JP6453175B2 - 光通信システム、通信装置及び光通信方法 - Google Patents

光通信システム、通信装置及び光通信方法 Download PDF

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Description

本発明は、光通信システム、通信装置及び光通信方法に関する。
アクセスサービスの高速化に対するニーズの高まりにより、FTTH(Fiber To The Home)の普及が世界的に進んでいる。FTTHサービスの大部分は、経済性に優れたPON(Passive Optical Network)方式により提供されている。
図1に、PONの一例を示す。PONは、1台の収容局側装置(OLT:Optical Line Terminal)91が、時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)により複数の加入者側装置(ONU:Optical Network Unit)92を収容する。GE−PON(Gigabit Ethernet PON)(Ethernetは登録商標)、G−PON(Gigabit−capable PON)等の従来のTDM−PONは、光強度の強弱によりデジタルデータを表す2値振幅変調(OOK:On−Off Keying)という変調方式を用いている。
一方、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号を光搬送波で搬送する光OFDM伝送を用いたOFDM−PONの検討が、近年、盛んに進められている(例えば、非特許文献1参照。)。
光OFDM伝送では、図2に示すように、光送信器100から送信した光OFDM信号を、光受信器200が受信する。
光送信器100は、シリアル/パラレル変換部131、シンボルマッピング部132、高速逆フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)部133、パラレル/シリアル変換部134などから成るOFDM変調部103およびデジタル/アナログ変換するDA変換部102により生成したアナログ信号であるOFDM信号により、光源101を強度変調または光源101からの出力光を光I/Q変調して得た光OFDM信号を出力する。
光受信器200は、光OFDM信号を受光器201で直接検波または光I/Q検波して得たOFDM信号を、AD変換部202でアナログ/デジタル変換した後、シリアル/パラレル変換部234、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)部233、シンボルデマッピング部232、パラレル/シリアル変換部231などから成るOFDM復調部203によりデジタルデータを復調する。
図2は光送信器100にて強度変調、光受信器200にて直接検波を行う構成例である。光OFDM伝送は複数の副搬送波を用いたマルチキャリア伝送でありシンボル速度が遅いため、波長分散や偏波モード分散等の伝送歪みに対する耐性が強く、伝送距離の長延化を図ることができるという特徴がある。
光OFDM伝送では、単位時間あたりに送信可能な情報量B[bit/s]は、副搬送波数N、n番目(n=1,2,・・・,N)の副搬送波のシンボル速度B(n)[Symbol/s]、n番目の副搬送波の変調多値度m(n)などの変調パラメータで決定され、式(1)で表せる。
Figure 0006453175
シンボル速度B(n)は、隣接する副搬送波の周波数間隔の整数分の1の値である。変調多値度m(n)は、変調フォーマットに応じて決まる値である。例えば、変調フォーマットがQPSK(Quadratue Phase Shift Keying)、16QAM(Quadratue Amplitude Modulation)である場合、m(n)はそれぞれ2、4となる。
一般に、光OFDM伝送では、光受信器200への入力光強度が大きい場合は、副搬送波のシンボル速度、副搬送波の変調多値度などの変調パラメータの値を拡大しても、光受信器200にて副搬送波を所定レベル以上の信号品質で復調できる。そのため、光送信器100からの光OFDM信号の出力光強度を一定とすると、光送信器100と光受信器200との間の距離が近い場合ほど光受信器200への入力光強度が大きくなるため、変調パラメータの値を拡大し、光送信器100が単位時間あたりに送信する情報量を増大できる。
この特性を用いて、各ONU92宛のユニキャストフレームを時間軸と周波数軸の2次元を用いて多重した下り光OFDM信号がOLT91から送出されるOFDM−PON(図3)では、ユニキャストフレームが宛先ONU92にて所定レベル以上の信号品質で復調できる変調パラメータ範囲内で、当該ユニキャストフレームを搬送中の副搬送波が単位時間あたりに搬送可能な情報量が最大となるように、副搬送波の変調パラメータをフレームごとに設定する。これにより、PONシステムの下り帯域利用効率を最大化できる。
