以下、実施形態に係る多軸高積載トラックについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明では、車両前後方向における前方及び後方を単に前方及び後方ともいう。
図1は、多軸高積載トラックの概略側面図である。図1に示すように、本実施形態の多軸高積載トラック1は、3以上の車軸を備える多軸高積載トラックであり、前部車両2(第一車両)と、後部車両3(第二車両)と、揺動接続部4と、回転台5と、幌6と、を備える。
前部車両2は、多軸高積載トラック1の車両前後方向前側に配置される駆動車両である。前部車両2としては、例えば、一般に市販されているトラックを用いることができる。前部車両2は、車幅方向に併設されて車両前後方向に延びる一対の前部フレーム21,21(第一フレーム)を備える。一対の前部フレーム21,21には、車両前後方向前側に位置して一以上の車軸で構成される前側車軸部22と、車両前後方向後側に位置して一以上の車軸で構成される後側車軸部23と、が取り付けられている。前側車軸部22に連結される車輪のうち、少なくとも左右一対の車輪は、操舵機構に連結された操舵輪となっている。後側車軸部23の少なくとも一軸は、プロペラシャフト及びデファレンシャルギア等に連結された駆動軸となっている。また、一対の前部フレーム21,21には、荷物が積載される前部荷台24が載置固定されている。
後部車両3は、多軸高積載トラック1の車両前後方向後側に配置される従動車両である。後部車両3としては、例えば、一般に市販されているトレーラ(被牽引車)を用いることができる。後部車両3は、車幅方向に併設されて車両前後方向に延びる一対の後部フレーム31,31(第二フレーム)を備える。一対の後部フレーム31,31には、車両前後方向中央に位置する中央車軸部32が取り付けられている。中央車軸部32は、二つの車軸で構成されている。このため、後部車両3は、前部車両2から分離された状態でも自立可能なセンタアクスル方式の車両となっている。また、一対の後部フレーム31,31には、荷物が積載される後部荷台34が載置固定されている。なお、後部フレーム31の形状については、後述する。
揺動接続部4は、車両前後方向において前部車両2と後部車両3とを揺動自在に接続する。揺動接続部4は、前部フレーム21及び後部フレーム31に接続されており、前部車両2と後部車両3との間において車両上下方向に延びる軸線Aを揺動中心として、前部車両2と後部車両3とを揺動自在に接続する。なお、揺動接続部4は、トレーラー(牽引車)のように前部車両2と後部車両3とを容易に着脱可能に接続するのではなく、ボルトの締結により前部車両2と後部車両3とを着脱不能に接続している。但し、メンテナンスを行う場合等の特段の事情があるときは、ボルトを外すことにより前部車両2と後部車両3とを分離することが可能となっている。なお、揺動接続部4の具体的な構成については、後述する。
回転台5は、前部荷台24と後部荷台34とに架け渡されており、前部荷台24と後部荷台34との間を行き来するための通路部として機能する。なお、回転台5は、揺動接続部4と同様に、前側の部分と後部車両3側の部分とが、軸線Aを中心として揺動自在に連結されている。
幌6は、前部荷台24と後部荷台34との間の通路空間を形成するための部材である。幌6は、揺動接続部4及び回転台5を覆うとともに、前部荷台24の後面の開口と後部荷台34の前面の開口とに連通される通路空間を形成する。なお、幌6は、伸縮可能な蛇腹状に形成されている。
次に、後部フレーム31の形状について説明する。図2の(a)は、後部フレームの平面図、図2の(b)は、後部フレームの側面図、図2の(c)は、図2の(b)のII(c)−II(C)線における断面図である。図2に示すように、後部フレーム31は、車幅方向内側に向けて開口した、溝形鋼のような断面略C字状(コ字状又はチャネル状ともいう)に形成されている。具体的に説明すると、後部フレーム31は、車両上下方向及び車両前後方向に延びる矩形板状のフレーム側板部31aと、フレーム側板部31aの上端縁から車幅方向内側に延びる矩形板状のフレーム上板部31bと、フレーム側板部31aの下端縁から車幅方向内側に延びる矩形板状のフレーム下板部31cと、を備えている。フレーム側板部31a、フレーム上板部31b及びフレーム下板部31cのそれぞれには、ボルトBが挿入される複数のボルト穴31dが形成されている。
