JP6459019B2 - 封止用積層シートおよびその製造方法ならびに封止用積層シートを用いて封止された実装構造体およびその製造方法 - Google Patents

封止用積層シートおよびその製造方法ならびに封止用積層シートを用いて封止された実装構造体およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6459019B2
JP6459019B2 JP2014105953A JP2014105953A JP6459019B2 JP 6459019 B2 JP6459019 B2 JP 6459019B2 JP 2014105953 A JP2014105953 A JP 2014105953A JP 2014105953 A JP2014105953 A JP 2014105953A JP 6459019 B2 JP6459019 B2 JP 6459019B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
electronic component
laminated sheet
region
conductive material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014105953A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015221499A (ja
Inventor
卓也 石橋
石橋  卓也
正稔 藤本
正稔 藤本
橋本 卓幸
卓幸 橋本
正登 西沢
正登 西沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagase Chemtex Corp
Original Assignee
Nagase Chemtex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagase Chemtex Corp filed Critical Nagase Chemtex Corp
Priority to JP2014105953A priority Critical patent/JP6459019B2/ja
Publication of JP2015221499A publication Critical patent/JP2015221499A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6459019B2 publication Critical patent/JP6459019B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/10Bump connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/15Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process
    • H01L2224/16Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process of an individual bump connector
    • H01L2224/161Disposition
    • H01L2224/16151Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
    • H01L2224/16221Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
    • H01L2224/16225Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation
    • H01L2224/16227Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation the bump connector connecting to a bond pad of the item
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/93Batch processes
    • H01L2224/95Batch processes at chip-level, i.e. with connecting carried out on a plurality of singulated devices, i.e. on diced chips
    • H01L2224/97Batch processes at chip-level, i.e. with connecting carried out on a plurality of singulated devices, i.e. on diced chips the devices being connected to a common substrate, e.g. interposer, said common substrate being separable into individual assemblies after connecting
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/19Details of hybrid assemblies other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/191Disposition
    • H01L2924/19101Disposition of discrete passive components
    • H01L2924/19105Disposition of discrete passive components in a side-by-side arrangement on a common die mounting substrate
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/30Technical effects
    • H01L2924/301Electrical effects
    • H01L2924/3025Electromagnetic shielding

Description

本発明は、複数の電子部品を一括封止するための積層シートおよびこれを用いて封止された実装構造体に関する。
回路基板には様々な電子部品が搭載されている。これらの電子部品の多くは、電磁波の影響を低減するために、導電性材料を含むシールド層で覆うことが望ましい。そこで、複数の電子部品と回路基板をモジュール化する際には、絶縁性の樹脂膜とシールド効果を有する導電膜とを積み重ねた積層シートを形成し、これにより、回路基板に搭載された電子部品を封止することが提案されている(特許文献1)。
特許文献1の樹脂膜は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂からなり、かつ複数の高さの異なる電子部品を同時に埋設させるだけの十分な厚みを有している。樹脂膜の厚さは、例えば、最大の高さを有する電子部品の高さよりも0.1mm程度厚く形成される。また、導電膜は、樹脂膜の外側から、樹脂膜全面を覆うことにより、シールド効果を発揮している。
特開2000−223647号公報
シールド効果を発揮する導電性材料は高価であり、実装構造体の製造コストを増大させる要因となる。しかし、特許文献1のように、従来の実装構造体では、導電膜は、樹脂膜の外側から、樹脂膜全面を覆っている。よって、導電性材料の使用量を低減してコスト削減することが困難である。
また、従来の実装構造体では、最大の高さを有する電子部品の高さよりも樹脂膜の厚さが大きく、かつ樹脂膜の外側に、更に所定厚さを有する導電膜が形成されている。このため、高さの低い電子部品と導電膜との間には、厚い樹脂膜が介在することになり、電子部品と導電膜との距離が大きくなる。従って、シールド効果の低減を避けるために、導電膜の厚さも大きくする必要がある。これにより、導電膜にかかるコストが更に増大するとともに、モジュールの高さが高くなり、低背化にも不利となる。
一方、電子部品モジュールに中空の空間を必要とする電子部品(RFIC、SAWなど)が含まれる場合、確保しようとする空間に封止材料が侵入しないように工夫する必要がある。そこで、予め電子部品を加工して、中空の空間を保持したパッケージを形成することが行われている。しかし、電子部品の加工には手間がかかり、コスト削減は更に困難となっている。また、微小化の傾向を強める電子部品においては、基板上に配列される電子部品同士の間隔は一層狭くなる傾向にある。基板との間に中空の空間を必要とする電子部品の場合、その空間を確保するために電子部品が嵩高くならざるを得ない。
上記に鑑み、本発明の一局面は、未硬化または半硬化の状態の第1熱硬化性樹脂組成物を含む第1領域を有し、絶縁性を有する第1層と、未硬化または半硬化の状態の第2熱硬化性樹脂組成物を含む第2層と、前記第1層と前記第2層との間に選択的形状で配置された導電性材料と、を有し、前記第1領域の25℃における伸び率が、50〜3000%である、封止用積層シートに関する。