図3では、下り光OFDM信号を構成する副搬送波の変調多値度mは、副搬送波がOLT91からの距離が近いONU92#1,92#2宛のユニキャストフレームを搬送する間はm=4(16QAM)に、副搬送波がOLT91からの距離が遠いONU92#K宛のユニキャストフレームを搬送する間はm=2(QPSK)に設定されている。下り光OFDM信号を構成する副搬送波の変調多値度mを、副搬送波が搬送するユニキャストフレームの宛先ONU92とOLT91との距離に関わらず、OLT91からの距離が遠いONU92#Kで所望レベル以上の信号品質を得られる値であるm=2(QPSK)に固定する場合と比べて、OLT91からの距離が近いONU92#1,92#2宛のユニキャストフレームへ副搬送波を割り当てる時間長を短縮できるため、OLT91が一定時間内に送信する情報量を増大できる。
下り光OFDM信号を構成する副搬送波の変調パラメータが各々の副搬送波が搬送中のユニキャストフレームの宛先ONU92に応じて変化するOFDM−PON(図3)では、各ONU92が、自分宛のユニキャストフレームを正しく復調するために、少なくとも自分宛のユニキャストフレームが光受信器200に入力される時間に渡って、少なくとも自分宛のユニキャストフレームを搬送中の副搬送波について、光受信器200内のOFDM復調部203における復調パラメータを、自分宛のユニキャストフレームを搬送中の副搬送波の変調パラメータと整合させる必要がある。
これを実現する方法として、各ONU92が、全ての副搬送波について、光受信器200内のOFDM復調部203における復調パラメータを、副搬送波が自分宛のユニキャストフレームを搬送する際の変調パラメータと整合するように、予め固定的に設定する方法が考えられる。この場合、副搬送波が各ONU92を宛先とするユニキャストフレームを搬送する際の変調パラメータ、または、各ONU92が光受信器200内のOFDM復調部203において設定すべき復調パラメータを、OLT91が各ONU92に予め通知する必要がある。
OLT91は、例えば、フレーム往復伝搬時間の測定値から算出したOLT91とONU92との間の距離に応じて、下り光OFDM信号を構成する副搬送波が各ONU92を宛先とするユニキャストフレームを搬送する際の変調パラメータを、ONU92ごとに決定する。
この設定で、光受信器200内のOFDM復調部203における復調パラメータと整合する変調パラメータである副搬送波に搬送される他ONU92宛のユニキャストフレームがONU92へ入力された場合、パラレル/シリアル変換部231における適切なスケジューリングにより光受信器200はフレームを正しく復調できる。そのため、ONU92は、従来のTDM−PONにおける下り方向通信と同様に、MAC(Media Access Control)部(不図示)にて、PON区間でのONU識別子等を用いて、当該フレームを他ONU宛のユニキャストフレームであると認識して廃棄することが可能である。
一方、光受信器内のOFDM復調部における復調パラメータと整合しない変調パラメータである副搬送波に搬送される他ONU宛のユニキャストフレームがONU92へ入力された場合、光受信器200はフレームを正しく復調できない。正しく復調されていない他ONU宛のユニキャストフレームがMAC部(不図示)に入力された場合、他ONU宛のユニキャストフレームを自分宛のフレームであると誤認識することが懸念される。この場合、当該フレームが制御フレームの場合はONU92が誤動作してしまい、当該フレームがデータフレームの場合は通信の秘匿性が確保されない。
上述の動作例を図4に示す。ONU92#1は、光受信器22内のシンボルデマッピング部232における復調多値度を、下り光OFDM信号を構成する副搬送波が自分宛ユニキャストフレームを搬送する際の変調多値度m=4(16QAM)に整合するように、予め固定的に設定している。このONU92#1に、光受信器22内のシンボルデマッピング部232における復調多値度と整合する変調多値度m=4(16QAM)である副搬送波に搬送されるONU92#2宛のユニキャストフレームは正しく復調されるが、光受信器22内のシンボルデマッピング部232における復調多値度と整合しない変調多値度m=2(QPSK)である副搬送波に搬送されるONU92#K宛のユニキャストフレームは正しく復調されない。そのため、正しく復調されていないONU92#K宛のユニキャストフレームがMAC部24に入力されてしまう。
N.Cvijetic,"OFDM for Next−Generation Optical Access Networks," IEEE J.Lightwave Technol., vol. 30, no. 4, pp. 384−398, Feb. 2012
