JP6457368B2 - エンジンの軸受構造 - Google Patents

エンジンの軸受構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6457368B2
JP6457368B2 JP2015188627A JP2015188627A JP6457368B2 JP 6457368 B2 JP6457368 B2 JP 6457368B2 JP 2015188627 A JP2015188627 A JP 2015188627A JP 2015188627 A JP2015188627 A JP 2015188627A JP 6457368 B2 JP6457368 B2 JP 6457368B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing plate
thrust bearing
engine
stepped portion
fitted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015188627A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017061910A (ja
Inventor
洋樹 尾曽
洋樹 尾曽
宮▲崎▼ 学
学 宮▲崎▼
後藤 英之
英之 後藤
隆寛 山▲崎▼
隆寛 山▲崎▼
長井 健太郎
健太郎 長井
山口 隆志
隆志 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP2015188627A priority Critical patent/JP6457368B2/ja
Publication of JP2017061910A publication Critical patent/JP2017061910A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6457368B2 publication Critical patent/JP6457368B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Description

本発明は、エンジンの軸受構造に係り、詳しくは、エンジン機壁に形成されているラジアル軸受孔に回転軸のジャーナル部が相対回転可能に内嵌され、前記回転軸の端部に取付けられる転動輪と前記ジャーナル部との間における前記回転軸にスラスト軸受板が嵌装されるとともに、前記スラスト軸受板が前記エンジン機壁に取付けられているエンジンの軸受構造に関する。
この種の軸受構造としては、特許文献1において開示されたものが知られている。即ち、特許文献1の図1に示されるように、回転軸(1)の前端部(1a)にキー(2)でギヤ(3)を固定し、エンジン機壁(4)に開けられている軸受け孔(5)に回転軸(1)のジャーナル部(1b)がラジアル軸受けされている。
回転軸(1)に外嵌されているスラスト軸受板(6)のうち、軸嵌合孔(7)の周縁部(7a)を、ギヤ(3)とジャーナル部(1b)との間に挟み、スラスト軸受板(6)を取付ボルト(9a),(9b)でエンジン機壁(4)に固定し、スラスト軸受板(6)で回転軸(1)をスラスト軸受けしている。スラスト軸受板(6)は、平坦な鋼板などにより構成されている。なお、括弧付きの符号は、特許文献1のものを指す。
引用文献1の前記スラスト軸受板付近の構造を詳しく示した拡大図を図6に示す。この図6に示されるように、回転軸3〔特許文献1の回転軸(1)に相当〕におけるスラスト軸受板4〔特許文献1のスラスト軸受板(6)に相当〕が外嵌される部分である軸遊部3Aには、この軸遊部3Aとジャーナル部3a〔特許文献1のジャーナル部(1b)に相当〕の側面に跨る隅加工部9が形成されている。隅加工部9は、応力集中を避けるべく滑らかに断面変化させるものであり、研削加工によって断面形状が湾曲面とされている。
隅加工部9のジャーナル部3a側の端部は、軸遊部3Aの径より大きくなる部分が形成されるので、スラスト軸受板4の内周部4Aには、その隅加工部9との干渉を避けるために、内周部4Aの角を斜め削った形状を持つ面取り部16が設けられている。このようなきめ細かな構造工夫により、スラスト軸受板4による回転軸3とのスラスト軸受の機能が円滑で良好に発揮されるように構成されている。
