JP2015151657A - 産業資材用繊維製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】気密性、高強力、生地の薄さを有するだけでなく、湿度による形態変化の小さい高密度織物を提供することである。【解決手段】ジカルボン酸成分がシュウ酸からなり、ジアミン成分が脂肪族アルキレンジアミンからなるポリオキサミドから得られる繊維を用いて得られる織物であって、経方向の強力及び緯方向の強力がいずれも1000〜2500N/2.5cmであり、かつ厚みが0.2〜0.5mmの織物であることを特徴とする産業資材用高密度織物を提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、ポリオキサミドから得られる繊維を用いた高密度織物で、湿度に対する形態安定性の高い産業資材用繊維製品に関する。
高密度織物に代表される産業資材用繊維製品の需要はますます広がっている。高密度織物には一般に気密性、高強力、生地の薄さといった性質が求められ、それを実現できる繊維強度の強い糸として、例えばナイロン66が好ましく使用されている(例えば、特許文献1参照)。
高密度織物を用いた産業資材は、例えば、エアバッグ用基布が挙げられる。該基布の要求性能として、衝突の際にインフレーションガスによってバッグが破裂しないことは当然であり、さらにコンパクトな収納性が求められる。また、長期間にわたり使用されることが多く、エアバッグの場合には一度収納されると形を変えることがないことから、特に形態安定性の高い材料が求められている。しかしながら、エアバック用基布に広く使用されているナイロン66は、湿度によって伸縮するおそれがあるという課題があった。
本発明の目的は、気密性、高強力、生地の薄さを有するだけでなく、湿度による形態変化の小さい高密度織物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の構成を有するポリオキサミドからなる繊維が、従来のポリアミド繊維と比べ、高強力でありながら形態変化に対する湿度依存が小さいために、該繊維を用いることで湿度に対する形態安定性に優れた高密度織物が得られることを見出し、本発明にいたった。
すなわち、本発明は、ジカルボン酸成分がシュウ酸からなり、ジアミン成分が脂肪族アルキレンジアミンからなるポリオキサミドから得られる繊維を用いて得られる織物であって、経方向の強力及び緯方向の強力がいずれも1000〜2500N/2.5cmであり、かつ厚みが0.2〜0.5mmの織物であることを特徴とする産業資材用高密度織物である。
また、本発明の産業資材用高密度織物は、前記脂肪族アルキレンジアミンが、1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなることが好ましい。
さらに、本発明の産業資材用高密度織物は、エアバッグ用基布であることが好ましい。
本発明により、気密性に優れ、高強力で、かつ生地が薄いためにコンパクトであるだけでなく、湿度による形態変化の小さい高密度織物を提供することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の産業資材用高密度織物は、ジカルボン酸成分がシュウ酸からなり、ジアミン成分が脂肪族アルキレンジアミンからなるポリオキサミドから得られる繊維を用いることが重要である。
本発明の産業資材用高密度織物は、ジカルボン酸成分がシュウ酸からなり、ジアミン成分が脂肪族アルキレンジアミンからなるポリオキサミドから得られる繊維を用いることが重要である。
本発明におけるポリオキサミドの製造に用いられるジカルボン酸成分は、シュウ酸からなる。該シュウ酸源としては、シュウ酸ジエステルを採用でき、これらはアミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジn−(またはi−)プロピル、シュウ酸ジn−(またはi−、またはt−)ブチルなどの脂肪族1価アルコールのシュウ酸ジエステル、シュウ酸ジシクロヘキシルなどの脂環式アルコールのシュウ酸ジエステル、シュウ酸ジフェニルなどの芳香族アルコールのシュウ酸ジエステルなどが挙げられる。該シュウ酸ジエステルの中でも炭素原子数が3を超える脂肪族1価アルコールのシュウ酸ジエステル、脂環式アルコールのシュウ酸ジエステル、芳香族アルコールのシュウ酸ジエステルが好ましく、その中でもシュウ酸ジブチル及びシュウ酸ジフェニルが特に好ましい。