本発明は、他ONU宛フレームの誤受信に起因してONUが誤動作することや通信の秘匿性が確保されないことを回避しつつ、PONシステムにおける下り帯域利用効率を向上することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、各ONU宛てのユニキャストフレームが時間軸と周波数軸の2次元を用いて多重され、時間周波数割当周期ごとに、時間周波数割当周期内のユニキャストフレームへの時間スロットと周波数の割当情報を含む時間周波数割当通知フレームを挿入することにより、ONUは、他ONU宛のユニキャストフレームが入力される時刻および他ONU宛のユニキャストフレームを搬送する副搬送波を予め認識できるため、ONUは、光受信器またはMAC部にて他ONU宛のユニキャストフレームを確実に廃棄できる。
具体的には、本発明に係る光通信システムは、
親ノードが複数の子ノードと光ファイバ伝送路を介して接続され、前記親ノードが前記子ノード宛のユニキャストフレームを時間軸と周波数軸の2次元を用いて多重した光OFDM信号を出力する光通信システムであって、
前記親ノードは、
ユニキャストフレームを送信する時間スロット及び周波数スロットの割当情報、および、光OFDM信号を構成する各副搬送波の変調パラメータ情報を含む時間周波数割当通知フレームを搬送するための副搬送波の変調パラメータを、予め定められた周期的な所定時間に、全ての前記子ノードにて受信可能な共通の変調パラメータに設定し、前記共通の変調パラメータを用いた光OFDM信号の前記時間周波数割当通知フレームを送出し、
前記割当情報で定められたユニキャストフレームを、前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記変調パラメータ情報で定められた変調パラメータを用いて生成された光OFDM信号に載せて、各子ノードに送信し、
前記複数の子ノードは、
前記所定時間に、前記共通の変調パラメータを用いて前記時間周波数割当通知フレームの光OFDM信号復号し、復号した時間周波数割当通知フレームから、前記割当情報で定められたユニキャストフレームが自ノードに入力される時間スロット及び復調パラメータを取得し、
前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記割当情報で定められたユニキャストフレームが自ノードに入力される時間スロットにおいて、光受信器の復調パラメータを前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記変調パラメータ情報に従って設定し、前記光受信器を用いて前記親ノードから送信されたユニキャストフレームの載せられた光OFDM信号復号し、
前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記割当情報を用いて、前記光受信器の復号したユニキャストフレームが自ノード宛か又は他ノード宛かを判定し、他ノード宛である場合、当該ユニキャストフレームを受信して生成したデータを廃棄する。
本発明に係る光通信システムでは、前記時間周波数割当通知フレームの副搬送波が、前記ユニキャストフレームの副搬送波と異なってもよい。
本発明に係る光通信システムでは、前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記変調パラメータ情報は、割当先である前記子ノードにて所定レベル以上の信号品質で復調できる変調パラメータ範囲内で、ユニキャストフレームの副搬送波が単位時間あたりに搬送可能な最大の情報量となるような変調パラメータであってもよい。
具体的には、本発明に係る子ノードとして機能する通信装置は、
親ノードが複数の子ノードと光ファイバ伝送路を介して接続され、前記親ノードが前記子ノード宛のユニキャストフレームを時間軸と周波数軸の2次元を用いて多重した光OFDM信号を出力する光通信システムに備わる前記子ノードとして機能する通信装置であって、
予め定められた周期的な所定時間に、全ての前記子ノードにて受信可能な共通の変調パラメータを用いて、ユニキャストフレームを送信する時間スロット及び周波数スロットの割当情報、および、光OFDM信号を構成する各副搬送波の変調パラメータ情報を含む時間周波数割当通知フレームの光OFDM信号復号し、復号した時間周波数割当通知フレームから、前記割当情報で定められたユニキャストフレームが自ノードに入力される時間スロット及び復調パラメータを取得し、
前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記割当情報で定められたユニキャストフレームが自ノードに入力される時間スロットにおいて、光受信器の復調パラメータを前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記変調パラメータ情報に従って設定し、
