JP6454150B2 - ウォータースポーツウエア用低伸度編地 - Google Patents

ウォータースポーツウエア用低伸度編地 Download PDF

Info

Publication number
JP6454150B2
JP6454150B2 JP2014264281A JP2014264281A JP6454150B2 JP 6454150 B2 JP6454150 B2 JP 6454150B2 JP 2014264281 A JP2014264281 A JP 2014264281A JP 2014264281 A JP2014264281 A JP 2014264281A JP 6454150 B2 JP6454150 B2 JP 6454150B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
knitted fabric
water
elongation
sportswear
yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014264281A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016125147A (ja
Inventor
雄二 浜口
雄二 浜口
河端 秀樹
秀樹 河端
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo STC Co Ltd
Original Assignee
Toyobo STC Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo STC Co Ltd filed Critical Toyobo STC Co Ltd
Priority to JP2014264281A priority Critical patent/JP6454150B2/ja
Publication of JP2016125147A publication Critical patent/JP2016125147A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6454150B2 publication Critical patent/JP6454150B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)
  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

本発明は、ウォータースポーツウエアとして用いられる低伸度の天竺編地に関するものである。
海、川、プール等で行われるスポーツ(競技、レジャー)、所謂ウォータースポーツにおいて陸上で待機したり作業するときに着用する衣類として、例えば水着の上に、Tシャツやスウェットなどの衣類を羽織ったりする場合がある。このようなシーンに着用する衣類に求められる特性としては、海やプールでTシャツを着用したまま入水した場合にも、陸に上がったときに製品が伸びにくいこと、水切れが良いこと、野外での着用であるためにUVカット効果があること等が挙げられる。従来のTシャツであればTシャツが水に濡れたときに含んだ水の重量でTシャツが重たくなり、更にタテ方向に伸びて動き難い問題があった。また、UVカット効果も十分でないものが多かった。
例えば、特許文献1では、スポーツウエア用薄地丸編地において、丸編地の編密度を極めて高密度にしてヨコ方向のストレッチ回復性を高めたものが提案されている。しかし、かかる編地はタテ方向の伸度を考慮していないため、水に濡れるとその重量によりタテ方向に容易に伸びてしまう問題があった。
また、特許文献2では、軟化点差を有する二種以上の糸条が複合された複合糸条で編地の片面が構成され、その低軟化点繊維糸条の一部が偏平化され、編目間空隙を塞いで防風用構造を形成した防風性編地が提案されている。かかる編地は、防風用構造によりUVカット効果はあるが、水に濡れてもタテ方向に伸びにくくなるように設計されておらず、同様の問題を有していた。
特開2006−328567号公報 特開平11−50360号公報
本発明は、上述の従来技術の問題に鑑み創案されたものであり、その目的は、ウォータースポーツウエアの生地が水に濡れて重たくなり、且つ濡れた自重で伸びて動き難くなったり、着用感が悪くなるのを効果的に抑制できる編地を提供することにある。更に、本発明は、濡れたときに透け難く、UVカット性の高い編地を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ポリエステル繊維を使った紡績糸を短い糸条で非常に高密度の天竺編地に仕上げることによって、濡れたときに自重では殆ど伸びない編地を提供できることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜()の構成を有するものである。
(1)繊度が英式番手で20〜30番手であるポリエステル短繊維の紡績糸からなる天竺編地で構成されるウォータースポーツウエア用低伸度編地であって、カバーファクター(d/L)が6.5×10−2〜7.5×10−2であり、JIS−L1096−8.16.1の伸び率B法(定荷重法)に準拠して測定したタテ方向の伸長率が5〜15%であること、及び水に濡れたときの編地に含まれる水分が自重の100〜180%であり、水に濡れたときのタテ方向の伸長率が1.5%以下であること、但しウォータースポーツウエアはTシャツ、長袖シャツ又はタンクトップのいずれかの形態であるが、着用者の表面にほぼ密着した状態で着用されるスポーツウエアを除くことを特徴とするウォータースポーツウエア用低伸度編地。
(2)ポリエステル短繊維の沸水収縮率が4〜20%であることを特徴とする(1)に記載のウォータースポーツウエア用低伸度編地。
(3)ゲージ係数が5.0〜6.5であり、糸長指数が14.0〜16.0であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のウォータースポーツウエア用低伸度編地。