特開2002−235728号公報
図6に示す従来例においては、スラスト軸受板4は、スラスト面である両側面4s,4sが研磨された鍛造製であって、内周部4Aに施される面取り部16は切削加工によりなることからコスト的には不利であった。その上、2箇所のボルト止めによってスラスト軸受板4が位置決めされる構造上、ある程度の寸法誤差を考慮して軸嵌合孔及び面取り部は大きめに設ける必要があり、さらにコスト高になるとともに、軸嵌合孔4aの寸法設定自由度が低いという問題があった。
この問題を解決するには、例えば、スラスト軸受板4の機能はスラスト軸受であって回転軸受の機能は不要であるから、回転軸受の軸嵌合孔4aを、面取り部16を見越した大き目の径に設定して、隅加工部9との干渉を避ける、という軸孔大径手段を採ることが考えられる。
但し、この軸孔大径手段を検討するに当たっては、回転軸の端部にギヤなどの転動輪を圧入して取付ける転動輪装着作業を考慮する必要がある。
転動輪装着作業(図示省略)は、回転軸3をエンジン機壁1のラジアル軸受孔2に装填する前に行われ、その作業は、スラスト軸受板4を軸遊部3Aに嵌装して回転軸3を不用意に振れ動かないように支持する状態で行われる。従って、軸嵌合孔4aをあまり大きな径とすることもできないから、軸遊部3Aとスラスト軸受板4とは嵌合される構成としておく必要がある。
従って、スラスト軸受板4の軸嵌合孔4aを十分大きくする、という前記軸孔大径手段を採用することは困難であり、さらなる改善の余地が残されているものであった。
本発明の目的は、スラスト軸受板を含む軸受構造のさらなる工夫により、スラスト軸受板による回転軸の嵌合支持機能は維持しながらも、従来よりもコストダウンすることが可能となるようにして、より合理的に改善されたエンジンの軸受構造を提供する点にある。
請求項1に係る発明は、エンジン機壁1に形成されているラジアル軸受孔2に回転軸3のジャーナル部3aが相対回転可能に内嵌され、前記回転軸3の端部3bに取付けられる転動輪5と前記ジャーナル部3aとの間における前記回転軸3にスラスト軸受板4が嵌装されているとともに、前記スラスト軸受板4が前記エンジン機壁1に取付けられているエンジンの軸受構造において、
前記スラスト軸受板4における前記回転軸3に外嵌される内周部4Aに、前記スラスト軸受板4の厚みが減じられる状態の段付部8が設けられ、
前記段付部8により、前記回転軸3における前記スラスト軸受板4が外嵌される軸遊部3Aと前記ジャーナル部3aとに跨って形成される隅加工部9と前記スラスト軸受板4との干渉がない状態に構成され
前記スラスト軸受板4は、前記内周部4Aの両面それぞれに互いに同じものとして設けられている前記段付部8,8を有していることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のエンジンの軸受構造において、
前記スラスト軸受板4は鋼板製であって、プレス成形よりなる前記段付部8を有していることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のエンジンの軸受構造において、
前記スラスト軸受板4は、前記内周部4Aの周方向へ間隔をあけて分散配置される複数の段付部8を有していることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載のエンジンの軸受構造において、
前記スラスト軸受板4は、前記内周部4Aの全周に亘る前記段付部8を有するとともに、前記段付部8は、径方向に延びる溝15を有していることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、エンジン機壁1に形成されているラジアル軸受孔2に回転軸3のジャーナル部3aが相対回転可能に内嵌され、前記回転軸3の端部3bに取付けられる転動輪5と前記ジャーナル部3aとの間における前記回転軸3にスラスト軸受板4が嵌装されているとともに、前記スラスト軸受板4が前記エンジン機壁1に取付けられているエンジンの軸受構造において、
前記スラスト軸受板4における前記回転軸3に外嵌される内周部4Aに、前記スラスト軸受板4の厚みが減じられる状態の段付部8が設けられ、
前記段付部8により、前記回転軸3における前記スラスト軸受板4が外嵌される軸遊部3Aと前記ジャーナル部3aとに跨って形成される隅加工部9と前記スラスト軸受板4との干渉がない状態に構成され、
