ところで、上記従来のサイロのフィーダーは、ホッパー内粉粒体材料が、各円形孔を介して回転フィーダーによって排出された後も、ホッパー下部の円形孔周辺の形状が複雑であるため、ホッパー内周側面と大型中央固定円錐コーンの側面との間に粉粒体材料が残留する場合があり、サイロ内の粉粒体材料の残留を極力少なくすることが課題となっていた。
また、従来の上記フィーダーは、ホッパー内に大型中央固定円錐コーンが存在するため、サイロの貯留容積を大きくすることが困難であった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、例えば大型サイロ等のホッパーの下部に設けられた小型供給機によって安定的にサイロ内の粉粒体材料を供給排出することを可能とすると共に、サイロ内における粉粒体材料の残留を極力少なくすることのできるマルチフィーダー及びその運転方法を提供することを目的とする。
また、本発明は従来のように大型固定円錐コーンを必要とせず、サイロの貯留容積をより大きくすることのできるマルチフィーダーを提供することを目的とする。
また、本発明は従来よりも少ない基数の小型供給機により、残留材料の少ないマルチフィーダーを実現することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、
第1に、貯留槽の下部に該貯留槽と共通中心軸を共有するホッパーを設け、該ホッパーの下面を水平の底盤にて閉鎖すると共に、当該底盤に上記共通中心軸の周りに複数の小円形開口部を貫設し、上記各小円形開口部の下側に各々小型供給機を接続し、上記ホッパー内に供給された材料を上記複数の小型供給機によって下方に排出し得るように構成し、上記底盤上に上記共通中心軸を中心とする回転駆動軸を突設すると共に該回転駆動軸の正逆駆動手段を設け、該回転駆動軸に上記共通中心軸を中心として放射状に延びる複数のスポークを有する中央回転掻き出し羽根を固定すると共に、各スポークは上記底盤の上面に近接するように配置し、上記中央回転掻き出し羽根の中央上面に、上記共通中心軸を中心とする円錐形キャップを設け、上記中央回転掻き出し羽根を回転することにより、上記底盤上に残留した材料を回転方向に移送して上記小円形開口部を介して上記各小型供給機内に排出し得るように構成し、上記中央回転掻き出し羽根と上記円錐形キャップを別体とし、上記円錐形キャップは、上記ホッパーの内周面と当該円錐形キャップとの間において、上記小円形開口部を塞がない位置に放射状に設けられた複数の支持アームにより上記共通中心軸を中心とした上記位置に固定的に設置し、上記中央回転掻き出し羽根と上記円錐形キャップとの間に間隙を設け、上記円錐形キャップの上記固定状態において、上記中央回転掻き出し羽根を回転可能に構成したものであることを特徴とするマルチフィーダーにより構成される。
材料は例えば粉粒体材料である。上記ホッパーはホッパー部(3)と短管(4)により構成することができる。上記小型供給機は例えば回転フィーダー(14a〜14c)により構成することができる。上記正逆駆動手段は例えば電動機(M)により構成することができる。このように構成すると、複数の小型供給機を駆動することにより、貯留槽及びホッパー内の材料を下方に排出した後、上記回転駆動軸を電動機により駆動して中央回転掻き出し羽根を回転すると、上記底盤上に残留した材料が上記中央回転掻き出し羽根の各スポークによって回転方向に移送され、底盤に設けられた小円形開口部から小型供給機内に排出することができる。ホッパーの底盤は水平であって材料は当該水平な底盤上に残留するものであるため、これらの残留材料を当該底盤上面に近接して設けられた各スポークの回転によって円滑に移送して複数の小円形開口部内に排出することができる。複数の小円形開口部内に排出された残留材料は、対応する複数の小型供給機によって下方に排出することができる。このように構成すると、円錐形キャップにかかる材料のスラスト荷重が、直接上記中央回転掻き出し羽根に作用しないため、仮に重量の大きい材料であっても、回転駆動軸を駆動する電動機のスラスト耐荷重を超えることがなく、円滑に中央回転掻き出し羽根を回転させることができる。
第2に、上記底盤に上記中央回転掻き出し羽根の上記スポークの位置を検出するための位置検出センサーを設け、該位置検出センサーからの信号に基づいて、上記中央回転掻き出し羽根の停止状態において、上記各スポークの位置が複数の上記小円形開口部の開口を塞がない位置に停止するように構成したものであることを特徴とする上記第1記載のマルチフィーダーにより構成される。
上記位置検出センサーは、例えば近接センサー(13)により構成することができ、被検出部としての対応する中央回転掻き出し羽根の突出部(11c又は12f)の位置を検出し得るように構成することができる。このように構成すると、中央回転掻き出し羽根の各スポークが、上記小円形開口部の開口を塞がない位置の停止位置を、上記位置検出センサーにて検出し得るように構成し、当該位置検出センサーが当該位置を検出したとき、例えば制御部(28)が当該位置検出センサーからの信号を検出して上記中央回転掻き出し羽根の回転を停止するように構成することにより、各スポークが上記小円形開口部の開口を塞がない位置に上記中央回転掻き出し羽根を常時停止させることができる。小型供給機の動作中は中央回転掻き出し羽根は停止しているので、このように構成することにより、複数の小型供給機による材料の排出動作中、上記中央回転掻き出し羽根が上記材料の排出動作に影響を与えることはない。
第3に、上記底盤に上記中央回転掻き出し羽根の上記スポークの位置を検出するための位置検出センサーを設け、該位置検出センサーからの信号に基づいて、上記中央回転掻き出し羽根の停止位置は、上記各スポークの位置が複数の上記小円形開口部の開口を塞がない位置であって、かつ、上記各支持アームの下側の中央停止位置となるように構成したものであることを特徴とする上記第1記載のマルチフィーダーにより構成される。
このように構成すると、中央回転掻き出し羽根の各スポークに材料の荷重が直接作用しないので、仮に重量の大きい材料であっても、電動機のスラスト耐荷重を超えることがなく、円滑に中央回転掻き出し羽根を回転させることができる。
第4に、上記各小円形開口部から上記各小型供給機内に移行した材料の上端レベルが、上記底盤の位置より低い所定レベルになったことを検出し得るレベルセンサーを、上記各小型供給機毎に各々設け、全部の上記レベルセンサーにおける上記材料の上記上端レベルが上記所定レベルになったことの検出に基づいて、停止状態の上記中央回転掻き出し羽根の回転を開始するように構成したものであることを特徴とする上記第1〜3の何れかに記載のマルチフィーダーにより構成される。
このように構成すると、ホッパー内の材料の排出が進んで各小型供給機内に移行した材料の上端レベルが上記底盤の位置より低いレベルになったことをレベルセンサーが検出したとき、底盤の上面上に材料が残留している状態となっているので、上記レベルセンサーからの信号を例えば制御部(28)にて検出し、停止状態の中央回転掻き出し羽根の回転を開始することにより、上記残留した材料を効率的に移送して小円形開口部内に排出することができる。
第5に、上記各小円形開口部から上記各小型供給機内に移行した材料の上端レベルが、上記底盤の位置より低い所定レベルになったことを検出し得るレベルセンサーを、上記各小型供給機毎に各々設け、何れか一の上記レベルセンサーにおける上記材料の上記上端レベルが上記所定レベルになったことの検出に基づいて、上記支持アームの下側の所定範囲内において、上記正逆駆動手段を以って上記中央回転掻き出し羽根の正逆揺動回動動作を行うものである上記第3に記載のマルチフィーダーにより構成される。
上記所定範囲内とは、例えば上記支持アームの幅から上記スポークがはみださない範囲内又は若干はみ出す範囲とすることができる。このように構成すると、材料の排出が進んで何れか一の小型供給機内の材料が所定レベル以下になった場合、上記中央回転掻き出し羽根の正逆揺動回動動作を行うことで、比較的早い段階でホッパー内の材料のブリッジを崩してその後の材料の排出動作を円滑に行うことができる。
