先端側から容器後端側に見て順に直径が小さくなる。その外周面には図15に示すように、二箇所の外径部(容器先端から順に外周面AA,BB)、内周面には五箇所の内径部(容器先端から順に外周面CC,DD,EE,FF,GG)がある。外周面の外周面AAと外周面BBの境界はテーパ面でつながっている。内周面の四番目の内径部FFと五番目の内径部GGの境界も同様にテーパ面で繋がっている。この内周面の内径部FF及びそれに繋がるテーパ面は、後述するシール部材巻き込み防止空間337bに対応し、それらの面の稜線は後述する五角形断面の辺に相当する。
図15に示すように、受入部材固定部337から容器後端側には互いに対向し、円筒を軸方向に切断した片状の形態である一対のシャッタ側面支持部335a、335aが突出している。二つのシャッタ側面支持部335a、335aの容器後端側の端部は、シャッタ後端支持部335で連結されている。受入部材固定部337は、容器シャッタ332の摺動部332dの直径と同じ大きさの内径になる円筒状の内周面として先端から五番目の内径部GGを有する。受入部材固定部337の3番目の内周面EEは、45[°]分配の等間隔で配置されたノズルシャッタ突き当てリブ337aの長手頂部を通る仮想円周面である。この内周面EEに対応して断面(図15の断面図における断面)が四角形の円筒状(円管状)の容器シール333が配置される。容器シール333は、三番目の内周面EEから五番目の内周面FFに繋がる垂直面に接着剤または両面テープ等により固定されている。この容器シール333の貼り付けとは反対側(図15中の右側)の露出した面が円筒状の受入部材固定部337(容器開口部)の円筒状開口の内底をなす。
また、図15に示すように、受入部材固定部337の内周面FFとそれに繋がるテーパ面に対応して、シール部材巻き込み防止空間337b(挟み込み防止空間)が形成されている。シール部材巻き込み防止空間337bは三つの異なる部材で囲まれたリング状の密閉空間である。すなわち、受入部材固定部337の内周面(四番目の内周面FFとそれに繋がるテーパ面)と、容器シール333の貼付側の垂直面と、容器シャッタ332の先端円筒部332cから滑動部332dまでの外周面とで囲まれたリング状の空間である。そして、このリング状の空間の断面は五角形をしている。受入部材固定部337の内周面と容器シール333の端面とが成す角度、及び容器シャッタ332の外周面と容器シール333の端面とが成す角度は共に90[°]である。
シール部材巻き込み防止空間337bの機能を述べる。容器シャッタ332がノズル受入口331を遮蔽している状態から容器後端方向に移動した場合、容器シール333の内周面は容器シャッタ332の先端円筒部332cと摺動する。このため、容器シール333の内周面は容器シャッタ332に引っ張られ容器後端方向に移動するように弾性変形する。このとき、シール部材巻き込み防止空間337bが無く、三番目の内周面から繋がる垂直面(容器シール333の貼付面)と五番目の内周面GGとが直交するように繋がっていた場合、次のような状態となるおそれがある。すなわち、容器シール333の弾性変形した部分が、容器シャッタ332と摺動する受入部材固定部337の内周面と容器シャッタ332の外周面との間に挟まれて、巻き込まれた状態となるおそれがある。受入部材固定部337と容器シャッタ332とが摺動する部分、即ち、先端円筒部332cと内周面GGとの間に容器シール333が巻き込まれると、受入部材固定部337に対して容器シャッタ332がロックされ、ノズル受入口331の開閉が行えなくなる。
これに対して、本実施形態のノズル受入部材330は、その内周部にシール部材巻き込み防止空間337bが形成されている。シール部材巻き込み防止空間337bの内径(内周面EEとそれに繋がるテーパ面それぞれの内径)は、容器シール333の外径よりも小さいため、容器シール333全体がシール部材巻き込み防止空間337bに進入してくることはない。また、容器シール333の容器シャッタ332に引っ張られて弾性変形する領域には限度があり、内周面GGに至って巻き込まれる前に容器シール自身の弾性で復元する。この作用により、受入部材固定部337に対して容器シャッタ332がロックされることに起因してノズル受入口331の開閉が行えなくなることを防止できる。
