JP6452953B2 - ポリオール含有組成物及び塗床形成用セメント組成物 - Google Patents
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Description
特に、食品系、化学系及び製薬系等の産業における工場や倉庫等の床面の施工には、低臭であるとともに、強靱性及び耐熱性に優れる水硬ウレタン系床材が使用されている。
しかしながら、水硬ウレタン系床材では、一般的に、光沢のある床面を形成することができず、他材料からなる光沢度の高い塗床と比較した場合に、耐汚染性と美観に劣るという問題があった。
そのため、水硬ウレタン系床材において、光沢を出すための方法が模索されており、例えば、尿素を含むことを特徴とするポリウレタン系セメント組成物(特許文献1参照)等が開示されている。
そのため、高光沢な塗床を形成できるとともに、塗膜形成時における作業性に優れる水硬ウレタン系床材が求められているのが現状である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、塗膜を形成する際における作業性に優れており(即ち、十分な可使時間を有するとともに、組成物を良好に延展させることができ)、且つ高光沢の塗床を形成することができるポリオール含有組成物及び塗床形成用セメント組成物を提供することを目的とする。
[1]イソシアネート化合物及び水硬性セメントと共に混合されることにより、被塗床形成面に塗床を形成するための塗床形成用セメント組成物として使用される塗床形成用のポリオール含有組成物であって、
疎水性ポリオールと、水と、2官能以上の水酸基を有する水溶性化合物と、芳香族骨格又はリン原子を有する可塑剤と、を含有しており、
前記水溶性化合物の分子量は、400未満であり、
前記水溶性化合物の水への溶解度(20℃)は、0.5g/mL以上であることを特徴とするポリオール含有組成物。
[2]前記イソシアネート化合物として、ポリメリックMDIが用いられ、
前記ポリメリックMDIにおけるMDIの含有割合は25〜50質量%である前記[1]に記載のポリオール含有組成物。
[3]前記塗床形成用セメント組成物を硬化させて得られる塗床の60度鏡面光沢度が、10以上である前記[1]又は[2]に記載のポリオール含有組成物。
[4]前記水、前記疎水性ポリオール、前記水溶性化合物、及び前記可塑剤の合計を100質量%とした場合に、
前記疎水性ポリオールの含有割合は5〜50質量%であり、
前記水の含有割合は5〜50質量%であり、
前記水溶性化合物の含有割合は0.1〜50質量%であり、
前記可塑剤の含有割合は5〜50質量%である前記[1]乃至[3]のいずれかに記載のポリオール含有組成物。
[5]被塗床形成面に塗床を形成するための塗床形成用セメント組成物であって、
疎水性ポリオールと、水と、2官能以上の水酸基を有する水溶性化合物と、芳香族骨格又はリン原子を有する可塑剤と、イソシアネート化合物と、水硬性セメントと、を含有しており、
前記水溶性化合物の分子量は、400未満であり、
前記水溶性化合物の水への溶解度(20℃)は、0.5g/mL以上であることを特徴とする塗床形成用セメント組成物。
[6]前記イソシアネート化合物として、ポリメリックMDIを含有しており、
前記ポリメリックMDIにおけるMDIの含有割合は25〜50質量%である前記[5]に記載の塗床形成用セメント組成物。
[7]硬化させて得られる塗床の60度鏡面光沢度が、10以上である前記[5]又は[6]に記載の塗床形成用セメント組成物。
[8]前記水、前記疎水性ポリオール、前記水溶性化合物、及び前記可塑剤の合計を100質量%とした場合に、
前記疎水性ポリオールの含有割合は5〜50質量%であり、
前記水の含有割合は5〜50質量%であり、
前記水溶性化合物の含有割合は0.1〜50質量%であり、
前記可塑剤の含有割合は5〜50質量%である前記[5]乃至[7]のいずれかに記載の塗床形成用セメント組成物。
また、イソシアネート化合物として、特定量のMDIを含むポリメリックMDIが用いられる場合には、塗膜を形成する際の作業性をより向上させることができる。
更に、疎水性ポリオール、水、水溶性化合物、及び可塑剤が、それぞれ、特定の含有割合である場合には、イソシアネート化合物及び水硬性セメントと容易に混合することができ、塗床形成用セメント組成物を容易に調製することができる。また、得られた塗床形成用セメント組成物によれば、塗膜を形成する際の作業性をより向上させることができるとともに、より光沢度の高い塗床を形成することができる。
本発明の塗床形成用セメント組成物は、冬場の低温期であっても高粘度とならず、塗膜を形成する際の作業性に優れており(即ち、十分な可使時間を有するとともに、本組成物を良好に延展させることができ)、高光沢の塗床を形成することができる。
また、イソシアネート化合物として、特定量のMDIを含むポリメリックMDIを含有する場合には、塗膜を形成する際の作業性をより向上させることができる。
