以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1−1.情報提供装置の一例〕
まず、図1を用いて、本願に係る情報処理装置の一例である情報提供装置が実行する処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報提供装置が実行する決定処理の一例を示す図である。図1では、情報提供装置10は、インターネット等の所定のネットワークNを介して、任意のクライアントが使用するクライアントサーバ101、および、任意の利用者U01が使用する端末装置200と通信可能である。
なお、情報提供装置10は、任意の数のクライアントサーバ101や、任意の数の端末装置200と通信可能であるものとする。また、後述する説明では、クライアントサーバ101を使用するクライアントとは別のクライアントが使用するクライアントサーバ102についても説明するが、以下の説明では、クライアントサーバ101、102をクライアントサーバ100と総称する場合がある。
情報提供装置10は、所謂電子商店街のサービスを提供する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。具体的な例を説明すると、情報提供装置10は、電子商店街を介して商品の販売を行うクライアント(以下、「販売者」と記載する場合がある。)から商品の登録を受付ける。このような場合、情報提供装置10は、画像や価格、広告等といった登録された商品に関する情報を、エンドユーザである利用者U01に対して提供する。そして、情報提供装置10は、利用者U01から、商品の購入を受付ける。なお、情報提供装置10は、電子商店街のサービスではなく、例えば、入札形式で商品の電子商取引を行うサービス、すなわち、オークションに関するサービスの提供を行ってもよい。
クライアントサーバ100は、販売者となるクライアントが使用するサーバ装置である。なお、クライアントサーバ100は、所謂PC(Personal Computer)といった情報処理装置であってもよい。例えば、クライアントサーバ100は、商品の画像や販売価格、商品の説明、送料等といった商品の電子商取引に用いられる各種の情報を情報提供装置10に登録する。
端末装置200は、利用者U01が使用する端末装置であり、例えばスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、3G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。なお、端末装置200は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。
ここで、電子商店街のサービスを介して商品の提供を行う場合、以下の処理が実行させる。例えば、端末装置200は、情報提供装置10に対し、商品の名称、種別、特徴、説明、価格帯等、電子商取引の対象とする商品を検索するための検索クエリを送信する。このような場合、情報提供装置10は、販売者によって登録された商品のうち、受信した検索クエリと合致する商品を検索する。そして、情報提供装置10は、検索した商品の説明や商品価格等、商品に関する各種の情報(以下、「商品情報」と記載する)を配置したコンテンツであって、商品を販売するウェブページや商品を販売する仮想的な店舗へのリンクが設定されたコンテンツ、すなわち、商品の販売に関する販売コンテンツを配置したウェブページを端末装置200に対して送信する。
〔1−2.販促割合に応じた情報提供について〕
ここで、情報提供装置10は、販売者が各商品に対して予め設定する販促割合に応じた情報提供を行う。より具体的には、情報提供装置10は、商品の登録時に、商品価格のうち販売促進費とする割合である販促割合の登録を受付ける。このような場合、情報提供装置10は、商品価格に販促割合を積算した値、すなわち、販売促進費を算出する。
このような販売促進費は、電子商店街に関する各種サービスの提供や、電子商店街の運営費等として用いられるだけではなく、販売者によって登録された商品に関する各種の情報を利用者U01に対して提供する処理、すなわち、商品の広告を利用者に対して提供する際の広告費としても用いられる。
例えば、情報提供装置10は、商品の販売コンテンツをランキング形式で配置したウェブページを検索結果として配信する場合、販売促進費の額や販促割合の値がより大きい商品の販売コンテンツを優先的に配置した(すなわち、より上位に配置した)ウェブページを生成し、生成したウェブページを利用者に対して配信する。このため、販売者は、販促割合をより高い値に設定することで、商品の販売コンテンツを優先的に提示させ、商品の販売機会を確保することができる。なお、情報提供装置10は、商品が利用者U01によって購入された場合には、商品価格に販促割合を積算した値、すなわち、販売促進費を販売者に課金する。
〔1−3.利用者に対する利益の提供について〕
ここで、販売促進費の一部を用いて、商品価格の割引(すなわち、セール)やクーポンの発行、電子商店街や商品を販売する仮想的な商店内で使用可能なポイントの付与等、利用者U01に対して各種の利益を提供することで、商品の販売機会を増大させるといった手法が考えられる。すなわち、販売促進費の一部を利用者に利益を提供するための提供費用とすることで、商品の検索結果から商品を販売するウェブページへ利用者を誘導する回数や購入回数等を増やす手法が考えられる。換言すると、セールやクーポンを提供することで、コンバージョンへと利用者を誘導するという販売コンテンツの訴求効果を増大させる手法が考えられる。
しかしながら、販売促進費のうち提供費用とする額が高すぎる場合には、商品あたりの販売利益が減少し、情報提供装置10の管理者が得る額(以下、「管理費用」と記載する場合がある。)の総額が減少してしまう恐れがある。また、提供費用の額が少ない場合には、商品の販売コンテンツが有する訴求効果が減少し、商品の販売数が低下する結果、管理費用の総額が減少してしまう恐れがある。
一方、提供費用とする額が多すぎる場合には、販売コンテンツが有する訴求効果が増大し、商品の販売数が増加する一方で、商品あたりの管理費用の額が低下する結果、管理費用の総額が減少する恐れがある。
〔1−4.決定処理について〕
そこで、情報提供装置10は、販売促進費のうち提供費用とする範囲を決定する決定処理を実行する。具体的には、情報提供装置10は、販促割合の値等、商品の販売促進費を示す情報を取得する。そして、情報提供装置10は、取得した情報が示す販売促進費のうち、商品を購入する利用者に対して利益を提供するために用いられる提供費用とする額または割合を、商品の販売に関する販売コンテンツの訴求効果に応じて決定する。
例えば、商品が人気商品である場合や希少商品である場合、販売価格が他の店舗と比較して安い場合等は、商品の販売に関する販売コンテンツが利用者を購入へと誘導する効果が高いため、セールやクーポンの提供等といった利益の提供を行わずともよいと予測される。一方、商品がありふれた商品である場合や販売価格が高い場合等は、販売コンテンツが利用者を購入へと誘導する効果が低いため、セールやクーポンの提供等といった利益の提供を行わなければ、商品が売れず、管理費用を得ることができないと予測される。
そこで、情報提供装置10は、販売コンテンツの訴求効果を示す各種の指標や情報に基づいて、販売促進費のうち提供費用とする範囲を決定し、決定した提供費用を用いて、セールやクーポンの提供等といった利用者への各種利益の提供を行う。
〔1−4−1.利用者に対する利益の提供について〕
ここで、利用者に対して提供される利益とは、例えば、商品価格を値引くセールやクーポンの発行、商品を販売する店舗や電子商店街若しくは現実の店舗等で使用可能なポイントの付与等、商品を購入する利用者に対して提供される任意の利益である。情報提供装置10は、商品が販売された際に課金する販売促進費の一部を提供費用とし、提供費用を原資として商品のセールやクーポンの発行、ポイントの付与等を行う。すなわち、情報提供装置10は、販売促進費の一部を提供費用として、商品を購入する利用者に対し、提供費用の還元を行う。
