JP6451259B2 - 可撓性回路基板 - Google Patents

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本発明は、可撓性回路基板に関する。
紙やフィルムに文字や画像を描画した媒体やこれを作成する画像用のプリンター装置は、ポスター、写真、看板、広告の作成など幅広い分野で一般に使用されている。しかしながらこれらの媒体や装置は、近年の画像再現性の向上と共に差別化要素が少なくなってきたため、安価かつ顧客訴求力のある新しい表現が可能な媒体及びこの媒体を作成可能な装置の登場が望まれている。
近年では、電気的な機能を有する可撓性回路基板が実用化されており、新しい表現媒体として期待されている。この可撓性回路基板は、マルチメディアシート、スマートシート、表示ディスプレイ、タッチパネル、トレーディングカード、グリーティングカード、売り場表示用のPOP(Point of purchase advertising)、光や音の出るカタログや書籍、看板、食堂のメニュー、名刺、無線機能を有したスマートポスターに使用されている。また、可撓性回路基板は、紙幣や入場券の真贋、印刷物のトレーサビリティ、配送物の管理などセキュリティや物流にも使用される。特に、液晶ディスプレイや電子ペーパーに代表される表示素子が、ホビー、ヘルスケア、医療に用いられる機能性センサシート、無線給電シート、売り場のPOPや立体サイン、看板に代表されるサイングラフィックなど、いわゆるプリンテッドエレクトロニクスに使用される。
印刷技術をエレクトロニクスの技術に応用するプリンタブルエレクトロニクス技術は急速に進展しており、中でもインクジェット(Ink Jet)技術を応用したプリンター装置は、ナノメタルインクを用いて配線を作成したり、有機半導体を用いて薄膜半導体(TFT:Thin Film Transistor)素子を作成したりする事例も報告されている。このような配線、及びエレクトロニクス技術を用いて、従来は実現できなかった薄型のシートデバイスにLD(Laser Diode:レーザーダイオード素子)やLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード素子)などの発光デバイスや、表面実装タイプの抵抗、コンデンサを取り付けた電子回路を有した新しいデバイスの開発が進んでいる。
ところで、紙やフィルムに文字や画像を描画する画像用のプリンター装置として特許文献1には、通常用の画像とブラックライト用の画像とをカラーにて印刷するプリンター装置が記載されている。このプリンター装置においては、通常用のカラー画像データについては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応する階調データを生成する。この階調データに基づいて、YMCKの各色インクを用いた印刷を実行する。一方、ブラックライト用のカラー画像データについては、RGBの各色に対応する階調データを生成する。この諧調データに基づいて、可視光において無色で特定の励起エネルギーの照射により蛍光発光するRGBの各色インクを用いた印刷を実行する。双方の印刷による画像は重ね合わされる。
しかしながら、この文献では可撓性回路基板への応用は考慮されていない。
また、回路配線を印刷する技術として特許文献2には、密集して露出形成された回路配線の欠損部分を補修可能なプリンター装置が記載されている。このプリンター装置は、所定の回路形成領域を囲むように絶縁インクを吐出すると共に、絶縁インクによって囲まれた領域に導電インクを付着させて回路配線を補修する。この発明においては、密集した配線パターンであっても短絡させることなく、回線配線を所望の形状に正確に印刷することができる。
しかし、特許文献2に記載の発明においては、所望の回路配線を形成する前に、回路配線に対応した絶縁パターンを形成する必要がある。このため、コストダウンのためには更なる改良が必要である。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、可撓性回路基板を安価に、且つ安定した品質で生産可能とすることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る可撓性回路基板は、可撓性を有する基板と、前記基板の一面に形成された平均1次粒子径150nm以下、望ましくは平均1次粒子径50nm以下の少なくともアルミナもしくはシリカを含んだ第一受容層及び第二受容層と、導電性材料によって前記第一受容層に形成された回路パターンと、を備え、特定の励起エネルギーの照射により蛍光発光する1種類以上の蛍光インクによって前記第二受容層に画像を形成したことを特徴とする。
本発明によれば、受容層に導電性材料によって回路パターンを形成するので、導電性材料がにじまない。従って、可撓性回路基板を安価に、且つ安定した品質で生産できる。
(A)〜(D)は、各種の基板にインクで回路を形成した状態を示す図である。 (A)〜(D)は、受容層の有無、及び蛍光体の含有量による画像の状態を示す図である。 基板に回路を形成した例を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。 (a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る可撓性回路基板を示す図である。 (a)、(b)は、本発明の第2実施形態に係る可撓性回路基板を示す図である。 (a)、(b)は、本発明の第3実施形態に係る可撓性回路基板を示す図である。 (a)、(b)は、本発明の第4実施形態に係る可撓性回路基板を示す図である。 (A)〜(C)は、蛍光インクで形成した画像の各条件下での表示状態を示す図である。 (A)〜(C)は、本発明の第5実施形態に係る可撓性回路基板を示す図である。 (A)、(B)は、本発明の第6実施形態に係る可撓性回路基板の表示状態を示す図である。 (A)〜(D)は、本発明の第7実施形態に係る可撓性回路基板を示す図である。 (A)、(B)は、本発明の第8実施形態に係る可撓性回路基板を示す図である。 本発明の第9実施形態に係るプリンター装置を示す模式図である。 本発明の第10実施形態に係る可撓性回路基板を示すものであり、(a)は第一面の平面図、(b)は断面図、(c)は第二面の平面図である。 本発明の第11実施形態に係る可撓性回路基板を示すものであり、(a)は第一面の平面図、(b)は断面図、(c)は第二面の平面図である。 本発明の第12実施形態に係る可撓性回路基板を示すものであり、(a)は第一面の平面図、(b)は断面図、(c)は第二面の平面図である。 本発明の第12実施形態に係る可撓性回路基板の使用例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態に係る可撓性回路基板、及びプリンター装置について説明する。