図13、図15に示すように、受入部材固定部337の内周面であって容器シール333の外周に隣接する箇所には、複数本のノズルシャッタ突き当てリブ337aが放射状に延在するように形成されている。受入部材固定部337に容器シール333を固定した状態では、容器シール333の容器先端側の垂直面は、ノズルシャッタ突き当てリブ337aの容器先端側の端部よりも回転軸方向に少しだけ突き出している。
図8に示すように、トナー容器32をトナー補給装置60に装着したときには、トナー補給装置60側のノズルシャッタ612のノズルシャッタ鍔部612aが、ノズルシャッタバネ613に付勢されて容器シール333の突き出た分を押し潰す。ノズルシャッタ鍔部612aが更に進入してノズルシャッタ突き当てリブ337aの容器先端側端部に突き当たり、容器シール333の先端側端面を覆って容器外部から遮断する。これにより、装着時のノズル受入口331における搬送ノズル611周りの密閉性を確保し、トナー漏れを防止することができる。
ノズルシャッタバネ613に付勢されるノズルシャッタ鍔部612aのノズルシャッタバネ受け面612fの裏側がノズルシャッタ突き当てリブ337aに突き当たることで、ノズルシャッタ612のトナー容器32に対する回転軸方向の位置が決まる。これにより、容器シール333の容器先端側の端面及び先端開口305(後述する容器開口部33aの中に配置されている円筒状の受入部材固定部337の内部空間)の容器先端側の端面と、ノズルシャッタ612との回転軸方向の位置関係が決まる。
次に、容器シャッタ332と搬送ノズル611の動作について図1、図8、図16(a)〜図16(d)を用いて説明する。トナー容器32をトナー補給装置60に装着する前においては、図1に示すように、容器シャッタ332はノズル受入口331を閉じる閉止位置に向けて容器シャッタバネ336で付勢されている。このときの容器シャッタ332と搬送ノズル611の外観を図16(a)に示す。そして、トナー容器32をトナー補給装置60に装着すると、図16(b)に示すように、搬送ノズル611がノズル受入口331に挿入される。トナー容器32をトナー補給装置60にさらに押し込むと、容器シャッタ332の端面となる先端円筒部332cの端面332h(以下、「容器シャッタの端面332h」と称する)と搬送ノズル611の挿入方向に位置する端面611a(以下、「搬送ノズルの端面611a」と称する)とが接触する。この状態からトナー容器32をさらに押し込むと、図16(c)に示すように、容器シャッタ332が押し込まれて、図16(d)に示すように、搬送ノズル611がノズル受入口331からシャッタ後端支持部335内に挿入される。このため、図8に示すように、容器本体33内に搬送ノズル611が挿入されてセット位置となる。このとき、図16(d)に示すように、ノズル開口610はシャッタ支持開口部335bに重なる位置にある。
その後、容器本体33が回転すると、汲み上げ部304によって搬送ノズル611よりも上方に汲み上げられたトナーが、ノズル開口610から搬送ノズル611内に落下して導入される。搬送ノズル611内に導入されたトナーは、搬送スクリュ614が回転することで搬送ノズル611内をトナー落下搬送経路64に向かって搬送され、トナー落下搬送経路64から現像装置50へと落下して供給される。
上述したように、容器本体33に固定されたノズル受入部材330の容器開口部となるノズル受入口331に挿入された搬送ノズル611のノズル開口610に対してトナーTを汲み上げ部304で汲み上げて供給する場合、効率よく汲み上げ部304からノズル開口610にトナーTを供給できないことがある。そこで、本発明者らは、汲み上げ部304とノズル受入部材330とノズル開口610との関係について検討したところ、いくつかの有効な形態を見出した。以下これらの内容について詳細に説明する。
(実施形態1)
本実施形態は、汲み上げ部304が備えている粉体汲み上げ面に汲み上げられた紛体であるトナーTを粉体受入口となるノズル開口610に向かって案内する案内面を有し、案内面をノズル受入部材330のシャッタ側面支持部335aで構成している。
図17、図18に示すように、本実施形態において、容器本体33の容器開口部33a側に形成された汲み上げ部304は、容器本体33が矢印A方向に回転することで開口部33aに搬送されたトナーTを汲み上げてノズル開口610(図19参照)へと供給するものである。なお、容器開口部33aには、ノズル受入部材33が挿入されて固定されるため、以下汲み上げ部304の説明において、本体容器33の開口部33aはノズル受入口331として説明する。
