JP6454790B2 - 健全度判定装置、健全度判定方法および健全度判定プログラム - Google Patents

健全度判定装置、健全度判定方法および健全度判定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、健全度判定装置、健全度判定方法および健全度判定プログラムに関し、特に、建造物の健全度を診断するための健全度判定装置、健全度判定方法および健全度判定プログラムに関する。
従来より、橋梁、トンネル、ビルなどの建造物の健全度を、建造物の点検結果から判定することが行われている。点検はひび割れなどの変状現象の観測として行われ、この情報と周囲の環境、建造物の設計情報などに基づいてその変状原因を特定し、健全度の判定が行われる。
健全度の判定を正確に行うためには、高度かつ広範な専門知識と、長い分析時間が必要である。このため、健全度の判定を支援するシステムが考案されている。
特許文献1には、過去の補修施工および未施工の実績データを教師値として用い、各構造物の損傷状況から補修工事必要度を算出すること、また、2次元座標における補修工事要/不要の判別境界から損傷状況の座標点までの距離を算出することが記載されている。
特許文献2には、建造物の変状情報、構造情報、および周囲情報に基づいて変状原因を推定し、健全度を判定するシステムが記載されている。すなわち、変状展開図からトンネルの覆工にあるひび割れのうち外力に起因するものを自動的にピックアップし、これをあらかじめ50種類以上あるひび割れ変状パターンと照合してどのひび割れ変状パターンに該当するかをチェックし、該当したひび割れ変状パターンおよび周辺の地山条件、地質条件、建設時の施工条件、および構造条件等の基本情報を基に、トンネルに作用する外力が何であるか(変状原因)を推定する。さらに、推定された変状原因と共に、上記の基本情報に関する情報を踏まえてトンネルの力学的健全度を判定する。
非特許文献1では、各点検項目の評価結果を主成分分析することで各構成要素の健全度に対する寄与率(重み)を算定し、多数の点検項目から1つまたは2つの指標で要素の健全性を表現する。
特許3975406号公報 特許4279159号公報
統計的手法を用いた橋梁点検データベースに基づく 橋梁健全度評価に関する基礎的研究,土木学会論文集 A2(応用力学), Vol. 67, No. 2(応用力学論文集 Vol. 14), I_813-I_824, 2011
近年、社会的インフラの老朽化が問題となっている。老朽化した社会的インフラのメンテナンスに際しては、専門知識を持った検査員がインフラの各所を詳細に検査することが望ましいが、予算、人員、およびインフラの設置場所や設置数の点から制約があり、全てのインフラを即座にくまなく検査するのは難しい。したがって、緊急に対策が必要な重大な損傷とそうでない損傷を区別するための、要点を絞った検査を簡易かつ迅速に行うための仕組みが求められる。
特許文献1では、構造物の損傷状況のみから補修工事必要度を算出しており、構造上の位置との関係で損傷がどれだけ建造物全体の健全度に影響を及ぼすかを分析していない。このため、構造上建造物の安全性に影響の大きい箇所が損傷を受けているにもかかわらず、補修工事必要度が低いと判定する可能性がある。
特許文献2では、建造物の変状や損傷をその発生部位や損傷種類による建造物の強度や健全度に対する影響の違いに関係なく、建造物全体の変状や損傷の情報から健全度の判定を行っている。このため、建造物の健全度を判定するためには、建造物全体の検査を実施する必要があり大きな労力が必要である。また、特許文献2では、損傷の発生部位や種類による影響を評価していないため、正確な判定ができない場合がある。さらに、特許文献2では、トンネルの基本情報からの変状原因の推定がどのようにされるかが具体的に記載されていない。このため、力学的健全度の判定は、専門的な知識を有する技術者による、トンネルの基本情報を考慮した変状原因の推定に依存することになる。よって、検査対象のトンネルごとにいちいち技術者が変状原因の推定を行わなければならず、人材の確保の点で難がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、他の建造物について判定済みの健全度を基準に、建造物の構造情報を考慮し迅速かつ効率的な健全度判定を行うことを可能とする健全度判定装置、健全度判定方法および健全度判定プログラムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本願発明の第1の態様は、健全度の判定対象とすべき任意の第1の建造物の表面の損傷に関する第1の損傷情報の入力を受け付ける損傷情報入力手段と、第1の建造物の構造に関する第1の構造情報の入力を受け付ける構造情報入力手段と、第1の建造物とは異なる1つ以上の第2の建造物について、第2の建造物の表面の損傷に関する第2の損傷情報と、第2の建造物の構造に関する第2の構造情報と、第2の建造物の健全度とを対応づけた健全度情報を記憶する記憶手段と、損傷情報入力手段および構造情報入力手段が入力を受け付けた、第1の損傷情報および第1の構造情報と類似する第2の損傷情報および第2の構造情報に対応する第2の建造物の健全度を検索し、検索された第2の建造物の健全度に基づいて、第1の建造物の健全度を判定する健全度判定手段と、を備える健全度判定装置を提供する。
