JP6456168B2 - 樹脂サッシ - Google Patents

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Description

本発明は、建物開口部に取付けられガラス等のパネルを保持する樹脂製の窓枠、もしくは、窓枠に開閉自在に支持されガラス等のパネルを保持する樹脂製の障子を備える樹脂サッシに関する。
近年、枠体及び障子の框を樹脂により中空に形成してなる樹脂サッシが周知となっているが、樹脂サッシにおいても、防火性能を高めることは必須の事項となっている。
そして、樹脂サッシにおいて、樹脂製の枠体や框の中空内部に補強部材や熱膨張耐火材を配置するなどして、火災時に樹脂製の枠体や框が溶融した場合であっても、枠体と框との間から火炎が浸入することを防止する樹脂サッシが知られている(特許文献1)。
特許第5290034号
しかしながら、上記先行技術文献の樹脂サッシは、枠体と框との間からの火災の浸入の防止ができるとしても、樹脂製の框自体が溶融してしまっては、溶融した部分から火炎の浸入を許すこととなり、また、框によって保持されているガラス等のパネル体を保持することができなくなり、結局、火炎の浸入を防止することが難しかった。
本発明は、上記の事情を鑑み、樹脂框のガラス間口部分の耐火性を向上させることにより、火災時における樹脂框の溶融を防止して、火炎の浸入を遅延させることのできる樹脂サッシを提供することを目的とする。
本発明は、建物開口部に取付けられる樹脂製の窓枠、もしくは、窓枠に開閉自在に支持される樹脂製の障子を備え、建物開口部に取付けられる樹脂製の窓枠、もしくは、窓枠に開閉自在に支持される障子を構成する樹脂製の框の室内側部分もしくは室外側部分を中空の見付け壁により構成するとともに、中空の見付け壁の内部には、ガラス間口を構成する領域からガラス間口の外周側領域に至る見付け幅を有する金属製の補強部材が見付け壁の見付け面の裏面に対向するように配置されており、金属製の補強部材と見付け壁の見付け面の裏面との間に、火災時に膨張して補強部材の外側に断熱層を形成する耐火材を設けた
ことを特徴とする。
樹脂框もしくは樹脂枠の側面に補強部材を伴った断熱層を形成することができるので、樹脂框もしくは樹脂枠のガラス間口部分に対する火炎や熱の浸入を防止でき、樹脂框の溶融を遅らせることができる。
本発明の第1の実施形態のすべり出し窓の内観図である。 本発明の第1の実施形態のすべり出し窓の縦断面図である。 本発明の第1の実施形態のすべり出し窓の横断面図である。 本発明の第1の実施形態のすべり出し窓の左側の縦枠の拡大横断面図である。 本発明の第1の実施形態のすべり出し窓の左側の縦框の拡大横断面図である。 本発明の第1の実施形態のすべり出し窓の左側の縦枠と縦框の拡大横断面図である。 本発明の第1の実施形態のすべり出し窓の樹脂框の見付け壁の構造を説明する図であり、左側の縦框の拡大横断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るFIX窓の樹脂框の見付け壁の構造を説明する図であり、左側の縦框の拡大横断面図である。
本発明の実施形態の樹脂サッシについて、図面を参考に説明する。
(全体の構成)
図1に示すように、本発明の実施形態の樹脂サッシは、建物開口部に設置され、上枠11、下枠12及び左、右縦枠13,14を四周に組んでなる枠体1と、上框21、下框22、及び左、右縦框23,24を四周に組んでその内周にガラス等のパネル体25が嵌め込まれてなる障子2とからなる。
そして、枠体1の左、右縦枠13,14と障子2の左、右縦框23,24と間に配置されたアーム部材3,3により、枠体1に対して障子2がすべり出し開閉自在に支持されたすべり出し窓として構成されている。
下框22の室内側には、障子2の開閉時に操作者が握ることができ、また、障子2を閉鎖状態にロック操作するためのハンドル93が配置されている。
以下に、本発明の実施形態の樹脂サッシを構成する各部材について、図面を参考に詳細に説明する
(窓枠の構成)
枠体1を構成する上枠11、下枠12及び左、右縦枠13,14は、合成樹脂により形成されており、図2、3に示すように、各枠の断面形状はほぼ同一に形成されている。
各枠の構成について、図4を参照しながら、左縦枠を用いて説明する。
左縦枠13は、中空の矩形形状をなす枠本体部131と、枠本体部131の室外側に連続する室外側中空部132と、枠本体部131の室内側に連続する中空の立上り壁133とから構成されている。