次に、揺動接続部4の詳細について説明する。図3は、揺動接続部の一部を示す平面図である。図1及び図3に示すように、揺動接続部4は、揺動部41と、前部フレーム側接続部42(第一接続部)と、後部フレーム側接続部43(第二接続部)と、を備える。
揺動部41は、軸線Aを揺動中心とした揺動を可能とするための部位である。揺動部41は、前部車両2と後部車両3との間に配置されている。揺動部41は、前部車両2側に配置される前部分41aと、後部車両3側に配置される後部分41bと、に分かれており、後部分41bと前部分41aとが軸線Aを揺動中心として揺動自在に連結されている。なお、揺動部41の構造は、特に限定されるものではなく、軸線Aを揺動中心として前部分41aと後部分41bとが揺動自在に連結されていれば、如何なる構造であってもよい。
前部フレーム側接続部42は、前部フレーム21に接続される部位である。後部フレーム側接続部43は、ボルト締めにより後部フレーム31に接続される部位である。前部フレーム21に対する前部フレーム側接続部42の接続は、特に限定されるものではなく、例えば、ボルト締めにより行ってもよく、溶接により行ってもよい。なお、後部フレーム側接続部43の説明において、前部車両2側を「前側」(車両前後方向前側)とも言い、前部車両2の反対側を「後側」(車両前後方向後側)とも言う。
図4は、揺動接続部とフレームとの接続部分を示す斜視図である。図5は、揺動接続部とフレームとの接続部分を示す平面部である。図6は、揺動接続部とフレームとの接続部分を示す側面図である。図7は、図5に示すVII−VII線における端面図である。図3〜図7に示すように、後部フレーム側接続部43は、基端横延部431と、第一ボルト締結部432と、一対の第二ボルト締結部433,433と、クロスメンバ434と、一対の第一補強板部435,435と、一対の第二補強板部436,436と、を備える。
基端横延部431は、揺動部41の後部車両3側の端部に接続されている。具体的に説明すると、基端横延部431は、中実の角柱状に形成されて直線状に延びる棒状部材である。なお、基端横延部431は、軽量化のため、適宜肉抜きされている。基端横延部431は、後部フレーム31よりも前側に配置されて、車幅方向に延びている。基端横延部431の両端部は、車両前面視において一対の後部フレーム31,31から突出した位置まで延びている。つまり、基端横延部431の両端部は、一対の後部フレーム31,31よりも車幅方向外側の位置まで延びている。
図8の(a)は、第一ボルト締結部の平面図、図8の(b)は、第一ボルト締結部の側面図である。図4〜図8に示すように、第一ボルト締結部432は、基端横延部431に溶接されて、後部フレーム31にボルト締めにより接続されている。第一ボルト締結部432は、一対の後部フレーム31,31の車幅方向内側に配置されている。第一ボルト締結部432は、一段目部437と、二段目部438と、を備える。
一段目部437は、複数の第一縦延部439と、第一横延部440と、を備える。
第一縦延部439は、基端横延部431に溶接されて、基端横延部431から後側に向けて車両前後方向に延びている。具体的に説明すると、第一縦延部439は、中空の角筒状に形成されて直線状に延びる角パイプである。第一縦延部439の後側先端は、車両側面視において後部フレーム31に至る位置となっている。複数の第一縦延部439は、車幅方向中心を基準として車幅方向に対称となる位置に配置されている。第一縦延部439の本数は、複数であれば特に限定されないが、例えば、図面に示すように3本(第一縦延部439a、第一縦延部439b及び第一縦延部439c)とすることができる。この場合、第一縦延部439aは、車幅方向における中央に配置され、第一縦延部439b及び第一縦延部439cは、第一縦延部439aを基準として車幅方向に対称となる位置に配置される。
