JP6459302B2 - 摩擦ローラ式減速機 - Google Patents

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Description

本発明は、摩擦ローラ式減速機に関する。
近年普及し始めている電気自動車の利便性を向上させるべく、充電1回当りの走行可能距離を長くする為に、電動モータの効率向上が強く要望されている。電動モータの効率向上には、高速回転する小型の電動モータを使用し、モータ出力軸の回転を減速してから車両の駆動輪に伝達することが望ましい。この場合、モータ出力軸に接続される減速機は、運転速度が非常に速くなり、振動や騒音を発しやすくなる。そこで、運転時の振動や騒音を抑える為に、摩擦ローラ式減速機を使用することが考えられている。従来の摩擦ローラ式減速機としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1に記載された摩擦ローラ式減速機200は、図11に示すように、入力軸211と、出力軸213と、サンローラ217と、リングローラ219と、複数個の中間ローラ221と、ローディングカム機構223A,223Bと、リングローラ219と出力軸213とを連結する連結部225とを備える。サンローラ217は、軸方向に分割された一対のサンローラ素子227A,227Bを有する。各サンローラ素子227A,227Bは、入力軸211に互いに隙間を設けた状態で同心に配置され、入力軸211に対する軸方向移動と相対回転とが可能になっている。リングローラ219は、全体を円環状に形成され、サンローラ217と同心に配置されている。また、リングローラ219の外周部は連結部225を介して出力軸213に接続されている。複数の中間ローラ221は、それぞれ支持軸231により回転自在に支持され、外周面が、サンローラ217の外周面とリングローラ219の内周面とにそれぞれ転がり接触する。
各中間ローラ221の支持軸231は揺動ホルダ233に個別に支持されている。また、揺動ホルダ233は、中間ローラ221を入力軸211の径方向に移動(揺動)可能にキャリア237に支持されている。キャリア237は、入力軸211側に突出した複数本の固定ボルト241により、図示しないモータ本体に固定されている。
特開2013−104545号公報
上記構成においては、モータ本体に固定されたキャリア237の揺動ホルダ233を支持する揺動軸に、摩擦ローラ式減速機200に伝達される回転トルクの反力が加わる。このため、キャリア237は回転トルクの反力を保持し得る軸力でモータ本体に締結しておく必要があり、固定ボルト241には高い強度が要求される。しかし、伝達する回転トルクの増大に伴い、固定ボルト241の本数やサイズ、固定ボルト241の配置スペースが増加し、減速機の小型化の妨げとなる。また、キャリア237とモータ本体との締結作業が繁雑となり、部品点数が増加する不利が生じる。
図12に示すように、摩擦ローラ式減速機245をモータ筐体247の支持壁に固定する場合、摩擦ローラ式減速機245の外側は出力軸に接続される連結部225で覆われているため、出力軸213側からは摩擦ローラ式減速機245の取付けが行えない。そこで、支持壁の減速機取付面とは反対側から、ナットや固定ボルト249で摩擦ローラ式減速機245を締結することになる。しかし、その場合には、モータ筐体247と摩擦ローラ式減速機245を締結した後に、モータ筐体247にステータやロータを組み付けることになり、組立工程が煩雑となって、部品点数も増加する。また、モータ単体での性能測定ができず、モータ単体の性能保証ができない不利がある。
