JP6454043B1 - 包装用容器 - Google Patents

Abstract

【課題】不用意に開蓋されることを抑制でき、且つ、必要な時には開蓋しやすい包装用容器を実現する。【解決手段】包装用容器１は、平面視矩形状の容器本体３と蓋体５とを備える。容器本体３の本体摘み部３６と蓋体５の蓋体摘み部５６とが重ね合わされる開蓋領域１１が四隅のうちの少なくとも１つに設けられ、容器本体３の本体逆テーパー部と蓋体５の蓋体逆テーパー部５５とが係合してなる逆テーパー係合部１４が、開蓋領域１１に設けられている。【選択図】図３

Description

本発明は、包装用容器に関する。

例えば弁当や惣菜等の食品を包装するために、包装用容器が用いられている。このような包装用容器は、多くの場合、シート成形によって形成される。このようなシート成形の包装用容器の一例が、特開２００１−１３９０４５号公報（特許文献１）に開示されている。特許文献１の包装用容器〔１０〕は、容器本体〔１１〕と、当該容器本体〔１１〕に嵌合する蓋体〔１２〕とを備えている。

容器本体〔１１〕の周縁には本体側内嵌合部〔１５〕が形成されており、蓋体〔１２〕の周縁には蓋体側内嵌合部〔１６〕が形成されている。本体側内嵌合部〔１５〕及び蓋体側内嵌合部〔１６〕は、いずれも、上方に向かうに従って容器〔１０〕の内側に傾斜するテーパー状となっている。そして、テーパー状の本体側内嵌合部〔１５〕と蓋体側内嵌合部〔１６〕とが当接し合うことで、容器本体〔１１〕と蓋体〔１２〕とが嵌合するように構成されている。このように、テーパー状の嵌合部を有する包装用容器では、容器本体と蓋体との強固な嵌合を実現でき、例えば包装用容器の搬送時や陳列時等に、蓋体が不用意に開いてしまうのを抑制することができる。

しかし、その一方で、容器本体と蓋体との嵌合が強固であるが故に、必要な時に開蓋しにくいという課題があった。

特開２００１−１３９０４５号公報

不用意に開蓋されることを抑制でき、且つ、必要な時には開蓋しやすい包装用容器の実現が望まれている。

本発明に係る包装用容器は、
容器本体と蓋体とを備え、シート成形によって形成される包装用容器であって、
前記容器本体及び前記蓋体が平面視矩形状に形成され、
前記容器本体は、底面部と、前記底面部から上方に延びる本体周壁部と、前記本体周壁部から外側に延びる本体フランジ部と、前記本体フランジ部よりも周縁側に設けられた本体逆テーパー部と、前記本体フランジ部よりも外側に突出する突出片からなる本体摘み部と、を有し、
前記蓋体は、天面部と、前記天面部から下方に延びる蓋体周壁部と、前記蓋体周壁部から外側に延びる蓋体フランジ部と、前記蓋体フランジ部よりも周縁側に設けられて前記本体逆テーパー部に係合する蓋体逆テーパー部と、前記蓋体フランジ部よりも外側に突出する突出片からなり前記本体摘み部に重ね合わされる蓋体摘み部と、を有し、
前記本体摘み部と前記蓋体摘み部とが重ね合わされる開蓋領域が、矩形状の前記容器本体及び前記蓋体の四隅のうちの少なくとも１つに設けられ、
前記本体逆テーパー部と前記蓋体逆テーパー部とが係合してなる逆テーパー係合部が、前記開蓋領域に設けられている。

この構成によれば、逆テーパー係合部において本体逆テーパー部と蓋体逆テーパー部とが係合することにより、容器本体と蓋体とが強固に嵌合する。また、蓋体摘み部は本体摘み部に重ね合わせられるため、蓋体摘み部には手指等の他物が引っかかりにくい。これらにより、例えば包装用容器の搬送時や陳列時等に、蓋体が不用意に開いてしまうのを抑制することができる。一方、蓋体摘み部は蓋体フランジ部よりも外側に突出する突出片からなっているため、開蓋時には蓋体摘み部を摘まみながら開蓋しやすい。そして、逆テーパー係合部は蓋体摘み部が配置される開蓋領域に設けられているため、当該開蓋領域において、容器本体と蓋体との強固な嵌合と必要時における開蓋しやすさとが両立されている。従って、不用意に開蓋されることを抑制でき、且つ、必要な時には開蓋しやすい包装用容器を実現することができる。

