JP6454772B1 - 義歯の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】患者の不満が軽減される義歯の製造方法を提供する。【解決手段】義歯の製造方法の練習用義歯形成工程では、上顎義歯床、上顎人工歯部、下顎義歯床および下顎人工歯部を有する練習用義歯を形成する。内側弁維持工程172では、接触面積が大きくなるように、もしくは、接触圧力の標準偏差が小さくなるように、上顎内側弁または下顎内側弁を加工する。外側弁維持工程173では、上顎外側弁と人体の頬との接触面積が大きくなるように、もしくは、接触圧力の標準偏差が小さくなるように、上顎外側弁または下顎外側弁を加工する。最終義歯形成工程では、内側弁維持工程172および外側弁維持工程173を経由した練習用義歯に基づいて、最終義歯を形成する。【選択図】図14

Description

本発明は、義歯の製造方法に関する。
従来、特許文献1に記載されているように、患者が日常に使用していく最終義歯の製造の前の治療に用いられる治療用義歯が知られている。
特許第5426957号公報
特許文献1のように、治療用義歯では、順次、調整を加えることで、より機能的な形態の義歯を製造することができる。しかし、調整を加えても、最終義歯において、患者は、咀嚼、嚥下および構音に不満にもつことが多い。患者の不満を解消するため、調整工程を適切に行うには、高度の熟練が必要になる。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、患者の不満が軽減される義歯の製造方法を提供することにある。
本発明の義歯の製造方法は、治療用義歯形成工程(14)、内側弁維持工程(172)、外側弁維持工程(173)および最終義歯形成工程(20)を含む。
治療用義歯形成工程では、上顎義歯床(31)、上顎人工歯部(32)、下顎義歯床(41)および下顎人工歯部(42)を有し、最終義歯(75)の製造前の治療に用いられる治療用義歯(30)を形成する。
上顎義歯床は、人体(60)の口腔(63)内の上顎(64)に吸着可能である。
上顎人工歯部は、上顎義歯床に設けられ、人工歯を含む。
下顎義歯床は、人体の口腔内の下顎(65)に吸着可能である。
下顎人工歯部は、下顎義歯床に設けられ、人工歯を含む。
内側弁維持工程では、上顎内側弁(36)と上顎との接触面積が大きくなるように、もしくは、上顎内側弁と上顎との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、上顎内側弁を加工する。または、下顎内側弁(46)と下顎との接触面積が大きくなるように、もしくは、下顎内側弁と下顎との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、下顎内側弁を加工する。
上顎内側弁は、治療用義歯を口腔に入れたとき、上顎義歯床が上顎に接触する上顎義歯床の部位である。
下顎内側弁は、治療用義歯を口腔に入れたとき、下顎義歯床が下顎に接触する下顎義歯床の部位である。
外側弁維持工程では、上顎外側弁(37)と人体の頬との接触面積が大きくなるように、もしくは、上顎外側弁と人体の頬との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、上顎外側弁を加工する。または、下顎外側弁(47)と人体の頬および舌との接触面積が大きくなるように、もしくは、下顎外側弁と人体の頬および舌との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、下顎外側弁を加工する。
上顎外側弁は、治療用義歯を口腔に入れたとき、上顎義歯床が人体の頬に接触する上顎義歯床の部位である。
下顎外側弁は、治療用義歯を口腔に入れたとき、下顎義歯床が人体の頬および舌に接触する下顎義歯床の部位である。
最終義歯形成工程では、内側弁維持工程および外側弁維持工程を経由した治療用義歯に基づいて、最終義歯を形成する。
第1態様では、治療用義歯形成工程において、下顎奥歯(44)が平坦面(48)を有するように、下顎人工歯部を形成する。
第2態様では、内側弁維持工程において、上顎内側弁または下顎内側弁に溝を形成する。
内側弁維持工程および外側弁維持工程により、人体が安静時および運動時における練習用義歯と上顎および下顎との維持力および支持力が向上する。維持力および支持力が向上した練習用義歯に基づき、最終義歯が形成されるため、最終義歯を使用したときも維持力および支持力が向上する。維持力および支持力が向上するため、知覚情報が人体の大脳に入力され、大脳の舌筋運動領野または頬筋口輪筋運動領野に伝達されやすくなる。このため、舌筋または頬筋口輪筋運動の調整がされやすくなる。結果として、舌筋、頬筋または口輪筋は、中立な平衡関係を再構築することができる。したがって、人体の咀嚼、嚥下または構音が人体にとって、快適な状態になり、人体の不満が軽減される。