一方、図13に示すように、摩擦ローラ式減速機245の各パーツをモータ組立体251に順次組み付けて、摩擦ローラ式減速機245をモータ組立体251に固定する場合もある。具体的には、モータ組立体251に、サンローラ素子227A、キャリア組立体253、リングローラ219、サンローラ素子227Bの順に組み付けた後、予圧を調整し、最後に連結部225と出力軸213を組み付ける組立工程となる。その場合、連結部225にはリングローラ219を固定する止め輪も固定する必要があるため、モータ組立体251と出力軸213の端部との間には、広い作業スペースが必要となる。特に、リングローラ219側にローディング機構が配置される構成では、予圧ばねを潰して止め輪を装着する必要があり、組立作業が困難となる。また、摩擦ローラ式減速機245単体での性能測定ができず、摩擦ローラ式減速機245単体での性能保証ができない不利がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、減速機の必要強度を維持したまま部品点数を削減でき、組立作業を簡単にでき、減速機単体での性能保証が行える摩擦ローラ式減速機を提供することを目的とする。
本発明は下記構成からなる。
(1)入力軸と同心に配置されたサンローラと、前記サンローラの外周側に前記サンローラと同心に配置されたリングローラと、前記サンローラの外周面と前記リングローラの内周面との間で、前記入力軸と平行な自転軸を中心として回転自在に支持され、前記サンローラの外周面と前記リングローラの内周面に転がり接触する複数の中間ローラと、前記リングローラを出力軸と連結する連結部と、を備え、減速機取付部材に締結部材によって締結固定される摩擦ローラ式減速機であって、
前記中間ローラは、前記自転軸の両端部が中間ローラ毎に独立して設けた揺動ホルダに回転自在に支持され、
前記揺動ホルダは、前記入力軸を中心とする周方向に関して前記自転軸とは異なる周位置に前記自転軸と平行な揺動軸を有し、該揺動軸を中心とする揺動変位が可能にキャリアに支持され、
前記キャリアは、前記減速機取付部材にインロー嵌合されるインロー嵌合部を有し、前記出力軸側から前記キャリアを前記減速機取付部材に固定するための締結部材が挿通される固定用貫通孔が、前記入力軸を中心とする円周方向に沿った複数位置に形成され、
前記入力軸を中心とする前記揺動軸中心のピッチ円直径は、前記締結部材中心のピッチ円直径よりも小さく、
前記連結部は、円板状に形成され中心部が前記出力軸に連結される基端部と、前記基端部の外周縁から軸方向に延設されて内径側に前記リングローラを保持する円筒状のローラ保持部とを有し、
前記基端部には、前記締結部材を表裏挿通させる挿入孔が複数位置に形成され、
前記挿入孔は、前記締結部材中心のピッチ円直径の径方向位置において、少なくとも前記キャリアの前記固定用貫通孔と軸方向に重なる周方向位置に配置されたことを特徴とする摩擦ローラ式減速機。
(2)前記締結部材は、固定用ボルトであり、
前記挿入孔は、前記固定用ボルトの頭部より大きい内径を有する(1)に記載の摩擦ローラ式減速機。
(3)前記挿入孔は、前記固定用ボルトの位置との円周方向に関する位相が一致している(2)に記載の摩擦ローラ式減速機。
本発明によれば、減速機の必要強度を維持したまま部品点数を削減でき、組立作業を簡単にでき、減速機単体での性能保証が行える。
本発明の実施形態を説明するための図で、摩擦ローラ式減速機の一部断面斜視図である。 図1に示す摩擦ローラ式減速機の要部拡大断面図である。 ローディングカム機構のカム溝を示すカムリングの平面図である。 図3のA−A断面図であって、ローディングカム機構が推力を発生していない状態(A)と、推力を発生している状態(B)とをそれぞれ示す断面図である。 中間ローラを支持する揺動ホルダの斜視図である。 キャリアの分解斜視図である。 摩擦ローラ式減速機のモータ本体への取付方法を説明する摩擦ローラ式減速機の分解斜視図である。 キャリアの背面側の斜視図である。 キャリアを連結板側から見た軸方向正面図である。 摩擦ローラ式減速機を出力軸側から軸方向に見た正面図である。 従来の摩擦ローラ式減速機の要部断面図である。 従来の摩擦ローラ式減速機をモータ筐体の支持壁に固定する様子を示す説明図である。 従来の摩擦ローラ式減速機の各パーツをモータ組立体に順次組み付けて、摩擦ローラ式減速機をモータ組立体に固定する様子を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<摩擦ローラ式減速機の構成>
