[第1実施形態]
以下、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(光学的情報読取装置の全体構成)
図1〜図3等に示す据置型情報コード読取装置1(以下、単に読取装置1ともいう)は、机や棚などの上面を載置面(図4、図5の載置面Fを参照)としてこの載置面上に載置される据置型装置として構成されており、バーコード等の一次元コードやQRコード(登録商標)等の二次元コードなど情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能を有している。
読取装置1は、例えばABS樹脂等の樹脂材料によって構成されるケース3を備えている。このケース3は、図4〜図6等に示すように、上ケース4aと下ケース4bと備えており、これら上ケース4aと下ケース4bとが上下に組み付けられた構成で全体として箱状に形成されている。そして、ケース3の内部には、後述する反射部材29、結像部27、撮像部23、導光部材50などの各部品が収容されている。また、図3等に示すように、ケース3の上面部(読取側壁部3a)には光の出入口となる読取口5が形成されており、読取口5を介してケース外からの光がケース内に入り込み、ケース内からの光がケース外に放出されるようになっている。そして、反射部材29、結像部27、撮像部23によって構成される光学系は、この読取口5を介してケース外の情報コードを撮像するように機能している。
また、箱状に構成されるケース3には、据置型情報コード読取装置1を載置するときの載置面側(図4の例では載置面F側)に設けられる底壁部3bと、読取口5が形成された読取側壁部3aとが対向して設けられている。そして、底壁部3bが載置面Fに支持されるように配置され、この底壁部3bと対向する読取側壁部3aが、情報コードCを翳す側の露出壁部として構成されている。なお、本構成では、底壁部3bと読取側壁部3aとの対向方向(即ち、ケース3の厚さ方向であり、図2に示す載置面Fと直交する方向)を上下方向とし、読取口5が形成された側(読取側壁部3a側)を上方側、それとは反対側(底壁部3b側)を下方側としている。また、この上下方向と直交する平面方向を水平方向としている。なお、透明板7の厚さ方向(即ち、透明板7の板面と直交する方向)も上下方向となっており、後述する第2視野範囲AR2の光軸L2の方向も上下方向となっている。
ケース3の上面側には、上ケース4aの上端部に形成された開口部4cを閉じる構成で透明板7が配置されている。この透明板7は、所定の厚さの平坦な板として構成され、ケース3の外部からの光が透過可能となる光透過性の部材(例えば、透明なアクリル樹脂や透明ガラス等)によって構成されている。この透明板7は、防塵プレートとして機能しており、このような透明板7が上ケース4aに形成された開口部4cを閉塞することで、ケース3を閉塞し、ケース3の内部(特に、反射部材29、結像部27、撮像部23などが収容された収容空間)にケース外からの異物(塵や埃など)が入り込みにくくなっている。また、透明板7の上面部(ケース外に露出する側の板面部)を部分的に覆う構成で光遮光性の高い塗料などからなる被覆層8が形成されている。この被覆層8は、透明板7の周縁部に沿って環状に形成されており、この被覆層8の内縁部によって構成される開口部が読取口5となっている。
次に、読取装置1の電気的構成について説明する。図9に示すように、読取装置1は、主に、照明光源21、結像部27、撮像部23等の光学系と、メモリ35、制御回路40等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、図示しない電源部、電源スイッチ等の電源系とを備えている。
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、照明光を照射可能な光源として機能するものであり、例えば、LEDなどによって構成されている。この照明光源21は、ケース3の長手方向一方側に配置される第1光源21a,21bと、ケース3の長手方向他方側に配置される第2光源21c,21dとを備えており、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dのそれぞれがLEDなどの投光素子として構成され、上下方向に対して横向きに照明光を照射する機能を有している。
また、図1〜図8で示すように、投光光学系は、照明光源21からの光を導く導光部材50を備えている。この導光部材50は、ケース3の内部において照明光源21からの照明光が照射される位置に配置され、照明光源21からの照明光が読取口5の開口領域γ(図4等参照)を通ってケース3の外部に照射されるように導く構成となっている。なお、導光部材50の詳細は後述する。
図9で示すように、受光光学系は、撮像部23、結像部27、反射部材29(図1、図2等)などによって構成されている。
撮像部23は、例えばCCD素子やCMOS素子等の固体撮像素子(受光素子)が二次元的に配列された受光センサ(エリアセンサ)などによって構成されており、図4、図9等に示すように、結像部27に面する側にケース外からの光を受光し得る受光面23aが配置されている。この撮像部23は、反射部材29で反射された光が結像部27を通過して受光面23aに入り込もうとする入射光を受光し得るように基板に実装されている。そして、例えば、図9のように、情報コードCが示された読取対象物Rが視野範囲内に配置されたとき(例えば、読取対象物Rにおける情報コードCを表示する側の面が開口領域γ内において透明板7に接触又は近接するように配置されたとき)、この情報コードC及び読取対象物Rに照射されて反射した反射光Lr(図9参照)を受光する構成となっている。また、撮像部23は、受光面23aにおいて光を検出しうる領域(固体撮像素子が配置された領域)が「所定の受光領域」として設定されており、図4等では、撮像部23における受光領域の範囲を符号D1にて概念的に示している。即ち、受光面23aにおいて範囲D1に入射する光が撮像部23に検出されるようになっている。なお、図4等に示す例では、撮像部23における受光領域の範囲は、例えば受光面23aにおいて光軸L1を中心とする上下方向所定範囲となっており、且つ光軸L1を中心とする左右方向(幅方向)所定範囲となっている。なお、図4等に示す例では、受光面23aが前後方向とほぼ直交して配置されている。
結像部27は、公知の結像レンズによって構成され、結像光学系として機能している。この結像部27は、撮像部23で撮像可能となる視野範囲を定めると共に、ケース3の外部から読取口5を通過して入り込んだ光(具体的には、当該入射光が反射部材29で反射した光)を撮像部23の受光領域に導く構成となっている。そして、結像部27は、ケース3の外部において視野範囲内に情報コードCが配置されたときに当該情報コードCの像を撮像部23の受光領域に結像させるように機能する。本構成では、照明光源21から照射され、導光部材50によってケース外に導かれた照明光を情報コードCに当てながら当該情報コードCを撮像し得るようになっており、結像部27は、情報コードCが視野範囲内(撮像エリア内)に配置されたときに、この情報コードCからの反射光Lrを集光し、撮像部23の受光面23aに情報コードCの像を結像させるように構成されている。なお、結像部27としては、例えば、焦点距離が短く画角の広い広角レンズを好適に用いることができる。
図9で示すように、マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路34、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40等によって構成されており、例えば上述した光学系によって撮像された情報コードCの画像信号を信号処理するように構成されている。具体的には、視野範囲内に配置された情報コードCが撮像部23によって撮像されたときの撮像画像のデータをメモリ35に記憶可能に構成されており、制御回路40は、このような情報コードCの画像データを解析し、当該情報コードCに記録されたデータを公知の解読方法で解読するように構成されている。なお、制御回路40は、解読部の一例に相当し、視野範囲内に配置された情報コードCが撮像部23によって撮像された場合に、この情報コードCのコード画像を解読するように機能する。
なお、図9等では図示を省略しているが、読取装置1には押圧ボタンなどの操作部が設けられていてもよく、この場合、ユーザが操作部を操作したときにその操作に応じた信号が制御回路に入力されることとなる。また、公知の通信インタフェースが設けられていてもよく、この構成では、読取装置1から図示しない外部装置に情報を送信したり、読取装置1が外部装置から情報を受信したりすることが可能となる。また、制御回路40によって後述する発光素子60(第1発光素子61a,62a、第2発光素子61b,62b)が動作可能とされている。
読取対象となる情報コードCとしては、例えばQRコード(登録商標)などが挙げられ、公知のコードであれば、データマトリックスコードやマキシコードなどの他の二次元コードであってもよい。或いは、バーコードなどの公知の一次元コードであってもよい。また、読取対象となる情報コードCの形成方法は特に限定されず、印刷、ダイレクトマーキング、画像表示など様々な方法が想定される。また、読取対象物R(図9)の材質や構造も様々であり、金属材料、樹脂材料、紙など、様々な材料が対象となり、携帯端末(携帯電話機やスマートフォンなどの携帯型情報処理装置)やその他の情報処理装置などであってもよい。
(撮像構造)
次に、撮像構造等について詳述する。
本構成では、ケース3の内部に反射部材29、結像部27、撮像部23、照明光源21、導光部材50が収容されている。以下では、これら反射部材29、結像部27、撮像部23、照明光源21、導光部材50等について、より詳細に説明する。