本発明の別の局面は、(i)未硬化または半硬化の状態の第1熱硬化性樹脂組成物を含む第1領域を有し、絶縁性を有する第1層を形成する工程と、(ii)未硬化または半硬化の状態の第2熱硬化性樹脂組成物を含む第2層を形成する工程と、(iii)前記第1層および/または前記第2層の表面に、導電性材料を選択的形状で配置する工程と、を有し、前記第1領域の25℃における伸び率が、50〜3000%である、封止用積層シートの製造方法に関する。
本発明の別の局面は、回路基板と、それぞれ実装面を前記回路基板の表面に対向させて前記回路基板の表面に実装された第1電子部品および第2電子部品と、前記第1電子部品および前記第2電子部品を封止する保護層と、を具備し、前記保護層は、第1熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含む第1a領域を有し、絶縁性を有し、かつ前記第1電子部品および前記第2電子部品を覆うA層と、導電性材料を含み、かつ前記第1電子部品および/または前記第2電子部品を覆う選択的形状のシールド層と、第2熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、前記A層および前記シールド層を介して前記第1電子部品および前記第2電子部品を覆うB層と、を有し、前記第1a領域は、少なくとも前記第1電子部品を覆っている、実装構造体に関する。
本発明の更に別の局面は、(I)回路基板と、それぞれ実装面を前記回路基板の表面に対向させて前記回路基板の表面に実装された第1電子部品および第2電子部品と、を具備し、前記第1電子部品の前記実装面と前記回路基板との間に、中空の空間を有する実装構造体の前駆体を準備する工程と、(II)上記の封止用積層シートを準備する工程と、(III)前記積層シートの前記第1層側が、前記第1電子部品および前記第2電子部品と対向するように、前記積層シートを前記実装構造体の前駆体に配置する工程と、(IV)減圧雰囲気中で、前記積層シートを前記回路基板に対して押圧するとともに、前記積層シートを加熱することにより、前記第1電子部品および前記第2電子部品を封止する保護層を形成する工程と、を具備し、前記工程(IV)において、前記第1a領域が少なくとも前記第1電子部品を覆うように、前記第1層により、前記第1電子部品および前記第2電子部品を覆うA層を形成し、前記導電性材料により、前記第1電子部品および/または前記第2電子部品を覆う選択的形状のシールド層を形成し、前記第2層により、前記A層および前記シールド層を介して前記第1電子部品および前記第2電子部品を覆う前記B層を形成する、実装構造体の製造方法に関する。
本発明によれば、例えば、中空の空間が形成されるように封止すること(以下、中空封止)が必要な電子部品を含む複数種の電子部品を一括封止することができるとともに、優れたシールド効果を有する積層シートを低コストで提供することができる。このような積層シートを用いることによって、優れた性能の実装構造体もしくは電子部品モジュールを低コストで提供することができる。また、基板上に狭ピッチで配列された複数の電子部品および/または嵩高チップを含む複数の電子部品を一括封止することも容易となる。
一括封止される前の電子部品が搭載された回路基板の一例の外観を模式的に示す上面図である。 一実施形態に係る積層シートの外観を模式的に示す上面図である。 同積層シートのIII−III線矢視断面図である。 別の実施形態に係る積層シートの外観を模式的に示す上面図である。 一実施形態に係る一括封止された電子部品モジュールの外観を模式的に示す上面図である。 別の実施形態に係る一括封止された複数の電子部品モジュールの集合体の外観を模式的に示す上面図である。 図5の電子部品モジュールの内部構造の一部を示すa−a線矢視断面図である。 同電子部品モジュールの内部構造の一部を示すb−b線矢視断面図である。 同電子部品モジュールの内部構造の一部を示すc−c線矢視断面図である。 同電子部品モジュールの内部構造の一部を示すd−d線矢視断面図である。 同電子部品モジュールの内部構造の一部を示すe−e線矢視断面図である。 図5の電子部品モジュールの変形例の内部構造の一部を示すa−a線矢視断面図に対応する断面図である。 シールド層とグランド電極との接続状態を示す図5のf−f線矢視断面図である。
(1)本実施形態に係る封止用積層シート(以下、単に「積層シート」とも称する。)は、未硬化または半硬化の状態の第1熱硬化性樹脂組成物を含む第1領域を有し、絶縁性を有する第1層と、未硬化または半硬化の状態の第2熱硬化性樹脂組成物を含む第2層と、第1層と第2層との間に選択的形状で配置された導電性材料とを有する。ただし、第1領域の25℃における伸び率は、50〜3000%であり、100〜1500%であることが好ましい。ここで、導電性材料の選択的形状とは、当該導電性材料で覆われる電子部品の形状および大きさ、電子部品の数などにより定まる形状である。
本実施形態の積層シートは、回路基板上に搭載された複数の電子部品を一括して封止して、実装構造体もしくは電子部品モジュールを製造する際に用いられる。電子部品は、バンプを介して回路基板に実装される部品でもよく、バンプを介さずに実装される部品でもよい。
導電性材料を、熱硬化性樹脂組成物を含む第1層と第2層の間に介在させることで、熱硬化性樹脂組成物を電子部品の封止材料として利用するとともに、導電性材料をシールド層として利用することができる。また、シールド層は第1層に由来する封止材料だけを介して電子部品と接近した位置に形成されるため、電子部品とシールド層との距離は小さくなり、少量の導電性材料から形成された薄いシールド層でも十分なシールド効果が発揮される。更に、シールド層が薄いことに加え、最大の高さを有する電子部品を基準に封止材料の厚さを決定したり、その上に導電性材料を重ねたりする必要がないため、モジュールの低背化にも有利となる。
次に、導電性材料は、所定の電子部品だけを覆うように、第1層と第2層との間に、選択的形状で配置される。よって、導電性材料の必要量が更に低減し、コストが更に削減される。なお、コスト削減の観点からは、選択的形状で配置される導電性材料の面積は、第1層の面積に対する割合で、80%以下であり、例えば1〜80%であることが好ましい。ただし、導電性材料の面積および第1層の面積(もしくは第2層の面積)とは、積層シートをその法線方向から見たときの導電性材料および第1層(もしくは第2層)の投影面積である。
また、第2層の面積は、第1層の面積より大きくてもよく、小さくてもよい。第2層の面積が第1層の面積より大きい積層シートは、例えば、後述のモールドアンダーフィルを行う場合に利用できる。このとき、積層シートの第2層は、アンダーフィル材料を兼ねることができる。
また、第1層の第1領域の25℃における伸び率が50〜3000%と大きいことから、導電性材料が封止温度(積層シートにより電子部品を封止するときの成形温度)で流動性を有する場合には、導電性材料が第1層の伸びに追随して、任意の形状に変形できる。よって、電子部品を搭載した回路基板に、電子部品と接するように積層シートを押圧することで、第1領域もしくは第1層と導電性材料とが、電子部品の形状に沿って変形もしくは延伸し、回路基板との対向面を除く電子部品のほぼ全面を覆うことが容易となる。よって、シールド効果が高められる。第1領域の伸び率が50%未満になると、一括封止の際に第1層が破れる可能性があり、一括封止が困難となる。
第1領域の100℃における破断時の伸長粘度は、105Pa・s以上であることが好ましく、106〜109Pa・sであることが更に好ましい。これにより、第1層が、更に、電子部品の形状に沿って変形もしくは延伸しやすくなり、流動性を有する導電性材料も電子部品を覆いやすくなる。100℃での破断時の伸長粘度を105Pa・s以上とすることで、一括封止の際に第1層の流動性を制御しやすく、例えば過度な流動が防止される。よって、一括封止が容易となる。
第1領域の100℃における弾性率G´は、103〜109Paであることが好ましく、104〜107Paであることが更に好ましい。上記弾性率がこの範囲であれば、第1熱硬化性樹脂が軟化もしくは硬化する際にも、第1領域もしくは第1層が十分な強度を有することから、電子部品の形状に沿って積層シートが変形する際に、第1層にピンホールが形成されたり、破断したりする可能性が小さくなる。このような第1領域により、回路基板との対向面を除く電子部品のほぼ全面を覆うことにより、電子部品と回路基板との間の空間への封止材料の侵入を阻害することができる。よって、中空封止を容易に行うことができる。また、予め中空の空間を保持した電子部品パッケージを形成する必要がなくなる。
導電性材料の厚さは、1〜400μmであることが好ましく、1〜100μmであることが更に好ましい。これにより、コストの削減と十分なシールド効果を得ることが容易となる。
第1層の厚さは、1〜500μmであることが好ましい。これにより、電子部品と導電性材料との距離を小さくすることができ、少量の導電性材料の使用によって優れたシールド効果を発揮することが容易となる。また、電子部品の中空封止が行われる際に、中空の空間に封止材料が侵入するのを阻害するのに十分な強度を確保しやすくなる。この観点から、第1層の厚さは、2〜400μmが更に好ましく、5〜300μmがより好ましい。
上記実施形態の好ましい一態様では、導電性材料の一部は、第1層と重ならずに第1層側に露出している。この態様は、例えば、第1層がグランド接続用の孔を有する態様である。このような孔を設けることで、電子部品を積層シートで封止する際に、導電性材料が流動して孔に侵入し、回路基板などに設けられたグランド電極と接触する。これにより、導電性材料から形成されるシールド層とグランド電極との接続が容易に達成される。