図1は本発明の実施形態を説明するための図で、摩擦ローラ式減速機の一部断面斜視図、図2は摩擦ローラ式減速機の要部拡大断面図である。図1及び図2に示すように、摩擦ローラ式減速機100は、入力軸11と同心に配置されるサンローラ15と、リングローラ17と、複数の中間ローラ19と、リングローラ17と出力軸13とを連結する連結部21と、ローディングカム機構23と、を備える。
サンローラ15は、図2に示す入力軸11の一端に、入力軸11と一体形成された中実構造のローラである。サンローラ15の外周面15aは、軸断面の外縁形状が単一円弧状の凹曲線となる凹曲面に形成されている。
リングローラ17は、軸方向に並設された一対のリングローラ素子であって、固定リングローラ素子27と、軸方向に移動自在な可動リングローラ素子29とを備える。これら各リングローラ素子27,29は、カップ状の連結部21の内側に収容された状態でサンローラ15の外周側にサンローラ15と同心に配置されている。
固定リングローラ素子27及び可動リングローラ素子29の内周面27a,29aは、各リングローラ素子27,29同士が互いに対向する対向側端面24,24から軸方向反対側の外側端面26,26に向かうに従って内径が小さくなるように傾斜した環状の傾斜面となっている。これらの傾斜面は、中間ローラ19が転動する転がり接触面となる。なお、内周面27a,29aは、上記傾斜面に限らず、軸断面の外縁形状が単一円弧状の凹曲線となる凹曲面であってもよい。
複数の中間ローラ19は、それぞれニードル軸受22を介して支持軸(自転軸)31に回転自在、且つ軸方向に変位可能に支持されて、サンローラ15の外周面15aとリングローラ17の内周面17aとの間に配置されている。支持軸31の両端は揺動ホルダ32に支持されている。また、揺動ホルダ32は、中間ローラ19を入力軸11の径方向に移動(揺動)可能にキャリア33に支持されている。つまり、キャリア33は、中間ローラ19毎に独立して設けた揺動ホルダ32を支持している。このキャリア33は、図示しないモータ本体に締結部材によって固定される。
各中間ローラ19の外周面19aは、軸断面の外縁形状が単一円弧状の凸曲線となる凸曲面であり、それぞれサンローラ15の外周面15aとリングローラ17の内周面17aに転がり接触する。
連結部21は、略円板状に形成され中心部が出力軸13に連結される基端部37と、基端部37の外周縁から軸方向に延設されて内径側にリングローラ17を保持する円筒状のローラ保持部39と、を有する。
ローラ保持部39の内部には、基端部37側から、波板状の予圧スプリング67、カムリング49、転動体である玉51、可動リングローラ素子29、固定リングローラ素子27、止め輪47がこの順で挿入され、これら各部材がローラ保持部39に組み付けられている。
ローラ保持部39の内周部には、複数の凹溝43が軸方向に沿って形成され、また、基端部37とは反対側の端部には、円周方向にリング溝45が形成されている。
凹溝43は、固定リングローラ素子27の外周部の複数箇所に形成された、径方向に突出する突起28を収容する。突起28は、ローラ保持部39の凹溝43に回転方向のがたつきがない状態で係合し、ローラ保持部39とリングローラ17との回転トルクの伝達を可能にする。
リング溝45は、止め輪47が嵌入される。止め輪47は、固定リングローラ素子27の軸方向位置を規制し、固定リングローラ素子27をローラ保持部39に固定する。
連結部21の基端部37は、例えば、旋盤加工等の切削加工により形成され、ローラ保持部39は、プレス成形等の塑性加工により形成される。これら基端部37とローラ保持部39とを単体で形成した後、これらを接合することで、低コストで高精度に軸心を一致させる構成にできる。また、基端部37とローラ保持部39は、ビーム溶接で接合処理される。これにより、狭幅のビードで、しかも短時間で加熱接合でき、熱歪を最小限に抑えて芯ずれの発生が抑制可能となる。