本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。

第１実施形態の包装用容器の正面図 包装用容器の側面図 包装用容器の平面図 容器本体の平面図 図３におけるＶ−Ｖ断面図 図３におけるＶＩ−ＶＩ断面図 図３におけるＶＩＩ−ＶＩＩ断面図 第２実施形態の包装用容器の平面図 図８の部分拡大図 図９におけるＸ−Ｘ断面図 図９におけるＸＩ−ＸＩ断面図 図９におけるＸＩＩ−ＸＩＩ断面図 別態様の包装用容器の正面模式図 別態様の容器本体の平面模式図 別態様の容器本体の平面模式図 別態様の容器本体の平面模式図

〔第１実施形態〕
包装用容器の第１実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、弁当や惣菜等の食品を被収容物としてその内部に収容する包装用容器（食品包装用容器）１を例として説明する。

なお、以下では、包装用容器１の内部側に向かう方向（外縁側から中央側に向かう方向）を「内方」と言い、包装用容器１の外部側に向かう方向（中央側から外縁側に向かう方向）を「外方」と言う。

図１及び図２に示すように、包装用容器１は、容器本体３と蓋体５とを備えている。包装用容器１は、シート成形によって形成されている。包装用容器１を構成する容器本体３及び蓋体５が、それぞれ、シート成形によって形成されている。

図３に示すように、容器本体３及び蓋体５は平面視矩形状に形成されている。「平面視矩形状」とは、平面視における外形形状が、矩形であること又は全体としておよそ矩形であることを意味する。従って、容器本体３及び蓋体５は、平面視における外形形状が全体としておよそ矩形である限り、四隅が面取り状（折線状）又は曲線状等に形成されても良い。本実施形態は、容器本体３及び蓋体５は平面視長方形状に形成されており、それぞれ、一対の長辺と一対の短辺とを有している。

図１、図２、及び図４に示すように、容器本体３は、底面部３１と、底面部３１から上方に延びる本体周壁部３２と、本体周壁部３２から外側に延びる本体フランジ部３３と、本体フランジ部３３よりも周縁側（外側）に設けられた本体逆テーパー部３５と、本体フランジ部３３よりも外側に突出する突出片からなる本体摘み部３６とを有している。

容器本体３は、４つの本体辺部３Ｓを有している。これら４つの本体辺部３Ｓのそれぞれに、本体周壁部３２が形成されている。本体周壁部３２は、底面部３１の外縁から連続して形成されている。本体周壁部３２は、上方に向かうに従って外方に傾斜するように形成されている。本体フランジ部３３は、本体周壁部３２の上端から水平方向に沿って外側に延びている。

本実施形態では、矩形状の容器本体３の各辺（本体辺部３Ｓ）は、側面視で一直線状に形成されている。また、本体辺部３Ｓは、側面視で底面部３１と平行姿勢となるように配置されている。すなわち、本実施形態の本体辺部３Ｓは、中間部３Ｍ及び両端部３Ｅがそれぞれ直線状に形成されているとともに、中間部３Ｍと両端部３Ｅとが同じ高さに位置するように形成されている。

図４〜図７に示すように、容器本体３は、本体フランジ部３３の外側端部から下方に延びる本体スカート部３４を有している。本体スカート部３４は、容器本体３の全周に亘って、下方に向かうに従って外方に傾斜するように形成されている。本体スカート部３４には、外方に膨らむ本体膨出部３４Ａが形成されている。この本体膨出部３４Ａよりも下側に、当該本体膨出部３４Ａから連続して本体逆テーパー部３５が形成されている。本体逆テーパー部３５は、下方に向かうに従って内方に傾斜するように形成されている。本実施形態では、本体逆テーパー部３５は、容器本体３の全周に亘って形成されている。

図４に示すように、本体摘み部３６は、矩形状（長方形状）の容器本体３の四隅に設けられている。本体摘み部３６は、平面視三角形状に形成されている。平面視三角形状の本体摘み部３６は、矩形状の容器本体３の角部を構成している。本体摘み部３６は、本体スカート部３４の下端から水平方向に沿って外側に延びている。図５に示すように、本実施形態の本体摘み部３６は、平面状に形成された本体摘み面部３６Ａと、この本体摘み面部３６Ａから上方に突出する上方突起部３６Ｂとを有している。