まず、基板に設ける受容層について説明する。プリンタブルエレクトロニクス技術においては、紙やフィルムからなる基板にナノ銀インクやナノ銅インクといったナノメタルインクを用いて配線や、スイッチ、センサ、抵抗、コンデンサ、トランジスタといった各種エレクトロニクスの素子を実装する。この例で使用される導電性材料は、ナノ銀インク、ナノ銅インク、ナノカーボンインク、ナノ金インク、銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト、金ペースト、有機導電インクなどである。しかし、基板の上に回路パターンを形づくるには基板とインクとの表面エネルギーのマッチングを適正に調整する必要がある。
すなわち、回路を形成する基材である基板等にインクを塗布する際に、インクなどの液体の表面エネルギーよりも基材である固体の表面エネルギーが大きいと、インクなどの液体は基材に接触することで基材の表面に広がろうとする、いわゆる濡れ広がる状態になる。インクなどの液体の表面エネルギーよりも基材の表面エネルギーが小さいと、インクなどの液体は基材に接触することで、自ら球形になろうとして基板の表面からはじかれた状態になる。つまりインクのような液体と基板のような固体が接触した場合、両者の表面張力の差で濡れ広がりの程度が異なってくる。
一般的には細い配線パターンを作ろうとしている際には、インクなどの液体の表面エネルギーよりも基板の表面エネルギーが大幅に大きいと、インクが基板に濡れ広がってしまい、結果的に配線が太くなってしまい所望の形状を得られないことがある。逆に、インクなどの液体の表面エネルギーよりも基板の表面エネルギーが大幅に小さいと、インクが基板にはじかれインクが球状に丸まることから、配線をつながった連続線にすることができず、断線してしまうことがある。
このように、表面エネルギーのマッチングとは、所望のパターンを得るために、インクの持つ表面エネルギーに応じた基板、あるいは基板の持つ表面エネルギーに応じたインクを選定することを意味する。表面エネルギーのマッチング状態は一般的に接触角で測定することができる。接触角が90度以下であれば濡れ広がり、90度より大きければ基板にはじかれてインクは球体になろうとする。パターンを形成する際は、おおむね接触角が45〜135度程度で利用することが多い。
また、周辺にインクが漏れないような箱状の型枠を基板に作成し、その型枠の中にインクを入れる場合には、パターンが崩れる心配が無いため、インクと基板とのなじみが良く、密着性の向上も期待できる。このようにインクは物理的に接触角の小さくなるような状態で使用されることがある。基板やインクの表面エネルギーはその材料の持つ特性や表面の形状によっても左右される。そこで通常ではマッチングが難しいインクと基板の組み合わせでも、インクや基板に物理処理、化学処理を行うことによって表面エネルギーのマッチングができれば、印刷した際に導電性材料による回路パターンを正確に再現できる。
そのほか基板の上に表面エネルギーのマッチングを調整するための層を別途付加する場合もあるが、この層を安定させるための調整は難しく、産業的に歩留まり良く提供できる条件を簡易的に作り出すのは難しい。
このように表面エネルギーのマッチングを再現性良く確保するには手間がかかる。そのため、この可撓性回路基板では、基材である基板にインクとの親和性を担保する第1の層である受容層を形成する。これにより、回路パターンの形状を維持することが可能である。例えば、可撓性の基板をポリイミド、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタラート)などの合成樹脂(プラスチック)や紙などで形成し、この基板上に受容層を形成して、インクを吸収し、パターンの濡れ広がりを抑制する。
この受容層は平均1次粒子径150nm以下、望ましくは平均1次粒子径50nm以下のアルミナやシリカを含有させ、樹脂や有機材料、例えばPVAなどのバインダーと共に用いることで、ポーラス構造を形成したものである。これにより、インク成分を速やかに吸収でき配線を安定的に形成するものである。平均1次粒子径を150nm以下にすればパターンの形状を比較的安定して保つことができる。
特に平均1次粒子径を50nm以下にした場合には、100℃以下の低温、例えば室温でも、インクの導電性を確保できるので、焼成が不要、あるいは低温での焼成で十分な導電性を確保することができる。
図1は、各種の基板にインクで回路を形成した状態を示す図である。
図1(A)に示す例は、基板51に受容層を形成していない。基板51とインク52の表面エネルギーのマッチングが全く取れていない。このため、基板に対してインクが濡れ広がってしまい、パターンを形成できていない。
図1(B)に示す例は、基板51に平均1次粒子径が150nmより大きいアルミナやシリカを含んだ受容層を備えている。受容層にインクの溶媒成分がしみこんでいるが、インク52が基材の面内方向へ広がってにじんでおり、パターンが崩れている。
図1(C)に示す例は、基板51に平均1次粒子径が50nmを超え、150nm以下のアルミナやシリカを含んだ受容層を備える。受容層に速やかにインクの溶媒成分がしみこみ、比較的パターンを維持している。ここで、基板51に形成された太い配線61はきれいに見えるが、パッド62や、細い配線63では一部ににじみが発生している。
