JP6464056B2 - タイヤ判定装置、タイヤ判定方法およびタイヤ判定プログラム - Google Patents

タイヤ判定装置、タイヤ判定方法およびタイヤ判定プログラム Download PDF

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本発明は、タイヤ判定装置、タイヤ判定方法およびタイヤ判定プログラムに関する。
自動車専用道路など、高速で走行可能な道路においては、天候の状態に応じて走行規制が行われることがある。走行規制には各種の規制が存在し、その一つにタイヤの規制が存在する。例えば、天候の悪化や温度の低下に伴うスリップを防止する等のため、夏タイヤを取り付けた車両の走行を許可しない規制がなされることがある。また、走行中の車両が使用しているタイヤの種類を判定するタイヤ判定装置として、例えば、特許文献1に開示された技術が知られている。
特開2013−249023号公報
車両が使用するタイヤの種類は冬タイヤと夏タイヤに大別されるが、同一種類のタイヤであってもトレッドパターンが異なるなど、様々な種類のタイヤが存在し得る。そこで、より多様な視点に基づいて走行中の車両のタイヤの種類を判定可能であることが好ましい。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、車両の走行中であっても当該車両に取り付けられたタイヤの種類を自動で正確に判定することが可能な技術の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては、車両の走行による路面の振動を複数の方向について同時計測し、計測結果に基づいて車両に装着されているタイヤの種類を判定する。すなわち、夏タイヤと冬タイヤとでは、トレッドパターンを形成するブロックの形状や位置が異なるため、両者の差異に起因して路面の振動の特性が異なる。従って、車両が走行した場合における路面の振動はタイヤの種類に依存した振動となり、当該路面の振動を解析することによって車両に装着されているタイヤの種類を判定することができる。
具体的には、路面の振動は、タイヤの回転に伴ってタイヤの表面が路面と衝突することによって発生する。通常の車両の走行音を構成するパターン加振音は、タイヤ表面のブロックが路面と接触する際の衝撃に起因する音であるため、路面の振動の周波数特性はパターン加振音の周波数特性と同等である。
そして、本願発明者は、当該路面の振動がパターン加振音と同等の周波数特性であることを確認する一方、当該振動の路面内での伝達特性が方向によって異なり、かつ、当該伝達特性の方向依存性がタイヤの種類(夏タイヤまたは冬タイヤ)によって異なることを解析によって明らかにした。
伝達特性の方向依存性がタイヤの種類によって異なる主な原因は、夏タイヤと冬タイヤとで材質が異なることであると考えられている。すなわち、夏タイヤと冬タイヤとではそれぞれの材質が異なり、一般に夏タイヤの方が硬く、冬タイヤの方が柔らかい。従って、冬タイヤは種々の方向に変形し、当該種々の方向への変形に伴ってパターン加振音と同等の周波数特性の振動が路面によって種々の方向に伝達される。一方、夏タイヤは変形しにくいため、変形に起因してパターン加振音と同等の周波数特性の振動が発生することはない(または発生してもその強度は小さい)。従って、夏タイヤにおいては、タイヤの回転に伴ってトレッドパターンのブロックが路面と衝突する際に上下方向の振動が発生するものの、他の方向への振動は発生しにくい。
このため、夏タイヤを装着した車両の走行による振動は特定の方向でのみ振動強度が大きくなり、冬タイヤを装着した車両の走行による振動は複数の方向で振動強度が大きくなる。従って、車両の走行による路面の振動を複数の方向について同時計測すれば、計測結果に基づいて車両に装着されているタイヤの種類を正確に判定することができる。