(4)紡績糸が空気紡績糸であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のウォータースポーツウエア用低伸度編地。
本発明の編地は、シングルニットの天竺でありながら濡れて重くなっても自重でタテ方向に伸びにくい。その為、保形性が悪くなったり、身体の運動を阻害しやすくなることがほとんどなく、また濡れても透け感が強くなり難く、UVカット性が高い。
図1は、実施例で使用された天竺の組織図である。 図2は、実施例1の編地の表面拡大写真である。 図3は、比較例1の編地の表面拡大写真である。
本発明の編地は、ポリエステル短繊維を主として含む紡績糸からなる天竺組織からなり、緻密なカバーファクターを有し、かつタテ方向の伸長率が極めて低いことを特徴とする。
本発明の編地は、ウォータースポーツウエア用であるため、薄く、プレーンな生地が好ましく、シングルニットの天竺で構成される。全組織をニットループで構成する天竺は、通常では伸度が高いので、本発明では、後述するように伸度を抑えるような工夫を加えている。
本発明の編地を構成する紡績糸は、全体がポリエステル短繊維からなる。ポリエステル繊維は、疎水性繊維で水を保持し難いので、水に濡れたときに重たくなりにくい。ポリエステル短繊維は高収縮繊維を用いることが好ましい。高収縮繊維を用いて熱収縮させることで、編地糸長を短くして編地密度を上げて緻密な編物を作ることができる。また、紡績糸が締まることにより、紡績糸自身の伸度を下げる効果も期待できる。高収縮繊維の沸水収縮率は、4〜20%が好ましい。より好ましくは5〜15%である。沸水収縮率が上記範囲未満では、編地を製編後に緻密にする効果が十分でない可能性があり、上記範囲を超えると、熱収縮させた後の編地が硬くなりやすい。
本発明の編地で使用する紡績糸の種類としては、空気紡績糸、リング紡績糸等が挙げられるが、空気紡績糸が好ましい。空気紡績糸の製造方法としては、ムラタボルテックススビナー(MVS)等が用いられる。この空気紡績糸は、締まった緻密な紡績糸となる特徴があるため、繊維間の摩擦力が高まり、糸の伸度を低くすることができる利点がある。また、空気紡績糸は、撚トルクが少ないことから天竺編したときに斜行やカールが発生し難い利点もある。
紡績糸に使用するポリエステル短繊維の単糸繊度は、0.1〜5.0dtexが好ましい。より好ましくは0.5〜1.5dtexである。単糸繊度が上記範囲未満では、濃色が出難くなったり、柔らかくなり過ぎて保形性が低下しやすい。また、上記範囲を越えると、編地が硬くなったりチクチクした風合になりやすい。
紡績糸の繊度は、英式番手で20〜30番手である。番手が上記範囲より太い場合には分厚く、重くなるので夏用のスポーツウエアとしては使い難くなりやすい。上記範囲より細い場合、水に濡れたときに透けやすくなり見栄えが悪くなる恐れがある。
本発明の天竺編地は、シングル編機で編まれるが、その際に高密度に編まれることが特徴である。高密度に編む重要な条件として、ゲージ係数、糸長指数を用いて記載する。本発明では、ゲージ係数は「ゲージ係数=ゲージ/√番手」で表す。ゲージ係数の適正条件は、5.0〜6.5にあることが好ましく、より好ましくは5.1〜6.2である。ゲージ係数が上記範囲より小さいと、編目が大きくなり濡れたときの伸びが大きくなり、上記範囲より大きいと、生地が硬くなると共に重くなるためシャツに適さない生地風合いとなるおそれがある。また、糸長指数は「糸長指数=編成糸長/糸の直径」で表す。このとき素材がポリエステルの場合の糸長指数の計算式は「糸長指数=編成糸長/√繊度/0.01246」となり、素材が綿の場合には「糸長指数=編成糸長×1.055×√英式番手」となる。ここで、編成糸長とは「編ループ1個の長さmm」である。また糸の直径は「繊維技術データ集 日本紡績協会 p.139 表6−3原料別番手から糸の直径を求める推定式」を用いた。糸長指数の適正条件は、14.0〜16.0である。より好ましくは14.6〜15.9である。糸長指数が上記範囲を下回ると、編成が困難になったり、出来上がった生地が硬く重くなり、上記範囲を超えると、濡れたときの生地の伸びが大きくなり、UVカット効果が得られないおそれがある。ゲージ係数と糸長指数をこの範囲とすると、編目空間を最適な細密充填構造にすることができる。これにより水濡れによる重量増やタテ方向の伸度をより低減することができる。
本発明の編地を染色加工する場合、最初に編地を収縮処理することが好ましい。収縮処理とは、編地をリラックス状態で熱をかけて、均一に熱収縮させる処理である。収縮処理の方法として、例えば、液熱式の場合は、連続リラクサーや液流染色機等を用いることができる。湿式の場合は、Lボックス、Jボックス等が用いられる。乾式の場合は、ショートループドライヤーやシュリンクサーファー等を用いることができる。好ましい方法としては、拡布状のフリーテンションで生地を熱収縮させてから、液流染色機等で柔布処理する方法が挙げられる。高収縮繊維を用いる場合、熱収縮時にシワが入りやすいのでこのように最初に拡布で収縮させる方法が好ましい。次いで、編地を構成する繊維素材に応じて適切な染料種で染色する。
本発明の編地に対して柔軟剤や帯電防止剤のような一般的な仕上げ加工を付与してもよいし、その他の各種機能加工を単独または併用して施してもよい。機能加工の例として、親水加工など防汚加工、UVカット加工、制電加工、スキンケア加工などあるが、これらに限定されるものではない。
本発明の編地の仕上がった状態の厚さは、好ましくは0.65〜0.80mm、より好ましくは0.70〜0.77mmである。厚みが上記範囲未満の場合、UVカット効果が小さくなり、上記範囲を超える場合、シャツ用としては編地が厚くなり、目付が重くなる傾向がある。編地の目付は、好ましくは195〜280g/mであり、より好ましくは200〜260g/mである。目付が上記範囲未満の場合、UVカット効果が小さくなり、上記範囲を超える場合、シャツ用途で重過ぎるため、ボテツキ感が出てしまう傾向がある。
