JP6462446B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、冷蔵庫に関するものである。
冷蔵庫は、外箱と内箱との間に形成された断熱空間に発泡断熱材を充填したキャビネットにより構成され、そのキャビネットの内部の貯蔵室を形成している。冷蔵庫では、外箱と内箱との間に充填する発泡断熱材の一部に換えて真空断熱パネルを設けることで、キャビネットの壁厚を薄くして庫内容積効率を向上させているが、更なる庫内容積効率の向上を図るため、発泡断熱材の厚みが小さくなりつつある(例えば、下記特許文献1参照)。
しかしながら、発泡断熱材の厚みが小さくなると流動抵抗が大きくなり断熱空間に発泡断熱材が充填されにくくなるため、断熱空間に発泡断熱材の未充填部分(空洞)が生じやすくなる。特に、発泡断熱材の発泡原液を断熱空間へ注入する注入孔の近傍で発泡原液の流れが滞ると、注入孔の近傍で発泡原液の膨張が始まり後から注入される発泡原液の流れを妨げてしまい断熱空間に空洞が生じやすくなる。
特開2014−6039号公報
そこで、キャビネットの断熱空間に真空断熱パネルと発泡断熱材を設けた冷蔵庫において、断熱空間に発泡断熱材が充填されない空洞が発生しにくく製造性に優れた冷蔵庫を提供することを目的とする。
本実施形態の冷蔵庫は、左右一対の側板、天板、底板、及び背板を有する外箱と、前記外箱の内部に設けられ前記外箱との間で断熱空間を形成する内箱と、前記外箱の前記側板に面接触させて前記断熱空間に設けられた側面真空断熱パネルと、前記断熱空間における前記側面真空断熱パネルと前記内箱とで挟まれた領域に設けられた発泡断熱材と、前記外箱の背板に設けられ前記断熱空間へ前記発泡断熱材の発泡原液を注入する注入孔と、前記断熱空間における前記側面真空断熱パネルの後方であって前記注入孔と上下方向に重なり合う位置に設けられた断熱成型体とを備えるものである。
本発明の一実施形態に係る冷蔵庫の断面図である。 図1のA−A断面図である。 図1の冷蔵庫の冷凍サイクルを示す図である。 外箱の背板を省略した内箱及び外箱の背面図である。 内箱及び外箱の要部を示す断面斜視図である。
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る冷蔵庫1は、図1及び図2に示すように、前面に開口するキャビネット2を備える。キャビネット2は、鋼板製の外箱4と合成樹脂製の内箱6との間に形成された断熱空間に断熱材を有して構成されている。キャビネット2は内箱6の内側に複数の貯蔵室が設けられており、具体的には、図1に示すように、上段から順に、冷蔵室10、野菜室12が設けられ、その下方に製氷室14と小冷凍室(図示せず)が左右に並べて設けられ、これらの下方に冷凍室16が設けられている。製氷室14内には、自動製氷装置18が設けられている。
冷蔵室10及び野菜室12は、いずれも冷蔵温度帯(例えば、1〜4℃)に冷却される貯蔵室であり、それらの間は、合成樹脂製の仕切壁20により上下に仕切られている。冷蔵室10の前面開口部には、ヒンジ5で枢支された回動式の断熱扉10aが設けられている。
野菜室12の前面開口部には、引出し式の断熱扉12aが設けられている。この断熱扉12aの背面部には、貯蔵容器を構成する上下2段の収納ケース22が連結されている。
製氷室14、小冷凍室、及び冷凍室16は、いずれも冷凍温度帯(例えば、−10〜−20℃)に冷却される貯蔵室であり、野菜室12と製氷室14及び小冷凍室との間は、内部に断熱材が設けられた断熱仕切壁28により上下に仕切られている。製氷室14の前面開口部には、引出し式の断熱扉14aが設けられており、その断熱扉14aの背面部に貯氷容器30が連結されている。小冷凍室の前面開口部にも、図示はしないが、貯蔵容器が連結された引出し式の断熱扉が設けられている。冷凍室16の前面開口部にも、上下2段の貯蔵容器32が連結された引出し式の断熱扉16aが設けられている。