第6に、上記中央回転掻き出し羽根に上記各スポーク毎の上記中央停止位置を位置検出センサーにて検出可能な被検出部を各スポークに対応して設け、上記底盤に上記各スポークの上記中央停止位置への到来を検出し得る位置検出センサーを設け、全部の上記レベルセンサーにおける上記材料の上記上端レベルが上記所定レベルになったことの検出に基づいて、上記正逆揺動回動動作を停止して、上記中央回転掻き出し羽根の各スポークが隣接する上記支持アームの下側の上記中央停止位置まで正方向に一定角度ずつ回動する間歇回動動作を行うように構成したものである上記第5記載のマルチフィーダーにより構成される。
上記被検出部は例えば突出部(12f)により構成することができる。上記一定角度は、例えば小円形開口部の数が3個であれば120度である。このように構成すると、貯留槽及びホッパー内の材料を下方に排出した後、中央回転掻き出し羽根の各スポークが隣接する支持アームの下側に位置するまで間歇回動動作を行うものであるから、中央回転掻き出し羽根の回動範囲をできるだけ少なくして省力化を図ると共に、底盤上に残留する材料を効果的に小型供給機内に排出することができる。
第7に、上記中央回転掻き出し羽根の上記各スポークの先端は上記ホッパーの内側面に近接する位置まで延出されており、上記各スポークは上記中央回転掻き出し羽根の回転により、上記各小円形開口部の略開口全域を横切ることができるように構成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のマルチフィーダーにより構成される。
ホッパー内側面は、例えばホッパー部(3)下側に短管(4)を接続する場合は、短管(4)の内側面(4c)とすることができる。このように構成すると、中央回転掻き出し羽根の各スポークにより掻き出された材料を小円形開口部内に効率的に排出することができる。
第8に、複数の上記小型供給機の下側に単一のコンベアを設け、上記各小型供給機の各排出シュートの排出口を上記単一のコンベア上方に位置させることにより、複数の上記小型供給機からの排出材料を上記単一のコンベアにより搬送し得るように構成したものであることを特徴とする上記第1〜7の何れかに記載のマルチフィーダーにより構成される。
このように構成すると、複数の小型供給機からの排出材料を単一のコンベアにて受けて搬送することができ、効率的な材料搬出を行うことができる。
第9に、上記支持アームは横断面三角形状として各上端に半径方向に延びる突条を形成すると共に、上記ホッパーの中央部に各支持アームの中央接合部を設け、上記円錐形キャップは、上記中央接合部において上記各支持アームの上記突条上にその下端部が固定されているものである上記第1又は3又は5又は6に記載のマルチフィーダーにより構成される。
このように構成すると、上記円錐形キャップと支持アームとの接合部に緩やかな稜線が形成されないので、円錐形キャップと支持アームとの接続部において材料のブリッジの発生を抑制することができる。
第10に、上記各支持アームは上記ホッパーの上記内周面に近接する先端部に垂直板を各々固定し、各垂直板と上記ホッパーの上記内周面とを接続固定したものであることを特徴とする上記第1又は3又は5又は6又は9に記載のマルチフィーダーにより構成される。
このように構成すると、支持アームとホッパーの内周面との接続部に緩やかな稜線が形成されないので、支持アームとホッパー内周面との接続部において材料のブリッジの発生を抑制することができる。
第11に、上記ホッパーの下端の上記底盤近傍の内周面に上記共通中心軸側に突出する環状延長板を設け、上記環状延長板の下側に上記ホッパーの内部に連通する環状空間を形成し、上記中央回転掻き出し羽根の各スポークの先端部が上記環状空間に位置するように構成したものである上記第1〜10の何れかに記載のマルチフィーダーにより構成される。
このように構成すると、中央回転掻き出し羽根のスポークによって底盤上を外周方向に送られる材料は上記環状空間内に搬送され、当該環状空間内において各スポークの先端部によって円滑に運ばれて小円形開口部内に排出することができるため、底盤の外周部近傍に材料の堆積によるを各スポークに作用する抵抗を減少して、底盤外周部の材料を円滑に排出することができる。
第12に、上記小円形開口部及びそれに対応する上記小型供給機の数は、3基乃至6基のうちの何れか一の数であり、上記小円形開口部は、上記底盤上に、上記共通中心軸の周りに均等開き角度を以って形成されているものであることを特徴とする上記1〜11の何れかに記載のマルチフィーダーにより構成される。
上述のように、本発明は残留材料の排出を中央回転掻き出し羽根の回転により確実に行うことができるため、例えば大型のサイロ等において3基〜6基の比較的少ない数の小型供給機により、残留材料の極力少ない排出動作を行うことができる。
第13に、上記小型供給機は回転フィーダーであることを特徴とする上記第1〜12の何れかに記載のマルチフィーダーにより構成される。
このように構成すると、複数の回転フィーダーによって例えば粉粒体材料の定量排出を行うことができる。
第14に、上記第1記載のマルチフィーダーの運転方法であって、上記各小円形開口部から上記各小型供給機内に移行した材料の上端レベルが、上記底盤の位置より低い所定レベルになったことを検出し得るレベルセンサーを、上記各小型供給機毎に各々設け、上記小型供給機による排出動作中は、上記中央回転掻き出し羽根は停止状態とし、全部の上記レベルセンサーにおける上記材料の上記上端レベルが上記所定レベルになったことの検出に基づいて、停止状態の上記中央回転掻き出し羽根の回転を開始することを特徴とするマルチフィーダーの運転方法により構成される。
このように構成すると、ホッパー内の材料の排出が進んで各小型供給機内に移行した材料の上端レベルが上記底盤の位置より低いレベルになったことをレベルセンサーが検出した状態においては、底盤の上面上に材料が残留している状態となっているので、上記レベルセンサーからの信号を例えば制御部(28)にて検出し、停止状態の中央回転掻き出し羽根の回転を開始することにより、上記残留した材料を効率的に移送して小円形開口部内に排出することができる。
第15に、上記底盤に上記中央回転掻き出し羽根の上記スポークの位置を検出するための位置検出センサーを設け、該位置検出センサーからの信号に基づいて、上記各スポークが複数の上記小円形開口部の開口を塞がないように上記中央回転掻き出し羽根を停止させることを特徴とする上記第14記載のマルチフィーダーの運転方法により構成される。
このように構成すると、各スポークが上記小円形開口部の開口を塞がない位置に上記中央回転掻き出し羽根を常時停止することができる。小型供給機の動作中は中央回転掻き出し羽根は停止しているので、このように構成することにより、複数の小型供給機による材料の排出動作中、上記中央回転掻き出し羽根が上記材料の排出動作に影響を与えることはない。
第16に、上記第3記載のマルチフィーダーの運転方法であって、上記各小円形開口部から上記各小型供給機内に移行した材料の上端レベルが、上記底盤の位置より低い所定レベルになったことを検出し得るレベルセンサーを、上記各小型供給機毎に各々設け、上記小型供給機による排出動作中は、上記中央回転掻き出し羽根は停止状態とし、何れか一の上記レベルセンサーにおける上記材料の上記上端レベルが上記所定レベルになったことの検出に基づいて、上記支持アームの下側の所定範囲内において、上記正逆駆動手段を以って上記中央回転掻き出し羽根の正逆揺動回動動作を行うことを特徴とするマルチフィーダーの運転方法により構成される。
このように構成すると、材料の排出が進んで何れか一の小型供給機内の材料が所定レベルになった場合、上記中央回転掻き出し羽根の正逆揺動回動動作を行うことで、比較的早い段階でホッパー内の材料のブリッジを崩してその後の材料の排出動作を円滑に行うことができる。
第17に、上記中央回転掻き出し羽根に上記各スポーク毎の上記中央停止位置を位置検出センサーにて検出可能な被検出部を各スポークに対応して設け、上記底盤に上記各スポークの上記中央停止位置への到来を検出し得る位置検出センサーを設け、上記小型供給機による排出動作中は、上記中央回転掻き出し羽根は停止状態とし、全部の上記レベルセンサーにおける上記材料の上記上端レベルが上記所定レベルになったことの検出に基づいて、何れか一の小型供給機の材料が上記所定レベルを超えるまでは、上記正逆揺動回動動作を停止して、上記中央回転掻き出し羽根の各スポークが隣接する上記支持アームの下側の上記中央停止位置に至るまで正方向に一定角度回動して当該位置にて停止するという間歇回動動作を繰り返し行うことを特徴とする上記第16記載のマルチフィーダーの運転方法により構成される。