左縦枠13の外周面の見込み方向中間付近には、外周方向に向けて取付片部131aが延設されており、建物開口部の躯体に対して、金属製の釘ヒレアングル材51を挟んでネジ等の固定手段nにより固定されている。
また、左縦枠13の外周面の室内側からは室内方向に向けて室内側取付片部131bが延設されており、ネジ等の固定手段nにより建物開口部の内周面に固定されている。
枠本体部131の中空内部には、外周片53a、内周片53b及び見付け片53cとにより略U字形状をなす金属製の主補強部材53が長さ方向全長に渡って挿入されており、その外周片53aが左縦枠13の枠本体部131の外周壁を挟んで釘ヒレアングル材51に対してビス等の連結手段bにより固定され、内周片53bがビス等の連結手段bにより、枠本体部131の内周面部に固定されている。
枠本体部131の室内側に連続する立上り壁133は、枠本体部131よりも内周方向に突出しており、突出した部分の室外側面には、障子2の室内側面が当接するシール材sが配置されて、立上り壁133が戸当たりとして構成されている。
立上り壁133の中空内部の左右方向中間位置付近(枠本体部131の内周面付近)には、中間壁133bが形成されており、立上り壁133内部が外周側中空部133aと内周側中空部133cに分割され、立上り壁133の強度を向上させている。
分割された外周側中空部133a及び内周側中空部133cには金属製の外周側補強部材54及び内周側補強部材55が長さ方向全長に渡って挿入されている。
外周側補強部材54、内周側補強部材55は、見付け面部54a,55a、及び、少なくとも一つの見込み面部54b,55bを有しており、見込み面部54b,55b同士が中間壁133bを挟んで対向するように配置されている。
外周側補強部材54の見込み面部54bには、長ビスbが挿入される孔が設けられており、見込み面部54bの内周側面には、熱により膨張する耐火材(熱膨張耐火材f)が配置されている。また、内周側補強部材55の見込み面部55bには、長ビスbが螺合されるネジ孔が設けられており、左縦枠13の立上り壁133の外周側面から挿入される長ビスbにより、外周側補強部材54及び内周側補強部材55が中間壁133b及び熱膨張耐火材fを挟んで連結され、立上り壁133と外周側補強部材54及び内周側補強部材55が一体的に構成されている。
以上、左縦枠13の構成を説明したが、上,下枠11,12及び右縦枠14についても同様の構造を備えている。そして、各枠に挿入された主補強部材53はその端部において隣接する他の主補強部材53と図示しない金属製のアングル材等により連結され、枠体の四周に亘って金属製の部材により補強されている。
(障子の構成)
障子2を構成する上框21、下框22及び左、右縦框23,24は、合成樹脂により形成され、図2、3に示すように、各框の断面形状はほぼ同一に形成されている。
各框の構成について、図5を参照しながら、左縦框23を用いて説明する。
左縦框23は、中空の矩形形状をなす框本体部231と、框本体部231の室外側に連続し、外周側に突出する立上り部を備える室外側壁部232と、框本体部231の室内側に連続し、ガラス間口の室内側を構成する室内側壁部233と、室外側壁部232の内周に係合されてガラス間口の室外側を構成する押縁部材234とから構成されており、框本体部231の外周面には、外周に向けて開口する溝状のレール部231aが設けられている。
左縦框23の外周面には、金属製の框カバー部材61が配置されている。框カバー部材61は見付け面部61a及び見込み面部61bを備え、見付け面部61aにより、室外側壁部232の立上り部の室内側面を覆うとともに、見込み面部61bにより框本体部231の外周面を覆いながら、レール部231aにおいて框本体部231及び後述する主框補強部材62にビス等の連結手段bにより連結されている。
左縦框23を構成する框本体部231と、室外側壁部232と、室内側壁部233の中空部内には、それぞれ金属製の主框補強部材62,室外側框補強部材63,室内側框補強部材64が長さ方向全長に渡って挿入されている。
框本体部231の中空部内に挿入される主框補強部材62は、少なくとも外周片62a、内周片62b及び見付け片62cを有し、その外周片62aは、左縦框23の框本体部231及び框カバー部材61の見込み面部61bに対してビス等の連結手段bにより連結固定されているとともに、その内周片62bには、熱膨張耐火材fが配置されている。
