以下に、本発明の実施の形態による撮像装置の一例について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による撮像装置の一例についてその構成を示すブロック図である。
図示の撮像装置は、ネットワーク3000に接続され、例えば、遠隔操作によって制御される。そして、撮像装置で得られた画像は、ネットワーク3000を介してクライアント装置(情報処理装置)などに送られる。なお、クライアント装置はパーソナルコンピュータなどによって構成され、表示部およびユーザーによる操作を入力する入力部などを備える。以下の説明では、撮像装置をネットワークカメラと呼ぶ。
ネットワークカメラ(つまり、撮像装置本体)1000は、レンズユニット(以下単にレンズと呼ぶ)2000が接続されるレンズ接続部を有しており、レンズ接続部に接続されるレンズ2000を交換可能である。そして、ネットワークカメラ1000とレンズ2000とは相互に通信可能である。なお、図示はしないが、レンズ2000にはフォーカスレンズおよびズームレンズなどが備えられている。
ネットワークカメラ1000は、撮像部1001、画像処理部1002、システム制御部1003、パン駆動部1004、チルト駆動部1005、パンチルト制御部1006、および通信部1007を備えている。また、レンズ2000は、レンズ駆動部2001およびレンズ制御部2002を備えている。
撮像部1001には、CMOSイメージセンサーなどの撮像素子が備えられており、レンズ2000を介して撮像素子に被写体像(光学像)が結像する。そして、撮像素子は光学像に応じた電気信号(アナログ信号)を出力する。撮像部1001はアナログ信号をA/D変換によってデジタル画像信号に変換して画像処理部1002に送る。
画像処理部1002は、撮像部1001の出力であるデジタル画像信号に対して所定の現像処理および圧縮符号化処理を行って画像データを生成する。そして、システム制御部1003は通信部1007によって画像データをクライアント装置に配信する。一方、通信部1007は、クライアント装置から送信されたカメラ制御コマンドを受信して、当該カメラ制御コマンドをシステム制御部1003に送る。システム制御部1003は、後述するようにカメラ制御コマンドに対するレスポンスを通信部1007によってクライアント装置に送信する。
システム制御部1003は、カメラ制御コマンドを解析して、解析結果に応じた処理を行う。例えば、解析結果に応じて、システム制御部1003は画像処理部1002に対して画質調整を指示する。また、システム制御部1003レンズ制御部2002に対してズーム又はフォーカス制御を指示する。さらに、システム制御部1003はパンチルト制御部1006に対してパンチルト動作を指示する。
レンズ制御部2002は、システム制御部1003の制御下でレンズ駆動部2001を制御する。パンチルト制御部1008は、システム制御部1003の制御下でパン駆動部1006およびチルト駆動部1007を制御する。
レンズ駆動部2001は、フォーカスレンズおよびズームレンズの駆動系(駆動源であるモータなど)を有している。なお、レンズ制御部2002には不揮発性の記録部(図示せず)が備えられ、当該記録部にはレンズ種別を含むレンズに関する情報(レンズ情報)が予め記録されている。
パン駆動部1004は、パン動作を行うためのメカ駆動系(駆動源であるモータなど)を有しており、チルト駆動部1005は、チルト動作を行うためのメカ駆動系(駆動源であるモータなど)を有している。
システム制御部1003は、レンズ制御部2002からレンズ情報を取得するとともに、パンチルト制御部1006からパン駆動部1004およびチルト駆動部1005の駆動量(パン駆動量およびチルト駆動量)を取得する。なお、システム制御部1003には不揮発性の記録部(図示せず)が備えられ、当該記録部には、後述するレンズ種別に応じた消耗係数が記録されたテーブル(消耗係数テーブル)が記憶されている。
図2は、図1に示すネットワークカメラにおいてパンチルト動作を行うためのメカ機構を説明するための図である。そして、図2(a)は上面から見た図であり、図2(b)は側面から見た図である。なお、当該メカ機構はレンズ2000が接続されるレンズ接続機構である。
ネットワークカメラ1000はボトムケース1101を有しており、ボトムケース1101上にはターンテーブル1102が配置されている。そして、ターンテーブル1102にはカメラヘッド支柱1103が取り付けられている。カメラヘッド支柱1103にはカメラヘッド1104が取り付けられている。カメラヘッド1104の端部にはレンズ接続部1105が備えられており、レンズ接続部1105にはレンズ2000が接続される。