カムリング49は、その外周部から径方向外側に突出する複数の突起61を有する。カムリング49の突起61、及び固定リングローラ素子27の突起28は、それぞれローラ保持部39の凹溝43に係合する。
カムリング49は、出力軸13側の外側端面に、外径側の一部を環状に切欠いた切欠き部63が形成されており、この切欠き部63に予圧スプリング67が装着される。
なお、上記サンローラ15は、高速回転するために微小な重心のずれがあると異常振動の振動源となる虞がある。しかし、本構成のサンローラ15は、入力軸11と一体形成されるので、容易にバランス修正が可能であり、振動の発生を低減できる。また、サンローラ15は、剛性が高く、高い共振周波数を有するので、共振による異常振動の発生が低減する。更に、サンローラ15を中実構造とすることで、ラジアル荷重が負荷された際のサンローラ15の弾性変形量が小さくなる。これにより、中間ローラ19とリングローラ17の軸方向変位量が小さくなり、転がり接触面の接触状態を設計通りの良好な状態に維持できる。
<ローディングカム機構>
次に、ローディングカム機構について説明する。
図2に示す可動リングローラ素子29と、カムリング49と、転動体である玉51は、ローディングカム機構23を構成する。このローディングカム機構23は、サンローラ15、リングローラ17、及び中間ローラ19の各転がり接触面の接触面圧を変更する。
可動リングローラ素子29の外側端面26には、図3及び図4に示すように、円周方向に沿って複数(図示例では3箇所)の第1カム溝53が形成されている。カムリング49に対しても同様に第2カム溝55が形成されている。すなわち、カムリング49は、第1カム溝53に対面配置され、第1カム溝53に対応する円周方向位置に複数(図示例では3箇所)の第2カム溝55が形成されている。これら第1カム溝53と第2カム溝55との間には、それぞれ玉51が挟持される。
第1カム溝53及び第2カム溝55は、軸方向の溝深さが円周方向に関して中央部で最も深く、円周方向に沿って漸次変化して、カム溝53,55の円周方向端部に向かうに従って浅くなる。
入力軸11が停止している状態では、図4(A)に示すように、各玉51は各カム溝の最も深くなった部分に位置する。この状態では、カムリング49は、予圧スプリング67の弾性力により、可動リングローラ素子29側に向けて押圧されている。
入力軸11が回転駆動されると、図4(B)に示すように、各玉51が各カム溝53,55の浅くなった部分に移動する。これにより、可動リングローラ素子29を固定リングローラ素子27に向けて押圧する軸方向推力が発生される。ローディングカム機構23が発生する軸方向推力により、固定リングローラ素子27と可動リングローラ素子29との間隔が縮まると、リングローラ17の内周面17aと、各中間ローラ19の外周面19aとの転がり接触部における面圧が上昇すると共に、各中間ローラ19の外周面19aとサンローラ15の外周面15aとの転がり接触部の面圧も上昇する。その結果、入力軸11と出力軸13との間に存在する複数の転がり接触部の面圧が、入力軸11と出力軸13との間で伝達するトルクが大きくなるほど上昇する。
また、ローディングカム機構23が軸方向推力を発生すると、リングローラ17等のトラクション部品の弾性変形や各接触点の弾性変形により、中間ローラ19は、可動リングローラ素子29の軸方向変位に伴って固定リングローラ素子27側に軸方向変位する。
<各部材の軸心を一致させる構造>
図2に示すように、連結部21の基端部37における入力軸11側の内側面には、出力軸13と平行な内周面を有する円環状の第1段付部41が形成されている。
また、カムリング49の外側端面には、カムリング49の中心と同心に形成され、連結部21の基端部37の第1段付部41と軸方向に沿って係合する円環状の外周面を有する第2段付部65が、軸方向に突出して形成されている。
