JP2009152099A - 携帯電話の照明構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度を向上させ、薄型化を図ることのできる安価な携帯電話の照明構造を提供する。
【解決手段】メタルドーム層3と、複数の発光部11を備えてメタルドーム層3に対向する操作層10と、メタルドーム層3と操作層10との間に介在され、メタルドーム層3の周囲に位置するLED25からの光線を導光して操作層10の複数の発光部11を照明する光透過性のライトガイド層20とを備える。ライトガイド層20を、少なくともオルガノポリシロキサン100重量部に対してシリコーンレジン10〜50重量部を添加した成形材料により柔軟な略板形に形成し、ライトガイド層20の操作層10に対向する対向面に、LED25から導光した光線を操作層10方向に導いて散乱させる複数の散乱透過模様22をスクリーン印刷する。
【選択図】図3

Description

本発明は、携帯電話の操作キー等を照明する携帯電話の照明構造に関するものである。
従来における携帯電話の照明構造は、図示しないが、接点層と、この接点層に対向する操作層と、多数(例えば8、9個)のLEDの光線を散乱させて操作層の複数の操作キーを照明する導光層とを備えて構成されている(特許文献1、2参照)。導光層は、例えばシリコーンゴム、ウレタン、ポリエチレンテレフタレート等を使用して成形され、接点層を被覆する。
特開2004‐200093号公報 特開2007‐27115号公報
従来における携帯電話の照明構造は、以上のように構成され、操作層の複数の操作キーを照明するには、多数のLEDを使用しなければならないので、コスト削減を図ることができないという問題がある。また、導光層が単にシリコーンゴム、ウレタン、ポリエチレンテレフタレート等を使用して成形されているので、強度が不足したり、薄型化に支障を来たすという問題がある。
本発明は上記に鑑みなされたもので、強度を向上させ、薄型化を図ることのできる安価な携帯電話の照明構造を提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、接点層と、複数の発光部を備えて接点層に対向する操作層と、これら接点層と操作層との間に介在され、接点層の周囲に位置する光源からの光線を導光して操作層の複数の発光部を照明する光透過性のライトガイド層とを備えたものであって、
ライトガイド層を、少なくともオルガノポリシロキサン100重量部に対してシリコーンレジン10〜50重量部を添加した成形材料により柔軟な略板形に形成し、このライトガイド層の操作層に対向する対向面に、光源から導光した光線を操作層方向に導いて散乱させる複数の散乱透過模様を形成したことを特徴としている。
なお、操作層の複数の発光部を、透明あるいは半透明の複数の操作キーと、コマンダを包囲する透明あるいは半透明の枠体のうち、少なくとも複数の操作キーとすることができる。
また、ライトガイド層の厚さを0.2mmとした場合に、ライトガイド層のヘイズ値(試験片の散乱光線透過率を割った数値を百分率で表した値)を2以下とすることができる。
また、ライトガイド層の接点層に対向する対向面に酸化ケイ素皮膜を形成することができる。
また、光源を基準に複数の散乱透過模様にグラデーション処理を施し、光源に近い散乱透過模様と遠い散乱透過模様とを略均一に発光させることが好ましい。
ここで、特許請求の範囲における接点層には、押圧操作により接点機能を発揮する複数の接点部を配列し、この複数の接点部を可撓性の保護膜により被覆し、この保護膜にライトガイド層を接触させることができる。操作層の複数の発光部には、少なくとも携帯電話の操作キー、コマンダ、このコマンダを包囲する枠体等が含まれる。
また、光源は、単数複数のLEDやEL(面発光体)からなり、接点層の周囲の前後左右に位置する。さらに、成形材料は、オルガノポリシロキサン100重量部に対してシリコーンレジン10〜50重量部を添加して調製されるが、オルガノポリシロキサン100重量部に対してシリコーンレジン10〜50重量部、補強シリカ0〜10重量部を添加して調製することもできる。