キャビネット2内には、各貯蔵室を冷却する冷凍サイクル50(図3参照)が組み込まれている。冷凍サイクル50は、冷蔵温度帯の貯蔵室である冷蔵室10、野菜室12を冷却するための冷蔵冷却器52と、冷凍温度帯の貯蔵室である製氷室14、小冷凍室、冷凍室16を冷却するための冷凍冷却器54とを含んで構成されている。図1に示すように、キャビネット2の外箱4の外側、この例では、キャビネット2の背面下端部には、機械室34が設けられている。この機械室34の内部には、冷凍サイクル50を構成する圧縮機56や凝縮器58(図3参照)及びこれらを冷却するための冷却ファン(不図示)などが配設されている。
キャビネット2の冷蔵温度帯の貯蔵室(冷蔵室10及び野菜室12)の奥部には、冷蔵冷却器室36及びダクト38が形成されている。冷蔵冷却器室36には、冷蔵冷却器52及び冷蔵ファン53が設けられており、冷蔵ファン53が、冷蔵冷却器52で冷却した冷蔵冷却器室36内の空気をダクト38へ導入する。
ダクト38は、冷蔵冷却器52で冷却された冷気が、冷蔵ファン53の回転によって冷蔵冷却器室36から導入されると、下方から上方へ向かって流れながら吹出口39より冷蔵室10内へ吹き出すようになっている。
キャビネット2の冷凍温度帯の貯蔵室(製氷室14、小冷凍室、冷凍室16)の奥部には、冷凍冷却器室40及びダクト44が設けられている。冷凍冷却器室40の内部には、冷凍冷却器54及び冷凍ファン55が設けられている。冷凍冷却器室40に設けられた冷凍ファン55は、冷凍冷却器54で冷却した冷凍冷却器室40内の空気をダクト44を介して製氷室14、小冷凍室、冷凍室16に供給することで、これらの貯蔵室を冷却する。
キャビネット2の外側、例えば、キャビネット2の天井壁2cの上面後部には、冷蔵庫1を制御するマイコン等を実装した制御基板46が設けられている。この制御基板46には、冷蔵ファン53、冷凍ファン55、圧縮機56、冷却ファン(不図示)及び三方弁70等のキャビネット2の内側又は外側に設けられた電気部品が、リード線によって電気接続されており、各種センサやスイッチから入力される信号と予めメモリに記憶された制御プログラムに基づいて、冷蔵ファン53、冷凍ファン55、圧縮機56、冷却ファン及び三方弁70の動作を制御して冷蔵庫1の動作全般を制御する。
次に、冷凍サイクル50の構成について詳述する。冷凍サイクル50は、図3に示すように、高温高圧のガス状の冷媒を吐出する圧縮機56の吐出側から順番に、凝縮器58、ドライヤ68、及び三方弁70の入口側が接続されている。
三方弁70の一方の出口には、減圧手段としての冷蔵キャピラリチューブ72、冷蔵冷却器52、及び冷蔵サクションパイプ76が、配管により順に接続されている。三方弁70の他方の出口には、減圧手段としての冷凍キャピラリチューブ78、冷凍冷却器54、冷凍サクションパイプ82及び逆止弁84が配管により順に接続されている。そして、逆止弁84の出口側と冷蔵サクションパイプ76の出口側が一つになって圧縮機56の吸入側に接続されている。
三方弁70は、凝縮器58で液化した冷媒を、冷蔵冷却器52と冷凍冷却器54に対して交互に供給するように流路を切り替える切替弁であり、圧縮機56から凝縮器58及び冷蔵キャピラリチューブ72を介して供給される低温の冷媒を冷蔵冷却器52に供給する冷蔵冷却運転の状態と、冷蔵冷却器52に供給せずに冷凍冷却器54に供給する冷凍冷却運転の状態とに、切り替える。