前記光受信器を用いて前記親ノードから送信されたユニキャストフレームの載せられた光OFDM信号復号し、
前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記割当情報を用いて、前記光受信器の復号した当該ユニキャストフレームが自ノード宛か又は他ノード宛かを判定し、他ノード宛である場合、当該ユニキャストフレームを受信して生成したデータを廃棄する。
具体的には、本発明に係る光通信方法は、
親ノードが複数の子ノードと光ファイバ伝送路を介して接続され、前記親ノードが前記子ノード宛のユニキャストフレームを時間軸と周波数軸の2次元を用いて多重した光OFDM信号を出力する光通信システムにおける光通信方法であって、
親ノードが、ユニキャストフレームを送信する時間スロット及び周波数スロットの割当情報、および、光OFDM信号を構成する各副搬送波の変調パラメータ情報を含む時間周波数割当通知フレームを搬送するための副搬送波の変調パラメータを、予め定められた周期的な所定時間に、全ての前記子ノードにて受信可能な共通の変調パラメータに設定する第1の設定手順と、
前記所定時間に、親ノードが前記共通の変調パラメータを用いて生成された光OFDM信号に載せて前記時間周波数割当通知フレームを送出し、前記複数の子ノードが前記共通の変調パラメータを用いて前記時間周波数割当通知フレームの光OFDM信号復号し、復号した時間周波数割当通知フレームから、前記割当情報で定められたユニキャストフレームが自ノードに入力される時間スロット及び復調パラメータを取得する割当通知手順と、
各子ノードが、前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記割当情報で定められたユニキャストフレームが自ノードに入力される時間スロットにおいて、光受信器の復調パラメータを前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記変調パラメータ情報に従って設定する第2の設定手順と、
親ノードが、前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記割当情報で定められたユニキャストフレームを、前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記変調パラメータ情報で定められた変調パラメータを用いて生成された光OFDM信号に載せて、各子ノードに送信するユニキャスト送信手順と、
各子ノードが、前記光受信器を用いて前記親ノードから送信されたユニキャストフレームの載せられた光OFDM信号復号し、前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記割当情報を用いて、前記光受信器の復号したユニキャストフレームが自ノード宛か又は他ノード宛かを判定し、他ノード宛である場合、当該ユニキャストフレームを受信して生成したデータを廃棄するユニキャスト受信手順と、
を実行する。
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によれば、本発明は、他ONU宛フレームの誤受信に起因してONUが誤動作することや通信の秘匿性が確保されないことを回避しつつ、PONシステムにおける下り帯域利用効率を向上することができる。
本発明に関連するTDM−PONの構成例を示す。 本発明に関連する光OFDM伝送の構成例を示す。 本発明に関連するOFDM−PONの構成例を示す。 本発明に関連するOFDM−PONにおけるONUの動作例を示す。 第1の実施形態における下り光OFDM信号の例を示す。 第1の実施形態におけるONUの第1の動作例を示す。 第1の実施形態におけるONUの第2の動作例を示す。 第1の実施形態におけるONUの第3の動作例を示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(第1の実施形態)
本実施形態における光通信方法は、各ONU92宛のフレームを時間軸と周波数軸の2次元を用いて多重した下り光OFDM信号を送出する1台のOLT91と、複数台のONU92とが、光ファイバ伝送路94および光合分波部93を介して接続された1対多接続の光通信システムに適用される。
OLT91は、下り光OFDM信号を構成する副搬送波が各ONU92を宛先とするユニキャストフレームを搬送する際の変調パラメータを、ONU92ごとに定めた変調パラメータテーブルを保持している。OLT91は、変調パラメータテーブルを参照して、下り光OFDM信号を構成する副搬送波の変調パラメータを、各々の副搬送波が搬送するユニキャストフレームの宛先ONU92と対応する変調パラメータに、フレームごとに設定する。変調パラメータは、OLT91に備わるOFDM変調部103において可変なパラメータであり、例えば、副搬送波のシンボル速度B、副搬送波の変調多値度mである。