パン可動部はボトムケース1101とターンテーブル1102とによってパン可動部が構成される。ターンテーブル1102が図中水平方向に回転すると、当該回転に応じてカメラヘッド1104は水平方向に回転する。なお、図示の例では、パン可動部は左右方向(つまり、水平方向)に−175度から+175度の角度まで回転することができる。
カメラヘッド支柱1103とカメラヘッド1104とによってチルト可動部が構成される。チルト可動部によってカメラヘッド1104は上下方向(垂直方向)に回転する。なお、図示の例では、チルト可動部は水平方向を0度として真上方向90度まで回転することができる。
このように、ネットワークカメラ1000は、カメラヘッド1104を水平方向および垂直方向に回転させてその撮影方向を変化させて、広範囲を撮影することができる。また、カメラヘッド1104に接続するレンズ2000を交換すれば、撮影画角を変更することができる。
図3は、図1に示すチルト駆動部に備えられた駆動機構を説明するための図である。
チルト駆動部1005はステッピングモータ1201、ピニオンギヤ1202、コグドベルト1203、およびメインギヤ1204を備えている。ステッピングモータ1201のモータシャフトにはピニオンギヤ1202が取り付けられており、ステッピングモータ1201の回転はピニオンギヤ1202およびコグドベルト1203を介して、メインギヤ1204に伝達される。そして、メインギヤ1204にはカメラヘッド1104が連結されており、メインギヤ1204の回転によってカメラヘッド1104はチルト方向に回転する。
上述のチルト駆動部1005においては、ピニオンギヤ1202、コグドベルト1203、およびメインギヤ1204が長期間の駆動に起因して消耗する。そして、ギヤ歯面の摩耗および疲労による破損などの駆動機構の消耗によってカメラヘッドの1104の停止位置精度および定速性などの駆動性能が低下して、最悪の場合にはカメラヘッド1104を駆動することができなくなる状態に至る。なお、ここでは、チルト駆動部1005に関して説明したが、パン駆動部1004も同様の構成を含み、長期間の駆動に起因して消耗する。
図4は、図1に示すネットワークカメラにおいてチルト方向が水平方向である場合のカメラヘッドおよびレンズの状態を示す図である。
ここでは、カメラヘッド1104およびレンズ2000を均一な円柱と見做して、パン回転の際の慣性モーメントを求める。
いま、カメラヘッド1104の半径をr1、レンズ2000の半径をr2、カメラヘッド1104の長さをl1、レンズ2000の長さl2とする。また、カメラヘッド1104の質量をm1、レンズ2000の質量をm2、カメラヘッド1104の重心をG1、レンズ2000の重心をG2とする。そして、パン回転の回転軸をAとし、レンズ接続部1105からパン回転軸Aまでの長さをlaとする。
カメラヘッド1104の重心G1を通る回転軸に平行な軸に関する慣性モーメントI1は、次の式(1)で表すことができる。
また、レンズ2000の重心G2を通る回転軸に平行な軸に関する慣性モーメントI2は、次の式(2)で表すことができる。
さらに、回転軸Aからカメラヘッド1104の重心G1までの距離η1は、次の式(3)で表される。
そして、回転軸Aからレンズ2000の重心G2までの距離η2は、次の式(4)で表される。
式(1)〜式(4)によって、カメラヘッド1104およびレンズ2000による慣性モーメントIは、平行軸の定理を用いて、次の式(5)で表される。
式(5)に示すように、カメラヘッド1104およびレンズ2000全体の慣性モーメントIは、カメラヘッド1104によって定まる変動しない第1項とレンズ2000によって変動する第2項との和で表される。
パン回転軸に掛かる負荷トルクTは、パン回転の角加速度をω’[rad/sec2]とすると、次の式(6)で表される。
パン回転の角加速度ω’を一定とすると、負荷トルクTは慣性モーメントIに比例する。ここで、パン駆動部1004の消耗度合をパン回転軸の負荷トルクと関連付ける。そして、基準となるレンズ(基準レンズ)がカメラヘッド1104に取り付けられた際のパン駆動部1004の消耗度合を基準消耗度合として、基準消耗度合に消耗係数を乗算することによってレンズ毎の消耗度合を求める。