第一横延部440は、第一縦延部439に溶接されて、車幅方向に延びて後部フレーム31にボルト締めにより接続されている。具体的に説明すると、第一横延部440は、中空の角筒状に形成されて直線状に延びる角パイプである。第一横延部440は、第一縦延部439の後側端面に溶接されている。第一横延部440は、車幅方向に延びており、その両端部に、それぞれ第一締結板部441,441が取り付けられている。
第一締結板部441は、後部フレーム31のフレーム側板部31aにボルト締めにより接続されている。第一締結板部441は、第一横延部440よりも車両前後方向及び車幅方向に長い平板状に形成されている。第一締結板部441には、ボルトBが挿入される複数のボルト穴441aが形成されている。そして、第一締結板部441とフレーム側板部31a(第一横延部440)とは、ボルト穴441a及びフレーム側板部31aに形成されたボルト穴31dに挿入されたボルトBにより締結されている。
二段目部438は、複数の第二縦延部442と、第二横延部443と、を備える。
第二縦延部442は、第一横延部440に溶接されて、第一横延部440から後側に向けて車両前後方向に延びている。具体的に説明すると、第二縦延部442は、中空の角筒状に形成されて直線状に延びる角パイプである。第二縦延部442の長さは、特に限定されるものではないが、第一縦延部439の長さ以下とすることができる。複数の第二縦延部442は、車幅方向中心を基準として車幅方向に対称となる位置に配置されている。第二縦延部442の本数は、複数であれば特に限定されないが、例えば、図面に示すように、第一縦延部439を3本(第一縦延部439a、第一縦延部439b及び第一縦延部439c)で構成する場合は、第二縦延部442を2本(第二縦延部442a及び第二縦延部442b)とすることができる。この場合、車両正面視において、第二縦延部442aは、第一縦延部439aと第一縦延部439bとの間に配置され、第二縦延部442bは、第一縦延部439aと第一縦延部439cとの間に配置される。
第二横延部443は、第二縦延部442に溶接されて、車幅方向に延びて後部フレーム31にボルト締めにより接続されている。具体的に説明すると、第二横延部443は、中空の角筒状に形成されて直線状に延びる角パイプである。第二横延部443は、第二縦延部442の後側端面に溶接されている。第二横延部443は、車幅方向に延びており、その両端部に、それぞれ第二締結板部444,444が取り付けられている。
第二締結板部444は、後部フレーム31のフレーム側板部31aにボルト締めにより接続されている。第二締結板部444は、第二横延部443よりも車両前後方向及び車幅方向に長い平板状に形成されている。第二締結板部444には、ボルトBが挿入される複数のボルト穴444aが形成されている。そして、第二締結板部444とフレーム側板部31a(第二横延部443)とは、ボルト穴444a及びフレーム側板部31aに形成されたボルト穴31dに挿入されたボルトBにより締結されている。
第二ボルト締結部433は、基端横延部431に溶接されて、後部フレーム31にボルト締めにより接続されている。第二ボルト締結部433,433は、一対の後部フレーム31,31の車幅方向外側に配置されており、一方の第二ボルト締結部433と他方の第二ボルト締結部433とが、後部フレーム31を挟んで車幅方向に対称となる位置に配置されている。第二ボルト締結部433は、傾斜延部445と、第三縦延部446と、を備える。