ここで、路面振動計測手段においては、走行中に車両から路面に伝達される路面の振動を複数の方向について同時計測することができればよく、例えば、料金所から所定距離以内の区間の路面に、2軸以上の方向の振動を測定可能な振動センサ等を取り付けて車両毎の振動を2軸以上の方向について同時計測する構成等を採用可能である。振動センサを路面に対して取り付ける手法としては、種々の手法を採用可能であり、振動センサを路面に接触させることによって振動を計測可能に構成しても良いし、振動センサを路面に埋設することによって振動を計測可能に構成しても良い。
路面の振動は複数の方向について計測されれば良く、複数の方向は夏タイヤと冬タイヤとで振動の特性が異なるように選定されていればよい。すなわち、夏タイヤと冬タイヤのそれぞれにおいて複数の方向の振動を計測し、両者の振動を比較した場合に、両者が区別できるように方向が選定されていればよい。方向の数は複数であればよいが、少ない数の方向で振動の特性を明らかにするためには、方向が互いに直交していることが好ましい。また、解析対象は車両の走行に起因する振動であるため、車両の走行に関連する方向、例えば、路面に垂直な方向、車両の進行方向に平行な方向、車両の進行方向に垂直な方向等を振動の計測方向としてもよい。
タイヤ判定手段は、複数の方向の振動に基づいて車両に装着されているタイヤの種類を判定することができれば良く、複数の方向の振動が車両に装着されているタイヤの種類を反映していることを特定することによってタイヤの種類を判定すれば良い。路面の振動の解析は種々の手法によって行うことが可能であり、振動の強度、周波数、プロファイル(波形)等を解析対象としても良いし、所定の特性の振動の有無を確認しても良く種々の手法を採用可能である。
また、例えば、複数の方向の振動を解析し、複数の方向の振動の特性が特定のタイヤの種類に応じた特性であると確認できた場合に車両に特定のタイヤが装着されていると判定する構成としても良い。すなわち、車両の走行による複数の方向の路面の振動に特定の種類のタイヤに応じた振動成分が含まれる場合に当該特定の種類のタイヤが車両に装着されていると判定する構成を採用可能である。
さらに、タイヤ判定手段が、複数の方向の振動の周波数特性に基づいて車両に装着されているタイヤの種類を判定する構成であっても良い。例えば、タイヤ判定手段が、複数の方向の振動の周波数特性が、冬タイヤが装着された車両の走行による周波数特性である場合に車両に冬タイヤが装着されていると判定する構成であっても良い。ここで、周波数特性は振動の物理特性と周波数との関係であって、夏タイヤおよび冬タイヤの特徴が区別可能に現れる関係であればよい。従って、複数の方向の振動の強度等と周波数との関係を定義し、夏タイヤおよび冬タイヤの特徴が現れる場合にそれぞれの特徴を夏タイヤおよび冬タイヤの周波数特性として定義すればよい。
なお、夏タイヤおよび冬タイヤの周波数特性は、夏タイヤおよび冬タイヤの双方について定義されていても良いし、一方のみについて定義されていても良い。前者であれば、複数の方向の振動の周波数特性が、夏タイヤが装着された車両の周波数特性であるか否かを判定し、さらに、冬タイヤが装着された複数の方向の振動の周波数特性であるか否かを判定する構成となる。後者であれば、複数の方向の振動の周波数特性が、冬タイヤが装着された車両の走行による複数の方向の振動の周波数特性であるか否かを判定し、冬タイヤが装着された車両の走行による複数の方向の振動の周波数特性でない場合には夏タイヤが装着された車両の走行による複数の方向の振動の周波数特性であると判定する構成を採用可能である。むろん、夏タイヤが装着された車両の走行による複数の方向の振動の周波数特性であるか否かを判定し、夏タイヤが装着された車両の走行による複数の方向の振動の周波数特性でない場合には冬タイヤが装着された車両の走行による複数の方向の振動の周波数特性であると判定する構成を採用してもよい。