変調パラメータテーブルは、各ONU92を宛先とするユニキャストフレームが宛先ONU92にて所定レベル以上の信号品質で復調できる変調パラメータ範囲内で当該ユニキャストフレームを搬送中の副搬送波が単位時間あたりに搬送可能な情報量が最大となるように、ONU92ごとに定められる。ここで、下り光OFDM信号を構成する副搬送波が所定レベル以上の信号品質で復調可能な変調パラメータ範囲は、OLT91とONU92との間の光損失量により決まる。光損失量は、例えば、フレーム往復伝搬時間から算出したOLT91とONU92との間の距離を用いて推測できる。変調パラメータテーブル中の変調パラメータは、各ONU92の初期登録時に測定したフレーム往復伝搬時間の値から定めた変調パラメータを固定的に用いてもよいし、運用中の定期タイミングで測定するフレーム往復伝搬時間の値から変調パラメータを再度定めてもよい。
下り光OFDM信号は、図5に示すように、時間周波数割当通知フレームFNを時間周波数割当周期ΔT間隔で含む。時間周波数割当通知フレームFNは、ユニキャストフレームとは異なる予め定められた周期的な所定時間に送信される。時間周波数割当通知フレームFNは、ユニキャストフレームFUを搬送する副搬送波f#i+1〜f#I(i=1,2,……,I−1)とは別の副搬送波f#1〜f#iにより搬送される。#h(h=1,2,……)番目の時間周波数割当周期PA#hに含まれる時間周波数割当通知フレームFN#hは、時間周波数割当周期PA#h内に含まれるユニキャストフレームFUへの時間スロットと周波数スロットの割当情報を含む。また、時間周波数割当通知フレームFN#hは、時間周波数割当周期PA#h内における光OFDM信号を構成する各副搬送波の変調パラメータ情報も含む。
ここで、時間周波数割当通知フレームFNを搬送する1本以上の副搬送波の変調パラメータは、全てのONU92にて当該副搬送波に搬送されるデータが所定レベル以上の信号品質で復調可能な変調パラメータに設定される。全てのONU92にて副搬送波に搬送されるデータが所定レベル以上の信号品質で復調可能な変調パラメータとは、OLT91との間の光損失量をシステムとして許容される最大値とするONU92、または、接続しているONU92のうちOLT91との間の光損失量が最大であるONU92にて、副搬送波に搬送されるデータを所定レベル以上の信号品質で復調可能な変調パラメータである。
図5では、副搬送波の変調多値度mは、副搬送波がOLT91からの距離が近いONU92#1,92#2宛のユニキャストフレームを搬送する間はm=4(16QAM)に、副搬送波がOLT91からの距離が遠いONU92#K宛のユニキャストフレームを搬送する間はm=2(QPSK)に設定されている。また、時間周波数割当通知フレームFNを搬送する副搬送波の変調多値度mは、OLT91からの距離が遠いONU92#Kにおいても当該副搬送波が搬送するデータが所定レベル以上の信号品質で復調可能であるようにm=2(QPSK)に設定されている。
図5では、時間周波数割当通知フレームFNを搬送する副搬送波を、ユニキャストフレームFUを搬送する副搬送波よりも低周波数側に配置しているが、副搬送波の配置はこれに限らない。例えば、時間周波数割当通知フレームFNを搬送する副搬送波f#i+1〜f#I(i=1,2,……,I−1)を、ユニキャストフレームFUを搬送する副搬送波f#1〜f#iよりも高周波数側に配置することも可能である。
ONU92は、時間周波数割当通知フレームFNを搬送する副搬送波について、光受信器22内のOFDM復調部203における復調パラメータを、時間周波数割当通知フレームFNを搬送する副搬送波の変調パラメータと整合するように固定的に設定する。復調パラメータは、シンボルデマッピング部232における復調多値度や、シリアル/パラレル変換部234における復調サブキャリア数などがこれにあたる。
また、ONU92は、時間周波数割当通知フレームFN#hにより認識した時間周波数割当周期PA#hにおける光OFDM信号を構成する各副搬送波の変調パラメータ情報に従って、ユニキャストフレームFUを搬送する副搬送波について、光受信器22内のOFDM復調部203における復調パラメータを動的に変更し、時間周波数割当周期PA#hにおける光OFDM信号を構成する各副搬送波の変調パラメータと整合させる。
また、ONU92は、時間周波数割当通知フレームFN#hにより、他ONU宛であるユニキャストフレームFUが入力されることを認識した際には、当該ユニキャストフレームFUを受信して生成したデータを光受信器22またはMAC部24にて廃棄する。
上述の動作例を図6に示す。図5と同様に、時間周波数割当通知フレームFNとユニキャストフレームFUが、それぞれ、副搬送波f#1〜f#i、f#i+1〜f#I(i=1,2,……,I−1)により搬送される場合を示している。
