JP6451154B2 - 雑音抑圧装置、雑音抑圧方法、雑音抑圧プログラム及び集音装置 - Google Patents

雑音抑圧装置、雑音抑圧方法、雑音抑圧プログラム及び集音装置 Download PDF

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Description

本発明は、雑音抑圧装置、雑音抑圧方法、雑音抑圧プログラム及び集音装置に関し、例えば、周囲雑音を抑圧して、目的音を強調する雑音抑圧装置、雑音抑圧方法、雑音抑圧プログラム及び集音装置に適用し得るものである。
例えば、特許文献1には、複数のマイクデバイスを用いて、複数のマイクデバイスで得られた音信号を同期加算することにより、目的音を強調してSN比を向上させる雑音抑圧技術が開示されている。より具体的に、特許文献1の記載技術は、複数のマイクデバイスのうち、予め定められた1つのマイクデバイスにより得られた音信号を参照信号としている。そして、その参照信号と他のマイクデバイスからの各音信号との時間的ずれを求め、各音信号を遅延することで音信号の位相を揃えて同期加算処理を行なっている。これにより、相関関係のある目的音は強調されて、又一般的に雑音成分は相関関係がないため、SN比を向上することができる。
特開平9−182186号公報
上述したように、特許文献1の記載技術は、同期加算処理を実施するにあたり、特定のマイクデバイスにより得られた信号を参照信号としている。
しかしながら、例えば目的音の信号波形の振幅が小さい場合や雑音成分に目的音が埋もれてしまっている場合等のように目的音の特徴が不明確な場合、参照信号を正確に捉えることができず、参照信号と他のマイクデバイスにより得られた音信号との間の遅延時間差が不正確となり、同期加算処理が適切に動作しないという問題が生じ得る。
そのため、上記課題に鑑み、複数のマイクロホンとの間の遅延時間差を正確に求めて、この遅延時間差を利用して同期加算処理を適切に動作することができる雑音抑圧装置、雑音抑圧方法、雑音抑圧プログラム及び集音装置が求められている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、次のような構成を採用する。
第1の本発明に係る雑音抑圧装置は、複数のマイクロホンにより集音された集音信号を同期加算して雑音を抑圧する雑音抑圧装置において、(1)所定の参照信号を発生する参照信号発生手段と、(2)複数のマイクロホンによって集音された、参照信号に基づく放出音の集音信号と、参照信号とに基づいて、複数のマイクロホンの集音遅延時間を求める遅延時間算出手段と、(3)複数のマイクロホンの集音遅延時間のうち最大遅延時間と、各マイクロホンの集音遅延時間との相関を取り、参照信号に対する、各マイクロホンの自己遅延時間を求める自己遅延時間計測手段と、(4)各マイクロホンにより集音された集音信号を、それぞれ対応する自己遅延時間だけ遅延させて加算平均する同期加算手段とを備えることを特徴とする。
第2の本発明に係る雑音抑圧方法は、複数のマイクロホンにより集音された集音信号を同期加算して雑音を抑圧する雑音抑圧方法において、(1)参照信号発生手段が、所定の参照信号を発生し、(2)遅延時間算出手段が、複数のマイクロホンによって集音された、参照信号に基づく放出音の集音信号と、参照信号との相関を取り、参照信号に対する、複数のマイクロホンの集音遅延時間を求め、(3)自己遅延時間計測手段が、複数のマイクロホンの集音遅延時間のうち最大遅延時間と、各マイクロホンの集音遅延時間とに基づいて、各マイクロホンの自己遅延時間を求め、(4)同期加算手段が、各マイクロホンにより集音された集音信号を、それぞれ対応する自己遅延時間だけ遅延させて加算平均することを特徴とする。
第3の本発明に係る雑音抑圧プログラムは、複数のマイクロホンにより集音された集音信号を同期加算して雑音を抑圧する雑音抑圧プログラムにおいて、コンピュータを、(1)所定の参照信号を発生する参照信号発生手段と、(2)複数のマイクロホンによって集音された、参照信号に基づく放出音の集音信号と、参照信号との相関を取り、参照信号に対する、複数のマイクロホンの集音遅延時間を求める遅延時間算出手段と、(3)複数のマイクロホンの集音遅延時間のうち最大遅延時間と、各マイクロホンの集音遅延時間とに基づいて、各マイクロホンの自己遅延時間を求める自己遅延時間計測手段と、(4)各マイクロホンにより集音された集音信号を、それぞれ対応する自己遅延時間だけ遅延させて加算平均する同期加算手段として機能させることを特徴とする。