なお、本明細書では、上下方向と直交する平面方向(水平方向)において、ケース3の長手方向を幅方向(左右方向)とし、その平面方向(水平方向)においてケース3の短手方向(上下方向及び幅方向と直交する方向)を前後方向とする(図3参照)。
図4〜図6等に示すように、本構成では、ケース3の上面部(上壁部)として、板状且つ略矩形状(略長方形状)の透明板7が配置されており、この透明板7及びこれを被覆する被覆層8が読取側壁部3aに相当している。図3のように読取装置1を平面視したときの透明板7の長手方向中央部及び短手方向中央部には、略矩形状(略長方形状)の読取口5が形成されている。読取口5は、図3のように平面視したときに、当該読取口5の開口領域γ(図3に示す境界線P3(一点鎖線)の内側の領域であり、図4も参照)に反射部材29の反射領域(反射面の領域)が全て収まるようなサイズ及び位置で形成されている。即ち、図3に示す幅方向において、読取口5の幅方向一端部5aと幅方向他端部5bとの間に反射部材29の幅方向一端部と他端部が配置され、図3に示す前後方向において、読取口5の前後方向一端部5cと前後方向他端部5dとの間に反射部材29の前後方向一端部と他端部が配置されている。なお、読取口5の幅方向一端部5aと幅方向他端部5bの縁部は、いずれも前後方向に直線状に延びており、読取口5の前後方向一端部5cと前後方向他端部5dはいずれも幅方向(左右方向)に直線状に延びている。
図4〜図6等に示すように、ケース3の底壁部3bは、ケース3の下面部として板状に構成されており、読取装置1が載置面Fに載置されるときに、当該底壁部3bの下面側が載置面Fに支持される構成となっている。この底壁部3bは、厚さ方向を上下方向とする構成で外面(下面)の大部分が略平坦面として構成されている。そして、箱状に構成されるケース3の底として機能している。なお、読取側壁部3a(上面部)と底壁部(下面部)との間には、ケース3内の収容空間(反射部材29、結像部27、撮像部23などが収容される空間)の周囲を取り囲むように側壁部3cが設けられている。この側壁部3cは、幅方向両側に配置される一対の側壁(いずれも前後方向に延びる側壁)と、前後方向両側に配置される一対の側壁(いずれも幅方向に延びる側壁)とを備えており、これら四方の側壁が環状に連結して配置されている。このように環状に配置された側壁部3c(周壁部)の上側を部分的に閉塞する構成(具体的には、側壁部3cの上端部によって構成される開口部4cを閉塞する構成)で読取側壁部3a(上面部)に相当する透明板7が配置され、側壁部3cの下側全体を閉塞する構成で底壁部3b(下面部)が配置されている。
透明板7は、上ケース4aの上端部に形成された開口部4cを閉塞する構成で配置され、ケース3の上面部を構成しており、ケース3内部に収容される反射部材29、結像部27、導光部材50の上側を覆う構成で配置されている。そして、図3のように平面視したときには、透明板7の露出部分(図3で概念的に示す境界線P3の内側の領域である開口領域γ(図4)の部分)を介してケース内の反射部材29、結像部27、導光部材50が視認されるようになっている。透明板7は、例えば透明且つ平坦な板材として構成され、その板面(上面7a及び下面7b)と直交する方向が上下方向となるように略水平に配置されている。なお、透明板7は、透明部材の一例に相当し、被覆層8の内周部として構成される読取口5を閉塞するように機能する。つまり、読取口5は、光の出入りを許容する構成であるが、透明板7の閉塞によって水や埃等の侵入を許容しない構成となっている。
反射部材29は、例えばミラーとして構成され、ケース3の内部に収容され、ケース3の外部から読取口5を介して入り込む光を反射させるように機能する。この反射部材29は、反射面29a(鏡面)が斜め上側且つ前後方向一方側(反射面29aに対し結像部27側)を向く構成で配置されており、ケース3の上方側から読取口5を通って入り込んだ光を前後方向一方側に反射するように構成されている。より具体的には、反射面29aが平坦に構成され、この反射面29aが、上下方向及び前後方向と平行な仮想平面と直交するように配置されており、例えば上下方向と反射面29aとのなす角度が45°となっており、上下方向と平行に入り込んだ光を水平に反射するように配置されている。
また、反射部材29の反射面29a(上方側からの光を反射可能な鏡面領域であり、上方側に露出する面)の上端部29cは、上下方向において透明板7寄りの位置に配置され、反射面29aの下端部29bは、上下方向において底壁部3b寄りに配置されている。また、反射部材29の反射面29aは、下端部29bの幅が最も狭く、上端部29cの幅が最も広くなるように、上方となるにつれて幅が広くなる構成となっている。
結像部27は、上述したように広角レンズとして機能する結像レンズによって構成され、図4、図6、図7等に示すように透明板7から離れた位置に配置されている。この結像部27は、ケース3の外部から読取口5を通過して入り込み且つ反射部材29で反射した光を集光しつつ撮像部23の受光面23a(受光領域)に導く機能を有し、ケース3の内外において撮像部23で撮像可能となる視野範囲を定める構成となっている。具体的には、図4に示すように、視野範囲として、当該結像部27と反射部材29との間に構成される第1視野範囲AR1と、当該第1視野範囲AR1に続くように反射部材29から上方側に構成される第2視野範囲AR2とを定めている。つまり、この第1視野範囲AR1及び第2視野範囲AR2を撮像エリアとするように、視野範囲からの光を撮像部23の受光領域に向けて集光し結像させている。なお、第1視野範囲AR1は、結像部27によって集光されて直接撮像部23に撮像される視野範囲であり、第2視野範囲AR2は、反射部材29に映り込んだ画像が撮像部23に撮像される視野範囲である。このように構成される結像部27は、ケース3の外部に設定された第2視野範囲AR2内に情報コードCが配置されたときに当該情報コードCの像を撮像部23の受光領域に結像させるように機能している。
図4に示す第1視野範囲AR1は、結像部27と反射部材29との間の空間において撮像部23によって撮像される範囲であり、反射部材29の反射面29aに近づくにつれて徐々に広くなるように設定されている。また、第1視野範囲AR1の中心となる光軸L1は、水平方向(具体的には、前後方向)となっており、反射面29aとのなす角度が45°となっている。そして、図4のように、光軸L1を通り上下方向と平行な平面を切断面として読取装置1を切断した場合、当該切断面上において第1視野範囲AR1が上下に最も広がるようになっている。そして、図4に示す切断面(光軸L1を通り上下方向と平行な切断面)では、第1視野範囲AR1の下限の境界は、反射部材29の反射面29aに近づくにつれて低位置(下位置)となり、第1視野範囲AR1の上限の境界は、反射部材29の反射面29aに近づくにつれて高位置(上位置)となるように構成されている。そして、図4に示す切断面(図3に示すA−A位置の切断面であり、読取装置1を左右方向中心位置において左右方向と直交する方向に切断した切断面)において、第1視野範囲AR1の下限の境界が反射部材29の反射面29aに達した位置(その境界と反射面29aとが交わる位置)が第1視野範囲AR1の下端位置となっている。また、第1視野範囲AR1の上限の境界が反射部材29の反射面29aに達した位置(その境界と反射面29aとが交わる位置)が第1視野範囲AR1の上端位置となっている。
図4のように、本構成では、反射部材29の反射領域(反射面29aが露出した領域)が、少なくとも第1視野範囲AR1の下端に位置しており、第1視野範囲AR1の下端から上端まで続いている。つまり、反射部材29は、図4のような切断面において第1視野範囲AR1の上下方向全領域を網羅するように反射面29aが配置されている。例えば、図4に示す切断面において、反射領域(反射面29aの領域)の上端部29cは、第1視野範囲AR1の上端位置と同位置又は当該上端位置よりも上位置であり、反射領域(反射面29aの領域)の下端部29bは、第1視野範囲AR1の下端位置と同位置又は当該下端位置よりも下位置となっている。より具体的には、撮像部23の受光領域の全領域に反射面29aが映り込むように配置されている。つまり、第1視野範囲AR1の反射部材29側の境界は、全て反射面29a上の位置となっており、撮像部23は、反射面29aの周囲に隣接する部分(反射面29a以外の部分)を撮像せず、第2視野範囲AR2の全体を撮像し得るようになっている。
第2視野範囲AR2は、上述の第1視野範囲AR1に続くように反射部材29にて折り返された視野範囲であり、この第2視野範囲AR2に存在する物体等が反射部材29に映り、撮像部23によって撮像されるようになっている。逆に、第2視野範囲AR2の外側は、第1視野範囲AR1を除き、撮像部23に撮像されない。
本構成では、反射面29aが水平方向に対して例えば45度の角度で傾斜した構成となっている。そして、反射部材29に対し、前後方向一方側に結像部27が配置されており、第1視野範囲AR1の光軸L1が前後に延びる構成となっている。従って、第2視野範囲AR2の中心となる光軸L2は上下方向に延びている。そして、第1視野範囲AR1が反射部材29にて折り返された第2視野範囲AR2は、上方となるにつれて範囲が広くなるように設定されており、図4のような断面(光軸L1、L2を通る断面)では、上方となるにつれて第2視野範囲AR2が前後に広がるようになっている。
具体的には、光軸L2を中心として上方となるにつれて前後に範囲が広くなるように第2視野範囲AR2が設定されており、同様に、光軸L2を中心として上方となるにつれて左右に範囲が広くなるように第2視野範囲AR2が設定されている。なお、ケース外において第2視野範囲AR2を水平方向に切断した仮想面上での第2視野範囲AR2の境界形状は、例えば円形であってもよく、長方形、正方形等の矩形形状であってもよい。