グランド電極と導電性材料(シールド層)との接続を達成する手段は、上記に限られない。例えば、回路基板に設けられているグランド電極に、当該グランド電極と導通して回路基板から離れる方向に突出する突起を設けてもよい。このような突起は、電子部品を搭載した回路基板に積層シートを押圧する際に、積層シートの第1層を貫通する。これにより、突起と導電性材料との接続が達成される。
上記実施形態の好ましい一態様では、導電性材料は、複数の選択的形状を含む規則的なパターンで第1層と第2層との間に配置されている。このような積層シートは、複数の電子部品モジュールを一括封止する際に使用される。一括封止の後、封止されたモジュールは個片化される。
上記実施形態の一態様では、第1層が、第1領域とは異なる第2領域を有している。第2領域は、第1領域の伸び率の要件を満たさない領域であり、例えば25℃における伸び率が50%未満の領域である。すなわち、第1層は、第1領域のみで構成されてもよいが、互いに物性の異なる第1領域と第2領域とで構成されてもよい。また、第2領域は異なる物性の2種以上の領域を有してもよい。つまり、第1層は、3種以上の異なる物性を有する領域を含むことができる。
第2領域は、熱硬化性樹脂組成物(第3熱硬化性樹脂組成物)を含む。第2領域は、第1層の一部であるため、当然に絶縁性を有する。第2領域は、例えば、第1層の中空封止を要さない電子部品を覆う部分に配置される。すなわち、第1層のうち、第1領域は、少なくとも中空封止を要する電子部品を覆い、第2領域は、例えば、中空封止を要さない電子部品を覆う。
第1層は、単層構造でもよく、多層構造でもよい。換言すれば、第1領域および/または第2領域は、単層構造でもよく、多層構造でもよい。単層構造とは、積層シートの一方の表面から他方の表面までの領域が同じ物性を有する構造であり、多層構造とは、一方の表面から他方の表面までの領域の物性が厚さ方向に沿って段階的に変化する構造である。
(2)次に、本実施形態に係る封止用積層シートの製造方法は、(i)未硬化または半硬化の状態の第1熱硬化性樹脂組成物を含む第1領域(第1領域の25℃における伸び率は、50〜3000%である)を有し、絶縁性を有する第1層を形成する工程と、(ii)未硬化または半硬化の状態の第2熱硬化性樹脂組成物を含む第2層を形成する工程と、(iii)第1層および/または第2層の表面に、導電性材料を選択的形状で配置する工程とを有する。
第1層を形成する工程(i)、第2層を形成する工程(ii)および導電性材料を配置する工程(iii)の順序は限定されない。導電性材料(層)は、第1層を形成した後、第1層の表面に配置してもよく、第2層を形成した後、第2層の表面に配置してもよい。第1層および第2層のそれぞれの表面に導電性材料(層)の一部を配置し、これらを第1層と第2層との間に挟み込んでもよい。また、第1層または第2層を形成した後、その表面に導電性材料(層)を配置し、導電性材料(層)が付与された層の表面に、他方の層を形成し、積層化してもよい。
上記実施形態の一態様では、第1層と第2層とを形成した後、導電性材料を挟み込むように、第1層と第2層とを積層し、第1層、第2層および導電性材料が一体化される。このような一体化は、第1層と第2層とを、対ローラやプレス装置などにより圧着する方法により行うことができる。
上記実施形態の別の一態様では、工程(i)が、第1熱硬化性樹脂組成物を含む液状組成物を調製し、液状組成物から薄膜状の前記第1領域を形成することを含む。液状組成物は特に限定されないが、例えば、第1熱硬化性樹脂組成物および溶剤を含むワニスであり得る。この場合、工程(i)は、(i-i)第1熱硬化性樹脂組成物および溶剤を含むワニスを調製し、(i-ii)ワニスから薄膜を形成し、(i-iii)薄膜から溶剤を除去して第1領域を形成することを含む。このように、工程(i-i)で第1熱硬化性樹脂組成物をワニス化することで、工程(i-ii)で均一な組成を有し、かつ非常に薄い膜を形成することが容易となる。よって、モジュールの低背化に適し、かつ緻密な第1層を得ることができる。
工程(i-i)では、第1熱硬化性樹脂組成物と溶剤とを混合し、樹脂成分を溶剤に溶解させることが好ましい。第1熱硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂を含む場合、エポキシ樹脂はAステージであることが好ましい。Aステージとは、反応が進んでおらず、溶剤に可溶な状態である。
次に、工程(i-ii)では、例えば、ダイ、ロールコーター、ドクターブレードなどを用いて、剥離性基材もしくは予め作製された第2層の導電性材料が付与された面に、ワニスを塗工して、薄膜化すればよい。ワニスの塗工方法にもよるが、ワニスの塗工時の粘度は、10〜10000mPa・sとなるように調整することが好ましい。
その後、工程(i-iii)で、脱溶剤のために、薄膜を70〜150℃で、1〜10分間乾燥すればよい。このとき、第1層は、例えば、5〜300μmであることが望ましい。また、第1層を含む積層シートの厚みは、電子部品と回路基板との間の隙間と、電子部品の高さとの合計をLとするとき、Lの0.5〜2倍の厚さを有することが好ましく、Lの1.5倍以下の厚さを有することが更に好ましい。
例えば、回路基板に弾性表面波デバイス(SAW)が搭載されている場合、SAWの高さは、一般に200〜400μmである。また、SAWが具備するバンプの高さ(すなわち回路基板とSAWチップとの間の隙間の大きさ)は、一般に20〜80μmである。このとき、回路基板に搭載されているSAWの高さが最も大きいと仮定すると、積層シートの厚さは、110〜960μmであることが好ましく、220〜720μmであることが更に好ましい。
上記実施形態の工程(i)の別の一態様は、例えば、(i−ia)第1熱硬化性樹脂組成物およびゲル化剤を含む無溶剤ペーストを調製し、(i−iia)ペーストから薄膜を形成し、(i−iiia)薄膜をゲル化させることにより第1領域を形成することを含む。また、上記実施形態の工程(i)の更に別の一態様は、(i−ib)第1熱硬化性樹脂組成物を含む無溶剤ペーストを調製し、(i−iib)ペーストから薄膜を形成し、(i−iiib)薄膜を半硬化させることにより第1領域を形成することを含む。
上記製造方法では、導電性材料の一部が第1層と重ならずに第1層側に露出するように、第1層に開口(グランド接続用の孔)を形成してもよい。このような開口は、レーザ加工機による加工、プレス、パターン形成ができる印刷などにより形成することができる。開口の最大径は、例えば5〜400μmである。
導電性材料は、封止温度(成形温度)で流動性を有することが好ましく、例えば、導電性粉末を含むペーストであることが好ましい。導電性材料が流動性を有することで、電子部品の形状に追随しやすくなり、上記のような開口を設ける場合には、開口を通過してグランド電極に達することも容易となる。このようなペーストは、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂組成物(第4熱硬化性樹脂組成物)であることが好ましい。導電性材料を選択的形状に塗布するには、印刷法などを用いればよい。
(3)次に、本実施形態に係る実装構造体は、回路基板と、それぞれ実装面を回路基板の表面に対向させて回路基板の表面に実装された第1電子部品および第2電子部品と、第1電子部品および第2電子部品を封止する保護層と、を具備する。
ここで、保護層は、第1熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含む第1a領域を有し、絶縁性を有し、かつ第1電子部品および第2電子部品を覆うA層と、導電性材料を含み、かつ第1電子部品および/または第2電子部品を覆う選択的形状のシールド層と、第2熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、A層およびシールド層を介して第1電子部品および第2電子部品を覆うB層とを有する。ただし、第1a領域は、少なくとも第1電子部品を覆っている。第1a領域の弾性率G´(硬化後)は、例えば、25℃において1GPa以上であり、かつ100℃において0.5MPa以上である。
ここで、A層は、第1層の硬化物であり、第1a領域は、第1領域の硬化物である。シールド層は、導電性材料が熱硬化性樹脂組成物である場合には、導電性材料の硬化物である。B層は、第2層の硬化物である。なお、積層シートの場合と同様に、A層は、第1a領域以外の第2a領域を有してもよい。第2a領域は、第2領域の硬化物である。
第1a領域の25℃における弾性率G´は、1GPa〜50GPaであることが好ましい。第1a領域の100℃における弾性率G´は、1MPa〜40GPaであることが好ましい。ただし、第1a領域の各温度での弾性率G´は、硬化前の第1領域の同温度での弾性率G´より大きくなる。第1a領域が上記条件を満たすことで、信頼性の高い一括封止が可能となる。
第1a領域は、少なくとも第1電子部品を覆っている。よって、第1電子部品は、中空封止を要する電子部品である。第1a領域は、第1電子部品とともに第2電子部品を覆ってもよい。従って、第2電子部品も中空封止を要する電子部品であってもよい。なお、第2電子部品が中空封止を要さない電子部品である場合でも、第1a領域が第2電子部品を覆うことで、第1a領域に接するシールド層により、回路基板との対向面を除く第2電子部品のほぼ全面を覆うことが容易となる。
上記実施形態の好ましい一態様において、シールド層は、第1電子部品および前記第2電子部品を覆っている。これにより、電子部品モジュールの性能を向上させることができる。
