JP5692344B1 - 局舎端末、光アクセスネットワーク及び通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】OFDMを用いる光アクセスネットワークにおいて、LO光の周波数の変更を不要として、周波数帯域の利用効率を向上させる。【解決手段】局舎端末は、それぞれ異なる一定の周波数で生成された光OFDMバンドを多重して通信を行う。隣り合う周波数帯域で送信される光OFDMバンドの中心周波数の周波数間隔Δfは、光OFDMバンドが取り得る帯域幅の最大値よりも小さく設定される。【選択図】図4

Description

この発明は、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を用いる光ネットワークにおける、局舎端末、この局舎端末を備える光アクセスネットワーク、及び通信方法に関するものである。
光アクセスネットワークとして、受動型光加入者ネットワーク(PON:Passive Optical Network)が知られている。PONは、局内に設けられる1つの局舎端末(OLT:Optical Line Terminal)、及び、加入者宅にそれぞれ設けられる複数の加入者端末(ONU:Optical Network Unit)を備えて構成される。OLTとONUは、光スプリッタと呼ばれる光合分波器を介して、光ファイバで接続される。
PONでは、各ONUからOLTに送られる信号(以下、上り光信号と称することもある)は、光スプリッタで合波されてOLTに送信される。一方、OLTから各ONUに送られる信号(以下、下り光信号と称することもある)は、光スプリッタで分波されて各ONUに送信される。なお、上り光信号と下り光信号との干渉を防ぐために、上り光信号と下り光信号には、それぞれ異なる波長が割り当てられる。
PONでは、様々な多重技術が用いられる。PONで用いられる多重技術には、時間軸上の短い区間を各加入者に割り当てる時分割多重(TDM:Time Division Multiplex)技術、異なる波長を各加入者に割り当てる波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)技術、異なる符号を各加入者に割り当てる符号分割多重(CDM:Code Division Multiplex)技術などがある。これらの多重技術の中で、TDMを利用するTDM−PONが、現在最も広く用いられている。TDM−PONでは、TDMA(Time Division Multiple Access)が用いられている。TDMAは、OLTが、各ONUの送信タイミングを管理して、異なるONUからの上り光信号同士が衝突しないように制御する技術である。
PONの代表的なものとして、Gigabit(1×109bit/sec)Ethernet(登録商標)技術を使用した、GE−PONがある。
ところで、現在の光アクセスネットワークでは、モバイルトラフィックの増加や、動画コンテンツの利用拡大などによるネットワークの大容量化の要求に加えて、高効率なネットワークの構築が要求されている。
このようなネットワークを実現する技術として、無線通信において普及しているOFDM技術を光ファイバ伝送に適用させた、光OFDMが注目されている。
図1(A)〜(C)を参照して、光OFDMの特徴について説明する。図1(A)〜(C)は、光OFDMの特徴を説明するための模式図である。図1(A)〜(C)では、横軸に周波数を取って示している。
送信側では、OFDM変調部において、データとしてのビット列を変調することによって、複数のサブキャリアを含むベースバンド信号を生成する。ベースバンド信号に含まれるサブキャリアは、互いに直交関係にある。その後、光送信部において、ベースバンド信号の周波数を光周波数領域まで変換することによって、光OFDMバンドを生成する(図1(A))。この変換はアップコンバーションと呼ばれる。アップコンバーションは、光キャリアをベースバンド信号で変調することによって実現される。
1本の光ファイバを用いる通信において、光OFDMバンドは、宛先に応じてそれぞれ異なる周波数で複数生成される。これら周波数の異なる複数の光OFDMバンドを多重することによって、通信の効率を向上することができる(図1(B))。