前記スラスト軸受板4は、前記内周部4Aの全周に亘る前記段付部8を有するとともに、前記段付部8は、径方向に延びる溝15を有していることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載のエンジンの軸受構造において、
前記スラスト軸受板4は鋼板製であって、プレス成形よりなる前記段付部8を有していることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、スラスト軸受板の厚みが減じられる状態の段付部を内周部に設けてあるので、その段付部の存在により、軸遊部とジャーナル部とに跨って形成される隅加工部とスラスト軸受板との干渉がない状態に構成することが可能になる。そして、その段付部は、前記干渉がない程度にある程度の径を持って板厚を減じれば良いから、例えば、段付部をプレス成形、鍛造、鋳造など、切削加工以外の廉価な加工手段を採用できるので、その分コストダウンが可能になる。加えて、これらの切削加工以外の加工手段によれば、軸遊部に外嵌できる精度を有する軸嵌合孔の加工も行うことができる。
つまり、鍛造に加えて切削加工を行うことで作製される従来のスラスト軸受板に比べて、製作容易でコストダウンができ、軸嵌合孔の寸法設定の自由度も向上するようにしながら、回転軸の隅加工部とスラスト軸受板との干渉がない状態の維持ができる。
その結果、スラスト軸受板を含む軸受構造のさらなる工夫により、スラスト軸受板による回転軸の嵌合支持機能は維持しながらも、従来よりもコストダウンすることが可能となるようにして、より合理的に改善されたエンジンの軸受構造を提供することができる。
請求項1の発明によれば、表裏の両面それぞれに互いに同じ段付部が形成されているので、内周部が、即ち、スラスト軸受板が表裏対称の形状となり、エンジン機壁への表裏の取付け間違いが生じないようになる利点がある。
請求項2の発明によれば、スラスト軸受板を鋼板製として、プレス成形による段付部を有する構成とされているので、従来よりも大きくコストダウンでき、かつ、製作時間も短縮できて生産効率に優れるようになる利点が得られる。
請求項3の発明によれば、段付部は周方向に間隔をおいて複数分散配置される構成であるから、段付部が全周に設けられる場合に比べて軽量化できるとともに、例えば、プレス金型の圧力が軽減できるなど、段付部の生成加工条件が楽になったり、内径の精度が出し易いといった利点がある。
請求項4の発明によれば、段付部は内周部の全周に亘って設けられているので、例えばプレス金型の形状が単純な円形のものでよいなど、加工手段のシンプル化が図れるという利点があるとともに、径方向に伸びる溝により、潤滑用オイルの流れが促進されて潤滑効率が向上する利点も得られる。
請求項5の発明によれば、スラスト軸受板の厚みが減じられる状態の段付部を内周部に設けてあるので、その段付部の存在により、軸遊部とジャーナル部とに跨って形成される隅加工部とスラスト軸受板との干渉がない状態に構成することが可能になる。そして、その段付部は、前記干渉がない程度にある程度の径を持って板厚を減じれば良いから、例えば、段付部をプレス成形、鍛造、鋳造など、切削加工以外の廉価な加工手段を採用できるので、その分コストダウンが可能になる。加えて、これらの切削加工以外の加工手段によれば、軸遊部に外嵌できる精度を有する軸嵌合孔の加工も行うことができる。
つまり、鍛造に加えて切削加工を行うことで作製される従来のスラスト軸受板に比べて、製作容易でコストダウンができ、軸嵌合孔の寸法設定の自由度も向上するようにしながら、回転軸の隅加工部とスラスト軸受板との干渉がない状態の維持ができる。
その結果、スラスト軸受板を含む軸受構造のさらなる工夫により、スラスト軸受板による回転軸の嵌合支持機能は維持しながらも、従来よりもコストダウンすることが可能となるようにして、より合理的に改善されたエンジンの軸受構造を提供することができる。
請求項5の発明によれば、段付部は内周部の全周に亘って設けられているので、例えばプレス金型の形状が単純な円形のものでよいなど、加工手段のシンプル化が図れるという利点があるとともに、径方向に伸びる溝により、潤滑用オイルの流れが促進されて潤滑効率が向上する利点も得られる。