本発明によれば、光源が発光すると、光線は、ライトガイド層の周面から内部に入射して導光され、散乱透過模様を通過・散乱して操作層の発光部を照明する。また、本発明によれば、少なくともオルガノポリシロキサン100重量部に対してシリコーンレジン10〜50重量部を添加した成形材料によりライトガイド層を形成するので、強度が不足したり、携帯電話の薄型化に支障を来たすことが少ない。
本発明によれば、強度を向上させ、薄型化を図ることのできる携帯電話の照明構造を安価に提供することができるという効果がある。
また、ライトガイド層の厚さを0.2mmとした場合に、ライトガイド層のヘイズ値を2以下とすれば、ライトガイド層の透明度が高くなり、黄色等の色彩を帯びた発光を防いだり、光源の点灯に伴うライトガイド層の発光ムラを防ぐことができる。
さらに、光源を基準に複数の散乱透過模様にグラデーション処理を施せば、光源に近い散乱透過模様と遠い散乱透過模様とを略均一に発光させ、輝度ムラを抑制することが可能になる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における携帯電話の照明構造は、図1ないし図3に示すように、フレキシブルプリント配線板2上に搭載されるメタルドーム層3と、このメタルドーム層3に対向する操作層10と、これらメタルドーム層3と操作層10との間に介在され、メタルドーム層3の周囲に位置する複数のLED25からの光線を導光して操作層10の複数の発光部11を照明する光透過性のライトガイド層20とを備え、このライトガイド層20を、少なくともオルガノポリシロキサン100重量部に対してシリコーンレジン10〜50重量部の架橋剤を添加した成形材料により形成するようにしている。
メタルドーム層3、操作層10、ライトガイド層20は、図3に示すように、基本的には略同じ大きさに形成され、粘着テープや接着剤等を使用して積層構造に形成される。メタルドーム層3の表面にはライトガイド層20が積層され、このライトガイド層20の表面には操作層10が積層される。
メタルドーム層3は、図2や図3に示すように、押圧操作により接点機能を発揮する複数のメタルドーム4が表面に配列され、この複数のメタルドーム4が可撓性の保護膜5に被覆される。この保護膜5は、例えば光や熱に対して安定のポリエチレンテレフタレート等からなり、メタルドーム層3の表面に接着されており、ライトガイド層20に接触する。
操作層10は、図1や図3に示すように、例えばポリカーボネートや所定のフィルムを使用して断面略板形に成形され、複数の発光部11が配列形成されており、周縁部が粘着テープ等を介してライトガイド層20に接着される。複数の発光部11は、所定の間隔をおいて配列される透明あるいは半透明の複数の操作キー12と、前後左右に揺動可能なコマンダ13を包囲する透明あるいは半透明の枠体14とを備え、操作キー12やコマンダ13がユーザにより適宜押圧操作される。
各操作キー12は、図1に示すように、携帯電話1の操作に必要な文字、数字、図柄等が印刷され、ユーザに押圧操作されることにより、メタルドーム層3のメタルドーム4をライトガイド層20を介してON−OFFするよう機能する。
ライトガイド層20は、無色透明のオルガノポリシロキサン100重量部に対し、補強用のシリコーンレジン10〜50重量部、補強シリカ0〜10重量部を添加した成形材料により屈曲可能な柔軟な略板形に成形され、図2や図3に示すように、メタルドーム層3の保護膜5に対向する裏面に、ベタツキ感を抑制する酸化ケイ素皮膜21が形成されており、操作層10に対向する表面には、複数のLED25からXY方向に導光した光線を操作層10方向に導いて散乱させる複数の散乱透過模様22が印刷される。
ライトガイド層20は、発光ムラを防止する観点から厚さが0.2mmの場合、ヘイズ値(0.2mmの厚さを有する試験片の散乱光線透過率を割った数値を百分率で表した値)が2以下、好ましくは0.5〜2以下、より好ましくは0.5〜1.1以下とされる。また、成形材料のシリコーンレジンは、例えば特許第2678163号公報に記載されているように、オルガノシラン類を共加水分解し、重合して得られる三次元網状構造のポリマーであり、光透過性や透明性を損なうことなく強度を確保するよう機能する。
シリコーンレジンの添加量が10〜50重量部なのは、10重量部未満の場合には、補強効果が不十分で十分な強度が得られず、逆に50重量部を越える場合には、ライトガイド層20の柔軟性が低下し、脆くなるからである。また、補強シリカは、10重量部以下の添加量であれば、ヘイズ値や透明性を損なうことなく、ライトガイド層20の強度をさらに向上させるよう機能する。