第4の本発明に係る集音装置は、複数のマイクロホンにより集音された集音信号を同期加算する集音装置において、(1)複数のマイクロホンによって集音された、所定の参照信号に基づく放出音の集音信号と、入力された参照信号との相関を取り、参照信号に対する、複数のマイクロホンの集音遅延時間を求める遅延時間算出手段と、(2)複数のマイクロホンの集音遅延時間のうち最大遅延時間と、各マイクロホンの集音遅延時間とに基づいて、各マイクロホンの自己遅延時間を求める自己遅延時間計測手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、複数のマイクロホンとの間の遅延時間差を正確に求めて、この遅延時間差を利用して同期加算処理を適切に動作することができる。
実施形態に係る雑音抑圧装置の構成を示すブロック図である。 実施形態に係る各マイクユニットの自己遅延時間を説明する説明図である。
(A)主たる実施形態
以下では、本発明に係る雑音抑圧装置、雑音抑圧方法、雑音抑圧プログラム及び集音装置の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(A−1)実施形態の構成
図1は、実施形態に係る雑音抑圧装置100の構成を示すブロック図である。図1において、実施形態に係る雑音抑圧装置100は、複数のマイクユニット1−1〜1−N(Nは整数)、動作信号出力部2、参照信号発生回路部3、スピーカ4、遅延調整回路部5、同期加算回路部6を有する。
特許請求の範囲に記載の「集音装置」は、複数のマイクロホン又はマイクユニットを有するものであり、複数のマイクロホン又はマイクユニットにより集音された集音信号を用いて1つの出力信号を出力するものである。
実施形態に係る雑音抑圧装置100は、集音装置としての複数のマイクユニット1−1〜1−Nに搭載され若しくは外付け可能なものであり、複数のマイクロホンのそれぞれにより集音された周囲の雑音を抑圧して目的音声を強調し、その強調した目的音声を出力するものに広く適用することができる。
雑音抑圧装置100は、ハードウェア的な各構成要素を接続して構築されたものであっても良く、また、一部の構成要素(例えば、スピーカ、マイクロホン等を除く部分)を、CPU、ROM、RAM等のプログラムの実行構成を適用して、その機能を実現するように構築されたものであっても良い。いずれの構築方法を適用した場合であっても、雑音抑圧装置100の機能的な構成は図1で表す構成となっている。なお、プログラムを適用する場合において、プログラムは、例えば装置出荷時に雑音抑圧装置100の有するメモリに書き込まれているものであって良いし、また例えば、ダウンロードによりインストールされるものであっても良い。ダウンロードによりインストールされる場合、プログラムは、利用者操作により、アプリケーションプログラムとしてインターネットを介してダウンロードしてインストールされる場合を例示することができる。
動作信号出力部2は、複数のマイクユニット1−1〜1−Nの間の集音時間差を較正するための自己遅延計測処理と、各マイクユニット1−1〜1−Nの自己遅延時間を用いて同期加算処理との動作を切り替える動作信号Cを、各マイクユニット1−1〜1−Nのスイッチ部12及び遅延計算回路部13と、参照信号発生回路部3とに出力するものである。
動作信号出力部2は、上記動作信号Cを出力することができるものであれば広く適用することができる。例えば、動作信号出力部2は操作スイッチ部等とすることができ、利用者操作を受けて、動作信号出力部2が自己遅延計測処理を指示する動作信号Cを出力するものであっても良いし、また例えば、動作信号出力部2が所定時間毎に自己遅延計測処理を指示する動作信号Cを出力する制御部としても良い。
参照信号発生回路部3は、動作信号出力部2から自己遅延計測処理を指示する動作信号Cが入力されると、所定周波数の正弦波信号を発生し、これを参照信号としてスピーカ4と、各マイクユニット1−1〜1−Nの遅延計算回路部13に出力するものである。ここで、参照信号発生回路部3が出力する参照信号は、スピーカ4によって放出される放出音が明確となるものであれば良く、例えば、所定周波数の正弦波信号や、周波数特性が変動的なサインスイープ信号等とすることができる。
スピーカ4は、参照信号発生回路部3からの参照信号に基づいて音波を放出するものである。