室外側壁部232は、その中空部内の左右方向中間位置付近(框本体部231の外周面位置付近)に、中間壁232bが設けられており、框本体部231の室外側に位置し、その内周側に押縁部材234を係合する係合部を有する室内側框中空部232aと、框本体部231よりも外周側に突出して立上り部を構成し、室内側面にシール材sが取り付けられる外周側框中空部232cとが形成されている。
室外側壁部232に挿入される室外側框補強部材63は、外周側框中空部232cの中空部内に挿入されており、図6に示すように、室外側框補強部材63の外周端は、障子2の閉鎖状態において、左縦枠13の主補強部材53の内周端よりも外周側に位置し、且つ、内周端は、框カバー部材61の外周端よりも内周側に位置することにより、左縦枠13の主補強部材53と框カバー部材61との間の室外側を塞ぐように配置されている。
そして、室外側框補強部材63の見付け面部が框カバー部材61の見付け面部61aに対してビス等の連結手段bにより連結されることにより、主框補強部材62と室外側框補強部材63と框カバー部材61との一体化をはかっている。
なお、室外側框補強部材63の室外側には、熱膨張耐火材fが配置されており、室外側の火災に対して速やかに膨張して、室外側框補強部材63の室外側(火災が発生した側)に断熱層を形成して、枠と框の溶融を遅らせて、火炎等の浸入を遅延させることができる。
室内側壁部233の中空部内に挿入される室内側框補強部材64は、左縦框23のガラス間口から框本体部231にかけて、その室内側を覆う見付け面部64aを備えており、見付け面部64aの内周端及び外周端からそれぞれ室内側に見込み面部64b,64cが形成されている。
そして、内周側の見込み面部64bの外周側面、及び、外周側の見込み面部64cの外周側面には熱膨張耐火材fが配置されており、室内側壁部233の中空部内において外周側の見込み面部64cを室内側壁部233の外周面に対して熱膨張耐火材fを挟んでビス等の連結手段bにより連結固定している。
左縦框23の内周には、室内側壁部233及び押縁部材234によりガラス間口が形成されており、ガラス間口には、ガラス等のパネル体25の外周面及び室内側面を覆う断面L字状のガラス受け65、及び、ガラス受け65に対して係合され、ガラス等パネルの外周面及び室外側面を覆う断面L字状のガラス押さえ66が配置されている。
ガラス受け65の外周面は、框本体部231の中空部内に挿入された主框補強部材62の内周片62bに対してビス等の連結手段bにより連結されるとともに、ガラス受け65の室内側面は室内側壁部233の中空部内に配置された室内側框補強部材64の見付け面部64aに対してビス等の連結手段bにより連結されている。
従って、左縦框23を構成する各中空部内に配置される主框補強部材62,室外側框補強部材63,室内側框補強部材64、及び框カバー部材61,ガラス受け65,ガラス押さえ66等の金属製の部材がビス等の連結手段bにより一体的に連結されることとなり、火災時に樹脂製の框が溶融しても、金属製の部材が分解してパネル体25が脱落することを防止できる。
なお、図示はしていないが、室内側框補強部材64の外周側の見込み面部64cと主框補強部材62とを金属製の連結部材等により連結することもでき、火災時に主框補強部材62と室内側框補強部材64とが分離して広がることを防止できる。
また、ガラス受け65とガラス押さえ66との重合部分の間には、熱膨張耐火材fが配置されるとともに、ガラス受け65の室外側面、及び、ガラス押さえ66の室内側面には、パネル体25に対向するように熱膨張耐火材fが配置され、火災時に、熱膨張耐火材fが膨張してガラス間口に充満し、ガラス受け65及びガラス押さえ66とガラス等パネル体25との間から火炎や煙等が浸入することを防止している。
以上、左縦框23の構成を説明したが、上、下框21,22及び右縦框24についても同様の構造を備えており、各框に挿入された主框補強部材62はその端部において隣接する他の主框補強部材62と図示しない金属製のアングル材等により連結されることにより、障子の四周に亘って金属製の部材により補強されている。
(枠体と障子との連結構造)
次に、枠体1に対する障子2の取付けについて説明する。
図1,3,6に示すように、障子2の左、右縦框23,24が枠体1の左右縦枠13,14に対して、左右のアーム部材3,3により支持されている。アーム部材3,3の一端は、左、右縦枠13,14の内周面に連結され、他端は、障子2の左、右縦框23,24の外周面に連結され、リンク機構を形成することにより、障子2が枠体1に対してすべり出し開放自在に支持されている。