受信側では、光受信部において、光OFDMバンドの周波数を、ベースバンド信号の周波数領域まで変換することによって、ベースバンド信号を生成する(図1(C))。この変換はダウンコンバーションと呼ばれる。ダウンコンバーションを実現する技術として、コヒーレント検波がある。コヒーレント検波では、光受信部において、光OFDMバンドと局部発振光源(LO:Local Oscillator)光とを干渉させ、それによって生じた干渉信号を検出する。LO光は、アップコンバーションで用いた光キャリアと同程度の周波数に設定される。その後、OFDM復調部において、ベースバンド信号を復調することによって、データとしてのビット列が生成される。
ここで、光OFDMバンドが占める周波数の帯域幅(バンド幅)を、トラフィックに応じて伸縮させるネットワークが提案されている(非特許文献1)。図2を参照して、非特許文献1に開示されたネットワークにおける通信方法について説明する。図2(A)及び(B)では、横軸に周波数を取って示している。ここでは、2つの異なる周波数で生成された光OFDMバンドを利用して通信を行う例について説明する。OLTは、各周波数の光OFDMバンドを用いて、それぞれ1個以上のONUと通信を行う。共通する一方の周波数が割り当てられたONUを第1グループのONU、共通する他方の周波数が割り当てられたONUを第2グループのONUとする。第1グループとの通信に用いる第1光OFDMバンドは、周波数f1の光キャリアでアップコンバーションされ、中心周波数がf1に設定される。また、第2グループとの通信に用いる第2光OFDMバンドは、周波数f2の光キャリアでアップコンバーションされ、中心周波数がf2に設定される。
第1グループのトラフィックが小さく、かつ第2グループのトラフィックが大きい時間帯では、第1光OFDMバンドのバンド幅が小さく、かつ第2光OFDMバンドのバンド幅が大きく設定される(図2(A))。また、第1グループのトラフィックが大きく、かつ第2グループのトラフィックが小さい時間帯では、第1光OFDMバンドのバンド幅が大きく、かつ第2光OFDMバンドのバンド幅が小さく設定される(図2(B))。非特許文献1に開示されたネットワークでは、このように各グループのトラフィックに応じてバンド幅を伸縮させ、低周波数側に光OFDMバンドを詰めて配置する。その結果、OLTと複数のグループとの間における通信において、周波数帯域の利用効率が向上する。
斉藤洋之他著「変調多値数最適化によるPONの帯域利用効率向上効果」電子情報通信学会総合大会(通信講演論文集2)B−8−65(2013)
しかしながら、非特許文献1のネットワークでは、各光OFDMバンドのバンド幅の伸縮に伴い、それぞれの中心周波数が変化する(図2(A)及び(B)参照)。上述したように、光OFDMバンドをダウンコンバーションする際には、用いるLO光を、アップコンバーションで用いた光キャリアと同程度の周波数に設定する必要がある。従って、非特許文献1のネットワークでは、光OFDMバンドを伸縮させる場合に、光OFDMバンドの中心周波数の変化に応じて、LO光の周波数を変更する必要がある。LO光の周波数の変更には一定の時間を要するため、その間通信が停止する。従って、通信効率が悪化する恐れがある。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、この発明の目的は、OFDMを用いる光アクセスネットワークにおいて、LO光の周波数の変更を不要として、周波数帯域の利用効率を向上させることが可能な局舎端末、光アクセスネットワーク及び通信方法を提供することである。
上述した目的を達成するために、この発明の直交周波数分割多重(OFDM)を用いる光アクセスネットワークにおいて、複数の加入者端末(ONU)と接続される局舎端末(OLT)は、以下の特徴を備えている。
この発明のOLTは、それぞれ互いに異なる周波数帯域に生成され、それぞれ中心周波数が予め決定された値に固定されている、複数の光OFDMバンドを多重して通信を行う。隣り合う周波数帯域で送信される光OFDMバンドの中心周波数の周波数間隔は、光OFDMバンドが取り得る帯域幅の最大値よりも小さく設定される。隣り合う周波数帯域で送信される光OFDMバンドの帯域幅P及びQ(P及びQは正の実数)は、P/2+Q/2が前記周波数間隔となるように設定される。
また、この発明の光アクセスネットワークは、上述のOLTを備えて構成される。
また、この発明のOFDMを用いる光アクセスネットワークにおける通信方法は、以下の特徴を備えている。