図9の(a)は、傾斜延部の平面図、図9の(b)は、傾斜延部の側面図、図9の(c)は、図9の(b)のIX(c)−IX(C)線における断面図である。図4〜図6及び図9に示すように、傾斜延部445は、基端横延部431に溶接されて、基端横延部431から後側に向けて車幅方向内側に傾斜しながら車両前後方向に延びている。具体的に説明すると、傾斜延部445は、中空の角筒状に形成されて直線状に延びる角パイプである。基端横延部431に溶接される傾斜延部445の一方の端面445aは、傾斜延部445の延在方向に対して所定角度に傾斜して、基端横延部431の延在方向(車幅方向)と平行になっている。また、傾斜延部445の他方の端面445bは、傾斜延部445の延在方向に対して所定角度に傾斜して、後部フレーム31延在方向(車両前後方向)と平行になっている。傾斜延部445の後側先端は、車両側面視において、後部フレーム31に至る位置となっている。傾斜延部445の車幅方向内側への傾斜角度は、特に限定されるものではないが、例えば、45°又は45°±5°とすることができる。
図10の(a)は、第三縦延部の平面図、図10の(b)は、第三縦延部の側面図、図10の(c)は、図10の(b)のX(c)−X(C)線における断面図である。図4〜図6及び図10に示すように、第三縦延部446は、傾斜延部445に溶接されて、車両前後方向に延びて第一横延部440と車幅方向に対向し、後部フレーム31にボルト締めにより接続されている。具体的に説明すると、第三縦延部446は、中空の角筒状に形成されて直線状に延びる角パイプである。第三縦延部446は、傾斜延部445の端面445b(図9参照)に溶接されている。第三縦延部446は、車両前後方向に延びて、後部フレーム31のフレーム側板部31aに当接された状態で、フレーム側板部31aにボルト締めにより接続されている。第三縦延部446の前側先端は、側面視において、第一横延部440の第一締結板部441よりも前側の位置となっている。第三縦延部446の後側先端は、第二横延部443の第二締結板部444を超えて、後述するクロスメンバ434よりも後側の位置となっている。これにより、第三縦延部446は、第一横延部440、第二横延部443及びクロスメンバ434と車幅方向に対向している。なお、クロスメンバ434の配置については、後述する。第三縦延部446の一方の側壁446aには、ボルトBが挿入される複数のボルト穴446bが形成されており、側壁446aに対向する他方の側壁446cには、ボルト穴446bに挿入されるボルトBを締結するための工具が挿入される貫通穴446dが形成されている。そして、第三縦延部446とフレーム側板部31aとは、ボルト穴446b及びフレーム側板部31aに形成されたボルト穴31dに挿入されたボルトBにより締結されている。
図11は、クロスメンバを示す図である。そして、図11の(a)は、クロスメンバの平面図、図11の(b)は、クロスメンバの側面図、図11の(c)は、クロスメンバの背面図である。図4、図5、図7及び図11に示すように、クロスメンバ434は、車幅方向に延びて、第二縦延部442と車幅方向に対向し、その両端部が後部フレーム31とボルト締めにより接続されている。クロスメンバ434は、クロスメンバ本体部447と、一対のクロスメンバ端部補強部448,448と、を備える。
クロスメンバ本体部447は、一方の後部フレーム31から他方の後部フレーム31まで、車幅方向に直線状に延びている。クロスメンバ本体部447は、前側に向けて開口した、溝形鋼のような断面略C字状(コ字状又はチャネル状ともいう)に形成されている。具体的に説明すると、クロスメンバ本体部447は、車両上下方向及び車幅方向に延びる矩形板状のクロスメンバ本体側板部447aと、クロスメンバ本体側板部447aの上端縁から前側に延びる矩形板状のクロスメンバ本体上板部447bと、クロスメンバ本体側板部447aの下端縁から前側に延びる矩形板状のクロスメンバ本体下板部447cと、を備えている。クロスメンバ本体側板部447a、クロスメンバ本体上板部447b及びクロスメンバ本体下板部447cのそれぞれには、ボルトBが挿入されるボルト穴447dが形成されている。
