JP6457368B2 - エンジンの軸受構造 - Google Patents
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Description
但し、この軸孔大径手段を検討するに当たっては、回転軸の端部にギヤなどの転動輪を圧入して取付ける転動輪装着作業を考慮する必要がある。
従って、スラスト軸受板4の軸嵌合孔4aを十分大きくする、という前記軸孔大径手段を採用することは困難であり、さらなる改善の余地が残されているものであった。
前記スラスト軸受板4における前記回転軸3に外嵌される内周部4Aに、前記スラスト軸受板4の厚みが減じられる状態の段付部8が設けられ、
前記段付部8により、前記回転軸3における前記スラスト軸受板4が外嵌される軸遊部3Aと前記ジャーナル部3aとに跨って形成される隅加工部9と前記スラスト軸受板4との干渉がない状態に構成され、
前記スラスト軸受板4は、前記内周部4Aの両面それぞれに互いに同じものとして設けられている前記段付部8,8を有していることを特徴とする。
前記スラスト軸受板4は鋼板製であって、プレス成形よりなる前記段付部8を有していることを特徴とする。
前記スラスト軸受板4は、前記内周部4Aの周方向へ間隔をあけて分散配置される複数の段付部8を有していることを特徴とする。
前記スラスト軸受板4は、前記内周部4Aの全周に亘る前記段付部8を有するとともに、前記段付部8は、径方向に延びる溝15を有していることを特徴とする。
前記スラスト軸受板4における前記回転軸3に外嵌される内周部4Aに、前記スラスト軸受板4の厚みが減じられる状態の段付部8が設けられ、
前記段付部8により、前記回転軸3における前記スラスト軸受板4が外嵌される軸遊部3Aと前記ジャーナル部3aとに跨って形成される隅加工部9と前記スラスト軸受板4との干渉がない状態に構成され、
前記スラスト軸受板4は、前記内周部4Aの全周に亘る前記段付部8を有するとともに、前記段付部8は、径方向に延びる溝15を有していることを特徴とする。
前記スラスト軸受板4は鋼板製であって、プレス成形よりなる前記段付部8を有していることを特徴とする。
その結果、スラスト軸受板を含む軸受構造のさらなる工夫により、スラスト軸受板による回転軸の嵌合支持機能は維持しながらも、従来よりもコストダウンすることが可能となるようにして、より合理的に改善されたエンジンの軸受構造を提供することができる。
その結果、スラスト軸受板を含む軸受構造のさらなる工夫により、スラスト軸受板による回転軸の嵌合支持機能は維持しながらも、従来よりもコストダウンすることが可能となるようにして、より合理的に改善されたエンジンの軸受構造を提供することができる。
軸受構造は、図1に示すように、エンジン機壁1に形成されているラジアル軸受孔2に回転軸3のジャーナル部3aが相対回転可能に内嵌され、回転軸3の端部3bに取付けられる入力ギヤ(転動輪の一例)5とジャーナル部3aとの間における回転軸3にスラスト軸受板4が嵌装されている。入力ギヤ5のボス部5aと回転軸3のジャーナル部3aとの隙間に嵌入されるスラスト軸受板4は、一対のボルト6,6によりエンジン機壁1に取付けられている。なお、入力ギヤ5はカバーケース17により覆われていることが多い。
鋼板製のスラスト軸受板4は、その側面4sはもともと表面精度に優れるものであって、加工せずともスラスト面として使用可能であるが、研削加工などを行い、より精度を高めた面に構成してもよい。
図1、図3(a)に示されるように、軸遊部3Aは、ジャーナル部3aよりも小径で、かつ、入力ギヤ5が嵌装される端部3bよりも大径であり、径一定で均一な円形を呈する本体部18と、前述の隅加工部9と、端部側面取り部14とを有している。隅加工部9は、本体部18側に本体部18よりも若干径が小さくなる部分を有して、径方向の断面形状が円弧などの凹入湾曲面を有するR形状に形成されており、本体部18より径の大きい状態でジャーナル部3aの側周面10に接するように構成されている。
軸嵌合孔4aは、6箇所の段付部8の突出内周面12と、円弧でなる6箇所の基本内周面13とで形成される略花弁形状を呈する孔である。突出内周面12と基本内周面13とは、周方向で互いに交互に形成されており、これによって、段付部8は、内周部4Aの周方向へ間隔をおいての複数個所に分散形成されている。
6箇所の突出内周面12の各先端部により、図2(a)に示されるように、軸遊部3Aとの間に殆ど遊びが無い、又は極少ない状態に密嵌合される。
