JP6459490B2 - バイアルインサート及びバイアルインサートシート - Google Patents
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Description
GC/MS100は、ガスクロマトグラフ20と、MS部50と、ガスクロマトグラフ20の上部に配置されたガスクロマトグラフ用自動試料注入装置10と、制御部30とを備える。
制御部30は、CPU31と入力部32と表示部33とを備え、ガスクロマトグラフ20とMS部50とガスクロマトグラフ用自動試料注入装置10とを制御する。
10μlシリンジ11は、先端にニードル11aを有するバレル11bと、バレル11b内に摺動自在に嵌挿されたプランジャ11cとを備える。
このような10μlシリンジ11とシリンジ駆動部13とによれば、液体試料をニードル11aからバレル11b内に吸引したり、バレル11b内の液体試料をニードル11aから排出したりすることができる。
このようなターレット12とターレット駆動部14とによれば、10μlシリンジ11の下方に所望のバイアル40がくるように、ターレット12を移動させることができる。
ところで、バイアル40を用いて少量の液体試料を分析する場合には、ニードル11aが液面まで届かないことがあるため、小容量専用のオートサンプラバイアルやバイアルインサートが用いられている。
バイアルインサート101は、透明なガラス製や石英製やプラスチック製であり、円形状(例えば直径5.5mm)の底面と、円筒形状(例えば直径5.5mm、高さ31mm)の側壁部とを有する。
バイアルインサート201は、逆円錐形状(例えば直径5.5mm、高さ29mm)で、素材が透明なガラスや石英やプラスチックからなる側壁部201aと、先端部(底部)が尖った側壁部201aを自立させるための樹脂製の脚部201bとを有する。
なお、バイアルインサート101、201の内面は、液体試料中の化合物の吸着を防ぐため、不活性化処理が施される場合もある。
そこで、本発明は、種々のバイアルに使用することができるバイアルインサートの提供を目的とするものである。
前記バイアルインサートは、第一の樹脂製シートと第二の樹脂製シートとが積層され、前記第一の樹脂製シートの内面と前記第二の樹脂製シートの内面との間に空気を入れることにより液体試料を収容可能な空間および当該空間の上端に前記液体試料を出し入れする開口が形成されるように、側壁を形成する左右一対の縦方向部分および底を形成する横方向部分からなる熱溶着部分が形成され、
さらに前記溶着部分の縦方向部分は前記液体試料を収容可能な空間が形成された状態の前記バイアルインサートの上端の最大幅を調整するための調整幅を含めた幅にして形成され、
前記バイアルインサートの上端の最大幅が前記バイアルのネジ部の出入口の内径と一致するように前記熱溶着部分の縦方向部分の幅を調整して前記バイアルインサートを前記バイアル内に差し込むことでバイアル中央に安定させることができるようにしてある。
また、本発明のバイアルインサートにおいて、前記熱溶着部分は、前記縦方向部分の下端から離れた位置に前記横方向部分が形成されるようにしてもよい。
本発明のバイアルインサートシートによれば、2枚の樹脂製シートを熱溶着して切り取り線を加工するだけで、複数のバイアルインサートを作製することができる。
本発明のバイアルインサートによれば、不活性で溶媒にも安定しており、液体試料中の化合物の吸着もほとんどなくすことが可能なものとすることができる。よって、バイアルには、ガラスや石英等の不活性素材からなるものもあれば、プラスチックや金属等の活性素材からなるものもあり、プラスチック製や金属製等のバイアル(オートサンプラバイアル以外も含む)に本発明のバイアルインサートを使用することで、不活性化アダプタとすることもできる。
バイアルインサートシート1は、第一の樹脂製シート2と、第二の樹脂製シート3とを備える。
上記厚さ(Z1)は、0.05mm以上0.2mm以下であることが好ましく、0.1mmであることがより好ましい。また、上記縦(Y3)は、バイアル口径や長さに合わせて適宜選択できるが、30mm以上37mm以下であることが好ましく、35mmであることがより好ましい。さらに、上記第一の樹脂としては、不活性で溶媒にも安定性を有し、液体試料中の化合物の吸着を防ぐ素材であればよく、例えばフッ素樹脂やポリプロピレン等が挙げられる。
上記X1のサイズは、バイアル口径や長さに合わせて適宜選択できるが、6mm以上8mm以下であることが好ましく、7.5mmであることがより好ましい。また、上記X2のサイズは、バイアル口径や長さに合わせて適宜選択できるが、2mm以上4mm以下であることが好ましく、2mmであることがより好ましい。