この発明によると、検査対象となる第1の建造物の構造情報および建造物の表面の損傷に類似する第2の建造物の健全度を検索し、検索された第2の建造物の健全度から、第1の建造物の健全度を判定する。このように、構造および損傷の面で第1の建造物と類似する第2の建造物の健全度を利用して、検査対象の第1の建造物の健全度を判定することができ、専門知識を持った人員による判断を経ることなく、建造物の構造情報を考慮し迅速かつ効率的に健全度を判定できる。
本願発明の第2の態様に係る健全度判定装置は、第1の建造物の使用状況に関する第1の使用状況情報の入力を受け付ける使用状況情報入力手段をさらに備え、記憶手段は、1つ以上の第2の建造物について、第2の損傷情報と、第2の構造情報と、第2の建造物の使用状況に関する第2の使用状況情報と、第2の建造物の健全度とを対応づけた健全度情報を記憶し、健全度判定手段は、損傷情報入力手段、構造情報入力手段、および使用状況情報入力手段が入力を受け付けた、第1の損傷情報、第1の構造情報、および第1の使用状況情報と類似する第2の損傷情報、第2の構造情報、および第2の使用状況情報に対応する第2の建造物の健全度を検索し、検索された第2の建造物の健全度に基づいて、第1の建造物の健全度を判定する。
本願発明の第3の態様に係る健全度判定装置は、第1の建造物を被写体とした画像データから損傷の部位を抽出する損傷部位抽出手段をさらに備える。
本願発明の第4の態様に係る健全度判定装置は、損傷部位抽出手段の抽出した第1の建造物の損傷の部位における損傷の程度を抽出する損傷程度抽出手段をさらに備え、損傷情報入力手段が入力を受け付ける第1の損傷情報は、損傷部位抽出手段が抽出した第1の建造物の損傷の部位および損傷程度抽出手段が抽出した第1の建造物の損傷の部位における損傷の程度を含み、第2の損傷情報は、第2の建造物の損傷の部位および第2の建造物の損傷の部位における損傷の程度を含み、健全度判定手段は、第1の建造物の損傷の部位、第1の建造物の損傷の部位における損傷の程度、第1の構造情報、および第1の使用状況情報と類似する第2の建造物の損傷の部位、第2の建造物の損傷の部位における損傷の程度、第2の構造情報、および第2の使用状況情報に対応する第2の建造物の健全度を検索し、検索された第2の建造物の健全度に基づいて、第1の建造物の健全度を判定する。
本願発明の第5の態様に係る健全度判定装置において、第1の構造情報は、第1の建造物の設計情報を含み、第2の構造情報は、第2の建造物の設計情報を含む。
本願発明の第6の態様に係る健全度判定装置において、第1の使用状況情報は、第1の建造物の使用環境履歴および過去の修復履歴のうち少なくとも一方を含み、第2の使用状況情報は、第2の建造物の使用環境履歴および過去の修復履歴のうち少なくとも一方を含む。
本願発明の第7の態様に係る健全度判定装置において、健全度判定手段は、第1の損傷情報、第1の構造情報、および第1の使用状況情報の特徴ベクトルと、第2の損傷情報、第2の構造情報、および第2の使用状況情報の特徴ベクトルとの間の特徴空間での距離を算出し、距離が閾値以下となる第2の建造物の健全度を検索する。
本願発明の第8の態様に係る健全度判定装置において、健全度判定手段の判定した第1の建造物の健全度を、第1の損傷情報、第1の構造情報、および第1の使用状況情報と対応づけて記憶手段に記憶させる記憶制御手段を備える。
本願発明の第9の態様に係る健全度判定装置は、健全度判定手段の判定した第1の建造物の健全度を出力する健全度出力手段をさらに備える。
本願発明の第10の態様に係る健全度判定装置は、健全度出力手段の出力した第1の建造物の健全度の適否に関する確認入力を受け付ける健全度確認入力手段をさらに備え、記憶制御手段は、健全度確認入力手段が入力を受け付けた健全度の適否に関する確認入力に応じて、健全度判定手段の判定した第1の建造物の健全度を、第1の損傷情報、第1の構造情報、および第1の使用状況情報と対応づけて記憶手段に記憶させるか、または、健全度判定手段の判定した第1の建造物の健全度を修正し、修正された第1の建造物の健全度を、第1の損傷情報、第1の構造情報、および第1の使用状況情報と対応づけて記憶手段に記憶させる。
本願発明の第11の態様に係る健全度判定装置において、健全度出力手段は、検索された第2の建造物の健全度に関連する健全度情報の一部または全部を、第1の建造物の健全度とともに出力する。