上記実施形態の別の一態様では、シールド層は、第1電子部品および第2電子部品の一方を覆い、他方を覆っていない。電子部品の中には、電磁波の影響を受けにくいものもあるため、必ずしも全ての電子部品をシールド層で覆う必要はないからである。
第1電子部品が中空封止されている場合、第1電子部品の実装面と回路基板との間には、第1a領域により囲われ、保護層が侵入しない中空の空間が存在する。第2電子部品が中空封止されている場合にも、第2電子部品の実装面と回路基板との間には、第1a領域により囲われ、保護層が侵入しない中空の空間が存在する。ここで、中空の空間に侵入することを防止すべき保護層とは、主に、第2層に由来するB層である。第1層に由来するA層は、伸び率が大きいため、中空封止される電子部品のように嵩高な電子部品であっても、良好な封止状態を確保できる。また、回路基板と電子部品との隙間には、第2層(B層)が侵入しにくくなる。
上記実施形態の別の一態様では、第2電子部品の実装面と回路基板との間に、保護層が侵入している。この場合、第2電子部品は、第1a領域により覆われず、第2a領域に覆われていることが好ましい。第2a領域の原料である第3熱硬化性樹脂組成物は、電子部品と回路基板との間の隙間に侵入しやすいアンダーフィル材料として適した配合とすればよい。
上記実施形態の好ましい別の一態様では、回路基板の表面に複数の第1電子部品および複数の第2電子部品が規則的なパターンで実装されており、シールド層が、複数の第1電子部品および/または複数の第2電子部品の配置に対応して、複数の選択的形状を含む規則的なパターンで形成されている。このような実装構造体は、複数の電子部品モジュールの集合体であり、個片化して用いられる。すなわち、本実施形態に係る実装構造体は、複数の電子部品を一括封止して得られる電子部品モジュールだけでなく、複数の電子部品モジュールを一括封止して得られる複数の電子部品モジュール集合体を包含する。
上記実装構造体に、中空封止される電子部品が含まれる場合、当該電子部品の底面(回路基板との対向面)と回路基板との間の隙間と、電子部品の高さ(バンプなどを除く正味の厚さ)との合計は、例えば100μm以上である。また、互いに最近接する電子部品同士の間隔は、例えば最大でも500μmである。更に、最少の電子部品の面積(電子部品を回路基板の法線方向から見たときの電子部品の投影面積)は、例えば0.01mm2である。本実施形態によれば、このように嵩高い電子部品が含まれ、かつ複数の電子部品が狭ピッチで配列される構造であっても、良好な封止が可能である。
上記実装構造体において、回路基板の表面にグランド電極が設けられている場合には、シールド層の一部を、A層に設けたグランド接続用の孔からA層側に露出させ、当該グランド電極に接続することができる。
(4)次に、本実施形態に係る実装構造体の製造方法は、(I)実装構造体の前駆体(積層シートで封止される前の電子部品モジュールなど)を準備する工程と、(II)本実施形態に係る積層シートを準備する工程と、(III)積層シートを実装構造体の前駆体に配置する工程と、(IV)減圧雰囲気中で、積層シートを回路基板に対して押圧(例えば熱プレス)するとともに、積層シートを加熱することにより、保護層を形成する工程とを具備する。このとき、プレス圧力は、例えば0.05〜50MPaが好ましく、0.1〜30MPaが好ましい。
工程(III)では、積層シートの第1層側が、第1電子部品および第2電子部品と対向するように、積層シートが実装構造体の前駆体に配置される。これにより、第1電子部品および第2電子部品が一括して積層シートに覆われる。
工程(IV)では、例えば0.001〜0.05MPaの減圧雰囲気中で、例えば50〜200℃(好ましくは120〜180℃)で、1秒〜300分(好ましくは60分〜300分)の加熱を行い、積層シート中の熱硬化性樹脂を硬化させることにより、第1電子部品および第2電子部品を封止する保護層が形成される。熱プレスと積層シートの硬化とは、別々に実施してもよく、同時に実施してもよい。例えば、減圧雰囲気下、積層シートに含まれる熱硬化性樹脂の硬化温度未満で熱プレスした後、減圧を解除して、大気圧下で更に高温に加熱して、熱硬化性樹脂を硬化させてもよい。また、減圧雰囲気下で、硬化温度で熱プレスすることにより、減圧中に熱硬化性樹脂を硬化させてもよい。減圧雰囲気下で熱プレスすることにより、積層シートは各電子部品間から回路基板の表面に達するまで伸展することが容易となり、各電子部品の封止の信頼性を高めることができる。
ここで、実装構造体の前駆体は、回路基板と、それぞれ実装面を回路基板の表面に対向させて回路基板の表面に実装された第1電子部品および第2電子部品とを具備し、例えば第1電子部品の実装面と回路基板との間には、中空の空間を有する。
よって、工程(IV)では、第1a領域が少なくとも第1電子部品を覆うように、第1層により、第1電子部品および第2電子部品を覆うA層が形成される。また、導電性材料により、第1電子部品および/または第2電子部品を覆う選択的形状のシールド層が形成される。更に、第2層により、A層およびシールド層を介して第1電子部品および第2電子部品を覆うB層が形成される。
上記実施形態の好ましい一形態では、回路基板の表面に複数の第1電子部品および複数の第2電子部品が規則的なパターンで実装されている。また、積層シートの導電性材料は、複数の第1電子部品および/または複数の第2電子部品の配置に対応して、複数の選択的形状を含む規則的なパターンで配置されている。これにより、工程(IV)において、複数の第1電子部品および複数の第2電子部品を覆うA層、複数の第1電子部品および/または複数の第2電子部品を覆うシールド層、ならびにA層およびシールド層を介して複数の第1電子部品および複数の第2電子部品を覆うB層が一括して形成される。
工程(IV)を経ることにより、実装構造体の前駆体が有する中空の空間は、第1a領域により囲われることになり、中空のまま保持される。
また、積層シートにおいて、導電性材料の一部が、第1層と重ならずに第1層側に露出しており、かつ回路基板の表面にグランド電極が設けられているときは、工程(IV)において、導電性材料の一部が流動してグランド電極に到達し、両者の接続が達成される。これにより、グランド電極と接続されたシールド層を形成することができる。
上記のように、積層シートにより複数の電子部品を一括封止する場合、保護層の全体的な厚さを薄く形成することが可能である。よって、保護層の最も薄い部分の厚さは、例えば300μm以下であり、10μm〜200μmとすることも可能である。なお、保護層の最も薄い部分は、回路基板に搭載されている第1電子部品および第2電子部品のうち、最も嵩高い電子部品を封止する部分(当該電子部品の最上部を封止する部分)に形成される。
以下、実装構造体の各構成要素について、更に詳述する。
(シールド層)
シールド層は、周囲から電子部品への電磁波の影響を低減するため、あるいは電子部品自身から周囲への影響を低減するために設けられる。シールド層は、導電性材料を含む。導電性材料としては、柔軟な金属箔、金属めっき層、柔軟な金属メッシュなどを用いることもできるが、導電性粉末を含むペーストを用いることが好ましい。例えば、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む流動性を有する熱硬化性樹脂組成物が好ましく用いられる。熱硬化性樹脂は、特に限定されないが、第1層および/または第2層にも使用可能な熱硬化性樹脂を硬化剤などと組み合わせて用いることができる。
導電性粉末としては、銀、銅、ニッケルなどの金属粉末や炭素粉末を用いることができる。これらのうちでは、銀粉末が好ましい。一方、銀粉末は高価であるため、その使用量を低減することが特に望まれる。これに対し、本実施形態によれば、導電性材料もしくはシールド層を、電子部品の種類、形状、個数、配置等に応じて、選択的形状で設けることができる。すなわち、導電性材料を第1層および/または第2層の表面全面に塗布するのではなく、選択された領域だけに、選択された電子部品だけを覆い得る形状で塗布する。
本来、シールド層は、全ての電子部品に設けることが高性能を確保する観点から好ましい。しかし、コスト削減の観点から、一部の電子部品を選択してシールド層を設ける場合もある。例えば第1電子部品は、中空封止を要する電子部品であり、少なくともA層の第1領域で覆われているが、必ずしもシールド層で覆う必要はない。一方、一部の電子部品は、中空封止を要さないが、シールド層で覆う必要がある。上記実施形態に係る積層シートは、そのような場合にも、全ての電子部品を一括封止することができ、製造プロセスが簡略化される。このように、本実施形態はシールド層を選択的に設ける点に大きな特徴がある。
(電子部品)
中空封止を要する部品としては、RFIC、SAW、センサーチップ(加速度センサー等)、圧電振動子チップ、水晶振動子チップ、MEMSデバイスなどが挙げられる。このような電子部品を用いる場合、機能素子の活性面が保護層で封止されないようにしなければならない。例えば、SAWの活性面には、弾性表面波電極が形成されており、その機能を発揮させるためには、電極面を中空の空間に露出させる必要がある。
なお、回路基板に搭載される前から、既に機能面が中空封止されている電子部品を用いる場合には、積層シートを用いて電子部品を封止する際に、更に中空封止する必要はない。よって、このような電子部品は、本実施形態では第2電子部品に分類される。
シールド層を設けることがより好ましい電子部品としては、RFIC、SAW、FBAR、BAW、チップ多層LCフィルタ、誘電体フィルタ、積層セラミックコンデンサ(MLCC)などが挙げられる。一方、コンデンサなどは、必ずしもシールド層を形成する必要はない。