例えば、カメラヘッドの半径r1を1、長さl1を1、質量m1を1として、基準レンズAの半径r2を0.8、長さl2を1.3、質量m2を1.2とする。そして、レンズ接続部1105からパン回転軸Aまでの長さlaを0.2する。この場合、基準レンズAがカメラヘッド1104に取り付けられた際のパン駆動部1004に係る慣性モーメントIAは、次の式(7)で示すようになる。
また、基準レンズAとは別のレンズBの半径r2を0.8、長さl2を1.5、質量m2を2とすると、レンズBがカメラヘッド1104に取り付けられた際のパン駆動部1004に係る慣性モーメントIBは、次の式(8)で示すようになる。
ここで、基準レンズAがカメラヘッド1104に取り付けられた場合、パン駆動部1004が所望の性能を満足できなくなる積算駆動量(積算値)が100000であるとする。そして、当該積算駆動量を消耗度の基準とする。つまり、基準レンズAがカメラヘッド1104に取り付けられた際に、パン駆動部1004の積算駆動量が100000に到達した場合の消耗度を100000として、当該消耗度を限界消耗度とする。
他のレンズBがカメラヘッド1104に取り付けられた際、基準レンズAの負荷トルクと他のレンズBの負荷トルクとの相違に基づいて消耗係数を求める。そして、当該消耗係数に応じて他のレンズBがカメラヘッド1104に取り付けられた際の消耗度を求める。つまり、消耗係数を用いて、次の式(9)によって他のレンズBに係る消耗度を求める。ここでは、パン駆動部1004の積算駆動量と消耗係数との積を消耗度として、当該消耗度が限界消耗度に達するとパン駆動部1004が寿命に達したと判定する。
消耗度=積算駆動量×消耗係数 (9)
例えば、レンズBがカメラヘッド1104に取り付けられた際のパン駆動部1004の消耗係数は、次の式(10)で表される。
レンズB取り付け時の消耗係数=レンズB取り付け時の慣性モーメント/基準レンズA取り付け時の慣性モーメント=2.923/1.651≒1.770 (10)
そして、レンズBがカメラヘッド1104に取り付けられた際の駆動可能距離を逆算すると、次の式(11)で表される。
レンズB取り付け時の駆動可能距離=限界消耗度/レンズB取り付け時の消耗係数=10000/1.770≒56497 (11)
この場合には、パン駆動部1004の積算駆動量が56497度に達すると、限界消耗度10000に到達したとして、パン駆動部1004の寿命と判定する。
図5は、図1に示すシステム制御部1003に記録された消耗係数テーブルの一例を示す図である。
図示の消耗係数テーブルには、レンズ毎に負荷トルクに基づいて得られた消耗係数が記録されている。ここでは、レンズ種別を特定するレンズID(レンズ識別子)毎に消耗係数が記録されている。
図6は、図1に示すネットワークカメラ1000で行われるメイン処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図示のフローチャートに係る処理は、システム制御部1003の制御下で行われる。
パン駆動が終了すると、システム制御部1003は、レンズ制御部2002からレンズ種別を特定するレンズIDを取得する(ステップS1001)。そして、システム制御部1003は、レンズIDに基づいて消耗係数テーブルを参照して当該レンズIDに対応する消耗係数を取得する(ステップS1002)。
続いて、システム制御部1003は、パンチルト制御部1006からパン駆動量(積算駆動量)を取得する(ステップS1003)。そして、システム制御部1003は、消耗係数とパン駆動量とに基づいてパン消耗度を算出する(ステップS1004)。前述のように、パン消耗度は、積算駆動量を示すパン駆動量と消耗係数との積で求められる。
システム制御部1003は、上述のようにして求めたパン消耗度を内蔵する記憶部に記憶する。以後、システム制御部1003は、パン駆動が行われる都度、上述のようにして算出したパン消耗度を今までに算出した消耗度に加算して消耗度を積算する。積算の結果得られた積算消耗度はシステム制御部1003に備えられた記憶部に記憶される。
続いて、システム制御部1003は積算消耗度であるパン消耗度が限界消耗度を超えたか否かを判定する(ステップS1005)。積算消耗度が限界消耗度を超えると(ステップS1005において、YES)、システム制御部1003は通信部1007によってクライアント装置に対してパン消耗警告(アラート通知)を送信する(ステップS1006)。そして、システム制御部1003はメイン処理を終了する。なお、ネットワークカメラ1000がアラート通知を行うクライアント装置は事前にアドレスなどを設定しておいてもよいし、複数のクライアントに対してアラート通知をブロードキャストするようにしてもよい。