本発明の仕上がった状態の編地のカバーファクター(d/L)は、実施例に記載の方法で測定すると6.5×10−2〜7.5×10−2、好ましくは6.7×10−2〜7.4×10−2である。カバーファクターが上記範囲未満の場合、編地がルーズであるため、濡れたときに自重での伸びが大きくなり、上記範囲を超える場合、編地が詰み過ぎて重くなり、最低限のストレッチを得ることができないおそれがある。なお、本発明の編地のカバーファクターは実施例に記載の方法で算出する。
本発明の編地は、上述のように構成されているので、伸度が非常に小さく、タテ方向の伸長率は5〜15%、ヨコ方向の伸長率も7〜18%となり、特に一般的な編地と比較してタテ方向が低伸度である。また、水に濡れたときの編地に含まれる水分が自重の100〜180%とあまり重たくなり難い性質を持つ。更に水に濡れたときの編地のタテ方向の伸長率が1.5%以下となり、重量増によるタテ方向の伸びを抑えて、濡れたときの保形性に優れる。なお、本発明の編地は、非常に緻密な編地となるので、UVカット性が高まり、白色でもアパレル対策協議会ガイドラインの方法によるUV遮蔽率が90%以上、UPF値が50以上を達成することができる。
本発明の編地は、薄着で野外で活動するときに使用する衣料品に用いることができるが、特にウォータースポーツウエアとして好適である。例えば、ウォータースポーツやプールや海水浴等のレジャーで入水する可能性があるシーンに好適である。ウォータースポーツとは、水上または水中で行うスポーツのことで、水泳、水球、ウォーターバスケットボール、ウォーターバレーボール、スキューバダイビング、ダイビング、サーフィン、フィッシング等である。このようなシーンに用いられるウォータースポーツウエアの代表的形態としては、Tシャツが挙げられるが、これに限らず長袖シャツ、タンクトップ、インナーパンツ、スウエット、アンダーや選手用の控え着等であってもよい。水際で用いる衣料品は、水に濡れる場合が多いので、水切れ性がよく、水を含んでも重たくなり難く、重みで伸びても形態が崩れ難い素材が求められる。また、野外での着用であるため、UVカット効果が高いことも求められる。
以下、本発明の効果を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例で測定した特性値は、以下の方法に依った。
<総繊度>
JIS−L1095−9.4の見掛テックス及び番手測定法に準拠して測定し、綿番手(=英式番手)を求めた。
<繊維の沸水収縮率>
JIS−L1013−8.18.1熱水寸法変化率測定法に準拠して測定した。
<編地の密度>
JIS−L1096−8.6.2編物の密度測定法に準拠して測定した。
<糸長指数>
仕上生地の100W当りの糸長を測定して、1ループ当りの糸長として100で除した値(mm)を編成糸長として用い、下記式(式2、式3)にて糸長指数を求めた。ポリエステル糸の総繊度は、換算式(式1)を用いて英式番手から繊度デニールにして求めた。
総繊度(デニール)=5315/英式番手・・・式1
ポリエステル糸の糸長指数=編成糸長/√総繊度/0.01246・・・式2
綿糸長指数=編成糸長×1.055×√英式番手・・・式3
<ゲージ係数>
ゲージ係数=ゲージ(本/in)/√英式番手で算出した。
<編地のカバーファクター>
カバーファクター(d/L)=仕上生地の糸直径(mm)/仕上生地のループ1個の糸長(mm)
*糸直径(d)
ポリエステル=0.01246×√総繊度(デニール
<編地の目付>
JIS−L1096−8.3.2 A法の標準状態における単位面積当たりの質量に準拠して測定した。測定値はn=3回の平均値とした。
<伸長率>
JIS−L1096−8.16.1の伸び率 B法(定荷重法)に準拠して測定した。
<濡れたときの伸長率>
生地を、タテ30cm×ヨコ5cmにカットし、タテ方向に上から20cmの箇所に印を入れた後、固定して吊り下げ、水がしたたるまで噴霧してから5分程度置き、そのままの状態で平板の上に置き、印を入れた箇所における水噴霧前後でのタテ方向の長さの変化を見る。この長さの変化の百分率割合を濡れたときの編地の伸長率とした。
<濡れたときの重量変化割合>
生地を、タテ30cm×ヨコ5cmにカットした後、生地の重量(W1)を測定した。その後、水がしたたるまで噴霧してから5分程度置いてから生地の重量(W2)を測定した。濡れたときの編地の重量変化割合は、{(W2−W1)/W1}×100を計算して求めた。
<UPF評価>
オーストラリア/ニュージーランド規格 AS/NZS 4399に基づいて、Labsphere UV−2000により測定した。UPF値は、数値が大きいほど良好である。
(実施例1)
ポリエステル短繊維(東洋紡(株)製、1.4dtex、繊維長38mm、フルダル、丸断面 沸水収縮率9%)を100重量%用いて、OHARA製混綿機を用いて混綿混紡した後に石川製作所製カード機を用いてカードスライバーとし、原織機製練条機に2回通して330ゲレン/6ydのスライバーを作った。その後、村田製作所製空気精紡機ムラタボルテックススピナー(MVS)を用いてドラフト145倍で紡出して英式番手21/1の紡績糸を得た。この紡績糸をシングル編機(福原製3FA 30″−24G)を用い、編成糸長は302mm/100ウエールで天竺を編み立てた。このとき、ゲージ係数が5.23、糸長指数が15.22であった。
得られた生機を拡布の無緊張状態でリラクサー(ニッセン(株)製U形リラクサー)に通して、軽く精練を行いながら、タテ及びヨコ方向に編地を収縮させた。その後、液流染色機(日阪製作所製NSタイプ)で湯洗いし、分散染色を行った。精練処方及び染色処方の条件は以下の通りである。
精練処方:精練剤(第一工業製薬(株)製ノイゲンHC)1g/l
金属イオン封鎖剤(日華化学(株)製ネオクリスタルGC1000)
0.5g/l
ソーダ灰0.5g/l
染色処方:明成化学 ディスパーN 700 0.5g/L
日華化学 ネオクリスタル GC1000 0.5g/L