周波数特性の解析は、種々の手法で実行して良く、例えば、タイヤ判定手段が、複数の方向の振動の周波数特性の相関に基づいて車両に装着されているタイヤの種類を判定する構成を採用してもよい。すなわち、冬タイヤが装着されていると、パターン加振音と同等の周波数特性の振動が路面によって種々の方向に伝達される。一方、夏タイヤが装着されていると、上下方向の振動が路面に伝達され、他の方向への振動は伝達されにくい。従って、冬タイヤが装着された車両の走行による振動においては、複数の方向の振動が互いに類似する一方、夏タイヤが装着された車両の走行による振動においては、複数の方向の振動が互いに異なる状態になる。従って、複数の方向の振動特性が類似していれば(相関があれば)冬タイヤ、類似していなければ(相関がなければ)夏タイヤであると判定することが可能である。
周波数特性の相関は、周波数特性が互いに関連しているほど相関が強いと見なされるように定義されていれば良く、例えば、周波数特性が互いに関連しているほど値が大きくなるように相関を示す値を定義する構成を採用可能である。また、この構成において、相関を示す値が閾値より大きい場合に、タイヤ判定手段が車両に冬タイヤが装着されていると判定する構成を採用してもよい。すなわち、相関を示す値は、大きいほど相関が強いことを示しており、冬タイヤを装着した車両の走行による振動は複数の方向において周波数特性の相関が強いので、相関を示す値は大きくなる。
従って、タイヤ判定手段は、周波数特性の相関を示す値が閾値より大きい場合に当該周波数特性の振動を発生させたタイヤが冬タイヤであり、周波数特性の相関を示す値が閾値より小さい場合に当該周波数特性の振動を発生させたタイヤが夏タイヤであると判定することが可能になる。なお、相関を示す値としては種々の定義を採用可能であり、例えば、周波数特性が周波数毎の振動の強度である場合において、複数の方向の振動の周波数毎の強度に基づいて、ピアソンの積率相関係数等を利用して相関係数を取得し、相関を示す値と見なす構成等を採用してもよい。
以上は、本発明が装置として実現される場合について説明したが、かかる装置を実現する方法やプログラム、当該プログラムを記録した媒体としても発明は実現可能である。また、以上のようなタイヤ判定処理装置は単独で実現される場合もあるし、ある方法に適用され、あるいは同方法が他の機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。また、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、実現態様は適宜、変更可能である。また、ソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であっても良いし光磁気記録媒体であっても良いし、今後開発されるいかなる記録媒体においても同様である。
(1A)は夏タイヤのトレッドパターンを示す図、(1B)は冬タイヤのトレッドパターンを示す図、(1C)は走行中の車両から発生する走行音を説明するための図である。 (2A)〜(2C)は冬タイヤを装着した車両の走行音の周波数特性を示すグラフである。 (3A)〜(3C)は夏タイヤを装着した車両の走行音の周波数特性を示すグラフである。 (4A)〜(4C)は複数の方向の振動の周波数特性の相関を示すグラフである。 本発明の一実施形態を示すブロック図である。 タイヤ判定処理を示すフローチャートである。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)タイヤ判定の原理:
(2)タイヤ判定装置の構成およびタイヤ判定処理:
(1)タイヤ判定の原理:
図1Cは、車両の走行音の主な成分を示している。車両の走行音の大半を占めるタイヤ道路騒音は、主に図1Cに示すパターン主溝共鳴音とパターン加振音とから構成されることが知られている。パターン加振音は振動音に分類され、パターン主溝共鳴音は振動音には分類されない。すなわち、パターン加振音の原因となるタイヤブロックと路面との衝突は路面振動を生じさせるが、パターン主溝共鳴音の原因となる気柱管は路面振動を生じさせる原因とはならない。従って、パターン加振音と同等の周波数成分の振動は路面に伝達され、パターン主溝共鳴音と同等の周波数成分の振動は路面に伝達されない。