この冷凍サイクル50では、冷媒は、圧縮機56で圧縮されて高温高圧の気体状の冷媒に変化し、凝縮器58で放熱しながら液体状の冷媒となる。液体状の冷媒は、三方弁70によって冷蔵キャピラリチューブ72又は冷凍キャピラリチューブ78に送られ、各キャピラリチューブ72、78で気化し易いように減圧され、その後に冷蔵冷却器52又は冷凍冷却器54で気化し、周囲から熱を奪うことにより冷気が発生する。周囲から熱を奪って気化した冷媒は、各サクションパイプ76、82を経て圧縮機56へ戻り、再び圧縮され高温高圧の気体状の冷媒となる。
次に、キャビネット2の具体的構成について、図面を参照しながら説明する。
キャビネット2の左側壁2a、右側壁2b、天井壁2c、底壁2d及び背壁2eは、外箱4と内箱6との間に形成された断熱空間に平板状の真空断熱パネル7a、7b、7c、7d、7eが設けられている。また、キャビネット2の断熱空間において、真空断熱パネル7a、7b、7c、7d、7eが存在しない箇所には、冷蔵キャピラリチューブ72、冷蔵サクションパイプ76、冷凍キャピラリチューブ78、及び冷凍サクションパイプ82などの冷媒パイプや、キャビネット2の内側あるいは外側に設けられた電気部品と制御基板46とを電気接続するリード線とともに、発泡ウレタン等の発泡断熱材9と後述する断熱成型体100が設けられている。
具体的には、キャビネット2の外郭を構成する鋼板製の外箱4は、左側板4a、右側板4b、天板4c、底板4d及び背板4eを有する前面に開口した箱状をなしている。左側板4a、右側板4b、天板4cは、一枚の長尺な鋼板をほぼU字状に折曲することにより形成されている。底板4d及び背板4eは、左側板4a、右側板4b、及び天板4cと別個に設けられた部材であり、底板4dには、機械室34を形成するための段差部4d−1が折曲形成されている。
図2に示すように、左側板4a及び右側板4bの前端部には、幅方向内方Y1に突出するフランジ部4a−1、4b−1が形成され、左側板4a及び右側板4bの後端部には、前方X1に指向するフランジ部4a−2、4b−2が形成されている。更に、背板4eの左右の両端部には、左側板4a及び右側板4bのフランジ部4a−2、4b−2に挿入係合されるフランジ部4e−1、4e−2が形成されている。
図2及び図4に示すように、背板4eの左右両側部には、発泡断熱材9の発泡原液を断熱空間へ注入するための注入孔15が穿設されている。なお、上下方向Zに注入孔15を設ける位置や注入孔15の個数は、特に限定されないが、本実施形態では、上下方向Zの中央付近、例えば、野菜室12の後方に注入孔15が1箇所設けられている。このように注入孔15を上下方向Zで1箇所設ける場合、キャビネット2の断熱空間において注入孔15より上方に設けられる発泡断熱材9と、注入口15の下方に設けられ発泡断熱材9との重量が釣り合う位置に注入孔15を設けることが好ましく、これにより、発泡断熱材9がキャビネット2全体に均等に充填されやすくなる。
合成樹脂製の内箱6は、真空成形機で一体成形されたもので、外箱4の左側板4a、右側板4b、天板4c、底板4d及び背板4eとそれぞれ対向する左側板6a、右側板6b、天板6c、底板6d及び背板6eを有する前面に開口した箱状をなしている。
内箱6の底板6dには、外箱4の底板4dの段差部4d−1に対応して機械室34を形成するための段差部6d−1が形成されている。
内箱6の左側板6a及び右側板6bの前端部には、外箱4の左側板4a及び右側板4bのフランジ部4a−1及び4b−1に挿入係合されるフランジ部6a−1及び6b−1が形成されている。
内箱6の左側板6aと背板6eとがなす角部や、右側板6bと背板6eとがなす角部には、キャビネット2の幅方向外側Y2へ行くほど前方X1へ傾斜する傾斜面6ae、6beが上下方向Zにわたって形成され、内箱6の天板6cと背板6eとがなす角部には、上方へ行くほど前方X1へ傾斜する傾斜面6ceがキャビネット2の幅方向Yにわたって形成されている。