本発明の一実施例の義歯の製造方法によって形成した最終義歯を人体に使用したときの模式図。 本発明の一実施例の義歯の製造方法のフローチャート。 本発明の一実施例の義歯の製造方法の印象採得工程のフローチャート。 本発明の一実施例の義歯の製造方法によって形成した作業模型を説明するための断面図。 本発明の一実施例の義歯の製造方法の咬合採得工程のフローチャート。 本発明の一実施例の義歯の製造方法の咬合床形成工程を説明するための模式図。 本発明の一実施例の義歯の製造方法の咬合高径設定工程を説明するための模式図。 本発明の一実施例の義歯の製造方法によって形成した練習用義歯の模式図 本発明の一実施例の義歯の製造方法によって形成した練習用義歯の上顎義歯床の模式図。 本発明の一実施例の義歯の製造方法によって形成した練習用義歯の下顎義歯床の模式図。 本発明の一実施例の義歯の製造方法によって形成した練習用義歯のオーバージェットおよびオーバーバイトを説明するための模式図。 本発明の一実施例の義歯の製造方法の練習用義歯試適工程のフローチャート。 本発明の一実施例の義歯の製造方法の練習用義歯完成工程のフローチャート。 本発明の一実施例の義歯の製造方法の練習用義歯確認工程を説明するための模式図。 本発明の一実施例の義歯の製造方法の機能取込工程のフローチャート。 本発明の一実施例の義歯の製造方法の内側弁維持工程を説明するための模式図。 本発明の一実施例の義歯の製造方法の最終義歯完成工程によって形成した最終義歯の模式図。
(一実施例)
以下、本発明の一実施例の義歯の製造方法10を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、人体60が日常に使用していく義歯としての最終義歯75は、人体60が喪失した歯を補うために用いられる。
人体60は、上唇61、下唇62、口腔63、上顎64、下顎65、口腔前庭66、義歯床辺縁67および小帯68を有する。
口腔前庭66は、上唇61または下唇62の内面と、頬の内面と、歯との間に区画形成される空間である。
義歯床辺縁67は、口腔前庭66に位置する口腔63内の内面である。
小帯68は、上唇61または下唇62の内面または頬の内面と、歯茎との間に設けられるひだ部分のことである。なお、小帯68は、上唇小帯、下唇小帯、頬小帯または舌小帯を含む。小帯68は、人体60によっては、複数設けられている場合もあり、人体60にない場合もある。図において、小帯68の所在を明確にするため、小帯68を誇張して記載している。
図2のフローチャートに示すように、一実施例の義歯の製造方法10は、印象採得工程11、作業模型形成工程12、咬合採得工程13および練習用義歯形成工程14を含む。また、義歯の製造方法10は、練習用義歯試適工程15、練習用義歯完成工程16、機能取込工程17および機能判定工程18を含む。さらに、義歯の製造方法10は、コピーデンチャー形成工程19、最終印象調整工程20、最終義歯形成工程21、最終義歯試適工程22および最終義歯完成工程23を含む。
印象採得工程11では、印象材を使用して、人体60の口腔63内の型を取る。印象採得工程11では、人体60の身体、特に、口腔63内にとって都合がよい治療用義歯としての練習用義歯30および最終義歯75を創るための印象を採る。
そこで、図3のフローチャートに示すように、印象採得工程11は、緊張緩和工程111、組織状態把握工程112、印象材選択工程113、型取工程114および印象材変形緩和工程115を有する。
緊張緩和工程111では、人体60の緊張をほどき、人体60をリラックスさせる。人体60が緊張等により、身体に力が入るとき、口腔前庭66付近が緊張し、口腔前庭66の形態が変化することがある。この状態では、練習用義歯30および最終義歯75に影響を及ぼす。このため、人体60の印象採得をするとき、人体60の緊張を緩和させ、人体60にはリラックスしてもらう必要がある。
組織状態把握工程112では、人体60の口の比較的軟らかい部位である軟組織および比較的硬い部位である硬組織を触診することにより、どのくらいの弾力があるかを把握する。また、このとき、不良または古い義歯を使用していた人体60には、食事をする場合を除き、24時間前から外しておくことが好ましい。
印象材選択工程113では、多種ある印象材の中からアルジネート印象材を選択して、人体60の口腔63内の型取りを行う。なお、石膏印象材またはユージノール印象材を用いてもよい。軟組織の変形を最小限に抑える印象材が好ましい。
型取工程114では、印象材への加圧状態および人体60の開口状態を確認しながら、口腔63内の上顎64および下顎65の型を形成する。なお、人体60の姿勢は、重要である。人体60が足を組んでいないか、腰が曲がっていないかまたは椅子等に深く座っている否かを確認しておくことが重要である。
印象材変形緩和工程115では、印象材の変形を最小限にするため、印象材の厚みを一定に盛りつける。本明細書中、「一定」は、常識的な誤差範囲を含むものとする。各個トレーを使用して、印象採得を行う。また、印象材が硬化するまで、印象材が動かない最低限の力で保持する。さらに、硬化した印象材を取り外すとき、空気を吹き付けながら行う。