マイクユニット1−1〜1−Nはそれぞれ、空間的に任意の位置に配置されたものである。マイクユニット1−1〜1−Nはそれぞれ、周囲の音を捕捉し、その捕捉した音を電気信号に変換して音信号を得て、音信号に所定の遅延時間を与えて同期加算回路部6に出力する。マイクユニット1−1〜1−Nは、動作信号出力部2からの動作信号Cに応じて、自己遅延時間を計測する自己遅延計測処理と、自己遅延時間を利用して集音した集音信号に遅延を与えて出力する遅延処理とを行なう。
図1に示すように、マイクユニット1−1〜1−Nは、マイクロホン11、スイッチ部12、遅延計算回路部13、遅延発生回路部14を有する。
マイクロホン11は、周囲の音を捕捉(収音)し、捕捉した音を電気信号に変換して音信号を出力するものである。マイクロホン11から出力される音信号は、スイッチ部12を介して、遅延計算回路部13又は遅延発生回路部14に与えられる。
スイッチ部12は、動作信号出力部2から取得した動作信号Cに基づいて、自己遅延計測処理又は遅延処理のいずれかの処理に切り替えるものである。スイッチ部12は、動作信号Cが自己遅延計測処理を指示するものである場合、マイク11からの音信号を遅延計算回路部13に与え、又動作信号Cが遅延処理を指示するものである場合、マイク11からの音信号を遅延発生回路部14に与える。
遅延計算回路部13は、入力された自己遅延時間計測処理の指示を示す動作信号Cに基づいて、マイク11の集音信号と参照信号と遅延時間を求めたり、自己遅延時間を求めたりするものである。図1に示すように、遅延計算回路部13は、遅延時間算出部131、自己遅延時間算出部132を有する。
遅延時間算出部131は、参照信号発生回路部3から取得した参照信号と、マイク11により集音された音信号との相関を取り、参照信号に対するマイク11からの音信号の遅延時間を求めるものである。
ここで、遅延時間算出部131は、動作信号出力部2からの動作信号Cを取得した後、参照信号発生回路部3から取得した参照信号SRと、マイク11により集音された音信号との相関を取り、相関値が閾値以上のものを目的音として特定する。また、遅延時間算出部131は、参照信号発生回路部3からの参照信号の位相と、特定した目的音の位相との時間的なずれ(すなわち遅延時間)を求め、その遅延時間DRを遅延調整回路部5に与える。
自己遅延時間算出部132は、遅延調整回路部5から最大遅延時間DMを取得する。ここで、最大遅延時間DMは、全てのマイクユニット1−1〜1−Nで求めた遅延時間DRの中で、遅延時間が最大のものである。遅延計算回路部13は、遅延調整回路部5から取得した最大遅延時間DMと、参照信号に対する自身のマイク11により集音された音信号の遅延時間DRとの差分を取り、その差分値を自己遅延時間Dとして遅延発生回路部14に与える。
遅延発生回路部14は、遅延計算回路部13により求められた自己遅延時間Dを用いて、自身のマイク11により集音された音信号に遅延を与えて、遅延後の音信号を同期加算回路部6に与えるものである。すなわち、遅延発生回路部14は、マイク11により集音された音信号に自己遅延時間Dだけ遅延させて同期加算回路部6に与える。
遅延発生回路部14は、遅延計算回路部13により求められた最新の自己遅延時間Dを保持する自己遅延時間保持部141を有する。
遅延調整回路部5は、各マイクユニット1−1〜1−Nの遅延計算回路部13から遅延時間DRを取得し、各マイクユニット1−1〜1−Nからの遅延時間DRのうち、最も値が大きいものを最大遅延時間DMとし、各マイクユニット1−1〜1−Nの遅延計算回路部13に出力するものである。
同期加算回路部6は、各マイクユニット1−1〜1−Nの遅延発生回路部14から各集音遅延信号SDを取得し、各マイクユニット1−1〜1−Nの集音遅延信号SDを加算平均して、同期加算信号SOを出力するものである。
(A−2)実施形態の動作
次に、この実施形態に係る雑音抑圧装置100における雑音抑圧処理の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、各マイクユニット1−1〜1−Nの自己遅延時間計測処理と、自己遅延時間を用いた同期加算処理とを順番に説明する。
(A−2−1)各マイクユニットの自己遅延時間計測処理
まず、各マイクユニット1−1〜1−Nの自己遅延時間計測処理の動作を説明する。
各マイクユニット1−1〜1−Nの自己遅延時間を較正(キャリブレーション)する際、自己遅延時間計測処理を指示する動作信号Cが、参照信号発生回路部3及び各マイクユニット1−1〜1−Nに与えられる。例えば、利用者操作により操作スイッチが押下(選択)されたことをトリガとして、又は、所定のタイミングで若しくは所定時間毎に、動作信号出力部2から動作信号Cが出力されるようにしても良い。