図1(D)に示す例は、平均1次粒子径が50nm以下のアルミナやシリカを含んだ受容層を備える。太い配線61、パッド62、細い配線63まで正確に形状を再現できていることがわかる。また、平均1次粒子径が50nm以下の場合には、インクを塗布後、時間をおくことで自然にナノ銀インクの導通が取れる。
通常は、ナノ銀インクを塗布後に、150〜400℃で1時間程度の焼成をするため、工法上のボトルネックになっていた。しかし、受容層の平均1次粒子径を50nm以下にすることで、焼成をすること無く室温で導電性が確保できる。そのため、装置の小型化、低コスト、省エネ化ができ、厳密な温度管理も不要で、火災の心配も少ない。従来は焼成が必要であったため、専用の工場でしか行えなかった配線印刷が、一般住宅やオフィスといった場所で行えるようになる。
次に、基板及び受容層が含有する蛍光剤について説明する。上述した例においては、配線の形状を正確に再現するため、表面エネルギーのマッチングを適正に調整したり、アルミナ又はシリカを含む受容層を付加することを記載した。特定の励起エネルギーを照射する励起光によって蛍光発光するインクも形状を正確に再現するためには、同様に表面エネルギーのマッチングを適正に調整したり、第1の層である受容層に蛍光インクによる画像を形成したり、第1の層である受容層に重ねて第2の層である第2の受容層を付加し、第2の受容層に蛍光インクによる画像を形成したりすることができる。
この際、蛍光インクによる画像を形成する受容層に蛍光材料が混じっていると励起光を照射した際に画像とは別に背景が光ってしまい、画像のコントラストが低下して視認性が悪化する。そこで、蛍光インクによる画像を形成する受容層は蛍光剤が重量比率5%以下、望ましくは重量比率0.5%以下の含有とすることで、印刷画像のコントラストを確保することができる。
図2は、受容層の有無、及び蛍光体の含有量による画像の状態を示す図である。
図2(A)は受容層の無い、一般的なコピー用紙に蛍光画像を印刷した例を示している。通常、紙は白色度を向上させるために蛍光剤を含有させることが多く、蛍光剤が重量比率で5%以上含有していることがある。このように蛍光剤が基板、この場合は紙に含有されていると、蛍光画像を印刷しても、励起光照射時に基材に含まれる蛍光剤からも発光してしまい、背景光が強くなるため、印刷した蛍光画像のコントラストが低下し、視認性が悪化するという問題がある。なお、基板の表層から40μmまでの深さで蛍光剤が重量比率5%以下とすると、蛍光剤の影響が効果的に減少する。
図2(B)は、蛍光剤が受容層に重量比率で5%より多く含有されている基板の例である。図2(A)の例とは異なり、基板には蛍光剤は含有しないが、受容層に蛍光剤が含有されているため、励起光照射時に、図2(A)の例と同様に、コントラストが低下し、視認性が悪化している。
図2(C)は、基板及び受容層の蛍光剤含有量が重量比率で0.5%より多く、5%以下である場合の例である。図2(A)(B)で示した例より蛍光剤の量が少なくなることで、励起光照射時に背景光が少なくなり、コントラストが向上している。このため、印刷した蛍光画像の視認性が向上する。
図2(D)は、基板及び受容層の蛍光剤含有量が重量比率で0.5%以下である場合の例である。蛍光剤の含有量が少なくなることで、印刷した蛍光画像のコントラストが向上し、はっきり視認できる画像であることがわかる。図2(A)、(B)、(C)と異なり、背景が黒色であるのは、背景光が無くなったため、デジタルカメラで撮影した際に暗くなったためである。このようなコントラストを確保できれば、蛍光画像で文字や絵を印刷した場合に判読することが可能になる。
以上のように、少なくとも受容層、又は受容層とこの受容層が重なる基板の双方の蛍光剤の含有量は、重量比率5%以下、望ましくは重量比率0.5%以下とすることが望ましい。特に基板については、表層から40μmまでの深さで蛍光剤を重量比率5%以下とすると、蛍光剤の影響が効果的に減少する。
なお、図2(A)〜(D)の各図において、表示されている画像はカラー像であるが、表示の制限のため、グレースケール像で表示されている。このため、(C)と(D)との表示の状態を区別しにくいが、実際には(D)に示した像は(C)に示した像に比して鮮やかではっきり視認できる。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態に係る可撓性回路基板を説明する。既に述べたように、近年蛍光体を発光させるため、ブラックライトと称される大型の装置に代えて、プリンタブルで使用可能な薄型の紫外域の照明系であるLD(レーザーダイオード素子)やLED(発光ダイオード素子)が使用される。
LED、中でも紫外発光する紫外線LED(UV−LED)は小型化、低価格化が進み、一般用として使用が可能になってきている。また、上述したように、紫外線で励起する高輝度の赤色蛍光体が開発され、R、G、Bの3色の高輝度蛍光体がそろった。このため、これらの3色の蛍光体を液体インク化してインク滴を吐出して画像形成するインクジェットプリンターで画像を形成し、この画像に紫外光を照射すればフルカラーの蛍光画像を得ることができる。
蛍光体としては、ビス(トリアジニルアミド)スチルベンジスルホン酸、クマリン誘導体、ピラゾリン誘導体やローダミン誘導体や、酸化セリウム、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系、TAG(テルビウム・アルミニウム・ガーネット)系、サイアロン系、BOS(バリウム・オルソシリケート)、硫化亜鉛系、また無機系のナノ蛍光体、例えば、ルミライトナノR−Y202(シンロイヒ株式会社)などのBi3+とEu3+をドープしたYVO4(YVO4:Bi3+、Eu3+)ナノ蛍光、他にもユーロピウム系の蛍光体、ユーロピウム有機系の蛍光体、など、有機系、無機系で多様なものがある。