図4に示すように、作業模型形成工程12では、印象採得工程11を経由して形成された型に石膏を盛りつけて、作業模型80を形成する。作業模型形成工程12では、変形しやすい部位を補強し、印象の辺縁外周に沿って、箱枠と創る操作であるボクシングを行う。また、所定の石膏の混合比にて、作業模型80を形成する。また、作業模型形成工程12では、気泡が入らないように、石膏の練和および盛りつけを行う。さらに、作業模型形成工程12では、口腔63内の温度および湿度等の環境を同じにして、石膏を硬化させる。
上顎切歯相当部の口腔前庭最深部Aから所定距離である第1距離L1に位置し、左右翼突下顎ヒダの最深部Hから所定の距離である第2距離L2に位置する面を作業模型80の第1基底面S1とする。下顎切歯相当部の口腔前庭最深部Bから所定の距離である第3距離L3に位置し、レトロモラーパッドの最頂部Rから所定の距離である第4距離L4に位置する面を作業模型80の第2基底面S2にする。
第1基底面S1から第2基底面S2までの距離である第5距離L5が所定値となるように、作業模型80を仕上げる。また、作業模型80の側壁は、垂直となるように、仕上げる。本明細書中、「垂直」は、常識的な誤差範囲を含むものとする。なお、レトロモラーパッドは、下顎最後方臼歯の後方に存在する隆起に相当する作業模型80の部位である。また、第1距離L1は、8mmであり、第2距離L2は、25mmであることが好ましい。また、第3距離L3は、12mmであり、第4距離L4は、30mmであることが好ましい。第5距離L5は、60mmであることが好ましい。
咬合採得工程13では、作業模型80を形成し、上顎64に対する下顎65の位置を三次元に把握し、人体60の口腔63内の空間容積を把握する。
図5のフローチャートに示すように、咬合採得工程13は、咬合床形成工程131、咬合床試適工程132、咬合平面確認工程133および上下顎確認工程134を有する。また、咬合採得工程13は、咬合高径設定工程135、固定工程136、口唇記録工程137、人工歯選択工程138および取出工程139を有する。
図6に示すように、咬合床形成工程131では、作業模型80に基づき、調整用ワックスを用いて、基礎床および蝋堤を有する上顎咬合床81および下顎咬合床82を形成する。
咬合床試適工程132では、上顎咬合床81および下顎咬合床82の噛み合わせ等を確認し、試適する。また、咬合床試適工程132では、神経痛等の疼痛がないか、安定しているか、または、すぐに外れないかを確認する。
咬合平面確認工程133では、有歯顎者の下顎中切歯の切縁の接触点と、左右下顎第2大臼歯遠心頬側咬頭頂の3点によって決定される平面である咬合平面を確認する。
上下顎確認工程134では、上唇61を裏側から支える上顎リップサポートを確認する。また、上顎咬合床81と下顎咬合床82とを人体60に装着して、人体60の上唇61および下唇62を閉じたときの鼻下点からオトガイまでの距離を確認する。人体60が男性である場合、この距離は、約70mmとなるように、調整する。また、人体60が女性である場合、この距離は、約68mmとなるように、調整する。
咬合高径設定工程135では、上顎咬合床81および下顎咬合床82を人体60に装着して、人体60が軽く咬合したときに、上下顎咬合床のズレがないかを確認する。また、咬合高径設定工程135では、アルーワックスを底辺および底辺に対する高さが1mm程度の三角形とし、柱の高さが15から20mm程度の三角柱状にして、下顎人工歯部42の蝋堤において、咬合採得を行う。
図7に示すように、人体60の目69の中心から上唇61および下唇62の接続部70までの距離を第1ウィリス距離Lw1とする。人体60の鼻下71から下顎65の端部72までの距離である第2ウィリス距離Lw2とする。
咬合高径設定工程135では、第1ウィリス距離Lw1および第2ウィリス距離Lw2に基づき、人体60が咬合したときの上顎64から下顎65までの距離である咬合高径を設定する。本実施例の咬合高径設定工程135では、ウィリス法を用いて、第1ウィリス距離Lw1および第2ウィリス距離Lw2が一致するように、咬合高径を設定する。なお、マックギー法、ブルーノ法またはブヤノフ法を用いて、咬合高径を決定してもよい。
固定工程136では、シリコーン系のバイト材を用いて位置がズレないように固定する。
口唇記録工程137では、上唇61、下唇62、頬粘膜および唇閉鎖線を記録する。
人工歯選択工程138では、上顎中切歯を基準に人工歯を選択する。
取出工程139では、上顎咬合床81および下顎咬合床82を一塊にして外部へ取り出す。
練習用義歯形成工程14では、調整用ワックスを用いて、治療用義歯としての練習用義歯30が形成される。
図8に示すように、練習用義歯30は、上顎義歯床31、上顎人工歯部32、下顎義歯床41および下顎人工歯部42を備える。図において、説明をわかりやすくするため、後述の練習用義歯完成工程16を経由した練習用義歯30を記載している。