そして、結像部27は、第2視野範囲AR2から外れた位置に配置されている。具体的には、第2視野範囲AR2の前後方向一方側の境界B1よりも前後方向一方側に外れた位置に結像部27が配置されている。このように結像部27の一部が第2視野範囲AR2に入り込まないように構成されているため、結像部27の一部が反射部材29に映り込んで撮像部23に撮像されてしまうことがなく、このような映り込みに起因する撮像エリアの縮小が抑えられている。また、図4のように、結像部27のレンズ部分は、反射部材29の反射面29aの領域(反射領域)の下端部29bよりも上位置に配置され、上端部29cよりも下位置に配置されている。更に、結像部27の前後方向の一端部(反射部材29側の端部)は、前後方向において、読取口5の前後方向他端部5dと光軸L2との間に配置されている。このように配置することで、結像部27の映り込みを防ぎつつ、読取口5の下方側の領域を生かすことができる。
また、図4に示すように、第1視野範囲AR1の中心となる光軸L1及び第2視野範囲AR2の中心となる光軸L2を通る平面を切断面とした断面において、第2視野範囲AR2の両境界B1、B2が読取口5の内周部寄りの位置(例えば、端部5d,5cの位置又は端部5d,5cに近い位置)を通る構成となっている。なお、図4の例では、第2視野範囲AR2の前後方向一方側の境界B1と前後方向他方側の境界B2とがいずれも、読取口5の内周部(端部5d,5c)よりも僅かに内側を通るようになっているが、これら境界B1、B2がいずれも内周部(端部5d,5c)を通る構成となっていてもよい。
次に、照明光源21について説明する。図3、図4、図6、図8に示すように、照明光源21は、上下方向と直交する平面方向において開口領域γ(図3に示す境界線P3の内側領域)の外側の位置に配置されている。なお、境界線P3は、平面方向における開口領域γの境界を概念的に示すものであり、実際は、読取口5の内縁が開口領域γの境界となる。照明光源21は、ケース3の長手方向一端寄り(幅方向一端寄り)に配置された第1光源21a,21bと、ケース3の長手方向他端寄り(幅方向他端寄り)に配置された第2光源21c,21dとを有している。これら第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dはいずれも、透明板7の板面に形成された被覆層8の下方に配置されており、図6、図8のように、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dのいずれも、この被覆層8の下位置に配置される基板(基板81、82)の下面側に実装されている。なお、基板81と基板82は同一基板であってもよく、別々の基板であってもよい。
図4、図6、図8に示すように、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dはいずれも、上下方向において、透明板7よりも下方位置且つ後述する導光部材50の上端位置付近に配置されており、図3のように、平面方向において開口領域γ(境界線P3の内側領域)から外側に離れた位置に配置されている。そして、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dのいずれも、上下方向と直交する横方向(水平方向)及び横方向に対して傾斜した斜め横方向に照明光が照射されるように開口領域γに近づく側に照明光を照射する構成となっている。例えば、図6、図8のように、左右方向(幅方向)一方側に配置された第1光源21a,21bの照射面(発光面)は、これら第1光源21a,21bの側面に相当すると共に左右方向他方側(第2光源21c,21d側)に向くように配置され、これら第1光源21a,21bからは、左右方向他方側に向けて照明光が照射されるようになっている。また、左右方向(幅方向)他方側に配置された第2光源21c,21dの照射面(発光面)は、これら第2光源21c,21dの側面に相当すると共に左右方向一方側(第1光源21a,21b側)に向くように配置され、これら第2光源21c,21dからは、左右方向一方側に向けて照明光が照射されるようになっている。なお、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dの照射面となる各側面は、例えば、幅方向と直交する面方向となっており、全ての第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dの照射面の上下方向の高さは、ほぼ同じ高さになっている。
また、上下方向において照明光源21と読取口5の間の位置には、少なくとも照明光源21からの照明光の照射側において照明光源21の位置から平面方向に沿って読取口5側(第2視野範囲AR2側)に延びる構成の遮光部(遮光部91a,92a,93a,94a)が配置されている。そして、これら遮光部91a,92a,93a,94aにより、照明光源21から斜め上方側に向かおうとする照明光が遮られる構成となっている。
例えば、図6のように、平面方向において第1光源21aと読取口5の間の位置には、少なくとも第1光源21aからの照明光の照射側(幅方向における第2光源21c側)に、第1光源21aの位置から平面方向に延びるように遮光部91aが配置されている。この遮光部91aは、第1光源21aが実装される基板81において第1光源21aよりも開口領域γ側(平面方向において開口領域γに近い側)の部分が該当する。そして、この遮光部91aにより、第1光源21aを起点として斜め上側に向かおうとする光が遮られるようになっている。なお、図6等に示す例では、基板81、82は、厚さ方向を上下方向とし、板面方向を水平方向(上下方向と直交する面方向)とするように構成され、基板81、82のそれぞれの下面(裏面)に発光素子として構成される第1光源21a、21b、第2光源21c、21dがそれぞれ実装されている。そして、例えば、基板81では、第1光源21aの実装面(基板81の下面)が、少なくとも平面方向において第1光源21aの位置から開口領域γに近い側(第2視野範囲AR2の光軸L2に近い側)の延びるように配置されている。このように構成されているため、第1光源21aから照射された直後の光が斜め上方側に向かおうとしても遮光部91aで遮られて多くが下方に反射することになり、第1光源21aからの光の多くは、第1光源21aよりも斜め上方側に向かいにくくなる。その結果、第1光源21aからの光の多くは、水平方向及び斜め下方向に照射されることになる。同様に、図8のように、平面方向において第1光源21bと読取口5の間の位置には、少なくとも第1光源21bからの照明光の照射側において第1光源21bの位置から平面方向に延びるように(具体的には平面方向において読取口5側に延びるように)遮光部92aが配置されている。この遮光部92aは、第1光源21bが実装される基板81において第1光源21bよりも開口領域γ側(平面方向において開口領域γに近い側)の部分が該当し、この遮光部92aにより、第1光源21bを起点として斜め上側に向かおうとする光が遮られるようになっている。より具体的には、第1光源21bの実装面(基板81の下面)が、少なくとも平面方向において第1光源21bの位置から開口領域γに近い側(第2視野範囲AR2の光軸L2に近い側)の延びるように配置されている。これにより、第1光源21bからの光の多くは、水平方向及び斜め下方向に照射されることになる。なお、図8の説明図では、第1光源21bから照射される光を省略して示している。
また、図6のように、平面方向において第2光源21cと読取口5の間の位置には、少なくとも第2光源21cからの照明光の照射側において第2光源21cの位置から平面方向に延びるように(具体的には平面方向において読取口5側に延びるように)遮光部93aが配置されている。この遮光部93aは、第2光源21cが実装される基板82において第2光源21cよりも開口領域γ側(平面方向において開口領域γに近い側)の部分が該当し、この遮光部93aにより、第2光源21cを起点として斜め上側に向かおうとする光が遮られるようになっている。より具体的には、第2光源21cの実装面(基板82の下面)が、少なくとも平面方向において第2光源21cの位置から開口領域γに近い側(第2視野範囲AR2の光軸L2に近い側)の延びるように配置されている。これにより、第2光源21cからの光の多くは、水平方向及び斜め下方向に照射されることになる。なお、図6の説明図では、第2光源21cから照射される光を省略して示している。同様に、図8のように、平面方向において第2光源21dと読取口5の間の位置には、少なくとも第2光源21dからの照明光の照射側において第2光源21dの位置から平面方向に延びるように(具体的には平面方向において読取口5側に延びるように)遮光部94aが配置されている。この遮光部94aは、第2光源21dが実装される基板82において第2光源21dよりも開口領域γ側(平面方向において開口領域γに近い側)の部分が該当し、この遮光部94aにより、第2光源21dを起点として斜め上側に向かおうとする光が遮られるようになっている。より具体的には、第2光源21dの実装面(基板82の下面)が、少なくとも平面方向において第2光源21dの位置から開口領域γに近い側(第2視野範囲AR2の光軸L2に近い側)の延びるように配置されている。これにより、第2光源21dからの光の多くは、水平方向及び斜め下方向に照射されることになる。このように構成されているため、各照明光源21からの光が直接使用者の目に入り込みにくく、且つ各照明光源21からの光を後述する導光部材50に効率的に当てやすくなる。