図４に示すように、容器本体３は、底面部３１から立ち上がって形成されているとともに被収容物を収容する収容部３７を区画する区画壁３８をさらに有している。本体周壁部３２によって囲まれた空間に、複数の収容部３７が設けられている。複数の収容部３７は、区画壁３８によって区画されている。本実施形態では、区画壁３８は、対向する一対の本体周壁部３２どうしを繋ぐ主壁部３８Ａと、主壁部３８Ａから分岐して本体周壁部３２まで延びる分岐壁部３８Ｂとを有している。本実施形態では、区画壁３８は、主壁部３８Ａと分岐壁部３８Ｂとによって平面視で概ねＹ字状をなすように形成されている。このような区画壁３８を備えることにより、底面部３１の強度を向上させることができ、蓋体５の開蓋に伴う外力によって底面部３１が撓むのを抑制することができる。

図１〜図３に示すように、蓋体５は、天面部５１と、天面部５１から下方に延びる蓋体周壁部５２と、蓋体周壁部５２から外側に延びる蓋体フランジ部５３と、蓋体フランジ部５３よりも周縁側に設けられた蓋体逆テーパー部５５と、蓋体フランジ部５３よりも外側に突出する突出片からなる蓋体摘み部５６とを有している。蓋体逆テーパー部５５は、本体逆テーパー部３５に係合する。蓋体摘み部５６は、本体摘み部３６に重ね合わされる。

蓋体５は、４つの蓋体辺部５Ｓを有している。これら４つの蓋体辺部５Ｓのそれぞれに、蓋体周壁部５２が形成されている。蓋体周壁部５２は、天面部５１の外縁から連続して形成されている。蓋体周壁部５２は、下方に向かうに従って外方に傾斜するように形成されている。蓋体フランジ部５３は、蓋体周壁部５２の下端から水平方向に沿って外側に延びている。

本実施形態では、矩形状の蓋体５の各辺（蓋体辺部５Ｓ）は、側面視で一直線状に形成されている。また、蓋体辺部５Ｓは、側面視で天面部５１と平行姿勢となるように配置されている。すなわち、本実施形態の蓋体辺部５Ｓは、中間部５Ｍ及び両端部５Ｅがそれぞれ直線状に形成されているとともに、中間部５Ｍと両端部５Ｅとが同じ高さに位置するように形成されている。

蓋体５は、蓋体フランジ部５３から全周に亘って下方に延びる蓋体スカート部５４をさらに有している。図７に示すように、蓋体スカート部５４は、蓋体フランジ部５３の外側端部から下方に向かうに従って外方に傾斜するように延びる拡開部５４Ｂと、拡開部５４Ｂの下端部から垂下する垂下部５４Ｃとを有している。

図３、図５、及び図６に示すように、蓋体スカート部５４（具体的には、垂下部５４Ｃ）には、当該蓋体スカート部５４から内向きに突出する線状突起５４Ｄが形成されている。本実施形態では、蓋体スカート部５４における拡開部５４Ｂと垂下部５４Ｃとの境界には、外方に膨らむ蓋体膨出部５４Ａが形成されている。線状突起５４Ｄは、蓋体膨出部５４Ａの下側（垂下部５４Ｃ）において当該蓋体膨出部５４Ａから連続して形成されている（図５及び図６を参照）。そして、この線状突起５４Ｄにより、蓋体逆テーパー部５５が構成されている。蓋体逆テーパー部５５は、下方に向かうに従って内方に傾斜するように形成されている。

図３に示すように、蓋体逆テーパー部５５（線状突起５４Ｄ）は、矩形状（長方形状）の蓋体５の四隅に設けられている。また、蓋体逆テーパー部５５は、各蓋体辺部５Ｓの両端部５Ｅにも独立して設けられている。さらに、蓋体逆テーパー部５５は、各蓋体辺部５Ｓのうち、一対の長辺の中間部５Ｍにも独立して設けられている。なお、蓋体逆テーパー部５５は、各蓋体辺部５Ｓのうち、一対の短辺の中間部５Ｍには設けられていない。