参照信号発生回路部3において、動作信号Cが入力されると、予め設定された周波数の変化特性を有するサインスイープ信号が、参照信号SRとして、スピーカ4と、各マイクユニット1−1〜1−Nのスイッチ部12及び遅延計算回路部13とに出力される。
スピーカ4では、参照信号発生回路部3からの参照信号SRを音波として放出する。
ここで、参照信号SRは、スピーカ4から放出される放出音がマイク11によって集音されたときに、放出音の特徴が明確に捉えることができるものであれば良い。この実施形態では、参照信号SRが、周波数が時間的に変化するサインスイープ信号とする場合を例示するが、所定の周波数の正弦波信号であっても良い。また、参照信号SRとしてのサインスイープ信号の周波数の変化領域は特に限定されるものではなく、又スイープ時間も特に限定されるものではない。また例えば、参照信号SRは、スピーカ4が所定の音声や音響等を放出可能な信号であっても良い。
また、スピーカ4が放出する放出音の音圧レベル(dB)も任意に設定するようにしても良いし、又は時間的に徐々に音圧レベルが高くなるように可変に設定するようにしても良い。これにより、例えば、大雑音環境下にある場合でも、スピーカ4が放出する放出音の音圧レベルが高くなることで、マイク11がスピーカ4からの放出音を明確に集音することができる。
スピーカ4から放出された放出音は、各マイクユニット1−1〜1−Nのマイク11によって捕捉され、捕捉された音は電気信号に変換される。
ここで、各マイクユニット1−1〜1−Nでは、参照信号発生回路部3から自己遅延時間計測処理を指示する動作信号Cがスイッチ部12に与えられており、スイッチ部12は、マイク11からの集音信号Sを遅延計算回路部13に出力する。
遅延計算回路部13では、遅延時間算出部131が、参照信号発生回路部3から取得した参照信号SRと、マイク11により集音された集音信号Sとの相関を取り、相関値が閾値以上となる目的音(すなわち参照信号)を特定する。
ここで、実施形態に係る雑音抑圧装置100が比較的狭い空間(例えば、自動車等の車内など)に配置されているような場合、スピーカ4により放出された放出音の反射音がマイク11に捕捉される可能性が生じ得る。このような場合、遅延計算回路部13は、マイク11により集音された集音信号Sと参照信号SRとの相関値が最も高いものを目的音として特定するようにしても良い。
次に、遅延計算回路部13では、遅延時間算出部131によって、特定した目的音の位相と、参照信号SRの位相とに基づいて遅延時間DRが求められ、その遅延時間DRが遅延調整回路部5に与えられる。
遅延調整回路部5では、複数のマイクユニット1−1〜1−Nのそれぞれの遅延計算回路部13から遅延時間DRが与えられ、全ての遅延時間DRを比較し、最も大きな値である最大遅延時間DMが求められる。そして、この求められた最大遅延時間DMが、複数のマイクユニット1−1〜1−Nの遅延計算回路部13に与えられる。
一般に、スピーカ4からマイク11までの距離が離れているほど、遅延時間DRは大きくなる。そのため、スピーカ4からマイク11までの距離が最も離れているマイクユニットの遅延時間DRが最も大きな値となることが考えられる。
各マイクユニット1−1〜1−Nの遅延計算回路部13では、自己遅延時間算出部132によって、遅延調整回路部5から取得した最大遅延時間DMと、特定された目的音の遅延時間DRとの差分が求められ、その差分値を自己遅延時間Dとする。
図2は、実施形態に係る各マイクユニット1−1〜1−Nの自己遅延時間を説明する説明図である。図2において、「マイク11−1」の表記は、マイクユニット1−1のマイクを示している。
図2(A)は、マイク11−1により集音された集音信号を示しており、遅延計算回路部13によって、参照信号の位相と目的音の位相との遅延が遅延時間DR1とする。同様にして、マイク11−2の遅延時間はDR2、…、マイク11−Nの遅延時間は、DRNとする。マイク11−1〜マイク11−Nの遅延時間のうち、遅延が最も大きいものがマイク11−Nの遅延時間とするとき、マイク11−Nの遅延時間DRNが最大遅延時間DMとなる。
上記の場合、例えば、マイクユニット1−1の遅延計算回路部13は、最大遅延時間DMとマイク11−1の遅延時間DR1との差分値を、マイク11−1の自己遅延時間D1としている。他のマイクユニットにおいても同様の処理により、自己遅延時間Dが求められる。