図1Aは典型的な夏タイヤのトレッドパターン、図1Bは典型的な冬タイヤのトレッドパターンを示す図である。図1Bに示すように、冬タイヤにおいては、タイヤの回転軸Aを中心とした円周に沿って延びる溝Grと当該溝に交差する溝Gl(ラグパターン)とに囲まれたブロックBが複数個並べられるようにしてトレッドパターンが形成されている。そして、冬タイヤのトレッドパターンにおいては、図1Bに示すように溝Grと溝Glの幅が近似しており、深さも近似している。さらに、冬タイヤの溝Glは図1Aに示す夏タイヤの溝Glと比較して、幅が広く深い。一方、夏タイヤにおいて、溝Glの幅は狭く、かつ浅い。
さらに、夏タイヤと冬タイヤとではそれぞれの材質が異なり、一般に夏タイヤの方が硬く、冬タイヤの方が柔らかい。従って、冬タイヤは夏タイヤよりも変形しやすく、ブロックBの周囲に深い溝が存在する冬タイヤのブロックBは、路面との接触によって等方的に変形しやすく、車両の進行方向に平行な方向だけでなく、車両の進行方向に垂直な方向にも変形し得る。一方、表面自体が硬く、溝Glが浅い夏タイヤにおいては、路面との接触によって変形しにくく、車両の進行方向にも垂直方向にも変形が少ない。
タイヤの表面が路面と接触した場合に路面と水平な方向に変形する場合、当該変形に起因してパターン加振音と同等の周波数特性の振動が路面に水平な方向に伝達される。従って、水平方向に変形し得る冬タイヤにおいては、車両の走行に伴って、パターン加振音と同等の周波数特性の振動が水平方向に伝達される。一方、変形しにくい夏タイヤにおいては、車両の走行に伴って、路面とパターンとの衝突によって上下方向にパターン加振音と同等の周波数特性の振動が発生することがあるものの、水平方向にパターン加振音と同等の周波数特性の振動が伝達されることはない(または発生してもその強度は小さい)。
図2A〜図2Cは、冬タイヤを装着した車両の走行による振動強度の周波数特性を示すグラフであり、図3A〜図3Cは、夏タイヤを装着した車両の走行による振動強度の周波数特性を示すグラフである。これらのグラフに示す振動の強度は、路面内に埋設された3軸振動センサ(3軸加速度センサ)で計測されており、車両の進行方向を前方とした場合において各軸が上下方向、左右方向、前後方向を向くように3軸振動センサが路面内に埋設される。冬タイヤにおける振動において、図2Aは上下方向、図2Bは左右方向、図2Cは前後方向の振動を示し、夏タイヤにおける振動において、図3Aは上下方向、図3Bは左右方向、図3Cは前後方向の振動を示している。
これらの振動の計測において車両の車速は50km/hであり、計測に使用された冬タイヤにおけるパターン加振音の周波数は400Hz前後、夏タイヤにおけるパターン加振音の周波数は500Hz前後であった。なお、パターン加振音の周波数は、以下の式(1)に示すとおりである。
Figure 0006464056
式(1)において、fはパターン加振音の周波数(Hz)、Vは車両の車速(km/h)、nは周方向のブロックBの個数、Rはタイヤの半径(m)である。
図2A〜図2Cに基づいて冬タイヤにおける振動の強度を各方向について比較すると、強度の絶対値に差があるものの、パターン加振音の周波数域にピークを有し、他の周波数域における強度のプロファイルも互いに類似している。一方、図3A〜図3Cに基づいて夏タイヤにおける振動の強度を各方向について比較すると、上下方向においては、パターン加振音の周波数域に強度の大きいプロファイルが存在するものの、左右方向および前後方向においてはパターン加振音の周波数域が有意に大きい強度になっているとは限らない。また、他の周波数域における強度のプロファイルも互いに類似していない。
強度のプロファイルの類似度を解析するため、本願発明者は冬タイヤと夏タイヤとのそれぞれにおいて、異なる方向の振動の強度の相関係数を算出した。図4Aは左右方向の振動の周波数特性と上下方向の振動の周波数特性との相関係数を示し、図4Bは前後方向の振動の周波数特性と上下方向の振動の周波数特性との相関係数を示し、図4Cは左右方向の振動の周波数特性と前後方向の振動の周波数特性との相関係数を示している。また、これらのグラフにおいて、横軸は車速、縦軸は相関係数であり、黒い丸は冬タイヤ、白い三角は夏タイヤでの相関係数を示している。すなわち、ここでは、異なる車速での走行で生じた振動を3軸方向で計測し、2方向の振動の周波数特性の相関係数を取得して各グラフにおいて示している。