なお、利用者に対して提供される利益は、上述した行為に限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、指定された商品を同時購入すると商品の割引が行われる等、所定の使用条件が設定されたクーポンの発行、他の商品の商品価格を割り引くクーポンの発行等を行ってもよい。また、情報提供装置10は、送料を無料にするクーポンの発行や保証期間を延長するクーポンの発行等を行ってもよい。また、情報提供装置10は、ポイントの付与のみならず、商品を購入した際に生じるポイント増額等を行ってもよい。すなわち、情報提供装置10は、利用者に対して利益を提供する行為であるならば、任意の行為を行ってよい。
なお、「販売促進費」とは、管理者が商品を販売を促進するために販売者から得る費用に限定されるものではない。すなわち、情報提供装置10は、販売者から得る費用から利用者に対して利益を提供するのであれば、任意の名目で販売者から得た費用を用いて、利益の提供を行ってよい。また、例えば、情報提供装置10は、販売促進費とは個別に提供費用を扱ってもよい。より具体的には、情報提供装置10は、販売促進費に関わらず、商品に対して適切な提供費用の決定を行い、決定した提供費用を販売者に対して課金してもよい。このような場合、情報提供装置10は、提供費用とは別に、電子商店街の各種管理に関する費用を販売者に対して課金してもよく、しなくともよい。
〔1−4−2.訴求効果について〕
ここで、利用者に対して各種の利益が提供される場合や、利益の提供を利用者に対して示唆した場合には、利用者に対して商品を印象付ける結果、商品に関する各種の情報を利用者に印象付ける(すなわち、情報を訴求させる)ことができると考えられる。例えば、セールやクーポンによる値引き額や割引率、付与されるポイント等、提供される利益の内容を利用者に示唆した場合にも、利用者に対して商品を印象付け、商品を販売するウェブページや店舗へと誘導することができると考えられる。
また、上述した各種の利益が提供される場合や、利益の内容を示唆した場合は、商品を販売するウェブページへの送客や商品の購入等各種コンバージョンへと利用者を誘導するのみならず、商品を販売する店舗の情報を利用者に印象付けたり、店舗のトップページへと利用者を誘導することができると考えられる。すなわち、利用者に対して利益を提供した場合には、商品自体の情報のみならず、商品の販売者や販売店舗、商品が販売される電子商店街等、商品に関連する各種の情報を利用者に対して訴求させることができると考えられる。
そこで、情報提供装置10は、商品に関連する各種の情報の訴求効果であって、利用者に対して利益が提供されることにより生じる訴求効果を提供費用を決定するための指標として取得する。例えば、情報提供装置10は、同種の商品の情報を表示した際に、商品を販売するウェブページや販売者のウェブページ等に利用者が遷移した割合である送客率や、購入された回数に基づくCVR(Conversion Rate)等を訴求効果を示す指標として取得する。なお、情報提供装置10は、履歴に基づく送客率やCVRのみならず、提供費用の算出対象とする商品について予測される送客率やCVRの値を指標としてもよい。また、情報提供装置10は、セールやクーポンの割引額や値引き率、ポイントの額等を指標としてもよい。
また、情報提供装置10は、提供費用の算出対象となる商品自体または同種の商品に対する利用者の評価や、販売者の評価、商品を販売する仮想的な店舗の評価等、各種の評価を指標としてもよい。また、情報提供装置10は、提供費用の算出対象となる商品自体または同種の商品の販売実績や売上総額等を指標としてもよい。また、情報提供装置10は、商品がどのような日時に良く売れているか、どのような価格帯の際に売れているか等といった商品の販売傾向を指標としてもよい。また、情報提供装置10は、提供費用の算出対象となる商品に対して設定された商品価格自体や、同種の商品に対して設定された商品価格との差を示す情報を指標としてもよい。また、情報提供装置10は、利用者に対して提供される利益の内容(例えば、割引額や割引率、ポイントの数等)を指標としてもよい。
また、上述した情報以外にも、情報提供装置10は、商品に関連する情報の訴求効果であって、利用者に対して提供される利益により生じる訴求効果を示す情報であれば、任意の情報を指標として用いてもよい。そして、情報提供装置10は、取得した情報が示す販売促進費のうち、商品を購入する利用者に対して利益を提供するために用いられる提供費用とする額または割合を、各種の指標に基づいて決定する。
〔1−4−3.決定処理について〕
より具体的には、情報提供装置10は、提供費用として、商品の商品価格からの値引に伴うセール費用、または、クーポンの使用に伴うクーポン費用の少なくとも一方を決定する。例えば、情報提供装置10は、セール費用として「100円」を決定した場合には、販売者が設定した商品価格から「100円」を値引くセールを行う。また、例えば、情報提供装置10は、商品価格が「3000円」の商品について、クーポン費用「300円」を決定した場合には、商品価格から10%を割り引くクーポンの発行を行う。なお、情報提供装置10は、クーポン費用が送料よりも多い場合には、送料無料のクーポンの発行を行ってもよい。また、情報提供装置10は、セール費用やクーポン費用を必ずしも全額使用する必要はない。
ここで、情報提供装置10は、情報提供装置10の管理者(以下、単に「管理者」と記載する。)の利益が最大化するように、提供費用の額や割合を決定する。例えば、情報提供装置10は、提供費用を増額した際に、提供費用の増額に伴う管理者の利益総額の減少よりも、商品の販売数の増大に伴う管理者の利益総額の増大が大きい場合には、提供費用の額をより高い値に増額する。また、情報提供装置10は、提供費用を減額した際に、商品の販売数の減少に伴う管理者の利益総額の減少よりも、提供費用の減額に伴う管理者の利益総額の増大が大きい場合には、提供費用の額をより安い値に減額する。
ここで、情報提供装置10は、上述した指標以外にも、各種の情報を考慮して、提供費用の額や割合を決定してもよい。例えば、同種の商品であって、商品価格が同じ複数の商品に対し、同じ割引率のクーポンを設定したとしても、商品の販売開始時期が異なる場合には、より新しい商品の方が売れやすいと考えられる。そこで、情報提供装置10は、商品の販売が開始されてから経過した時間を考慮して、提供費用の額や割合を決定してもよい。例えば、情報提供装置10は、商品の販売が開始されてから経過した時間が所定の期間を超える場合には、提供費用を増額させ、割引額やクーポンによる割引率を増やしてもよい。
また、エンドユーザである利用者によっては、セールよりもクーポンの方が好きな利用者や、ポイントの方が好きといった状態も考えられる。また、利用者によっては、セールよりもクーポンやポイントが設定された商品をよく購入するといった趣向を有するとも考えられる。すなわち、利用者に対して提供される利益による訴求効果は、利用者の属性等に応じて変化すると予測される。
そこで、情報提供装置10は、商品の情報を提供する利用者の属性や、利用者に対して提供された利益の履歴の少なくともいずれか一方に応じて、利益の内容の設定を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者が選択したクーポンの内容、利用者の性別や年代、利用者が電子商店街の有料会員であるか否か、利用者がポイントを集めているか否か等を考慮して、利用者に対して商品に関連する情報を十分に訴求させることができる利益の内容を特定してもよい。例えば、情報提供装置10は、クーポンが好きな利用者に対してクーポンを配信し、セールが好きな利用者に対してセールを設定し、ポイントが好きな利用者に対してポイントを付与するといった利益の内容を決定してもよい。また、情報提供装置10は、リピーターにしたい新規なユーザーに対しては、クーポンやセールによる割引額や割引率を増加させてもよい。
また、商品を販売する仮想的な店舗の評価や販売実績、販売形態の傾向等によっても、利用者に対して提供される利益による訴求効果は、変化すると考えられる。そこで、情報提供装置10は、商品を販売する仮想的な店舗の販売実績や、商品の販売形態の傾向の少なくともいずれか1つを考慮して、提供費用を決定してもよい。例えば、情報提供装置10は、店舗が同種の商品をどれくらい販売しているか、すなわち、同種の商品の販売についての信用度を考慮して、提供費用を決定してもよい。また、情報提供装置10は、商品を販売する店舗がどのような形態で商品を販売しているかといった販売形態の傾向を考慮して、提供費用を決定してもよい。