クロスメンバ端部補強部448、クロスメンバ本体部447の両端部において、車幅方向に直線状に延びている。クロスメンバ端部補強部448は、後側に向けて開口した、溝形鋼のような断面略C字状(コ字状又はチャネル状ともいう)に形成されている。具体的に説明すると、クロスメンバ端部補強部448は、車両上下方向及び車幅方向に延びる矩形板状のクロスメンバ補強側板部448aと、クロスメンバ補強側板部448aの上端縁から後側に延びる矩形板状のクロスメンバ補強上板部448bと、クロスメンバ補強側板部448aの下端縁から後側に延びる矩形板状のクロスメンバ補強下板部448cと、を備えている。クロスメンバ補強側板部448a、クロスメンバ補強上板部448b及びクロスメンバ補強下板部448cのそれぞれには、ボルトBが挿入されるボルト穴448dが形成されている。
クロスメンバ本体部447及びクロスメンバ端部補強部448,448は、第三縦延部446と車幅方向に対向する位置に配置されている。
クロスメンバ本体側板部447aとクロスメンバ補強側板部448a,448aとは、クロスメンバ本体側板部447aに形成されたボルト穴447d及びクロスメンバ補強側板部448a,448aに形成されたボルト穴448d,448dに挿入されたボルトBにより締結されている。なお、クロスメンバ端部補強部448,448は、クロスメンバ本体部447の両端部にのみ配置されており、一方のクロスメンバ端部補強部448と他方のクロスメンバ端部補強部448とは、車幅方向に離間している。
クロスメンバ本体上板部447bとフレーム上板部31bとは、クロスメンバ本体上板部447bに形成されたボルト穴447dとフレーム上板部31bに形成されたボルト穴31dに挿入されたボルトBにより締結されている。同様に、クロスメンバ本体下板部447cとフレーム下板部31cとは、クロスメンバ本体下板部447cに形成されたボルト穴447dとフレーム下板部31cに形成されたボルト穴31dに挿入されたボルトBにより締結されている。
クロスメンバ補強上板部448bとフレーム上板部31bとは、クロスメンバ補強上板部448bに形成されたボルト穴448dとフレーム上板部31bに形成されたボルト穴31dに挿入されたボルトBにより締結されている。同様に、クロスメンバ補強下板部448cとフレーム下板部31cとは、クロスメンバ補強下板部448cに形成されたボルト穴448dとフレーム下板部31cに形成されたボルト穴31dに挿入されたボルトBにより締結されている。
図12の(a)は、第一補強板部を示す平面図であり、図12の(b)は、第二補強板部を示す平面図である。図4、図5、図7及び図12に示すように、第一補強板部435は、車両前後方向に延びて、第一横延部440、第二横延部443及びクロスメンバ434と車両上下方向に対向し、後部フレーム31、第一横延部440、第二横延部443及びクロスメンバ434にボルト締めにより接続されている。具体的に説明すると、第一補強板部435は、車両前後方向及び車幅方向に延びる平板状に形成されている。第一補強板部435には、車両前後方向両端部からクロスメンバ434と対向する部分に向かうにつれて車幅方向内側に広がっている。第一補強板部435の前側先端は、平面視において、第一横延部440よりも前側の位置となっている。第一補強板部435の後側先端は、クロスメンバ434よりも後側の位置となっている。これにより、第一補強板部435は、第一横延部440、第二横延部443及びクロスメンバ434と車両上下方向に対向している。
また、第一補強板部435には、ボルトBが挿入される複数のボルト穴435aが形成されている。ボルト穴435aは、後部フレーム31に沿って車両前後方向に配列されているとともに、クロスメンバ434に沿って車幅方向に配列されている。第一補強板部435は、クロスメンバ本体上板部447b又はクロスメンバ補強上板部448bとフレーム上板部31bとの間に挟み込まれている。そして、第一補強板部435と、クロスメンバ本体上板部447b又はクロスメンバ補強上板部448bと、フレーム上板部31bとは、ボルト穴435a、クロスメンバ本体上板部447bに形成されたボルト穴447d又はクロスメンバ補強上板部448bに形成されたボルト穴448d、及びフレーム上板部31bに形成されたボルト穴31dに挿入されたボルトBにより締結されている。また、第一補強板部435とフレーム上板部31bとは、後部フレーム31に沿って車両前後方向に複数箇所で締結されており、第一補強板部435とクロスメンバ補強上板部448bとは、クロスメンバ434に沿って車幅方向に複数箇所で締結されている。