粉体汲み上げ部304は、容器本体33の内壁面33cから中央のノズル受入口331に向かって延びる紛体汲み上げ面(以下単に「汲み上げ面」と記す)3040を有している。この汲み上げ面3040におけるノズル開口610側に位置する端部3040aは、回転軸Oの回転軸方向に延びていて、端部3040aに回転軸方向に延びる辺部3042が形成されている。辺部3042は、回転軸aと平行に形成されていて、トナー補給装置60に装着されて容器本体33が矢印A方向に回転したときに、搬送ノズル611の断面範囲W1内、好ましくはノズル開口610の上方において、ノズル開口610の回転方向における開口範囲W2内に位置するように形成されている。
本実施形態において、図19は、容器本体33の回転軸方向で粉体汲み上げ部304近傍を、回転軸と直交する断面で輪切りにし、後端側から先端側に向かってみたときの断面図である。図19に示すように、辺部3042は、ノズル開口610の少なくとも一部と回転軸方向で重複するとともに、汲み上げ面3040が上方に向いたとき(水平になったとき)に、回転軸Oを通り水平方向に伸びる仮想平面X1より上方に位置するように形成されている。本実施形態において、ノズル開口610の中心は、回転軸Oと同一中心なるように配置される。このため、仮想平面X1は、ノズル開口610を水平方向に横切ることになる。図中X2は、ノズル開口610を上面の延長線となる仮想平面をと示す。この仮想平面X2は、仮想平面X2と平行な面である。つまり、本実施形態において、辺部3042を含む汲み上げ面3040は、図19に示すように、ノズル開口610の上面よりも下方に位置するように形成されている。
汲み上げ部304には、汲み上げ面3040と対向する部位に空間S1が形成されている。空間S1は、汲み上げ面3040とこれと対向する容器本体33の内壁面33cとで囲まれた空間である。搬送部としての汲み上げ部螺旋状突起304aは、この空間S1のノズル受入口331側に向けてトナーTを送り込むためのものである。その一端304a1は、汲み上げ面3040に接続されていて、その他端304a2は、一端304a1よりも離脱方向Q1側に位置している。
このような構成において、ノズル受入部材330はノズル受入口331内に挿入されて固定されるが、本実施形態では、ノズル受入部材330がノズル受入口331内に挿入する際に、図19に示すように、シャッタ側面支持部335aの案内面335a1が仮想平面X2上に位置するように挿入して固定している。案内面335a1は、仮想平面X2と平行となる平面として形成されている。
ノズル受入部材330のノズル受入口331には、搬送ノズル611が挿入されるとともに、搬送ノズル611が挿入されるまでは、容器シャッタ332が位置していて摺動可能に支持されている。このため、搬送ノズル611の外径とノズル受入口331および容器シャッタ332の外面とノズル受入口331の間にはクリアランスとなる隙間S2が生じてしまう。
このような空間S2が生じると、図20(a)に示すように容器本体33が回転し、汲み上げ面3040上のトナーTが滑り落ちてノズル開口610に供給される際に、その一部が空間S2内に入ってしまうことがある。なお、図20(a)、図20(b)は、図19と同様に後端側から先端側を見たときの断面図である。つまり、汲み上げ面3040でくみ上げたトナーTのうち、一部しかノズル開口610に入らず、シャッタ側面支持部335aとノズル開口断面の隙間からトナーTが流れ落ちてしまう。この結果、トナー補給量が少なくなってしまい、効率が悪くなるとともに、この空間S2内に入ったトナーTは、ノズル受入部材330が容器本体33の開口部33aに固定されているため、トナーの流動性によっては空間S2内に留まり残留トナーとなってしまう場合もある。