ONU92は、光送信器21と、光受信器22と、MAC部24と、波長合分波部25と、を備える。光送信器21は、波長合分波部25を介してOLT91への光信号を送信する。波長合分波部25は、光送信器21から入力された光信号をOLT91へと出力し、OLT91から伝送された光OFDM信号を光受信器22へと出力する。
光受信部22は、受光器201と、AD変換部202と、OFDM復調部203と、を備える。OFDM復調部203は、シリアル/パラレル変換部234と、高速フーリエ変換部233と、シンボルデマッピング部232と、パラレル/シリアル変換部231と、を備える。
本実施形態に係る光通信方法は、第1の設定手順と、割当通知手順と、第2の設定手順と、ユニキャスト送信手順と、ユニキャスト受信手順と、を順に実行する。
第1の設定手順では、OLT91が、時間周波数割当通知フレームFNを搬送するための副搬送波の変調パラメータを、予め定められた周期的な所定時間に、全てのONU92にて受信可能な共通の変調パラメータに設定する。このとき、ONU92は、時間周波数割当通知フレームFNを搬送する副搬送波f#1〜f#iについて、OFDM復調部203における復調パラメータを、副搬送波f#1〜f#iの変調パラメータと整合させる。
時間周波数割当通知フレーム送受信手順では、前記所定時間に、OLT91が共通の変調パラメータを用いて時間周波数割当通知フレームFNを送出し、複数のONU92が共通の変調パラメータを用いて時間周波数割当通知フレームFNを受信する。
このとき、受光器201は、受信した光信号を電気信号へと変換する。AD変換部202は受光器201が出力するアナログ電気信号をデジタル電気信号へと変換する。シリアル/パラレル変換部234は、AD変換部202が出力したシリアル信号をパラレル信号に変換する。シリアル/パラレル変換部234が出力するパラレル信号の数は任意である。高速フーリエ変換部233は、シリアル/パラレル変換部234が出力したパラレル信号を高速フーリエ変換し、OLT91が送出した下り光OFDM信号を周波数成分ごとに分離する。シンボルデマッピング部232は、復調多値度制御信号に従い、高速フーリエ変換部233が分離した下り光OFDM信号の各周波数成分を復調する。パラレル/シリアル変換部231は、シンボルデマッピング部232が出力したパラレル信号を、シリアル信号に変換する。
第2の設定手順では、ONU92が、時間周波数割当通知フレームFNに含まれる割当情報で定められたユニキャストフレームFUが自ノードに入力される時間スロットにおいて、OFDM復調部203の復調パラメータを時間周波数割当通知フレームFNに含まれる変調パラメータ情報に従って設定する。
このとき、OLT91が副搬送波f#1〜f#iの変調パラメータを、OLT91からの距離が遠いONU92#Kにおいても副搬送波が所定レベル以上の信号品質で復調可能であるようにm=2(QPSK)に設定する場合、ONU92#1は、シンボルデマッピング部232における副搬送波f#1〜f#iの復調多値度をm=2(QPSK)に設定する。また、ONU92は、MAC部24から光受信器22内のOFDM復調部203へ入力される復調多値度制御信号により、ユニキャストフレームFUを搬送する副搬送波について、シンボルデマッピング部232における復調多値度mを動的に変化させる。
ユニキャスト送信手順では、OLT91が、時間周波数割当通知フレームFNに含まれる割当情報で定められたユニキャストフレームFUを、時間周波数割当通知フレームFNに含まれる変調パラメータ情報で定められた変調パラメータを用いて、各ONU92に送信する。
ユニキャスト受信手順では、各ONU92が、光受信器22を用いてOLT91から送信されたユニキャストフレームFUを受信する。このとき、ONU92は、時間周波数割当通知フレームFN#hに含まれる割当情報を用いて、他ONU宛であるユニキャストフレームFU#hが入力されることを認識した際には、MAC部24で生成されるフレーム廃棄制御信号に従って、当該ユニキャストフレームFU#hを受信して生成したデータを廃棄する。
図6中のMAC部24は、通知フレーム取出部242と、時間周波数割当識別部243と、復調パラメータ制御部244と、フレーム廃棄部245を備える。通知フレーム取出部242は、ユニキャストフレームFUから分離された時間周波数割当通知フレームFNを分離する。時間周波数割当識別部243は、自ONU宛の時間周波数割当通知フレームFNであるか否かを判定する。
時間周波数割当識別部243は、他ONU宛の時間周波数割当通知フレームFNの時間スロットと周波数スロットの割当情報に従って、フレーム廃棄制御信号を生成する。フレーム廃棄部245は、フレーム廃棄制御信号に従って、他ONU宛のユニキャストフレームFUを廃棄する。