上記Y2のサイズは、バイアル口径や長さに合わせて適宜選択できるが、1mm以上4mm以下であることが好ましく、2mmであることがより好ましい。また、上記Y1のサイズは、バイアル口径や長さに合わせて適宜選択できるが、23mm以上30mm以下であることが好ましく、28mmであることがより好ましい。
これにより、第二縦方向部分5の切り取り線6で切り取られたものが第一バイアルインサート1aとなり、さらに第三縦方向部分5の切り取り線6で切り取られたものが第二バイアルインサート1bとなり、7個のバイアルインサート1a、1b、・・・が作製される。
(1)広口ネジ部を有するバイアルへの使用
図2は、バイアル40に本発明のバイアルインサートシート1を使用する際の使用方法について説明するための図である。
まず、測定者は、第二縦方向部分4の切り取り線6で切り取り、第一バイアルインサート1aを作製する(図2(a)参照)。次に、測定者は、第一バイアルインサート1aの第一縦方向部分4の上部と第二縦方向部分4の上部とを指先で掴んで内側に力を入れることで、第一の樹脂製シート2の内面と第二の樹脂製シート3の内面とで囲まれた空間に空気を入れて膨らませる(図2(b)参照)。次に、測定者は、第一バイアルインサート1aをバイアル40内に挿入する(図2(c)参照)。このとき、第一バイアルインサート1aの第一縦方向部分4と第二縦方向部分4とで、バイアル40内の隙間を埋めて中央に安定させる。次に、測定者は、第一バイアルインサート1aの第一の樹脂製シート2の内面と第二の樹脂製シート3の内面とで囲まれた空間に液体試料Sを入れる(図2(d)参照)。
まず、測定者は、第二縦方向部分4の切り取り線6で切り取り、第一バイアルインサート1aを作製する。次に、測定者は、第一バイアルインサート1aの第一縦方向部分4の上部と第二縦方向部分4の上部とを指先で掴んで内側に力を入れることで、第一の樹脂製シート2の内面と第二の樹脂製シート3の内面とで囲まれた空間に空気を入れて膨らませる。次に、測定者は、第一バイアルインサート1aを標準バイアル内に挿入する。このとき、第一バイアルインサート1aの第一縦方向部分4と第二縦方向部分4とで、標準バイアル内の隙間を埋めて中央に安定させる。次に、測定者は、第一バイアルインサート1aの第一の樹脂製シート2の内面と第二の樹脂製シート3の内面とで囲まれた空間に液体試料Sを入れる。
上述したバイアルインサートシート1において、所定部分を8個の縦方向部分4と1個の横方向部分5とからなる構成としたが、これに代えて、所定部分の縦方向部分と横方向部分とをそれぞれ任意の個数からなるような構成としてもよい。
2: 第一の樹脂製シート
3: 第二の樹脂製シート
4: 縦方向部分(所定部分)
5: 横方向部分(所定部分)
40: バイアル
Claims (4)
- 所定の口径の出入口が設けられたネジ部が形成されるとともに前記ネジ部から拡径し円筒状の側壁部が形成された有底のバイアルの内側に前記出入口から差し込んで用いられるバイアルインサートであって、
前記バイアルインサートは、第一の樹脂製シートと第二の樹脂製シートとが積層され、前記第一の樹脂製シートの内面と前記第二の樹脂製シートの内面との間に空気を入れることにより液体試料を収容可能な空間および当該空間の上端に前記液体試料を出し入れする開口が形成されるように、側壁を形成する左右一対の縦方向部分および底を形成する横方向部分からなる熱溶着部分が形成され、
さらに前記溶着部分の縦方向部分は前記液体試料を収容可能な空間が形成された状態の前記バイアルインサートの上端の最大幅を調整するための調整幅を含めた幅にして形成され、
前記バイアルインサートの上端の最大幅が前記バイアルのネジ部の出入口の内径と一致するように前記熱溶着部分の縦方向部分の幅を調整して前記バイアルインサートを前記バイアル内に差し込むことでバイアル中央に安定させることができるようにしてあることを特徴とするバイアルインサート。 - 前記第一の樹脂製シート及び前記第二の樹脂製シートは、フッ素樹脂製シート又はポリプロピレン製シートであることを特徴とする請求項1に記載のバイアルインサート。
- 前記熱溶着部分は、前記縦方向部分の下端から離れた位置に前記横方向部分が形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバイアルインサート。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のバイアルインサートが、前記熱溶着部分の前記縦方向部分どうしが隣接するようにして複数並べて形成され、前記隣接する縦方向部分どうしが一体となった熱溶着部分が形成されるとともに、当該一体となった熱溶着部分の中央に切り取り線が形成されることを特徴とするバイアルインサート切り出し用のバイアルインサートシート。
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