一方、積算消耗度が限界消耗度を超えないと(ステップS1005において、NO)、システム制御部1003はメイン処理を終了する。
このようにして、システム制御部1003はパン駆動の都度、パン消耗度を算出して、パン消耗度を積算する。そして、積算消耗度が限界消耗度を超えた時点で、システム制御部1003はユーザーに消耗警告を通知する。
図7は、図1に示すネットワークカメラに接続されたクライアント装置で用いられるカメラ制御アプリケーションのグラフィックユーザーインタフェース(GUI)の一例を示す図である。
クライアント装置には表示装置が備えられており、当該表示装置は画像表示部3001を有している。そして、画像表示部3001にはネットワークカメラ1000で得られた画像が表示される。さらに、表示装置は右方向移動ボタン3002、左方向移動ボタン3003、上方向移動ボタン3004、下方向移動ボタン3005、ズーム望遠ボタン3006、ズーム広角ボタン3007、およびメッセージボックス3008を備えている。
クライアント装置で動作するカメラ制御アプリケーションは、ネットワークカメラ1000から配信された映像(画像)を受信する。そして、カメラ制御アプリケーションは画像表示部3001に当該映像を表示する。右方向移動ボタン3002が押下されると、カメラ制御アプリケーションはネットワークカメラ1000にパン右移動コマンドを送信する。同様に、左方向移動ボタン3003、上方向移動ボタン3004、又は下方向ボタン3005が押下されると、カメラ制御アプリケーションはボタンの方向に応じたパンチルト移動コマンドをネットワークカメラ1000に送信する。
ズーム望遠ボタン3006又はズーム広角ボタン3007が押下されると、カメラ制御アプリケーションはこれらボタンに対応したズーム制御コマンドをネットワークカメラ1000に送信する。
このように、ボタンの操作によって、ユーザーはネットワークカメラ1000の撮影範囲および撮影画角を制御することができる。
ネットワークカメラ1000を長期間運用した結果、パン駆動量(積算駆動量)が所定の消耗度(限界消耗度)に達すると、図6で説明したように、ネットワークカメラ1000からクライアント装置にパン消耗警告が送信される。クライアント装置においてパン消耗警告を受信すると、カメラ制御アプリケーションはメッセージボックス3008にパン駆動部の消耗警告を表示する。これによって、ユーザーはパン駆動部の消耗を知ることができる。
なお、上述の説明では、パン駆動部の消耗について説明したが、チルト駆動部についても同様にして消耗度の判定が行われて、限界消耗度を超えると、チルト消耗警告がクライアント装置に送信される。
以上のように、本発明の第1の実施形態では、パン駆動部およびチルト駆動部を備えるレンズ交換式の撮像装置において、レンズ種別に応じた消耗係数を用いてパン駆動部およびチルト駆動部の積算消耗度を算出する。これによって、撮像装置に装着されるレンズに応じてパン駆動部およびチルト駆動部の消耗度合を適切に判定することができる。
なお、上述の第1の実施形態では、消耗係数テーブルがネットワークカメラに記録される例について説明したが、クライアント装置が消耗係数テーブルを記録して、クライアント装置において消耗度合を算出するようにしてもよい。
さらに、第1の実施形態では、レンズ種別ごとに予め算出された消耗係数が記録された消耗係数テーブルを参照して、消耗係数を求める例について説明したが、このような手法に限定されない。例えば、レンズ制御部からレンズの特徴を示す径、長さ、および質量(重さ)などの特徴情報を取得して当該特徴情報に応じて消耗係数を算出するようにしてもよい。このようにすれば、消耗係数テーブルに記録されないレンズ種別のレンズが取り付けられた場合においても消耗係数を算出することができる。
また、第1の実施形態では、消耗度合を慣性モーメントに基づいて求めるようにしたが、例えば、消耗度合に影響する慣性モーメント以外のパラメータを用いて消耗度合を求めるようにしてもよい。そして、消耗度を積算駆動量より求めるようにしたが、駆動回数に応じて消耗度を求めるようにしてもよい。