図4A,図4Bに示すように、冬タイヤと夏タイヤの双方において、上下方向の振動と水平方向の振動(左右方向および前後方向の振動)の相関係数は大半が0.4以下であり、相関があるとはいえない。一方、図4Cに示すように、冬タイヤの水平方向の振動、すなわち左右方向の振動と前後方向の振動の相関係数は大きく、最小のものでも0.6程度であり、大きいものは0.8前後である。従って、冬タイヤにおいては左右方向の振動と前後方向の振動に相関があるといえる。夏タイヤにおいては、相関係数が0.4以下であり、左右方向の振動と前後方向の振動に相関があるとはいえない。
以上の解析結果は、冬タイヤにおいてパターン加振音と同等の振動が水平方向にも伝達され、かつ、水平方向(左右方向および前後方向)においてその特性が類似していることを示している。一方、夏タイヤにおいては複数の方向の振動においてその特性が類似していないことを示している。従って、車両の走行による路面の振動を複数の方向について同時計測すれば、計測結果に基づいて車両に装着されているタイヤの種類を判定することが可能になる。
(2)タイヤ判定装置の構成およびタイヤ判定処理:
図5は本発明のタイヤ判定装置の一実施形態を示すブロック図であり、図6はタイヤ判定装置で実行されるタイヤ判定処理を示すフローチャートである。本実施形態にかかるタイヤ判定装置10には図示しないインタフェースを介して各種の機器を接続可能であり、本実施形態においては、増幅器41および表示部42がタイヤ判定装置10に接続されている。また、増幅器41には3軸振動センサ40が接続されている。3軸振動センサ40は、3軸方向の振動の強度を計測するセンサであり、路面R内に埋設されている。本実施形態において、3軸振動センサ40の各軸は、路面R上での車両の進行方向(前後方向)と、上下方向と、車両の進行方向を前方と見なした場合における左右方向とのそれぞれに対して平行になるように向けられている。
また、タイヤ判定装置10は、制御部20と記録媒体30を備えている。制御部20は、図示しないCPU,RAM,ROM等によって構成され、記録媒体30やROMに記録されたプログラムを実行することができる。本実施形態においては、当該プログラムの一つとしてタイヤ判定プログラム21を実行可能である。また、記録媒体30には冬タイヤによる複数の方向の振動に相関があるか否かを判定するための閾値(例えば、0.55等)を示す閾値情報30aが記録されている。
タイヤ判定プログラム21は、路面振動計測部21aとタイヤ判定部21bとを備えている。路面振動計測部21aは、車両の走行による路面の振動を複数の方向について同時計測する機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、車両が3軸振動センサ40の周辺の路面Rを走行すると、当該3軸振動センサ40から各軸に沿った方向の振動の強度を示す情報が順次出力される。3軸振動センサ40から各軸に沿った方向の振動の強度を示す信号が出力されると、当該信号が増幅器41によって増幅される。増幅器41から増幅後の信号が出力されると、制御部20は、路面振動計測部21aの処理により、当該増幅後の信号を取得する(ステップS100)。
タイヤ判定部21bは、複数の方向の振動に基づいて車両に装着されているタイヤの種類を判定する機能を制御部20に実現させるモジュールである。本実施形態において、制御部20は、タイヤ判定部21bの処理により、複数の方向の振動の強度の周波数特性を取得する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、路面振動計測部21aの処理によって取得された時系列の振動強度に対してフーリエ変換を行い、振動の強度と周波数との対応関係(すなわち、周波数特性)を取得する。制御部20は、以上の処理を前後方向の振動と、左右方向の振動のそれぞれについて実行する。