この発明の通信方法では、それぞれ互いに異なる周波数帯域に生成され、それぞれ中心周波数が予め決定された値に固定されている、複数の光OFDMバンドを多重して通信を行う。そして、隣り合う周波数帯域で送信する光OFDMバンドの中心周波数の周波数間隔を、光OFDMバンドが取り得る帯域幅の最大値よりも小さく設定する。隣り合う周波数帯域で送信される光OFDMバンドの帯域幅P及びQ(P及びQは正の実数)を、P/2+Q/2が前記周波数間隔となるように設定する。
この発明の局舎端末、光アクセスネットワーク及び通信方法では、隣り合う光OFDMバンドの中心周波数の周波数間隔が、光OFDMバンドが取り得るバンド幅の最大値よりも小さく設定される。そのため、隣り合う光OFDMバンド間において、間隔を空けることなく、各光OFDMバンドのバンド幅を伸縮させることができる。従って、周波数帯域の利用効率を向上させることができる。
また、この発明の局舎端末、光アクセスネットワーク及び通信方法では、各光OFDMバンドの中心周波数の値が一定とされる。そのため、トラフィックに応じて各光OFDMバンドのバンド幅を伸縮させる場合であっても、ダウンコンバーションする際に用いるLO光の周波数を変更する必要がない。LO光の周波数変更に係る時間を要しないため、通信を停止する必要がない。従って、通信効率の悪化を抑制することができる。
(A)〜(C)は、光OFDMの特徴を説明するための模式図である。 (A)及び(B)は、光OFDMを用いる従来の通信方法を説明するための模式図である。 光アクセスネットワークを説明するための模式図である。 (A)及び(B)は、この発明による、光OFDMを用いる通信方法を説明するための模式図である。 OSUの概略構成図である。 ONUの概略構成図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各図は、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
(光アクセスネットワーク)
図3を参照して、光アクセスネットワークについて説明する。図3は、光アクセスネットワークを説明するための模式図である。
PON10は、1つの局舎端末(OLT)20と、光伝送路40を介して接続されているM(Mは1以上の整数)個の加入者端末(ONU)30−1〜Mとを備えて構成される。
光伝送路40は、例えば光ファイバ46及び光スプリッタ44を含んで、スタートポロジーを構成している。
OLT20は、スイッチング素子21、L(Lは1以上の整数)個の終端装置(OSU:Optical Subscriber Unit)23−1〜L、合分波器25及び管理部27を含んで構成される。OSU23−1〜Lは、互いに異なる周波数帯域の光OFDMバンドを用いて、対応する1個以上のONU30と通信を行う。管理部27は、OSU23−1〜Lから送られるトラフィック状況の情報に基づき、OSU23−1〜Lと対応するONU30−1〜Mとの通信で利用させる、光OFDMバンドのバンド幅を割り当てる。OSU23−1〜Lは、管理部27から指示されるバンド幅の光OFDMバンドを用いて、対応するONU30−1〜Mと通信を行う。
なお、以下の説明では、1つのOSU23が通信を行うONU30を1つのグループとして、ONU30−1〜Mをグループ分けする。各グループには1個以上のONU30が含まれる。各OSU23−1〜Lは、互いに異なる周波数の光OFDMバンドを用いて、対応するグループのONU30と通信を行う。
OLT20は、上位ネットワークから受信した下りデータを、スイッチング素子21において宛先に応じて振り分けて、OSU23−1〜Lに送る。OSU23−1〜Lは、下りデータに基づいて光OFDMバンドを生成して、合分波器25に送る。合分波器25は、OSU23−1〜Lから送られる、それぞれ周波数帯域の異なる光OFDMバンドを多重し、光伝送路40を介してONU30−1〜Mに送る。一方、ONU30−1〜Mは、ユーザ端末から受信した上りデータに基づき、光OFDMバンドを生成し、光伝送路40を介してOSU23に送信する。ONU30−1〜Mが生成する光OFDMバンドは、グループ毎に異なる周波数帯域で生成される。
(発明の概要)