そして、これらの照明光源21による照明光の照射先には、導光部材50が配置されている。図10で例示されるように、導光部材50は、読取口5の開口領域γ(図10に示す境界線P3の内側領域)において、視野範囲の中心部P1を通る照明光の照度よりも、視野範囲内の周縁部寄りに定められた所定の高照度領域βを通る照明光の照度のほうが大きくなるように照明光を導く構成となっている。なお、図4、図10の例では、透明板7の上面の位置において読取口5の内縁部によって囲まれる領域(透明板7の上面において読取口5から露出する領域)が開口領域γに相当している。そして、図10の例では、この開口領域γにおいて視野範囲の周縁部に沿った環状領域が高照度領域βとなっており、この高照度領域βをハッチングで概念的に示している。
導光部材50は、照明光源21からの照明光を反射する複数の反射部51,52,53,54を備えている。これら反射部51,52,53,54はいずれも、第2視野範囲AR2側の面が、照明光源21からの照明光を反射する反射面として構成されている。そして、各反射部51,52,53,54の各反射面はいずれも、上下方向と直交する平面方向において、読取口5の開口領域γにおける視野範囲の中心部P1の位置(即ち、透明板7と光軸L2が交わる位置)に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。なお、反射部51,52,53,54は、例えば、遮光性の部材によって構成されており、反射部51,52,53,54のいずれも、第2視野範囲AR2側の外面(即ち照明光を反射する反射面)が所定色(例えば、白色等の明色)であり、いずれも第2視野範囲AR2側の外面に入射する光を拡散反射させる構成となっている。
図1〜図3、図5、図7等に示すように、導光部材50は、上下方向と直交する所定方向(幅方向)において互いに対向する一対の第1反射部53,54を備えている。そして、図5、図7のように、これら一対の第1反射部53,54において、一方の第1反射部54の反射面は、所定方向(幅方向)において他方の反射部53に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、他方の反射部53の反射面は、所定方向において一方の反射部54に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。
より具体的には、図3、図5、図7のように、幅方向(上下方向と直交する所定の第1方向)において互いに対向する一対の第1反射部53,54と、図3、図4のように、前後方向(上下方向及び第1方向と直交する所定の第2方向)において互いに対向する一対の第2反射部51,52とが設けられている。そして、導光部材50全体が、視野範囲の外側において、第2視野範囲AR2に沿って配置されており、下方位置となるにつれて孔の大きさ(開口領域)が狭くなるすり鉢状の構造となっている。このように、導光部材50は、第2視野範囲AR2の外側において第2視野範囲AR2を囲む構成で環状に配置されており、且つ上端部50aが読取口5の内縁部に近接して配置されている。導光部材50の上端部50aは、第2視野範囲AR2を囲む環状の端部構造となっており、このように環状に構成される上端部50aのいずれも、読取口5の内縁部の直下近傍に位置し、上端部50aのいずれの位置も、開口領域γの中心部よりも周縁部のほうが近くなっている。また、上端部50aのいずれの位置も、開口領域γでの視野範囲αの中心部P1よりも周縁部(境界線P2付近)のほうが近くなっている。
図3、図5、図7のように、一対の第1反射部53,54において、一方の第1反射部54の反射面は、幅方向(第1方向)において他方の第1反射部53に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、他方の第1反射部53の反射面は、幅方向(第1方向)において一方の第1反射部54に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。更に、図3、図4のように、一対の第2反射部51,52において、一方の第2反射部51の反射面は、前後方向(第2方向)において他方の第2反射部52に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、他方の第2反射部52の反射面は、前後方向(第2方向)において一方の第2反射部51に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。そして、照明光源21は、一方の第1反射部54、他方の第1反射部53、一方の第2反射部51、他方の第2反射部52のいずれにも照明光を照射する構成となっている。なお、図3では、一方の第1反射部54の領域を二点鎖線J11で概念的に示し、他方の第1反射部53の領域を二点鎖線J12で概念的に示している。また、一方の第2反射部51の領域を二点鎖線J21で示し、他方の第2反射部52の領域を二点鎖線J22で示している。第1反射部53の反射部は、ケース3の幅方向中心位置よりも幅方向一方側に配置され且つ第2視野範囲AR2の光軸L2よりも幅方向一方側に配置されており、幅方向の端部(第1光源21a,21b寄りの端部)位置が、前後方向の長さが最も大きく、幅方向において第2視野範囲AR2の光軸L2側に近づくにつれて前後方向の長さが次第に小さくなっている。第1反射部54の反射部は、ケース3の幅方向中心位置よりも幅方向他方側に配置され且つ第2視野範囲AR2の光軸L2よりも幅方向他方側に配置されており、幅方向の端部(第2光源21c,21d寄りの端部)位置が、前後方向の長さが最も大きく、幅方向において第2視野範囲AR2の光軸L2側に近づくにつれて前後方向の長さが次第に小さくなっている。第2反射部51の反射部は、ケース3の前後中心位置よりも前後方向一方側に配置され且つ第2視野範囲AR2の光軸L2よりも前後方向一方側に配置されており、前後方向の端部(光軸L2とは反対側の端部)位置が、左右方向(幅方向)の長さが最も大きく、前後方向において第2視野範囲AR2の光軸L2側に近づくにつれて左右方向(幅方向)の長さが次第に小さくなっている。第2反射部52の反射部は、ケース3の前後中心位置よりも前後方向他方側に配置され且つ第2視野範囲AR2の光軸L2よりも前後方向他方側に配置されており、前後方向の端部(光軸L2とは反対側の端部)位置が、左右方向(幅方向)の長さが最も大きく、前後方向において第2視野範囲AR2の光軸L2側に近づくにつれて左右方向(幅方向)の長さが次第に小さくなっている。
具体的には、図6、図8、図10に示すように、第1光源21a,21bは、幅方向においてこれら第1光源21a,21bとは反対側(ケース3の幅方向中心位置に対して第1光源21a,21bとは反対側)に設けられた一方の第1反射部54に向けて照明光を照射する構成となっており、第2光源21c,21dは、幅方向においてこれら第2光源21c,21dとは反対側(ケース3の幅方向中心位置に対して第2光源21c,21dとは反対側)に設けられた他方の第1反射部53に向けて照明光を照射する構成となっている。また、第1光源21a,21bは、幅方向(第1方向)において一方の第1反射部54よりも他方の第1反射部53に近い側に配置される他方側光源に相当し、第2光源21c,21dは、幅方向(第1方向)において他方の第1反射部53よりも一方の第1反射部54に近い側に配置される一方側光源に相当する。そして、第2光源21c,21d(一方側光源)からの照明光が、他方の第1反射部53及び一対の第2反射部51,52における第1反射部53側(読取口5の幅方向中心位置よりも第1反射部53側)の部分に対し、少なくともケース3の上下方向中心位置よりも上側の領域(望ましくは、各反射部のほぼ全体)に照射されるようになっている。また、第1光源21a,21b(他方側光源)からの照明光が、一方の第1反射部54及び一対の第2反射部51,52における第1反射部54側(読取口5の幅方向中心位置よりも第1反射部54側)の部分に対し、少なくともケース3の上下方向中心位置よりも上側の領域(望ましくは、各反射部のほぼ全体)に照射されるようになっている。なお、図10では、第1光源21aからの照明光の照射エリアを太線の破線で概念的に示しており、第1光源21bからの照明光の照射エリアを太線の実線で概念的に示しており、第2光源21cからの照明光の照射エリアを太線の二点鎖線で概念的に示しており、第2光源21dからの照明光の照射エリアを太線の一点鎖線で概念的に示している。
このように、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dから照射された照明光は、すり鉢状に構成された導光部材50の壁面(第1反射部53,54及び第2反射部51,52の第2視野範囲AR2側の外面)に照射されるため、図10のように平面視したときに、第1反射部53,54及び第2反射部51,52が全体的に明るく光ることになる。更に、図4、図5、図7のように、第1反射部53,54及び第2反射部51,52はいずれも、平面方向において視野範囲AR2の中心(光軸L2)側が下位置となる構成であり、光軸L2から遠い側が上位置となる構成となっている。このため、読取口5の開口領域γ(透明板7の上面において読取口5から露出する領域)において、この領域γ内の視野範囲α(図10において境界線P2に囲まれる領域)では、周縁部付近(境界線P2付近)に近い導光部材50の上端部50a付近(第1反射部53,54及び第2反射部51,52の上端部付近)からの反射光がその周縁部付近(境界線P2付近)に届きやすくなる。よって、開口領域γ内の視野範囲α(図10において境界線P2に囲まれる領域)では、当該視野範囲αの周縁部付近(境界線P2付近)の照度が当該視野範囲αの中心部P1付近の照度と比較して相対的に高くなる。一方、開口領域γにおける視野範囲αの中心部P1は、周縁部付近(境界線P2付近)と比較して第1反射部53,54及び第2反射部51,52からの距離が遠いため、第1反射部53,54及び第2反射部51,52で反射した照明光は、開口領域γにおいて視野範囲αの周縁部よりも中心部P1に届きにくくなる。よって、開口領域γ内の視野範囲α(図10において境界線P2に囲まれる領域)では、中心部P1付近の照度が周縁部付近(境界線P2付近)の照度と比較して相対的に低くなる。なお、図10では、開口領域γにおいて視野範囲αの中心部P1付近の照度よりも照度が高くなる高照度領域βをハッチング領域として概念的に示している。開口領域γでは、このように高照度領域βが構成されるため、開口領域γにおいて透明板7の上面に密着するように物体を配置した場合、この物体では、高照度領域βの位置の照度が相対的に大きく、中心部P1付近の照度が相対的に小さくなり、高照度領域βが中心部P1付近よりも相対的に明るくなる。