上顎義歯床31は、上顎64に取付可能であり、上顎64に吸着可能である。上顎義歯床31は、人工歯が植立されており、咬合したときの力を口腔63内の粘膜へ付与可能である。
図9に示すように、上顎義歯床31は、上顎義歯床粘膜面35、上顎内側弁36および上顎外側弁37を有する。図9は、紙面の上から上顎義歯床31の下面図および上顎義歯床31の上面図を記載している。
上顎義歯床粘膜面35は、口腔63内で上顎64に接触したとき、口腔63内の粘膜が付着する面である。
上顎内側弁36は、練習用義歯30を口腔63内に入れたとき、人体60の上顎64に接触する上顎義歯床31の部位である。
上顎外側弁37は、練習用義歯30を口腔63内に入れたとき、人体60の頬の内面に接触する上顎義歯床31の部位である。上顎内側弁36および上顎外側弁37により、上顎義歯床31と上顎64とが支持される。
上顎人工歯部32は、上顎義歯床31に設けられており、人工歯である上顎前歯33および上顎奥歯34を含む。
上顎前歯33は、口腔63内に対して、上顎義歯床31の前側の人工歯であり、上顎奥歯34は、口腔63内に対して、上顎義歯床31の奥側の人工歯である。
上顎前歯33は、比較的硬い樹脂である硬質レジンで形成されており、人体60の歯の形状に対応して形成されている。
上顎奥歯34は、陶歯で形成されており、人体60の歯の形状に対応して形成されている。陶歯は、陶材で形成された人工歯であり、硬度および耐久力が比較的優れる。
下顎義歯床41は、下顎65に取付可能であり、下顎65に吸着可能である。下顎義歯床41は、上顎義歯床31と同様に、人工歯が植立されており、咬合したときの力を口腔63内の粘膜へ付与可能である。
図10に示すように、下顎義歯床41は、下顎義歯床粘膜面45、下顎内側弁46および下顎外側弁47を有する。図10は、紙面の上から下顎義歯床41の上面図および下顎義歯床41の下面図を記載している。
下顎義歯床粘膜面45は、上顎義歯床粘膜面35と同様に、口腔63の内面に接触したとき、口腔63内の粘膜が付着する面である。
下顎内側弁46は、練習用義歯30を口腔63内に入れたとき、人体60の下顎65に接触する下顎義歯床41の部位である。
下顎外側弁47は、練習用義歯30を口腔63内に入れたとき、人体60の頬の内面および舌に接触する下顎義歯床41の部位である。
下顎人工歯部42は、下顎義歯床41に設けられており、人工歯である下顎前歯43および下顎奥歯44を含む。
下顎前歯43は、口腔63内に対して、下顎義歯床41の前側の人工歯であり、下顎奥歯44は、口腔63内に対して、下顎義歯床41の奥側の人工歯である。
下顎前歯43は、上顎前歯33と同様に、比較的硬い樹脂で形成されている。
下顎奥歯44は、後述で記載するように、タルクおよび合成樹脂で形成されている。
図11に示すように、人体60の前後方向における上顎前歯33の先端部331から下顎前歯43の先端部431までの距離をオーバージェットJoとする。人体60の高さ方向または上下方向における上顎前歯33の先端部331から下顎前歯43の先端部431までの距離をオーバーバイトBoとする。オーバージェットJoが0.8mm以上、1.2mm以下となるように、練習用義歯30を形成する。また、オーバーバイトBoが0.1mm以上、1.0mm以下となるように、練習用義歯30を形成する。図において、オーバージェットJoおよびオーバーバイトBoが明確となるように、上顎前歯33および下顎前歯43を誇張して記載している。
図12のフローチャートに示すように、練習用義歯試適工程15は、上下適合状態確認工程151、正中確認工程152、咬合状態確認工程153およびマウスボリューム確認工程154を有し、練習用義歯30の試適を行う。
上下適合状態確認工程151では、練習用義歯30が口腔63内に入れたとき、練習用義歯30と人体60との適合状態を確認する。練習用義歯試適工程15を経由した練習用義歯30の上顎義歯床31および下顎義歯床41は、合成樹脂に変更される。
正中確認工程152では、上顎人工歯部32の中心である上顎人工歯部中心O_upp、下顎人工歯部42の中心である下顎人工歯部中心O_lowおよび人体60の顔の中心が一致するか否かを確認する。本明細書中、「一致」は、常識的な誤差範囲を含むものとする。
咬合状態確認工程153では、上顎人工歯部32および下顎人工歯部42の咬合状態を確認する。
マウスボリューム確認工程154では、練習用義歯30が口腔63内に入るか否かを確認する。
図13のフローチャートに示すように、練習用義歯完成工程16は、着色樹脂変更工程161、透明樹脂変更工程162、前歯変更工程163、臼歯部形成工程164および樹脂硬化液付与工程165を有する。
着色樹脂変更工程161では、義歯床の一部を着色された樹脂に変更する。本実施例の着色樹脂変更工程161では、ピンク色の樹脂に変更する。
透明樹脂変更工程162では、審美的に影響がない箇所の義歯床、すなわち、人体60が口を開けたときに、外部から見えない箇所の義歯床を透明な樹脂に変更する。