図4を参照して、この実施の形態における通信方法の特徴について説明する。図4では、横軸に周波数を取って示している。ここでは、OLTが、各々1個以上のONUが含まれる第1グループ及び第2グループと通信を行う例について説明する。第1グループとの通信に用いる第1光OFDMバンドは、周波数f1の光キャリアでアップコンバーションされ、中心周波数がf1に設定される。また、第2グループとの通信に用いる第2光OFDMバンドは、周波数f2の光キャリアでアップコンバーションされ、中心周波数がf2に設定される。
第1グループのトラフィックが小さく、かつ第2グループのトラフィックが大きい時間帯では、第1光OFDMバンドのバンド幅が小さく、かつ第2光OFDMバンドのバンド幅が大きく設定される(図(A))。また、第1グループのトラフィックが大きく、かつ第2グループのトラフィックが小さい時間帯では、第1光OFDMバンドのバンド幅が大きく、かつ第2光OFDMバンドのバンド幅が小さく設定される(図(B))。
また、第1光OFDMバンドの中心周波数f1及び第2光OFDMバンドの中心周波数f2は、光OFDMバンドが取り得るバンド幅の最大値よりも小さい周波数間隔Δfに設定されている。また、第1光OFDMバンドの中心周波数f1及び第2光OFDMバンドの中心周波数f2は、各々値が固定されている。従って、各中心周波数f1及びf2は、バンド幅の伸縮前後で変化しない(図(A)及び(B)参照)。
この実施の形態では、隣り合う光OFDMバンドの中心周波数の間隔Δfが、光OFDMバンドが取り得るバンド幅の最大値よりも小さく設定されている。そのため、隣り合う光OFDMバンド間において、間隔を空けることなく、各光OFDMバンドのバンド幅を伸縮させることができる。従って、周波数帯域の利用効率を向上させることができる。
また、この実施の形態では、各光OFDMバンドの中心周波数の値が、バンド幅の伸縮前後で変化しない。そのため、トラフィックに応じて各光OFDMバンドのバンド幅を伸縮させる場合であっても、ダウンコンバーションする際に用いるLO光の周波数を変更する必要がない。LO光の周波数変更に係る時間を要しないため、通信を停止する必要がない。従って、通信効率の悪化を抑制することができる。
なお、例えば各グループのトラフィックが大きい場合には、それぞれ通信に用いる光OFDMバンドのバンド幅を可能な限り大きく設定することができる。あるいは、遅延が許容されるグループがあれば、そのグループの光OFDMバンドのバンド幅を小さく設定し、他のグループの光OFDMバンドのバンド幅を大きく設定することもできる。
また、この実施の形態において設定される各光OFDMバンドの中心周波数、及び隣り合う光OFDMバンドの中心周波数の周波数間隔Δfは、システムの運用開始時に予め決定しておくことができる。そして、長期的に観測される通信利用状況に応じて、例えば月毎又は年毎に、中心周波数及び周波数間隔Δfを変更してもよい。その場合には、OSU及びONUが備えるLO光の周波数を、中心周波数及び周波数間隔Δfに応じて変更する。
また、過去のトラフィックの計測結果や統計値等から、各グループのトラフィックの時間推移を把握することができる。この時間推移に基づき、トラフィックが大きくなる時間帯が重複しないグループに対して、隣り合う周波数帯域を割り当てるのが好ましい。その場合には、隣り合う周波数帯域が割り当てられた各グループのトラフィックが、重複するタイミングで大きくなる可能性が低い。そのため、周波数帯域の利用効率を向上させることができる。
(周波数間隔)
この実施の形態の通信方法において、隣り合う光OFDMバンドの中心周波数の周波数間隔Δfは、上述したように光OFDMバンドが取り得るバンド幅の最大値よりも小さく設定される。以下、この周波数間隔Δfを決定する一例について説明する。周波数間隔Δfは、例えば光スペクトル効率A及びONUが含まれるグループあたりの時間平均通信量(ビットレート)Bを用いて決定することができる。
光OFDMバンドのバンド幅の最大値をΔFMAX[Hz]、光スペクトル効率をA[bps/Hz]とすると、光OFDMバンドの1つあたりの最大通信量(ビットレート)BMAX[bps]は、下式(1)で表すことができる。
MAX=AΔFMAX ・・・(1)
また、時間平均通信量(ビットレート)B[bps]は、最大通信量(ビットレート)BMAX[bps]を用いて、下式(2)で表すことができる。なお係数αは0<α<1の実数である。
B=αBMAX ・・・(2)
上式(1)及び(2)から下式(3)が導かれる。
αΔFMAX=B/A ・・・(3)