しかし、本実施形態のように、この空間S2内に位置するノズル受入部材330のシャッタ側面支持部335aの案内面335a1を、汲み上げ面3040と同一平面上に配置すると、汲み上げ面3040と搬送ノズル611の外径との間の隙間S2が、図20(b)に示すように、案内面335a1の幅だけ径方向に狭められる。このため、容器本体33が回転し、汲み上げ面3040上のトナーTが滑り落ちてノズル開口610に供給される際に、案内面335a1が汲み上げ面3040の延長面として機能して、空間S2に流れ落ちる量が少なくなる。場合によっては、空間S2にトナーTが入らなくなる。つまり、トナー汲み上げ面3040からの無駄なトナーTのこぼれがなくなり、残留トナーが低減するとともに、ノズル開口610に効率的にトナーを供給することができる。
なお、本実施形態において、汲み上げ面3040は仮想平面X1よりも上方に位置した平面としたが、汲み上げ面3040は仮想平面X1と同一平面となるようにしたものであってもよい。
すなわち、搬送管受入部材となるノズル受入部材330は、容器開口部33a側に容器本体33と一体回転可能に設けられ、少なくとも容器本体33の回転方向下流側に位置するシャッタ側面支持部335aの部位に、容器本体33の回転軸方向に延びた面を有し、この面を案内面335a1とし、案内面335a1と粉体汲み上げ面3040とを同一平面上に位置するように、ノズル受入部材330を容器開口部内に装着している。
別な言葉で表現すると、本実施形態では、シャッタ側面支持部335aの面となる案内面335a1と粉体汲み上げ面3040とを同一平面上に位置するように、ノズル受入部材330を容器本体33に装着することで、ノズル開口610よりも外側に位置し、粉体汲み上げ面3040と管挿入口331との間に形成される空間S2を狭めることになる。
空間S2の径方向への幅をより狭めるという点においては、シャッタ側面支持部335aの内側面に、汲み上げ面3040および案内面335a1と同一平面上となるリブを形成することも考えられる。この場合、シャッタ側面支持部335aの内側は容器シャッタ322が移動するため、移動する容器シャッタ322と干渉しない程度の突出量を有するリブであれば形成可能である。このような構成の場合、より空間S2の径方向への幅が狭まる(汲み上げ面3040の延長面が長くなる)ので、トナー汲み上げ面3040からの無駄なトナーTのこぼれがなくなり、残留トナーが低減するとともに、ノズル開口610により効率的にトナーTを供給することができる。
(実施形態2)
本実施形態は、図21に示すように、汲み上げ部304が備えている粉体汲み上げ面3040に汲み上げられた紛体であるトナーTを粉体受入口となるノズル開口610に向かって案内する案内面を、汲み上げ面3040と、汲み上げ面3040よりも容器本体33の回転方向下流側に位置して同汲み上げ面3040と対向する部位に設けられた対向面3050とで構成している点を特徴としている。
容器本体33は、トナー補給時になると回転し、トナー濃度が所定値になると、回転が停止するように、間欠駆動制御される。このように間欠駆動制御されると、停止した際に、図22(a)に示すように、汲み上げ面3040上のトナーTが慣性により回転方向Aに飛ばされてしまうことがある。図22(a)、図22(b)は、図19と同様に後端側から先端側を見たときの断面図である。すると、汲み上げ面3040上のトナー量が減少し、汲み上げ面3040から流れ落ちてノズル開口610に供給されるトナー量にバラツキが生じてしまい、効率的にトナーTを供給することが難しい。
しかし、本実施形態では、汲み上げ面3040よりも容器本体33の回転方向Aに位置して汲み上げ面3040と対向する部位に対向面3050を備えている。この対向面3050は、汲み上げ面3040よりも容器本体33の回転方向下流側に設けられている。このため、容器本体33が回転状態から停止して汲み上げ面3040上のトナーTが慣性により回転方向Aに飛ばされても、図22(b)に示すように、飛ばされたトナーTが対向面3050にぶつかるためトナーTの拡散を低減することができる。
また対向面3050にぶつかったトナーTをノズル開口610に案内するために、対向面3050は、容器本体33の内壁面33cから中央のノズル受入口331に向かって延びているとともに、対向面3050におけるノズル開口610側に位置する端部3050aが回転軸Oの回転軸方向に延びた平面として形成されている。つまり、対向面3050は、容器本体33の内壁面33cから容器本体33の回転軸Oに向かって突出した面として形成されている。対向面3050は、汲み上げ面3040がノズル開口610よりも回転方向上流側において容器本体33が停止した時に、その端部3050aが搬送ノズル611の断面範囲W1内、好ましくはノズル開口610の上方において、ノズル開口610の回転方向における開口範囲W2内に位置するように設けられている。