スラスト軸受板4は、図4、図5に示されるように、内周部4Aの全周に亘る段付部8を有するとともに、前記段付部8は、径方向に延びる溝15を有している構造のものでも良い。即ち、段付部8は、図3(b)に示す実施形態1のスラスト軸受板4の段付部8と互いに同じ断面形状を有しており、その全周に亘る段付部8の内周面により、軸遊部3Aに密外嵌可能な軸嵌合孔4aが構成されている。
以上述べたことにより、本発明によるエンジンの軸受構造は、スラスト軸受板4における回転軸3に外嵌される内周部4Aに、スラスト軸受板4の厚みが減じられる状態の段付部8が設けられ、段付部8により、回転軸3におけるスラスト軸受板4が外嵌される軸遊部3Aとジャーナル部3aとに跨って形成される隅加工部9とスラスト軸受板4との干渉が避けられる状態に構成されていることを特徴とする。このように、段付部8を持つスラスト軸受板4を有する本発明のエンジンの軸受構造により、次の1.〜8.の効果を奏することができる。
2.金型寿命の延長化が図れる。
3.回転軸3の軸強度向上が図れる(隅加工部9のR部分の径を従来よりも大きくすることが可能、による)。
4.表裏が対称形状により誤組付けが防止できる。
5.部品(スラスト軸受板4)の軽量化が可能になる。
6.連続成形が可能であり、また同軸度を出し易い利点がある。
7.回転軸3とスラスト軸受板4との間に保持できるオイル量を無理なく増やせる。
8.段付部8の配置構造によっては、段付部8の形成時に外径及び内径の変形を抑制することができる。
また、プレス成形による段付部8では、駄肉が内径部に逃げる量が削減され、内径変形量を抑制することができるとか、段付部8を周方向に断続的に設けること(図2参照)により、プレス成形時に金型の角度を変えて、再利用が可能となるといった利点もある。
段付部8の根元R部8aに代えて、図示は省略するが階段状の形状としてもよく、この階段状の形状により、プレス成形時におけるダレ面の識別用とすることが可能である。
2 ラジアル軸受孔
3 回転軸
3A 軸遊部
3a ジャーナル部
3b 端部
4 スラスト軸受板
4A 内周部
5 転動輪
8 段付部
9 隅加工部
15 溝
Claims (6)
- エンジン機壁に形成されているラジアル軸受孔に回転軸のジャーナル部が相対回転可能に内嵌され、前記回転軸の端部に取付けられる転動輪と前記ジャーナル部との間における前記回転軸にスラスト軸受板が嵌装されているとともに、前記スラスト軸受板が前記エンジン機壁に取付けられているエンジンの軸受構造であって、
前記スラスト軸受板における前記回転軸に外嵌されている内周部に、前記スラスト軸受板の厚みが減じられる状態の段付部が設けられ、
前記段付部により、前記回転軸における前記スラスト軸受板が外嵌される軸遊部と前記ジャーナル部とに跨って形成される隅加工部と前記スラスト軸受板との干渉がない状態に構成され、
前記スラスト軸受板は、前記内周部の両面それぞれに互いに同じものとして設けられている前記段付部を有しているエンジンの軸受構造。 - 前記スラスト軸受板は鋼板製であって、プレス成形よりなる前記段付部を有している請求項1に記載のエンジンの軸受構造。
- 前記スラスト軸受板は、前記内周部の周方向へ間隔をあけて分散配置される複数の段付部を有している請求項1又は2に記載のエンジンの軸受構造。
- 前記スラスト軸受板は、前記内周部の全周に亘る前記段付部を有するとともに、前記段付部は、径方向に延びる溝を有している請求項1又は2に記載のエンジンの軸受構造。
- エンジン機壁に形成されているラジアル軸受孔に回転軸のジャーナル部が相対回転可能に内嵌され、前記回転軸の端部に取付けられる転動輪と前記ジャーナル部との間における前記回転軸にスラスト軸受板が嵌装されているとともに、前記スラスト軸受板が前記エンジン機壁に取付けられているエンジンの軸受構造であって、
前記スラスト軸受板における前記回転軸に外嵌されている内周部に、前記スラスト軸受板の厚みが減じられる状態の段付部が設けられ、
前記段付部により、前記回転軸における前記スラスト軸受板が外嵌される軸遊部と前記ジャーナル部とに跨って形成される隅加工部と前記スラスト軸受板との干渉がない状態に構成され、
前記スラスト軸受板は、前記内周部の全周に亘る前記段付部を有するとともに、前記段付部は、径方向に延びる溝を有しているエンジンの軸受構造。 - 前記スラスト軸受板は鋼板製であって、プレス成形よりなる前記段付部を有している請求項5に記載のエンジンの軸受構造。
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JP2015188627A JP6457368B2 (ja) | 2015-09-25 | 2015-09-25 | エンジンの軸受構造 |
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