上記被検出部は、例えば中央円盤(12d)にスポークに対応して設けられた被検出部(12f)により構成することができる(図14(a)参照)。このように構成すると、貯留槽及びホッパー内の材料を下方に排出した後、中央回転掻き出し羽根を隣接する支持アームの下側まで間歇回動動作を行うものであるから、中央回転掻き出し羽根の回動範囲をできるだけ少なくして省力化を図ると共に、底盤上に残留する材料を効果的に小型供給機内に排出することができる。
本発明によれば、貯留槽及びホッパー内の材料を下方に排出した後、中央回転掻き出し羽根を回転することによりホッパーの底盤上に残留した材料を円滑に排出することができ、例えば大口径のサイロにおいて、複雑な構造の貯留槽を形成することなく、比較的簡単な構成により、材料の残留を極力少なくした、適切な排出動作を行うことができる。
また、従来のように底盤中央に大型の固定円錐コーンが存在しないので、貯留容積をより拡大することができる。
また、中央回転掻き出し羽根をその各スポークが上記小円形開口部の開口を塞がない位置に停止させることができるので、複数の小型供給機による材料の定量排出動作中、底盤上の中央回転掻き出し羽根が上記材料の排出動作に影響を与えることはない。
また、底盤の上面上に材料が残留している状態となったことをレベルセンサーにより検出し、停止状態の中央回転掻き出し羽根の回転を開始し得るように構成したので、効率的に残留材料を排出することができるし、通常排出中は中央回転掻き出し羽根は停止しているので、電力消費を抑制することができる。
また、各スポークが小円形開口部の略開口全域を横切るので、中央回転掻き出し羽根の各スポークにより掻き出された材料を小円形開口部内に効率的に排出することができる。
また、複数の小型供給機からの排出材料を単一のコンベアにて受けて搬送することができ、効率的な材料搬出を行うことができる。
また、例えば大口径のサイロに適用した場合であっても、少ない数(3基〜6基)の小型供給機により残留の少ない排出動作を実現することができる。
また、本発明のマルチフィーダーの運転方法によると、通常の排出動作中は中央回転掻き出し羽根は停止しており、底盤上に材料が残留している状態となったことをレベルセンサーにより検出したときに、中央回転掻き出し羽根の回転を開始し得るように構成したので、効率的に残留材料を排出することができるし、電力消費を抑制することができる。
また、中央回転掻き出し羽根の各スポークは支持アームの下側に停止しているので、材料の荷重が直接スポークに作用せず、よって重量の大きい材料であっても、電動機のスラスト耐荷重を超えることがなく、円滑に中央回転掻き出し羽根を回転させることができる。
また、上記円錐形キャップと支持アームとの接合部に緩やかな稜線が形成されないので、円錐形キャップと支持アームとの接続部において材料のブリッジの発生を抑制することができる。
また、支持アームとホッパーの内周面との接続部に緩やかな稜線が形成されないので、支持アームとホッパー内周面との接続部において材料のブリッジの発生を抑制することができる。
また、ホッパー内周面に環状延長板を設け、底盤上を外周方向に送られる材料を環状空間内に導くことにより、底盤の外周部近傍での材料の堆積を防止し、各スポークへの堆積材料による抵抗を減少し、底盤外周部の材料を円滑に排出することができる。
また、材料の排出が進んで何れか一の小型供給機内の材料が所定レベル以下になった場合、上記中央回転掻き出し羽根を正逆揺動回動動作を行うことで、比較的早い段階でホッパー内の材料のブリッジを崩してその後の材料の排出動作を円滑に行うことができる。
また、貯留槽及びホッパー内の材料を下方に排出した後、中央回転掻き出し羽根を隣接する支持アームの下側まで間歇回動動作を行うものであるから、中央回転掻き出し羽根の回動範囲をできるだけ少なくして省力化を図ると共に、底盤上に残留する材料を効果的に小型供給機内に排出することができる。
以下、本発明に係るマルチフィーダーについて詳細に説明する。
図1に上記マルチフィーダーの側面図、図2に同上マルチフィーダーの平面図、図3に同上マルチフィーダーの側面断面図(図2のX−X線断面図)を示す。
これらの図において、1は円筒状のサイロであり、共通中心軸Cを中心軸とする円筒形の上部貯留槽(貯留槽)2と、該上部貯留槽2の下部に接続され、上記共通中心軸Cを共有して中心軸とする逆截頭円錐形状のホッパー部3とから構成されており、当該サイロ1は円筒状の機枠40により地面G上に垂直に立設固定されている(図3参照)。
上記貯留槽2の直径は例えば12mであり、上記ホッパー部3の下部の開口部3aの直径は例えば6mである。本発明に係るマルチフィーダーはこのように上記開口部3aの直径が例えば4m以上の大口径のサイロ(貯留部の直径は例えば7m〜20m)に適用されるものである。
上記ホッパー部3の下端は開口部3aにより下向に開口されており、当該開口部3a周縁にはフランジ3bが形成されている。
このホッパー部3の上記開口部3aには、上記共通中心軸Cを中心軸とし、上記開口部3aと同一直径の上下開口の円筒形の短管4(上下方向の幅T)が、その上部フランジ4aを上記フランジ3bに連結することにより接続されており、上記短管4の下部フランジ4bには上記共通中心軸Cを中心とする水平な円形の底盤5がその外周接続部5bを以って接続されている。尚、上記ホッパー部3と上記短管4を含めて「ホッパー3’」という。
上記底盤5には、その平坦な上面5aに、上記共通中心軸Cを中心として、周方向に120度毎に三等分した各半径線N上に、各中心(中心軸)Ca,Cb,Ccが位置する3つの小円形開口部6a,6b,6cが貫通形成されている。尚、小円形開口部6a〜6c(複数の小円形開口部をまとめて符号「6」で示す)は本実施形態における3個に限定されず、ホッパー部3の開口部3aの直径、供給する材料等により、図10(a)〜(c)に示すように、4個、5個、6個の何れかでも良い。これらの小円形開口部6は、底盤5上に、共通中心軸Cの周りに均等開き角度を以って貫通形成されている。これらの小円形開口部6の裏面側には各々短円筒を介して各々後述の回転フィーダー(小型供給機)14a〜14cが接続される。
これら小円形開口部6a,6b,6cは、平面視において、それらの円の外周が上記短管4(ホッパー3’)の内周面4cに接する位置に形成されていると共に(図2参照)、各小円形開口部6a,6b,6cの中心(中心軸)Ca,Cb,Ccは、上記共通中心軸Cから半径方向に距離t1の円周H上に位置しており(図2、短管4の半径をt4とするとt1<t4)、何れも同一の半径t2の円から構成されている。従って、上記ホッパー3’の下部、即ち、上記短管4の下部は、上記小円形開口部6a,6b,6cの部分のみが開口し、その他の水平部分は底盤5の平坦な上面5aにより閉鎖された状態となっている。
上記各小円形開口部6a,6b,6cには、上記底盤5の裏面5cと一体であって、上記各小円形開口部6a,6b,6cの半径t2と同一半径の短円筒7a,7b,7cが垂直下方に延出形成されており、各短円筒7a,7b,7cの下端にはフランジ7a’,7b’,7c’が各々形成されている。
上記底盤5の裏面5c側の中心部には、電動機Mが固定され、該電動機Mの出力軸8には減速機9を介して、上記共通中心軸Cを中心軸とする回転駆動軸10が接続され、当該回転駆動軸10が上記底盤5の上面5a側に突出形成されている。
上記底盤5上面5aに突出した上記回転駆動軸10には、上記共通中心軸Cを中心とする円錐形キャップ11と一体の中央回転掻き出し羽根12’が装着固定されている。より具体的には、当該円錐形キャップ11の底板11aの中心に形成されたボス部11bに上記回転駆動軸10が嵌合接続されている。この円錐形キャップ11の外周側面には図2に示すように、3枚のスポーク(掻き出し羽根)12,12,12が水平方向に突出形成されている。ここで、上記スポーク12,12,12をまとめて中央回転掻き出し羽根12’という。このように、上記中央回転掻き出し羽根12’の中央上面に、上記共通中心軸Cを中心とする円錐形キャップ11を一体に設け、上記中央回転掻き出し羽根12’を上記円錐形キャップ11と共に回転し得るように構成している。従って、上記回転駆動軸10に、上記共通中心軸Cを中心として放射状に延びる複数のスポーク12を有する中央回転掻き出し羽根12’が固定されており、各スポーク12は上記底盤5の上面5aに近接するように配置され、上記中央回転掻き出し羽根12’の中央上面に、上記共通中心軸Cを中心とする上記円錐形キャップ11が設けられている構成となっている。