蓋体周壁部５２の複数箇所（本例では、四隅及び各蓋体辺部５Ｓの中間部５Ｍ）には、内向きに凹む周壁凹部５２Ａが設けられている。周壁凹部５２Ａは、上下方向に沿って延びている。周壁凹部５２Ａは、蓋体周壁部５２における上下方向の全域に亘って形成されている。この周壁凹部５２Ａにより、蓋体周壁部５２の強度を向上させることができ、蓋体５が外力によって撓むのを抑制することができる。こうして、上述した区画壁３８と蓋体周壁部５２における周壁凹部５２Ａとの相乗効果により、外力による包装用容器１の撓みを効果的に抑制することができる。

蓋体摘み部５６は、矩形状（長方形状）の蓋体５の四隅に設けられている。蓋体摘み部５６は、平面視で概ね三角形状に形成されている。平面視三角形状の蓋体摘み部５６は、矩形状の蓋体５の角部を構成している。蓋体摘み部５６は、蓋体スカート部５４の下端から水平方向に沿って外側に延びている。図５に示すように、本実施形態の蓋体摘み部５６は、平面状に形成された蓋体摘み面部５６Ａと、この蓋体摘み面部５６Ａから下方に突出する下方突起部５６Ｂとを有している。

図３に示すように、容器本体３から蓋体５を取り外す際の起点となる開蓋領域１１が、容器外周に設けられている。開蓋領域１１は、容器外周の複数箇所に設けられている。本実施形態では、矩形状（長方形状）の容器本体３及び蓋体５の四隅の全てに、開蓋領域１１が設けられている。そして、その開蓋領域１１において、本体摘み部３６と蓋体摘み部５６とが重ね合わされている。なお、本体摘み部３６と蓋体摘み部５６とが重ね合わされた状態では、図５に示すように、本体摘み部３６の上方突起部３６Ｂと蓋体摘み部５６の下方突起部５６Ｂとによって、本体摘み面部３６Ａと蓋体摘み面部５６Ａとの間に隙間が生じる。これにより、開蓋の際に蓋体摘み部５６を摘まみやすくなっている。

本体逆テーパー部３５と蓋体逆テーパー部５５とが係合して、逆テーパー係合部１４が構成されている。逆テーパー係合部１４では、蓋体逆テーパー部５５が本体逆テーパー部３５に対して外側から当接して係合している。そして、このように当接し合う蓋体逆テーパー部５５及び本体逆テーパー部３５は、上述したように、下方に向かうに従って内方に傾斜するように形成されている。このため、逆テーパー係合部１４も、同様に、下方に向かうに従って内方に傾斜している。このような逆テーパー係合部１４を備えることで、蓋体５は、容器本体３から外れにくくなっている。鉛直線に対する逆テーパー係合部１４の傾きθ（図５及び図６を参照）は、例えば３０°〜９０°であると好適である。

閉蓋する際には、蓋体逆テーパー部５５を本体膨出部３４Ａを乗り越えて下方に押し込む必要があるため、蓋体５には押し込みに耐え得る強度が求められる。この点、上述したように、本実施形態では蓋体周壁部５２に周壁凹部５２Ａが設けられているため、蓋体周壁部５２ひいては蓋体５の強度が向上している。よって、嵌合時に強く押し込んでも蓋体５が撓みにくい。

逆テーパー係合部１４は、全ての開蓋領域１１に設けられている。本実施形態では、矩形状（長方形状）の容器本体３及び蓋体５の四隅の全てに開蓋領域１１が設けられているため、逆テーパー係合部１４も、四隅の全てに設けられている。これにより、容器本体３の全体と蓋体５の全体とをバランス良く嵌合することができる。また、隣り合う２辺が交差する四隅は各辺に比べて撓みにくいので、四隅に逆テーパー係合部１４を設けることで、嵌合時の押し込みに対する強度を高めることができる。

逆テーパー係合部１４は、矩形状の容器本体３及び蓋体５の四隅以外にも設けられている。言い換えれば、逆テーパー係合部１４は、容器外周における開蓋領域１１以外の領域にも設けられている。複数の逆テーパー係合部１４は、容器外周において断続的に設けられている。本実施形態では、本体逆テーパー部３５が容器本体３の全周に亘って形成されているとともに、蓋体スカート部５４から内向きに突出して蓋体逆テーパー部５５となる複数の線状突起５４Ｄが断続的に形成されている。これにより、本体逆テーパー部３５と蓋体逆テーパー部５５とが係合してなる逆テーパー係合部１４が、断続的に設けられている。