〔1−4−4.提供する利益について〕
また、情報提供装置10は、上述した各種の指標や情報に基づいて、提供費用を用いて利用者に提供される利益の態様を決定してもよい。例えば、情報提供装置10は、セールを提供するか、クーポンを提供するか、ポイントを提供するか等といった提供態様を利用者ごとに決定してもよい。また、情報提供装置10は、セールにおける値引き額、クーポンの割引率や適用対象といった内容、付与するポイント等を上述した指標や各種の情報に基づいて決定してもよい。
また、例えば、情報提供装置10は、有効期限が設定されたポイントの付与を決定してもよい。このようなポイントの有効期限が経過した場合には、使用されなかったポイント分の利益を管理者の利益とすることができる。
また、情報提供装置10は、商品を販売する販売者が設定した販促割合に基づいて販売促進費を算出する。そして、情報提供装置10は、上述した指標や各種の情報を考慮して、販売促進費のうち提供費用とする範囲を決定する。すなわち、情報提供装置10は、販売者による設定に基づく販売促進費の額以下となるように、提供費用を決定する。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、販売者から上限値の設定を受付け、受付けた上限値の値以下となるように、利用者に対して提供する利益の額を決定する。
すなわち、情報提供装置10は、販売者による過剰なクーポンの発行やセール価格による悪影響を軽減するため、上述した指標や情報に基づいて、提供費用を独自に算出し、算出した提供費用を用いてクーポンの発行やセールを自動的に行う。例えば、情報提供装置10は、セールを行う際の最大値引き額や、クーポンを発行する際の最大値引き率等の設定をあらかじめ受付ける。このような場合、情報提供装置10は、商品に設定された最大値引き額や最大値引き率をセカンドプライスとし、市場価格との釣り合いが取れるまで値引き額や値引き率を算出する。そして、情報提供装置10は、算出した値引き額や値引き率を適用してもよい。また、情報提供装置10は、算出した値引き額や値引き率を実現するための提供費用を採用してもよい。すなわち、情報提供装置10は、販売者が設定した上限値以下となるのであれば、任意の値を提供費用のうち実際にクーポンやセール等に使用する額として採用してよい。
〔1−4−5.商品情報の並び替えについて〕
上述したように、情報提供装置10は、検索クエリに合致する商品の情報を配置した検索結果を利用者に対して提供する。ここで、情報提供装置10は、上述した決定処理に応じて決定された提供費用とする額や割合等に基づいて、商品の情報の並べ替えを行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、決定した提供費用の額が高い商品ほど値が高くなる優先度を商品ごとに算出する。そして、情報提供装置10は、算出した優先度の値が高い商品から順に、商品の広告や写真、販売ページへのリンク等といったコンテンツが配置された検索結果を配信してもよい。すなわち、情報提供装置10は、提供費用に基づいて、関連するコンテンツを配信する際の優先度を算出してもよい。
また、情報提供装置10は、販売促進費の額から提供費用の額を減算した値(すなわち、管理者の利益)に基づいて、優先度を算出してもよい。例えば、情報提供装置10は、販売促進費の額から提供費用の額を減算した値が高い商品ほど、優先度の値をより高くしてもよい。
また、情報提供装置10は、他の情報に基づいて、コンテンツの優先度を算出してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者に対して提供される利益の態様を考慮した販売コンテンツの訴求効果に基づいて、優先度を算出してもよい。すなわち、情報提供装置10は、そのコンテンツについてのセールやクーポン等といった利用者に対して提供される利益によるその商品に関連する情報の訴求効果に基づいて、その商品のコンテンツの優先度を算出してもよい。例えば、情報提供装置は、ある商品についてセールやクーポンを提供した場合における販売コンテンツのCTRやCVRを予測し、予測したCTRやCVRの値に基づいて、その販売コンテンツの優先度を算出してもよい。また、情報提供装置は、優先度の算出対象となる商品と同一または同種の商品についてセールやクーポンを提供した際における販売コンテンツのCTRやCVRの値に基づいて、優先度の算出対象となる商品の販売コンテンツの優先度を算出してもよい。すなわち、情報提供装置10は、セールやクーポンの提示による送客率やCVR等の値をパラメータとして優先度を算出してもよい。
また、情報提供装置10は、電子商店街における同一商品の流通量や同種商品の流通量等に基づいて、コンテンツの優先度を算出してもよい。例えば、情報提供装置10は、売れ筋の商品等、流通量が多い商品ほど優先度の値をより高くしてもよい。また、情報提供装置10は、任意の組み合わせで上述した各種の情報を用いて、商品に関連するコンテンツを配信する際の優先度を算出してもよい。
〔1−4−6.利益の表示について〕
また、情報提供装置10は、決定された提供費用に基づく各種の情報、すなわち、利用者に提供される利益の内容を示す情報を表示させてもよい。例えば、情報提供装置10は、クーポンを使用した際の割引率や値引き額等を、商品の画像にオーパーラップさせた画像を生成し、生成した画像を含む検索結果の配信を行ってもよい。
また、情報提供装置10は、例えば、提供費用に基づく利益の提供に時間的な制限を加えてもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者がある商品のウェブページを見始めてから所定の時間が経過した場合、すなわち、利用者がその商品を購入しようか悩んでいると予測可能な場合には、所定の時間の間だけ、セールの催行やクーポンの発行、ポイントの付与等を行うことで、商品の購入を促してもよい。
〔1−5.レコメンドについて〕
ここで、情報提供装置10は、上述した決定処理により算出された提供費用を、提供費用の推奨値として販売者に対して提示してもよい。例えば、情報提供装置10は、販売者が設定した販売促進費に関わらず、商品を販売するために最適な提供費用の額を上述した各種の指標や情報に基づいて算出する。そして、情報提供装置10は、算出した提供費用を示す情報を、販売者に対して提示してもよい。
例えば、情報提供装置10は、算出した提供費用の額が、販売者によって設定された販売促進費を超える場合は、算出した提供費用の額を推奨値として販売者に提示し、販売促進費を増額するように促してもよい。また、例えば、情報提供装置10は、算出した提供費用の額に基づく値引き額や値引き率を最適値として販売者に提示し、最適値に設定することでコンバージョンを上昇させることができる旨を販売者に通知してもよい。なお、情報提供装置10は、推奨値とする提供費用を算出する際には、上述した決定処理と同様の処理を実行することで、最適な提供費用の値を算出する。
また、情報提供装置10は、クーポンの内容のリコメンドを行ってもよく、商品の販売形態に応じたリコメンドを行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、送料無料である場合に良く売れている商品については、送料無料のクーポンを登録するようにリコメンドしてもよい。また、情報提供装置10は、販売者が設定した送料を考慮して、最適な提供費用の値を算出してもよい。
なお、情報提供装置10は、リコメンドを行う際は、提供費用の額を販売促進費の額よりも少なくする必要はない。例えば、情報提供装置10は、販売者が商品を登録した際に提供費用の最適値を算出するとともに、販売者が設定した販促割合の値と商品価格とから販売促進費を算出する。そして、情報提供装置10は、提供費用の最適値が販売促進費を超える場合や、提供費用の最適値に所定のマージンを加算した値が販売促進費を超える場合には、販売促進費を増額するように、販売者に対して提案してもよい。
また、情報提供装置10は、提供費用を適切な提供費用としてではなく、販売者に対して課金される提供費用として通知してもよい。このような場合、情報提供装置10は、最適な提供費用として決定した費用を用いて、セールやクーポンを設定し、商品が購入された際に、通知した提供費用を販売者に対して課金してもよい。