加えて、第1の実施形態では、消耗度が限界消耗度を超えると、クライアント装置にアラート通知を行うようにしたが、例えば、現在の消耗度をクライアント装置に常に通知するようにしてもよい。そして、クライアント装置から送信された消耗度取得要求コマンドを受信すると、ネットワークカメラは現在の消耗度を通知するようにしてもよい。また、消耗度合を示す消耗度の代わりに、パン駆動部などがこれから駆動できる量を示す残駆動量を用いるようにしてもよい。
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態によるネットワークカメラの一例について説明する。なお、第2の実施形態によるネットワークカメラの構成は図1に示すネットワークカメラと同様である。
図8は、本発明の第2の実施形態によるネットワークカメラにおいてパンチルト動作を行うためのメカ機構を説明するための図である。なお、図8において、図2に示すメカ機構と同一の構成要素について同一の参照番号を付す。
図8に示す例では、画角が変更可能なズームレンズがズーム駆動された際の例が示されている。ズームレンズの駆動によってレンズ2000は、例えば、広角端2000Aと望遠端2000Bとの間で実線矢印で示す方向に移動する。
前述の第1の実施形態においては、レンズ種別に応じて変化する駆動負荷に基づいて消耗度を算出した。一方、ズームレンズを駆動した際には、同一種別のレンズであってもレンズの長さの変化に応じて、その重心位置が変化してパン駆動部1004およびチルト駆動部1005に係る負荷が変化する。
よって、ズームレンズの駆動を考慮して、つまり、ズーム位置に応じてパン駆動部1004およびチルト駆動部1005に係る負荷が変化する場合、レンズ種別のみではなくズーム位置も考慮して消耗度を算出する。この結果、ズーム位置も考慮して正確に消耗度を算出することができ、ユーザーに対する警告通知を向上させることができる。
図9は、本発明の第2の実施形態によるネットワークカメラで用いられるズーム位置に応じた消耗係数が記録されたテーブルを示す図である。
ここでは、システム制御部1003は、レンズ制御部2002からレンズ2000のズーム位置を示すズーム位置情報を取得とする。例えば、ズーム位置情報は、ズームレンズを駆動するステッピングモータのステップ数を示し、ズーム位置は”0”から”300”ステップの間で変化する。そして、ズーム位置”0”以上”100”ステップ未満を基準として、その消耗係数を1.00とする。また、ズーム位置”100”以上”200”ステップ未満においては駆動負荷の増加を考慮して消耗係数を1.20とする。さらに、ズーム位置”200”以上から300ステップまでにおいて消耗係数を1.30とする。
なお、図9に示すテーブル(ズーム位置消耗係数テーブル:第2のテーブル)はシステム制御部103に内蔵された記録部に記憶されている。
図10は、本発明の第2の実施形態によるネットワークカメラで行われるメイン処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図示のフローチャートに係る処理は、システム制御部1003の制御下で行われる。
まず、システム制御部1003は、レンズ制御部2002からレンズ種別を特定するレンズIDを取得する(ステップS2001)。さらに、システム制御部1003は、レンズ制御部2002からレンズ2000の現在のズーム位置を示すズーム位置情報を取得する(ステップS2002)。そして、システム制御部1003は、レンズIDに基づいて、図5に示す消耗係数テーブル(第1のテーブル)を参照して当該レンズIDに対応する消耗係数(レンズ種別消耗係数)を取得する(ステップS2003)。また、システム制御部1003は、ステップS2003において、ズーム位置情報に基づいて、図9に示すズーム位置消耗係数テーブルを参照してズーム位置別消耗係数を取得する。システム制御部1003は、レンズ種別消耗係数およびズーム位置別消耗係数に基づいて合成消耗係数(総合消耗係数ともいう)を算出する。
例えば、レンズIDが2であって、ズーム位置が150ステップであるとする。この場合、合成消耗係数は、次の式(12)で表される。
合成消耗係数=レンズ種別消耗係数×ズーム位置別消耗係数=1.770×1.20=2.124 (12)
続いて、システム制御部1003は、パンチルト制御部1006からパン駆動量を取得する(ステップS2004)。そして、システム制御部1003は、合成消耗係数とパン駆動量とに基づいてパン消耗度を算出する(ステップS2005)。当該パン消耗度は、積算駆動量を示すパン駆動量と合成消耗係数との積で求められる。