上述したように、蓋体逆テーパー部５５（線状突起５４Ｄ）は、矩形状（長方形状）の蓋体５の四隅と、各蓋体辺部５Ｓの両端部５Ｅと、一対の長辺の中間部５Ｍとに独立して設けられている。このため、逆テーパー係合部１４も、矩形状（長方形状）の容器本体３及び蓋体５の四隅と、容器本体３及び蓋体５の各辺の両端部と、一対の長辺の中間部とに独立して設けられている。なお、逆テーパー係合部１４は、一対の短辺の中間部には設けられていない。

本実施形態の包装用容器１によれば、各開蓋領域１１に設けられる逆テーパー係合部１４により、開蓋領域１１において容器本体３と蓋体５とを強固に嵌合できる。また、複数の逆テーパー係合部１４を断続的に設けることで、逆テーパー係合部１４を全周に亘って連続的に設ける場合とは異なり、容器本体３と蓋体５とが過度に強固に嵌合してしまうのを回避することができる。この場合において、一対の長辺の中間部にも逆テーパー係合部１４を独立して設けることで、四隅の開蓋領域１１に設けられる逆テーパー係合部１４による嵌合力が及びにくい一対の長辺で、容器本体３と蓋体５とを適度に嵌合できる。よって、不用意に開蓋されることを抑制でき、且つ、必要な時には開蓋しやすい。

また、全ての開蓋領域１１には逆テーパー係合部１４が設けられて嵌合力が非常に高いが、当該開蓋領域１１では蓋体摘み部５６に対して開蓋操作力を直接作用させることができるので、容易に嵌合解除し始めることができる。開蓋領域１１以外の領域では開蓋操作力が直接的には作用しないものの、当該領域には逆テーパー係合部１４が断続的に設けられているだけなので、容易に嵌合解除することができる。よって、この点からも、不用意に開蓋されることを抑制でき、且つ、必要な時には開蓋しやすい包装用容器１となっている。

〔第２実施形態〕
包装用容器の第２実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、開蓋領域１１における逆テーパー係合部１４の具体的形成態様が第１実施形態とは異なっている。以下、本実施形態の包装用容器１について、主に第１実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、第１実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。

図８及び図９に示すように、本実施形態の逆テーパー係合部１４は、その係合深さが、開蓋領域１１中の位置に応じて異なるように構成されている。本実施形態では、本体逆テーパー部３５が容器本体３の全周に亘って一律に形成されている一方、開蓋領域１１の蓋体逆テーパー部５５（線状突起５４Ｄ）は、内向きの突出量が開蓋領域１１中の位置に応じて異なるように形成されている。これにより、本体逆テーパー部３５と蓋体逆テーパー部５５とが係合してなる逆テーパー係合部１４の係合深さが、開蓋領域１１中の位置に応じて異なっている。

より具体的には、図１０に示すように、開蓋領域１１の中央位置では、蓋体逆テーパー部５５（線状突起５４Ｄ）の内向きの突出量はゼロであり、逆テーパー係合部１４の係合深さはゼロである。また、図１１に示すように、開蓋領域１１における中央位置よりもややずれた位置では、蓋体逆テーパー部５５（線状突起５４Ｄ）の内向きの突出量は若干大きくなり、逆テーパー係合部１４の係合深さは若干深くなる。さらに、図１２に示すように、開蓋領域１１における両端付近の位置では、蓋体逆テーパー部５５（線状突起５４Ｄ）の内向きの突出量はさらに大きくなり、逆テーパー係合部１４の係合深さはさらに深くなる。

こうして、開蓋領域１１の逆テーパー係合部１４は、その係合深さが、開蓋領域１１の中央位置に比べてその両側において深くなるように構成されている。逆テーパー係合部１４の係合深さは、中央位置から両端位置に近づくにつれて次第に深くなる（逆に言えば、両端位置から中央位置に近づくにつれて次第に浅くなる）ように構成されている（図９を参照）。また、開蓋領域１１の逆テーパー係合部１４は、本実施形態において係合深さがゼロとなっている中央位置を包含する平面に対して、面対称に形成されている。