内箱6の左右の側板6a、6bと背板6eとの角部に設けられた傾斜面6ae、6beの後方X2には、外箱4の背板4eの左右両側部に設けられた注入孔15が配置されており、傾斜面6ae、6beと注入孔15とが前後方向Xに対向している。
なお、注入孔15と対向する傾斜面6ae、6beは、キャビネット2の幅方向Yに対する傾斜角度θが40°以上50°以下であることが好ましい。傾斜角度θを40°以上に設定することで、注入孔15から断熱空間へ注入された発泡原液が、傾斜面6ae、6beに当たって内箱6の左右の側板6a、6bと側面真空断熱パネル7a、7bとの間へスムーズに流れ込み、注入孔15近傍に滞留しにくくなるため、断熱空間に発泡断熱材9を均一に発泡充填することができる。また、傾斜角度θを50°以下に設定することで、内箱6の左右の側板6a、6bと背板6eとの角部における内箱6の内方への突出量を抑えることができ、庫内容積を広くすることができる。
また、内箱6の背板6eには、貯蔵室から断熱空間へ貫通するガス抜き用の貫通孔6e−1が1又は複数個設けられている。
しかして、外箱4の左側板4a、右側板4bの内面には、両面接着テープ或いはホットメルトなどの接着剤により側面真空断熱パネル7a、7bが接着され、内箱6の天板6c及び底板6dの外面には、両面接着テープ或いはホットメルトなどの接着剤により天井真空断熱パネル7c及び底面真空断熱パネル7dが接着され、外箱4の背板4eの内面には、両面接着テープ或いはホットメルトなどの接着剤により背面真空断熱パネル7eが接着されている。
また、外箱4の左右の側板4a、4bの内面には、断熱成型体100が両面接着テープ或いはホットメルトなどの接着剤により接着されている。
断熱成型体100は、発泡スチロールなどの断熱材を所定形状に成型したもので、内箱6の傾斜面6ae、6beと幅方向Yに対向するように側面真空断熱パネル7a、7bの後面7a−1、7b−1に接触させて設けられるとともに、外箱4の背板4eに設けられた注入孔15と上下方向Zに重なる位置に設けられている。
この例では、断熱成型体100の厚さT2は、側面真空断熱パネル7a、7bの厚さ(つまり、幅方向Yの長さ寸法)T1と同じ厚さに設けられ、断熱成型体100の上下方向Zの長さH1が、外箱4の背板4eに設けられた注入孔15の上下方向Zの長さH2より大きく(例えば、注入孔15の長さH2の2〜5倍に)設定され、注入孔15の全体が上下方向Zに断熱成型体100と重なり合っている(図4参照)。
断熱成型体100の後部には、前方X1に向かって陥没する切欠部102が上下方向Zにわたって設けられている。断熱成型体100に設けられた切欠部102は、外箱4の側板4a、4bに接着された状態で外箱4の側板4a、4bとの間で後方X2に開口する空間を形成し、当該空間の中に側板4a、4bの後端部に設けられたフランジ部4a−2、4b−2の少なくとも一部を収納する。
上記のように側面真空断熱パネル7a、7b及び断熱成型体100を設けた外箱4の左側板4a、右側板4b及び天板4cは、その内側に天井真空断熱パネル7c及び底面真空断熱パネル7dを設けた内箱6が配置され、内箱6の左右の側板6a、6bのフランジ部6a−1a、6b−1aを外箱4の左右の側板4a、4bのフランジ部4a−1、4b−1に挿入係合させる。
そして、内箱6と外箱4の間に形成された断熱空間において、キャビネット2の角部等の真空断熱パネル7a、7b、7c、7d、7eや断熱成型体100が存在しない箇所に、冷蔵キャピラリチューブ72、冷蔵サクションパイプ76、冷凍キャピラリチューブ78及び冷凍サクションパイプ82などの冷媒パイプや、キャビネット2の内側あるいは外側に設けられた電気部品と制御基板46とを電気接続するリード線を配設する。