図3は、基板に回路を形成した例を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。この例では、可撓性回路基板20Aには受容層は形成していない。可撓性回路基板20Aには、紫外線LED8、ボタン電池9を備えている。可撓性回路基板20Aは、PETやポリイミドなどの樹脂、各種の紙、薄いセラミックスなどの可撓性を有する基板1にインクジェットプリンターでナノ銀インクやナノ銅インクなどのナノメタルインクの配線6を描画して形成する。そして、配線に紫外線LED8やボタン電池9を接合している。更に、基板1の配線6、紫外線LED8、ボタン電池9を配置した以外の領域に特定の絵や写真など、紫外線で励起して発光する蛍光インクによる蛍光画像7をインクジェットプリンターで描画している。
配線6でボタン電池9と紫外線LED8とを接続し、ボタン電池9から電力を供給して、紫外線LED8が紫外線、例えば波長365nmや375nmの紫外線を発光する。この紫外光が蛍光インクで描画された蛍光画像7に照射され蛍光インクが励起され、通常の可視光では無色透明であった像が可視光を発し蛍光画像7が表れる。
このような可撓性回路基板20Aは、看板や、グリーティングカード、営業用のPOPなどで、明るい場所と暗い場所、あるいは昼と夜で見え方を変えることができるので幻想的で効果的な空間を演出でき、効果的である。また飲食店のメニューなどに用いることができ、この場合、紫外光を照射することで、通常は見えない隠しメニューの表示、景品などの抽選、宝探しなどの演出等に使用することができる。
ここで、可撓性回路基板20Aは、基板1に直接、配線や蛍光インクによる像を形成している。しかし、配線用のインクや蛍光インクは基板との表面エネルギー特性の違い、例えば親水性や疎水性などで、パターン形成精度が劣化する場合がある。
そこで、第1実施形態に係る可撓性回路基板では、基板1に受容層2を形成する。図4は、本発明の第1実施形態に係る可撓性回路基板を示すものであり、(a)は平面図、(b)は断面図である。この例に係る可撓性回路基板20Bは、基板1の上に、第1の層である受容層2を配置している。この受容層2は、上述したように平均1次粒子径150nm以下、望ましくは平均1次粒子径を50nm以下とするアルミナやシリカを含んで形成されている。受容層2上に配線用のインクや蛍光インクで描画することで、配線の形状精度、描画した像の形状精度や密着性を向上させることができる。
なお、蛍光インクを基板1に直接形成することができる。この場合基板1の表面から40μmまでの深さにおいて、蛍光剤の含有量が重量比率5%以下、望ましくは重量比率0.5%以下であるものとすると、蛍光画像を良好に表示できる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る可撓性回路基板20Bでは、基板1に第1の層として受容層2を配置した。しかし配線用のインクと蛍光インクでは必ずしも親水性や疎水性などが同一とは限らない。そこで、第2実施形態では、基板1に配置した受容層2に重ねて第2の層である第2の受容層3を配置した。図5は第2実施形態に係る可撓性回路基板を示すものであり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
ここで、第2の受容層3は、受容層2と同様に平均1次粒子径150nm以下、望ましくは平均1次粒子径を50nm以下とするアルミナやシリカを含んで形成されている。受容層2は、配線用のインクの塗布に適したポーラス構造を有しており、第2の受容層3は、蛍光インクの塗布に適したポーラス構造を有しているものである。これにより、配線の形状精度、描画した像の形状精度や密着性を向上させることができる。なお、配線の層と蛍光画像の層の位置は、互いに入れ替わっていても良い。また必要に応じて第3の受容層、それ以上の受容層を配置することができる。
<第3実施形態>
上述した可撓性回路基板20B、20Cでは、基板1に、配線6、蛍光画像7を重ねて描画した。しかし、インクとそのベース溶液の特徴、例えば水系、溶剤系などの差や界面活性剤の差などから、第1の層と第2の層を重ねた場合、形状の再現性が悪化する場合がある。
そこで、第3実施形態では、回路用の導電性インクと、画像用のインクとで受容層の配置を変える。ここで画像用のインクは、加法混色系の1種類以上の蛍光インクの他、可視光で観察可能な減法混色系の1種以上の画像インクを含む。これにより画像形成の特性を向上させる。図6は、第3実施形態に係る可撓性回路基板を示すものであり、(a)は平面図、(b)は断面図である。図6に示すように、基板1表面を、配線を形成する領域と、画像を形成する領域とに分割する。そして各領域に別々の受容層を形成して描画を行う。可撓性回路基板20Dで、受容層2と、第2の受容層3とを異なる領域に形成し、受容層2に配線6、第2の受容層3に蛍光画像7を形成している。
<第4実施形態>
上述した各例では、基板1上に配線6、紫外線LED8、ボタン電池9等の電気部品を配置し、蛍光画像を表示する。しかしこのままでは配線は露出した状態となる。このため、何らかの原因で配線6が短絡したり、断線したりして故障が発生することがある。また、配線6や蛍光画像7も表面に露出しているため、搬送中などの物理的接触で剥がれたり、大気中の酸素や湿度の影響で劣化や酸化が進み、接合状態や、画像の色合いや電気的特性が変化したりする。
そこで、第4実施形態に係る可撓性回路基板は、強度や耐久性など向上させるため、オーバーコート層を被覆する。図7は、第4実施形態に係る可撓性回路基板を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。受容層2に配線6を、第2の受容層3に蛍光画像7を形成し、紫外線LED8及びボタン電池9を配置している。これらの配線6、蛍光画像7、紫外線LED8、ボタン電池9等のデバイスを覆うようにオーバーコート層10を接着剤5ではり合わせて封止する。これにより、基板1に形成されたデバイスを保護する。このオーバーコート層10を形成するオーバーコート材としては、樹脂材料の絶縁性のものを一般的に用いる。例えばUV(紫外線)硬化インク、熱硬化性樹脂、ソルダーレジスト、PVA水溶液などである。
<第5実施形態>