以上の電子部品は、(a)第1a領域で覆われることにより中空封止されており、シールド層で覆われている電子部品、(b)中空封止されておらず、シールド層で覆われている電子部品、(c)第1a領域で覆われることにより中空封止されており、シールド層で覆われていない電子部品、(d)中空封止されておらず、シールド層で覆われていない電子部品、の4タイプに分類することができる。
上記のうち、第1電子部品に分類され得るのは(a)と(c)のタイプであり、第2電子部品に分類され得るのは(a)以外のタイプである。いずれのタイプの第1電子部品と第2電子部品との組み合わせの場合にも、上記実施形態に係る積層シートにより、一括封止することができる。
本実施形態に係る実装構造体もしくは電子部品モジュールは、上記(a)と(b)のタイプの組み合わせ、上記(a)と(c)のタイプの組み合わせ、上記(a)と(d)のタイプの組み合わせ、上記(b)と(c)のタイプの組み合わせ、のいずれかを含む。たとえば、SAWとMLCCとコンデンサとの組み合わせ、RFICとMLCCとコンデンサとの組み合わせ、RFICとSAWとMLCCとコンデンサとの組み合わせを含む電子部品モジュールが上記組み合わせに該当する。
中空封止されていない電子部品(第2電子部品)には、(x)A層の第1a領域で覆われている場合、(y)第2a領域で覆われている場合、(z)A層で覆われていない場合、の3タイプがある。
(x)〜(z)のいずれの場合にも、上記実施形態に係る積層シートにより、一括封止することができる。ただし、(z)の場合、積層シートは第2層だけの領域を部分的に有することになる。このとき、回路基板と第2電子部品との間に空隙が存在する場合には、空隙にB層が充填されてもよい。すなわち、本実施形態は、積層シートがアンダーフィル材料を兼ねるモールドアンダーフィルを包含する。なお、第2電子部品は、積層シートによる一括封止の前に予めアンダーフィルを充填したアンダーフィル部品であってもよい。
(第1層およびA層)
第1層は、25℃における伸び率が50〜3000%、好ましくは100〜1500%である第1領域を有することから、薄膜化されても引っ張り張力による破れを生じにくい。よって、電子部品を搭載した回路基板に積層シートを押圧したときに、第1領域は、電子部品の回路基板との対向面を除くほぼ全面を覆うように延伸する。よって、第1層は、これに隣接するシールド層により電子部品のほぼ全面を覆うための、また、一部の電子部品を中空封止するための、重要な役割を担う。このような第1層を有する積層シートを用いることにより、信頼性よく、かつ歩留まりよく、中空封止を要する電子部品を含む微小な複数の電子部品を一括封止することができる。
(第1熱硬化性樹脂組成物)
第1層の第1領域を構成する第1熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含む。熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ユリア樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でもエポキシ樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂は、未硬化状態でもよく、半硬化状態でもよい。半硬化状態とは、熱硬化性樹脂がモノマーおよび/またはオリゴマーを含む状態であり、熱硬化性樹脂の三次元架橋構造の発達が不十分な状態をいう。半硬化状態の熱硬化性樹脂は、室温(25℃)では溶剤に溶解しないが硬化は不完全な状態、いわゆるBステージであることが望ましい。
エポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式脂肪族エポキシ樹脂、有機カルボン酸類のグリシジルエーテルなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。エポキシ樹脂は、プレポリマーであってもよく、ポリエーテル変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂のようなエポキシ樹脂と他のポリマーとの共重合体であってもよい。これらのうちでは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂および/またはビスフェノールF型エポキシ樹脂が、耐熱性および耐水性に優れ、かつ安価である点で好ましい。
エポキシ樹脂は、樹脂組成物の粘度調節のために、エポキシ基を分子中に1つ有する1官能エポキシ樹脂を、エポキシ樹脂全体に対して0.1〜30質量%程度含むことができる。このような1官能エポキシ樹脂としては、フェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、エチルジエチレングリコールグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエングリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチルグリシジルエーテルなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第1熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂の硬化剤を含むことができる。硬化剤は、特に限定されないが、例えば、フェノール系硬化剤(フェノール樹脂等)、ジシアンジアミド系硬化剤(ジシアンジアミド等)、尿素系硬化剤、有機酸ヒドラジド系硬化剤、ポリアミン塩系硬化剤、アミンアダクト系硬化剤、酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化剤などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化剤の種類は、熱硬化性樹脂に応じて適宜選択される。中でも、硬化時の低アウトガス性、耐湿性、耐ヒートサイクル性などの点から、フェノール系硬化剤を用いることが好ましい。
硬化剤の量は、硬化剤の種類によって異なる。ただし、エポキシ基1当量あたり、硬化剤の官能基の当量数が0.001〜2当量、更には0.005〜1.5当量となる量の硬化剤を用いることが好ましい。
なお、ジシアンジアミド系硬化剤、尿素系硬化剤、有機酸ヒドラジド系硬化剤、ポリアミン塩系硬化剤、アミンアダクト系硬化剤は、潜在性硬化剤である。潜在性硬化剤の活性温度は、60℃以上、更には80℃以上であるのが好ましい。また、活性温度は、250℃以下、更には180℃以下であるのが好ましい。これにより、活性温度以上で迅速に硬化する熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
第1熱硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤は、特に限定されないが、変性イミダゾール系硬化促進剤、変性脂肪族ポリアミン系促進剤、変性ポリアミン系促進剤などが挙げられる。硬化促進剤は、エポキシ樹脂などの樹脂との反応生成物(アダクト)として使用することが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化促進剤の活性温度は、保存安定性の点から、60℃以上、更には80℃以上が好ましい。また、活性温度は、250℃以下、更には180℃以下であるのが好ましい。
ここで、活性温度とは、潜在性硬化剤および/または硬化促進剤の作用により、熱硬化性樹脂の硬化が急速に早められる温度である。
硬化促進剤の量は、硬化促進剤の種類によって異なる。通常、エポキシ樹脂100質量部あたり、0.1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。なお、硬化促進剤をアダクトとして使用する場合、硬化促進剤の量は、硬化促進剤以外の成分(エポキシ樹脂など)を除いた硬化促進剤の正味の量を意味する。
第1熱硬化性樹脂組成物は、上記以外の第三成分を含んでもよい。第三成分としては、熱可塑性樹脂、無機フィラー、重合開始剤、難燃剤、顔料、シランカップリング剤、チキソ性付与剤などを挙げることができる。
熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン、ブロックイソシアネート、ポリエーテル、ポリエステル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ブチラール樹脂、ポリアミド、塩化ビニル、セルロースなどが挙げられる。中でも、第1熱硬化性樹脂組成物は、ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂の量は、エポキシ樹脂100質量部あたり、5〜200質量部が好ましく、10〜150質量部が特に好ましい。また、第1熱硬化性樹脂組成物は、ブロックイソシアネートを含むことが好ましく、特にNCO当量300〜1000のブロックイソシアネートを含むことが好ましい。
無機フィラーとしては、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素などを挙げることができる。無機フィラーの平均粒径は、第1層の厚さより小さいことが好ましく、体積粒度分布の累積体積50%における粒径(D50)は、例えば0.01〜100μmである。無機フィラーの量は、エポキシ樹脂100質量部あたり、1〜5000質量部が好ましく、10〜3000質量部がより好ましい。