このため、容器本体33の回転が停止した際に対向面3050にぶつかったトナーTは、ノズル開口610に案内され、ノズル開口610により効率的にトナーTを供給することができる。
汲み上げ304に、汲み上げ面3040と対向する対向面3050を形成すると、汲み上げ面3040と対向面3050との間の空間S3が汲み上げ空間となり、汲み上げ総量が定められる。さらに、汲み上げ面3040と対向面3050におけるノズル受入口331側の開口3060の回転方向Aへの幅も定められる。このため、単位時間当たりの汲み上げ面3040で汲み上げられるトナー量が安定するとともに、汲み上げ面3040から落下するトナー量も安定するため、ノズル開口610へのトナー補給が効率的かつ安定して供給することができる。
(実施形態3)
本実施形態は、図23に示すように、装着方向Q側に位置する汲み上げ面3040の端部3040cを、汲み上げ面3040上のトナーTがノズル開口610へと向かう形状とした点を特徴としている。
上述したように汲み上げ面3040は、回転軸Oの回転軸方向に延びている。また、ノズル開口610に対して広い領域からトナーを補給しようとすると、汲み上げ面3040の回転軸方向への長さ(辺部3042の長さ)L1を、ノズル開口610の回転軸方向の長さL2と同等かそれ以上とすることが考えられる。しかし、汲み上げ面3040の回転軸方向への長さL1を、ノズル開口610の回転軸方向の長さL2と同等かそれ以上とすることは、実施形態1で説明した隙間S2が、回転軸方向に形成されることとなり、隙間S2に落下するトナー量が増えて、ノズル開口610への効率的なトナー補給の妨げになることも想定される。
このため、本実施形態では、装着方向Q側に位置する汲み上げ面3040の端部3040cをノズル開口610へと向かう形状として傾斜面とすることで、汲み上げ面3040の辺部3042の回転軸方向の長さL3を短くしている。具体的には、ノズル開口610の長さL2とオーバーラップしている汲み上げ面3040の辺部3042の長さL3が短くなるように、端部3040cと辺部3042との交点Eの位置をノズル開口610の回転軸方向における長さL2の範囲内において容器本体33の内側(離脱方向Q1)側に位置するように形成した。具体的には、交点Eを、破線円で示したノズル開口610の中央よりに配置した。すなわち、案内面は、汲み上げ面3040と、容器本体33の装着方向Q側に位置する端部3040を容器本体33の離脱方向Q1側に向かう傾斜面とで形成されている。
別な言葉で表現すると、粉体汲み上げ面3040は、容器本体33の内壁面33cからノズル受入口331に向かって延びている。粉体汲み上げ面3040は、ノズル開口610側に位置する端部3040aが回転軸方向に延びていて、ノズル受入口331に位置する端部3040aに形成される辺部3042が回転軸Oと平行である。粉体汲み上げ面3040は、ノズル受入口331側に挿入された搬送ノズル611のノズル開口610と対向する辺部3042の回転軸線方向への長さL3を、ノズル開口610の回転軸線方向への長さL1よりも短くすることで空間S2を狭めている。そして、粉体汲み上げ面3040は、容器本体33の装着方向Q側に位置する端部3040cを容器本体33の離脱方向Q1側に向かう傾斜面とすることで、辺部3042の回転軸線方向への長さL3を、ノズル開口610の回転軸線方向への長さL1よりも短くしたことになる。
このような構成とすると、搬送ノズル611の外面と汲み上げ面3040(辺部3042)との間に形成される空間S2の回転軸方向への長さを短くすることができるので、空間S2に落下するトナー量を低減することができる。
また、単にノズル開口610の長さL2とオーバーラップしている汲み上げ面3040の辺部3042の長さL3を短くすると、ノズル開口610に対するトナー供給量の低減が想定される。しかし、本実施形態では、装着方向Q側に位置する汲み上げ面3040の端部3040cを、汲み上げ面3040上のトナーがノズル開口610へと向かうような傾斜面としているので、端部3040c側に位置する堆積トナーをノズル開口610に案内することができ、補給量を確保することができる。