酸化ケイ素皮膜21は、図4に示すように、所定の処理装置により、コンベヤ23により搬送されるライトガイド層20の裏面に微量のシランカップリング剤が酸化火炎と共にバーナー24により瞬時に吹き付けられることにより、ナノレベルサイズの凹凸に薄く積層形成され、ライトガイド層20のベタツキ感を抑制する。また、複数(本実施形態では3個)のLED25は、メタルドーム層3の周囲における前後左右のいずれかに並んで位置し、ライトガイド層20の周面に近接対向しており、ライトガイド層20に横方向から光線を入射させる。
複数の散乱透過模様22は、白インクにより並べてスクリーン印刷され、複数のLED25を基準にグラデーション処理が施される。すなわち、この複数の散乱透過模様22は、LED25に近い散乱透過模様22が小さくドット印刷され、LED25から遠い散乱透過模様22が強く発光するよう大きくドット印刷されており、ライトガイド層20を全体として略均一に発光させる。
各散乱透過模様22は、例えば複数のドットにより平面矩形、多角形、扇形、円弧形等の所定の形に区画形成されて操作層10の発光部11(操作キー12と枠体14)に対向し、光線の透過・散乱により面発光する。また、白インクは、適切な発光を確保する観点から例えばシリコーン系のインク100重量部に酸化チタンが5〜50重量部、好ましくは15重量部含有されることにより調製される。
上記構成において、複数のLED25が発光すると、光線は、ライトガイド層20の周面から内部に入射して導光・伝送され、各散乱透過模様22を通過・散乱して各散乱透過模様22を面発光させ、この散乱透過模様22の面発光により、操作層10の発光部11、すなわち複数の操作キー12と枠体14とが照明される。また、操作層10の操作キー12が押圧操作されると、メタルドーム層3のメタルドーム4がライトガイド層20やその酸化ケイ素皮膜21を介して押圧操作され、携帯電話1の送信機能や受信機能等、所定の機能が実行される。
上記構成によれば、単なるシリコーンゴムによりライトガイド層20を成形するのではなく、耐候性や変色防止に優れるオルガノポリシロキサン100重量部に対し、シリコーンレジン10〜50重量部、10重量部以下の補強シリカを添加した成形材料によりライトガイド層20を成形するので、強度が不足したり、薄型化に支障を来たすことが全くない。また、ライトガイド層20により光線を導光して散乱させるので、従来のように多数のLED25を使用する必要がなく、コスト削減を図ることができる。
また、メタルドーム層3の保護膜5にシリコーンゴム製のライトガイド層20が直接接触するので、良好なタック感が大いに期待でき、薄型化を図ることもできる。また、ライトガイド層20のメタルドーム層3の保護膜5に対向する裏面に易接着性物質である酸化ケイ素皮膜21を積極的に形成するので、経時変化に対する耐久性を著しく向上させ、信頼性の低下を抑制防止したり、生産工程の短縮、生産性の向上、生産コストの削減、不良率の低減、環境負荷の低減を図ることが可能になる。
さらに、メタルドーム層3の保護膜5にライトガイド層20の酸化ケイ素皮膜21が接触するものの、密着することがないので、密着に伴い、操作層10に異常な発光部11が発生するのを抑制防止することが可能になる。
なお、上記実施形態のメタルドーム層3、操作層10、ライトガイド層20は、平面略矩形でも良いし、略多角形等でも良い。また、補強シリカを省略し、オルガノポリシロキサン100重量部に対してシリコーンレジン10〜50重量部のみを添加した成形材料によりライトガイド層20を成形しても、シリコーンレジンがある程度の補強効果を奏するので、強度を確保したり、操作キー12のクリック感を向上させたり、薄型化を図ることができる。さらに、操作層10と操作キー12とは、一体でも良いし、別体でも良い。
以下、本発明に係る携帯電話の照明構造の実施例を比較例と共に説明する。
実施例1
ライトガイド層を、透明のオルガノポリシロキサン100重量部に対してシリコーンレジン30重量部を添加した成形材料により屈曲可能な略板形に成形し、その後、図3に示すメタルドーム層の表面の保護膜に積層し、メタルドーム層の周囲に位置する複数のLEDから光線をライトガイド層の内部に入射させた。この際、ライトガイド層のヘイズ値を日本電色工業株式会社製の濁度計(曇り度計)NDH200により測定したところ、ライトガイド層の厚みが0.2mmの場合において、0.5のヘイズ値を示した。