本願発明の第12の態様は、コンピュータが、健全度の判定対象とすべき任意の第1の建造物の表面の損傷に関する第1の損傷情報の入力を受け付ける損傷情報入力ステップと、第1の建造物の構造に関する第1の構造情報の入力を受け付ける構造情報入力ステップと、第1の建造物とは異なる1つ以上の第2の建造物について、第2の建造物の表面の損傷に関する第2の損傷情報と、第2の建造物の構造に関する第2の構造情報と、第2の建造物の健全度とを対応づけて記憶する記憶ステップと、損傷情報入力ステップおよび構造情報入力ステップが入力を受け付けた、第1の損傷情報および第1の構造情報と類似する第2の損傷情報および第2の構造情報に対応する第2の建造物の健全度を検索し、検索された第2の建造物の健全度に基づいて、第1の建造物の健全度を判定する健全度判定ステップと、を実行する健全度判定方法を提供する。上記の健全度判定方法をコンピュータに実行させるための健全度判定プログラムも本願発明の態様に含まれる。
本発明によると、検査対象となる第1の建造物の構造情報および建造物の表面の損傷に類似する第2の建造物の健全度を検索し、検索された第2の建造物の健全度から、第1の建造物の健全度を判定する。このように、構造および損傷の面で第1の建造物と類似する第2の建造物の健全度を利用して、検査対象の第1の建造物の健全度を判定することができ、専門知識を持った人員による判断を経ることなく、建造物の構造情報を考慮し迅速かつ効率的に健全度を判定できる。
健全度判定システムの概略構成を示すブロック図 使用環境履歴情報DBに蓄積される使用環境履歴情報の一例を示す図 建造物構造情報DBに蓄積される建造物構造情報の一例を示す図 建造物の構造モデルの一例を示す図 検査データの一例を示す図 損傷情報抽出処理のフローチャート 健全度判定処理のフローチャート
図1は、本発明を適用した健全度判定システム100の概略構成を示すブロック図である。健全度判定システム100は、損傷情報抽出装置200と健全度判定装置300とを含む。損傷情報抽出装置200は、検査特定部14、検査データ取得部15、検査データ分析部16、使用環境履歴情報データベース(DB)17、および建造物構造情報データベース(DB)18を備える。また、健全度判定装置300は、検索部31、健全度データベース(DB)32、健全度判定部33、健全度出力部34、健全度確認入力部35、検索条件指定部36、および健全度登録部37を備える。
損傷情報抽出装置200の備える各部および健全度判定装置300の備える各部は、プロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ディスプレイ、スピーカ、タッチパネル、通信インターフェースなどで構成された、パソコン、スマートフォン、携帯電話、およびタブレット端末などの既知の情報処理デバイスで構成することが可能である。また、損傷情報抽出装置200と健全度判定装置300とは、別々の情報処理装置で構成されてもよいし、一体的な情報処理装置で構成されてもよい。損傷情報抽出装置200と健全度判定装置300とが別々の情報処理装置で構成されている場合は、両者を接続する既知の通信インターフェースが損傷情報抽出装置200と健全度判定装置300の各々に設けられ、両者が通信できるものとする。損傷情報抽出装置200と健全度判定装置300とが一体的に構成されていれば、健全度判定システム100は損傷情報抽出装置200あるいは健全度判定装置300と同じである。
図2に例示するように、使用環境履歴情報DB17に蓄積された使用環境履歴情報は、建造物の使用環境と使用履歴を示す使用状況情報を含む。例えば、建造物が橋であれば、使用環境履歴情報は、名称、橋の竣工年月日、橋の供用開始年月日、台風、地震、洪水、集中豪雨、火災、および物体の衝突などの建造物の構造に影響を及ぼす事故の有無およびその年月日、メンテナンスと修復実施箇所およびメンテナンスと修復実施の年月日を含む修復履歴、供用開始以後の平均気温と湿度、累積交通量、および過去に発見された異常箇所の位置などである。
図示は省略するが、使用環境履歴情報DB17は、異なる複数の建造物の使用環境履歴情報を蓄積してもよいし、検査対象となる1つの建造物の使用環境履歴情報を蓄積してもよい。
図3に例示するように、建造物構造情報DB18に蓄積されるデータは、検査対象となる任意の建造物の設計図書や竣工図、名称、建造物の構造形式、検査対象となる任意の建造物の構造の外観を記録した画像データ、建造物の各部位の構造および材質、および建造物の各部位の構造上の位置関係などを含む。図示は省略するが、建造物構造情報DB18は、異なる複数の建造物の建造物構造情報を蓄積してもよいし、検査対象となる1つの建造物の建造物構造情報を蓄積してもよい。
例えば、建造物が橋であれば、建造物の基本構造の形式は桁橋、トラス橋、アーチ橋、吊り橋、あるいはラーメン橋などとなる。
桁橋の各部位の材質については、桁橋の上部構造の主桁および横桁は鋼製、床版はプレストレストコンクリート(PC:Prestressed Concrete)製、支承はゴム製、および下部構造は鉄筋コンクリート(RC:Reinforced Concrete)製の杭基礎あるいは直接基礎などとなる。