なお、図８から理解できるように、各蓋体辺部５Ｓの両端部５Ｅに設けられる蓋体逆テーパー部５５（線状突起５４Ｄ）の内向きの突出量は、位置によらずに一定である。また、各蓋体辺部５Ｓのうち一対の長辺の中間部５Ｍに設けられる蓋体逆テーパー部５５（線状突起５４Ｄ）の内向きの突出量も、位置によらずに一定である。すなわち、容器本体３及び蓋体５の各辺の両端部及び一対の長辺の中間部にそれぞれ設けられる逆テーパー係合部１４の係合深さは、各領域における位置によらずに一定となっている。

さらに本実施形態では、容器本体３及び蓋体５の各辺の両端部の逆テーパー係合部１４と、開蓋領域１１の逆テーパー係合部１４とが、一体的に構成されている。言い換えれば、容器本体３及び蓋体５の四隅のそれぞれにおいて、１つの長辺の端部と開蓋領域１１と１つの短辺の端部とに亘る逆テーパー係合部１４が、連続的に形成されている。なお、一対の長辺の中間部の蓋体逆テーパー部５５は、独立して設けられている。

本実施形態でも、四隅の開蓋領域１１を含む複数位置に逆テーパー係合部１４を断続的に設けることで、不用意に開蓋されることを抑制でき、且つ、必要な時には開蓋しやすい包装用容器１が実現されている。

〔その他の実施形態〕
（１）上記の実施形態では、矩形状の容器本体３及び蓋体５の各辺（本体辺部３Ｓ，蓋体辺部５Ｓ）が側面視で一直線状に形成されている例について説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図１３に示すように、容器本体３及び蓋体５の各辺が、中間部３Ｍ，５Ｍよりも両端部３Ｅ，５Ｅが上方に位置するように形成されても良い。例えば、容器本体３及び蓋体５の各辺の中間部３Ｍ，５Ｍが側面視で直線状に形成されて水平方向に沿って形成され、各辺の両端部３Ｅ，５Ｅが中間部３Ｍ，５Ｍから上方に向けて傾斜するように形成されても良い。容器本体３及び蓋体５の各辺は、図示の例のように屈曲形成されても良いし、図示は省略するが湾曲形成されても良い。これらの場合、矩形状の容器本体３及び蓋体５の四隅は、各辺の中間部３Ｍ，５Ｍよりも上方に配置される。

このように、逆テーパー係合部１４の配置位置に高低差を設けることで、嵌合強度を調整することができる場合がある。例えば、相対的に上方に位置する両端部における逆テーパー係合部１４の形成割合は、相対的に下方に位置する中間部３Ｍ、５Ｍにおける逆テーパー係合部１４の形成割合よりも大きくなる場合がある。この場合、その逆テーパー係合部１４の形成割合の大小関係に基づき、各辺の両端部は、中間部３Ｍ、５Ｍよりも嵌合が強固となる。このような嵌合強度の差を生じさせることで、両端部の嵌合状態を解除するのに必要な外力のみで、合わせて、中間部３Ｍ、５Ｍの嵌合状態を解除することも可能となる。すなわち、開蓋時に開蓋領域１１及びその両側の各辺の端部における逆テーパー係合部１４の嵌合状態を解除するための力以上の余計な力をほとんど必要とせず、開蓋時の作業性の煩わしさを軽減することができる。

（２）上記の実施形態では、矩形状の容器本体３及び蓋体５の各辺の両端部に逆テーパー係合部１４が設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば各辺の両端部には逆テーパー係合部１４が設けられなくても良い。この場合、容器本体３及び蓋体５の各辺には、一対の長辺の中間部にのみ、逆テーパー係合部１４が設けられる。

（３）上記の実施形態では、本体逆テーパー部３５が、容器本体３の全周に亘って形成されている例について説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本体逆テーパー部３５が容器本体３の外周において断続的に形成されても良い。本体逆テーパー部３５は、少なくとも蓋体逆テーパー部５５に対応する位置に形成されると良い。この場合において、容器本体３の各辺（本体辺部３Ｓ）の両端部３Ｅの本体逆テーパー部３５と、四隅（開蓋領域１１）の本体逆テーパー部３５とは、互いに独立して形成されても良いし、連続して一体的に形成されても良い。