蛍光染料(クラリアント社製ホスタルックスERC)0.5%owf
浴比1:15、130℃×45分(pH6に調整)
染色後、脱水、乾燥(120℃×3分)を行い、以下の条件で仕上げ剤を付与した。仕上げ剤のピックアップは100%であった。
高松油脂 SR1000 0.5% 、明成化学 HP600 0.5%owf
その後、最終セットを160℃×2分の条件でテンターにて行い、性量調整して最終生地を得た。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。実施例1の編地は、タテ方向の伸長率が10.3%となり、濡れたときの伸長率が0%と変化がなく、UPF値も72.3と良好であった。
(実施例2)
ポリエステル短繊維の番手を23/1に変更した以外は実施例1と同じ条件で紡出し編地を作製した。編成したときの条件は編機が30“−28Gのシングル編機(ゲージ係数5.8)で編成糸長が300mm/100W(糸長指数15.05)とした。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。実施例2の編地は、タテ方向の伸長率が11.5%となり、濡れたときの伸長率が0.7%と変化が少なく、UPF値も52.3と良好であった。
(実施例4)
ポリエステル短繊維の糸の紡績方法がリング紡績であること以外は、実施例1と同じ条件で編地を作製した。リング糸は、実施例1と同じ条件で作製したスライバーを用いて豊田自動織機製粗紡機に通して140ゲレン/15ydの粗糸を作成した。その後、豊田自動織機製リング精紡機を用いてドラフト25倍、トラベラ回転数9000rpmで紡出して英式番手の21/1を得た。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。実施例4の編地は、タテ方向の伸長率が13.1%となり、濡れたときの伸長率がMVSタイプよりやや大きいものの1.1%と小さく、UPF値も56.1と良好であった。
(実施例5)
編機を30“−28Gのシングル編機を用いた以外は実施例1と同じ条件で編地を作成した。仕上がった編地のカバーファクターは6.8×10−2であった。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。実施例5の編地は、タテ方向の伸長率が11.3%となり、濡れたときの伸長率が0%と変化がなく、UPF値も77.4と良好であった。
(実施例6)
原料に用いたポリエステル短繊維の沸水収縮率が12%であること以外は実施例1と同じ条件で紡績糸及び編地を作製した。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。実施例6の編地は、タテ方向の伸長率が9.3%となり、濡れたときの伸長率が0%で9%収縮タイプ(実施例1)と同等であった。UPF値は77.3と極めて良好な値を得た。目付は255g/mと9%収縮タイプ(実施例1)よりやや重いものとなった。
(実施例7)
原料に用いたポリエステル短繊維の沸水収縮率が6%であること以外は実施例1と同じ条件で紡績糸及び編地を作製した。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。実施例7の編地は、タテ方向の伸長率が10.3%となり、濡れたときの伸長率が9%収縮タイプ(実施例1)よりやや大きいものの0.5%と小さく、UPF値が50.6と良好であった。
(実施例8)
編成糸長を315mm/100W(糸長係数15.88)にした以外は実施例1と同じ条件で編地を作製した。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。実施例8の編地は、タテ方向の伸長率が12.3%となり、濡れたときの伸長率が0.8%と少なく、UPF値が55.3と良好であった。
(比較例1)
実施例3のリング紡績糸を用い、編機を30“−22Gのシングル編機で編成糸長を330mm/100W(糸長係数16.65)とした以外は実施例1と同条件で加工して編地を作製した。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。比較例1の編地のカバーファクターが6.4×10−2d/Lと低く、伸長率がタテ方向15.3%、ヨコ方向18.6%と大きく、濡れたときの伸長率が1.8%と変化が大きく、UPF値が38と低かった。
(比較例2)
原綿をカルフォルニア綿を用いて混綿、カード、コーマ、粗紡工程を経てリング精紡機で26倍のドラフトを実施して21/1を紡出した。その後、該紡績糸を用いて、実施例1と同条件で編成を作製した。その後、綿染色、脱水乾燥、セットを施して染色加工を行った。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。比較例2の編地は、カバーファクターが7.0×10−2d/Lと高い値であったが、タテ方向の伸長率が16.9%と目標の伸びからは大きすぎる値であり、また、濡れたときの伸長率が3.0%で濡れると伸びる編地であった。UPF値は10.3と低い値であった。
(比較例3)
実施例1で用いたポリエステル短繊維(1.4dtex、繊維長38mm)と同じものを用いてリング紡績にて英式番手40/1を作製し、次いで30“−32Gのシングル編機にて天竺を編成した。その後、実施例1と同様の方法にて染色加工し編地を得た。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。比較例3の編地は、カバーファクターが6.3×10−2d/Lと高い値であったが、生地の目付が162g/mと軽く、薄くなって濡れたときの伸長率が2.6%となり、UPF値が21.3と低い値であった。
本発明の編地は、シングルニットでありながら伸び難く、高密度の緻密な編地であるので保形性が高く、水に濡れることが多いウォータースポーツウエアとして好適に使用できる。また、UVカット性や熱線遮蔽、防スケ性のあるニット素材としても好適に使用できる。