カムリング49と連結部21とは、第1段付部41と第2段付部65とが嵌合することによって高精度に軸心が一致する。これにより、可動リングローラ素子29もカムリング49を介して軸心位置が正確に合わせられた状態となる。また、固定リングローラ素子27は、中間ローラ19によって径方向に位置決めされる。中間ローラ19は、入力軸11と同心のサンローラ15によって径方向に位置決めされ、入力軸11と出力軸13とは同心に配置されているため、サンローラ15、リングローラ17、及びカムリング49は、各軸心が正確に一致した状態となっている。
また、カムリング49は、予圧スプリング67によって基端部37とは軸方向反対側に付勢された状態で、第2段付部65が基端部37の第1段付部41に嵌合する。この嵌合長は、予圧スプリング67の弾性変形代より長くされている。これにより、カムリング49を基端部37に組み付ける際に、予圧スプリング67がカムリング49と基端部37との間から外れることが防止されて、減速機の組立性が向上する。
<中間ローラのキャリアへの支持形態>
次に、上記した摩擦ローラ式減速機100の各部材の支持形態について詳細に説明する。
図5は中間ローラを支持する揺動ホルダ32の斜視図である。中間ローラ19は、自転軸となる支持軸31の両端部で揺動ホルダ32に支持される。揺動ホルダ32は、中間ローラ19と同数だけ設けられ、各揺動ホルダ32に一つの中間ローラ19が支持される。揺動ホルダ32は、支持軸31の両端部を支持する一対のアーム部71a,71bと、各アーム部71a,71bを連結する基部75とを有する。基部75には、支持軸31と平行な揺動軸73が挿通されている。
図6はキャリア33の分解斜視図である。キャリア33は、円輪状の底部77、及び底部77の片面の円周方向に等間隔となる複数箇所(図示例では3箇所)に立設された柱部79を有するキャリア本体81と、柱部79の先端部79aに固定される円輪状の連結板83とを有する。
キャリア本体81の柱部79には、キャリア33をモータ本体に固定するためのボルト挿通孔85が軸方向に沿って複数箇所(図示例では3箇所)形成されている。
円周方向に並ぶ柱部79同士の間には、中間ローラ19を支持する揺動ホルダ32が配置される。揺動ホルダ32は、連結板83に形成された揺動軸孔91と、底部77に形成された揺動軸孔(図示略)とに揺動軸73が挿入されて、キャリア33に揺動自在に軸支される。
連結板83には、柱部79の各ボルト挿通孔85に対応する位置にボルト締結孔87が形成され、また、揺動ホルダ32の揺動軸73に対応する位置に揺動軸孔91が形成されている。
つまり、揺動ホルダ32は、入力軸11を中心とする周方向に関して支持軸31とは異なる周位置に、支持軸31と平行な揺動軸73を有し、この揺動軸73を中心とする揺動変位が可能にキャリア33に支持されている。
揺動ホルダ32が、キャリア33に対して揺動軸73を中心に揺動することで、中間ローラ19はキャリア33の径方向に出没自在となる。
上記のキャリア本体81と連結板83とは、ピン嵌合によって相互に位置決めされる。すなわち、キャリア本体81の柱部79の先端部79aには、ピン93を嵌挿するピン穴95が形成され、連結板83のキャリア本体81側のピン穴95と対応する位置には、ピン93を嵌挿する図示しないピン孔が形成されている。
キャリア本体81と連結板83は、対応するピン穴95同士の間にピン93を配置した状態で互いに軸方向に押圧されることで、ピン93がピン穴95に圧入され、双方が設計位置に仮止めされる。なお、ボルト締結孔87は、挿通するボルトが隙間を有して挿入可能な内径にされている。
<摩擦ローラ式減速機の取付方法>
図7は摩擦ローラ式減速機100のモータ本体111への取付方法を説明する摩擦ローラ式減速機100の分解斜視図である。摩擦ローラ式減速機100は、減速機取付部材であるモータ本体111に、締結部材である固定ボルト35によって締結固定される。
摩擦ローラ式減速機100は、連結部21の基端部37に軸方向に貫通して形成された複数のボルト挿入孔113に固定ボルト35を挿入し、これら固定ボルト35によって、モータ本体111に締結される。