システム制御部1003は、上述のようにして求めたパン消耗度を内蔵する記憶部に記憶する。以後、システム制御部1003は、パン駆動およびズーム駆動のいずれか一方が行われる都度、上述のようにして算出したパン消耗度を今までに算出した消耗度に加算して合成消耗度を積算する。そして、積算の結果得られた積算消耗度はシステム制御部1003に備えられた記憶部に記憶される。
続いて、システム制御部1003は積算消耗度であるパン消耗度が限界消耗度を超えたか否かを判定する(ステップS2006)。積算消耗度が限界消耗度を超えると(ステップS2006において、YES)、システム制御部1003は通信部1007によってクライアント装置に対してアラート通知を送信する(ステップS2007)。そして、システム制御部1003はメイン処理を終了する。
一方、積算消耗度が限界消耗度を超えないと(ステップS2006において、NO)、システム制御部1003はメイン処理を終了する。
このようにして、システム制御部1003はパン駆動およびズーム駆動のいずれか一方が行われる都度、パン消耗度を算出して、当該パン消耗度を積算する。そして、積算消耗度が限界消耗度を超えた時点で、システム制御部1003はユーザーに消耗警告を通知する。
なお、上述の説明では、パン駆動部の消耗について説明したが、チルト駆動部についても同様にして消耗度の判定が行われて、限界消耗度を超えると、チルト消耗警告がクライアント装置に送信される。
以上のように、本発明の第2の実施形態では、パン駆動部およびチルト駆動部を備えるレンズ交換式の撮像装置において、レンズ種別に応じた消耗係数とズームレンズの位置に応じた消耗係数とを用いてパン駆動部およびチルト駆動部の積算消耗度を算出する。これによって、撮像装置に装着されるレンズおよびズーム位置に応じてパン駆動部およびチルト駆動部の消耗度合を精度よく判定することができる。
なお、上述の第2の実施形態では、ズーム位置毎に予め算出された消耗係数が記録された消耗係数テーブルを参照して、合成消耗係数を求める例について説明したが、このような手法に限定されない。例えば、レンズ制御部からレンズのズーム位置に応じた長さなどを示す特徴情報を取得して当該特徴情報に応じて合成消耗係数を算出するようにしてもよい。
このようにすれば、消耗係数テーブルに記録されないズーム位置を有するレンズが取り付けられた場合においても合成消耗係数を算出することができる。
[第3の実施形態]
続いて、本発明の第3の実施形態によるネットワークカメラの一例について説明する。なお、第3の実施形態によるネットワークカメラの構成は図1に示すネットワークカメラと同様である。
図11は、本発明の第3の実施形態によるネットワークカメラにおいてパンチルト動作を行うためのメカ機構を説明するための図である。なお、図11において、図2に示すメカ機構と同一の構成要素について同一の参照番号を付す。
図11に示す例では、チルト位置を水平が0度として、チルト位置を90度上方向にと移動した際の例が示されている。そして、チルト位置が0度である場合のカメラヘッド1104の状態が参照番号2000Cで示され、チルト位置が90度である場合のカメラヘッド1104の状態が参照番号2000Dで示されている。
図12は、本発明の第3の実施形態によるネットワークカメラにおいてチルト方向が水平方向である場合のカメラヘッドおよびレンズの状態を示す図である。
いま、カメラヘッド1104およびレンズ2000を均一な円柱として、パン回転の際の慣性モーメントを求める。
カメラヘッド1104の半径をr1、レンズ2000の半径をr2、カメラヘッド1104の長さをl1、レンズ2000の長さl2とする。また、カメラヘッド1104の質量をm1、レンズ2000の質量をm2、カメラヘッド1104の重心をG1、レンズ2000の重心をG2とする。そして、パン回転の回転軸をAとする。
チルト位置が90度であると、レンズ2000の重心G2およびカメラヘッド1104の重心G1はパン回転軸A上にある。よって、カメラヘッド1104のパン回転軸Aに関する慣性モーメントl1は、次の式(13)で表される。
また、レンズ2000のパン回転軸Aに関する慣性モーメントl2は、次の式(14)で表される。
なお、ここでは、r2≒r1として、r1およびr2をrで示す。
式(13)および式(14)から、カメラヘッド1104およびレンズ2000による慣性モーメントlは、次の式(15)で表される。