これらのスポーク12,12,12は、上記共通中心軸Cを中心として周方向に互いに120度の開き角度を以って、半径方向に水平に形成されており、各スポーク12,12,12と上記底盤5の上面との間には、狭いクリアランスt3(例えば10mm〜50mm)が形成されるように構成されており、上記各スポーク12,12,12は上記底盤5上面5aに近接して位置している(図4参照)。また、各スポーク12,12,12の先端は、上記短管4(ホッパー3’)(半径t4>t1)の内周面4cに近接する位置まで延出形成されており、上記各先端には回転方向(矢印A方向)に折曲した折曲部12a,12a,12aが各々形成されている。
従って、上記電動機Mを駆動すると、上記回転駆動軸10の矢印A方向の回転に基づいて、上記円錐形キャップ11及び上記スポーク12,12,12が共に矢印A方向に回転し得るように構成している。上記スポーク12,12,12は、各先端部12aが各々上記短筒4の内周面4cに近接しているので、上記スポーク12,12,12を回転させると、上記スポーク12,12,12は、上記上面5a上を略全面的に履くことができると共に、各スポーク12,12,12の下面が、上記各小円形開口部6a,6b,6cの開口の略上面全体を横切るように通過することになるため、上記上面5a上に残留する粉粒体材料を一掃して各小円形開口部6a,6b,6c内に落下供給し得るように構成している。
13は、上記底盤5における上記円錐キャップ11の上記底板11aに対応する位置に設けられた近接センサーであり、上記底板11aに下方向きに設けられた検出用の突出部11cの到来を検出し得るように構成されている。上記スポーク(掻き出し羽根)12,12,12は、上記突出部11cが上記近接センサー13の真上位置に到来したときに、図2に示すように、上記中央回転掻き出し羽根12’の各スポーク12,12,12が各々上記小円形開口部6a,6b,6cの開口の範囲外の上記上面5a上の位置、具体的には、各小円形開口部6a,6b間、6b,6c間、6c,6a間の中間位置(図2に示す位置)に位置するように構成されている。通常の供給動作は、上記中央回転掻き出し羽根12’が停止した状態において、後述の各回転フィーダー(小型供給機)14a,14b,14cの各回転羽根20によって行われるので、上記スポーク12,12,12の上記停止位置において、これらスポーク12,12,12によって上記小円形開口部6a,6b,6cが塞がれないように構成している。尚、複数の回転フィーダー14a〜14cをまとめて符号「14」で示す。上記近接センサー13は例えば磁気方式の近接スイッチを使用することができる。
尚、上記突出部11cは上記底板11aにおいて上記中心軸Cから一定半径の円周上に位置しており、上記近接センサー13も上記底盤5において上記中心軸Cから一定半径の同一円周上に位置しており、上記中央回転掻き出し羽根12’及び円錐形キャップ11が回転することにより、上記突出部11cが上記近接センサー13の直上に到来し得るように構成されている。
上記近接センサー13の出力信号は、後述の制御部28(図7参照)に送出され、当該制御部28において、上記中央回転掻き出し羽根12’を停止する際に、上記突出部11cが上記近接センサー13の真上位置に到来したか否かを検出し、当該突出部11cが上記近接センサー13直上に到来(位置)したときに、上記電動機Mの駆動を停止して上記スポーク12,12,12の回転を停止するように構成されている。
即ち、上記スポーク12,12,12の回転を停止する場合は、上記制御部28において、上記近接センサー13が上記突出部11cの到来を監視する構成とし、当該近接センサー13の出力信号に基づいて、上記突出部11cが当該センサー13の真上位置に到来したことを検出したとき、上記電動機Mの駆動を停止する制御を行い、上記各スポーク12,12,12の停止位置を、常時図2の位置、即ち、各スポーク12,12,12が上記小円形開口部6a,6b,6cの範囲外の位置となるように構成している。
図6は、各回転フィーダー14a,14b,14c内の粉粒体材料が略排出された状態(粉粒体の排出が進み、後述のレベルセンサー27a,27b,27cの検出レベル位置よりも粉粒体材料のレベルが低下して、各短円筒7a,7b,7c内の粉粒体が各回転フィーダー14a,14b,14cによって略排出された状態)における、上記底盤5上に残留する粉粒体材料Pの一例を示すものである。上記スポーク12,12,12は図6に示すように、底盤5上に粉粒体材料Pが残留している状況において、矢印A方向に回転することにより、上記底盤5上に存在する上記残留粉粒体Pを掻き出して、上記残留粉粒体Pを各小円開口部6a,6b,6c内に排出するものである。
上記各短円筒7a,7b,7cの上記フランジ7a’,7b’,7c’には各々回転フィーダー14a,14b,14cが接続されている。これらの回転フィーダー14a〜14cの基本的構成は同一であるので、詳細については図3、図4に示す回転フィーダー14bについて説明し、他の回転フィーダー14a,14cについては同一部分に同一符号(又は同一符号に「a」、「c」を付した符号)を付してそれらの説明は省略する。
上記回転フィーダー14bは、例えば特開2009―256026号公報その他に示されるように、上記中心軸Cbを中心とする内筒15の下端下方に、間隙t5を介して上記中心軸Cbを中心とする底盤16を配置し、底盤16の外周に沿って上記内筒15と中心軸Cbを共有する外筒17を設け、その上端と上記内筒15の外周面とを円環状接続板18で閉鎖して内外筒15,17間に粉粒体の環状通路Rを形成し、底盤16の中心部に突設した回転駆動軸19に4枚の回転羽根(スポーク)20を設け、該回転羽根20の外端に上記外筒17の内周面に沿って回転する回転リング21を設け、該回転リング21に内側に向かう複数の掻爪22を設けて(図5参照)、上記間隙t5から上記環状通路R内に流出した粉粒体材料を上記環状通路R内を上記掻爪22で移動させ、上記環状通路R内の排出口23bから粉粒体材料を定量排出させるものである。
そして、上記回転駆動軸19は電動機Mbの回転により減速機25を介して矢印A方向に回転駆動することができる。尚、回転フィーダー14b(14a,14c)はこのタイプに限定されず、他の構造の回転フィーダーであっても良い。
上記排出口23bには、フランジ24b’によって排出シュート24bが接続されている。この排出シュート24bは、図1に示すように、上記共通中心軸C方向に傾斜しており、該共通中心線C直下において、上記上部貯留槽2の円筒の直径Lに沿って当該貯留槽2を横切るように設けられた単一のコンベア26のコンベアベルト26a上に粉粒体材料を落下供給し得るように構成されている。
上述のように構成された回転フィーダーは、上記短円筒7a,7b,7cの下部に同一構成の回転フィーダー14a,14b,14cが各々接続固定されている(図2参照)。また、各回転フィーダー14a,14b,14cの排出口23a,23b,23cの位置は、図2に示すように、上記コンベア26のコンベアベルト26aの上方に位置する回転フィーダー14aの排出口23aは、コンベアベルト26aの上方に位置しており、当該排出口23aから排出シュート24aが垂直下方に設けられている(図1参照)。
上記コンベア26の左右に位置する上記回転フィーダー14b,14cの排出口23b,23cは、各々上記コンベア26のコンベアベルト26aの左右両側位置における上側に設けられており、排出口23bに接続された排出シュート24bは、その下端開口が上記コンベアベルト26a上方に位置するように、当該排出口23bからコンベアベルト26aの中央部方向に右側に傾斜して設けられている。
また、排出口23cに接続された排出シュート24cは、その下端開口が上記コンベアベルト26a上方に位置するように、当該排出口23cからコンベアベルト26aの中央部方向に左側に傾斜して設けられている。
これにより、上記各回転フィーダー14a〜14cから排出される粉粒体材料は、1本(単一)のコンベア26上にまとめて落下供給されるように構成されている。
27a,27b,27cは上記各回転フィーダー14a,14b,14cに各々対応する上記短円筒7a,7b,7cの側面に設けられたレベルセンサーであり、上記各短円筒7a,7b,7c内に投入された粉粒体のレベルが低下したことを検出するものである。