〔1−6.販売促進費を示す情報について〕
また、例えば、情報提供装置10は、販売者から最低限許容可能な利益額(例えば、商品価格から販売促進費を減算した値)の登録を受付け、受付けた利益額と、商品価格との差から許容可能な販売促進費を算出する。そして、情報提供装置10は、算出した販売促進費の額を超えないように、提供費用の値を算出してもよい。
〔1−7.その他〕
なお、情報提供装置10は、上述した各種の指標や情報、算出処理等を任意の態様で組み合わせてもよい。また、情報提供装置10は、商品と利用者との組合せごとに、提供費用の算出を行うことで、利用者に対してより訴求効果の高い利益の提供を行ってもよい。また、情報提供装置10は、店舗ごとに提供費用の最適化を行ってもよい。すなわち、情報提供装置10は、任意の粒度で、上述した提供費用の決定処理を実行して良い。
〔1−8.決定処理の一例〕
以下、図1を用いて、情報提供装置10が実行する決定処理の一例を説明する。まず、情報提供装置10は、販売者から商品情報とともに販促割合の登録を受付ける(ステップS1)。図1に示す例では、情報提供装置10は、商品Aに関する商品情報として、商品名「商品A」と、商品価格「3000円」の登録を受付けるとともに、販促割合「5%」の登録を受付ける。
このような場合、情報提供装置10は、販売コンテンツの訴求効果を示す各種の指標や情報に基づいて、販売促進費のうち提供費用とする範囲を決定する(ステップS2)。より具体的には、情報提供装置10の管理者が得る利益が最大化するように、提供費用の額を決定する。
例えば、情報提供装置10は、商品Aの商品価格「3000円」と販促割合「5%」との積から、商品Aの販売促進費「150円」を算出する。続いて、情報提供装置10は、販売促進費「150円」のうち、どの程度の費用を提供費用とするかを決定する。例えば、情報提供装置10は、提供費用を「100円」、「110円」、「120円」とした際に、販売コンテンツが利用者U01をコンバージョンへと誘導する強さ、すなわち、訴求効果の強さの指標(以下、「訴求値」と記載する場合がある。)をそれぞれ算出する。また、情報提供装置10は、算出した訴求値の値や商品価格等に基づいて、商品の販売数を予測し、販売促進費から提供費用を減算した値に予測した販売数を積算した値、すなわち、予測される管理者の利益を算出する。そして、情報提供装置10は、算出した利益の額が最も多い提供費用を特定する。
なお、情報提供装置10は、それまでの販売実績に基づいて訴求値を算出してもよく、予測される販売実績に基づいて訴求値を算出してもよい。例えば、情報提供装置10は、商品Aと同種の商品や商品Aと価格帯が近い商品等の販売実績や、これらの商品に対してどのようなセール・クーポンを提供した際にどれくらい売れたか等といった履歴に基づいて、訴求値を算出してもよい。また、情報提供装置10は、商品Aの商品情報や、同種の商品の販売履歴等に基づいて、商品Aに対してどのようなセール・クーポンを提供した際にどれくらい売れるかといった予測を行い、予測結果に基づいて、訴求値を算出してもよい。また、情報提供装置10は、提供費用の額ではなく、販売促進費に対する提供費用の割合や、商品価格に対する提供費用の割合を算出してもよい。
続いて、情報提供装置10は、利用者U01からウェブページの取得要求を受付ける(ステップS3)。このような場合、情報提供装置10は、提供費用を用いたクーポンやセールの内容を決定する(ステップS4)。例えば、情報提供装置10は、利用者U01の属性や販売履歴に基づいて、セールを行うか、クーポンを発行するか、ポイントを付与するか等といった利益の内容を決定する。
より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、セールが設定された商品を利用者U01が頻繁に購入している場合には、提供費用を用いたセールを行う旨を決定する。また、情報提供装置10は、例えば、送料を無料とするクーポンが発行された商品を利用者U01が頻繁に購入しており、商品の送料が提供費用以下となる場合には、送料を無料とするクーポンを発行する旨を決定する。これ以外にも、情報提供装置10は、同種の商品の販売履歴や店舗の実績、利用者U01の購買履歴等、任意の情報に基づいて、提供費用を用いて提供される利益の内容を決定して良い。
そして、情報提供装置10は、決定した内容のセールやクーポンを示す情報を商品情報とともに購買コンテンツとして配置したウェブページを生成する(ステップS5)。そして、情報提供装置10は、生成したウェブページを利用者U01が使用する端末装置200へと配信する(ステップS6)。
このように、情報提供装置10は、利用者U01に対して利益を提供するために用いられる提供費用とする額または割合を、商品の販売に関する販売コンテンツの訴求効果に応じて決定する。このため、情報提供装置10は、適切な提供費用を用いて、商品に関する情報を利用者U01に提示するので、商品の販売によって得られる販売者の利益や管理者の利益を高めることができる。また、情報提供装置10は、販売者が適切な提供費用を予測したり設定したりする手間を省くことができる。
〔1−9.提案処理の一例〕
また、情報提供装置10は、販売促進費が適切な提供費用よりも低い場合には、販売促進費を上乗せするように、販売者に対して提案を行う提案処理を実行してもよい。以下、図2を用いて、提案処理の一例について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供装置が実行する決定処理の一例を示す図である。
まず、情報提供装置10は、クライアントサーバ101を使用する第1の販売者から商品Aの商品情報とともに販促割合「5%」の登録を受付ける(ステップS1)。また、情報提供装置10は、クライアントサーバ102を使用する第2の販売者から、商品Dの商品価格「2000円」等といった商品情報とともに販促割合「5%」の登録を受付ける(ステップS2)。
そして、情報提供装置10は、商品A、商品Dについて、それぞれの販売コンテンツの訴求効果に基づいて、最適な提供費用を算出する(ステップS3)。より具体的には、情報提供装置10は、各販売者が設定した販促割合に関わらず、最適な提供費用の算出を行う。そして、情報提供装置10は、例えば、第2の販売者が登録した販促割合による販売促進費では最適な提供費用に届かない場合には、最適な提供費用を第2の販売者に対して提案する(ステップS4)。例えば、情報提供装置10は、最適な提供費用の額を提示してもよく、販促割合をあと何パーセント増加させれば最適な提供費用になるかを提示してもよい。そして、情報提供装置10は、第2の販売者から新たな販促割合(例えば、10%)の登録を受付ける(ステップS5)。
また、情報提供装置10は、利用者U01からウェブページの取得要求を受付ける(ステップS6)。このような場合、情報提供装置10は、提供費用を用いたクーポンやセールの内容を決定するし、決定した内容のセールやクーポンを示す情報を商品情報とともに購買コンテンツとして配置したウェブページを生成する(ステップS7)。そして、情報提供装置10は、生成したウェブページを利用者U01が使用する端末装置200へと配信する(ステップS8)。
このように、情報提供装置10は、最適な提供費用を販売コンテンツの訴求効果に応じて決定し、決定した提供費用を販売者に対して提示する。このため、情報提供装置10は、適切な提供費用を用いて、商品に関する情報を利用者U01に提示することができるので、商品の販売によって得られる販売者の利益や管理者の利益を高めることができる。
〔2.情報提供装置の構成〕
以下、上記した決定処理や提案処理を実現する情報提供装置10が有する機能構成の一例について説明する。図3は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。図3に示すように、情報提供装置10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置200やクライアントサーバ100との間で情報の送受信を行う。
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部30は、出品情報データベース31、利用者データベース32、および販売者データベース33を記憶する。