（４）上記の実施形態では、容器本体３において、区画壁３８が平面視で概ねＹ字状をなすように形成されている例について説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば区画壁３８が平面視で概ねＴ字状をなすように形成されても良い。例えば図１４には、隣り合う２つの本体周壁部３２どうしを繋ぐ主壁部３８Ａと、当該主壁部３８Ａから分岐して他の本体周壁部３２に延びる分岐壁部３８Ｂとによって、平面視で概ねＴ字状をなすように形成された区画壁３８が示されている。また、その他にも、例えば図１５や図１６に示すような様々な形状の区画壁３８が形成されても良い。このように、区画壁３８は、矩形状の容器本体３の対向する２辺どうし（一対の長辺どうし又は一対の短辺どうし）を繋ぐように形成されても良いし、隣り合う２辺どうし（長辺と短辺）を繋ぐように形成されても良い。また、区画壁３８は、容器本体３の１辺と他の区画壁３８とを繋ぐように形成されても良い。

（５）上記の実施形態では、矩形状の容器本体３及び蓋体５の四隅の全てが開蓋領域１１とされている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、開蓋領域１１が設けられる位置は、必ずしも四隅の全てでなくても良い。すなわち、開蓋領域１１は、矩形状の容器本体３及び蓋体５の四隅のうちの少なくとも１つに設けられれば良い。例えば、四隅のうちのいずれか１つだけに開蓋領域１１が設けられても良く、或いは、四隅のうちのいずれか２つ（例えば対角に位置する２つ）だけに開蓋領域１１が設けられても良い。

（６）上記の実施形態では、容器本体３及び蓋体５が平面視長方形状に形成されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば容器本体３及び蓋体５は、平面視正方形状に形成されても良い。或いは、容器本体３及び蓋体５は、平面視多角形状に形成されても良いし、平面視円形状又は楕円形状に形成されても良い。

（７）上述した各実施形態（上記の実施形態及びその他の実施形態を含む；以下同様）で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。

１ 包装用容器
３ 容器本体
３Ｓ 本体辺部
３Ｅ 両端部
３Ｍ 中間部
５ 蓋体
５Ｓ 蓋体辺部
５Ｅ 両端部
５Ｍ 中間部
１１ 開蓋領域
１４ 逆テーパー係合部
３１ 底面部
３２ 本体周壁部
３３ 本体フランジ部
３５ 本体逆テーパー部
３６ 本体摘み部
３８ 区画壁
５１ 天面部
５２ 蓋体周壁部
５３ 蓋体フランジ部
５５ 蓋体逆テーパー部
５６ 蓋体摘み部

Claims (1)

1. 容器本体と蓋体とを備え、シート成形によって形成される包装用容器であって、
   前記容器本体及び前記蓋体が平面視長方形状に形成され、
   前記容器本体は、底面部と、前記底面部から上方に延びる本体周壁部と、前記本体周壁部から外側に延びる本体フランジ部と、前記本体フランジ部よりも周縁側に設けられた本体逆テーパー部と、前記本体フランジ部よりも外側に突出する突出片からなる本体摘み部と、を有し、
   前記蓋体は、天面部と、前記天面部から下方に延びる蓋体周壁部と、前記蓋体周壁部から外側に延びる蓋体フランジ部と、前記蓋体フランジ部よりも周縁側に設けられて前記本体逆テーパー部に係合する蓋体逆テーパー部と、前記蓋体フランジ部よりも外側に突出する突出片からなり前記本体摘み部に重ね合わされる蓋体摘み部と、を有し、
   前記本体摘み部と前記蓋体摘み部とが重ね合わされる開蓋領域が、長方形状の前記容器本体及び前記蓋体の四隅のうちの少なくとも１つに設けられ、
   前記本体逆テーパー部と前記蓋体逆テーパー部とが係合してなる逆テーパー係合部が、前記開蓋領域と、長方形状の前記容器本体及び前記蓋体の長辺の中間部と、に設けられ、且つ、長方形状の前記容器本体及び前記蓋体の短辺の中間部には設けられておらず、
   長方形状の前記容器本体及び前記蓋体の各辺は、中間部が側面視で直線状に形成されているとともに、両端部が直線状の前記中間部から上方に向けて傾斜するように形成されており、
   前記容器本体及び前記蓋体の各辺における上方に向けて傾斜する前記両端部に前記逆テーパー係合部が設けられている包装用容器。
   

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