前歯変更工程163では、上顎前歯33および下顎前歯43を比較的な硬質な樹脂を含んだ人工歯に変更する。
臼歯部形成工程164では、下顎奥歯44が平坦面48を有するように、下顎人工歯部42を形成する。また、下顎奥歯44は、タルクの粉末に対する合成樹脂粉末の重量比が40%から50%となるように、タルクの粉末および合成樹脂粉末を含んでいる。
樹脂硬化液付与工程165では、厚さ0.6mmから1.3mmの樹脂硬化液を下顎義歯床粘膜面45に敷く。これにより、次工程の機能取込工程17がしやすくなる。樹脂硬化液付与工程165で用いられる樹脂硬化液は、樹脂を含み、圧力により、硬化可能な液体である。また、人体60が練習用義歯30を使用する24時間程度前に、樹脂硬化液は、敷かれることが好ましい。樹脂硬化液を敷いてから24時間以内に練習用義歯30が使用されたとき、樹脂硬化液が軟らかくなり過ぎることがある。樹脂硬化液を敷いてから24時間を経過後に練習用義歯30が使用されたとき、樹脂硬化液が硬くなりすぎることがある。
図14のフローチャートに示すように、機能取込工程17は、練習用義歯確認工程171、内側弁維持工程172、外側弁維持工程173および小帯部形成工程174を有し、練習用義歯30の機能を取り込む。なお、機能取込工程17では、疼痛を取り除きながら、上記4つの工程を同時並行で行うことが好ましい。
図15に示すように、練習用義歯確認工程171では、練習用義歯30を人体60の口腔63内に入れたときに、練習用義歯30が圧迫する部位を確認する。また、練習用義歯確認工程171では、義歯床辺縁67の長さである義歯床辺縁長さLsおよび人体60の口腔前庭66の深さDsを測定する。
内側弁維持工程172では、下顎内側弁46と下顎65との接触面積が大きくなるように、下顎内側弁46を加工する。または、下顎内側弁46と下顎65との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、下顎内側弁46を加工する。接触圧力の標準偏差は、接触圧力の分布から演算される。なお、接触圧力の標準偏差に限定されず、接触圧力の分散等を用いてもよい。
図16に示すように、下顎内側弁46の周辺をナイフ等の刃物できり、内側弁溝49を形成する。図において、内側弁溝49の所在を明確にするため、内側弁溝49をドット柄で記載しており、下顎奥歯44を省略して記載している。
次に、内側弁溝49および内側弁溝49の周辺を一層削り磨いて、表面を綺麗にする。また、粉末と液体とを常温で混合することにより、重合する樹脂である即時重合レジンを内側弁溝49に適量盛り足す。即時重合レジンが硬化する前に、口腔63内に装着する。口腔63内に装着後、顎堤に向かって、軽く押し当てながら、即時重合レジンを硬化させる。硬化後、口腔63から取り出し、形態修正を行う。さらに、下顎義歯床41の辺縁から下顎義歯床粘膜面45に向かう2mm程度の範囲に、厚さが0.2から0.3mm程度になるように、樹脂硬化液を盛り足す。盛り足した後に、下顎義歯床41を口腔63内へ入れるとき、粘膜に押されないように、下顎義歯床41を装着する。
これにより、下顎内側弁46と下顎65は接触しやすくなる。また、下顎内側弁46は、補強される。このため、接触面積が大きくなり、接触が均一になりやすくなり、接触圧力の標準偏差が小さくなる。なお、樹脂硬化液が硬化するまで、人体60のうがいを禁止する。また、人体60と会話をしながら、咬合が安定しているか、嚥下はできているかを確認することが好ましい。
また、内側弁維持工程172では、下顎内側弁46と同様に、上顎内側弁36と人体60の上顎64との接触面積が大きくなるように、上顎内側弁36を加工する。または、上顎内側弁36と人体60の上顎64との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、上顎内側弁36を加工する。
上顎内側弁36における内側弁維持工程172では、必要であれば、上顎内側弁36に、樹脂硬化液を最初に付与する。なお、内側弁維持工程172において、樹脂硬化液を付与しすぎた場合、樹脂硬化液を削ってもよい。
外側弁維持工程173では、上顎外側弁37と人体60の頬の内面との接触面積が大きくなるように、上顎外側弁37を加工する。または、上顎外側弁37と人体60の頬の内面との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、上顎外側弁37を加工する。
また、外側弁維持工程173では、下顎外側弁47と人体60の頬の内面および舌との接触面積が大きくなるように、下顎外側弁47を加工する。または、下顎外側弁47と人体60の頬の内面および舌との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、下顎外側弁47を加工する。外側弁維持工程173では、上顎内側弁36および下顎内側弁46と同様に、工程を行う。