(発光部の構成)
次に、図11〜図13等を参照して発光部20a,20bについて説明する。
読取装置1においてケース3の内部には、ケース3の外部に光を放出する機能を有する発光部20a,20bが設けられている。発光部20aと発光部20bは、所定の仮想平面H(ケース3の幅方向中心位置を通り、上下方向及び前後方向と平行な平面:図11参照)を中心として対称の形状となっており、同一の機能を有している。なお、以下では、発光部20aを例に挙げて詳述する。
図11〜図13に示すように、発光部20aは、前後方向両側に配置される2つの発光素子60と、これら発光素子60に隣接する導光材71と、反射材として機能する基板81とを備えている。
図12、図13のように、導光材71は、2つの発光素子60(第1発光素子61a、第2発光素子61b)とそれぞれ対向して配置される2つの対向部71a,71bと、これら対向部71a,71bとは異なる位置に設けられた表面部71cと、表面部71cの裏側に配置された裏面部71dとを備えている。この導光材71は、例えば、アクリル樹脂などの光透過性の樹脂材料によって構成されると共に、前後方向に延びる長手状の板材として構成され、且つ長手状且つ板状の発光領域を有している。具体的には、前後方向一方側(より具体的には、ケース3の前後方向中心位置よりも前後方向一方側であり、且つ導光材71の前後方向中心位置よりも前後方向一方側)に配置される対向部71aと前後方向他方側(より具体的には、ケース3の前後方向中心位置よりも前後方向他方側であり、且つ導光材71の前後方向中心位置よりも前後方向他方側)に配置される対向部71bの間の長手状領域が発光領域として機能している。
導光材71(導光板)の表面部71c及び裏面部71dは、いずれも平坦な板面として構成されており、表面部71c及び裏面部71dのいずれの外面も、上下方向と直交する向きに配置されている。そして、これら表面部71c及び裏面部71dが対向する厚さ方向(板厚方向)が上下方向となっている。そして、表面部71cが当該導光材71の上方側(即ち、導光材71の上下方向中心位置よりも上端寄りの位置)に配置され、裏面部71dが当該導光材71の下方側(即ち、導光材71の上下方向中心位置よりも下端寄りの位置)に配置され、表面部71cの外面と、裏面部71dの外面とが略平行になっており、表面部71cから上方側に光を放出する構成となっている。
また、対向部71a,71bは、導光材71の側部の一部として構成され、対向部71a,71bのいずれの外面も平坦に構成されると共に前後方向と直交する向きに配置されている。即ち、対向部71a,71bのいずれの外面も、上下方向及び幅方向(左右方向)と略平行に配置されている。そして、このように構成される導光材71は、各対向部71a,71bから、少なくとも上下方向と直交する平面方向(具体的には、前後方向)に延びる構成で配置されている。
また、導光材71は、上下方向と直交する平面方向において読取口5の外側の領域に配置されている。図11の平面図では、平面方向における読取口5の位置(読取口5の開口端部の位置)を一点鎖線5’で示しており、この一点鎖線5’の枠よりも外側に、発光部20aを構成する導光材71、各発光素子60(第1発光素子61a、第2発光素子61b)、基板81などが配置されている。なお、発光部20bを構成する導光材72、各発光素子60(第1発光素子62a、第2発光素子62b)、基板82についても、平面方向において読取口5の外側の領域に配置され、図11に示す一点鎖線5’の枠よりも外側に配置されている。
このように構成される導光材71は、図13(B)のように、裏面部71dが基板81の一方の板面81aに接合されて保持されている。具体的には、導光材71の裏面部71dと基板81の板面81aとの間に光透過性の接着層84が介在し、これら導光材71と基板81とが接着層84によって接合されている。この基板81は、反射材の一例に相当し、導光材71の裏面部71d側に面する反射面83aを備えている。
本構成では、図13(A)のように、2つの発光素子60(第1発光素子61a、第2発光素子61b)が、基板81の一方の板面81aに実装されており、この基板81において発光素子60の実装側の板面81aが部分的に反射面83aとして構成され且つ導光材71の裏面部71dと対向して配置されている。そして、図13(B)のように、裏面部71dから導光材71の外部(裏側)に出た光(接着層84に入り込んだ光)が板面81a(実装側の板面)の一部(反射面83a)で反射し、接着層84及び導光材71の内部を通って表面部71c側に導かれる構成となっている。
図11、図12、図13(A)のように、2つの発光素子60(第1発光素子61a、第2発光素子61b)は、基板81の板面81aに実装され、基板81の板厚方向に対して横方向に光を照射する構成となっている。本構成では、2つの発光素子60として、導光材71の長手方向一方側の側面部に対向すると共に導光材71の長手方向中心側に向けて光を照射する第1発光素子61aと、導光材71の長手方向他方側の側面部に対向すると共に導光材71の長手方向中心側に向けて光を照射する第2発光素子61bとが設けられている。そして、第1発光素子61aは、発光側の面61a’が対向部71aの外面と向かい合い、且つ発光側の面61a’から上下方向に対して横向きに光を照射する構成となっている。また、第2発光素子61bは、発光側の面61b’が対向部71bの外面と向かい合い、且つ発光側の面61b’から上下方向に対して横向きに光を照射する構成となっている。具体的には、発光側の面61a’と、対向部71aの外面とがほぼ平行に配置され、発光側の面61a’の上端位置よりも対向部71aの外面の上端位置のほうが上位置となっている。これにより、発光側の面61a’から横方向に発せられた光の大部分又は全部が対向部71aの外面に入射することになる。また、発光側の面61b’と、対向部71bの外面とがほぼ平行に配置され、発光側の面61b’の上端位置よりも対向部71bの外面の上端位置のほうが上位置となっている。これにより、発光側の面61b’から横方向に発せられた光の大部分又は全部が対向部71bの外面に入射することになる。
このように構成される発光部20aでは、各発光素子60から照射されて対向部71a,71bにそれぞれ入射する光が導光材71の発光領域(対向部71a,71bの間の領域)の前後方向両側から内部に導入される。そして、対向部71a,71bから導光材71の内部に導入された光の少なくとも一部が、導光材71の内部を通る過程で裏面部71dを通って基板81(反射材)の反射面83aで反射し、少なくともこの反射面83aで反射した光が表面部71cから放出されることになる。なお、基板81において、導光材71が接合される領域(被接合部83)の表面は白色、黄色等の明色で表されており、導光材71から入り込む光を良好に反射する構成となっている。
特に、本構成では、第1発光素子61a及び第2発光素子61bが互いに向かい合い、第1発光素子61a及び第2発光素子61bのいずれもが、導光材71の表面部71cと裏面部71dの間の領域に向けて横向きに光を照射する構成であるため、導光材71の各端部側からそれぞれ内部に入り込んだ光が導光材71の内部を通って導光材71の奥(長手方向中心側)に広がりやすく、このように広がる光の一部が反射材の各箇所で反射して外部に放出されることになる。
また、図13(B)のように、本構成では、導光材71の内部を通る光のうち、斜め上方向に向かう光については、導光材71の屈折率が空気よりも大きいため、導光材71の内部を通って表面部71cに入射する光の入射角がある閾値を超えると表面部71cで全反射し、その光の大部分又はほぼ全部が再び導光材71の内部を通ることになる。従って、発光素子60から導光材71に入り込んだ光のうち、より横向きに近い光については導光材71において、より奥側(導光材71の長手方向中心側)に入り込むことになり、より広い照射領域が確保される(図13の実線矢印の経路も参照)。また、導光材71の内部を通る光のうち、斜め下方向に向かう光については、導光材71と接着層84との界面に入射したときに、一部がその界面で反射し、一部が接着層84に入り込んで基板81の反射面83aで反射することになる。その界面で反射する光は、図13の実線矢印の経路のように、導光材71においてより奥位置に入り込むことになる。一方、その界面で反射せずに接着層84に入り込んだ光は、図13の破線矢印のように、基板81の反射面83aで拡散反射し、その拡散反射した光のうち、導光材71と空気層の界面(即ち、表面部71cの表面)での入射角が小さい光については、この空気層の界面から空気層に放射されることになる。このような現象(反射面83aでの拡散反射や表面部71cからの光の放射)が、対向部71a,71bの間において様々な位置で生じるため、対向部71a,71bの間の発光領域では広い範囲で上方への光の放射がなされることになる。なお、接着層84の屈折率は、導光材71の屈折率よりも大きくてもよく、導光材71の屈折率と同程度又は導光材71の屈折率よりも小さくてもよい。