第二補強板部436は、車両前後方向に延びて、クロスメンバ434と車両上下方向に対向し、後部フレーム31及びクロスメンバ434にボルト締めにより接続されている。具体的に説明すると、第二補強板部436は、車両前後方向及び車幅方向に延びる平板状に形成されている。第二補強板部436の車両前後方向の長さは、クロスメンバ434(クロスメンバ本体部447及びクロスメンバ端部補強部448)の車両前後方向の長さと同じであり、第二補強板部436とクロスメンバ434とは、車両前後方向において同じ位置に配置されている。これにより、第二補強板部436は、クロスメンバ434と車両上下方向に対向している。
また、第二補強板部436には、ボルトBが挿入される複数のボルト穴436aが形成されている。ボルト穴436aは、後部フレーム31に沿って車両前後方向に配列されているとともに、クロスメンバ434に沿って車幅方向に配列されている。第二補強板部436は、クロスメンバ本体下板部447c又はクロスメンバ補強下板部448cとフレーム下板部31cとの間に挟み込まれている。そして、第二補強板部436と、クロスメンバ本体下板部447c又はクロスメンバ補強下板部448cと、フレーム下板部31cとは、ボルト穴436a、クロスメンバ本体下板部447cに形成されたボルト穴447d又はクロスメンバ補強下板部448cに形成されたボルト穴448d、及びフレーム下板部31cに形成されたボルト穴31dに挿入されたボルトBにより締結されている。また、第二補強板部436とフレーム下板部31cとは、後部フレーム31に沿って車両前後方向に複数箇所で締結されており、第二補強板部436とクロスメンバ補強下板部448cとは、クロスメンバ434に沿って車幅方向に複数箇所で締結されている。
このように、本実施形態に係る多軸高積載トラック1では、前部フレーム側接続部42及び後部フレーム側接続部43がそれぞれ前部フレーム21及び後部フレーム31に接続されることで、前部車両2と後部車両3とが揺動自在に接続される。そして、後部フレーム側接続部43は、ボルト締めにより後部フレーム31に接続される。このため、組立場所の制限が緩和されるため組立性が向上するとともに、後部フレーム側接続部43において分割可能になるため整備性が向上する。
また、後部フレーム側接続部43は、基端横延部431にボルト締めにより接続される第一ボルト締結部432及び第二ボルト締結部433が、車幅方向に延びる後部フレーム31に溶接されているため、後部フレーム31と揺動接続部4との分割を可能としつつ、後部フレーム31と揺動接続部4との接続部分における揺動方向の剛性を高めることができる。
また、一対の後部フレーム31の車幅方向内側において、車幅方向に延びる基端横延部431及び第一横延部440と、車両前後方向に延びる第一縦延部439と、が溶接されており、第一横延部440が後部フレーム31にボルト締めにより接続されている。このため、後部フレーム31と揺動接続部4との分割を可能としつつ、後部フレーム31と揺動接続部4との接続部分における車両前後方向及び車幅方向の剛性を高くすることができる。
また、一対の後部フレーム31の車幅方向内側において、車幅方向に延びる第一横延部440及び第二横延部443と、車両前後方向に延びる第二縦延部442と、が更に溶接されており、第二横延部443が後部フレーム31にボルト締めにより接続されている。このため、後部フレーム31と揺動接続部4との分割を可能としつつ、後部フレーム31に対する揺動接続部4の接続強度を高くすることができるとともに、後部フレーム31と揺動接続部4との接続部分における車両前後方向及び車幅方向の剛性を更に高くすることができる。