図8(A)〜(C)は、蛍光インクで形成した画像の各条件下での表示状態を示す図である。蛍光インクは可視光領域で有色のものと無色のものとがある。基板30に無色の蛍光インクで画像を形成した場合、図8(A)に示すように、通常の環境である可視光下では、描画したパターンを肉眼では認識できない(図中符号11)。しかし、例えば基板30に1種類の単色蛍光インクで画像を形成すると、紫外光を照射することにより、図8(B)に示すように、モノクロの蛍光画像12を観察することができる。また、赤系(R)、青系(B)、緑系(G)の加法混色系の蛍光インクでパターン描画した場合には、紫外線を照射することにより、図8(C)に示すように、フルカラーの蛍光画像13を認識することができる。なお、図8(C)は、図面の表示制限のため、グレースケール画像として描かれている。
RGBの蛍光インクを用いて描画したパターンに外部から紫外光を照射することの他、基板1に紫外線光源を設けると、外部の光源が無くとも蛍光画像を表示できる。図9は第5実施形態に係る可撓性回路基板を示す図である。図9(A)、(B)、(C)に示す例は、基板30内に配線22を形成し紫外線LED(UV−LED)21を配置している。この例では、一体の薄型のデバイスとでき、従来とは異なる表現手段を提供することができる。基板30に配置する紫外線LED8は、図9(A)に示すように、基板30の蛍光画像13の形成側に配置すれば、蛍光画像13に直接紫外線を照射することができる。また、図9(B)、(C)に示すように紫外線LED8は、基板30の一部を折り曲げて紫外線LED8の照射紫外線をより良い角度で照射できる位置に配置しても良い。
ここで、紫外線LEDは、蛍光インクを効果的に発光させる波長であることが必要である。例えば、発光波長375nmや365nmなどのものを使用できる。ここでは、紫外線LEDは、使用する中心波長200〜420nmのものをいう。このとき基板は黒色、白色、半透明、透明など、可撓性回路基板の仕様に応じて設定できる。
<第6実施形態>
可撓性回路基板には、蛍光インクに加えて可視光照明で認識できる可視インクで画像を形成することができる。可視インクとしては、減法混色系の複数色のインクを使用できる。図10(A)、(B)は、第6実施形態に係る可撓性回路基板の表示状態を示す図である。基板30には、可視インク、例えばシアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、黒(K)で形成した可視画像31と、加法混色系の蛍光インク、例えば赤系(R)、緑系(G)、青系(B)の各色を発光する蛍光インクで形成した蛍光画像32が重ねて形成されている。
可視光下では、図10(A)に示すように可視画像31が認識される。一方、可視光に加えて紫外線を照射すると、図10(B)に示すように可視画像31に重ねてカラーの蛍光画像32が認識できる。RBG蛍光インクで表現されるR、G、Bの蛍光画像32も観察することができ、加色混色系のC、Y、M、Kインクだけとは異なった表現が可能になる。
<第7実施形態>
第7実施形態に係る可撓性回路基板は、可撓性回路基板を多様な立体形状に変形させたものである。
図11(A)に示す可撓性回路基板41は、印刷を行った平面状の可撓性回路基板41を、丸めて円筒状にしたものである。可撓性回路基板41には、紫外線LED21、配線22等が形成されている。
図11(B)に示す可撓性回路基板42は、平面に印刷した後で基板を折り線でL字状に折り曲げ形成したものである。可撓性回路基板42には、紫外線LED21、配線22等が形成されている。
図11(C)に示す可撓性回路基板43は、紫外光を画像に均一に照射するため、紫外線LED21を多数アレイ状に配置したものである。
図11(D)に示す可撓性回路基板44は、平面に印刷した基板の周辺部に曲面部を設け、短円筒形状としたものである。
以上のように、このように蛍光印刷パターンと紫外線光源、配線は使用用途によって使い方を変えることができる。
図11に示す例においては、蛍光インクによる画像もしくは配線を別の基板に描画し、各基板を貼り合わせて、1枚の可撓性基板として使用することもできる。
<第8実施形態>
第8実施形態に係る可撓性回路基板は、立体物の展開形状としこれを組立てて立体物を形成するものである。図12は第8実施形態に係る可撓性回路基板を示すものであり、(A)は展開図、(B)は斜視図である。この例では、立方体の展開図をなす可撓性回路基板24を形成する。可撓性回路基板24には、紫外線LED21、配線22、ボタン電池23が配置されている。この展開図をなす可撓性回路基板24を組み立てることにより、立方体をなす物品を作成できる。実施形態1で説明したように、蛍光画像26を配線側の面に形成することもできるが、蛍光画像26は、配線22を形成した側と反対側の面に形成することができる。
本実施形態によれば、可撓性回路基板を立方体形状としたとき、蛍光画像26が外側に、紫外線LED21、配線22、ボタン電池23の回路は内側に配置され、回路が視認できず外観が良くなる。このとき基板を紫外線が透過する半透明もしくは透明なものとすれば蛍光画像が見えやくなる。なお、可撓性回路基板に回路を描画したのち、蛍光画像26を形成することの他、蛍光画像を描画したのち回路を形成することができる。なお、立体物の形状は立法体に限らず、多角柱、円筒、多面体等、他の立体物であってもよい。
<第9実施形態>
第9実施形態として、上述した各実施形態に係る可撓性回路基板を作成するプリンター装置について説明する。このプリンター装置は、ナノメタルインクにより配線を形成する手段、C、M、Y、Bの可視インクによる可視画像を形成する手段に加えて加色混色によるR、G、B3色の蛍光インクによる蛍光画像を形成する手段を備える。図13はプリンター装置を示す模式図である。プリンター装置100は、それぞれのインクに対応したインク滴を吐出する導電インクヘッド121、蛍光インクヘッド122、可視インクヘッド123を備える。また、プリンター装置100は、図示していない各インクの供給システム、学画像処理システム、駆動制御システム、基板送りユニット、ホスト信号処理システムを備える。