請求項6の発明によれば、請求項5の発明による前述の効果に加えて、スラスト軸受板を鋼板製として、プレス成形による段付部を有する構成とされているので、従来よりも大きくコストダウンでき、かつ、製作時間も短縮できて生産効率に優れるようになる利点が得られる。
エンジンの軸受構造の例としてカム軸の軸受構造を示す断面図 カム軸ストッパを示し、(a)は正面図、(b)は断面図 (a)は図1における要部の構造を示す拡大断面図、(b)は図2(b)におけるX部及びその付近の拡大図 別形状のカム軸ストッパを示し、(a)は正面図、(b)は断面図 (a)は図4(b)におけるY部の拡大図、(b)は図4(a)における矢視Zを示す拡大図 従来のカム軸の軸受構造を示す要部の断面図
以下に、本発明によるエンジンの軸受構造の実施の形態を、ディーゼルエンジンの動弁カム軸の軸受構造の場合について、図面を参照しながら説明する。
〔実施例1〕
軸受構造は、図1に示すように、エンジン機壁1に形成されているラジアル軸受孔2に回転軸3のジャーナル部3aが相対回転可能に内嵌され、回転軸3の端部3bに取付けられる入力ギヤ(転動輪の一例)5とジャーナル部3aとの間における回転軸3にスラスト軸受板4が嵌装されている。入力ギヤ5のボス部5aと回転軸3のジャーナル部3aとの隙間に嵌入されるスラスト軸受板4は、一対のボルト6,6によりエンジン機壁1に取付けられている。なお、入力ギヤ5はカバーケース17により覆われていることが多い。
エンジン機壁1はシリンダブロックの壁である。回転軸3は動弁カム軸である。回転軸3に形成されている潤滑油の圧送通路3cとジャーナル部3aの周面に形成されている周溝路3eとは、径方向に伸びる連通孔3dにより連通されている。エンジン機壁1には、ジャーナル部3aの周溝路3eに連通されるようにラジアル軸受孔2に開口する内部通路1aが形成されており、これら周溝路3eや内部通路1aから、ジャーナル部3aとラジアル軸受孔2との間の僅かな隙間7に潤滑油を供給可能に構成されている。
ハスバ歯車でなる入力ギヤ5は、クランクギヤ(図示省略)やアイドルギヤ(図示省略)とともに調時伝動装置(図示省略)を構成し、この調時伝動装置を介してクランク軸(図示省略)で回転軸3を駆動回転させる。調時伝動装置を構成するギヤはいずれもハスバ歯車で、入力ギヤ5と噛合するクランクギヤ寄りのアイドルギヤで入力ギヤ5が回転される間、入力ギヤ5は、歯の傾斜により、噛合するアイドルギヤからスラスト軸受板4に近接する方向のスラスト力を受ける。そのスラスト力は、入力ギヤ5のボス部5aによりスラスト軸受板4の側面(スラスト面)4sで受け止められる。
また、クランク軸(図示省略)の減速により入力ギヤ5の回転が、これと噛合するアイドルギヤよりも速くなると、入力ギヤ5は歯の傾きにより、噛合するアイドルギヤからスラスト軸受板4から離間する方向へのスラスト力を受け、回転軸3のジャーナル部3aがスラスト軸受板4の側面4sで受け止められるようになる。なお、調時伝動装置は、シリンダブロックの壁に取り付けられた調時伝動ケース(図示省略)に収容されている。
鋼板製のスラスト軸受板4は、その側面4sはもともと表面精度に優れるものであって、加工せずともスラスト面として使用可能であるが、研削加工などを行い、より精度を高めた面に構成してもよい。
潤滑油の圧送通路3cから、ジャーナル部3aとラジアル軸受孔2との隙間7に供給された潤滑油は、この隙間7から調時伝動ケース内にリークされる成分もあり、調時伝動装置を構成するハスバ歯車に当たってオイルミストとなる。スラスト軸受板4は板金製の板材でなり、回転軸3におけるスラスト軸受板4の軸嵌合孔4aに内嵌される軸遊部3Aと軸嵌合孔4aとは、芯出し状態となるように相対回転可能に密嵌合されている。なお、エンジン機壁1へボルト止めされた状態のスラスト軸受板4の軸嵌合孔4aと、ジャーナル部3aがラジアル軸受孔2に内嵌された状態の回転軸3(軸遊部3A)とが、互いに同一軸心を有する状態に構成されるのが望ましい。
次に、回転軸3とスラスト軸受板4との嵌合構造について説明する。
図1、図3(a)に示されるように、軸遊部3Aは、ジャーナル部3aよりも小径で、かつ、入力ギヤ5が嵌装される端部3bよりも大径であり、径一定で均一な円形を呈する本体部18と、前述の隅加工部9と、端部側面取り部14とを有している。隅加工部9は、本体部18側に本体部18よりも若干径が小さくなる部分を有して、径方向の断面形状が円弧などの凹入湾曲面を有するR形状に形成されており、本体部18より径の大きい状態でジャーナル部3aの側周面10に接するように構成されている。