また、一対の後部フレーム31の車幅方向外側において、車幅方向内側に傾斜しながら車両前後方向に延びる傾斜延部445が、基端横延部431に溶接されているとともに、後部フレーム31にボルト締めにより接続されている。このため、後部フレーム31と揺動接続部4との分割を可能としつつ、後部フレーム31と揺動接続部4との接続部分における揺動方向の剛性を更に高めることができる。更に、第三縦延部446は、後部フレーム31と同様に車両前後方向に延びるため、後部フレーム31に対する揺動接続部4の接続強度を高くすることができる。しかも、第三縦延部446は、第一横延部440と車幅方向に対向しているため、後部フレーム31と揺動接続部4との接続部分における剛性を更に高めることができる。
また、第二縦延部442と車幅方向に対向するクロスメンバ434が、後部フレーム31とボルト締めにより接続されているため、後部フレーム31と揺動接続部4との接続部分における剛性を更に高めることができる。しかも、第一補強板部435が、第一横延部440及びクロスメンバ434と車両上下方向に対向して、後部フレーム31、第一横延部440及びクロスメンバ434にボルト締めにより接続されているため、後部フレーム31と揺動接続部4との接続部分における剛性を更に高めることができるとともに、後部フレーム31に対する揺動接続部4の接続強度を更に高くすることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
例えば、上記実施形態では、第一車両が前部車両2であり、第二車両が後部車両3であるものとして説明したが、例えば、第一車両が後部車両であり、第二車両が前部車両であってもよい。
また、上記実施形態では、前部フレーム21に対する前部フレーム側接続部42の接続方法については、具体的に説明しなかったが、例えば、後部フレーム31に対する後部フレーム側接続部43の接続方法と同様に、ボルト締めにより行ってもよく、溶接により行ってもよい。
また、上記実施形態では、後部フレーム側接続部43を構成する各部材の具体的な形状を説明したが、これらの部材の形状は特に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
また、上記実施形態では、後部フレーム側接続部43は、基端横延部431、第一ボルト締結部432、一対の第二ボルト締結部433,433、クロスメンバ434、一対の第一補強板部435,435、及び一対の第二補強板部436,436を備えるものとして説明した。しかしながら、後部フレーム側接続部43は、これら全てを備えていなくてもよい。例えば、第一ボルト締結部432を備えていなくてもよく、一対の第二ボルト締結部433,433を備えていなくてもよく、クロスメンバ434、一対の第一補強板部435,435及び一対の第二補強板部436を備えていなくてもよい。また、第一ボルト締結部432は、二段目部438がなく、一段目部437のみであってもよい。
なお、第一ボルト締結部432を備えていない場合は、第二ボルト締結部433の第三縦延部446は、第一ボルト締結部432の第一横延部440と対向しない。つまり、傾斜延部445は、基端横延部431に溶接されて、基端横延部431から後側に向けて車幅方向内側に傾斜しながら車両前後方向に延び、第三縦延部446は、傾斜延部445に溶接されて、車両前後方向に延びて後部フレーム31にボルト締めにより接続される。この多軸高積載トラック1では、一対の後部フレーム31の車幅方向外側において、車幅方向内側に傾斜しながら車両前後方向に延びる傾斜延部445が、基端横延部431に溶接されているとともに、後部フレーム31にボルト締めにより接続されている。このため、後部フレーム31と揺動接続部4との分割を可能としつつ、後部フレーム31と揺動接続部4との接続部分における揺動方向の剛性を更に高めることができる。更に、第三縦延部446は、後部フレーム31と同様に車両前後方向に延びるため、後部フレーム31に対する揺動接続部4の接続強度を高くすることができる。