更に、疎水性ポリオール、水、水溶性化合物、及び可塑剤が、それぞれ、特定の含有割合である場合には、塗膜を形成する際の作業性をより向上させることができるとともに、より光沢度の高い塗床を形成することができる。
[1]ポリオール含有組成物
本発明のポリオール含有組成物は、イソシアネート化合物及び水硬性セメントと共に混合されることにより、被塗床形成面に塗床を形成するための塗床形成用セメント組成物として使用されるものであって、疎水性ポリオールと、水と、2官能以上の水酸基を有する水溶性化合物と、芳香族骨格又はリン原子を有する可塑剤と、を含有する。
<疎水性の基準>
ポリオール及び水を1:1で混合した際に、乳化することなく、十分に静置することで油層成分と水層成分が分離すること。
ひまし油系ポリオールとしては、例えば、ひまし油、ひまし油の誘導体等が挙げられる。
ダイマー酸系ポリオールとしては、例えば、ダイマージオールとアジピン酸やセバチン酸等の二塩基性酸とのポリエステル、ダイマー酸やダイマージオールにプロピレンオキサイドやエチレンオキサイドを付加重合したアルキレンポリオール等が挙げられる。
ポリジエン系ポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、及びこの水素添化物等が挙げられる。
ポリイソプレン系ポリオールとしては、例えば、ポリイソプレンポリオール、及びこの水素添加物等が挙げられる。
大豆油変性ポリオールとしては、例えば、エポキシ化大豆油変性ポリオール、大豆油誘導体等が挙げられる。
尚、これらの疎水性ポリオールは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
疎水性ポリオールの水酸基価は、30〜300mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは40〜250mgKOH/g、更に好ましくは100〜180mgKOH/gである。尚、水酸基価は、JIS K1557−1又はJIS K0070に準じて測定することができる。
疎水性ポリオールの含有割合が上記範囲内である場合、塗膜を形成する際の作業性をより向上させることができるとともに、より光沢度の高い塗床を形成することができるため好ましい。
水の含有割合は、疎水性ポリオール、水、水溶性化合物、及び可塑剤の合計を100質量%とした場合に、5〜50質量%であり、より好ましくは10〜45質量%、更に好ましくは15〜40質量%である。
この水の含有割合が上記範囲内である場合、塗膜を形成する際の作業性をより向上させることができるとともに、より光沢度の高い塗床を形成することができるため好ましい。
また、この水溶性化合物は、2官能以上(好ましくは2〜10官能、より好ましくは2〜8官能)の水酸基を有するものである。
更に、この水溶性化合物の分子量(Mw)は、400未満(通常、40以上)であり、好ましくは50〜200、より好ましくは60〜160である。
この水溶性化合物の含有割合が上記範囲内である場合、塗膜を形成する際の作業性をより向上させることができるとともに、より光沢度の高い塗床を形成することができるため好ましい。
上記可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、及びフタル酸ジブチル等のフタル酸エステル、トリメリット酸トリオクチル等のトリメリット酸エステル、安息香酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸エステル等の芳香族骨格を有するものや、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリキシレニル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリクレシル等のリン酸エステル等のリン原子を有するものが挙げられる。尚、上記可塑剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この可塑剤の含有割合が上記範囲内である場合、塗膜を形成する際の作業性をより向上させることができるとともに、より光沢度の高い塗床を形成することができるため好ましい。
上記他の添加剤としては、例えば、着色トナー、界面活性剤、流動化剤、レベリング剤、消泡剤、分散剤、湿潤剤、減水剤、脱泡剤、シランカップリング剤、凍結防止剤、防腐剤、急結剤、防錆剤、起泡剤、発泡剤、増粘剤、触媒、速硬剤、遅硬剤、pH調整剤等が挙げられる。尚、これらの添加剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリイソシアネートとしては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートが挙げられる。