図8に戻って、小帯部形成工程174では、小帯68の数、場所および形状に基づき、上顎義歯床31または下顎義歯床41に小帯部50を形成する。小帯部50は、小帯68に沿った形状に形成されている。また、小帯部50は、人体60が上顎64および下顎65を動かしたときの人体60の小帯68が移動する方向に基づいて、形成されている。これにより、練習用義歯30の脱離および食物の残留が起きづらくなる。
機能判定工程18では、機能取込工程17を経由した練習用義歯30が使用されたときに、咀嚼、嚥下または構音に人体60が不満を感じていないかを確認する。
人体60が不満を感じているとき、工程は、機能取込工程17に戻る。
人体60が不満を感じていないとき、工程は、コピーデンチャー形成工程19に移行する。
コピーデンチャー形成工程19では、機能取込工程17を経由した練習用義歯30を複製した義歯であるコピー義歯を形成する。これにより、練習用義歯30の情報を確認するために、練習用義歯30を預かることができる。また、このとき、人体60に何も装着されていない状態を回避できる。さらに、このときの練習用義歯30は、機能取込工程17により人体60に対して最適化されており、コピー義歯の製造が簡易になり、咬合採得も容易に行える。
コピーデンチャー形成工程19において、第1に、シリコーン印象材、上顎用金型または下顎用金型を用いて、変形を最小限にしつつ、複製したい練習用義歯30の一方側の印象を採り、第1シリコ−ン枠を形成する。このとき、アルジネート印象材を用いてもよいが、練習用義歯30との形状精度が求められるため、シリコーン印象材を用いることが好ましい。
第2に、シリコーン印象材を用いて、複製したい練習用義歯30の他方側の印象を採り、第1シリコーン枠に対応する第2シリコーン枠を形成する。また、第1シリコーン枠と第2シリコーン枠とを重ね合わせたとき、第1シリコーン枠と第2シリコーン枠との間に、コピー義歯の形状に対応する空間が形成される。また、第1シリコーン枠および第2シリコーン枠は、対応する凹凸を有し、くさびが設けられている。これにより、第1シリコーン枠と第2シリコーン枠とを重ね合わせたとき、第1シリコーン枠と第2シリコーン枠との位置ズレが生じにくくなる。
第3に、即時重合レジンを用いて、築盛法により、コピー義歯の人工歯と義歯床との間であるコピー歯顎部を形成する。第1シリコーン枠と第2シリコーン枠とを重ね合わせた状態で、第1シリコーン枠と第2シリコーン枠との間の空間に、即時重合レジンを注入して、樹脂を硬化させる。このとき、第1シリコーン枠および第2シリコーン枠が浮かないように、接着しないゴム等で固定することが好ましい。なお、接着材により固定すると、第1シリコーン枠および第2シリコーン枠が外しにくくなる。このようにして、コピー義歯が上顎用および下顎用に形成される。
最終印象調整工程20では、粘膜調整材を用いながら、小帯部50および外すときに口腔63内で接触してしまう部位であるアンダーカット部等の材料が停滞しやすい部位を削り、練習用義歯30の厚みを均一化しつつ、最終印象材料の逃げ場を形成する。最終印象調整工程20で用いられる粘膜調整材は、飴状のまま長時間持続するものが好ましい。
最終義歯形成工程21では、最終調整された練習用義歯30に基づき、最終義歯75を形成する。練習用義歯30に石膏を盛りつけ、歯型を取る。この歯型、ワックスおよび人工歯を用いて、最終義歯75を形成する。人工歯は、人体60の意見に基づき、色、形態および大きさが選択される。
最終義歯試適工程22では、最終義歯75を試適する。
図17に示すように、最終義歯完成工程23では、最終義歯75の中心に対して、最終義歯75がほぼ左右対称となるように、最終義歯75を仕上げる。最終義歯75が完成する。
[1]内側弁維持工程172および外側弁維持工程173により、人体60が安静時および運動時における練習用義歯30と上顎64および下顎65との維持力および支持力が向上する。維持力および支持力が向上した練習用義歯30に基づき、最終義歯75が形成されるため、最終義歯75を使用したときも維持力および支持力が向上する。
維持力および支持力が向上するため、上顎義歯床粘膜面35と上顎人工歯部32とが接触しているという感覚および下顎義歯床粘膜面45と下顎人工歯部42が接触しているという感覚を人体60が感じやすくなる。これにより、頬筋および口輪筋の粘膜の触覚レセプタと舌筋の筋防錘の固有知覚レセプタとの感度が増加する。感度が増加することによって、知覚情報が人体60の大脳に入力され、大脳の舌筋運動領野または頬筋口輪筋運動領野に伝達されやすくなる。このため、舌筋または頬筋口輪筋運動の調整がされやすくなる。結果として、舌筋、頬筋または口輪筋は、中立な平衡関係を再構築することができる。したがって、人体60は、五感を取り込むことができ、人体60の咀嚼、嚥下または構音が人体60にとって、快適な状態になり、人体60の不満が軽減される。