また、図2に示すように、上枠11の内周面には、枠側反り防止金具81が固着されるとともに、上框21の外周面には、框側反り防止金具82が固着されており、火災時に熱により障子2が沿って枠体1と障子2との間に隙間が開くことを防止している。
一方、下框22の外周のレール部231aにはロックピン91が摺動自在に配置されるとともに、下枠12の内周面には、ロックピン91が係止するロックピン受け92が固着されており、下框22の室内面に配置されたハンドル93のロック操作によって、ロックピン91がロックピン受け92に係止して障子2の閉鎖状態をロックすることができる。
(樹脂框の見付け壁の構造)
図5,7は、本発明の特徴である見付け壁構造をすべり出し窓に用いた第1の実施形態であり、本発明の特徴である見付け壁構造を左縦框23に採用した例を用いて説明する。
左縦框23の框本体部231の室内側には、中空の室内側壁部233が形成されており、室内側壁部233の内周側は框本体部231よりも内周に突出して、押縁部材234と協働してパネル体25を保持するガラス間口Mを構成している。
一方、室内側壁部233の外周側端部は、框本体部231の外周面と略同一面に形成されており、室内側壁部233は、左縦框23のガラス間口Mを構成する内周側部分と框本体部231側面に配置される外周側部分とを備える中空の見付け壁として構成され、樹脂框の断熱性を向上させている。
このような中空断熱構造を備える樹脂框において、火災が室内側で発生した際には、火炎や熱によって室内側壁部233の見付け面部233aが溶融し、さらにガラス間口Mを構成する室内側壁部233のガラス間口面部233b及び框本体部231の内周面部231b、室内側面部231cが溶融することにより、パネル体25と樹脂框との間に隙間が生じたり、また、樹脂框の中空内部に配置された金属製の補強部材同士に隙間が生じることで連結が安定せず、ガラス受け65やガラス押さえ66を保持することができなくなって、パネル体25が框から脱落してしまう可能性があった。
そこで、本件発明の第1の実施形態の樹脂サッシにおいては、樹脂製の框の室内側の見付け壁を構成する室内側壁部233の中空部内に金属製の室内側框補強部材64を配置するとともに、室内側框補強部材64の室内側に熱膨張耐火材fを配置している。
ここで、室内側框補強部材64は、ガラス間口Mの側面にあたる領域からガラス間口Mの外周側の領域に至る幅を有する見付け面部64aと、見付け面部64aの内周側端及び外周側端より室内側に延設される見込み面部64b,64cとにより断面U字状に形成され、開口を室内側に向けて配置されている。そして、熱膨張耐火材fは、内周側の見込み面部64bの外周面に取り付けられている。
したがって、火災時に熱や火炎により室内側壁部233の見付け面が溶融した際には、室内側框補強部材64の室内側に配置された熱膨張耐火材fが膨張して室内側框補強部材64の室内側面を覆う断熱層が形成され、ガラス間口Mを構成するガラス間口面部233b及び框本体部231の内周面部231b、室内側面部231cを熱や火炎から保護することができる。
また、室内側框補強部材64が開口を室内側に向ける断面U字状をしているので、膨張した熱膨張耐火材fは室内側框補強部材64の凹部Bに充満して断熱層を形成して、金属製の補強部材と膨張した耐火材によって樹脂框の側面を確実に保護することができる。
なお、熱膨張耐火材fの取付位置は、内周側の見込み面部64bの外周面に限るものではなく、室内側框補強部材64と室内側壁部233の見付け面部233aの裏面との間であれば、室内側框補強部材64のいずれの部位に取り付けてもよく、また、室内側壁部233の見付け面部233aの裏面に取り付けることもできる。さらに、室内側框補強部材64が凹部Bを備える形状である場合には、凹部Bに充満することができれば、いずれの箇所に取り付けてもよい。
次に、図8は、本発明の特徴である見付け壁構造をFIX窓に用いた第2の実施形態であり、本発明の特徴である見付け壁構造を左縦枠73に採用した例を用いて説明する。
第1の実施形態のすべり出し窓は、枠体1に開閉自在に支持される障子2の框に断熱層を形成するための見付け壁構造が採用されているが、第2の実施形態のFIX窓においては、FIX窓の枠体に断熱層を形成するための見付け壁構造が採用されている。