上記脂環族イソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート(CHDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水素添加XDI(H6XDI)、水素添加MDI(H12MDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)等が挙げられる。
尚、これらのイソシアネート化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ポリメリックMDIにおけるMDI(2核体成分)の含有割合は、25〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは30〜45質量%、更に好ましくは34〜44質量%である。この含有割合が上記範囲内である場合、塗膜を形成する際の作業性をより向上させることができる。
このイソシアネート化合物の配合割合が上記範囲内である場合、塗床形成用セメント組成物を容易に調製することができる。更には、得られた組成物を用いて塗床を形成する際において、塗膜を形成する際の作業性に優れ、強靭な塗膜を得られるため好ましい。
上記水硬性セメントとしては、例えば、ホワイトセメント、ポルトランドセメント、アルミナセメント等が挙げられる。
尚、上記水硬性セメントは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この水硬性セメントの配合割合が上記範囲内である場合、塗床形成用セメント組成物を容易に調製することができる。更には、得られた組成物を用いて塗床を形成する際において、塗膜を形成する際の作業性に優れ、膨れ等の不具合がなく強靭な塗膜が得られるため好ましい。
本発明の塗床形成用セメント組成物は、被塗床形成面に塗床を形成するための組成物であって、疎水性ポリオールと、水と、2官能以上の水酸基を有する水溶性化合物と、芳香族骨格又はリン原子を有する可塑剤と、イソシアネート化合物と、水硬性セメントと、を含有する。
尚、この組成物における、疎水性ポリオール、水、水溶性化合物、及び可塑剤については、上述のポリオール含有組成物における各説明をそのまま適用することができる。
また、塗床形成用セメント組成物におけるイソシアネート化合物の含有割合は、疎水性ポリオール、水、水溶性化合物、及び可塑剤の合計を100質量%とした場合に、50〜200質量%であることが好ましく、より好ましくは70〜150質量%、更に好ましくは80〜120質量%である。
このイソシアネート化合物の含有割合が上記範囲内である場合、塗膜を形成する際の作業性に優れ、強靭な塗膜を得られるため好ましい。
また、塗床形成用セメント組成物における水硬性セメントの含有割合は、疎水性ポリオール、水、水溶性化合物、及び可塑剤の合計を100質量%とした場合に、50〜300質量%であることが好ましく、より好ましくは100〜200質量%、更に好ましくは120〜180質量%である。
この水硬性セメントの含有割合が上記範囲内である場合、塗膜を形成する際の作業性に優れ、膨れ等の不具合がなく強靭な塗膜が得られるため好ましい。
上記骨材としては、例えば、珪砂、消石灰、セラミック粉体、合金骨材、金属骨材、スチール繊維、鉱物骨材、硬質鉱物骨材、フライアッシュ、シリカヒューム、高炉スラグ等が挙げられる。
尚、上記骨材は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、例えば、予め、疎水性ポリオールと、水と、2官能以上の水酸基を有する水溶性化合物と、芳香族骨格又はリン原子を有する可塑剤と、必要に応じて、他の添加剤と、を混合して、乳化ポリオールAを調製する。その後、この乳化ポリオールAと、イソシアネート化合物と、水硬性セメントと、必要に応じて、骨材と、他の添加剤と、を混合することにより、塗床形成用セメント組成物を調製することができる。尚、乳化ポリオールAの調製時において、水溶性化合物は、着色トナー等の他の添加剤と予め混合した状態で、配合してもよい。また、この乳化ポリオールAとして、上述のポリオール含有組成物を用いてもよい。
また、予め、疎水性ポリオールと、水と、芳香族骨格又はリン原子を有する可塑剤と、必要に応じて他の添加剤と、を混合して、乳化ポリオールBを調製する。その後、この乳化ポリオールBと、2官能以上の水酸基を有する水溶性化合物と、イソシアネート化合物と、水硬性セメントと、必要に応じて、骨材と、他の添加剤と、を混合することにより、塗床形成用セメント組成物を調製することもできる。尚、水溶性化合物については、着色トナー等の他の添加剤や骨材と予め混合した状態で、配合してもよい。
また、本発明の組成物を用いて塗床を形成する場合、被塗床形成面に、塗床形成用セメント組成物を塗布する塗布工程と、塗布工程により得られた塗膜を硬化させる硬化工程とを備える塗床形成方法によって、塗床を形成することができる。