検査対象となる建造物の設計図書や竣工図などの設計情報の入手が不可能な場合、検査特定部14は、検査対象の建造物の全体外観写真(図3参照)と、建造物構造情報DB18に登録された典型的な建造物の構造モデル(図4参照)とを比較し、検査対象となる建造物構造情報を決定することができる。これは人的な作業によっても可能であるし、コンピュータへの入力作業やコンピュータによる処理によって自動化あるいは半自動化することも可能である。検査対象となる建造物の設計図書や竣工図の入手が可能な場合は、それをそのまま建造物構造情報DB18に建造物構造情報として蓄積することができる。ただし、設計図書や竣工図と実際の施工結果が異なっていたり、修復や部材の交換によって現状が設計図書や竣工図と異なることもあるので、可能であれば、これらも建造物構造情報に含めるとよい。
検査特定部14は、建造物構造情報と使用環境履歴情報に基づき、建造物の構成部材の中から検査対象とする部材の位置である部材位置と、その部材位置で検査対象とする損傷種類を特定する。これは、構造上重要な部材位置に検査対象を絞るためである。したがって、検査対象の部材位置はピンポイント的な定点が望ましいが、空間的な広がりを持つ範囲であってもよい。一例として、検査対象となる部材位置と損傷種類の特定の方法は以下の通りとなる。
(1)建造物構造情報DB18に蓄積された建造物構造情報において、検査対象となる建造物の基本構造の形式は桁橋、桁橋の上部構造の主桁および横桁は鋼製、床版はコンクリート製、および支承はゴム製と定義されているとする。
そして、使用環境履歴情報DB17に蓄積された使用環境履歴情報において、使用場所は沿岸から1km以内(沿岸部)と定義されているとする。
この場合、検査特定部14は、桁橋の上部構造の主桁の支間中央部の鋼製部材を検査対象の部材位置に決定し、かつ、主桁の支間中央部の鋼製部材の腐食、破断、亀裂、たわみ、ボルトまたはナットの脱落を、当該検査対象の部材位置から抽出する損傷種類に決定する。これは、使用場所が沿岸部の場合は、塩害に関連する損傷の発生が予測されるが、鋼製部材全てを検査するのでなく、構造力学的に特に過重のかかる主桁の支間中央部を重点的に検査するためである。
(2)使用場所が山間部の場合、路面に融雪剤の散布が行われるから、床版での塩害の発生が予測される。したがって、この場合、検査特定部14は、床版下面を検査対象の部材位置に決定し、かつ床版下面のひび割れおよびコンクリート剥離および浮きを検査対象の損傷種類に決定する。
(3)使用環境履歴情報DB17に蓄積された使用環境履歴情報において、洪水ありと定義されているとする。この場合、検査特定部14は、洪水ありであることを根拠に、橋脚基礎部を検査対象の部材位置に決定し、かつ、橋脚基礎部の洗掘、沈下、移動、および傾斜を検査対象の損傷種類に決定する。
(4)使用環境履歴情報DB17に蓄積された使用環境履歴情報において、震度5以上の地震ありと定義されているとする。この場合、検査特定部14は、橋脚基礎部を検査対象の部材位置に決定し、かつ、橋脚基礎部の沈下、移動、傾斜を検査対象の損傷種類に決定する。なお、使用環境履歴情報において、震度5以上の地震がなくても、橋脚基礎部の地盤が軟弱であると定義されている場合は、同様に、橋脚の沈下、移動、および傾斜を検査対象の損傷種類に決定する。
(5)使用環境履歴情報DB17に蓄積された使用環境履歴情報において、横桁に補強箇所ありと定義されているとする。この場合、検査特定部14は、横桁の補強箇所を検査対象の部材位置に決定し、かつ、横桁の補強材の破断および補強材周辺の横桁の亀裂を検査対象の損傷種類に決定する。
(6)使用環境履歴情報DB17に使用環境履歴情報が蓄積されていない場合は、構造力学的に重要な部材の位置、例えば、桁中央部、横桁および縦桁接合部などを検査対象の部材位置に決定し、これらの部材位置に生じる典型的な変状、例えば、ひび割れ、破断、さび、およびボルト欠落などを検査対象の損傷種類に決定する。すなわち、使用環境履歴情報を、検査対象となる部材位置と損傷種類の特定に必須としなくてもよい。なお、本明細書で使用される「検査」という用語は、必ずしも建造物についての専門知識を持った人員による技能や判断のみを含むのではなく、現場にて画像を撮影するだけのような単純作業も含みうる。
図5に例示するように、検査データ取得部15が取得する検査データは、検査対象となる任意の建造物の各部材を被写体とした画像データと、その画像を記録した各部材の位置情報を含む。図5の(a)部分は縦桁および横桁、(b)部分は床版下面、(c)部分は橋脚基礎部を被写体とした画像データを例示する。これらの部材の位置情報は、GPS(Global Positioning System)で得られた位置情報に基づいてもよい。例えば、GPS付きカメラを携帯した人員、GPS付きカメラを搭載したドローンあるいはロボットにて、部材の位置情報の対応づけられた画像データを記録する。
建造物の各部材の被写体像をカメラで記録する際には、各部材が全てまんべんなく画像データに収められていればよく、撮影者あるいは撮影機器が重要な部材とそうでない部材を選別して撮影する必要はない。すなわち、撮影時には、撮影箇所を選別する必要はないが、その代り建造物の各部材をくまなく被写体に捉えて撮影する必要がある。