図6は、フレーム廃棄部245がMAC部24に位置する場合であるが、図7及び図8のように、他ONU宛のユニキャストフレームFUを受信して生成したデータを光受信器22内で廃棄する構成も可能である。図7は、パラレル/シリアル変換部231から出力されるフレームを、MAC部24内の時間周波数割当識別部243が生成するフレーム廃棄信号に従って、光受信器22内に配置されたデータ廃棄部205が廃棄する構成である。図8は、OFDM復調部203内に配置されたデータ廃棄部235が、シンボルデマッピング部232の各出力端から出力されるデータを、MAC部24内の時間周波数割当識別部243が生成するフレーム廃棄信号に従って廃棄する構成である。
以上より、本実施形態では、各ONU92宛のユニキャストフレームFUが時間軸と周波数軸の2次元を用いて多重され、副搬送波の変調パラメータが搬送するユニキャストフレームFUの宛先ONU92に応じてフレームごとに変化しうるOFDM−PONの下り方向通信において、時間周波数割当周期ΔTごとに、時間周波数割当周期ΔT内のユニキャストフレームFUへの時間スロットと周波数スロットの割当情報を含む時間周波数割当通知フレームFNを挿入することにより、ONU92は、他ONU92宛のユニキャストフレームFUが入力される時刻および他ONU92宛のユニキャストフレームを搬送する副搬送波を予め認識できる。そのため、ONU92は、光受信器22またはMAC部24にて他ONU92宛のユニキャストフレームFUを確実に廃棄できる。
そのため、本実施形態により、他ONU宛フレームの誤受信に起因してONU92が誤動作することや通信の秘匿性が確保されないことを回避しつつ、PONシステムにおける下り帯域利用効率を向上できる。
本発明は情報通信産業に適用することができる。
21:光送信器
22:光受信器
24:MAC部
25:波長合分波部
91:OLT
92:ONU
93:光合分波部
94:光ファイバ伝送路
100:光送信器
101:光源
102:DA変換部
103:OFDM変調部
131:シリアル/パラレル変換部
132:シンボルマッピング部
133:高速逆フーリエ変換部
134:パラレル/シリアル変換部
200:光受信器
201:受光器
202:AD変換部
203:OFDM復調部
205、235、245:フレーム廃棄部
231:パラレル/シリアル変換部
232:シンボルデマッピング部
233:高速フーリエ変換部
234:シリアル/パラレル変換部
242:通知フレーム取出部
243:時間周波数割当識別部
244:復調パラメータ制御部
245:フレーム廃棄部

Claims (5)

  1. 親ノードが複数の子ノードと光ファイバ伝送路を介して接続され、前記親ノードが前記子ノード宛のユニキャストフレームを時間軸と周波数軸の2次元を用いて多重した光OFDM信号を出力する光通信システムであって、
    前記親ノードは、
    ユニキャストフレームを送信する時間スロット及び周波数スロットの割当情報、および、光OFDM信号を構成する各副搬送波の変調パラメータ情報を含む時間周波数割当通知フレームを搬送するための副搬送波の変調パラメータを、予め定められた周期的な所定時間に、全ての前記子ノードにて受信可能な共通の変調パラメータに設定し、前記共通の変調パラメータを用いた光OFDM信号の前記時間周波数割当通知フレームを送出し、
    前記割当情報で定められたユニキャストフレームを、前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記変調パラメータ情報で定められた変調パラメータを用いて生成された光OFDM信号に載せて、各子ノードに送信し、
    前記複数の子ノードは、
    前記所定時間に、前記共通の変調パラメータを用いて前記時間周波数割当通知フレームの光OFDM信号復号し、復号した時間周波数割当通知フレームから、前記割当情報で定められたユニキャストフレームが自ノードに入力される時間スロット及び復調パラメータを取得し、
    前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記割当情報で定められたユニキャストフレームが自ノードに入力される時間スロットにおいて、光受信器の復調パラメータを前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記変調パラメータ情報に従って設定し、前記光受信器を用いて前記親ノードから送信されたユニキャストフレームの載せられた光OFDM信号復号し、
    前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記割当情報を用いて、前記光受信器の復号したユニキャストフレームが自ノード宛か又は他ノード宛かを判定し、他ノード宛である場合、当該ユニキャストフレームを受信して生成したデータを廃棄する、
    光通信システム。
  2. 前記時間周波数割当通知フレームの副搬送波が、前記ユニキャストフレームの副搬送波と異なることを特徴とする請求項1に記載の光通信システム。