そして、外箱4の底板4dを外箱4の左側板4a及び右側板4bに取り付け、更に、背面真空断熱パネル7eを内箱6の背板6eに当接させた状態で外箱4の背板4eに設けられたフランジ部4e−1、4e−2を外箱4の左右の側板4a、4bに設けられたフランジ部4a−2、4b−2に挿入係合させるとともに、背板4eを底板4dに取り付けることで、注入孔15を残して断熱空間の底面及び背面を閉塞する。
その後、キャビネット2の前方X1が下方に向くようにキャビネット2を倒し、外箱4の背板4eに設けられた注入孔15を上方に向けた図5に示すような状態で、注入孔15に注入ノズル17が挿入され、注入ノズル17から発泡断熱材9の発泡原液が吐出される。
注入ノズル17から吐出された発泡原液は、注入孔15と前後方向Xに対向する内箱6の傾斜面6ae、6beに衝突し傾斜面6ae、6beの傾斜に沿って流れることで内箱6の左右の側板6a、6bと側面真空断熱パネル7a、7bとの間へ流れ込む。また、傾斜面6ae、6beに衝突して跳ね返った発泡原液は、傾斜面6ae、6beと幅方向Yに対向する断熱成型体100に当たり断熱成型体100を伝って内箱6の左右の側板6a、6bと側面真空断熱パネル7a、7bとの間へ流れ込む。
内箱6の左右の側板6a、6bと側面真空断熱パネル7a、7bとの間へ流れ込んだ発泡原液は、外箱4及び内箱6の前端に設けられたフランジ部4a−1、4b−1、6a−1、6b−1で受け止められ、キャビネット2の前端に溜まる。キャビネット2の前端に溜まった発泡原液は、発泡により膨張してキャビネット2の左側壁2aや右側壁2bや天井壁2cや底壁2dの内部を上昇して充填した後、キャビネット2の背壁2eに設けられた背面真空断熱パネル7eと内箱6の背板6eとの間に形成された空間を充填する。
キャビネット2の背壁2eの内部を充填する。これにより、左側壁2a、右側壁2b、及び背壁2eにおいて外箱4側に固定された真空断熱パネル7a、7b、7eが発泡断熱材9によって内箱6に接着固定され、天井壁2c及び底壁2dにおいて内箱6側に固定された真空断熱パネル7c、7dが発泡断熱材9によって外箱4に接着固定されたキャビネット2が得られる。
以上のような本実施形態では、断熱空間における側面真空断熱パネル7a、7bの後方X2であって注入孔15と上下方向Zに重なり合う位置に断熱成型体100が設けられ、当該断熱成型体100が左右の側壁6a、6bと側面真空断熱パネル7a、7bとの間へ案内するため、注入孔15の近傍で発泡原液の流れが滞りにくく、左右の側板6a、6bと側面真空断熱パネル7a、7bとの間を通ってキャビネット2の前端部分へ発泡原液をスムーズに導入することができ、発泡断熱材9を断熱空間の所望位置に充填しやすくなる。
つまり、真空断熱パネルの寸法精度や外箱4への貼り付け精度を考慮して、発泡断熱材9の発泡原液を注入する前のキャビネット2には、側面真空断熱パネル7a、7bの後面7a−1、7b−1と外箱4の背板4eとの間に空間が形成されているが、注入孔15の近傍にあるこの空間に注入直後の発泡原液が溜まりやすい。注入孔15の近傍に滞留する発泡原液は、その場で膨張が始まり後から注入される発泡原液の流れを妨げ、断熱空間に空洞ができやすくなるが、本実施形態では、断熱成型体100が、側面真空断熱パネル7a、7bの後面7a−1、7b−1と外箱4の背板4eとで形成された空間を埋めているため、注入直後の発泡原液が注入孔15の近傍で滞留しにくく発泡原液を断熱空間内へスムーズに導入することができる。
また、本実施形態では、断熱成型体100が、側面真空断熱パネル7a、7bとともに外箱4の左右の側板4a、4bに貼付により固定されているため、側面真空断熱パネル7a、7bに対して断熱成型体100を所望の位置に正確に配置することができ製造性に優れている。