一方、本発明におけるポリオキサミドの製造に用いられるジアミン成分は、脂肪族ジアルキレンジアミンからなる。該脂肪族アルキレンジアミンは、本発明の効果を損なわない限り特に限定されるものではないが、高強力で、かつ湿度に対する形態安定性に優れることから、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物を用いることが好ましい。1,9−ノナンジアミン成分と2−メチル−1,8−オクタンジアミン成分のモル比は、1:99〜99:1が好ましく、より好ましくは5:95〜95:5、さらに好ましくは5:95〜40:60または60:40〜95:5、特に好ましくは5:95〜30:70または70:30〜90:10である。1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンを上記の特定量共重合することにより、高強力及び形態安定性といった性能に加え、低吸水性でありながら、溶融重合による高分子量化が可能で、成形可能温度幅が広く溶融成形性に優れ、かつ耐薬品性、耐加水分解性に優れたポリオキサミドが得られる。特に、該モル比が5:95〜40:60、さらに5:95〜30:70である場合、結晶性に優れるため、低吸水性及び力学特性に特に優れるとともに、液体及び/または気体(例えばアルコールなど)の透過性も低いという利点が得られる他、例えば1,9−ノナンジアミンの含有量が2−メチル−1,8−オクタンジアミンの含有量よりも多い場合と比べて吸水性がより低いという利点も有する。一方該モル比が60:40〜95:5、さらに70:30〜95:5、さらには70:30〜90:10である場合には、低吸水性及び力学特性が特に優れるとともに、良好な透明性が付与されるという利点が得られる。
本発明におけるポリオキサミドを製造する際には、本発明の効果を損なわない範囲で他のジカルボン酸成分を混合してもよい。シュウ酸以外の他のジカルボン酸成分としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸、また、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、さらにテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などを単独で、あるいはこれらの任意の混合物を重縮合反応時に添加することもできる。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸を溶融成形が可能な範囲内で用いることもできる。他のジカルボン酸成分の使用量は、ジカルボン酸成分全体の5モル%以下であることが好ましい。
同様に、本発明の効果を損なわない範囲で、他のジアミン成分を混合してもよい。例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの脂肪族ジアミン、さらにシクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン、さらにp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンなどを単独で、あるいはこれらの任意の混合物を重縮合反応時に添加することもできる。他のジアミン成分の使用量は、ジアミン成分全体の5モル%以下であることが好ましい。
また、本発明におけるポリオキサミドは、本発明の効果を損なわない範囲で、一部が他のポリマー成分で置き換えられたものであってもよい。他のポリマー成分としては、本発明の脂肪族ジアルキレンジアミンからなる種以外のポリオキサミド、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミドなどのポリアミド類や、ポリアミド以外の熱可塑性ポリマーなどが挙げられる。本発明において用いる、脂肪族ジアルキレンジアミンからなるポリオキサミドの割合は、高密度織物に高強力及び形態安定性といった性能を効果的に付与する点から、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上である。
本発明におけるポリオキサミドの分子量に特別の制限はないが、ポリオキサミドの濃度が1.0g/dLの96%濃硫酸溶液を用い、25℃で測定した相対粘度ηrが1.8〜6.0の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2.0〜5.5であり、2.5〜4.5が特に好ましい。ηrが1.8より低いと成形物が脆くなり物性が低下する傾向がある。一方、ηrが6.0より高いと溶融粘度が高くなり、成形加工性が悪くなる傾向がある。
本発明において用いるポリオキサミドは、ポリアミド樹脂を製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。例えば、前述したシュウ酸ジエステル及び脂肪族ジアルキレンジアミンを用いて、バッチ式または連続式で重縮合反応させることによりポリオキサミド樹脂を得ることができる。
また、本発明において用いるポリオキサミド樹脂から得られる繊維(以下、ポリオキサミド繊維と称することがある)は、ポリアミド繊維を製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。例えば、ポリオキサミドの樹脂を含む原料組成物を単軸などの溶融押出機にて溶融状態とし、吐出量を定量的に制御するギアポンプなどを介して溶融物を紡糸口金から押出し、空気あるいは水などで冷却しながら、所定の引取速度で引取ることなどによって、本発明のポリオキサミド繊維を製造することができる。このようにして得られた繊維は、産業資材の各用途に応じて種々の倍率でさらに延伸してもよい。また、溶融紡糸と延伸とを同時に行ってもよい。