  3. 前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記変調パラメータ情報は、割当先である前記子ノードにて所定レベル以上の信号品質で復調できる変調パラメータ範囲内で、ユニキャストフレームの副搬送波が単位時間あたりに搬送可能な最大の情報量となるような変調パラメータであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光通信システム。
  4. 親ノードが複数の子ノードと光ファイバ伝送路を介して接続され、前記親ノードが前記子ノード宛のユニキャストフレームを時間軸と周波数軸の2次元を用いて多重した光OFDM信号を出力する光通信システムに備わる前記子ノードとして機能する通信装置であって、
    予め定められた周期的な所定時間に、全ての前記子ノードにて受信可能な共通の変調パラメータを用いて、ユニキャストフレームを送信する時間スロット及び周波数スロットの割当情報、および、光OFDM信号を構成する各副搬送波の変調パラメータ情報を含む時間周波数割当通知フレームの光OFDM信号復号し、復号した時間周波数割当通知フレームから、前記割当情報で定められたユニキャストフレームが自ノードに入力される時間スロット及び復調パラメータを取得し、
    前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記割当情報で定められたユニキャストフレームが自ノードに入力される時間スロットにおいて、光受信器の復調パラメータを前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記変調パラメータ情報に従って設定し、
    前記光受信器を用いて前記親ノードから送信されたユニキャストフレームの載せられた光OFDM信号復号し、
    前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記割当情報を用いて、前記光受信器の復号した当該ユニキャストフレームが自ノード宛か又は他ノード宛かを判定し、他ノード宛である場合、当該ユニキャストフレームを受信して生成したデータを廃棄する、
    前記子ノードとして機能する通信装置。
  5. 親ノードが複数の子ノードと光ファイバ伝送路を介して接続され、前記親ノードが前記子ノード宛のユニキャストフレームを時間軸と周波数軸の2次元を用いて多重した光OFDM信号を出力する光通信システムにおける光通信方法であって、
    親ノードが、ユニキャストフレームを送信する時間スロット及び周波数スロットの割当情報、および、光OFDM信号を構成する各副搬送波の変調パラメータ情報を含む時間周波数割当通知フレームを搬送するための副搬送波の変調パラメータを、予め定められた周期的な所定時間に、全ての前記子ノードにて受信可能な共通の変調パラメータに設定する第1の設定手順と、
    前記所定時間に、親ノードが前記共通の変調パラメータを用いて生成された光OFDM信号に載せて前記時間周波数割当通知フレームを送出し、前記複数の子ノードが前記共通の変調パラメータを用いて前記時間周波数割当通知フレームの光OFDM信号復号し、復号した時間周波数割当通知フレームから、前記割当情報で定められたユニキャストフレームが自ノードに入力される時間スロット及び復調パラメータを取得する割当通知手順と、
    各子ノードが、前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記割当情報で定められたユニキャストフレームが自ノードに入力される時間スロットにおいて、光受信器の復調パラメータを前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記変調パラメータ情報に従って設定する第2の設定手順と、
    親ノードが、前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記割当情報で定められたユニキャストフレームを、前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記変調パラメータ情報で定められた変調パラメータを用いて生成された光OFDM信号に載せて、各子ノードに送信するユニキャスト送信手順と、
    各子ノードが、前記光受信器を用いて前記親ノードから送信されたユニキャストフレームの載せられた光OFDM信号復号し、前記時間周波数割当通知フレームに含まれる前記割当情報を用いて、前記光受信器の復号したユニキャストフレームが自ノード宛か又は他ノード宛かを判定し、他ノード宛である場合、当該ユニキャストフレームを受信して生成したデータを廃棄するユニキャスト受信手順と、
    を実行する光通信方法。
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