出品情報データベース31には、電子商店街に出品された商品に関する各種の情報が登録される。例えば、図4は、実施形態に係る出品情報データベースに登録される情報の一例を示す図である。図4に示した例では、出品情報データベース31には、「販売者ID」、「商品ID」、「商品名」、「商品価格」、「販促割合」、「販売促進費」、「提供費用」、「提供形態」、「上限値」、「表示回数」、「売上個数」、「CTR(Click Through Ratio)」、「CVR(Conversion Rate)」といった項目を有する情報が登録されている。
なお、出品情報データベース31には、図4に示す情報以外にも、商品に関連する各種の情報が登録されていてもよい。例えば、出品情報データベース31には、商品の画像や粗利、在庫数、送料の有無、送料、商品を検索する際に使用されるキーワード、商品の種別等といった各種の商品情報が登録されていてもよい。
「販売者ID」は、販売者またはクライアントサーバ100を識別するための識別情報を示す。「商品ID」は、販売者が販売する商品を識別するための識別情報を示す。「商品名」は、販売者が販売する商品の商品名を示す。「商品価格」は、販売者が販売する商品の売値を示す。「販促割合」は、商品の販売価格に対する販売促進費の割合を示す。「販売促進費」は、商品価格に販促割合を積算した値であり、販売者から管理者に対して支払われる費用を示す。
「提供費用」は、販売促進費のうち、セールやクーポン等といった利用者に対して利益を提供するために用いられる費用を示す。「提供形態」は、提供費用を用いて提供される利益の形態を示す情報であり、具体的には、セールを提供するか、クーポンを提供するか、ポイントを提供するかといった情報である。「上限値」は、セールやクーポン等により商品価格から割り引かれる額の上限であり、販売者によって設定される値である。
「表示回数」は、商品を販売する販売ページが表示された回数を示す。「売上個数」は、販売ページから購入された商品の個数を示す。「CTR」は、商品の販売コンテンツや、商品を広告するために販売コンテンツとともに表示される広告コンテンツが選択された割合を示す。「CVR」は、商品の販売コンテンツや広告コンテンツを介して、商品を販売する販売元の利益につながる行動に至る指標を示す。例えば、「CVR」は、広告コンテンツを配信した回数に対して各種のコンバージョンに至った回数の割合を示す。
例えば、図4では、販売者ID「SE10」によって識別される販売者が、商品ID「C11」の商品名「商品A」の商品Aを販売価格「3000」円で販売した例を示している。また、図4では、商品Aの販促割合が「5%」に設定され、販売促進費が「150」円である例を示している。また、図4では、商品Aの提供費用が「100」円であり、提供費用を用いて提供される利益の提供形態が「クーポン」の設定である例を示している。また図4では、「クーポン」を用いて提供される値引きの上限値が「5%」である例を示している。
また、図4では、商品Aの販売ページは、「200」回表示され、売上個数が「100」個である例を示している。また、図4では、商品Aに関する購買コンテンツや広告コンテンツのCTRが「2%」であり、CVRが「10%」である例を示している。また、図4では、販売者ID「SE10」によって識別される出品者が、商品ID「C12」の商品名「商品B」の商品Bの販促割合を「0%」に設定している例を示している。ここで、販促割合「0%」は、商品の広告に費用を掛けないことを意味する。
図3に戻り、説明を続ける。利用者データベース32には、電子商取引を行う利用者に関する情報が登録されている。例えば、図5は、実施形態に係る利用者データベースに登録される情報の一例を示す図である。図5に示した例では、利用者データベース32には、「利用者ID」、「属性情報」、「購入履歴」といった項目を有する情報が登録される。なお、利用者データベース32には、図5に示す情報以外にも、利用者に関連する各種の情報が登録されていてもよい。
ここで、「利用者ID」とは、電子商取引を行うエンドユーザである利用者を識別するための識別情報である。また、「属性情報」とは、利用者の性別、年代、居住地域、収入等といった利用者の属性を示す情報である。また、「購入履歴」とは、利用者が電子商取引により購入した商品の履歴や、購入した商品に対して設定されたセール、クーポン、ポイントの内容等を示す情報である。なお、図5に示す例では、「属性情報#01」、「購入履歴#01」といった概念的な値について記載したが、実際には、利用者の属性や購入履歴に関する各種の情報が登録される。
図3に戻り、説明を続ける。販売者データベース33には、電子商取引の対象となる商品を販売する販売者についての情報が登録されている。例えば、図6は、実施形態に係る販売者データベースに登録される情報の一例を示す図である。図6に示す例では、販売者データベース33には、「販売者ID」、「販売履歴」といった項目を有する情報が登録される。なお、販売者データベース33には、図6に示す情報以外にも、販売者に関連する各種の情報が登録されていてもよい。
ここで、「販売履歴」とは、販売者が販売対象として登録した商品や、商品が購入された日時、商品の販売数量、商品を購入した利用者の情報等、商品の販売に関連する各種の情報である。なお、図6に示す例では、「販売履歴#01」といった概念的な値について記載したが、実際には、商品の販売に関連する任意の情報が登録されることとなる。
図3に戻って、説明を続ける。制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
図3に示すように、制御部40は、取引処理制御部50、および決定処理制御部60を有する。取引処理制御部50は、商品の電子商取引に関連する各種の処理を制御する。また、決定処理制御部60は、上述した決定処理や提案処理を制御する。なお、以下の説明では、取引処理制御部50および決定処理制御部60が実行する処理の一例について記載するが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、取引処理制御部50と、決定処理制御部60とをそれぞれ異なるサーバ装置が有し、サーバ装置が協調して動作することで、以下の処理を実現してもよい。
取引処理制御部50は、出品受付部51、取引提供部52、収集部53を有する。出品受付部51は、クライアントサーバ100から、電子商取引の対象となる商品の登録を受付ける。例えば、出品受付部51は、商品情報と販促割合との登録要求をクライアントサーバ100から受信すると、クライアントサーバ100を使用する販売者の販売者IDとともに、商品情報と販促割合とを出品情報データベース31に登録する。また、出品受付部51は、上限値の登録を受付けた場合は、受付けた上限値を出品情報データベース31に登録する。
取引提供部52は、商品の電子商取引に関連する各種の処理を行う。例えば、取引提供部52は、端末装置200から商品を検索するための検索クエリを受付ける。このような場合、取引提供部52は、検索クエリに合致する商品を出品情報データベース31から特定する。
ここで、出品情報データベース31には、決定処理制御部60によって実行された決定処理により、「販売促進費」、「提供費用」、「提供形態」、「上限値」等の情報が登録される。そこで、取引提供部52は、検索クエリに合致する商品の提供費用の額または割合に基づいて、その商品の販売コンテンツを配信する優先度を算出する。より具体的な例を挙げると、取引提供部52は、提供費用とする額や販売促進費に対する提供費用の割合が多い商品の販売コンテンツが優先的に配信されるように、優先度を算出する。そして、取引提供部52は、算出した優先度に基づいて、検索クエリに合致する商品の販売コンテンツを配置する。すなわち、取引提供部52は、提供費用に応じたリスティングロジックで、検索結果に含まれる商品の販売コンテンツを並び替える。
ここで、取引提供部52は、販売促進費の額から提供費用の額を減算した値、すなわち管理者の利益に基づいて、優先度を算出してもよい。例えば、取引提供部52は、管理者の利益が多い商品の販売コンテンツが優先的に配信されるように、優先度を算出してもよい。