これらのレベルセンサー27a〜27cは、上記各回転フィーダー14a,14b,14cの短円筒7a,7b,7c内の粉粒体材料のレベルが当該レベルセンサー27a,27b,27cの検出レベルIより低下したこと(各短円筒7a,7b,7c内の粉粒体が減少したこと)を検出し(図4参照)、検出信号を上記制御部28に送出するものである。上記レベルセンサー27a,27b,27cは材料レベルが上記検出レベルIより低下したとき、例えばオンするように構成することができる。当該制御部28は、この3個のレベルセンサー27a,27b,27cの全てから検出信号(オン信号)が入力したことを検出し、当該信号の入力に基づいて上記電動機Mを駆動して上記中央回転掻き出し羽根12’を一定時間(例えばTa秒間)回転駆動し得るように構成している。尚、上記レベルセンサー27a〜27cは例えば静電容量式のレベルセンサーを用いることができる。
上記検出レベルIは、上記ホッパー部3内の材料が、各小円形開口部6a〜6c内に移行し、各短円筒7a〜7c内の材料の各上端レベルが、上記底盤5の上面5aのレベル(底盤5のレベル)より低下した所定レベルを示すものであり、上記材料のレベルが当該所定レベルに達すると、上記ホッパー部3内の底盤5上には図6に示す材料が在留していることになる。よって、当該所定レベルを上記レベルセンサー27a〜27cにて検出し、上記中央回転掻き出し羽根12’を回転開始するものである。
図7に示すものは本発明のマルチフィーダーの電気的構成を示すブロック図であり、上記各電動機M,Ma〜Mcが接続されると共に、上記レベルセンサー27a,27b,27c及び近接センサー13が接続され、上記各センサーからの信号に基づいて、図8又は図16に示す動作手順に従って上記各電動機M,Ma〜Mcを駆動制御する制御部(プログラマブルコントローラ又はCPU)28を具備している。
29は上記電動機M、Ma〜Mcの駆動時間を設定するためのタイマー、30は操作部であり、上記各電動機の駆動開始操作、駆動停止操作、上記電動機Mの駆動時間の設定操作等を行うものである。
図9に示すものは上記制御部28の動作を示す機能ブロック図であり、当該機能ブロック図は以下の動作説明と共に説明する。
本発明に係るマルチフィーダーは上述のように構成されるものであり、次に、本発明のマルチフィーダーの動作を説明する。
まず、サイロ1に例えば粉粒体材料(例えばチップ状のバイオマス燃料等)を投入する。すると、上記貯留槽2及びホッパー部3内に粉粒体材料が充填された状態となり、ホッパー3’の下部の粉粒体材料は、ホッパー3’底部の小円形開口部6a,6b,6cから下方の各回転フィーダー14a,14b,14c内の底盤16上に至り、各回転フィーダー14a,14b,14cの内筒15,15,15内まで充填された状態となる。尚、このとき各回転フィーダー14a,14b,14c内の粉粒体材料は、内筒15から間隙t5を介して環状通路R内に当該粉粒体の安息角αを以って流出した状態となる(図4、粉粒体の材料P’参照)。
この状態において、コンベア26を駆動してコンベアベルト26aを矢印B方向に回転駆動する。同時に、操作部30から動作開始を操作すると、制御部28(図9、回転フィーダー駆動停止手段28d)は、まず各回転フィーダー14a,14b,14cの電動機Ma,Mb,Mcを駆動開始する(図8S1,S2,S3)。従って、上記各回転フィーダー14a,14b,14cの回転羽根20,20,20が矢印A方向に回転開始する。
すると、各回転フィーダー14a,14b,14cの各環状通路Rに流出した粉粒体は各掻爪22によって上記環状通路R内を矢印A方向に運搬され、各排出口23a,23b,23cから各排出シュート24a,24b,24cを介して下方のコンベアに向けて定量的に排出される。同時に上記各内筒15,15,15内の粉粒体は、上記回転羽根20,20,20の回転により、順次上記環状通路R方向に押し出されるため、上記内筒15内の粉粒体材料、従って、上記サイロ1(貯留槽2、ホッパー部3)内に貯留している粉粒体材料は、上記3基の回転フィーダー14a,14b,14cによって定量的に下方のコンベアベルト26a上に排出され、その上端レベルQを低下させていく(図4参照)。
上記各排出シュート24a,24b,24c内に排出された粉粒体材料は、全て上記コンベア26のコンベアベルト26a上に排出され、当該ベルト26a上に供給された粉粒体材料は当該コンベア26によって矢印B方向に搬送されていく。
上記定量排出動作を継続すると、粉粒体材料は上記排出シュート24a,24b,24cから定量的に排出されていくため、上記粉粒体材料の上端レベルQは、上記貯留槽2から上記ホッパー部3に順次低下して行き、さらにホッパー部3を低下して行くことにより上記円錐キャップ11が次第に露出し、上記底盤5の上面5a以下のレベルになると、粉粒体の上端レベルQは、上記短円筒7a,7b,7c内を徐々に低下して行く(図4参照)。
上記粉粒体材料の上端レベルQが、上記各短円筒7a,7b,7cを低下していく過程において、粉粒体材料の上端レベルQが、各レベルセンサー27a,27b,27cの検出レベルI,I,Iより低下すると、上記各レベルセンサー27a,27b,27cは検出信号(オン信号)を制御部28に送出する。
上記制御部28(図9、レベル信号検出手段28a)は、上記各レベルセンサー27a,27b,27cからの上記検出信号を各々検出する(図8、S4,S5,S6)。ここで、制御部28(図9、掻き出し羽根駆動停止手段28b)は、全てのレベルセンサー27a,27b,27cからの検出信号を検出したことを認識した時点で(図8S7)、電動機MをT分間駆動して中央回転掻き出し羽根12’の回転を開始する(図8S8,S9)。すると、上記中央回転掻き出し羽根12’がTa分間(例えばTa=5分間)矢印A方向に回転開始すると共に、制御部28のタイマー29は上記Ta分間のカウントを開始する(図8S9)。尚、回転速度にもよるが、上記中央回転掻き出し羽根12’の回転回数は上記5分間の間に例えば1回転又は2回転程度である。
上記中央回転掻き出し羽根12’が回転を開始する直前のホッパー3’における残留した粉粒体材料の状況の一例を図6に示す。この段階においては、短円筒7a,7b,7c内の粉粒体材料は、上記検出レベルI,I,I以下になり、それ以降も、上記各回転フィーダー14a,14b,14cの回転羽根20,20,20の継続的な回転により、順次、各排出口23a,23b,23cから各排出シュート24a,24b,24cに排出されていくが、ホッパー3’の底盤5の上面5a上には、例えば図6に示すように粉粒体材料Pが残留しているとする。
図6の場合、上記底盤5の上記小円形開口部6a,6b,6c以外の上面5aの部分(図6中斜線部分)に粉粒体材料Pが残留しており、この粉粒体材料Pは、各小円形開口部6a,6bの中間位置、上記小円形開口部6b,6cの中間位置、上記小円形開口部6c,6aの中間位置(略スポーク12,12,12の上面側)に各々半径方向の稜線Na(3本)が形成され、これら稜線Naの両側から各小円形開口部6a,6b,6c方向に下り傾斜面が各々形成され、各稜線Naは、ホッパー部3の内周部側が高く、円錐キャップ11側が低い湾曲線状であって、上記円錐キャップ11の下半部を当該粉粒体が覆い、当該円錐キャップ11の上半部が粉粒体から露出した状態となっている。
かかる状況において、上記中央回転掻き出し羽根12’が円錐形キャップ11と共に矢印A方向に回転開始すると(図8S8)、上記各スポーク12,12,12が、その回転方向側の前面12bにて上面5上に残留する粉粒体材料を矢印A方向に掻き出すと共に、その各スポーク12,12,12上に堆積している粉粒体材料を矢印A方向に移送しながら、当該各スポーク12,12,12は各々上記小円形開口部6a,6b,6cの上面の開口略全域を横切りながら、矢印A方向に回転していく。
従って、上記各スポーク12,12,12が上記小円形開口部6a,6b,6cを横切る際、各スポーク12,12,12にて移送された粉粒体材料は崩壊して、各々小円形開口部6a,6b,6cから各回転フィーダー14a,14b,14c内に落下排出されていく。また、上記中央回転掻き出し羽根12’と共に、上記円錐形キャップ11も回転するので、円錐形キャップ11の下半部周辺に存在する在留材料も、当該キャップ11の回転と共に回転方向に移送され、上記各スポーク12の回転と相俟って上記キャップ11下半部周辺に存在する残留材料も崩壊して各小円形開口部6a〜6c内に落下排出される。