前述の式(5)に示すチルト位置が0度である際の慣性モーメントと式(15)に示す慣性モーメントとを比較すると、慣性モーメントが異なり、この結果、パン回転軸Aに掛かる負荷トルクが変化する。
このように、チルト位置によってパン駆動部に対する負荷が変化する場合には、レンズ種別のみではなくチルト位置に応じて消耗度を算出すれば、より正確に消耗度を算出することができる。この結果、ユーザーに対する警告通知の精度をさらに向上させることができる。
図13は、本発明の第3の実施形態によるネットワークカメラで用いられるチルト位置に応じた消耗係数(チルト位置別消耗係数)が記録されたテーブルを示す図である。
ここでは、チルト位置”0度”以上”30度”未満を基準として、その消耗係数を1.00とする。また、チルト位置”30度”以上”60度”未満においては駆動負荷の減少を考慮して消耗係数を0.80とする。さらに、チルト位置”60度”以上から”90度”までにおいて消耗係数を0.50とする。
図14は、本発明の第3の実施形態によるネットワークカメラで行われるメイン処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図示のフローチャートに係る処理は、システム制御部1003の制御下で行われる。
パン駆動が終了すると、システム制御部1003は、レンズ制御部2002からレンズ種別を特定するレンズIDを取得する(ステップS3001)。さらに、システム制御部1003は、パンチルト制御部1006から現在のチルト位置を取得する(ステップS3002)。
システム制御部1003は、レンズIDに基づいて、図5に示す消耗係数テーブルを参照して当該レンズIDに対応するレンズ種別消耗係数を取得する(ステップS3003)。また、システム制御部1003は、ステップS3003において、現在のチルト位置に基づいて、図13に示す消耗係数テーブルを参照してチルト位置別消耗係数を取得する。システム制御部1003は、レンズ種別消耗係数およびチルト位置別消耗係数に基づいて合成消耗係数を算出する。
例えば、レンズIDが2であって、ズーム位置が50度であるとする。この場合、合成消耗係数は、次の式(16)で表される。
例えば、レンズIDが2であり、チルト位置が50度だったとすると、
合成消耗係数=レンズ種別消耗係数×チルト位置別消耗係数=1.770×0.80=1.416 (16)
続いて、システム制御部1003は、パンチルト制御部1006からパン駆動量を取得する(ステップS3004)。そして、システム制御部1003は、合成消耗係数とパン駆動量とに基づいてパン消耗度を算出する(ステップS3005)。当該パン消耗度は、積算駆動量を示すパン駆動量と合成消耗係数との積で求められる。
システム制御部1003は、上述のようにして求めたパン消耗度を内蔵する記憶部に記憶する。以後、システム制御部1003は、パン駆動およびチルト位置の変化の一方がある、上述のようにして算出したパン消耗度を今までに算出した消耗度に加算して合成消耗度を積算する。そして、積算の結果得られた積算消耗度はシステム制御部1003に備えられた記憶部に記憶される。
続いて、システム制御部1003は積算消耗度であるパン消耗度が限界消耗度を超えたか否かを判定する(ステップS3006)。積算消耗度が限界消耗度を超えると(ステップS3006において、YES)、システム制御部1003は通信部1007によってクライアント装置に対してアラート通知を送信する(ステップS3007)。そして、システム制御部1003はメイン処理を終了する。
一方、積算消耗度が限界消耗度を超えないと(ステップS3006において、NO)、システム制御部1003はメイン処理を終了する。
このようにして、システム制御部1003はパン駆動およびチルト位置の変化のいずれか一方があると、パン消耗度を算出して、当該パン消耗度を積算する。そして、積算消耗度が限界消耗度を超えた時点で、システム制御部1003はユーザーに消耗警告を通知する。
以上のように、本発明の第3の実施形態では、パン駆動部およびチルト駆動部を備えるレンズ交換式の撮像装置において、レンズ種別に応じた消耗係数とチルト位置に応じた消耗係数とを用いてパン駆動部の積算消耗度を算出する。これによって、撮像装置に装着されるレンズおよびズーム位置に応じてパン駆動部の消耗度合を精度よく判定することができる。