重合開始剤は、光照射および/または加熱により、硬化性を発現する。重合開始剤としては、ラジカル発生剤、酸発生剤、塩基発生剤などを用いることができる。具体的には、ベンゾフェノン系化合物、ヒドロキシケトン系化合物、アゾ化合物、有機過酸化物、芳香族スルホニウム塩、脂肪族スルホニウム塩などのスルホニウム塩などを用いることができる。重合開始剤の量は、エポキシ樹脂100質量部あたり、0.1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
第1熱硬化性樹脂組成物および溶剤を含むワニスを調製する場合、溶剤は特に限定されないが、例えば、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤などを用いることができる。より具体的には、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)などを挙げることができる。
溶剤の量は、第1熱硬化性樹脂組成物に含まれる樹脂成分100質量部あたり、1〜20000質量部が好ましい。ここで、樹脂成分とは、溶剤に溶解する成分であり、例えば、熱硬化性樹脂、硬化剤(潜在性硬化剤を含む)、硬化促進剤および第三成分に含まれ得る熱可塑性樹脂などである。
第1層が、第1領域と第2領域を有する場合(A層が第1a領域と第2a領域を有する場合)には、例えば、上記方法でワニスから第1層を形成した後、その一部を除去し、除去された部分に第3熱硬化性樹脂組成物を充填すればよい。このような充填は、例えばスクリーン印刷により行うことができる。
(第2層およびB層)
第2層は、積層シートの多くの割合を占める部分であり、従来の一般的な封止材料に対応する部分である。第2層を構成する第2熱硬化性樹脂組成物は、所望の機能を有するように適宜配合される。通常、第2熱硬化性樹脂組成物には、透湿性および流動性を制御する観点から、無機フィラーが配合される。
第2熱硬化性樹脂組成物の各成分は、既に述べた第1熱硬化性樹脂組成物の構成成分から適宜選択すればよい。各成分の配合割合についても、上記と同様である。なお、第2領域を形成する第3熱硬化性樹脂組成物や導電性粉末を含むペーストを構成する第4熱硬化性樹脂組成物についても同様である。
次に、図面を参照しながら説明する。
図1は、一括封止される前の電子部品が搭載された回路基板10(すなわち実装構造体の前駆体)の一例の外観を模式的に示す上面図である。回路基板10の上面には、電子部品として、第1RFIC21、第1MLCC22、第1SAW23、第2RFIC24、第2MLCC25および第2SAW26が搭載されており、これらが集合して1つの電子部品モジュールを形成している。
図2は、上記複数の電子部品を一括封止するための積層シート30の外観を模式的に示す上面図であり、図3は、概念的な積層シート30のIII−III線矢視断面図である。積層シート30は、第1層31と、第2層32と、これらの間に介在する選択的形状の導電性材料33とで構成されている。ただし、第1層31の一部は切り欠かかれており、積層シートの一部は第2層のみからなる領域(図2右下の破線で囲まれた領域)を有する。更に、第1層31は、グランド接続用の孔40を有する。孔40の存在により、導電性材料33の一部は第1層と重なることなく第1層側に露出している。
図4は、複数の電子部品モジュールを一括封止するための積層シート30Aの外観を模式的に示す上面図である。積層シート30Aは、複数の積層シート30を規定のピッチでマトリックス状に配置した形態である。
図5は、積層シート30により一括封止された電子部品モジュールの外観を模式的に示す上面図であり、図6は、積層シート30Aにより一括封止された複数の電子部品モジュールの集合体の外観を模式的に示す上面図である。
図5に示すように、第2RFIC24以外の電子部品は、保護層300のA層310およびB層320で封止され、第2RFIC24はB層320のみで封止されている。また、回路基板10の第1RFIC21および第1MLCC22を搭載する領域には、選択的にシールド層330が設けられている。
図7〜11は、それぞれ図5の電子部品モジュールの内部構造の一部を示すa−a線矢視断面図、b−b線矢視断面図、c−c線矢視断面図、d−d線矢視断面図およびe−e線矢視断面図である。
図7のa−a線矢視断面図は、第1RFIC21および第1MLCC22の断面図を示している。第1RFIC21および第1MLCC22は、いずれもA層310で覆われ、かつその上からシールド層330で覆われている。これにより、第1RFIC21の下面と回路基板10との間には中空の空間が保持されている。また、シールド層330と電子部品の間には絶縁性を有するA層310が介在しているため、電子部品の短絡は起こらない。また、B層320は、回路基板10の上方の全体を覆っている。
図8のb−b線矢視断面図は、第1RFIC21および第1SAW23の断面図を示している。第1SAW23は、シールド層330で覆う必要はないが、中空封止が必要である。よって、第1SAW23は、A層310だけで覆われている。
図9のc−c線矢視断面図は、第1RFIC21および第2MLCC25の断面図を示している。第2MLCC25は、シールド層330で覆う必要も、中空封止も必要ではない。ただし、特に必要がない限り、A層310から第2MLCC25に対応する部分を削除する必要はなく、A層310で覆ってしまうことが効率的である。
図10のd−d線矢視断面図は、第2SAW26および第1MLCC22の断面図を示している。第2SAW26は、シールド層330で覆う必要はないが、中空封止が必要である。
図11のe−e線矢視断面図は、第2RFIC24および第2MLCC25の断面図を示している。第2RFIC24は、予め中空封止された部品であり、シールド層330で覆う必要も、中空封止も必要ではない。一方、第2RFIC24と回路基板10との間にはアンダーフィルが必要である。よって、第2RFIC24だけは、A層もシールド層も介さずにB層で直接封止されている。この形態では、B層がアンダーフィルの役割も果たしている。
図12は、図7に示すa−a線矢視断面図の変更例である。この形態では、A層の大半は第2領域310aであり、シールド層330を形成すべき領域に対応する領域だけに第1領域310bが形成されている。
図13は、図5のf−f線矢視断面図であり、シールド層330と回路基板10に設けられているグランド電極400との接続状態を示している。
以下、実施例により、本発明の実施形態を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
(1)電子部品モジュール
RFIC(サイズ:3.5mm×2.5mm、バンプを含む高さ0.65mm)、SAW(サイズ:2.0mm×2.0mm、バンプを含む高さ0.37mm)およびMLCC(サイズ:0.4mm×0.2mm、高さ0.2mm)が搭載されたセラミックス製の回路基板(京セラ株式会社製)を準備した。各電子部品の高さは回路基板にはんだ接合された状態での高さである。RFICと回路基板との間には、高さ50μmの隙間が形成されており、SAWと回路基板との間には、高さ80μmの隙間が形成されている。最近接するチップ同士の間隔は300μmとした。
(2)積層シート
(第1層)
(第1ワニス:第1領域形成用)
エポキシ樹脂(1)100質量部、硬化剤(1)63質量部、硬化促進剤(1)1.0質量部、フィラー(1)75質量部、樹脂A20質量部、樹脂B3.5質量部、シランカップリング剤3質量部および微粉シリカ1質量部を含む第1熱硬化性樹脂組成物を、溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と混合し、25℃での粘度が20000mPa・sの第1ワニスを得た。
上記材料の詳細を以下に示す。
エポキシ樹脂(1):ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量167)、商品名jER807(三菱化学(株)製)
硬化剤(1):フェノール樹脂(水酸基当量106)、商品名H−1(明和化成工業(株)製)
硬化促進剤(1):イミダゾール系化合物、商品名2E4MZ−CN(四国化成工業(株)製)
フィラー(1):球状溶融シリカ(平均粒径10μm)、商品名SE−902(トクヤマ(株)製)
樹脂A:ポリエステル樹脂(水酸基当量3300)、商品名UE−3980(ユニチカ株式会社)
樹脂B:ブロックイソシアネート(NCO当量538)、商品名TRIXENE7990((株)GSIクレオス製)
シランカップリング剤:商品名KBM−403(信越化学工業(株)製)
微粉シリカ:商品名RY−200(日本アエロジル株式会社)
(第2ワニス:第2領域形成用)
エポキシ樹脂(2)100質量部、硬化剤(1)58質量部、硬化促進剤(1)1.0質量部、フィラー(1)470質量部、シランカップリング剤3質量部および微粉シリカ1質量部を含む第3熱硬化性樹脂組成物を、溶剤であるPGMEAと混合し、25℃での粘度が20000mPa・sの第2ワニスを得た。
上記材料の詳細を以下に示す。
エポキシ樹脂(2):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180)、商品名jER828(三菱化学(株)製)
硬化剤(1)、硬化促進剤(1)、フィラー(1)、シランカップリング剤および微粉シリカは、上記第1熱硬化性樹脂組成物用と同じ