本発明で使用するポリオキサミド繊維の総繊度は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、製織性、高強力、気密性、生地の薄さの点から、例えば200〜800dTexが好ましく、より好ましくは250〜700dTex、特に好ましくは300〜600dTexの範囲である。また、単糸繊度についても特に限定されないが、製織性及び気密性の点から、2〜8dTexが好ましく、より好ましくは3〜7dTex、特に好ましくは4〜6dTexである。
本発明で使用するポリオキサミド繊維の引張強度は、高強力及び生地の薄さを達成する点から6〜11cN/dTexであることが好ましい。より好ましくは7〜11cN/dTexであり、特に好ましくは8〜11cN/dTexである。
本発明の産業資材用高密度織物は、上記ポリオキサミド繊維を使用して製織することが重要である。該ポリオキサミド繊維が高強力を保持しつつ湿度による形態変化率が小さいため、該繊維を経糸及び/または緯糸に用いることで、高強力で、かつ形態安定性に優れた織物を実現することができ、長期間の安定性を要求される産業資材用繊維製品、特にエアバッグ用基布に適した高密度織物が得られる。
本発明の高密度織物は、経方向の強力及び緯方向の強力がいずれも1000〜2500N/2.5cmであり、かつ厚みが0.2〜0.5mmの織物であることが重要である。強力が1000N/2.5cm未満、あるいは厚みが0.2mm未満の場合には引張強度が十分でなく、産業用資材用途、特にエアバッグ用基布としては使用できなくなる。一方、強力が2000N/2.5cmより大きい、あるいは厚みが0.5mmより大きい場合には、織物の剛性が大きくなりすぎる、あるいは厚みが大きくなりすぎることから、折り畳み性が悪化するためエアバッグ用基布に適さない。
また、本発明の高密度織物のカバーファクターは特に限定されるものではないが、1500〜3000の範囲で製織することが好ましく、より好ましくは1600〜2800、特に好ましくは1700〜2700の範囲である。なお、ここでいうカバーファクター(K)とは、経糸繊度をDA(dTex)、経糸密度をNA(本/2.54cm)、緯糸繊度をDB(dTex)、緯糸密度をNB(本/2.54cm)としたとき、下記式より求めることができる。
K = √(DA)×NA + √(DB)×NB
K = √(DA)×NA + √(DB)×NB
本発明の高密度織物の製織方法は特に限定されず、上記ポリオキサミド繊維から得られ、前述した強力及び厚さの条件を満たす織物である限り、公知の方法を用いることができる。また、製織して得られた生機には整理加工を実施するが、その条件にも特に制約はない。得られた生機の余分な油剤や汚れを除去する目的で、適宜水洗などを実施してもよい。ただし、工程において熱処理を実施することが重要であり、テンターなどを用いて狙いの密度にあわせることが肝要である。熱処理温度は120〜190℃が好ましく、さらに130〜180℃がより好ましい。熱処理温度が190℃より大きいと生地が硬くなって剛性が必要以上に増してしまったり、生地が変色したりするため好ましくない。一方、120℃未満の場合にはセット性が十分でなく、十分な形態安定性が得られないおそれがあるため好ましくない。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各測定値は以下の方法により測定した値である。
[繊度]
JIS L1013に準拠して測定した。
JIS L1013に準拠して測定した。
[強力]
JIS L1096のカットストリップ法に準拠して測定した。
JIS L1096のカットストリップ法に準拠して測定した。
[厚み]
JIS L1096に準拠し、厚み計としてOZAKI MFG.CO.,LTD.製「DIAL THICKNESS GAUGE H20」を用いて測定した。
JIS L1096に準拠し、厚み計としてOZAKI MFG.CO.,LTD.製「DIAL THICKNESS GAUGE H20」を用いて測定した。
[吸湿伸張率]
温度15℃、湿度60%RHの環境中に生地を6時間以上放置したのち、生地の経緯方向に各300mm間隔の印を記入。そしてその後、温度25℃、湿度90%RHの環境に生地を6時間以上放置した後、印間の長さをLとしたとき、次に式にて吸湿伸張率を求めた。3枚のサンプルの平均値を測定結果とした。
吸湿伸張率(%)={(L−300)/300}×100
温度15℃、湿度60%RHの環境中に生地を6時間以上放置したのち、生地の経緯方向に各300mm間隔の印を記入。そしてその後、温度25℃、湿度90%RHの環境に生地を6時間以上放置した後、印間の長さをLとしたとき、次に式にて吸湿伸張率を求めた。3枚のサンプルの平均値を測定結果とした。