なお、後述の損傷情報抽出処理に必要なのは、部材の地球上の位置情報ではなく、建造物における各部材の存在位置の情報であるため、地球上の位置情報は、検査対象の建造物に設定された局所的座標における建造物上の相対的な位置情報に変換する必要がある。例えば、この変換は、地球上の位置情報を建造物上に適宜設定された座標(例えば、橋の起点を原点としたXYZ座標)に変換することで行われる。これは単なる線型変換で実現できる。以下では、検査データに含まれる部材の位置情報は、建造物上の部材の位置情報であるものとする。
検査データ取得部15は、上述のGPS付きカメラを搭載したドローンあるいはロボットといった可動機器から検査データを取得してもよいし、検査データ取得部15自身が検査データを生成する機器であってもよい。
検査データ分析部16は、検査特定部14によって検査対象として特定された部材位置に対応する画像データを検査データ取得部15から取得して分析し、この画像データから、検査対象として特定された損傷種類の損傷が存在するか否か、および、その損傷が存在する場合はその損傷の程度を決定する。以下では、これらの損傷の有無および損傷の程度を示す情報を、損傷情報と呼ぶ。損傷部位抽出手段および損傷程度抽出手段は、検査データ分析部16の上記機能に対応する。
これは例えば、建造物の表面の損傷に関する情報であり、床版のひび割れ、剥離、または鉄筋露出の範囲の幅、長さおよび面積、鉄筋露出の単位面積あたりの本数、主桁のたわみの長さ、主桁の鋼製部材の腐食の面積、亀裂の長さ、ボルトまたはナットの脱落の数、橋脚の洗掘、沈下、移動、および傾斜の長さを、検査位置の部材を被写体とした画像を分析することで決定する。なお、画像とともにスケールを写しておけば、長さ、幅、範囲に関する損傷の程度の決定が容易である。また、各種の画像解析を使用することで、損傷とその周囲の健全箇所との色の違いを識別し、腐食、石灰析出、鉄筋露出などの色の変化を伴う損傷範囲を決定できる。画像分析ができない場合は、ユーザの手動入力によって、損傷情報を決定してもよい。
健全度DB32には、検査対象の建造物以外の他の1または複数の建造物の構造情報、損傷の位置、損傷の程度、使用環境履歴情報、および健全度を対応づけた健全度情報が記憶されている。健全度DB32に記憶される健全度は、専門知識を持った人員の判定によるものが望ましい。健全度DB32への使用環境履歴情報の蓄積は必須でない。ただし、使用環境に起因する損傷から健全度を判断するため、健全度DB32に使用環境履歴情報を蓄積する方が望ましい。記憶手段は、健全度DB32の上記機能に対応する。また、健全度DB32に上記情報を記憶する処理は、記憶ステップに対応する。
検索部31は、検査データ分析部16が分析した部材位置ごとの損傷種類および損傷の程度と、建造物構造情報DB18の建造物構造情報と、使用環境履歴情報DB17の使用環境履歴情報との入力を受け付け、入力を受け付けた建造物構造情報、部材位置ごとの損傷種類および損傷の程度、使用環境履歴情報を基本検索条件とし、類似する他の建造物を健全度DB32から検索する。基本検索条件は、検索条件指定部36によっても任意に指定および変更できる。
すなわち検索部31は、建造物構造情報DB18から受け付けた検査対象の建造物の構造情報、検査データ分析部16から受け付けた損傷種類および損傷の位置、損傷の程度、および使用環境履歴情報DB17から受け付けた使用環境履歴情報に類似する構造情報、損傷種類および損傷の位置、損傷の程度、および使用環境履歴情報を有する他の建造物の健全度を健全度DB32から検索する。
類似するか否かは、建造物の構造情報、損傷種類、損傷の位置、損傷の程度、および使用環境履歴情報を特徴ベクトルとする特徴空間での、検査対象となる建造物と他の建造物との間の距離を算出し、この距離がある閾値以下となるかどうかにより判断できる。この閾値は、統計的手法によって最適化することができる。
この距離は、重みづけされていない距離(ユークリッド距離)でもよいし、重みづけされている距離(マハラノビス距離)でもよい。どのパラメータにどのような重みを割り当てるかは、非特許文献1のような主成分分析などの統計的手法で決定されてもよい。
健全度DB32で検索対象とする他の1または複数の建造物の構造情報、損傷の位置、損傷の程度からなる基本検索条件に加えて、さらに、検索条件指定部36から追加の検索条件も指定することもできる。追加の検索条件は、上記の特徴空間に点または範囲としてプロットできるパラメータである。例えば、追加の検索条件として、竣工年月日が1990年1月1日以降の橋梁、基本構造がラーメン橋、損傷の位置は床版などが指定できる。検索条件指定部36から指定された追加の検索条件は、構造情報、使用環境履歴情報、部材位置ごとの損傷種類および損傷程度からなる基本検索条件との論理積(AND)で組み合わせて検索に用いることができる。健全度判定部33は、入力された基本検索条件および指定された追加の検索条件に基づき、類似の建造物を検索する。