このとき、図6に示すキャリア33の固定用貫通孔である、連結板83のボルト締結孔87及びキャリア本体81のボルト挿通孔85に固定ボルト35が挿通され、固定ボルト35の先端は、モータ本体111に形成されたねじ止め部115に締結される。これにより、仮止め状態のキャリア33は、固定ボルト35によって共締め固定され、ピン93による高精度が位置合わせと、固定ボルト35による強固な締結が同時に行なわれる。
また、キャリア33は、モータ本体111に軸方向に突出して形成されたインロー嵌合部117に底部(キャリア側のインロー嵌合部)77が係合して、回転軸(入力軸11)と同心に位置合わせされる。インロー嵌合は、凸部や凹部の嵌合によって位置決めを行うもので、本構成のインロー嵌合部は、モータ本体111の回転軸配置側の正面に、回転軸を中心に設けられた円環状の突起部として設けてある。図8にキャリア33の背面側の斜視図を示す。インロー嵌合部117は、キャリア33の底部77の外周面119が、インロー嵌合部117である円環状突起部の内周面121と嵌合して軸心位置が合わせられる。
なお、インロー嵌合部は、円周方向に連続する円環状突起部にすることに限らず、円周方向に沿って離散的に配置された突起部や、外周面119を収容する凹部であってもよい。また、図8に示す底部77の中心孔123の内周面125に係合するものであってもよく、外周面119と内周面125の双方に係合するものであってもよい。更に、インロー嵌合部は、モータ本体111とキャリア33の底部に、径方向及び周方向に嵌合する円弧状突起部を設けた構成にすると、軸心位置合わせと回転止めが同時に行うことができる。
上記の摩擦ローラ式減速機100のモータ本体111への取付方法は、各構成部品が組み付けられ、調整された状態の摩擦ローラ式減速機100を、モータ本体111に出力軸13側から軸方向に沿って取り付ける方式である。そのため、組立作業、調整作業を簡単にでき、組立時に特に広いスペースを要することもない。更に、モータ単体での性能測定、減速機単体での性能測定が容易に行える。
<固定ボルトと揺動ホルダの揺動軸との配置関係>
次に、上記の固定ボルト35と揺動ホルダ32の揺動軸との配置関係について説明する。
図9はキャリア33を連結板83側から見た軸方向正面図である。キャリア33をモータ本体に固定する固定ボルト35は、前述の図6に示すボルト締結孔87、ボルト挿通孔85を貫通してモータ本体に締結されている。また、キャリア33には、揺動ホルダ32を支持する揺動軸73が揺動軸孔91(底部77側も同様)に軸支されている。
軸方向平面視における固定ボルト35の軸心Oを中心とする締結部材中心のピッチ円直径D1と、揺動ホルダ32の揺動軸73の軸心Oを中心とする揺動軸中心のピッチ円直径D2とは、D1>D2の関係を有する。つまり、固定ボルト35は、揺動軸73よりも軸心Oから半径方向外側に配置され、固定ボルト35が揺動軸73より外径側に配置されている。
摩擦ローラ式減速機100の作動中は、中間ローラ19に作用するローラ間伝達力の反力が、揺動ホルダ32を介して揺動軸73に作用する。そして、減速機の伝達トルクが増加するほど、揺動軸73に負荷される回転トルクの反力も増大する。その場合でも、本構成によれば、反力が作用する揺動軸73よりも外側に固定点となる固定ボルト35が配置されているため、固定ボルト35に作用する力を、揺動軸73に作用する反力よりも小さくできる。
したがって、キャリア33に軸心Oを中心とする大きな回転モーメントが発生しても、固定ボルト35に作用する力が、揺動軸73に作用する力よりも軽減され、固定ボルト35に求められる保持力を小さくすることができる。
よって、固定ボルト35の本数やサイズ、固定ボルト35の配置スペースを増やす必要がなく、部品点数の削減や小型軽量化が図れ、減速機の小型化に寄与できる。また、固定ボルト35の本数を少なくすることで、組立作業性も向上する。