吸湿伸張率(%)={(L−300)/300}×100
[ポリオキサミド樹脂の製造方法]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、ダイアフラムポンプを直結した原料投入口、窒素ガス導入口、放圧口、圧力調節装置及びポリマー抜出し口を備えた内容積が150Lの圧力容器に、140.4molのシュウ酸ジブチルを仕込み、圧力容器の内部を純度が99.9999%の窒素ガスで0.5MPaに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出する操作を5回繰り返し、窒素置換を行った後、封圧下、攪拌しながら系内を昇温した。約30分間かけてシュウ酸ジブチルの温度を100℃にした後、119.3molの1,9−ノナンジアミンと21.1molの2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物をダイアフラムフポンプにより流速1.49L/分で約17分間かけて反応容器内に供給すると同時に昇温した。供給直後の圧力容器内の内圧は、重縮合反応により生成したブタノールによって0.35MPaまで上昇し、重縮合物の温度は約170℃まで上昇した。その後、1時間かけて温度を235℃まで昇温した。その間、生成したブタノールを放圧口より抜き出しながら、内圧を0.5MPaに調節した。重縮合物の温度が235℃に達した直後から放圧口よりブタノールを約20分間かけて抜き出し、内圧を常圧にした。常圧にしたところから、1.5L/分で窒素ガスを流しながら昇温を開始し、約1時間かけて重縮合物の温度を260℃にし、260℃において4.5時間反応させた。その後、攪拌を止めて系内を窒素で1MPaに加圧して約10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化した。得られたポリマーは白色で強靭なポリオキサミドであった。
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、ダイアフラムポンプを直結した原料投入口、窒素ガス導入口、放圧口、圧力調節装置及びポリマー抜出し口を備えた内容積が150Lの圧力容器に、140.4molのシュウ酸ジブチルを仕込み、圧力容器の内部を純度が99.9999%の窒素ガスで0.5MPaに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出する操作を5回繰り返し、窒素置換を行った後、封圧下、攪拌しながら系内を昇温した。約30分間かけてシュウ酸ジブチルの温度を100℃にした後、119.3molの1,9−ノナンジアミンと21.1molの2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物をダイアフラムフポンプにより流速1.49L/分で約17分間かけて反応容器内に供給すると同時に昇温した。供給直後の圧力容器内の内圧は、重縮合反応により生成したブタノールによって0.35MPaまで上昇し、重縮合物の温度は約170℃まで上昇した。その後、1時間かけて温度を235℃まで昇温した。その間、生成したブタノールを放圧口より抜き出しながら、内圧を0.5MPaに調節した。重縮合物の温度が235℃に達した直後から放圧口よりブタノールを約20分間かけて抜き出し、内圧を常圧にした。常圧にしたところから、1.5L/分で窒素ガスを流しながら昇温を開始し、約1時間かけて重縮合物の温度を260℃にし、260℃において4.5時間反応させた。その後、攪拌を止めて系内を窒素で1MPaに加圧して約10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化した。得られたポリマーは白色で強靭なポリオキサミドであった。
参考例1
上記の製造方法で得られたポリオキサミド樹脂を、押出機を用いて温度330℃で溶融押出しし、0.25mmφ×72ホールの丸孔ノズルから吐出し、横風の冷却風で冷却し、600m/minで巻き取った。ついで、100℃のホットローラー、180℃のホットプレートを用いて、4.0倍の熱延伸することで470dTex72フィラメントのポリオキサミド繊維のマルチフィラメント(引張強度8.0cN/dTex)を得た。
上記の製造方法で得られたポリオキサミド樹脂を、押出機を用いて温度330℃で溶融押出しし、0.25mmφ×72ホールの丸孔ノズルから吐出し、横風の冷却風で冷却し、600m/minで巻き取った。ついで、100℃のホットローラー、180℃のホットプレートを用いて、4.0倍の熱延伸することで470dTex72フィラメントのポリオキサミド繊維のマルチフィラメント(引張強度8.0cN/dTex)を得た。
参考例2
0.25mmφ×36ホールの丸孔ノズルを用いたこと以外は参考例1と同様にして、220dTex36フィラメントのポリオキサミド繊維のマルチフィラメント(引張強度8.0cN/dTex)を得た。