上式(3)においてB/Aで与えられるαΔFMAXを、隣り合う光OFDMバンドの中心周波数の間隔Δfとして設定することができる。
光OFDMバンドのバンド幅の最大値ΔFMAX及び光スペクトル効率Aは、OFDM変調部や光送信部の性能に基づいて決定することができる。また、グループあたりの時間平均通信量Bは、過去のトラフィックの計測結果や統計値等から決定することができる。
(OSU)
図5を参照して、OLTが備えるOSUについて説明する。図5はOSUの概略構成図である。
OSU200は、下り信号送信部210、上り信号受信部250及び信号制御部280を備えて構成される。OSU200は、上位ネットワークから受け取った下りデータを下り信号送信部210を経てONUに送信し、ONUから受け取った上りデータを上り信号受信部250を経て上位ネットワークへ送る。また、信号制御部280は、下り制御信号を生成して、下り信号送信部210を経てONUに送信し、上り信号受信部250で抽出された上り制御信号を受け取る。
下り信号送信部210は、OFDM変調部220と光送信部230とを直列に備えている。
OFDM変調部220は、従来のOFDM変調器を用いることができる。一例として、例えば、直並列変換部(S/P)、シンボルマッパ、制御信号挿入部、逆高速フーリエ変換部(IFFT:Inverse Fast Fourier Transformer)、並直列変換部(P/S)及びディジタル−アナログ変換部(D/A)を直列に備える構成とすることができる。
OFDM変調部220は、入力された下りデータに基づき、信号制御部280から指示される変調フォーマットで、ベースバンド信号を生成する。ベースバンド信号に含まれるサブキャリアの1つには、信号制御部280から送られる下り制御信号が付加される。ベースバンド信号は、光送信部230に送られる。
光送信部230は、光キャリアをベースバンド信号で変調することによって、下り光OFDMバンドを生成する。光送信部230は、当業者により実現可能であり、ここでは、図示及び詳細な説明を省略する。光送信部230は、信号制御部280から指示されるバンド幅で、下り光OFDMバンドを生成する。
上り信号受信部250は、光受信部260とOFDM復調部270とを直列に備えている。
光受信部260は、例えば、LO261を利用したコヒーレントレシーバを用いて構成することができる。そして、上述したコヒーレント検波によって上り光OFDMバンドを受信し、電気信号に変換する。その結果、上り光OFDMバンドから、ベースバンド信号を生成する。ベースバンド信号は、OFDM復調部270に送られる。
OFDM復調部270は、従来のOFDM復調器を用いることができる。一例として、例えば、アナログ−ディジタル変換部(A/D)、直並列変換部(S/P)、高速フーリエ変換部(FFT)、シンボルデマッパ、制御信号抽出部及び並直列変換部(P/S)を直列に備える構成とすることができる。
OFDM復調部270は、ベースバンド信号を復調することによって、上りデータを生成する。また、ベースバンド信号から、上り制御信号を抽出して信号制御部280に送る。
信号制御部280は、下り制御信号を生成する。下り制御信号には、例えば上り光OFDMバンドの送信タイミングやバンド幅を指示する情報が含まれる。
また、信号制御部280は、上り制御信号に含まれる情報を読み取る。上り制御信号には、例えばONUが要求するバンド幅(要求バンド幅)の情報が含まれる。信号制御部280は、要求バンド幅の情報に基づき、自身が通信を行うグループのトラフィック状況を把握する。そして、このトラフィック状況の情報を管理部27(図3参照)に送る。また、信号制御部280は、管理部27から指示される、利用可能なバンド幅の情報を受け取る。
なお、この実施形態のOSU200が備える各構成要素は、OFDMを用いる従来のOSUと同様に構成できるので詳細な説明は省略している。
(ONU)
図6を参照してONUについて説明する。図6はONUの概略構成図である。
ONU300は、上り信号送信部310、下り信号受信部350及び信号制御部380を備えて構成される。ONU300は、ユーザ端末から受け取った上りデータを上り信号送信部310を経てOSUに送信し、OSUから受け取った下りデータを下り信号受信部350を経てユーザ端末へ送る。また、信号制御部380は、上り制御信号を生成して、上り信号送信部310を経てOSUに送信し、下り信号受信部350で抽出された下り制御信号を受け取る。