健全度判定部33は、検索された類似の他の建造物の健全度に基づいて、検査対象の建造物の健全度を判定する。建造物の健全度とは、建造物の安全性を段階的または数値的に評価したものである。例えば、上記距離の最小値を与える他の建造物の健全度を、検査対象となる建造物の健全度と判定する。上記距離がある閾値以下となる複数の建造物の健全度を単純平均または加重平均した値を、検査対象となる建造物の健全度と判定することもできる。健全度判定手段は、健全度判定部33の上記機能に対応する。
健全度出力部34は、ディスプレイ、プリンタ、およびスピーカなどで構成されており、健全度判定部33が判定した建造物全体の健全度を画像、文字、および音声などに変換して出力する。健全度出力部34は、検査対象の建造物の構造情報、損傷の位置、損傷の程度、および使用環境履歴情報に類似する他の1または複数の建造物の構造情報、損傷の位置、損傷の程度、および使用環境履歴情報のうちの全部または一部の情報を、代表例として共に出力してもよい。健全度出力手段は、健全度出力部34の上記機能に対応する。
健全度確認入力部35は、健全度判定部33が判定した建造物全体の健全度が妥当か否か、あるいは修正すべきか否かの確認入力をユーザに促して、その確認入力を受け付ける。健全度確認入力部35は、確認入力に応じて、健全度判定部33が判定した建造物全体の健全度か、または、修正された健全度を、健全度出力部34、健全度DB32、プリンタ、記録媒体、およびネットワークなどに出力する。健全度確認入力手段は、健全度確認入力部35の上記機能に対応する。
健全度登録部37は、この確認入力後の検査対象の建造物全体の健全度と、検査対象の建造物の構造情報、損傷の位置、損傷の程度、使用環境履歴情報(ただし使用環境履歴情報が健全度の判定に使用された場合)を、新たな健全度情報として健全度DB32に登録する。専門要員によって判定された実際の健全度との相違の程度を統計データ化し、この相違が生じる要素となった健全度DB32の健全度情報を削除や訂正するなどして、健全度DB32の健全度情報を最適化してもよい。本発明の記憶制御手段は、健全度登録部37の上記機能に対応する。
図6は損傷情報抽出装置200の実行する損傷情報抽出処理のフローチャートである。この処理を損傷情報抽出装置200に実行させるためのプログラムは、損傷情報抽出装置200のフラッシュメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されている。
S1(構造情報入力ステップ)では、検査特定部14は、建造物構造情報DB18に蓄積された建造物構造情報の中から、検査対象となる建造物の建造物構造情報を取得する。構造情報入力手段は、検査特定部14の上記機能に対応する。
S2では、検査特定部14は、使用環境履歴情報DB17に蓄積された使用環境履歴情報の中から、検査対象となる建造物の使用環境履歴情報を取得する。使用状況情報入力手段は、検査特定部14の上記機能に対応する。
S3では、検査特定部14は、S1で取得された建造物構造情報と、S2で取得された使用環境履歴情報とに基づき、検査対象とする部材位置と、その部材位置で検査対象とする損傷種類を特定する。なお、使用環境履歴情報がない場合、検査特定部14は、S1で取得された建造物構造情報に基づき、検査対象とする部材位置と、その部材位置で検査対象とする損傷種類を特定する。
S4では、検査データ取得部15は、検査対象となる任意の建造物の各部材の被写体像を撮影および記録した画像データと、その画像を記録した各部材の位置情報とを含む検査データを取得する。上述のように、この画像データには、各部材がまんべんなく被写体として収められている。
S5では、検査データ分析部16は、検査特定部14によって検査対象として特定された部材位置に対応する画像データを検査データ取得部15から取得して分析し、この画像データから、検査対象として特定された損傷種類の損傷が存在するか否か、および、その損傷が存在する場合はその損傷の程度を決定する。検査データ分析部16は、検査対象として特定されていない部材位置に対応する画像データは分析しないので、重要でない部材の損傷の分析は省略される。ただし、検査特定部14の特定していない部材位置であっても、ユーザの指示に応じて、個別に検査対象の部材位置に指定した上で、検査データ分析部16に分析させることもできる。
以上の処理により、建造物の不特定の各部材を被写体とした画像データのうち、重要な部材位置に対応する画像データから損傷情報を抽出することができる。したがって、建造物の設置現場で時間を費やすことなく、重要な部材位置の損傷情報を効率的に得ることができる。
図7は健全度判定装置300の実行する健全度判定処理のフローチャートである。この処理を健全度判定装置300に実行させるためのプログラムは、健全度判定装置300のフラッシュメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されている。