上記塗布方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
上記塗膜の膜厚は特に限定されず、例えば、1〜15mm(特に2〜10mm)とすることができる。
上記硬化方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。具体的には、自然乾燥や熱風乾燥等によって乾燥させることで塗膜を硬化させることができる。
光沢を出すことができない従来の水硬ウレタン系床材の場合、硬化前の塗膜においては、まず、乳化ポリオールと、イソシアネート化合物と、水硬性セメントや骨材からなるセメント成分と、の3成分が混合されたことによって、乳化ポリオールのエマルションが崩れ、ポリオール成分及びイソシアネート化合物を主とする層(表層側)と、セメント成分及び水を主とする層(下地側)とに分離する段階が生じる。そして、硬化する間に、セメント成分が徐々に沈降し、表層へ樹脂分が出てくるが、その際には、水硬性セメント等のセメント成分が樹脂分に含まれているため、光沢のない塗床となる。
一方、本発明においては、上記3成分の混合系に水溶性化合物が存在しているため、水溶性化合物、水及びイソシアネート化合物を主とする層が、上記表層側の層と、上記下地側の層との間に形成される。そして、この中間層の存在により、表層へ出てくる樹脂分におけるセメント成分量が低減され、最表層にセメント成分を含まない疎水性樹脂層が形成されるため、光沢のある塗床が得られると推測される。
(1−1)実施例1
表1に示すように、ヒマシ油(疎水性ポリオール)35部と、水30部と、リン酸トリクレジル(TCP)(リン原子を有する可塑剤)20部と、ソルビトール(水溶性化合物)5部と、添加剤10部(着色トナー5部、界面活性剤2部、消泡剤3部)と、を混合することにより、乳化ポリオールを調製した。
その後、表4に示すように、得られた乳化ポリオール100部と、ポリメリックMDI(イソシアネート化合物)100部と、ホワイトセメント(水硬性セメント)150部と、珪砂(骨材)330部と、消石灰(骨材)20部と、を混合することにより、実施例1の塗床形成用セメント組成物を調製した。
表1〜表5に示すように、各原料の種類及び配合割合を変更したこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2〜17及び比較例1〜8の塗床形成用セメント組成物を調製した。
また、表4〜表5における、「イソシアネート化合物」欄及び「水硬性セメント」欄における括弧内の数値は、添加剤を除く乳化ポリオール原料の合計100質量%に対する、各々の含有割合を示す。
<疎水性ポリオール>
ヒマシ油[伊藤製油株式会社製、商品名「URIC H−30」、水酸基価:160mgKOH/g、官能基数;2.7、分子量;930]
<可塑剤>
TCP;リン酸トリクレジル[リン原子を有する可塑剤]
DINP;フタル酸ジイソノニル[芳香族骨格を有する可塑剤]
<水溶性化合物>
ソルビトール[官能基数(水酸基);6、分子量;182]
ポリエチレングリコール[日油株式会社製、商品名「PEG200」、官能基数(水酸基);2、分子量;200]
エチレングリコール[官能基数(水酸基);2、分子量;62]
プロピレングリコール[官能基数(水酸基);2、分子量;76]
1,4−ブタンジオール[官能基数(水酸基);2、分子量;90]
グリセリン[官能基数(水酸基);3、分子量;92]
ジエチレングリコール[官能基数(水酸基);2、分子量;106]
トリメチロールプロパン[官能基数(水酸基);3、分子量;134]
ヘキサンジオール[官能基数(水酸基);2、分子量;118]
トリエタノールアミン[官能基数(水酸基);3、分子量;146]
スクロース[官能基数(水酸基);8、分子量;342]
<添加剤>
着色トナー[大日精化株式会社製、商品名「FTR」]
界面活性剤[伊藤製油株式会社製、商品名「SURFRIC CO−10」]
消泡剤[伊藤製油株式会社製、商品名「A−S−A DF−1」]
<イソシアネート化合物>
(a)ポリメリックMDI[日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネート 1130」、MDIの含有割合;45%]
(b)ポリメリックMDI[日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「ミリオネートMR−200」、MDIの含有割合;41%]
(c)ポリメリックMDI[日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「ミリオネートMR−400」、MDIの含有割合;30%]
<水硬性セメント>
ホワイトセメント[太平洋セメント株式会社製、商品名「ホワイトセメント」]
<骨材>
珪砂[丸尾カルシウム株式会社製、商品名「珪砂4号」、「同6号」及び「同7号」を、3.0:6.5:0.5で混合して使用]