上記各開口部6a,6b,6c内に排出された粉粒体材料は、各回転フィーダー14a,14b,14cの各回転羽根20,20,20の矢印A方向の継続的な回転によって各々排出口23a,23b,23cに運ばれ、各排出シュート24a,24b,24cから下方のコンベア26上に排出される。
上記各スポーク12,12,12の各前面12bの半径方向の長さは、上記各小円形開口部6a,6b,6cの直径より長く、これら小円開口部6a〜6cの開口の略上面全体を横切る長さを有しており、かつスポーク12,12,12の先端部は上記ホッパー部3の内側面に近接しているので、上記各スポーク12,12,12によって効果的に底盤5上面5a上に残留する粉粒体の材料Pを各小円形開口部6a,6b,6c内に排出することができる。
また、上記間隔t3が小なので、上記スポーク12,12,12の各前面12bにて、上記上面5a上に在留する粉粒体材料Pを各スポーク12の各前面12bにて掻き出しながら上記小円形開口部6a,6b,6c内に排出していくことができる。
上記制御部28(図9、掻き出し羽根駆動停止手段28b)は、上記タイマー29のカウント値が5分間に達したと判断すると(図8S9)、停止待機手段28cを以って近接センサー13からの信号の入力待機状態(停止待機動作状態)となり(図8S10、S11)、制御部28(図9、停止待機手段28c)は、上記スポーク12,12,12が各小円形開口部6a,6b,6cの間に位置し、即ち近接センサー13の直上に突出部11cが到来し、上記近接センサー13からの信号を検出すると(図8S11)、掻き出し羽根駆動停止手段28bを以って電動機Mを停止する(図8S12)。これにより、上記中央回転掻き出し羽根12’の各スポーク12,12,12は、各スポークが各小円形開口部6a,6b,6cの開口部上に停止しない位置、即ち、図2に示す各小円形開口部6a,6b,6c間の中間位置(上面5a上)に停止する。
上記各スポーク12,12,12が停止した状態においては、上記ホッパー部3の底盤5上に残留する粉粒体材料Pは略全て各回転フィーダー14a,14b,14cによって排出され、さらに各回転フィーダー14a,14b,14c内の粉粒体材料も全てコンベア26上に排出されるので、制御部28(回転フィーダー駆動停止手段28d)は上記各回転フィーダー14a,14b,14cの各電動機Ma,Mb,Mcを停止する(図8S12,S13,S14)。これにより、上記ホッパー3’内の上記底盤5上に残留する上記粉粒体材料Pを含めて、上記サイロ1内の粉粒体の全てを、略残留させることなく、コンベア26上にきれいに供給排出することができる。
尚、上記実施形態では、マルチフィーダーの動作は、図8の動作手順に基づいて制御部28が自動的に行ったが、上記レベルセンサー27a〜27cからの検出信号に基づいて上記中央回転掻き出し羽根12’を手動により、一定時間又は一定回転回数を回転駆動するように構成しても良い。また、上記中央回転掻き出し羽根12’の回転停止動作も、上記近接センサー13からの信号に基づいて、手動にて電動機Mを停止しても良い。
図11、図12に示すものは、本発明に係るマルチフィーダーの第2の実施形態であり、図1、図3に記載の実施形態に対し、中央回転掻き出し羽根12’と円錐形キャップ11とを別体とし、円錐形キャップ11を3本の支持アーム11dを以って短筒4(ホッパー3’)に固定し、上記キャップ11下面側に、スポーク12,12,12を支持する円形の中央円盤12dを回転駆動軸10に接続したものである。尚、当該実施形態において、上記図1、図3に示す実施形態と同一部分については同一符号を付してその説明は省略する。
3本の上記各支持アーム11dは、上記円錐形キャップ11の側面から水平放射状に延出されると共に、各先端部が上記短管4(ホッパー3’)の内周面4cに固定され、これにより上記円錐形キャップ11をその頂点が共通中心軸Cに位置するように固定する。上記各支持アーム11dは、上面側に半径方向の突条R’を有する横断面三角形状に形成されており(図12(b)参照)、ホッパー部3内に粉粒体材料が充填されたとき、該材料が突条R’から両側傾斜面に円滑に落下して各支持アーム11d上に残留しないように構成されている。尚、上記短管4の幅Tは図1の実施形態の短管4より大きく形成されている。
中央回転掻き出し羽根12’のスポーク12,12,12は、上記共通中心軸Cを中心とする上記中央円盤12dの周囲に放射状に延出形成されており、上記中央円盤12dの裏面中心に設けられた凹部12e内に上記回転駆動軸10を挿入嵌合することにより、上記各スポーク12,12,12を矢印A方向に回転可能とする。上記中央円盤12dは、上記円錐形キャップ11の下面と同一の面積を有し、固定された円錐形キャップ11の下面側に間隙t6を介して位置しており、上記ホッパー部3内に充填された粉粒体材料の荷重が直接かからないように構成されている。
また、上記中央回転掻き出し羽根12’の中央部の中央円盤12dの裏面側に近接センサー13により検出される突出部12fを設け、上記近接センサー13の直上に上記突出部12fが到来したときに、各スポーク12,12,12が上記小円形開口部6a,6b,6cを塞ぐことのない位置(図2と同じ位置)に停止し得るように上記と同様に制御を行う。この各スポーク12の停止位置は、図12(a)に示すように、各スポーク12が上記3本の支持アーム11dの丁度下側に位置するようになっており、当該停止位置においては、上記各スポーク12,12,12に材料荷重が直接かからないように構成されている。
このように構成すると、円錐形キャップ11の固定状態において、中央回転掻き出し羽根12’のみを回転することができ、円錐形キャップ11にかかる材料のスラスト荷重が、直接中央回転掻き出し羽根12’の中央円盤12dに作用しないため、仮に重量の大きい材料であっても減速機9(電動機M)のスラスト耐荷重を超えることがなく、円滑に電動機Mにより中央回転掻き出し羽根12’を回転させることができる。尚、図1、図3のように円錐形キャップ11とスポーク12,12,12が一体であっても、円錐形キャップ11にかかるスラスト荷重が減速機9(電動機M)のスラスト耐荷重を超えない場合は問題なく使用することができる。
図13、図14に示すものは、本発明に係るマルチフィーダーの第3の実施形態であり、上記第2の実施形態をさらに改良したものである。この第3の実施形態は、上記円錐形キャップ11と中央回転掻き出し羽根12’とを別体とした点は、第2の実施形態と同様であるが、上記円錐形キャップ11と上記支持アーム11dの構成を、より粉粒体材料のブリッジを発生し難く構成したものである。
即ち、上記支持アーム11dは、図14(a)、図15(a)に示すように共通中心軸Cを中心に互いに120度の角度で3方向に設けられており、各支持アーム11dは、上端に半径方向の突条R’を有する横断面三角形状であり、ホッパー部3の内周面に近接する各先端部は、各支持アーム11dの上記突条R’の下面部に垂直板11d’を半径方向に固定し、これら垂直板11d’を半径方向に延長し、これら垂直板11d’の各先端が上記ホッパー3の内周側に溶接固定されている。
横断面三角形状の上記支持アーム11dをそのままホッパー部3内周面に固定すると、支持アーム11dの左右の傾斜面と上記ホッパー部3の内周面に上記傾斜面に沿う緩やかな稜線が形成され、この稜線を起点として粉粒体材料のブリッジが発生し易くなる。そこで、上記支持アーム11dと上記ホッパー部3(ホッパー3’)内周面とは上記垂直板11d’にて接続するように構成し、上述のようなブリッジの発生を防止したのである。
また円錐形キャップ11は、その中心を上記共通中心軸Cに一致させた状態で、上記3本の支持アーム11dの中央接合部11eの上側に固定されている。具体的には、図15に示すように、上記各支持アーム11dの中央接合部11eにおいて、上記共通中心軸Cから同一距離の3か所に上向きの固定板31を設け、一方、上記円錐形キャップ11の上記固定板31に対応する位置の内側(3か所)に、上記固定板31に対応する下向きの固定板32(3か所)を突設し、上記円錐形キャップ11をその中心を上記共通中心軸Cに一致させた状態で上記各支持アーム11dの中央接合部11e上に載置し、その後、3か所の固定板32と対応する上記固定板31とをボルトBにて固定することにより、上記円錐形キャップ11は、上記支持アーム11dの中心部であって上記突条R’の上に載置されるように固定される。