このようにして、参照信号SRに基づいてスピーカ4から放出された放出音を利用して、それぞれのマイクユニット1−1〜1−Nにおける自己遅延時間DRが計測される。なお、計測された自己遅延時間Dは遅延発生回路部14に与えられる。
(A−2−2)自己遅延時間を用いた同期加算処理
次に、各マイクユニット1−1〜1−Nにおける自己遅延時間を用いた同期加算処理の動作を説明する。
同期加算処理を指示する動作信号Cがマイクユニット1−1〜1−Nのスイッチ部12に入力し、スイッチ部12は、マイク11からの音信号を遅延発生回路14に出力できるように切り替えている。同期加算処理を指示する動作信号Cは、例えば、利用者操作により操作スイッチが押下(選択)されたことをトリガとして出力されるようにしても良い。
各マイクユニット1−1〜1−Nのマイク11は周囲の音を捕捉し、その捕捉された音が電気信号に変換され、集音信号Sが遅延発生回路部14に与えられる。
遅延発生回路部14では、遅延計算回路部13により計測された自己遅延時間Dが保持されている。なお、遅延発生回路部14では、最新の自己遅延時間Dが保持されるようにする。例えば、遅延計算回路部13により自己遅延時間Dが較正(キャリブレーション)されるたびに、遅延発生回路部14は自己遅延時間Dを更新する。
遅延発生回路部14において、マイク11により集音された集音信号Sを自己遅延時間Dだけ遅延させる。そして、自己遅延時間Dだけ遅延された集音遅延信号SDが同期加算回路部6に出力される。
同期加算回路部6には、複数のマイクユニット1−1〜1−Nからの集音遅延信号SDが入力する。同期加算回路部6では、各マイクユニット1−1〜1−Nからの集音遅延信号SDを加算平均することで、雑音成分を抑圧し、目的音を強調させた同期加算集音信号SOを得る。得られた同期加算集音信号SOは、雑音抑圧装置100の出力信号として出力される。
(A−3)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、予め設定されている参照信号を用いているため、複数のマイク間の集音時間差を正確に求めることができ、同期加算処理による雑音成分の抑圧及び目的音の強調を可能でき、雑音抑圧性能を向上させることができる。
(B)他の実施形態
上述した実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、本発明は以下の変形実施形態にも適用可能である。
上述した実施形態に係る雑音抑圧装置は、空間に配置された複数のマイクロホンが周囲の音を集音することができる状況であれば様々な環境において広く適用することができる。
例えば、自動車の車内空間に複数のマイクロホンを固定的に配置させて、複数のマイクロホンによって運転者等の声が集音され、音声認識等が行われて、その音声認識結果に基づいて所定の処理動作を行なう車載機器又は車載システムに適用することができる。この場合、スピーカ4を運転者の座席の頭部付近に配置させる。
上記例の状態において、複数のマイクユニット1−1〜1−Nにおける自己遅延時間の較正(キャリブレーション)は、例えば、運転者などの利用者操作により操作スイッチが押下されることで、自己遅延時間計測処理を指示する動作信号Cが出力できるようにしても良い。また例えば、自動車の電源ONとなったとき若しくは電源ON後所定時間経過後、自己遅延時間計測処理を指示する動作信号Cが出力されるようにしても良い。又自動車のエンジンがかけられたとき若しくはエンジンがかかってから所定時間経過後に、自己遅延時間計測処理を指示する動作信号Cが出力されるようにしても良い。さらに、自動車のエンジンが停止した後若しくはエンジン停止後所定時間経過後に、自己遅延時間計測処理を指示する動作信号Cが出力されるようにしても良い。
上記のように、一度、各マイクユニット1−1〜1−Nの自己遅延時間が計算されると、その後、自己遅延時間を用いた同期加算処理を指示する動作信号Cが出力されるようにしても良い。自動車の車内等のように大きな雑音環境下においても、同期加算処理された同期加算集音信号は、雑音が抑圧され、運転者の声を集音することができる。
100…雑音抑圧装置、1−1〜1−N…マイクユニット、2…動作信号出力部、3…参照信号発生回路部、4…スピーカ、5…遅延調整回路部、6…同期加算回路部、11…マイク、12…スイッチ部、13…遅延計算回路部、14…遅延発生回路部。

Claims (9)

  1. 複数のマイクロホンにより集音された集音信号を同期加算して雑音を抑圧する雑音抑圧装置において、