Claims (4)

  1. 繊度が英式番手で20〜30番手であるポリエステル短繊維の紡績糸からなる天竺編地で構成されるウォータースポーツウエア用低伸度編地であって、カバーファクター(d/L)が6.5×10−2〜7.5×10−2であり、JIS−L1096−8.16.1の伸び率B法(定荷重法)に準拠して測定したタテ方向の伸長率が5〜15%であること、及び水に濡れたときの編地に含まれる水分が自重の100〜180%であり、水に濡れたときのタテ方向の伸長率が1.5%以下であること、但しウォータースポーツウエアはTシャツ、長袖シャツ又はタンクトップのいずれかの形態であるが、着用者の表面にほぼ密着した状態で着用されるスポーツウエアを除くことを特徴とするウォータースポーツウエア用低伸度編地。
  2. ポリエステル短繊維の沸水収縮率が4〜20%であることを特徴とする請求項1に記載のウォータースポーツウエア用低伸度編地。
  3. ゲージ係数が5.0〜6.5であり、糸長指数が14.0〜16.0であることを特徴とする請求項1又は2に記載のウォータースポーツウエア用低伸度編地。
  4. 紡績糸が空気紡績糸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のウォータースポーツウエア用低伸度編地。
JP2014264281A 2014-12-26 2014-12-26 ウォータースポーツウエア用低伸度編地 Active JP6454150B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014264281A JP6454150B2 (ja) 2014-12-26 2014-12-26 ウォータースポーツウエア用低伸度編地