[2]小帯部形成工程174において、人体60が口を動かしたときの人体60の小帯68が移動する方向に基づいて、練習用義歯30に小帯部50が形成されている。これにより、最終義歯75を使用したとき、疼痛がなくなり、人体60の不快症状が減少する。また、慢性炎症が改善される。さらに、咀嚼粘膜の触覚レセプタからの知覚が増大する。この知覚が増大することによって、知覚情報が大脳および脳幹に入力されやすくなる。このため、咀嚼運動筋の調整されやすくなる。
[3]咬合高径設定工程135において、第1ウィリス距離Lw1および第2ウィリス距離Lw2が一致するように、咬合高径を決定する。これにより、咬合高径が最適値になりやすくなる。咬合高径が最適値になると、咬筋等の筋肉群が等尺性収縮しやすくなる。また、咬筋の筋防錘の固有知覚レセプタが筋の張力度合いを知覚しやすくなる。知覚情報が大脳および脳幹に入力されやすくなる。このため、咬筋の等尺性収縮が再調整されやすくなる。
[4]下顎奥歯44が平坦面48を有することによって、人工歯の咬合面形態に依存しなくなり、人体60の固有の顎運動が可能になり、人体60が顎運動しやすくなる。
[5]樹脂硬化液付与工程165において、下顎義歯床粘膜面45に樹脂硬化液を敷く。下顎義歯床41は、加工する必要が多いため、予め樹脂硬化液を敷いておくことによって、内側弁維持工程172および外側弁維持工程173がしやすくなる。
[6]オーバージェットJoが0.8mm以上、1.2mm以下となるように、練習用義歯30を形成する。また、オーバーバイトBoが0.1mm以上、1.0mm以下となるように、練習用義歯30を形成する。これにより、人体60は、顎運動がしやすくなる。
オーバージェットJoが0.8mm未満、または、オーバーバイトBoが0.1mm未満であるとき、人体60の見栄えが悪くなる。オーバージェットJoが1.2mmを超える、または、オーバーバイトBoが1.0mmを超えるとき、上顎人工歯部32および下顎人工歯部42が干渉しやすくなり、人体60に不快症状が生じやすくなる。
[7]練習用義歯完成工程16において、透明樹脂変更工程162により、口腔粘膜が可視化され、圧迫部位等が容易に確認できる。
[8]下顎奥歯44は、タルクの粉末に対する合成樹脂粉末の重量比が40%から50%となるように、タルクの粉末および合成樹脂粉末を含んでいる。これにより、下顎奥歯44が適度な硬度になり、人体60が使用しやすくなり、上顎64に対する下顎65の三次元的な位置である顎位の安定が早い段階で確立する。
[9]前歯変更工程163において、上顎前歯33および下顎前歯43を比較的な硬質な樹脂を含んだ人工歯に変更する。これにより、上顎前歯33および下顎前歯43の形態修正が容易になる。また、上顎前歯33および下顎前歯43への着色がされにくくなる。
以上、本発明は、このような実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
14 ・・・練習用義歯形成工程、
172 ・・・内側弁維持工程、 173 ・・・外側弁維持工程、
20 ・・・最終義歯形成工程、
30 ・・・練習用義歯(治療用義歯)、
31 ・・・上顎義歯床、 32 ・・・上顎人工歯部、 36 ・・・上顎内側弁、
41 ・・・下顎義歯床、 42 ・・・下顎人工歯部、 46 ・・・下顎内側弁、
60 ・・・人体、 63 ・・・口腔、
64 ・・・上顎、 65 ・・・下顎、
75 ・・・最終義歯。

Claims (7)

  1. 人体(60)の口腔(63)内の上顎(64)に吸着可能な上顎義歯床(31)、前記上顎義歯床に設けられ、人工歯を含む上顎人工歯部(32)、前記口腔内の下顎(65)に吸着可能な下顎義歯床(41)および前記下顎義歯床に設けられ、人工歯を含む下顎人工歯部(42)を有し最終義歯(75)の製造の前の治療に用いられる治療用義歯(30)を形成する治療用義歯形成工程(14)と、
    前記治療用義歯を前記口腔に入れたとき、前記上顎義歯床が前記上顎に接触する前記上顎義歯床の部位である上顎内側弁(36)と前記上顎との接触面積が大きくなるように、もしくは、前記上顎内側弁と前記上顎との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、前記上顎内側弁を加工する、または、前記治療用義歯を前記口腔に入れたとき、前記下顎義歯床が前記下顎に接触する前記下顎義歯床の部位である下顎内側弁(46)と前記下顎との接触面積が大きくなるように、もしくは、前記下顎内側弁と前記下顎との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、前記下顎内側弁を加工する内側弁維持工程(172)と、
    前記治療用義歯を前記口腔に入れたとき、前記上顎義歯床が前記人体の頬に接触する前記上顎義歯床の部位である上顎外側弁(37)と前記人体の頬との接触面積が大きくなるように、もしくは、前記上顎外側弁と前記人体の頬との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、前記上顎外側弁を加工する、または、前記治療用義歯を前記口腔に入れたとき、前記下顎義歯床が前記人体の頬および舌に接触する前記下顎義歯床の部位である下顎外側弁(47)と前記人体の頬および舌との接触面積が大きくなるように、もしくは、前記下顎外側弁と前記人体の頬および舌との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、前記下顎外側弁を加工する外側弁維持工程(173)と、