消石灰[住友大阪セメント株式会社製、商品名「消石灰」]
ポリプロピレングリコール[親水性ポリオール、三洋化成工業株式会社製、商品名「GP−1000」、水酸基価;168mgKOH/g、官能基数;3、分子量;1000]
DOA;アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)[可塑剤]
1−ブタノール[官能基数(水酸基);1、分子量;74、水溶性]
ペンタエリスリトール[官能基数(水酸基);4、分子量;136、不溶性(水への溶解度;0.5g/mL未満)]
ポリプロピレングリコール[株式会社ADEKA製、商品名「P−400」、官能基数(水酸基);2、分子量;400、水溶性]
1,9−ノナンジオール、2−メチルー1,8オクタンジオール混合物[株式会社クラレ製、商品名「ND−15」、官能基数(水酸基);2、分子量;160、不溶性(水への溶解度;0.5g/mL未満)]
上記[1]で得られた各塗床形成用セメント組成物を、240mm×240mmのスレート板(被塗床形成面)上に塗布して延展し、4mm厚の塗膜を形成した。その後、常温で約72時間静置して硬化させ、塗床を形成した。
尚、塗床形成時において、各組成物を塗布する際の作業性を、下記の基準で評価した。その結果を表4及び表5に併記する。
◎;可使時間が十分にあり、良好に延展することができる
○;可使時間が十分にあり、問題なく延展することができる
×;可使時間が短い、又は、粘度が高く延展することが難しい
上記[2]で形成された各塗床における60度鏡面光沢度を、光沢度計(株式会社堀場製作所製、型番「IG−331」)を用い、JIS K 5600−4−7に準じて測定した。その結果を表4及び表5に併記する。
表4及び表5によれば、比較例1〜8の塗床形成用セメント組成物を用いて塗床を形成した場合には、塗膜形成時における作業性は「○」であったが、60度鏡面光沢度が2〜7であり、光沢度の高い塗床を形成することができなかった。
これに対して、実施例1〜17の塗床形成用セメント組成物を用いて塗床を形成した場合には、塗膜形成時における作業性が「○」又は「◎」であるとともに、60度鏡面光沢度が26〜88であり、光沢度の高い塗床を形成することができた。
Claims (6)
- イソシアネート化合物及び水硬性セメントと共に混合されることにより、被塗床形成面に塗床を形成するための塗床形成用セメント組成物として使用される塗床形成用のポリオール含有組成物であって、
疎水性ポリオールと、水と、2官能以上の水酸基を有する水溶性化合物と、可塑剤と、を含有しており、
前記水溶性化合物の分子量は、400未満であり、
前記水溶性化合物の水への溶解度(20℃)は、0.5g/mL以上であり、
前記可塑剤は、トリメリット酸エステル及び安息香酸エステルから選ばれる少なくとも1種であり、
前記水、前記疎水性ポリオール、前記水溶性化合物、及び前記可塑剤の合計を100質量%とした場合に、
前記疎水性ポリオールの含有割合は5〜50質量%であり、
前記水の含有割合は5〜50質量%であり、
前記水溶性化合物の含有割合は0.1〜50質量%であり、
前記可塑剤の含有割合は5〜50質量%であることを特徴とするポリオール含有組成物。 - 前記イソシアネート化合物として、ポリメリックMDIが用いられ、
前記ポリメリックMDIにおけるMDIの含有割合は25〜50質量%である請求項1に記載のポリオール含有組成物。 - 前記塗床形成用セメント組成物を硬化させて得られる塗床の60度鏡面光沢度が、10以上である請求項1又は2に記載のポリオール含有組成物。
- 被塗床形成面に塗床を形成するための塗床形成用セメント組成物であって、
疎水性ポリオールと、水と、2官能以上の水酸基を有する水溶性化合物と、可塑剤と、イソシアネート化合物と、水硬性セメントと、を含有しており、
前記水溶性化合物の分子量は、400未満であり、
前記水溶性化合物の水への溶解度(20℃)は、0.5g/mL以上であり、
前記可塑剤は、トリメリット酸エステル及び安息香酸エステルから選ばれる少なくとも1種であり、
前記水、前記疎水性ポリオール、前記水溶性化合物、及び前記可塑剤の合計を100質量%とした場合に、
前記疎水性ポリオールの含有割合は5〜50質量%であり、
前記水の含有割合は5〜50質量%であり、
前記水溶性化合物の含有割合は0.1〜50質量%であり、
前記可塑剤の含有割合は5〜50質量%であることを特徴とする塗床形成用セメント組成物。 - 前記イソシアネート化合物として、ポリメリックMDIを含有しており、
前記ポリメリックMDIにおけるMDIの含有割合は25〜50質量%である請求項4に記載の塗床形成用セメント組成物。 - 硬化させて得られる塗床の60度鏡面光沢度が、10以上である請求項4又は5に記載の塗床形成用セメント組成物。
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