LEDから光線をライトガイド層に横方向から入射させたところ、バランスのとれた発光・輝度を得ることができた。
実施例2
ライトガイド層を、透明のオルガノポリシロキサン100重量部に対し、シリコーンレジン30重量部、補強シリカ5重量部を添加した成形材料により屈曲可能な略板形に成形し、その後、図3に示すメタルドーム層の表面の保護膜に積層し、メタルドーム層の周囲に位置する複数のLEDから光線をライトガイド層の内部に入射させた。この際、ライトガイド層のヘイズ値を日本電色工業株式会社製の濁度計(曇り度計)NDH200により測定したところ、ライトガイド層の厚みが0.2mmの場合において、1のヘイズ値を示した。
LEDから光線をライトガイド層に横方向から入射させたところ、バランスのとれた発光・輝度を確認した。また、ライトガイド層の強度の向上を確認した。
比較例1
ライトガイド層を、透明のオルガノポリシロキサン100重量部に対して補強シリカ30重量部のみを添加した成形材料により屈曲可能な略板形に成形し、その後、図3に示すメタルドーム層の表面の保護膜に積層し、メタルドーム層の周囲に位置する複数のLEDから光線をライトガイド層の内部に入射させた。この際、ライトガイド層のヘイズ値を日本電色工業株式会社製の濁度計(曇り度計)NDH200により測定したところ、ライトガイド層の厚みが0.2mmの場合において、8のヘイズ値を示した。
LEDから光線をライトガイド層に横方向から入射させたところ、ライトガイド層の透明性が悪く、発光・輝度のバランスを欠いた。
比較例2
ライトガイド層を、透明のオルガノポリシロキサン100重量部に対し、シリコーンレジン30重量部、補強シリカ12重量部を添加した成形材料により屈曲可能な略板形に成形し、その後、図3に示すメタルドーム層の表面の保護膜に積層し、メタルドーム層の周囲に位置する複数のLEDから光線をライトガイド層の内部に入射させた。この際、ライトガイド層のヘイズ値を日本電色工業株式会社製の濁度計(曇り度計)NDH200により測定したところ、ライトガイド層の厚みが0.2mmの場合において、4のヘイズ値を示した。
LEDから光線をライトガイド層に横方向から入射させたところ、ライトガイド層の透明性が悪く、発光・輝度のバランスを欠いた。
本発明に係る携帯電話の照明構造の実施形態における携帯電話を模式的に示す斜視説明図である。 本発明に係る携帯電話の照明構造の実施形態を模式的に示す説明図である。 本発明に係る携帯電話の照明構造の実施形態を模式的に示す断面説明図である。 本発明に係る携帯電話の照明構造の実施形態における酸化ケイ素皮膜の形成方法を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 携帯電話
3 メタルドーム層(接点層)
4 メタルドーム
5 保護膜
10 操作層
11 発光部
12 操作キー
14 枠体
20 ライトガイド層
22 散乱透過模様
25 LED(光源)

Claims (3)

  1. 接点層と、複数の発光部を備えて接点層に対向する操作層と、これら接点層と操作層との間に介在され、接点層の周囲に位置する光源からの光線を導光して操作層の複数の発光部を照明する光透過性のライトガイド層とを備えた携帯電話の照明構造であって、
    ライトガイド層を、少なくともオルガノポリシロキサン100重量部に対してシリコーンレジン10〜50重量部を添加した成形材料により柔軟な略板形に形成し、このライトガイド層の操作層に対向する対向面に、光源から導光した光線を操作層方向に導いて散乱させる複数の散乱透過模様を形成したことを特徴とする携帯電話の照明構造。
  2. ライトガイド層の厚さを0.2mmとした場合に、ライトガイド層のヘイズ値を2以下とした請求項1記載の携帯電話の照明構造。
  3. 光源を基準に複数の散乱透過模様にグラデーション処理を施し、光源に近い散乱透過模様と遠い散乱透過模様とを略均一に発光させるようにした請求項1又は2記載の携帯電話の照明構造。
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