プリンター装置100は、図13に示すように、基板保持手段110と、プリントヘッド120と、移動手段130とを備える。基板保持手段110は、配線、蛍光画像、可視画像を形成する可撓性基板Fを保持する。プリントヘッド120は、前記基板保持手段により保持された基板に対向して配置された移動手段130(支持機構)に保持されており各インクを吐出する。移動手段130は、プリントヘッド120を基板保持手段110に相対的に位置決めする。可撓性基板Fは、基板1に、受容層2、必要に応じて第2の受容層3等が形成されたものである。
プリンター装置100のプリントヘッド120は、導電インクヘッド121と、蛍光インクヘッド122と、可視インクヘッド123とを備えている。また、プリンター装置100は、導電インクヘッド121、蛍光インクヘッド122、可視インクヘッド123のインク吐出量、及び移動手段130の駆動状態を制御して、可撓性基板Fに回路、蛍光インクによる画像、可視インクによる画像を形成する駆動制御部140を備える。なお、必要に応じて、可視インクによる画像は形成しないことができる。このプリンター装置100によれば、可撓性基板Fに配線、蛍光画像、可視画像を順次効率よく形成することができる。
なお、上記プリンター装置100では、移動手段130は、プリントヘッド120を移動させるものとしたが、移動手段130は、基板保持手段110とプリントヘッド120の少なくとも一方に配置されていれば良い。また、上記例では、配線を形成する手段、蛍光画像を形成する手段、可視画像を形成する手段を1台のプリンター装置に配置したが、必ずしも1台の装置に配置する必要は無く、複数の装置で機能を分担するようにしても良い。
<第10実施形態>
掲示板や建物の柱等の物体表面に貼付されるポスターの場合、一方の面のみが視認され他方の面は視認されないため、広告或いは各種の情報は一方の面にのみ表示されていればよい。しかし、ポスターを建物内や電車内に吊り下げて使用する場合、或いは透明なショーケースの側面に貼付して使用する場合、顧客はポスターの両面を視認可能となるため、一方の面にのみ広告を表示したとすると、宣伝効果が半減する等の問題が発生する。
上記問題を解決するため、従来は一方の面のみに情報が表示された片面ポスターを2枚用意して、片面ポスターの裏面同士を貼り合わせることによって、両面に情報が表示された両面ポスターを作成していた。しかし、両面ポスターを作成する場合、片面ポスターを貼り合わせる工程の追加によるコストの増大、貼り合わせに使用する接着剤が固化するまで両面ポスターを出荷できないといった時間的制約があるため、迅速な出荷ニーズに必ずしも対応できていなかった。
そこで、第10実施形態においては、基板の両面に蛍光画像、可視画像、及び電気回路を形成した。図14は本発明の第10実施形態に係る可撓性回路基板を示すものであり、(a)は第一面の平面図、(b)は断面図、(c)は第二面の平面図である。
可撓性回路基板20Fでは、基板1の第一面1aと第二面1bに受容層2と第2の受容層3を形成する。第一面1aの受容層2に配線6を、第2の受容層3に蛍光インクによる蛍光画像7を形成し、配線6に紫外線LED8やボタン電池9を接合する。第二面1bにも同様に、受容層2に配線6を、第2の受容層3に蛍光インクによる蛍光画像7を形成し、配線6に紫外線LED8やボタン電池9を接合する。第一面1aと第二面1bの紫外線LED8を任意のタイミングで点灯させることで、蛍光画像を表示できる。なお、第一面と第二面の双方又は一方に可視インクによる可視画像を形成してもよい。
このように可撓性回路基板20Fの各面に受容層2と第2の受容層3を形成することで、第一面1aと第二面1bに独立した電気回路を形成できる。第一面1aと第二面1bの夫々の紫外線LED8を個別に制御できるので、可撓性回路基板20Fの両面に同じ像、又は異なった像を表示させることができる。また、電車の吊り下げ広告用ポスターなど両面に表示用の機能を必要とするアプリケーションに対しても、2枚の可撓性回路を貼り合わせることなく、1枚で機能を達成できるため、材料コスト、貼り合わせコストを低減した安価かつ薄いデバイスを提供することができる。
<第11実施形態>
第10実施形態においては、可撓性回路基板の各面に独立した電気回路を作成した。しかし、占有面積が大きな電気部品を基板に実装する必要がある場合、このような電気部品は、見た目やデザイン性といった観点から顧客の視認範囲外に配置し、顧客の視認範囲内には必要最小限の電気部品のみを配置したいというニーズがある。
そこで、第11実施形態においては、顧客に視認される第一面に必要最小限の電気部品を配置し、顧客に視認されない第二面に大きな電気部品を配置し、基板に形成した貫通孔を介して第一面の電気部品と第二面の電気部品とを電気的に接続する。
図15は本発明の第11実施形態に係る可撓性回路基板を示すものであり、(a)は第一面の平面図、(b)は断面図、(c)は第二面の平面図である。
可撓性回路基板20Gの基板1の第一面1aには、受容層2及び第2の受容層3を形成し、受容層2に配線6を、第2の受容層3に蛍光画像7を形成し、紫外線LED8及びボタン電池9を配置している。基板1の第二面1bには、受容層2のみを形成し、受容層2に配線6を形成し、LEDコントローラ52、制御マイコン53、無線ユニット54を配置している。基板1には貫通孔51を形成し、貫通孔51内に導電材料55を配置する。第一面1aのボタン電池9と紫外線LED8を、夫々導電材料55によって第二面1bの制御マイコン53とLEDコントローラ52に電気的に接続する。
このように占有面積の大きな制御マイコン53やLEDコントローラ52等の電気部品を可撓性回路基板20Gの第二面1bに配置することで、顧客に視認される第一面1aの見た目やデザイン性を向上させたポスターやPOP、カードなどを作成できる。可撓性回路基板20Gの第一面1aにはチップ抵抗やLED等、見た目やデザイン性に影響を与えにくい電気部品のみを実装すれば、視覚的な違和感を与えずに情報を的確に表示できる。
更に、第一面1aと第二面1bに受容層2と第2の受容層3を形成して、夫々の面に電気回路と蛍光画像を形成し、貫通孔51を介して双方の電気回路を接続してもよい。この場合、双方の電気回路を連携させて駆動することができ、第一面と第二面とで異なる情報が表示されるように制御することができる。