なお、第3の実施形態では、チルト位置に応じたパン駆動部の消耗度合を判定する例について説明したが、パン駆動部およびチルト駆動部以外の駆動部を備えるネットワークカメラにも適用することができる。例えば、光軸方向を中心として回転するローテーション駆動部などの別の駆動部を備えるネットワークカメラにも適用することができる。いずれにしても、少なくとも2つの駆動部を備えて、一方の駆動部の位置が他方の駆動部の消耗度に影響を及ぼすようなネットワークカメラにも適用することができる。
さらに、ネットワークカメラは利用シーン、つまり、設置状態が様々である。例えば、ネットワークカメラは正位置で設置された状態、天吊りで天地逆に設置された状態、又は壁面に横向けに設置された状態がある。そして、駆動部に係る負荷はネットワークカメラの設置状態によって変化する。このような場合には、重力センサなどを用いてネットワークカメラの設置状態を検出して、その設置状態に応じて消耗係数を決定するようにしてもよい。これによって、ネットワークカメラの設置状態に応じて精度よく駆動部の消耗度を求めることができる。
[第4の実施形態]
続いて、本発明の第4の実施形態によるネットワークカメラの一例について説明する。なお、第4の実施形態によるネットワークカメラの構成は図1に示すネットワークカメラと同様である。
前述の第1の実施形態においては、ネットワークカメラの運用途中でレンズを交換することについて考慮していない。レンズが交換された場合には、レンズの交換前後においてパン駆動部などの消耗度合を示す消耗係数が変化する。例えば、パン駆動部に対する負荷が低いレンズからパン駆動部に対する負荷が高いレンズに交換されると、パン駆動部の残駆動量が大幅に少なくなることがある。そして、レンズ交換を行う前にレンズ交換後における残駆動量を知ることができれば、レンズ交換を行うか否かを事前に判断することができ、ユーザーの利便性をさらに向上させるができる。
図15は、本発明の第4の実施形態によるネットワークカメラで行われるメイン処理の一例を説明するためのフローチャートである。
いま、ユーザーの操作によって(例えば、クライアント装置から)レンズ交換後の残駆動量取得要求を受けると、システム制御部1003は通信部1007によってクライアント装置から交換対象レンズに係るレンズIDを取得する(ステップS4001)。そして、システム制御部1003はレンズIDに基づいて、図5に示す消耗係数テーブルを参照して消耗係数を取得する(ステップS4002)。
続いて、システム制御部1003は、内蔵記録部に記録された現在の消耗度を取得する(ステップS4003)。そして、システム制御部1003は、現在の消耗度と交換対象レンズの消耗係数とに基づいて残駆動量を算出する(ステップS4004)。例えば、限界消耗度が100000であり、現在の消耗度が30000であるとする。また、交換対象のレンズIDが3であって、その消耗係数が1.512であるとする。この場合には、残駆動量は、次の式(17)で表される。
残駆動量=(限界消耗度−現在の消耗度)/消耗係数=(100000−30000)/1.512≒46296 (17)
次に、システム制御部1003は、通信部1007によって交換対象レンズに交換した際の残駆動量をクライアント装置に通知する(ステップS4005)。そして、システム制御部1003はメイン処理を終了する。
このように、本発明の第4の実施形態では、現在の消耗度と交換対象のレンズ情報とに応じて、レンズ交換後の残駆動量をクライアント装置に通知する。これによって、ネットワークカメラの運用途中でレンズを交換しようとする場合に、ユーザーはレンズ交換を行う前にレンズ交換後の残駆動量を知ることができる。この結果、ユーザーはレンズ交換を実施するか否かを事前に判断することができ、ユーザーの利便性をさらに向上させることができる。
上述の説明から明らかなように、図1に示す例では、パンチルト制御部1006、パン駆動部1004、およびチルト駆動部1005が駆動手段として機能する。また、システム制御部1003は算出手段として機能し、システム制御部1003および通信部1007は報知手段として機能する。
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
例えば、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を撮像装置に実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有するプログラムを制御プログラムとして、当該制御プログラムを撮像装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。