また、取引提供部52は、提供費用とする額または割合に加えて、販売コンテンツの訴求効果、または、商品の流通量の少なくともいずれか一方に基づいて、優先度を算出してもよい。例えば、商品価格が同種の商品よりも安い商品は、利用者が選択しやすい商品、すなわち、訴求効果が大きい商品であると考えられる。また、例えば、送料が無料の商品は、送料が有料の商品よりも訴求効果が大きい商品であると考えられる。そこで、取引提供部52は、ある商品について販売コンテンツが表示された際に、その販売コンテンツが利用者をコンバージョンへと誘導する強さの指標値を算出する。例えば、取引提供部52は、商品価格が同種の商品よりも安い商品や、送料が無料の商品の指標値が平均的な指標値よりも高くなるように指標値を算出する。
また、例えば、電子商店街においては、同一の商品を複数の販売者が販売するといった状態が考えられる。このような状態において、各販売者により販売された販売総数が多い商品は、人気がある商品、すなわち、訴求効果が大きい商品であると考えられる。そこで、取引提供部52は、ある商品の販売総数等といった流通量が所定の閾値よりも多い商品の指標値が、平均的な指標値よりも高くなるように、流通量に基づいて指標値を算出する。そして、取引提供部52は、検索結果となる商品について指標値と提供費用とに基づいて、優先度を算出し、算出した優先度に基づいて、検索クエリに合致する商品の販売コンテンツを配置する。なお、取引提供部52は、販売コンテンツの訴求効果と、流通量との両方に基づいて、指標値を算出し、指標値と提供費用とに基づいて、優先度を算出してもよい。また、取引提供部52は、利用者に対して提供される利益の態様を考慮した販売コンテンツの訴求効果に基づいて、販売コンテンツの優先度を算出してもよい。
なお、後述するように、決定処理制御部60は、利用者の属性等に応じて、利用者に対して提供する利益の形態を決定する。より具体的には、決定処理制御部60は、利用者に対してセール、クーポン、ポイントのうちどの利益を提供するか、割引額や割引率、付与するポイントの数等を決定する。そして、取引提供部52は、決定処理制御部60によって決定された態様の利益の提供を行う。
例えば、決定処理制御部60は、商品Aについての販売コンテンツを利用者U01に配信する際に、利益の態様としてポイントを付与する旨や、付与するポイントが「190」ポイントである旨を決定する。このような場合、取引提供部52は、検索結果に含まれる販売コンテンツのうち、商品Aの販売コンテンツ上に、「190」ポイントが付与される旨のテキストや画像、すなわち、利用者に対して提供される利益の内容を示す情報を追加する。そして、取引提供部52は、検索結果を端末装置200へと送信し、利用者が商品を購入した際に、利用者に対して提示した利益の内容を反映させた上で、商品の決済処理や販売促進費の課金等を実行する。
なお、取引提供部52は、検索結果に含まれる販売コンテンツのうち、一部のコンテンツのみに対して、上述した処理を行ってもよい。例えば、取引提供部52は、販売促進費や提供費用の額が高い商品から順に所定の数(例えば、3つ)の商品を特定し、特定した商品の購買コンテンツについて、優先度に応じた順で並び替えを行う等といったリスティングを行う。そして、取引提供部52は、リスティングの対象とした購買コンテンツを広告コンテンツとして検索結果に配置し、他の商品の販売コンテンツを任意のリスティングロジックで配置した検索結果を生成してもよい。
収集部53は、電子商取引における各種の履歴を収集する。例えば、収集部53は、検索結果に含まれる販売コンテンツのうち利用者が選択した販売コンテンツの履歴、利用者が購入した商品の履歴等、電子商取引における各種のコンバージョンに関連する情報を購入履歴として収集し、収集した購入履歴を利用者の利用者IDと対応付けて利用者データベース32に登録する。また、収集部53は、利用者によって購入された商品や購入日時等を示す情報を販売履歴として収集し、収集した販売履歴を、商品を販売した販売者IDと対応付けて販売者データベース33に登録する。
また、収集部53は、各商品の購買コンテンツや広告コンテンツが表示された表示回数、各商品の売上個数等を収集し、出品情報データベース31に登録する。また、収集部53は、収集した情報に基づいて、各商品のCTRやCVRを算出し、算出したCTRの値やCVRの値を出品情報データベース31に登録する。
続いて、決定処理制御部60が実行する処理について説明する。決定処理制御部60は、取得部61、算出部62、決定部63、および出力部64を有する。取得部61は、商品の販売促進費を示す情報を取得する。例えば、取得部61は、販売者によって登録された販促割合と商品価格とを、販売促進費を示す情報として出品情報データベース31から取得する。
算出部62は、販売促進費を算出する。例えば、算出部62は、取得部61によって取得された販促割合と商品価格との積を販売促進費の額として算出する。そして、算出部62は、算出した販売促進費の額を出品情報データベース31に登録する。
決定部63は、販売促進費のうち、商品を購入する利用者に対して利益を提供するために用いられる提供費用とする額または割合を、商品の販売に関するコンテンツの訴求効果に応じて決定する。例えば、決定部63は、提供費用として、商品の商品価格からの値引や割引に用いる費用(すなわち、セールやクーポンの費用)や、ポイントとして利用者に付与する費用の少なくともいずれか1つを決定する。
以下、決定部63が提供費用を決定する処理の例について説明する。なお、以下の説明は、あくまで一例であり、決定部63は、提供費用を決定するのであれば、任意の情報および指標に基づいて、提供費用の決定を行ってよい。例えば、決定部63は、販売促進費の額から提供費用の額を減算した値、すなわち、管理者の利益が最大化するように、提供費用の額又は割合を、販売コンテンツの訴求効果に応じて決定する。
例えば、決定部63は、セール等を行わずとも、販売コンテンツに示される商品価格や商品の希少性等といった価値により利用者をコンバージョンへと誘導することができるのであれれば、提供費用の額をより低い値にする。より具体的な例を挙げると、決定部63は、商品に関連するウェブページへの送客率、または、商品の購入率等に基づいて、提供費用の額や割合を算出する。ここで、購入率は、例えば、販売コンテンツを閲覧又は選択した利用者のうち、商品を購入した利用者の割合を示す値や、例えば、CVRである。
ここで、販売者が販促割合を不当に大きくした場合には、提供費用の額が増大する結果、利用者にとってあまり有益ではない販売コンテンツが上位に表示され続けるといった状態が考えられる。そこで、決定部63は、提供費用の額が販売促進費の額以下となるように、販売促進費のうち提供費用とする額または割合を決定する。すなわち、決定部63は、販売者が販促割合に基づく販売促進費を上限として、販売促進費よりも額が少なくなるように、提供費用の額を算出する。
また、販売が開始されて間もない商品は、販売が開始されてから時間が経過した商品よりも、販売コンテンツの訴求効果が高いと考えられる。そこで、決定部63は、提供費用の額または割合を、商品の販売が開始されてから経過した時間に応じて決定してもよい。
また、ある商品を販売する店舗が複数存在する場合、より多くの商品を販売する店舗には、より多くの評価や信用が集まり、販売コンテンツの訴求効果が向上すると考えられる。また、商品によっては、専門店等、販売する商品の傾向がそろっている方が、より多くの評価や信用が集まり、販売コンテンツの訴求効果が向上すると考えられる。そこで、決定部63は、商品を販売する店舗の販売実績や、販売態様の傾向の少なくともいずれかに応じて、提供費用の額または割合を決定してもよい。例えば、決定部63は、商品を登録した販売者の販売履歴を販売者データベース33から取得する。そして、決定部63は、商品の販売数が多くなる程、販売コンテンツの訴求効果が高いと見做して、提供費用を決定する。また、例えば、決定部63は、ある店舗が販売する商品のうち、提供費用の算出対象となる商品と同種の商品を取り扱う割合が多い程、その商品の販売コンテンツの訴求効果が高いと見做して、提供費用を決定する。