図8に示されるように、FIX窓の左縦枠73の枠本体部731の室内側に、中空の室内側壁部733が形成されており、室内側壁部733の内周側は押縁部材734と協働してパネル体25を保持するガラス間口Mを構成している。
室内側壁部733の外周側端部は、枠本体部731の外周面と略同一面に形成されており、室内側壁部733は、左縦枠73のガラス間口Mを構成する内周側部分と枠本体部731側面に配置される外周側部分とを備える中空の見付け壁として構成され、樹脂枠の断熱性を向上させている。
そして、第1の実施形態のすべり出し窓の室内側壁部233と同様に、樹脂製の縦枠の室内側部分を構成する室内側壁部733の中空部内に金属製の室内側枠補強部材84を配置するとともに、室内側枠補強部材84の室内側に熱膨張耐火材fを配置している。
それによって、火災時に熱や火炎により左縦枠73の室内側壁部733の見付け面が溶融した際には、室内側枠補強部材84の室内側に配置された熱膨張耐火材fが膨張して室内側枠補強部材84の室内側面を覆う断熱層が形成され、ガラス間口Mを構成するガラス間口面部733b及び枠本体部731の内周面部731b、室内側面部731cを熱や火炎から保護することができる。
以上のように、本発明の実施形態の樹脂サッシにおいては、樹脂框の室内側部分もしくは樹脂枠の室内側部分をガラス間口を構成する中空の見付け壁として形成し、その見付け壁の中空部内に金属製の補強部材を配置するとともに、補強部材の室内側に熱膨張耐火材を配置することにより、火災時には、補強部材の室内側において熱膨張耐火材が膨張して断熱層が形成される。
これにより、樹脂框もしくは樹脂枠の部位のうち断熱層よりも室外側に位置する、室内側壁部のガラス間口面部や、框本体部もしくは枠本体部の内周面部、室内側面部等の部位を火災時の火炎や熱から保護することができ、上記樹脂框もしくは樹脂枠の部位が溶融してガラス等パネル体と樹脂框もしくは樹脂枠との間に隙間が生じることによるガラス間口における室内外方向の連通を防止できると共に、金属製の補強部材同士の連結にがたつきが生じることを防止してパネル体の保持を比較的長い時間持続することができる。
なお、本発明が採用される窓は、特に、すべり出し窓やFIX窓に限られるものではなく、本発明の実施形態に採用されている見付け壁構造は、各種の窓用の樹脂サッシの框又は枠体に対して採用することができる。
また、本実施形態においては、框もしくは枠の室内側に見付け壁を備えるものについて説明したが、見付け壁は室内側に限るものではなく、押縁が室内側に設けられる場合などには、本発明の見付け壁を室外側に設けることも可能である。
1 :枠体
11 :上枠
12 :下枠
13 :左縦枠
131 :枠本体部
131a :取付片部
131b :室内側取付片部
132 :室外側中空部
133 :立上り壁
133a :外周側中空部
133b :中間壁
133c :内周側中空部
14 :右縦枠
2 :障子
21 :上框
22 :下框
23 :左縦框
231 :框本体部
231a :レール部
232 :室外側壁部
232a :室内側框中空部
232b :中間壁
232c :外周側框中空部
233 :室内側壁部
234 :押縁部材
24 :右縦框
25 :パネル体
3 :アーム部材
51 :釘ヒレアングル材
53 :主補強部材
53a :外周片
53b :内周片
53c :見付け片
54 :外周側補強部材
55 :内周側補強部材
61 :框カバー部材
62 :主框補強部材
63 :室外側框補強部材
64 :室内側框補強部材
65 :ガラス受け
66 :ガラス押さえ
b :連結手段
f :熱膨張耐火材
n :固定手段
s :シール材

Claims (1)

  1. 建物開口部に取付けられる樹脂製の窓枠、もしくは、窓枠に開閉自在に設けられる樹脂製の障子を備え、
    建物開口部に取付けられる樹脂製の窓枠、もしくは、窓枠に開閉自在に設けられる障子を構成する樹脂製の框の室内側部分もしくは室外側部分を中空の見付け壁により構成するとともに、
    中空の見付け壁の内部には、ガラス間口を構成する領域からガラス間口の外周側領域に至る見付け幅を有する金属製の補強部材が見付け壁の見付け面の裏面に対向するように配置されており、
    金属製の補強部材と見付け壁の見付け面の裏面との間に、火災時に膨張して補強部材の外側に断熱層を形成する耐火材を設けた
    ことを特徴とする樹脂サッシ。
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