0.25mmφ×36ホールの丸孔ノズルを用いたこと以外は参考例1と同様にして、220dTex36フィラメントのポリオキサミド繊維のマルチフィラメント(引張強度8.0cN/dTex)を得た。
実施例1
参考例1で得られたポリオキサミド繊維、470dTex72フィラメントを経緯に用いてウォータージェットルームにて製織、乾燥し、ピンセッターを用いて150℃で熱処理して、経55本/2.54cm、緯55本/2.54cmの密度で仕上げた。カバーファクターは2390で、経方向の強力1750N/2.5cm、緯方向の強力1720N/2.5cmで十分な強力が得られ、厚みは0.32mmで良好であった。また生地の吸湿伸張率は0.5%で極めて良好であった。
参考例1で得られたポリオキサミド繊維、470dTex72フィラメントを経緯に用いてウォータージェットルームにて製織、乾燥し、ピンセッターを用いて150℃で熱処理して、経55本/2.54cm、緯55本/2.54cmの密度で仕上げた。カバーファクターは2390で、経方向の強力1750N/2.5cm、緯方向の強力1720N/2.5cmで十分な強力が得られ、厚みは0.32mmで良好であった。また生地の吸湿伸張率は0.5%で極めて良好であった。
実施例2
参考例2で得られたポリオキサミド繊維、220dTex36フィラメントを経緯に用いてウォータージェットルームにて製織、乾燥し、ピンセッターを用いて150℃で熱処理して、経77本/2.54cm、緯77本/2.54cmの密度で仕上げた。カバーファクターは2284で、経方向の強力1200N/2.5cm、緯方向の強力1150N/2.5cmで十分な強力が得られ、厚みは0.23mmで極めて良好であった。また生地の吸湿伸張率は0.4%で極めて良好であった。
参考例2で得られたポリオキサミド繊維、220dTex36フィラメントを経緯に用いてウォータージェットルームにて製織、乾燥し、ピンセッターを用いて150℃で熱処理して、経77本/2.54cm、緯77本/2.54cmの密度で仕上げた。カバーファクターは2284で、経方向の強力1200N/2.5cm、緯方向の強力1150N/2.5cmで十分な強力が得られ、厚みは0.23mmで極めて良好であった。また生地の吸湿伸張率は0.4%で極めて良好であった。
比較例1
暁星社製ナイロン66繊維、470dTex68フィラメント(引張強度8.6cN/dTex)を経緯に用いてウォータージェットルームにて製織、乾燥し、ピンセッターを用いて150℃で熱処理して、経55本/2.54cm、緯55本/2.54cmの密度で仕上げた。カバーファクターは2390で、経方向の強力1820N/2.5cm、緯方向の強力1880N/2.5cmで十分な強力が得られ、厚みは0.31mmで良好であった。しかし、生地の吸湿伸張率は2.5%で、湿度に対する安定度が欠けており産業資材として用いるには不適であった。
暁星社製ナイロン66繊維、470dTex68フィラメント(引張強度8.6cN/dTex)を経緯に用いてウォータージェットルームにて製織、乾燥し、ピンセッターを用いて150℃で熱処理して、経55本/2.54cm、緯55本/2.54cmの密度で仕上げた。カバーファクターは2390で、経方向の強力1820N/2.5cm、緯方向の強力1880N/2.5cmで十分な強力が得られ、厚みは0.31mmで良好であった。しかし、生地の吸湿伸張率は2.5%で、湿度に対する安定度が欠けており産業資材として用いるには不適であった。
Claims (3)
- ジカルボン酸成分がシュウ酸からなり、ジアミン成分が脂肪族アルキレンジアミンからなるポリオキサミドから得られる繊維を用いて得られる織物であって、経方向の強力及び緯方向の強力がいずれも1000〜2500N/2.5cmであり、かつ厚みが0.2〜0.5mmの織物であることを特徴とする産業資材用高密度織物。
- 前記脂肪族アルキレンジアミンが、1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなることを特徴とする、請求項1に記載の産業資材用高密度織物。
- エアバッグ用基布であることを特徴とする、請求項1または2に記載の産業資材用高密度織物。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10837862B2 (en) | 2015-09-10 | 2020-11-17 | Fujifilm Corporation | Soundness determination device, soundness determination method, and soundness determination program |
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2014
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