図2、図3に示されるように、スラスト軸受板4における回転軸3に外嵌される内周部4Aに、スラスト軸受板4の厚みが減じられる状態の段付部8が設けられている。図3(b)に示されるように、スラスト軸受板4の元の板厚Dから、両面共にtずつ減じられた薄い厚みdを有する状態に段付部8が構成されている。厚みがdである段付部8の根元には、根元R部8aが厚み方向の両側に形成されており、その結果、スラスト軸受板4は、表裏で対称となる形状に構成されている。この表裏の対称により、組付け間違いが生じないという利点がある。
内周部4Aに段付部8が存在することにより、図3(a)に示されるように、回転軸3におけるスラスト軸受板4が外嵌される軸遊部3Aとジャーナル部3aの側周面10とに跨って形成される隅加工部(研削逃げR部)9と、スラスト軸受板4と、の干渉が避けられる状態に構成されている。もし、内周部4Aの厚さもDのままであると、内周部4Aの厚さ方向の端部が隅加工部9に乗り上がる状態に干渉するが、厚みが減じられている段付部8は軸方向(回転軸3の軸方向)で隅加工部9と離れており、干渉しない。
図2に示すように、スラスト軸受板4は、炭素鋼鋼板や抗張力鋼板などの金属板製であって、回転軸3の軸遊部3Aに相対回転可能に密外嵌する軸嵌合孔4aを含む内周部4Aと、ボルト6を通すための一対のボルト用孔11,11とを有している。
軸嵌合孔4aは、6箇所の段付部8の突出内周面12と、円弧でなる6箇所の基本内周面13とで形成される略花弁形状を呈する孔である。突出内周面12と基本内周面13とは、周方向で互いに交互に形成されており、これによって、段付部8は、内周部4Aの周方向へ間隔をおいての複数個所に分散形成されている。
6箇所の突出内周面12の各先端部により、図2(a)に示されるように、軸遊部3Aとの間に殆ど遊びが無い、又は極少ない状態に密嵌合される。
スラスト軸受板4は、プレス成形によりなる段付部8を有している。例えば、鋼板のプレス成形により前記略花弁形状の孔(軸嵌合孔4a)と2箇所のボルト用孔11とを含む外郭形状を打ち抜く打抜き工程を行い、次に、まだ厚みが圧縮されていない状態の6箇所の段付部8に相当する部分のみに作用する状態のプレス成形により、図3(b)に示す状態に形成される押圧工程とにより作製される。即ち、スラスト軸受板4の元の板厚Dから、両面共にtずつ減じられた薄い厚みdを有する段付部8が形成される。
また、前述の打抜き工程と押圧工程とが一挙に行われる一体化工程を行うことも可能である。なお、段付部8は、鍛造や鋳造など、プレス成形以外の加工によりなるものでも良い。段付部8がプレス成形によりなるものであるから、切削加工によりなる従来の面取り部16(図6参照)に比べて、明確なコストダウンが可能になっている。
〔別実施形態〕
スラスト軸受板4は、図4、図5に示されるように、内周部4Aの全周に亘る段付部8を有するとともに、前記段付部8は、径方向に延びる溝15を有している構造のものでも良い。即ち、段付部8は、図3(b)に示す実施形態1のスラスト軸受板4の段付部8と互いに同じ断面形状を有しており、その全周に亘る段付部8の内周面により、軸遊部3Aに密外嵌可能な軸嵌合孔4aが構成されている。
溝15は、スラスト軸受板4の厚み方向に凹入する状態で、かつ、軸嵌合孔4aに臨んで径方向に延びる状態の形状を有しており、段付部8の表裏の両側において、互いに同じ周方向の位置となる状態で6箇所ずつ形成されている。この周方向で角度60度ごとに設けられている溝15により、オイルの流れを促進させるガイドになるとか、オイル溜り部になるといった作用効果が期待できる利点がある。なお、溝15の深さや大きさ、幅、或いは数などは、適宜に変更設定することが可能である。
〔まとめ〕
以上述べたことにより、本発明によるエンジンの軸受構造は、スラスト軸受板4における回転軸3に外嵌される内周部4Aに、スラスト軸受板4の厚みが減じられる状態の段付部8が設けられ、段付部8により、回転軸3におけるスラスト軸受板4が外嵌される軸遊部3Aとジャーナル部3aとに跨って形成される隅加工部9とスラスト軸受板4との干渉が避けられる状態に構成されていることを特徴とする。このように、段付部8を持つスラスト軸受板4を有する本発明のエンジンの軸受構造により、次の1.〜8.の効果を奏することができる。