このように構成すると、上記円錐形キャップ11の下面側と上記支持アーム11dの突条R’の両側斜面との間に空間Sが形成されるため(図15参照)、上記ホッパー3’内に充填された粉粒体のレベルが徐々に低下して行き、そのレベルが、上記円錐形キャップ11から上記支持アーム11dを通って下方に低下していくとき、上記円錐形キャップ11下面と上記支持アーム11dとの間は、上記固定板31,32の3か所以外に接合部が存在せず、上記空間Sが形成されているため、上記円錐形キャップ11の下縁11’から下降する粉粒体は、上記下縁11’から直ちに上記支持アーム11dの両傾斜面に沿って下降することになり、上記円錐形キャップ11と上記各支持アーム11dとの接続部に、ブリッジの起点となる緩やかな稜線が存在せず、粉粒体材料によるブリッジの発生を防止することができる。
上記中央回転掻き出し羽根12’の中央円盤12dは、上記第2の実施形態と同様に、回転駆動軸10に接続されており、基本的な構成は上記第2の実施形態と同様であるが上記中央円盤12dの下面において、3本の中央回転掻き出し羽根12’のスポーク12,12,12に対応する上記共通中心軸Cを中心とする120度毎の3か所に突出部(被検出部)12fが各々形成されている(図14(a)参照)。そして上記底盤5には、上記突出部12fの回転軌跡に対応する位置に、1個の近接センサー13が設けられている。よって、上記近接センサー13は、上記中央回転書き出し羽根12’の各スポーク12,12,12が1/3回転(120度ずつ回転)する度に、120度回転した中央回転掻き出し羽根12’の各スポーク12,12,12の位置を検出し得るように構成している。
また、この第3の実施形態では、上記ホッパー部3と上記短管4との円環状接続部3cから短管4の内部の方向に、ホッパー3’の内側面の全周に亘り、ホッパー部3の環状延長板3”が逆円錐形状に延長形成されている(図13参照)。この環状延長板3”は、上記ホッパー部3の下端部をその側面の傾斜角度のまま下方に延長したものであり、当該環状延長板3”と上記底盤5との間には間隙t7が形成されている(図13参照)。これにより、上記短管4の上記底盤5と上記環状延長板3”との間にはホッパー3’内空間に連通する環状空間R”が全周に亘り形成される。
上記環状延長板3”は上記各小円形開口部6a,6b,6cにおけるホッパー3の内周側の上部を通過し、これによって上記底盤5上の上記環状空間R”は、上記スポーク12の回転方向にみていくと、上記各小円形開口部6a,6b,6cを通過する際は、開口6a’,6b’,6c’を通過する構成となっている(図14(a)参照)。尚、上記開口6a’,6b’,6c’は、図14(a)に示すように、マルチフィーダーの平面視において、上記環状延長板3”と各小円形開口部6a,6b,6cとが重なる部分における、上記小円形開口部6a,6b,6cの開口部分、即ち、上記環状延長板3”の下側に位置する上記底盤5上の上記環状空間R”において、上記底盤5が存在しない部分をいう。よって、上記環状空間R”において底盤5が存在するのは、上記開口6a’,6b’,6c’を除く円弧状の部分となる。
上記中央回転掻きだし羽根12’が回転すると、粉粒体材料は各スポーク12,12,12により上記底盤5上を徐々に外周部側へと運ばれていくが、外周部側に運ばれた粉粒体材料が堆積し、これが中央回転掻き出し羽根12’の回転に対する大きな抵抗となる。これを防止するために、上記ホッパー3’(短管4)の内周面に沿う上記環状空間R”を粉粒体材料の逃げ場として設け、上記外周部に運ばれる粉粒体材料を上記環状空間R”に導き、上記中央回転掻き出し羽根12’のスポーク12,12,12の先端の折曲部12a,12a,12aにて上記環状空間R”内の粉粒体材料を開口6a’,6b’,6c’から上記小円形開口部6a,6b,6c内に排出できるように構成した。従って、上記環状空間R”内の粉粒体材料は、上記環状延長板3”の存在により堆積することなく、早期に上記小円形開口部6a,6b,6cに排出される。よって中央回転掻き出し羽根12’のスポーク12,12,12に大きな抵抗が発生するのを防止して、円滑な粉粒体材料の排出が可能となる。
次に、第3の実施形態の運転方法について説明する。
尚、上記中央回転掻き出し羽根12,12,12は図14(a)の位置、即ち、第2の実施形態と同様に、各スポーク12,12,12が各々上記支持アーム11d,11d,11dの下側の中央停止位置(粉粒体残量の荷重がかからない位置)で停止しているものとする。尚、中央回転掻き出し羽根12’の各スポーク12,12,12のこの停止位置を「中央停止位置」といい、当該「中央停止位置」を近接センサー13で検出し、上記制御部28(停止待機手段28c)は、上記近接センサー13からの信号により当該中央停止位置を認識しているものとする。
粉粒体材料が上記ホッパー3’及び各回転フィーダー14a,14b,14cに充填された状態で、上記電動機Ma,Mb,Mcを駆動開始する(図16S1)。
その後、粉粒体材料の排出が進み、上記回転フィーダー14a,14b,14cの何れか1つのレベルセンサー27a,27b,27cがオンした場合、即ち、何れか1つの回転フィーダー14a,14b,14cの粉粒体材料のレベルが検出レベルI以下となった場合(他の回転フィーダーの材料レベルはレベルセンサーの検出レベルIより上)、制御部28(レベル信号検出手段28a)はこれを検出し(図16、S17を介してS2,S3,S4参照)、タイマー29により一定時間の経過を待った後(図16、S5)、制御部28(掻き出し羽根駆動停止手段28b)は、電動機Mを一定時間(例えば数秒間)正方向(矢印A方向)に駆動し、その後停止する(図16、S6,S7,S8参照)。従って、中央回転掻き出し羽根12’のスポーク12,12,12は矢印A方向に若干回動して停止する。尚、このとき各スポーク12,12,12回動範囲は、各スポーク12の矢印A方向の縁が、対応する支持アーム11d,11d,11dの矢印A方向の側縁より突出しない範囲、又は多少突出する範囲とする。
その後、制御部28は、電動機Mを逆転(矢印A’方向)し、制御部28(停止待機手段28c)が近接センサー13からの信号を検出すると(この時点でスポーク12,12,12は中央停止位置に位置する)(図16、S9,S10,S11参照)、さらに電動機Mを一定時間(例えば数秒間)逆方向(矢印A’方向)に駆動し、その後停止する(図16、S12,S13参照)。
尚、このときのスポーク12,12,12の回動範囲は、各スポークの12の矢印A’方向の縁が、対応する支持アーム11d,11d,11dの矢印A’方向の側縁より突出しない範囲、又は多少突出する範囲とする。
その後、制御部28(掻き出し羽根駆動停止手段28b)は電動機Mを再び正転し(矢印A方向)、制御部28(停止待機手段28c)が近接センサー13からの信号を検出すると(この時点でスポーク12,12,12は中央停止位置に位置する)、電動機Mを停止する(図16、S14,S15,S16参照)。
このように制御部28は、上記レベルセンサー27a,27b,27cの何れか1つからの信号が検出された場合は、上記支持アーム11d,11d,11dの下側位置において、上記支持アーム11d,11d,11dの幅の範囲内(支持アーム11dの幅からはみ出ない範囲、又は若干はみ出す範囲)で、上記スポーク12,12,12は、上記中央停止位置から正方向(矢印A方向)に若干回動して停止し、その後逆方向(矢印A’方向)に若干回動して中央位置に復帰し、当該中央停止位置からさらに逆方向(矢印A’方向)に若干回動して停止し、その後、正方向(矢印A方向)に回動して中央停止位置に復帰する、という動作(以下、この動作を「正逆揺動回動動作」という)を行う。尚、各スポーク12の正逆揺動回動動作の角度は例えば約15度とする)。
かかる正逆揺動回動動作は、レベルセンサー27a,27b,27cの何れか2つがオンするまで継続し、その後、排出が進んで、全てのレベルセンサー27a,27b,27cからの信号を制御部28(レベル信号検出手段28a)が検出したときは、ステップS17以降の動作に移行する。
上記中央回転掻き出し羽根12’の各スポーク12,12,12の上記「正逆揺動回動動作」により、上記底盤5上の上記スポーク12,12,12の周辺に存在する粉粒体材料を上記小円形開口部6a,6b,6c側に移動することができ、また、仮に、上記支持アーム11d,11d,11dと上記底盤5との間にブリッジが発生していたとすると、そのようなブリッジを事前に崩すことができる。このような正逆揺動回動動作により、材料の底盤5上のデッドストック化を防止することができる。