例えば、第二面に配置したセンサからの信号に基づいて第一面又は第二面に表示する情報を変更することが可能である。具体的には、第二面に室温を検知する温度センサと検知された室温を表示する電気回路及び画像を配置し、第一面は季節に応じた商品を切り換えて表示するポスターとする。当初の第一面には春向けの商品を表示しておき、温度センサによって検知された室温が所定値以上となった場合に、第二面にはその温度を表示し、第一面には夏向きの商品を表示するといった使い方が可能となる。
本実施形態によれば、基板6に貫通孔51を形成することで、可撓性回路基板に複数の電気回路を層状に形成することができる。その結果、複雑な回路やアンテナ回路等も実装可能となる。また、貫通孔を介して各面の電気回路を機能的に連携させることができる。従って、より高機能、或いはより訴求力のある可撓性回路基板を提供することができる。
<第12実施形態>
第11実施形態においては、可撓性回路基板の第二面に大きな電子部品を配置したので、第一面のデザイン性を向上させることができた。更なるデザイン性の向上のためには、全ての電気部品を第二面に配置することが望ましい。しかし、第一面に形成した蛍光画像を視認できるようにするには、第二面に配置した紫外線LEDからの紫外線を第一面の蛍光画像に照射する必要がある。
そこで本実施形態においては、第二面に配置した紫外線LEDから出射された紫外線を第一面に導く貫通孔を形成し、当該紫外線を第一面の蛍光画像に照射するようにした。図16は本発明の第12実施形態に係る可撓性回路基板を示すものであり、(a)は第一面の平面図、(b)は断面図、(c)は第二面の平面図である。
可撓性回路基板20Hの第一面1aには第2の受容層3を形成し、蛍光画像7を印刷している。また、蛍光画像7を回避した第一面1aの適所には、基板1を貫通する貫通孔51を形成している。第二面1bには受容層2を形成して配線6を印刷している。また、第二面1bには紫外線LED8、ボタン電池9、LEDコントローラ52、制御マイコン53、及び無線ユニット54を配置し、各電気部品を配線6によって接続している。
紫外線LED8は貫通孔51に重ねて配置されており、紫外線は貫通孔51を経由して第一面1a側に出射する。紫外線LED8を第二面1bに配置した場合であっても紫外線が第一面1a側に出射するので、蛍光画像7を浮かび上がらせることができる。
図17は本発明の第12実施形態に係る可撓性回路基板の使用例を示す図である。
蛍光画像7を明りょうに表示するためには、紫外線LED8からの紫外線を単に第一面1a側に導くだけではなく、蛍光画像に直接照射した方がよい。そこで、図17に示すように可撓性回路基板20Hを屈曲又は湾曲させ、紫外線LED8から出射した紫外線を貫通孔51の第一面1a側の開口から蛍光画像7に向けて直接照射する。全ての電気部品を第二面1bに配置した場合であっても蛍光画像7を明りょうに浮かび上がらせることができ、且つデザイン性を向上できる。以上のような可撓性回路基板20Hは、商品POPや食堂メニューなどへの応用が期待される。
本発明の各実施形態は、以下の態様にてそれぞれ実施することができる。
第一の実施態様に係る可撓性回路基板20は、可撓性を有する基板1と、基板の一面に形成された平均1次粒子径150nm以下、望ましくは平均1次粒子径50nm以下の少なくともアルミナもしくはシリカを含んだ受容層(受容層2)と、導電性材料(導電性インク)によって受容層に形成された回路パターン(配線6)と、を備えることを特徴とする。
本態様においては導電性材料によって受容層に回路パターンを形成するので、導電性材料を受容層に速やかに吸収させる。導電性材料がにじまないため、回路パターンは所望の形状で正確に形成される。本実施態様によれば、プリンタブルエレクトロニクス技術を用いて可撓性回路基板を安価に、且つ安定した品質で生産できる。
第二の実施態様に係る可撓性回路基板20は、特定の励起エネルギーの照射により蛍光発光する1種類以上の蛍光インクによって受容層(受容層2、第2の受容層3)に画像(蛍光画像7)を形成したことを特徴とする。
本態様によれば、蛍光インク成分を受容層に速やかに吸収させることができ、基板に対して蛍光インクによる画像を安定的に形成することができる。また、受容層に蛍光インクによる画像を形成するので、回路パターンと蛍光インク画像とを組み合わせた、従来にはない高い顧客訴求力を有した新たな表現手段を可撓性回路基板に与えることができる。
第三の実施態様に係る可撓性回路基板20において蛍光インクによる画像(蛍光画像7)は、回路パターン(配線6)が形成された受容層(受容層2)とは異なる受容層(第2の受容層3)に形成されていることを特徴とする。
回路パターン形成用の導電性材料と蛍光インクとでは必ずしも親水性や疎水性などが同一とは限らない。そこで、回路パターンを形成する受容層と、蛍光インクによる画像を形成する受容層とを異ならせ、各受容層を夫々の材料又はインクに適したものとすることで、回路パターンの形状精度、描画した像の形状精度や密着性を向上させることができる。
第四の実施態様に係る可撓性回路基板20において、受容層(受容層2、第2の受容層3)に含まれる蛍光剤の含有量が重量比率5%以下、望ましくは重量比率0.5%以下であることを特徴とする。
受容層に含まれる蛍光剤の含有量を、重量比率5%以下、望ましくは重量比率0.5%以下とすることで、蛍光インクによる画像のコントラストを確保することができる。
第五の実施態様に係る可撓性回路基板20において、蛍光インクは可視光領域において無色であることを特徴とする。
蛍光インクによる画像は、通常(可視光下)は無色透明であるが、特定の励起光、例えば紫外線を照射することで、フルカラーの画像を表示するなどの新しい表現が可能になる。
第六の実施態様に係る可撓性回路基板20において、基板1は、表面から40μmまでの深さにおいて、蛍光剤の含有量が重量比率5%以下、望ましくは重量比率0.5%以下であることを特徴とする。
本態様によれば、蛍光剤の影響が効果的に減少し、蛍光インクによる画像のコントラストを確保することができる。