また、販売コンテンツの訴求効果は、利用者の属性等に応じて変化すると考えられる。そこで、決定部63は、提供費用の額または割合を、利用者の属性または利用者に対して提供された利益の履歴の少なくともいずれか一方に応じて決定してもよい。例えば、決定部63は、検索クエリの送信元となる利用者の属性情報を利用者データベース32から特定し、特定した属性情報から、利用者の属性や購入履歴等を特定する。そして、決定部63は、例えば、利用者の属性とマッチする商品の販売コンテンツについては、訴求効果がより高くなると見做して、提供費用を決定する。また、決定部63は、例えば、利用者が良く購入している商品と同種の商品の販売コンテンツについては、訴求効果がより高くなると見做して、提供費用を決定する。
また、決定部63は、提供費用とする額または割合とともに、提供費用を用いて利用者に提供される利益の態様を決定する。例えば、決定部63は、利用者に提供される利益の態様として、商品からの値引きを行うセールやクーポンの提供、送料を無料にするといったクーポンの提供、利用者に対するポイントの付与等といった利益の態様を決定する。
具体的な例を挙げると、決定部63は、利益の態様の決定対象となる商品と同種の商品の販売実績から、セール、クーポン、ポイントのうち利用者への訴求効果がより高い利益の態様を選択してもよい。また、例えば、決定部63は、検索クエリの送信元となる利用者がクーポンが設定された商品を好んで購入している場合には、クーポンを提供する旨を決定してもよい。
ここで、情報提供装置10は、販売者の意思とは関係なく、提供費用を用いたセール、クーポン、ポイントの提供を自動で行うこととなる。しかしながら、販売者によっては、商品イメージや販売者のイメージを担保するため、あまり高額なセールやクーポンを提供したくないといったことも考えられる。そこで、決定部63は、利用者に対して提供される利益の額が、商品の販売者による設定に基づく上限値以下となるように、利用者に提供される利益の態様を決定する。
例えば、商品Cについて、図4に示す情報が出品情報データベース31に登録されていた場合、販売促進費は「4000」円となる。このため、情報提供装置10は、最大で4000円の値引、または、6割引きのセールやクーポンを設定したり、4000円分のポイントを付与するといった販促行為を行うことができる。しかしながら、商品Cについては、値引きの上限値が「10%」(すなわち、最大で1000円分)と設定されている。このような場合、決定部63は、商品価格の10%、もしくは、1000円の値引きを行うセールやクーポンの設定を行ったり、1000円分のポイントを付与するといった利益の態様を決定する。
なお、決定部63は、上述した各種の情報を任意の組み合わせで用いて、提供費用の決定を行ってもよい。例えば、決定部63は、上述した各種の情報に基づいて、販売コンテンツが有する訴求効果を示す指標値を算出し、算出した指標値に基づいて、提供費用の額を決定して良い。また、決定部63は、上述した情報以外にも、適切な提供費用の指標となりうる情報であれば、任意の情報を用いて、提供費用の決定を行ってよい。そして、決定部63は、決定した提供費用の値や提供形態を、出品情報データベース31に登録する。
また、決定部63は、販売者が設定した販促割合に関わらず、商品の販売促進費のうち、商品を購入する利用者に対して利益を提供するために用いられる提供費用の額または割合の推奨値を、販売コンテンツの訴求効果に応じて決定する。そして、出力部64は、決定部63によって決定された推奨値を示す情報を、販売者に対して出力する。例えば、出力部64は、推奨値の額が、販売促進費の額を超える場合には、販売者が使用するクライアントサーバ100に対し、販促割合の上乗せを提案する情報や、推奨値の値を示す情報等を送信する。
〔3.検索結果の一例〕
次に、図7を用いて、情報提供装置10が利用者に対して提供する検索結果C01の一例について説明する。図7は、実施形態に係る情報提供装置が提供する検索結果の一例を示す図である。
例えば、図7に示す例では、図7中(A)に示すように、商品A−1、商品A−2、商品A−3が検索クエリに合致する商品として検索されたものとする。また、商品A−1の商品価格が「2900円」であり、販促割合が「8%」、提供費用が「190円」であったものとする。また、商品A−2の商品価格が「3000円」であり、販促割合が「10%」、提供費用が「200円」であったものとする。また、商品A−3の商品価格が「2000円」であり、販促割合が「10%」、提供費用が「100円」であったものとする。
このような場合、例えば、提供費用が多い順に各商品の販売コンテンツを配置する場合、情報提供装置10は、図7に例示する検索結果C01を生成する。具体的には、情報提供装置10は、提供費用が最も高い商品A−2の販売コンテンツC10、提供費用が2番目に高い商品A−1の販売コンテンツC20、および提供費用が3番目に高い商品A−3の販売コンテンツC30の順に、各販売コンテンツC10〜C30を配置した検索結果C01を生成する。
また、情報提供装置10は、商品A−2についてセールを提供する場合、販売コンテンツC10中に「セール!」等といったセールを行う旨のコンテンツC11を配置するとともに、商品A−2の画像C12上に、「100円OFF!」等といったセールの内容を示すコンテンツC13を重畳する。また、情報提供装置10は、商品A−1についてポイントを付与する場合、販売コンテンツC20中に「ボーナスポイント!」等といったポイントの付与を行う旨のコンテンツC21を配置するとともに、商品A−1の画像C22上に、「190ポイント!」等といった付与するポイント数を示すコンテンツC23を重畳する。
また、情報提供装置10は、商品A−3についてセールを提供する場合、販売コンテンツC30中に「5%引きクーポン!」等といったクーポンの付与や内容を示すコンテンツC31を配置するとともに、商品A−3の画像C32上に、「5%OFF!」等といったセールの内容を示すコンテンツC33を重畳する。なお、上述した説明で明らかなとおり、情報提供装置10は、提供費用を全額用いた利益の提供を行う必要はなく、販売コンテンツC10〜C30の訴求効果や、利用者又は販売者の店舗に関する各種の情報、販売者が設定した上限値等に応じて、利益の内容は変化する。
〔4.情報提供装置の処理フロー〕
次に、図8、図9を用いて、情報提供装置10が実行する処理の手順の一例について説明する。まず、図8を用いて、情報提供装置10が実行する決定処理の一例について説明する。図8は、実施形態に係る情報提供装置が実行する決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
例えば、情報提供装置10は、商品に対する販促割合の登録を販売者から受け付ける(ステップS101)。このような場合、情報提供装置10は、販売促進費を算出し(ステップS102)、販売コンテンツの訴求効果を示す指標を算出する(ステップS103)。そして、情報提供装置10は、算出した指標に応じて、販売促進費のうち提供費用として用いる範囲を、販売促進費から提供費用を減算した値が最大化する様に決定する(ステップS104)。そして、情報提供装置10は、決定した提供費用を用いたクーポンの発行やセールを提供し(ステップS105)、処理を終了する。
次に、図9を用いて、情報提供装置10が実行する提案処理の一例について説明する。図9は、実施形態に係る情報提供装置が実行する提案処理の流れの一例を示すフローチャートである。例えば、情報提供装置10は、商品に対する販促割合の登録を販売者から受け付ける(ステップS201)。このような場合、情報提供装置10は、販売促進費を算出し(ステップS202)、販売コンテンツの訴求効果を示す指標を算出する(ステップS203)。そして、情報提供装置10は、算出した指標に応じて、販売促進費に関わらず、提供費用の額を決定する(ステップS204)。
また、情報提供装置10は、算出した提供費用の額が販売促進費を上回るか否かを判定する(ステップS205)。そして、情報提供装置10は、提供費用の額が販売促進費を上回る場合は(ステップS205:Yes)、最適な販売促進費の額を示す情報や、最適な販促割合を示す情報を販売者に提示し(ステップS206)、処理を終了する。一方、情報提供装置10は、提供費用の額が販売促進費を下回る場合は(ステップS205:No)、そのまま処理を終了する。
〔5.変形例〕
上記では、情報提供装置10による情報提供処理の一例について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。以下、情報提供装置10が実行する情報提供処理のバリエーションについて説明する。