なお、以上の説明では、主に発光部20aの構成、作用を述べたが、発光部20bは、発光部20aと対称の構造であり、それ以外は、発光部20aと同一の構成であるため、発光部20bでも発光部20aと同様の作用が生じることになる。
また、本構成では、読取口5が透明部(透明板7の一部)によって閉塞されており、発光部20a,20bの各導光材71、72を覆う構成で、この透明部よりも透明性が低い光透過性の被覆層8(拡散透過層)が設けられている。そして、各導光材71,72の表面部71c,72cから放出された光が、この被覆層8(拡散透過層)を透過しつつ拡散し、ケース3の外部に放出される構成となっている。より具体的には、上下方向においてケース3の上面部(透明板7)寄りに各導光材71,72が配置されており、ケース3の上面部には、導光材71,72を覆う構成で透明板7が配置されており、透明板7の一方の板面において導光材71,72を覆う位置に、被覆層8(拡散透過層)が環状に形成されており、この被覆層8(拡散透過層)の内縁部が読取口5として構成されている。
なお、被覆層8(拡散透過層)は、拡散透過が可能な材質である一方で、ある程度遮光性の高い層として構成されているが、この被覆層8(拡散透過層)において、各導光材71、72の上方の位置には、複数の孔部8aがそれぞれ形成され、これら孔部8a及び透明板7を介して導光材71、72が視認可能とされている。各孔部8aは、被覆層8を上下に貫通する孔であり、これら孔部8aを介して透明板7の表面(上面)が露出している。具体的には、導光材71の上位置において導光材71の上記発光領域に沿って並ぶように複数の孔部8aが設けられ、導光材71から上方に放出された光の一部は、これら孔部8aを通って外部に放出されるようになっている。同様に、導光材72の上位置にも、導光材72の発光領域に沿って並ぶように複数の孔部8aが設けられ、導光材72から上方に放出された光の一部は、これら孔部8aを通って外部に放出されるようになっている。なお、図12では、被覆層8(拡散透過層)を概略的に示しており、孔部8aの明示は省略しているが、実際は、図12の断面構造において、表面部71cの上位置に、複数の孔部8aが前後方向に並んで形成されている。
また、図11のように、本構成では、平面方向において導光材71,72よりも読取口5側には、導光材71,72から読取口5側に漏れ出す光を遮光する漏洩抑制部101,102が形成されている。具体的には、図5〜図8、図11のように、ケース3の内部において、基板81、82の載置面よりも内側(第2視野範囲AR2の中心側)且つ各導光材71,72よりも内側に、基板81、82の載置面から上方に立ち上がる構成で、環状且つリブ状の壁部100が、平面方向における読取口5の位置(図11の符号5’参照)を取り囲むように形成されており、この壁部100の一部が漏洩抑制部101,102として機能し、導光材71,72にそれぞれ隣接して配置されている。特に、これら漏洩抑制部101,102の各上端部は、少なくとも導光材71,72の各発光領域全体にわたって、各導光材71,72の表面部71c、72cよりも上位置に配置されているため、導光材71,72から視野範囲側への光の漏洩がより効果的に抑えられる。
(本構成の主な効果)
本構成では、図11〜図13のように、発光部20aにおいて、発光素子60(第1発光素子61a、第2発光素子61b)と、導光材71と、反射材としての基板81とが設けられ、発光素子60から導光材71の対向部71a,71bに入射する光が導光材71の内部に導入され、その導入された光の少なくとも一部が、裏面部71dを通って基板81(反射材)の反射面で反射し、少なくとも反射面で反射した光が表面部71cから放出される構成となっている。この構成では、導光材71の内部に入り込んだ光が導光材71の内部を通って導光材71内部に広がりやすく、このように広がる光の一部が基板81(反射材)の各箇所で反射して外部に放出されることになる。このため、導光材71の表面部71cのより広い範囲で光の照射がなされることになり、より明るい光を、より広い範囲で発生させることができる。また、発光素子60の大きさや数を抑えることができるため、素子の小型化、省電力化をも計ることができる。
また、本構成では、図13のように、導光材71の裏面部71dと基板81(反射材)とが光透過性の接着層84によって接合されている。この構成によれば、基板81(反射材)の反射面(一方側の板面)を導光材71の保持面として兼用することができ、導光材71をより強固に保持し得る構造を実現しつつ、発光部20aをより小型化することができる。
また、本構成では、図11〜図13のように、発光部20aを構成する各発光素子60(第1発光素子61a、第2発光素子61b)は、基板81の一方の板面に実装され、且つ基板81の板厚方向に対して横方向に光を照射する構成となっている。そして、基板81が反射材として機能し、基板81における発光素子60の実装側の板面が反射面として構成され、導光材71の裏面部71dと対向して配置されており、裏面部71dから導光材71の外部に出た光が実装側の板面で反射して表面部71c側に導かれる構成となっている。
この構成によれば、発光素子60(第1発光素子61a、第2発光素子61b)を実装する基板81を反射材として兼用することができるため、発光部20aの部品点数を削減しやすく、且つ発光部20aをより一層小型化しやすくなる。
また、本構成では、導光材71が長手状の板材として構成され、発光素子60として、導光材71の長手方向一方側の側面部に対向すると共に導光材71の長手方向中心側に向けて光を照射する第1発光素子61aと、導光材71の長手方向他方側の側面部に対向すると共に導光材71の長手方向中心側に向けて光を照射する第2発光素子61bとが設けられている。
この構成によれば、より少ない発光素子数で、より長い発光領域を生じさせることができる。また、導光材71の両側から光を取り込む構成であるため、発光素子60での発光量をそれほど大きくしなくても、発光素子間の広い範囲にわたって、より全体的に光が届きやすくなる。
なお、本構成では、発光部20bも発光部20aと同様の構造であるため、上述した発光部20aに関する効果は、発光部20bでも同様の効果が得られる。
また、本構成では、導光材71は、上下方向と直交する平面方向において読取口5の外側の領域に配置され、表面部71cが当該導光材71の上方側に配置され、裏面部71dが当該導光材71の下方側に配置されており、表面部71cから上方側に光を放出する構成となっている。同様に、導光材72は、上下方向と直交する平面方向において読取口5の外側の領域に配置され、表面部72cが当該導光材72の上方側に配置され、裏面部72dが当該導光材72の下方側に配置されており、表面部72cから上方側に光を放出する構成となっている。
このように、平面方向において読取口5の外側に導光材71、72が配置されているため、導光材71、72自体や、導光材71、72からの光が視野範囲に映り込みにくく、読み取りへの影響を抑えつつ広い照射領域を確保しやすくなる。また、読取口5の周囲の広い範囲に発光部20a,20bが配置されるため、読取口5近傍に情報コードCや操作者の手などが配置されても、導光材71、72から照射される光が全て隠れるような事態が生じにくく、操作中の視認性をも高めることができる。
また、本構成では、平面方向において導光材71、72よりも読取口5側には、導光材71,72から読取口5側に漏れ出す光を遮光する漏洩抑制部101、102が形成されている。この構成によれば、導光材71、72から読取口5側に光が漏れ出すことを抑え、導光材71、72からの光が撮像部23の視野範囲に入り込むことをより抑制することができるため、導光材71、72からの光に起因する読取不良をより確実に低減することができる。
また、本構成では、読取口5が透明板7(透明部)によって閉塞されており、導光材71、72を覆う構成で、透明板7(透明部)よりも透明性が低い光透過性の被覆層8(拡散透過層)が設けられており、導光材71、72の各表面部71c,72cから放出された光が、被覆層8(拡散透過層)を透過しつつ拡散し、ケース3の外部に放出される構成となっている。
この構成によれば、導光材71、72から放出された光を被覆層8(拡散透過層)で拡散させて放出することができるため、光の偏りを緩和し、意匠性を高めることができる。
また、本構成では、導光材71、72は、上下方向においてケース3の上面部寄りに配置されており、ケース3の上面部には、導光材71、72を覆う構成で透明板7が配置されており、透明板7の一方の板面において導光材71、72を覆う位置に、被覆層8(拡散透過層)が環状に形成されており、被覆層8(拡散透過層)の内縁部が読取口5として構成されている。
この構成では、読取口5を形成するための層を拡散透過層として兼用することができるため、装置構成の簡素化を図りつつ、意匠性を高めることができる。
なお、被覆層8(拡散透過層)は、ある程度遮光性の高い層として構成されているが、この被覆層8(拡散透過層)において、導光材71、72の上方の位置に、複数の孔部8aが形成され、これら孔部8a及び透明板7を介して導光材71、72が視認可能とされているため、導光材71、72の各表面部から発せられた光の一部は、被覆層8(拡散透過層)を通らずに孔部8aを通って外部に放出され易くなる。つまり、被覆層8(拡散透過層)で拡散する光と、孔部8aを通る光とが相乗的に作用し、より広い範囲でより明るい光を放出することができる。