    前記内側弁維持工程および前記外側弁維持工程を経由した前記治療用義歯に基づいて、前記最終義歯を形成する最終義歯形成工程(20)と、
    を含み、
    前記治療用義歯形成工程において、下顎奥歯(44)が平坦面(48)を有するように、前記下顎人工歯部を形成する義歯の製造方法。
  2. 人体(60)の口腔(63)内の上顎(64)に吸着可能な上顎義歯床(31)、前記上顎義歯床に設けられ、人工歯を含む上顎人工歯部(32)、前記口腔内の下顎(65)に吸着可能な下顎義歯床(41)および前記下顎義歯床に設けられ、人工歯を含む下顎人工歯部(42)を有し最終義歯(75)の製造の前の治療に用いられる治療用義歯(30)を形成する治療用義歯形成工程(14)と、
    前記治療用義歯を前記口腔に入れたとき、前記上顎義歯床が前記上顎に接触する前記上顎義歯床の部位である上顎内側弁(36)と前記上顎との接触面積が大きくなるように、もしくは、前記上顎内側弁と前記上顎との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、前記上顎内側弁を加工する、または、前記治療用義歯を前記口腔に入れたとき、前記下顎義歯床が前記下顎に接触する前記下顎義歯床の部位である下顎内側弁(46)と前記下顎との接触面積が大きくなるように、もしくは、前記下顎内側弁と前記下顎との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、前記下顎内側弁を加工する内側弁維持工程(172)と、
    前記治療用義歯を前記口腔に入れたとき、前記上顎義歯床が前記人体の頬に接触する前記上顎義歯床の部位である上顎外側弁(37)と前記人体の頬との接触面積が大きくなるように、もしくは、前記上顎外側弁と前記人体の頬との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、前記上顎外側弁を加工する、または、前記治療用義歯を前記口腔に入れたとき、前記下顎義歯床が前記人体の頬および舌に接触する前記下顎義歯床の部位である下顎外側弁(47)と前記人体の頬および舌との接触面積が大きくなるように、もしくは、前記下顎外側弁と前記人体の頬および舌との接触圧力の標準偏差が小さくなるように、前記下顎外側弁を加工する外側弁維持工程(173)と、
    前記内側弁維持工程および前記外側弁維持工程を経由した前記治療用義歯に基づいて、前記最終義歯を形成する最終義歯形成工程(20)と、
    を含み、
    前記内側弁維持工程において、前記上顎内側弁または前記下顎内側弁に溝を形成する義歯の製造方法。
  3. 前記人体の小帯(68)が移動する方向に基づいて、前記小帯の形状に沿って形成されている小帯部(50)を前記上顎義歯床または前記下顎義歯床に形成する小帯部形成工程(174)をさらに含み、
    前記最終義歯形成工程において、前記最終義歯は、前記内側弁維持工程、前記外側弁維持工程および前記小帯部形成工程を経由した前記治療用義歯に基づいて、形成される請求項1または2に記載の義歯の製造方法。
  4. 前記治療用義歯形成工程の前に、前記人体の目(69)の中心から前記人体の上唇(61)と下唇(62)との接続部(70)までの距離(Lw1)および前記人体の鼻下(71)から前記下顎の端部(72)までの距離(Lw2)に基づいて、前記人体が咬合したときの前記上顎から前記下顎までの距離である咬合高径を設定する咬合高径設定工程(135)をさらに含む請求項1から3のいずれか一項に記載の義歯の製造方法。
  5. 前記治療用義歯形成工程の後、前記内側弁維持工程および前記外側弁維持工程の前において、前記下顎義歯床が前記人体の粘膜に接触する面である下顎義歯床粘膜面(45)に、圧力により硬化可能な樹脂硬化液を敷く樹脂硬化液付与工程(165)をさらに含む請求項1から4のいずれか一項に記載の義歯の製造方法。
  6. 前記治療用義歯形成工程において、前記人体の前後方向における前記上顎人工歯部の上顎前歯(33)の先端部(331)から前記下顎人工歯部の下顎前歯(43)の先端部(431)までの距離であるオーバージェット(Jo)が0.8mm以上、1.2mm以下となるように、前記治療用義歯を形成する請求項1から5のいずれか一項に記載の義歯の製造方法。
  7. 前記人体の上下方向における前記上顎前歯の先端部から前記下顎前歯の先端部までの距離であるオーバーバイト(Bo)が0.1mm以上、1.0mm以下となるように、前記治療用義歯を形成する請求項6に記載の義歯の製造方法。
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