得られた第1および第2ワニスを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材フィルム上に第1層を形成した。具体的には、第1および第2ワニスをスクリーン印刷機で基材フィルム上に塗工して薄膜化し、薄膜を110℃で10分間乾燥させ、乾燥後の厚さが200μmの第1層を得た。その際、第1および第2ワニスを塗り分けることにより、第1領域と第2領域とを有する第1層を形成した。第1領域は、電子部品モジュールの中空封止部分(RFICおよびSAW搭載部分)に対応し、第2領域はそれ以外の部分に対応する。
(第2層)
エポキシ樹脂(3)100質量部、硬化剤(1)53質量部、硬化促進剤(2)1.0質量部、フィラー(2)650質量部、シランカップリング剤3質量部および微粉シリカ1質量部を含む第2熱硬化性樹脂組成物を、溶剤であるPGMEAと混合し、25℃での粘度が20000mPa・sの第3ワニスを得た。得られたワニスを第1層と同様の方法で厚さ700μmの基材フィルム上に成形し、第2層を得た。
以下に、第2熱硬化性樹脂組成物の各成分の詳細を示す。
エポキシ樹脂(3):クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量200)、商品名EOCN1020−55(日本化薬(株)製)
硬化促進剤(2):リン系化合物、TPP(サンアプロ(株)製)
フィラー(2):球状溶融シリカ(平均粒径10μm)、商品名S430(新日鐵住金マテリアルズ(株)製)
硬化剤(1)、シランカップリング剤および微粉シリカは、上記第1熱硬化性樹脂組成物用と同じ
(導電性材料)
エポキシ樹脂(1)100質量部、硬化剤(1)63質量部、硬化促進剤(1)1.0質量部、導電性フィラー(銀粉末)1500質量部、樹脂A20質量部、樹脂B3.5質量部およびシランカップリング剤3質量部および微粉シリカ1質量部を含む第4熱硬化性樹脂組成物(銀ペースト)を調製した。銀ペーストを溶剤であるPGMEAと混合し、25℃での粘度が20000mPa・sの第4ワニスを得た。得られたワニスを、スクリーン印刷機で基材フィルム上に塗工して薄膜化し、薄膜を110℃で10分間乾燥させ、乾燥後の厚さが50μmの導電性材料のシートを得た。このシートを第1層の一方の表面に、所定の選択的形状となるように積層した。第1層の面積に対する導電性材料の面積の割合は40%であった。
以下に、第4熱硬化性樹脂組成物の各成分の詳細を示す。
導電性フィラー:福田金属箔粉(株)の銀粉末(商品名Ag−XF301(平均粒径6μm))と、日本アトマイズ加工(株)製の銀粉末(商品名HXR−Ag(平均粒径1μm))との質量比75%:25%の混合物
エポキシ樹脂(1)、硬化剤(1)、硬化促進剤(1)、樹脂A、樹脂B、シランカップリング剤および微粉シリカは、上記第1熱硬化性樹脂組成物用と同じ
導電性材料が選択的形状で積層された第1層と第2層とを、導電性材料を挟み込むように積層し、全体をプレス装置でプレスして3層を一体化し、積層シートを得た。第1層と第2層の面積は同じとした。
[評価方法]
(1)第1層の第1領域の伸び率
以下の条件で測定した。
サンプル幅:10mm
装置:ARES(TA Instruments社製)
温度条件:25℃
モード:一定Hencky歪
(2)中空封止の状態
電子部品を搭載した回路基板に、RFICとMLCCだけが導電性材料で覆われ、SAWは覆われないように位置合わせして、第1層側が電子部品と接触するように積層シートを配置した。その後、0.01MPaの減圧雰囲気下で、積層シートを回路基板に対して0.5MPaで押圧しながら100℃で1分間加熱した。その後、150℃で更に3時間加熱し、積層シートを硬化させ、電子部品を一括封止し、実装構造体A1を得た。
以下の基準で評価した。
○:RFICおよびSAWが中空封止されている
×:RFICおよびSAWは中空封止されていない
(3)シールド性能
KEC法(治具:アンリツ株式会社製のMA8602B、周波数:100k〜1GHz)により、電磁波シールド性能を評価した。
○:シールド効果30dB以上
△:シールド効果10dB以上〜30dB未満
×:シールド効果10dB未満
30dB以上のシールド効果が得られる場合、基板および/またはICなどのノイズ源から誘起される輻射ノイズの抑制に有効である。
(4)小型化
従来品である下記の比較例2と比較し、積層シートによる封止後の実装構造体の厚みが薄くなっている場合(低背化ができている場合)を○、厚くなっている場合を×と評価した。
(5)封止プロセス
比較例2に比べ、工程数が少なくなる場合を○、同じか多くなる場合を×と評価した。
《実施例2》
実施例1の銀ペーストのワニスの代わりに、圧延銅箔(厚み9μm、JX日鉱日石金属(株)製)に網目状の切り込みを入れたシートを用いた。その他は、実施例1と同様に積層シートを製造し、電子部品を一括封止し、実装構造体A2を得た。
《比較例1》
第1層に第1領域を設けず、導電性材料を第1層と第2層との間に介在させなかったこと以外、実施例1と同様に積層シートを製造し、電子部品を一括封止した。その後、電子部品を個片化し、RFICおよびMLCCがカバーできるように金属キャップ(金属層の厚み300μm)を装着して、シールド層を形成し、実装構造体B1を得た。
《比較例2》
第1層に第2領域を設けず、導電性材料を第1層と第2層との間に介在させなかったこと以外、実施例1と同様に、積層シートAを製造した。一方、第1層に第1領域を設けず、導電性材料を第1層と第2層との間に介在させなかったこと以外、実施例1と同様に、積層シートBを製造した。積層シートAにより、電子部品モジュールのRFICとSAWが搭載されている部分を封止するとともに、積層シートBにより、MLCCが搭載されている部分を封止した。その後、積層シートから形成された保護層の全面が覆われるように、スクリーン印刷により、銀ペーストのワニスを印刷し、乾燥させ、導電性材料からなるシールド層(厚さ100μm)を形成し、実装構造体B2を得た。
実施例1によれば、シールド層を保護層内に設けることができ、かつ複数の電子部品を一括封止できるため、実装構造体の低背化やプロセスの簡略化が可能であり、低コスト化も可能である。また、実施例2では、銀の代わりに銅を用いているため、更なる低コスト化が可能である。
一方、比較例1では、複数の電子部品の一括封止は可能であるが、電子部品モジュールの個片化後に金属キャップを形成する必要がある。よって、工程数が多くなり、実装構造体の小型化および低背化も困難であった。比較例2では、個々のシートで別々のプロセスで電子部品を封止したため、プロセスが煩雑化し、製造コストが高くなった。
本発明によれば、様々な電子部品を一括封止することができ、同時に、電磁波シールドおよび放熱の作用を有するシールド層を設置できる。よって、実装構造体の製造プロセスの簡略化と製造コストの低減が可能である。本発明は、例えば中空封止が必要な部品を含む様々な種類の電子部品を回路基板に搭載した実装構造体の分野において有用である。
10・・・回路基板、21・・・第1RFIC、22・・・第1MLCC、23・・・第1SAW、24・・・第2RFIC、25・・・第2MLCC、26・・・第2SAW、30(30A)・・・積層シート、31・・・第1層、32・・・第2層、33・・・導電性材料、40・・・グランド接続用の孔、300・・・保護層、310・・・A層、310a・・・第2領域、310b・・・第1領域、320・・・B層、330・・・シールド層、400・・・グランド電極

Claims (13)

  1. 未硬化または半硬化の状態の第1熱硬化性樹脂組成物を含む第1領域を有し、絶縁性を有する第1層と、
    未硬化または半硬化の状態の第2熱硬化性樹脂組成物を含む第2層と、
    前記第1層と前記第2層との間に選択的形状で配置された導電性材料と、を有し、
    前記第1領域の25℃における伸び率が、50〜3000%である、封止用積層シート。
  2. 前記導電性材料の一部が、前記第1層と重ならずに前記第1層側に露出している、請求項1に記載の封止用積層シート。
  3. 前記導電性材料が、複数の前記選択的形状を含む規則的なパターンで前記第1層と前記第2層との間に配置されている、請求項1または2に記載の封止用積層シート。
  4. 前記第1層が、前記第1領域とは異なる第2領域を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の封止用積層シート。
  5. (i)未硬化または半硬化の状態の第1熱硬化性樹脂組成物を含む第1領域を有し、絶縁性を有する第1層を形成する工程と、
    (ii)未硬化または半硬化の状態の第2熱硬化性樹脂組成物を含む第2層を形成する工程と、
    (iii)前記第1層および/または前記第2層の表面に、
    導電性材料を選択的形状で配置する工程と、を有し、
    前記第1領域の25℃における伸び率が、50〜3000%である、封止用積層シートの製造方法。
  6. 前記第1層と前記第2層とを形成した後、前記導電性材料を挟み込むように、前記第1層と前記第2層とを積層し、前記第1層、前記第2層および前記導電性材料を一体化する工程、を更に有する、請求項5に記載の封止用積層シートの製造方法。
  7. 前記工程(i)が、
    (i-i)前記第1熱硬化性樹脂組成物および溶剤を含むワニスを調製し、
    (i-ii)前記ワニスから薄膜を形成し、
    (i-iii)前記薄膜から前記溶剤を除去して前記第1領域を形成する、ことを含む、請求項5または6に記載の封止用積層シートの製造方法。
  8. 前記導電性材料の一部が、前記第1層と重ならずに前記第1層側に露出するように、前記第1層に開口を形成する工程、を更に有する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の封止用積層シートの製造方法。