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014264281A JP6454150B2 (ja) 2014-12-26 2014-12-26 ウォータースポーツウエア用低伸度編地

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016125147A JP2016125147A (ja) 2016-07-11
JP6454150B2 true JP6454150B2 (ja) 2019-01-16

Family

ID=56358964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014264281A Active JP6454150B2 (ja) 2014-12-26 2014-12-26 ウォータースポーツウエア用低伸度編地

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6454150B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07197354A (ja) * 1993-12-28 1995-08-01 Unitika Ltd 編地の製造方法
JP3611685B2 (ja) * 1996-08-06 2005-01-19 三菱レイヨン株式会社 防風性緯編地及び防寒着
JPH11131333A (ja) * 1997-08-25 1999-05-18 Toray Ind Inc ポリエステル紡績糸およびその製造方法
JP4581324B2 (ja) * 2002-12-05 2010-11-17 東レ株式会社 抗ピリング性編地
CN102098933A (zh) * 2008-07-18 2011-06-15 美津浓株式会社 运动服
JP5602040B2 (ja) * 2011-02-03 2014-10-08 ミツカワ株式会社 積層体布帛

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016125147A (ja) 2016-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5700688B2 (ja) 弾性経編地
CN102561040B (zh) 特殊标准下的涤棉织物抗起毛起球工艺
JP6469950B2 (ja) しみ防止布帛および繊維製品
CN102805430A (zh) 多功能针织成衣及其生产方法
JP5244695B2 (ja) 紫外線遮蔽性に優れた衣料
CN103233317A (zh) 一种防透吸湿异机能针织面料及其制造工艺
RU2532804C2 (ru) Изолирующая одежда
TW201814096A (zh) 縱編織物
CN109338577A (zh) 一种针织提花呢生产工艺
JP6431637B1 (ja) 柄を有するアウター衣料用編地
JP6170028B2 (ja) ボーダー織物
JP6454150B2 (ja) ウォータースポーツウエア用低伸度編地
AU2020282382A1 (en) Fabrics having improved moisture transport properties
CN111067169A (zh) 一种吸湿抗菌涤纶面料及其制备方法
JP2009155774A (ja) 繊維構造物およびその製造方法
JP5768329B2 (ja) ストレッチ織物
WO2018142427A1 (en) A knitted workwear fabric and a process for preparation thereof
JP7079110B2 (ja) シングル丸編地
KR101695354B1 (ko) 셀룰로오스 섬유를 포함하는 편직물의 제조방법
CN105544048A (zh) 一种金属丝面料
JP5871712B2 (ja) 環境に優しい耐久撥水性織物及び該織物を用いた繊維製品
JP6368602B2 (ja) レッグウェア
KR101705684B1 (ko) 폴리프로필렌 원사를 포함하는 트리코트 원단의 제조방법
JP2014005574A (ja) ポリアミド繊維織編物
CN109706608A (zh) 保暖亲肤面料及其制备工艺

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160713

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170713

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20171107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20171121

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171121

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20171201

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20171215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6454150

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350