1.加工の容易化が図れる。
2.金型寿命の延長化が図れる。
3.回転軸3の軸強度向上が図れる(隅加工部9のR部分の径を従来よりも大きくすることが可能、による)。
4.表裏が対称形状により誤組付けが防止できる。
5.部品(スラスト軸受板4)の軽量化が可能になる。
6.連続成形が可能であり、また同軸度を出し易い利点がある。
7.回転軸3とスラスト軸受板4との間に保持できるオイル量を無理なく増やせる。
8.段付部8の配置構造によっては、段付部8の形成時に外径及び内径の変形を抑制することができる。
また、プレス成形による段付部8では、駄肉が内径部に逃げる量が削減され、内径変形量を抑制することができるとか、段付部8を周方向に断続的に設けること(図2参照)により、プレス成形時に金型の角度を変えて、再利用が可能となるといった利点もある。
〔別実施例〕
段付部8の根元R部8aに代えて、図示は省略するが階段状の形状としてもよく、この階段状の形状により、プレス成形時におけるダレ面の識別用とすることが可能である。
1 エンジン機壁
2 ラジアル軸受孔
3 回転軸
3A 軸遊部
3a ジャーナル部
3b 端部
4 スラスト軸受板
4A 内周部
5 転動輪
8 段付部
9 隅加工部
15 溝

Claims (6)

  1. エンジン機壁に形成されているラジアル軸受孔に回転軸のジャーナル部が相対回転可能に内嵌され、前記回転軸の端部に取付けられる転動輪と前記ジャーナル部との間における前記回転軸にスラスト軸受板が嵌装されているとともに、前記スラスト軸受板が前記エンジン機壁に取付けられているエンジンの軸受構造であって、
    前記スラスト軸受板における前記回転軸に外嵌されている内周部に、前記スラスト軸受板の厚みが減じられる状態の段付部が設けられ、
    前記段付部により、前記回転軸における前記スラスト軸受板が外嵌される軸遊部と前記ジャーナル部とに跨って形成される隅加工部と前記スラスト軸受板との干渉がない状態に構成され
    前記スラスト軸受板は、前記内周部の両面それぞれに互いに同じものとして設けられている前記段付部を有しているエンジンの軸受構造。
  2. 前記スラスト軸受板は鋼板製であって、プレス成形よりなる前記段付部を有している請求項1に記載のエンジンの軸受構造。
  3. 前記スラスト軸受板は、前記内周部の周方向へ間隔をあけて分散配置される複数の段付部を有している請求項1又は2に記載のエンジンの軸受構造。
  4. 前記スラスト軸受板は、前記内周部の全周に亘る前記段付部を有するとともに、前記段付部は、径方向に延びる溝を有している請求項1又は2に記載のエンジンの軸受構造。
  5. エンジン機壁に形成されているラジアル軸受孔に回転軸のジャーナル部が相対回転可能に内嵌され、前記回転軸の端部に取付けられる転動輪と前記ジャーナル部との間における前記回転軸にスラスト軸受板が嵌装されているとともに、前記スラスト軸受板が前記エンジン機壁に取付けられているエンジンの軸受構造であって、
    前記スラスト軸受板における前記回転軸に外嵌されている内周部に、前記スラスト軸受板の厚みが減じられる状態の段付部が設けられ、
    前記段付部により、前記回転軸における前記スラスト軸受板が外嵌される軸遊部と前記ジャーナル部とに跨って形成される隅加工部と前記スラスト軸受板との干渉がない状態に構成され、
    前記スラスト軸受板は、前記内周部の全周に亘る前記段付部を有するとともに、前記段付部は、径方向に延びる溝を有しているエンジンの軸受構造。
  6. 前記スラスト軸受板は鋼板製であって、プレス成形よりなる前記段付部を有している請求項5に記載のエンジンの軸受構造。
JP2015188627A 2015-09-25 2015-09-25 エンジンの軸受構造 Active JP6457368B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015188627A JP6457368B2 (ja) 2015-09-25 2015-09-25 エンジンの軸受構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015188627A JP6457368B2 (ja) 2015-09-25 2015-09-25 エンジンの軸受構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017061910A JP2017061910A (ja) 2017-03-30