  9. 前記導電性材料が、導電性粉末を含むペーストである、請求項5〜8のいずれか1項に記載の封止用積層シートの製造方法。
  10. (I)回路基板と、それぞれ実装面を前記回路基板の表面に対向させて前記回路基板の表面に実装された第1電子部品および第2電子部品と、を具備し、前記第1電子部品の前記実装面と前記回路基板との間に、中空の空間を有する実装構造体の前駆体を準備する工程と、
    (II)請求項1に記載の封止用積層シートを準備する工程と、
    (III)前記積層シートの前記第1層側が、前記第1電子部品および前記第2電子部品と対向するように、前記積層シートを前記実装構造体の前駆体に配置する工程と、
    (IV)減圧雰囲気中で、前記積層シートを前記回路基板に対して押圧するとともに、前記積層シートを加熱することにより、前記第1電子部品および前記第2電子部品を封止する保護層を形成する工程と、を具備し、
    前記工程(IV)において、
    前記第1a領域が少なくとも前記第1電子部品を覆うように、前記第1層により、前記第1電子部品および前記第2電子部品を覆うA層を形成し、
    前記導電性材料により、前記第1電子部品および/または前記第2電子部品を覆う選択的形状のシールド層を形成し、
    前記第2層により、前記A層および前記シールド層を介して前記第1電子部品および前記第2電子部品を覆う前記B層を形成する、実装構造体の製造方法。
  11. 前記回路基板の前記表面に複数の前記第1電子部品および複数の前記第2電子部品が規則的なパターンで実装されており、
    前記積層シートの前記導電性材料が、前記複数の第1電子部品および/または前記複数の第2電子部品の配置に対応して、複数の前記選択的形状を含む規則的なパターンで配置されており、
    前記工程(IV)において、複数の前記第1電子部品および複数の前記第2電子部品を覆う前記A層、複数の前記第1電子部品および/または複数の前記第2電子部品を覆うシールド層、ならびに前記A層および前記シールド層を介して複数の前記第1電子部品および前記第2電子部品を覆う前記B層を一括して形成する、請求項10に記載の実装構造体の製造方法。
  12. 前記工程(IV)により、前記中空の空間を前記第1a領域により囲うことにより、中空のまま保持する、請求項10または11に記載の実装構造体の製造方法。
  13. 前記積層シートにおいて、前記導電性材料の一部が、前記第1層と重ならずに前記第1層側に露出しており、かつ前記回路基板の前記表面にグランド電極が設けられており、
    前記工程(IV)において、前記導電性材料の一部を流動させて前記グランド電極に接触させることにより、前記グランド電極と接続された前記シールド層を形成する、請求項10〜12のいずれか1項に記載の実装構造体の製造方法。
JP2014105953A 2014-05-22 2014-05-22 封止用積層シートおよびその製造方法ならびに封止用積層シートを用いて封止された実装構造体およびその製造方法 Active JP6459019B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014105953A JP6459019B2 (ja) 2014-05-22 2014-05-22 封止用積層シートおよびその製造方法ならびに封止用積層シートを用いて封止された実装構造体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014105953A JP6459019B2 (ja) 2014-05-22 2014-05-22 封止用積層シートおよびその製造方法ならびに封止用積層シートを用いて封止された実装構造体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015221499A JP2015221499A (ja) 2015-12-10
JP6459019B2 true JP6459019B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=54784829

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014105953A Active JP6459019B2 (ja) 2014-05-22 2014-05-22 封止用積層シートおよびその製造方法ならびに封止用積層シートを用いて封止された実装構造体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6459019B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6865340B2 (ja) * 2017-03-31 2021-04-28 ナガセケムテックス株式会社 実装構造体の製造方法およびこれに用いられる積層シート
JP6894076B2 (ja) * 2017-03-31 2021-06-23 ナガセケムテックス株式会社 実装構造体の製造方法およびこれに用いられる積層シート
JP7038726B2 (ja) * 2017-09-29 2022-03-18 ナガセケムテックス株式会社 実装構造体の製造方法およびこれに用いられるシート
US11710645B2 (en) * 2017-12-14 2023-07-25 Nagase Chemtex Corporation Manufacturing method of mounting structure, and sheet therefor
CN108601241B (zh) * 2018-06-14 2021-12-24 环旭电子股份有限公司 一种SiP模组及其制造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01164099A (ja) * 1987-12-21 1989-06-28 Shin Etsu Chem Co Ltd 放熱シールドシート
JPH11317592A (ja) * 1998-05-07 1999-11-16 Porimatec Kk 熱伝導性電磁波シールドシート
JP2000174485A (ja) * 1998-12-04 2000-06-23 Sumitomo Rubber Ind Ltd 透光性電磁波シールドフィルムおよび透光性電磁波シールドパネルの製造方法
JP4498715B2 (ja) * 2003-09-26 2010-07-07 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置の作製方法
JP4534463B2 (ja) * 2003-10-30 2010-09-01 日亜化学工業株式会社 Ledユニット
KR100874302B1 (ko) * 2005-02-18 2008-12-18 도요 잉키 세이조 가부시끼가이샤 전자파 차폐성 접착필름, 그 제조방법 및 피착체의 전자파차폐방법
JP6263846B2 (ja) * 2012-08-16 2018-01-24 住友ベークライト株式会社 電磁波シールド用フィルム、および電子部品の被覆方法
JP2014090150A (ja) * 2012-10-05 2014-05-15 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 電磁波シールド性カバーレイフィルム、フレキシブルプリント配線板の製造方法、及びフレキシブルプリント配線板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015221499A (ja) 2015-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6459019B2 (ja) 封止用積層シートおよびその製造方法ならびに封止用積層シートを用いて封止された実装構造体およびその製造方法
US11315804B2 (en) Manufacturing method of mounting structure
WO2015151514A1 (ja) 中空部を有する回路部材および実装構造体、ならびに実装構造体の製造方法
KR102513134B1 (ko) 실장 구조체의 제조 방법 및 이것에 이용되는 시트
CN111279472B (zh) 安装结构体的制造方法及其中使用的片材
JP6894076B2 (ja) 実装構造体の製造方法およびこれに用いられる積層シート
JP6975547B2 (ja) 実装構造体の製造方法およびこれに用いられる積層シート
JP6865340B2 (ja) 実装構造体の製造方法およびこれに用いられる積層シート
JP2006233200A (ja) 異方性導電性接着フィルム
WO2018181597A1 (ja) 実装構造体の製造方法およびこれに用いられるシート材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170427

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180514

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20180514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6459019

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250