S11(損傷情報入力ステップ)では、検索部31は、損傷情報抽出装置200の損傷情報抽出処理で得られた、部材位置ごとの損傷種類と損傷程度を取得する。損傷情報入力手段は、検索部31の上記機能に対応する。
S12では、検索部31は、建造物構造情報DB18の建造物構造情報と、検査データ分析部16が分析した部材位置ごとの損傷種類に対応する損傷の程度と、使用環境履歴情報DB17の使用環境履歴情報を、健全度DB32の健全度情報と照合し、これらに類似する建造物の健全度を検索する。ただし、使用環境履歴情報DB17に使用環境履歴情報が蓄積されていない場合、検索部31は、建造物構造情報DB18の建造物構造情報と、検査データ分析部16が分析した部材位置ごとの損傷種類に対応する損傷の程度とを、健全度DB32の健全度情報と照合し、これらに類似する建造物の健全度を検索する。
S13(健全度判定ステップ)では、健全度判定部33は、検索された建造物の健全度に基づいて、検査対象の建造物の健全度を判定する。健全度判定手段は、健全度判定部33の上記機能に対応する。
S14では、健全度出力部34は、S12で判定された健全度をディスプレイやプリンタなどに出力する。健全度出力手段は、健全度出力部34の上記機能に対応する。
以上の処理により、検査対象の建造物の不特定の各部材を被写体とした画像データのうち、重要な部材位置に対応する画像データから損傷情報を抽出し、この検査対象の建造物の損傷情報と検査対象の建造物の構造情報とに類似する他の建造物の健全度から、検査対象の建造物の健全度を判定できる。
なお、本発明の適用範囲は、橋梁に限定されず、トンネル、シェッド、カルバート、のり面工、擁壁、ダム、および護岸といった土木構造物や、ビル、マンションのような建築物など、建造物全般に適用することができる。すなわち、建造物の種類とその使用環境に応じて、適切な検査対象の部材位置と損傷種類を決定し、部材位置ごとの画像データなどから建造物の健全度を判定することが可能である。
例えば、検査対象が矢板工法で施工されたトンネルであり、使用環境履歴情報では、トンネルの設置箇所が寒冷地山間部とされているとする。この場合、覆工については、縦断打ち継ぎ目、横断打ち継ぎ目、横断方向目地、縦断方向目地、天端付近、および覆工スパンの中間付近を検査対象の部材位置に決定し、検査対象の損傷種類は、これらの継ぎ目、目地、天端に連続するひび割れ、覆工スパンの中間付近のひび割れ、これらのひび割れによるひびの細片化、浮き、剥離、変色、漏水、および段差などとなる。これは、温度伸縮によるひび割れなどが発生しやすい箇所を重点的に検査するためである。また、使用環境履歴情報において、修復済みの箇所、コールドジョイント、およびジャンカの発生箇所が示されている場合、その位置を検査対象の部材位置に決定し、当該位置におけるひび割れなどの変状を検査対象の損傷種類とする。これらは構造的に脆弱で変状の生じやすい部分だからである。
そして、それらの各部材位置の損傷の程度と類似する他の建造物の健全度によって、検査対象の建築物の健全度を判定する。
あるいは、検査対象がRC造建築物の場合、柱、梁、壁、および床スラブといった躯体を構成する部材を被写体とした画像データを、その部材の存在位置と対応づけて記録しておき、その画像データから、各部材に対応する損傷種類、例えば、ひび割れ、塗装剥離、鉄筋露出、塗装面のチョーキング、および漏水といった損傷種類の有無とその程度を検出し、それらの損傷の程度によって、類似の建造物を検索し、検査対象の建築物の健全度を判定する。
14…検査特定部、15…検査データ取得部、16…検査データ分析部、17…使用環境履歴情報データベース、18…建造物構造情報データベース、31…検索部、32…健全度データベース、33…健全度判定部、34…健全度出力部、35…健全度確認入力部、36…検索条件指定部、37…健全度登録部

Claims (11)

  1. 健全度の判定対象とすべき任意の第1の建造物の表面の損傷に関する第1の損傷情報の入力を受け付ける損傷情報入力手段と、
    前記第1の建造物の構造に関する第1の構造情報の入力を受け付ける構造情報入力手段と、
    前記第1の建造物の使用状況に関する第1の使用状況情報の入力を受け付ける使用状況情報入力手段と、
    前記第1の建造物とは異なる1つ以上の第2の建造物について、前記第2の建造物の表面の損傷に関する第2の損傷情報と、前記第2の建造物の構造に関する第2の構造情報と、前記第2の建造物の使用状況に関する第2の使用状況情報と、前記第2の建造物の健全度とを対応づけた健全度情報を記憶する記憶手段と、
    前記損傷情報入力手段前記構造情報入力手段、および前記使用状況情報入力手段が入力を受け付けた、前記第1の損傷情報前記第1の構造情報、および前記第1の使用状況情報と類似する前記第2の損傷情報前記第2の構造情報、および前記第2の使用状況情報に対応する前記第2の建造物の健全度を検索し、検索された前記第2の建造物の健全度に基づいて、前記第1の建造物の健全度を判定する健全度判定手段と、
    前記第1の建造物を被写体とした画像データから損傷の部位を抽出する損傷部位抽出手段と、