〔5−1.利益の内容について〕
上述した説明では、情報提供装置10は、クーポン、セール、ポイントの付与等といった利益を利用者に対して提供した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、クーポンとセール、クーポンとポイントの付与等、複数の利益を同時に利用者に対して提供してもよい。
〔5−2.提供費用に基づくリコメンド〕
また、情報提供装置10は、訴求効果に基づくリコメンドを行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、送料を無料にすることで、販売コンテンツの訴求効果がより上昇するのであれば、販売者に対して、送料を無料にするクーポンの配信を提案してもよい。
〔5−3.装置構成〕
なお、情報提供装置10は、任意の数の端末装置200と通信可能に接続されていてもよく、任意の数のクライアントサーバ100と通信可能に接続されていてもよい。また、情報提供装置10は、端末装置200と情報のやり取りを行うフロントエンドサーバと、クライアントサーバ100と情報のやり取りを行うバックエンドサーバとにより実現されてもよい。このような場合、フロントエンドサーバには、図3に示す取引処理制御部50が含まれ、バックエンドサーバには、図3に示す決定処理制御部60が含まれることとなる。
なお、記憶部30に登録される各データベース31〜33は、外部のストレージサーバ等に登録され、情報提供装置10、または、フロントエンドサーバおよびバックエンドサーバがストレージサーバと通信を行うことにより、上述した処理を実現してもよい。
〔5−4.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図3に示した取引処理制御部50と決定処理制御部60とは、統合されてもよい。
また、上述した例では、商品の検索時に表示されるコンテンツである販売コンテンツの訴求効果に基づいて、提供費用を決定する処理の一例について記載したが、実施形態は、これに限定されるものではない。情報提供装置10は、商品の電子商取引に関連する各種のコンテンツ(例えば、写真や販売ページへ誘導する広告や商品情報、商品の販売者や仮想的な店舗等)を販売コンテンツとし、販売コンテンツの訴求効果に基づいて、提供費用を決定してもよい。また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
〔5−5.プログラム〕
また、上述してきた実施形態に係る端末装置200は、例えば図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図10は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
例えば、コンピュータ1000が端末装置200として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。
〔6.効果〕
上述したように、情報提供装置10は、商品の販売促進費を示す情報を取得する。そして、情報提供装置10は、販売促進費のうち、商品を購入する利用者に対して利益を提供するために用いられる提供費用とする額または割合を、販売コンテンツの訴求効果に応じて決定する。この結果、情報提供装置10は、適切な費用内でクーポンやセール等を実現し、商品に関連する各種の情報の訴求効果を向上させることができるので、商品の販売によって得られる販売利益を高めることができる。
また、情報提供装置10は、提供費用の額または商品価格に対する割合の推奨値を、販売コンテンツの訴求効果に応じて決定し、決定された推奨値を示す情報を、商品の販売者に対して出力する。この結果、情報提供装置10は、クーポンやセール等を実現するための費用の推奨値を提示することで、販売促進費の増額を促し、商品に関連する各種の情報の訴求効果を向上させることができるので、商品の販売によって得られる販売利益を高めることができる。
また、情報提供装置10は、提供費用として、商品の商品価格からの値引に用いる費用、または、商品に対するクーポンの費用の少なくとも一方を決定する。このため、情報提供装置10は、クーポンやセール等を実現し、商品に関連する各種の情報の訴求効果を向上させることができるので、商品の販売によって得られる販売利益を高めることができる。
また、情報提供装置10は、販売促進費の額から提供費用の額を減算した値が最大化するように、販売促進費のうち提供費用とする額または割合を、商品の販売に関するコンテンツの訴求効果に応じて決定する。このため、情報提供装置10は、管理者の利益を最大化することができる。
また、情報提供装置10は、コンテンツの訴求効果として、商品に関連するウェブページへの送客率、または、商品の購入率に基づいて、提供費用とする額または割合を算出する。このため、情報提供装置10は、送客率や購入率に基づいて、適切な提供費用の額を決定することができる。
また、情報提供装置10は、提供費用の額が商品の販売者による設定に基づく販売促進費の額以下となるように、販売促進費のうち提供費用とする額または割合を決定する。このため、情報提供装置10は、販売者に適切な提供費用の額の設定を求めずとも、販売促進費のうち提供費用とする額を自動的に決定することができるので、提供者側による設定の手間を削減することができる。
また、情報提供装置10は、販売促進費のうち提供費用とする額または割合を、利用者に対して提供される利益による商品の訴求効果と、商品の販売が開始されてから経過した時間に応じて決定する。また、情報提供装置10は、販売促進費のうち提供費用とする額または割合を、商品の販売に関するコンテンツの訴求効果と、利用者の属性または利用者に対して提供された利益の履歴の少なくともいずれか一方に応じて決定する。また、情報提供装置10は、販売促進費のうち提供費用とする額または割合を、商品の販売に関するコンテンツの訴求効果と、商品を販売する店舗の販売実績または商品を販売する店舗における商品の販売態様の傾向の少なくともいずれか一方に応じて決定する。このため、情報提供装置10は、適切な提供費用の額を決定することができる。
また、情報提供装置10は、提供費用とする額または割合とともに、提供費用を用いて利用者に提供される利益の態様を決定する。例えば、情報提供装置10は、利用者に提供される利益の態様として、商品からの値引き、商品に対するクーポンの提供、または、利用者に対するポイントの付与の少なくともいずれか1つを決定する。このため、情報提供装置10は、提供費用を用いた利用者に対する利益の提供態様を、自動的に決定することができる。
また、情報提供装置10は、提供費用のうち、利用者に対して提供される利益の額が、商品の販売者による設定に基づく上限値以下となるように、利用者に提供される利益の態様を決定する。このため、情報提供装置10は、販売者の意思を尊重した上で、提供費用を用いた利用者に対する利益の提供態様を、自動的に決定することができる。
また、情報提供装置10は、提供費用とする額または割合に基づいて、商品の販売コンテンツを配信する優先度を算出する。例えば、情報提供装置10は、販売促進費の額から提供費用の額を減算した値に基づいて、商品の販売コンテンツを配信する優先度を算出する。また、例えば、情報提供装置10は、提供費用とする額または割合に加えて、商品の販売コンテンツの訴求効果、または、商品の流通量の少なくともいずれか一方に基づいて、商品の販売コンテンツを配信する優先度を算出する。また、情報提供装置10は、利用者に対して提供される利益の態様を考慮した販売コンテンツの訴求効果に基づいて、販売コンテンツを配信する優先度を算出する。このため、情報提供装置10は、各商品の販売コンテンツを効果的な順に並べた検索結果を配信することができる。
また、情報提供装置10は、提供費用を用いて利用者に提供される利益の内容を、利用者に対して提示する。例えば、情報提供装置10は、検索結果にセールの内容やクーポンの内容等を配置して表示する。このため、情報提供装置10は、商品の販売コンテンツが有する訴求効果を向上させることができる。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、配信部は、配信手段や配信回路に読み替えることができる。