図10は摩擦ローラ式減速機100を出力軸側から軸方向に見た正面図である。連結部21の基端部37には、固定ボルト35を表裏挿通させるボルト挿入孔113が複数位置に形成されている。これらのボルト挿入孔113は、前述の締結部材中心のピッチ円直径D1と一致する径方向位置に、少なくともキャリア33のボルト締結孔87及びボルト挿通孔85と軸方向に重なる周方向位置に配置されている。
図示例では、3本の固定ボルト35が出力軸13の周囲に中心角120度毎に均等に配置され、これら3本の固定ボルト35と軸方向に重なる3箇所、及びこれら3箇所と中心角で60度位相をずらした合計6箇所にそれぞれボルト挿入孔113を配置している。
各ボルト挿入孔113が配置されるピッチ円直径を、締結部材中心のピッチ円直径D1に一致させ、且つ、ボルト挿入孔113と固定ボルト35の位置との円周方向に関する位相を一致させることで、固定ボルト35の締め付け工具と、連結部21等の減速機を構成する各パーツとの干渉を最小限に抑え、各パーツの傷付きを防止できる。
ボルト挿入孔113は、固定ボルト35の頭部より大きい内径とし、組立作業性を向上するためにも固定ボルト35の個数より多く配置することが好ましい。また、ボルト挿入孔113は円形の他、楕円や長方形等、他の形状であってもよい。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
11 入力軸
13 出力軸
15 サンローラ
17 リングローラ
19 中間ローラ
21 連結部
31 支持軸(自転軸)
32 揺動ホルダ
33 キャリア
35 固定ボルト(締結部材)
73 揺動軸
77 底部(インロー嵌合部)
85 ボルト挿通孔(固定用貫通孔)
87 ボルト締結孔(固定用貫通孔)
91 揺動軸孔
100 摩擦ローラ式減速機
D1 締結部材中心のピッチ円直径
D2 揺動軸中心のピッチ円直径

Claims (3)

  1. 入力軸と同心に配置されたサンローラと、前記サンローラの外周側に前記サンローラと同心に配置されたリングローラと、前記サンローラの外周面と前記リングローラの内周面との間で、前記入力軸と平行な自転軸を中心として回転自在に支持され、前記サンローラの外周面と前記リングローラの内周面に転がり接触する複数の中間ローラと、前記リングローラを出力軸と連結する連結部と、を備え、減速機取付部材に締結部材によって締結固定される摩擦ローラ式減速機であって、
    前記中間ローラは、前記自転軸の両端部が中間ローラ毎に独立して設けた揺動ホルダに回転自在に支持され、
    前記揺動ホルダは、前記入力軸を中心とする周方向に関して前記自転軸とは異なる周位置に前記自転軸と平行な揺動軸を有し、該揺動軸を中心とする揺動変位が可能にキャリアに支持され、
    前記キャリアは、前記減速機取付部材にインロー嵌合されるインロー嵌合部を有し、前記出力軸側から前記キャリアを前記減速機取付部材に固定するための締結部材が挿通される固定用貫通孔が、前記入力軸を中心とする円周方向に沿った複数位置に形成され、
    前記入力軸を中心とする前記揺動軸中心のピッチ円直径は、前記締結部材中心のピッチ円直径よりも小さく、
    前記連結部は、円板状に形成され中心部が前記出力軸に連結される基端部と、前記基端部の外周縁から軸方向に延設されて内径側に前記リングローラを保持する円筒状のローラ保持部とを有し、
    前記基端部には、前記締結部材を表裏挿通させる挿入孔が複数位置に形成され、
    前記挿入孔は、前記締結部材中心のピッチ円直径の径方向位置において、少なくとも前記キャリアの前記固定用貫通孔と軸方向に重なる周方向位置に配置されたことを特徴とする摩擦ローラ式減速機。
  2. 前記締結部材は、固定用ボルトであり、
    前記挿入孔は、前記固定用ボルトの頭部より大きい内径を有する請求項1に記載の摩擦ローラ式減速機。
  3. 前記挿入孔は、前記固定用ボルトの位置との円周方向に関する位相が一致している請求項2に記載の摩擦ローラ式減速機。
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