    所定の参照信号を発生する参照信号発生手段と、
    上記複数のマイクロホンによって集音された、上記参照信号に基づく放出音の集音信号と、上記参照信号との相関を取り、上記参照信号に対する、上記複数のマイクロホンの集音遅延時間を求める遅延時間算出手段と、
    上記複数のマイクロホンの集音遅延時間のうち最大遅延時間と、上記各マイクロホンの集音遅延時間とに基づいて、上記各マイクロホンの自己遅延時間を求める自己遅延時間計測手段と、
    上記各マイクロホンにより集音された集音信号を、それぞれ対応する自己遅延時間だけ遅延させて加算平均する同期加算手段と
    を備えることを特徴とする雑音抑圧装置。
  2. 入力された制御信号に応じて、上記自己遅延時間計測手段による処理と、上記同期加算手段による処理との動作を切り替える処理切替手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の雑音抑圧装置。
  3. 上記自己遅延時間計測手段が、上記最大遅延時間と上記各マイクロホンの集音遅延時間との差分値を、上記各マイクロホンの自己遅延時間として求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の雑音抑圧装置。
  4. 複数のマイクロホンにより集音された集音信号を同期加算して雑音を抑圧する雑音抑圧方法において、
    参照信号発生手段が、所定の参照信号を発生し、
    遅延時間算出手段が、上記複数のマイクロホンによって集音された、上記参照信号に基づく放出音の集音信号と、上記参照信号との相関を取り、上記参照信号に対する、上記複数のマイクロホンの集音遅延時間を求め、
    自己遅延時間計測手段が、上記複数のマイクロホンの集音遅延時間のうち最大遅延時間と、上記各マイクロホンの集音遅延時間とに基づいて、上記各マイクロホンの自己遅延時間を求め、
    同期加算手段が、上記各マイクロホンにより集音された集音信号を、それぞれ対応する自己遅延時間だけ遅延させて加算平均する
    ことを特徴とする雑音抑圧方法。
  5. 複数のマイクロホンにより集音された集音信号を同期加算して雑音を抑圧する雑音抑圧プログラムにおいて、
    コンピュータを、
    所定の参照信号を発生する参照信号発生手段と、
    上記複数のマイクロホンによって集音された、上記参照信号に基づく放出音の集音信号と、上記参照信号との相関を取り、上記参照信号に対する、上記複数のマイクロホンの集音遅延時間を求める遅延時間算出手段と、
    上記複数のマイクロホンの集音遅延時間のうち最大遅延時間と、上記各マイクロホンの集音遅延時間とに基づいて、上記各マイクロホンの自己遅延時間を求める自己遅延時間計測手段と、
    上記各マイクロホンにより集音された集音信号を、それぞれ対応する自己遅延時間だけ遅延させて加算平均する同期加算手段と
    して機能させることを特徴とする雑音抑圧プログラム。
  6. 複数のマイクロホンにより集音された集音信号を同期加算する集音装置において、
    上記複数のマイクロホンによって集音された、所定の参照信号に基づく放出音の集音信号と、入力された上記参照信号との相関を取り、上記参照信号に対する、上記複数のマイクロホンの集音遅延時間を求める遅延時間算出手段と、
    上記複数のマイクロホンの集音遅延時間のうち最大遅延時間と、上記各マイクロホンの集音遅延時間とに基づいて、上記各マイクロホンの自己遅延時間を求める自己遅延時間計測手段と
    を備えることを特徴とする集音装置。
  7. 上記遅延時間算出手段及び上記自己遅延時間計測手段が、入力された制御信号に応じて、上記各マイクロホンの集音遅延時間及び上記各マイクロホンの自己遅延時間を求める
    ことを特徴とする請求項6に記載の集音装置。
  8. 上記自己遅延時間計測手段が、上記最大遅延時間と上記各マイクロホンの集音遅延時間との差分値を、上記各マイクロホンの自己遅延時間として求めることを特徴とする請求項6又は7に記載の集音装置。
  9. 上記各マイクロホンにより集音された集音信号を、それぞれ対応する自己遅延時間だけ遅延させて加算平均する同期加算手段を更に備えることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の集音装置。
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