上り信号送信部310は、OFDM変調部320と光送信部330とを直列に備えている。下り信号受信部350は、光受信部360とOFDM復調部370とを直列に備えている。上り信号送信部310及び下り信号受信部350の各構成要素の機能については、それぞれOSUの下り信号送信部及び上り信号受信部と同様なので、重複する説明を省略する。
信号制御部380は、上り制御信号を生成する。上り制御信号には、例えば要求バンド幅の情報が含まれる。また、信号制御部380は、下り制御信号に含まれる情報を読み取る。
以上説明したように、この実施の形態の光アクセスネットワーク及び通信方法によれば、各光OFDMバンドの中心周波数の値が一定であり、かつ隣り合う光OFDMバンドの周波数間隔Δfが、光OFDMバンドのバンド幅の最大値よりも小さく設定される。
そのため、各光OFDMバンドのバンド幅を伸縮させる場合であっても、LO光の周波数を変更する必要がない。従って、LO光の周波数変更に係る時間を要しないため、通信効率の悪化を抑制することができる。また、隣り合う光OFDMバンド間において、間隔を空けることなく、各光OFDMバンドのバンド幅を伸縮させることができる。従って、周波数帯域の利用効率を向上させることができる。
10:PON
20:局舎端末(OLT)
21、スイッチング素子
23、200:終端装置(OSU)
25:合分波器
27:管理部
30、300:加入者端末(ONU)
40:光伝送路
44:光スプリッタ
46:光ファイバ
210:下り信号送信部
220、320:OFDM変調部
230、330:光送信部
250:上り信号受信部
260、360:光受信部
261、361:局部発振光源(LO)
270、370:OFDM復調部
280、380:信号制御部
310:上り信号送信部
350:下り信号受信部

Claims (5)

  1. 直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を用いる光アクセスネットワークにおいて、複数の加入者端末と接続される局舎端末であって、
    それぞれ互いに異なる周波数帯域に生成され、それぞれ中心周波数が予め決定された値に固定されている、複数の光OFDMバンドを多重して通信を行い、
    隣り合う周波数帯域で送信される光OFDMバンドの中心周波数の周波数間隔は、光OFDMバンドが取り得る帯域幅の最大値よりも小さく設定され
    隣り合う周波数帯域で送信される光OFDMバンドの帯域幅P及びQ(P及びQは正の実数)は、P/2+Q/2が前記周波数間隔となるように設定される
    ことを特徴とする局舎端末。
  2. 光OFDMバンドの帯域幅の最大値をΔFMAXとして、αΔFMAX(αは0<α<1の実数)で定められる前記周波数間隔は、
    光スペクトル効率をA、及び時間平均通信量をBとして、αΔFMAX=B/Aで与えられるB/Aに設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の局舎端末。
  3. 請求項1又は2に記載の局舎端末を備えて構成される光アクセスネットワーク。
  4. 直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を用いる光アクセスネットワークにおいて、
    それぞれ互いに異なる周波数帯域に生成され、それぞれ中心周波数が予め決定された値に固定されている、複数の光OFDMバンドを多重して通信を行い、
    隣り合う周波数帯域で送信される光OFDMバンドの中心周波数の周波数間隔を、光OFDMバンドが取り得る帯域幅の最大値よりも小さく設定し、
    隣り合う周波数帯域で送信される光OFDMバンドの帯域幅P及びQ(P及びQは正の実数)を、P/2+Q/2が前記周波数間隔となるように設定する
    ことを特徴とする通信方法。
  5. 光OFDMバンドの帯域幅の最大値をΔFMAXとして、αΔFMAX(αは0<α<1の実数)で定められる前記周波数間隔を、
    光スペクトル効率をA、及び時間平均通信量をBとして、αΔFMAX=B/Aで与えられるB/Aに設定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の通信方法。
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