第七の実施態様に係る可撓性回路基板20は、基板1と受容層(受容層2、第2の受容層3)の少なくとも1つに、可視光領域での視認が可能な可視インクによって画像(可視画像31)を形成したことを特徴とする。
可視光下では可視画像が認識される一方で、可視光に加えて紫外線を照射すれば可視画像に重ねて蛍光画像も認識できるので、さらに異なった表現が可能になる。
第八の実施態様に係る可撓性回路基板20は、回路パターン(配線6)に、蛍光インクを発光させる波長で発光する発光素子(紫外線LED8)を接合したことを特徴とする。
この発光素子は、発光ダイオード素子とレーザーダイオード素子の少なくとも一方から構成できる。
本実施態様によれば、外部の光源が無くとも蛍光画像を表示できる。
第九の実施態様に係る可撓性回路基板は、オーバーコート材を被覆したことを特徴とする。
可撓性回路基板の強度や耐久性など向上させることができる。
第十の実施態様に係るプリンター装置は、可撓性の回路基板を保持する基板保持手段と、基板保持手段により保持された回路基板に対向して配置された支持機構に保持されたプリントヘッドと、基板保持手段及び支持機構の少なくとも一方に、両者を相対的に位置決め可能な移動手段と、を備えたプリンター装置であって、プリントヘッドは、導電性材料を含む導電インクを吐出する導電インクヘッドと、特定の励起エネルギーの照射により蛍光発光する蛍光インクを吐出する蛍光インクヘッドと、を少なくとも備え、導電インクヘッドのインク吐出量、蛍光インクヘッドのインク吐出量、及び移動手段の駆動状態を制御して、回路基板に対して導電インクによる回路パターン及び蛍光インクによる画像を形成する駆動制御部を備えることを特徴とする。
実施態様に係るプリンター装置によれば、可撓性を有する基板に対してプリンタブルエレクトロニクスの技術を用いた回路パターンと、蛍光インクによる画像を形成することができ、新規な表現方法を実現できる可撓性基板を作成することができる。
第十一の実施態様に係る可撓性回路基板20は、発光素子(紫外線LED8)の出射した光を他面に導く貫通孔51を備えたことを特徴とする。
本実施態様によれば、基板の第二面1bに配置された発光素子から、貫通穴を通して光を基板の第一面1aに照射することで、顧客の視認範囲外に回路パターンを配置することができ、デザインの自由度を高めることができる。
第十二の実施態様に係る可撓性回路基板20は、基板1の第一面1aに形成された回路パターン(配線6)と、基板の第二面1bに形成された回路パターン(配線6)と、基板適所に形成された貫通孔51と、貫通孔内に配置されると共に各回路パターン間を電気的に接続する導電材料55と、を備えたことを特徴とする。
本実施態様によれば、貫通穴を通して、基板各面の回路パターンを電気的に接続することができるので、基板に複数層の回路パターンを形成することができ、より複雑な構成の回路パターンを提供することができる。また、貫通穴を通して、基板各面の回路パターンを電気的に接続することによって、各面に形成される電気回路の有する機能を連携させることができる。従って、より高機能、或いはより訴求力のある可撓性回路基板を提供することができる。
1:基板、1a:第一面、1b:第二面、2:受容層、3:第2の受容層、6:配線、7:蛍光画像、8:紫外線LED、9:ボタン電池、20:可撓性回路基板、51:貫通孔、52:LEDコントローラ、53:制御マイコン、54:無線ユニット、55:の導電材料、100:プリンター装置、110:基板保持手段、120:プリントヘッド、121:導電インクヘッド、122:蛍光インクヘッド、123:可視インクヘッド、130:移動手段、140:駆動制御部
特開2003−63094公報 特開2011−181775公報

Claims (8)

  1. 可撓性を有する基板と、前記基板の一面に形成された平均1次粒子径150nm以下、望ましくは平均1次粒子径50nm以下の少なくともアルミナもしくはシリカを含んだ第一受容層及び第二受容層と、導電性材料によって前記第一受容層に形成された回路パターンと、を備え
    特定の励起エネルギーの照射により蛍光発光する1種類以上の蛍光インクによって前記第二受容層に画像を形成したことを特徴とする可撓性回路基板。
  2. 前記第二受容層に含まれる蛍光剤の含有量が重量比率5%以下、望ましくは重量比率0.5%以下であることを特徴とする請求項に記載の可撓性回路基板。
  3. 前記蛍光インクは可視光領域において無色であることを特徴とする請求項1又は2に記載の可撓性回路基板。
  4. 前記基板は、表面から40μmまでの深さにおいて、蛍光剤の含有量が重量比率5%以下、望ましくは重量比率0.5%以下であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の可撓性回路基板。
  5. 前記基板と前記第一受容層と前記第二受容層の少なくとも1つに、可視光領域での視認が可能な可視インクによって画像を形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の可撓性回路基板。
  6. 前記回路パターンに接合されると共に前記蛍光インクを発光させる波長で発光する発光素子と、前記発光素子の出射した光を他面に導く貫通孔と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の可撓性回路基板。
  7. 前記基板の第一面に形成された前記回路パターンと、前記基板の第二面に形成された前記回路パターンと、前記基板適所に形成された貫通孔と、前記貫通孔内に配置されると共に前記各回路パターン間を電気的に接続する導電材料と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の可撓性回路基板。
  8. オーバーコート材を被覆したことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の可撓性回路基板。
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