また、本構成では、各導光材71、72の各対向部は、外面が平坦に構成され且つ外面が上下方向と略平行に配置されており、導光材71、72はいずれも、各対向部から上下方向と直交する平面方向に延びており、発光部20a,20bの各発光素子60は、発光側の面が対向部の外面と向かい合い、且つ発光側の面から上下方向に対して横向きに光を照射する構成となっている。
この構成によれば、各対向部に対して垂直に近い向きで入射する光がより多くなり、各導光材71,72が延びる方向に向かう光が多くなるため、導光材71,72の各内部においてより奥位置まで光が届きやすくなる。従って、各発光素子60近傍に光が偏りすぎることを緩和し、より均一化することができる。
また、本構成では、ケース3の内部に収容され、ケース3の外部から読取口5を介して入り込む光を反射させる反射部材29と、ケース3の外部から読取口5を通過して入り込み且つ反射部材29で反射した光を撮像部23に導くように構成された結像部27とが設けられ、結像部27は、撮像部23で撮像可能な視野範囲として、当該結像部27と反射部材29との間に構成される第1視野範囲AR1と、当該第1視野範囲AR1に続くように反射部材29から上方側に構成される第2視野範囲AR2とを定める構成となっている。
このように、ケース3内に反射部材29を介在させ、結像部27からケース3の外部まで続く視野範囲の経路(即ち、読取口5から入り込んだ光を結像部27に導く経路)をケース3内において折れ曲がるように構成することで、ケース3の厚さをそれほど大きくしなくても、光学系から読取口5での距離(読取口5から入り込んだ光が結像部27に入り込むまでの光路長)を大きく確保しやすくなる。これにより、ケース3の厚さを低減して小サイズ化を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る光学的情報読取装置について、図14を用いて説明する。
本第2実施形態では、被覆層8に代えて一部遮光層9が採用される点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、図14に示すように、拡散透過層として機能する被覆層8に代えて設けられる一部遮光層9が、各導光材71、72の表面部側を覆うように環状に形成されている。この一部遮光層9は、表面部71c,72cから放出された光を透光させるための透光領域9aと、表面部71c,72cから放出された光を遮光するための遮光領域9bとを有するように形成されている。
透光領域9aは、表面部71c,72cから広範囲に放出された光を利用して任意の図形を表示するための領域であって、任意の図形をくり抜くようにして形成されている。ここで、任意の図形とは、例えば、文字(図14の例では、文字「ABC」)やロゴマーク、記号、製品名、会社名、操作方法に関する情報等が想定される。
一方、遮光領域9bは、透光領域9aと異なり、被覆層8よりも遮光性が高められた樹脂等の遮光性部材により形成されている。すなわち、遮光性部材から任意の図形に応じた形状をくり抜くように形成された領域が透光領域9aとなり、残りの領域が遮光領域9bとなる。
このように一部遮光層9が形成されることで、各導光材71、72の表面部71c,72cから放出された光は、一部遮光層9のうち透光領域9aを透光するようにして外部に照射される。透光領域9aは、任意の図形に応じて形成されているので、各導光材71、72からより広い範囲で発生させた光を利用して文字やロゴマーク等の任意の図形を表示することができ、文字やロゴマーク等を含めた据置型情報コード読取装置1の意匠性を高めることができる。
なお、一部遮光層9の遮光領域は、樹脂等の遮光性部材を用いて形成されることに限らず、暗色系のインクを用いて印刷形成されてもよい。具体的には、例えば、図15に示す遮光領域9c(図15のハッチング領域参照)のように、透明板7に対して透光領域9aに相当する位置を除くように黒色のインクを印刷(塗布)することで、遮光領域9cを形成することができる。
これにより、遮光領域9cの遮光性が向上するだけでなく相対的に透光領域9aを透光した光が際立つため、透光領域9aを透光する光により表示される文字やロゴマーク等の任意の図形に関して意匠性をさらに高めることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る光学的情報読取装置について、図16を用いて説明する。
本第3実施形態では、発光部20aおよび発光部20bに代えて発光部20cおよび発光部20dを採用する点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態における発光部20cおよび発光部20dは、上述した発光部20aおよび発光部20bと同様の構成部材を備えてなり、上記導光材71,72と同様に、反射材の反射面が裏面部側に面する導光材73,74を有している。発光部20cおよび発光部20dは、図16に示すように、導光材73,74の長手方向が上記幅方向に沿うように配置されている。そして、被覆層8において、各導光材73、74の上方の位置には、複数の孔部8aが発光領域に沿って並ぶようにそれぞれ形成され、これら孔部8a及び透明板7を介して導光材73、74が視認可能とされている。
このようにしても、導光材73、74の各表面部から発せられた光の一部は、被覆層8(拡散透過層)を通らずに孔部8aを通って外部に放出され易くなり、被覆層8(拡散透過層)で拡散する光と、孔部8aを通る光とが相乗的に作用することで、より広い範囲でより明るい光を放出することができる。
本第3実施形態の変形例として、図17に示すように、上述した発光部20cおよび発光部20dに加えて、上記第1実施形態にて述べた発光部20aおよび発光部20bをさらに設けてもよい。これにより、略四角環状に形成される被覆層8の四辺部全てにて発光可能となるので、明るい光を放出する範囲をさらに広げることができる。
なお、本実施形態およびその変形例における特徴的構成は、他の実施形態にも適用することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る光学的情報読取装置について、図18を用いて説明する。
本第4実施形態では、光透過性の接着層84に代えて明色系の両面接合部材を採用する点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
本第4実施形態では、図18に示すように、導光材71の裏面部71dと基板81の板面81aとの間に、明色系の両面接合部材として、例えば白色の両面テープ85が介在しており、この両面テープ85によって導光材71と基板81とが接合(粘着)されている。また、導光材72も同様に、両面テープ85によって基板82と接合(粘着)されている。
これにより、導光材71の内部に導入された光の少なくとも一部が、裏面部71dを通って明色系の両面テープ85で散乱しやすくなる。同様に、導光材72の内部に導入された光の少なくとも一部が、裏面部72dを通って明色系の両面テープ85で散乱しやすくなる。このため、表面部71c,72cから放出される光を、均一且つ明瞭な光として照射することができる。
なお、明色系の両面接合部材として、白色の両面テープ85が採用されることに限らず、光の散乱を促す明るい色の両面テープが採用されてもよいし、明色系の薄い素材を使って接着剤で貼り付ける構成等の両面接合部材が採用されてもよい。
なお、本実施形態における特徴的構成は、他の実施形態にも適用することができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る光学的情報読取装置について、図19を用いて説明する。
本第5実施形態では、反射材として、基板81,82に代えて、光の透過を抑制するように各導体層が配置された両面基板が採用される点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、図19に示すように、上述した基板81に代えて両面基板86が採用されている。この両面基板86は、上面86aの一部にて光透過性の接着層84により導光材71の裏面部71dに接合されており、上面86aが部分的に反射面83aとして構成されている。両面基板86は、絶縁層87に対して、上面86aに所定の配線パターンに応じた複数の銅箔パターン(以下、上側銅箔パターン88aともいう)が設けられ、下面86bに所定の配線パターンに応じた複数の銅箔パターン(以下、下側銅箔パターン88bともいう)が設けられるように構成されている。上側銅箔パターン88aおよび下側銅箔パターン88bは、光の透過を抑制可能な厚さに形成されている。また、上面86aおよび下面86bには、被覆膜としてレジスト層89が設けられており、このレジスト層89は、上側銅箔パターン88aや下側銅箔パターン88bの少なくとも一部を露出させるように形成されている。
また、両面基板86の上面86aには、上側銅箔パターン88aに電気的に接続される発光素子61a,61bが実装され、両面基板86の下面86bには、下側銅箔パターン88bに電気的に接続される第1光源21a、21bが実装されている。なお、図19では、発光素子61aおよび発光素子61bのうち発光素子61bのみが図示され、第1光源21aおよび第1光源21bのうち第1光源21aのみが図示されている。また、上面86aおよび下面86bは、「一面」および「他面」の一例に相当し、上側銅箔パターン88aおよび下側銅箔パターン88bは、「複数の導体層」の一例に相当し得る。