次に、制御部20は、タイヤ判定部21bの処理により、前後方向の振動の周波数特性と左右方向の振動の周波数特性との相関を示す相関係数を取得する(ステップS120)。すなわち、制御部20は、ピアソンの積率相関係数など、公知の相関係数の算出手法を利用して前後方向の振動の周波数特性と左右方向の振動の周波数特性との相関を示す相関係数を取得する。
次に、制御部20は、タイヤ判定部21bの処理により、相関係数が閾値より大きいか否かを判定する(ステップS130)。すなわち、制御部20は、閾値情報30aを参照して閾値を特定する。そして、制御部20は、ステップS120の処理で取得された相関係数と閾値とを比較し、相関係数が閾値より大きいか否かを判定する。
ステップS130において、相関係数が閾値より大きいと判定されない場合、制御部20は、タイヤ判定部21bの処理により、車両に夏タイヤが装着されていると判定し、表示部42に対して制御信号を出力して当該判定結果を表示部42に表示させる(ステップS140)。一方、ステップS130において、相関係数が閾値より大きいと判定された場合、制御部20は、タイヤ判定部21bの処理により、車両に冬タイヤが装着されていると判定し、表示部42に対して制御信号を出力して当該判定結果を表示部42に表示させる(ステップS150)。以上の処理によれば、タイヤの種類を目視に頼らずに自動で正確に判定することが可能である。
以上の実施形態は、車両の走行により発生する路面に水平方向の振動を計測し、振動の強度の相関係数が特定の閾値より大きいと判定されるか否かにより装着されているタイヤの種類を判定する実施例である。しかし、上記実施形態は本発明を実施するための一例であり、図2及び図3から明らかなように、夏タイヤのトレッドパターンによってパターン加振音による強い振動が500Hz前後で上下方向(図3A)に発生する場合においても、左右方向(図3B)と前後方向(図3C)の強度は冬タイヤとは異なる特性を備えており、これら複数の方向の路面の振動に基づいて装着されているタイヤの種類を判定することが可能である。
また、解析には種々の要素が加味されてもよく、例えば、冬タイヤの振動は主にパターン加振音と同等の周波数であり、夏タイヤの振動は主に主溝共振音と同等の周波数であることを加味してもよい。
10…タイヤ判定装置、20…制御部、21…タイヤ判定プログラム、21a…路面振動計測部、21b…タイヤ判定部、30…記録媒体、30a…閾値情報、40…3軸振動センサ、41…増幅器、42…表示部

Claims (6)

  1. 車両の走行による路面の振動を複数の方向について同時計測する路面振動計測手段と、
    前記複数の方向の前記振動に基づいて前記車両に装着されているタイヤの種類を判定するタイヤ判定手段と、
    を備えるタイヤ判定装置。
  2. 前記タイヤ判定手段は、前記複数の方向の前記振動の周波数特性に基づいて前記車両に装着されているタイヤの種類を判定する、
    請求項1に記載のタイヤ判定装置。
  3. 前記タイヤ判定手段は、前記複数の方向の前記振動の周波数特性の相関に基づいて前記車両に装着されているタイヤの種類を判定する、
    請求項1または請求項2のいずれかに記載のタイヤ判定装置。
  4. 前記タイヤ判定手段は、前記相関を示す値が閾値より大きい場合に前記車両に冬タイヤが装着されていると判定する、
    請求項3に記載のタイヤ判定装置。
  5. 車両の走行による路面の振動を複数の方向について同時計測する路面振動計測工程と、
    前記複数の方向の前記振動に基づいて前記車両に装着されているタイヤの種類を判定するタイヤ判定工程と、
    を含むタイヤ判定方法。
  6. 車両の走行による路面の振動を複数の方向について同時計測する路面振動計測機能と、
    前記複数の方向の前記振動に基づいて前記車両に装着されているタイヤの種類を判定するタイヤ判定機能と、
    をコンピュータに実行させるタイヤ判定プログラム。
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