    を備える健全度判定装置。
  2. 前記損傷部位抽出手段の抽出した前記第1の建造物の損傷の部位における損傷の程度を抽出する損傷程度抽出手段をさらに備え、
    前記損傷情報入力手段が入力を受け付ける前記第1の損傷情報は、前記損傷部位抽出手段が抽出した前記第1の建造物の損傷の部位および前記損傷程度抽出手段が抽出した前記第1の建造物の損傷の部位における損傷の程度を含み、
    前記第2の損傷情報は、前記第2の建造物の損傷の部位および前記第2の建造物の損傷の部位における損傷の程度を含み、
    前記健全度判定手段は、前記第1の建造物の損傷の部位、前記第1の建造物の損傷の部位における損傷の程度、前記第1の構造情報、および前記第1の使用状況情報と類似する前記第2の建造物の損傷の部位、前記第2の建造物の損傷の部位における損傷の程度、前記第2の構造情報、および前記第2の使用状況情報に対応する前記第2の建造物の健全度を検索し、検索された前記第2の建造物の健全度に基づいて、前記第1の建造物の健全度を判定する請求項に記載の健全度判定装置。
  3. 前記第1の構造情報は、前記第1の建造物の設計情報を含み、
    前記第2の構造情報は、前記第2の建造物の設計情報を含む請求項又はに記載の健全度判定装置。
  4. 前記第1の使用状況情報は、前記第1の建造物の使用環境履歴および過去の修復履歴のうち少なくとも一方を含み、
    前記第2の使用状況情報は、前記第2の建造物の使用環境履歴および過去の修復履歴のうち少なくとも一方を含む請求項のいずれか1項に記載の健全度判定装置。
  5. 前記健全度判定手段は、前記第1の損傷情報、前記第1の構造情報、および前記第1の使用状況情報の特徴ベクトルと、前記第2の損傷情報、前記第2の構造情報、および前記第2の使用状況情報の特徴ベクトルとの間の特徴空間での距離を算出し、前記距離が閾値以下となる第2の建造物の健全度を検索する請求項のいずれか1項に記載の健全度判定装置。
  6. 前記健全度判定手段の判定した前記第1の建造物の健全度を、前記第1の損傷情報、前記第1の構造情報、および前記第1の使用状況情報と対応づけて前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段を備える請求項のいずれか1項に記載の健全度判定装置。
  7. 前記健全度判定手段の判定した前記第1の建造物の健全度を出力する健全度出力手段をさらに備える請求項に記載の健全度判定装置。
  8. 前記健全度出力手段の出力した前記第1の建造物の健全度の適否に関する確認入力を受け付ける健全度確認入力手段をさらに備え、
    前記記憶制御手段は、前記健全度確認入力手段が入力を受け付けた健全度の適否に関する確認入力に応じて、前記健全度判定手段の判定した前記第1の建造物の健全度を、前記第1の損傷情報、前記第1の構造情報、および前記第1の使用状況情報と対応づけて前記記憶手段に記憶させるか、または、前記健全度判定手段の判定した前記第1の建造物の健全度を修正し、修正された前記第1の建造物の健全度を、前記第1の損傷情報、前記第1の構造情報、および前記第1の使用状況情報と対応づけて前記記憶手段に記憶させる請求項に記載の健全度判定装置。
  9. 前記健全度出力手段は、検索された前記第2の建造物の健全度に関連する健全度情報の一部または全部を、前記第1の建造物の健全度とともに出力する請求項またはに記載の健全度判定装置。
  10. コンピュータが、
    健全度の判定対象とすべき任意の第1の建造物の表面の損傷に関する第1の損傷情報の入力を受け付ける損傷情報入力ステップと、
    前記第1の建造物の構造に関する第1の構造情報の入力を受け付ける構造情報入力ステップと、
    前記第1の建造物の使用状況に関する第1の使用状況情報の入力を受け付ける使用状況情報入力ステップと、
    前記第1の建造物とは異なる1つ以上の第2の建造物について、前記第2の建造物の表面の損傷に関する第2の損傷情報と、前記第2の建造物の構造に関する第2の構造情報と、前記第2の建造物の使用状況に関する第2の使用状況情報と、前記第2の建造物の健全度とを対応づけて記憶する記憶ステップと、
    前記損傷情報入力ステップ前記構造情報入力ステップ、および前記使用状況情報入力ステップが入力を受け付けた、前記第1の損傷情報前記第1の構造情報、および前記第1の使用状況情報と類似する前記第2の損傷情報前記第2の構造情報、および前記第2の使用状況情報に対応する前記第2の建造物の健全度を検索し、検索された前記第2の建造物の健全度に基づいて、前記第1の建造物の健全度を判定する健全度判定ステップと、
    前記第1の建造物を被写体とした画像データから損傷の部位を抽出する損傷部位抽出ステップと、
    を実行する健全度判定方法。
  11. 請求項10に記載の健全度判定方法をコンピュータに実行させるための健全度判定プログラム。
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