特に、本実施形態では、上側銅箔パターン88aおよび下側銅箔パターン88bは、光の透過を抑制する透過抑制部として機能させるため、両面基板86に対する外部からの光が当該両面基板86の透過を妨げる位置を考慮して配置されている。具体的には、図19からわかるように、下側銅箔パターン88bは、少なくとも一部のパターンにて、上側銅箔パターン88aが配置されていない上面86a側から絶縁層87内を透過した光を受けて下面86bへ漏光させないように配置されている。そして、上側銅箔パターン88aは、少なくとも一部のパターンにて、下側銅箔パターン88bが配置されていない下面86b側から絶縁層87内を透過した光を受けて上面86aへ漏光させないように配置されている。
これにより、導光材71の内部から裏面部71dを通る光や発光素子61a,61bから直接照射される光を含めた両面基板86に対する外部からの光(上面側からの光)が上面86a側から下面86b側に透過することを、上側銅箔パターン88aおよび下側銅箔パターン88bにより抑制することができる。すなわち、両面基板86の下面86b側への意図しない漏光を抑制することができる。さらに、両面基板86の下面86bに実装される第1光源21a、21bからの光を含めた両面基板86に対する外部からの光(下面側からの光)が下面86b側から上面86a側に透過することを、上側銅箔パターン88aおよび下側銅箔パターン88bにより抑制することができる。すなわち、両面基板86の上面86a側への意図しない漏光を抑制することができる。
特に、反射材として機能する両面基板86の各銅箔パターン88a,88bが、透過抑制部として機能するように配置されている構成となっている。この構成によれば、各銅箔パターン88a,88bを両面基板86の透過を妨げるようにそれぞれ配置することで意図しない漏光が抑制されるので、両面基板86に対して透過抑制部として機能する部材を別途用意する必要もない。このため、透過抑制部を有する反射材として機能する両面基板86を簡素な構成とすることができる。
本第5実施形態の第1変形例として、両面基板86に代えて内層にも導体層が設けられる多層基板を反射材として採用してもよい。例えば、図20に例示する多層基板86cは、両面基板86に対して内層側に銅箔パターン88cが設けられている。この銅箔パターン88dは、断裂の無いベタ層として形成されている。
このようにしても、多層基板86cの下面86b側への意図しない漏光や多層基板86cの上面86a側への意図しない漏光を抑制することができる。特に、上側銅箔パターン88aおよび下側銅箔パターン88bに加えて銅箔パターン88cを透過抑制部として機能させるため、上側銅箔パターン88aおよび下側銅箔パターン88bのみで透過抑制部を構成する場合と比較して、各銅箔パターン88a〜88cの配置に関する制約を緩和することができる。さらに、銅箔パターン88cが断裂の無いベタ層として形成されているので、意図しない漏光に対する抑制効果を向上させることができる。
なお、内層側に設けられる銅箔パターン88cは、ベタ層として配置されることに限らず、少なくとも一部が、上側銅箔パターン88aが配置されていない上面86a側から絶縁層87内を透過した光を受けて下面86bへ漏光しないように配置され、下側銅箔パターン88bが配置されていない下面86b側から絶縁層87内を透過した光を受けて上面86aへ漏光しないように配置されることでも、上記効果を奏する。また、内層側に設けられる銅箔パターン88cは、1層に限らず、2層以上により構成されてもよい。
また、本第5実施形態の第2変形例として、上面86aおよび下面86bの少なくとも一方に設けられるレジスト層89は、光の透過を抑制する材料、例えば、黒色の被覆膜を構成するための材料から形成されてもよい。これにより、黒い色のレジスト層89は、上側銅箔パターン88aおよび下側銅箔パターン88bとともに透過抑制部として機能する。
このように、各銅箔パターン88a,88bだけでなくレジスト層89をも利用して透過抑制部が構成されるため、回路設計上、銅箔パターン(導体層)が配置できない場所であってもレジスト層89を配置できれば透過抑制部を構成できるので、より広範囲に透過抑制部を配置でき、意図しない漏光を確実に抑制することができる。また、多層基板86cのレジスト層89を光の透過を抑制する材料から形成することで、さらに広範囲に透過抑制部を配置でき、意図しない漏光をより確実に抑制することができる。
なお、基板82に代えて上述した両面基板86または多層基板86cを採用する場合でも、上記効果を奏する。また、本実施形態およびその変形例における特徴的構成は、他の実施形態にも適用することができる。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る光学的情報読取装置について、図21を用いて説明する。
本第6実施形態では、基板81,82の板面に透過抑制膜が形成される点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、発光素子60が実装される基板81,82の一方の板面に光の透過を抑制する材料を用いて膜状に設けられる透過抑制膜が設けられている。具体的には、基板81では、図21に示すように、一方の板面81aのうち光の透過を抑制すべき所定の範囲に黒色のシルク印刷が施されることで反射面側透過抑制膜111が形成されている。ここで、上記所定の範囲は、導光材71の内部から裏面部71dを通る光や発光素子61a,61bから直接照射される光を含めた基板81に対する外部からの光(上側からの光)を受ける範囲と、他方の面81bに実装される第1光源21a、21bからの光を含めた基板81に対する外部からの光(下側からの光)が他方の面81b側から基板81の内部を透過した際に受ける範囲との双方を含めた範囲に設定されている。
これにより、導光材71の内部から裏面部71dを通る光や発光素子61a,61bから直接照射される光を含めた基板81に対する外部からの光(上側からの光)が上面86a側から基板81内に透過することを、反射面側透過抑制膜111により抑制することができる。すなわち、基板81の他方の面81b側への意図しない漏光を抑制することができる。さらに、基板81の他方の面81bに実装される第1光源21a、21bからの光を含めた基板81に対する外部からの光(下側からの光)が他方の面81b側から一方の板面81a側に透過することを、反射面側透過抑制膜111により抑制することができる。すなわち、基板81の一方の板面81a側への意図しない漏光を抑制することができる。
特に、反射面側透過抑制膜111は、膜状の透過抑制部として形成されているので、発光素子61a,61bの近傍(発光素子の直下の範囲を含む)であっても容易に設けることができるので、より広範囲に透過抑制部を配置することができる。
なお、基板82における一方の板面82aのうち光の透過を抑制すべき所定の範囲に黒色のシルク印刷が施されることで反射面側透過抑制膜111が形成されても、上記効果を奏する。
本第6実施形態の第1変形例として、透過抑制膜は、基板81,82の裏側の面に光の透過を抑制する材料を用いて膜状に設けられてもよい。具体的には、例えば、図22に示すように、基板81における他方の面(裏側の面)81bのうち光の透過を抑制すべき所定の範囲に黒色のシルク印刷が施されることで裏面側透過抑制膜112を形成してもよい。このように構成にしても、基板81,82のうち他方の面(裏側の面)に設けられる裏面側透過抑制膜112により意図しない漏光を抑制することができる。
本第6実施形態の第2変形例として、裏面側透過抑制膜112に加えて反射面側透過抑制膜111が基板81,82に対してそれぞれ透過抑制部として配置されてもよい。これにより、基板81では、仮に、一方の板面81a側からの光の一部が反射面側透過抑制膜111を透過しても裏面側透過抑制膜112により他方の面81b側への透過が抑制され、他方の面81b側からの光の一部が裏面側透過抑制膜112を透過しても反射面側透過抑制膜111により一方の板面81a側への透過が抑制される。このように、基板81,82に対して反射面側透過抑制膜111および裏面側透過抑制膜112の双方を形成することで、基板81,82における意図しない漏光を確実に抑制することができる。
なお、反射面側透過抑制膜111および裏面側透過抑制膜112は、黒色のシルク印刷が施されることで形成されることに限らず、暗色系のシルク印刷が施されることで形成されてもよいし、他の暗色系の塗料など光の透過を抑制する材料を用いて膜状に設けられる透過抑制膜として形成されてもよい。また、本実施形態およびその変形例における特徴的構成は、他の実施形態にも適用することができる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した各実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態では、第1視野範囲AR1の中心となる光軸L1が水平方向となり、第2視野範囲AR2の中心となる光軸L2が上下方向となる例を示したが、このような例に限られない。例えば、光軸L1が水平方向に対して傾いていてもよく、光軸L2が上下方向に対して傾いていてもよい。
据置構造として、載置面に載置する例を示したが、読取作業を行う者が手に持たずに設置場所に設置して使用可能であればよく、例えば、机などに埋め込んで固定するような据置構成であってもよく、壁などに固定するような据置構造であってもよい。
上記実施形態では、導光材と反射材とが接着層によって接合される構成を例示したが、導光材の下方に反射材が配置され、それぞれが確実に保持される構成であれば、導光材と反射材とが接合されていなくてもよい。
上記第5,6実施形態では、各銅箔パターン88a〜88cやレジスト層89、透過抑制膜111,112により光の透過を抑制する透過抑制部を構成しているが、これに限らず、反射材の一部を光の透過を抑制する透過抑制部として構成してもよいし、反射材に対して透過を抑制する透過抑制部を別途追加するように構成してもよい。