また、本実施形態では、断熱成型体100の後部に左右の側板4a、4bの後端部に設けられたフランジ部4a−2、4b−2及び背板4eに設けられたフランジ部4e−1、4e−2を収納する切欠部102が形成されているため、外箱4のフランジ部4a−2、4b−2、4e−1、4e−2と断熱成型体100とが干渉することなく、断熱成型体100を背板4eに近接させて断熱成型体100を設けることができる。そのため、より一層、注入直後の発泡原液が注入孔15の近傍で滞留しにくくなり、発泡原液を断熱空間内へスムーズに導入することができ、発泡断熱材9を断熱空間の所望位置に充填しやすくなる。
また、本実施形態では、断熱成型体100の厚さT2が側面真空断熱パネル7a、7bの厚さT1と同じ厚さに設けられ、断熱成型体100と側面真空断熱パネル7a、7bとが前後方向Xに段差なく外箱4の左右の側板4a、4bに設けられているため、側面真空断熱パネル7a、7bと断熱成型体100との境界部分における発泡原液の流動抵抗の増加を抑えることができ、断熱空間内へスムーズに発泡原液を導入することができる。
しかも、本実施形態では、断熱成型体100が、側面真空断熱パネル7a、7bの後面7a−1、7b−1に接触させて設けられているため、側面真空断熱パネル7a、7bと断熱成型体100との境界部分で発泡原液が滞留することなく、断熱空間内へスムーズに導入することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…冷蔵庫、2…キャビネット、4…外箱、4a…左側板、4b…右側板、4c…天板、4d…底板、4e…背板、6…内箱、6a…左側板、6b…右側板、6c…天板、6d…底板、6e…背板、7a…側面真空断熱パネル、7b…側面真空断熱パネル、9…発泡断熱材、10…冷蔵室、12…野菜室、14…製氷室、15…注入孔、16…冷凍室、100…断熱成型体、102…切欠部

Claims (7)

  1. 左右一対の側板、天板、底板、及び背板を有する外箱と、
    前記外箱の内部に設けられ前記外箱との間で断熱空間を形成する内箱と、
    前記外箱の前記側板に面接触させ、かつ、前記内箱から間隔をあけて前記断熱空間に設けられた側面真空断熱パネルと、
    前記断熱空間に設けられた発泡断熱材と、
    前記外箱の背板に設けられ前記断熱空間へ前記発泡断熱材の発泡原液を注入する注入孔と、
    前記断熱空間における前記側面真空断熱パネルの後方であって前記注入孔と上下方向に重なり合う位置に設けられた断熱成型体とを備える冷蔵庫。
  2. 前記断熱成型体は、前記外箱の前記側板に貼付され固定されている請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記外箱は、前記側板と前記背板とを接合するフランジ部を備え、
    前記断熱成型体は、前記外箱の前記側板との間で前記フランジ部を収納する空間を形成する切欠部を備える請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記断熱成型体は、前記真空断熱パネルと同じ厚さである請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記断熱成型体の上下方向の長さが、前記注入孔の上下方向の長さより大きい請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記内箱は、前記注入孔の前方に幅方向外側ほど前方へ傾斜する傾斜面を備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  7. 前記真空断熱パネルと前記断熱成型体とが互いに接触して設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
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