JP6457368B2 true JP6457368B2 (ja) 2019-01-23

Family

ID=58429341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015188627A Active JP6457368B2 (ja) 2015-09-25 2015-09-25 エンジンの軸受構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6457368B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AR211083A1 (es) * 1976-08-04 1977-10-14 Glyco Metall Werke Cojinete friccionante axial.
JP2002235728A (ja) * 2001-02-09 2002-08-23 Kubota Corp エンジンの軸受け装置
JP6066862B2 (ja) * 2013-08-06 2017-01-25 株式会社クボタ エンジンの回転軸の軸受装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017061910A (ja) 2017-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100113206A1 (en) Eccentric oscillating type speed reducer and apparatus for rotating stabilizer shaft using the eccentric oscillating type speed reducer
US20090257702A1 (en) Shaft with roller bearing
JP2007056791A (ja) 可変容量型排気ターボ過給機及び可変ノズル機構構成部材の製造方法
JP3194982B2 (ja) エンジンのバルブリフタの製造方法
JP2012036982A (ja) カムスプロケットおよびその製造方法
JP2008082522A (ja) 内燃機関のコネクティングロッド
KR20170062378A (ko) 휨 맞물림식 기어장치 및 그 기진체의 제조방법
US20180180156A1 (en) Sprocket
JP5400648B2 (ja) 歯車伝動装置
JP6457368B2 (ja) エンジンの軸受構造
JP2015512790A (ja) 軸、特にクランク軸の強度を高めるための方法及び工具
JP5863038B2 (ja) フリクションダンパ
EP2824349A1 (en) Method for manufacturing a torque transmission mechanism
EP2824280A1 (en) Torque transmission mechanism
JP5288312B2 (ja) 可変バルブタイミング装置
JP2013194544A (ja) センサープレート及び該センサープレートを備えたカムシャフト
JP5332642B2 (ja) カムフォロア装置
JP2007292108A (ja) ビスカスダンパ
JP2010216262A (ja) 燃料噴射ポンプ
JP4123252B2 (ja) 板金製ロッカーアームの製造方法
EP3693626B1 (en) Retainer for rolling bearing
US20150027402A1 (en) Thrust plate
JP2014020472A (ja) 偏心揺動型歯車装置
JP4683187B2 (ja) バランサ駆動ギヤ付きクランクシャフトの製造方法
JP6066862B2 (ja) エンジンの回転軸の軸受装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181009

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6457368

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150