その後、制御部28(レベル検出手段28a)が、粉粒体材料の排出が進んで、上記レベルセンサー27a,27b,27cの全てから信号を受信した場合は(上記回転フィーダー14a,14b,14cの全てにおいて、粉粒体材料が検出レベルI以下になったとき)、制御部28は、最初に上記ステップS17において上記全てのレベルセンサー27a,27b,27cにおいて材料が低下して検出レベルI以下となってから一定時間(例えば10分)が経過しているか否かを判断し(図16、S17,S18参照)、この場合、未だ10分は経過していないので、制御部28(掻き出し羽根駆動停止手段28b)は、電動機Mを正方向(矢印A方向)に駆動し、制御部28(停止待機手段28c)が、隣のスポーク12の到来に基づく上記近接センサー13からの信号を検出すると、電動機Mを停止する(図16、S19,S20,S21,S22参照)。従って、上記中央回転掻き出し羽根12’のスポーク12,12,12は、1/3回転、即ち120度回転した後停止する。
即ち、上記中央回転掻き出し羽根12’の各スポーク12,12,12が隣接する上記支持アーム11d,11d,11dの下側の上記中央停止位置まで正方向に120度回動して当該位置にて停止する。
かかる中央回転掻き出し羽根12’の各スポーク12,12,12の回転により、上記底盤5上に残留していた粉粒体材料は、各々、小円形開口部6a,6b,6cまで運ばれて、当該開口部6a〜6cから下方に排出される。
このとき、環状空間R”内に位置する粉粒体材料も中央回転掻き出し羽根12’のスポーク12,12,12の折曲部12a,12a,12aにより環状空間R”内を円滑に搬送され、上記小円形開口部6a,6b,6c内に排出される。
その後、制御部28はステップS17に戻り(図16、S22(1))、全てのレベルセンサー27a,27b,27cがオンであれば、ステップS18において全てのレベルセンサー27a,27b,27cのオンを検出してから一定時間(例えば10分)が経過したか否かを判断し、経過していなければ、上記と同様に、中央回転掻き出し羽根12’の上記1/3回転動作(間歇回動動作)を継続する。このように、上記一定時間が経過するまでは、上記中央回転掻き出し羽根12(スポーク12,12,12)の120度ずつ(1/3回転ずつ)の間歇回動動作が繰り返し行われる。
尚、上記動作中に、ホッパー3内に粉粒体材料が充填され、上記ステップS17にて何れかのレベルセンサー27a,27b,27cがオフした場合、即ち材料が、何れかのレベルセンサーにおいて、検出レベルIを超えた場合、ステップS2,S3,S4以降の動作(上記正逆揺動回動動作)に移行する。
そして、粉粒体材料の排出が進んで、ステップS17にて全てのレベルセンサー27a,27b,27cのオンが検出されてから一定時間として例えば10分が経過した場合(図16、S18(2)参照)、制御部28は、全ての粉粒体材料の排出が終了したと判断して、各回転フィーダー14a,14b,14cの各電動機Ma,Mb,Mcをも停止して動作を終了する(図16、S23)。
このように、全てのレベルセンサーがオンした場合、何れか一の小型供給機14a〜14cの材料が所定レベルを超えるまでは、上記正逆揺動回動動作を停止して、上記中央回転掻き出し羽根12’の各スポーク12が隣接する上記支持アーム11dの下側の中央停止位置まで正方向に一定角度ずつ回動して当該位置にて停止するという間歇回動動作を繰り返し行い、上記何れか一のレベルセンサー27a〜27cにおける材料の上端レベルが上記所定レベル(検出レベルI)を超えた場合は、上記間歇回動動作を停止して、全部の上記レベルセンサーにおける上記材料の上端レベルが上記所定レベルになるまでは上記正逆揺動回動動作を行うものである。
以上のように本発明によれば、貯留槽2及びホッパー部3内の材料を下方に定量排出した後、中央回転掻き出し羽根12’を回転することによりホッパー3’の底盤5上に残留した材料を円滑に排出することができ、例えばホッパー部3の下部の直径が4mを超える大型のサイロ等において、複雑な構造の底盤を形成することなく、比較的簡単な構成により、材料の残留を極力少なくすることができる。
また、従来のように底盤中央に大型の固定円錐コーンが存在しないので、貯留容積をより拡大することができる。
また、中央回転掻き出し羽根12’をその各スポーク12が上記小円形開口部6a〜6cの開口を塞がない位置に停止させることができるので、複数の回転フィーダー14a〜14cによる材料の定量排出動作中、底盤5上の中央回転掻き出し羽根12’が上記材料の定量排出動作に影響を与えることはない。
また、底盤5の上面上に材料が残留している状態となったことをレベルセンサー27a
〜27cにより検出し、停止状態の中央回転掻き出し羽根12’の回転を開始し得るように構成したので、効率的に残留材料を排出することができるし、通常定量排出中は中央回転掻き出し羽根12’(電動機M)は停止しているので、マルチフィーダーとして中央回転掻き出し羽根12’の駆動時間を減らして、全体の動力を削減することにより、電力消費を抑制することができる。
また、中央回転掻き出し羽根12’の各スポーク12が小円形開口部6a〜6cの略開口全域を横切ることができるので、各スポークにより掻き出された材料を小円形開口部6a〜6c内に効率的に排出することができる。また、円錐形キャップ11も回転するので、当該キャップ11周囲に残留する材料を円滑に崩壊させて下方に排出することができる。
また、円錐形キャップ11を固定する実施形態では、円錐形キャップ11に作用する材料のスラスト荷重が中央回転掻き出し羽根12’に直接作用しないので、荷重大の材料であっても円滑に中央回転掻き出し羽根12’を回転させることができる。
また、複数の回転フィーダー14a〜14cからの排出材料を単一のコンベア26にて受けて搬送することができ、効率的な材料搬出を行うことができる。
また、例えば大型のサイロに適用した場合であっても、少ない数(3基〜6基)の回転フィーダーにより残留の少ない排出動作を実現することができ(図10(a)〜図10(c)参照)、従来装置に比べて小基数である分、低コスト化を実現できる。
また、本発明のマルチフィーダーの運転方法によると、通常の排出動作中は中央回転掻き出し羽根12’は停止しており、底盤5の上面上に材料が残留している状態となったことをレベルセンサー27a〜27cにより検出したときに、中央回転掻き出し羽根12’の回転を開始し得るように構成したので、効率的に残留材料を排出することができるし、電力消費を抑制することができる。
また、中央回転掻き出し羽根12’の各スポーク12は支持アーム11dの下側に停止しているので、材料の荷重が直接スポーク12に作用せず、よって重量の大きい材料であっても、電動機のスラスト耐荷重を超えることがなく、円滑に中央回転掻き出し羽根12’を回転させることができる。
また、上記円錐形キャップ11と支持アーム11dとの接合部に緩やかな稜線が形成されないので、円錐形キャップ11と支持アーム11dとの接続部において材料のブリッジの発生を抑制することができる。
また、ホッパー3’内周面に環状延長板3”を設け、底盤5上を外周方向に送られる材料を環状空間R”内に導くことにより、底盤5の外周部近傍での材料の堆積を防止して底盤外周部の材料を円滑に排出することができる。
また、材料の排出が進んで何れか一の小型供給機14a,14b,14c内の材料が所定レベルになった場合、上記中央回転掻き出し羽根12’の正逆揺動回動動作を行うことで、比較的早い段階でホッパー内の材料のブリッジを崩してその後の材料の排出動作を円滑に行うことができ、底盤5上の材料のデッドストックをなくすことができる。
また、貯留槽及びホッパー内の材料を下方に排出した後、中央回転掻き出し羽根12’のスポークを隣接する支持アーム11dの下側に至るまで間歇回動動作(例えば1/3回転ずつの間歇回動動作)を行うものであるから、中央回転掻き出し羽根12’の回動範囲をできるだけ少なくして省力化を図ると共に、底盤5上に残留する材料を効果的に小型供給機内に排出することができる。
尚、上記間歇回動動作は、小円形開口部の数が3個であれば上記スポークは1/3回転となるが、例えば上記小円形開口部の数が4個の場合は、1/4回転(スポークが4本で90度ずつ)となり、小円形開口部の数に応じてスポークの数と回転角度を変更することができる。