JP6450127B2 - 言語訓練装置 - Google Patents
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Description
更に、社会人になってからも日本人の英語に対する学習意欲は衰えを知らず、巷には英会話教材が溢れ、英会話学校が産業として成立するほどの多大な資金と労力を投入している。それにもかかわらず、ほとんどの日本人の英語は実用レベルどころか、子供レベルの簡単な受け答えすらおぼつかないのが実情である。
変形指示が表示体で行われるため、学習者は、日本語を介在させずに基本英文の変形を行うことができる。
請求項2に記載の発明では、前記提示手段が、第3段階のイメージ情報を提示した後、第4段階として、回答のイメージ情報を提示することを特徴とする請求項1に記載の言語訓練装置を提供する。
英語訓練アプリ5は、図3(a)に示したように、英語訓練画面31において、私アイコン44、あなたアイコン41、彼アイコン42、彼女アイコン43により主語の人称を指定し、過去アイコン51、現在アイコン52、未来アイコン53により時制を指定し、第1文字表示エリア61に表示した文字により述語を指定する。
英語訓練アプリ5は、これらの表示を、英語を母語とする話者が発話の際に発想するのと同じ、人称、時制、述語の発話順に表示し、ユーザは、これに合わせて英語を発話する。
本実施の形態では、日本人が英語を発話訓練する場合を想定し、母国語を日本語、訓練対象言語を英語として説明する。
なお、これは一例であって、本実施の形態は、各種の言語に適用できるものである。
特に、ウラルアルタイ語系の言語(日本語、韓国語など、一般にSOV語順)を母国語とする者が、インドヨーロッパ語系の言語(英語、フランス語など、一般にSVO語順)を学ぶ場合など、語順の異なる言語系統間での学習に有効である。S、V、Oは、それぞれ主語、動詞、目的語を表す。
日本語を母国語とする話者(日本語のネイティブスピーカ)が日本語を発話する(話す)場合、日本語が頭に浮かぶ前に、まず、日本語の材料となる抽象的なイメージ(概念、アイデア)として発話対象が浮かぶ。
そして、日本語を母国語とする者は、日本語の指向性に従って当該イメージに日本語を対応させ、これを連結して日本語を完成させる。
ここで、指向性とは、イメージを言語化する順序であり、発話順序に対応している。
日本語の場合、表現対象の周辺的な情報から核心的な情報に向かって日本語化されていく。
本願発明者は、この周辺から核心に迫っていく日本語の指向性をカメラワークになぞらえてズームイン型と呼んでいる。
そして、BさんがAさんに「週末、何してたの?」と質問したとする。
すると、Aさんの頭には、”昨日”、”家族”、”銀座”、”夕食”、”イタリア料理”、”食べた”などの言葉になる前の原始的なイメージの断片が日本語を構成する材料として瞬時に漠然と意識に去来する。
この場合、質問は「何してた?」であるため、これらのうち核心的(コア)な部分のイメージは、”食べた”であり、その他のイメージは、”食べた”に対して周辺的な部分のイメージである。
その時点では、その他の周辺的な部分のイメージである”家族”、”銀座”、”夕食”、”イタリア料理”、や核心的な部分のイメージである”食べた”は、日本語化されずにイメージのままである。
更に、Aさんは、核心的な部分のイメージに向かって「イタリアンの夕食」などと日本語化して発話していき、最後に核心的な部分のイメージである”食べた”を「食べたんだ」と日本語化して発話する。
このようにしてAさんは、漠然と頭に浮かんだ言葉になる前のイメージを日本語の指向性に従って周辺的な部分のイメージから核心的な部分のイメージに向かって順次日本語化しながら「昨日ね、家族と一緒に銀座でイタリアンの夕食を食べたんだ」と発話する。
以上が、日本語脳が行う情報処理のプロセスであり、その指向性は周辺から核心に迫るズームイン型である。
次に、英語を母国語とする者は、表現対象の核心的な部分のイメージから周辺的な部分のイメージに向かって、、”私”、”食べた”、”イタリア料理”、”夕食”、”銀座”、”家族”、”昨日”の順に「I had Italian food for dinner in Ginza with my family yesterday」などと英語化して発話する。
このように、英語の指向性は、核心的な部分のイメージである”私”、”食べた”から周辺的な部分のイメージに広がっていくズームアウト型である。
そして、本願発明者は、従来の英語教育の効果が十分得られなかった原因は、日本人が日本語脳を用いて英語を理解・発話しようとしたところにあると考えた。
そして、日本語脳を使わずに言語になる前のイメージを直接英語の指向性に従って(即ち、ズームアウト型で、あるいは発話順で)英語化する訓練を施すと日本語脳とは別に英語脳を構築することができ、これによって英語力を飛躍的に向上させることができることを発見した。
以下に、上記の英語の指向性に従ってイメージを英語化する訓練を行ったシステムについて説明する。
英語訓練システム1は、英語訓練サーバ2、インターネット3、端末4などを用いて構成されている。
英語訓練サーバ2は、英語訓練アプリ(アプリケーション)5を備えたウェブサーバであり、言語訓練装置として機能している。
そして、英語訓練サーバ2は、英語訓練アプリ5を用いて端末4に後述する英語訓練サービスを提供する。
インターネット3は、通信ネットワークであり、英語訓練サーバ2と端末4の間の通信を仲介する。
端末4は、ブラウザ上で英語訓練システム1のURL(Uniform Resource Locator)が指定されると、インターネット3を介して英語訓練サーバ2に接続し、所定のプロトコルを用いて英語訓練サーバ2と双方向の通信を行うことができる。
ユーザ(英語脳の訓練を受ける者)は、端末4から英語訓練サーバ2の英語訓練サイトにアクセスし、英語訓練アプリ5の提供する英語訓練サービスを利用して英語脳の訓練(練習、学習)を行う。
英語訓練システム1は、1台の英語訓練サーバ2から複数台の端末4、4、・・・に同時にサービスを提供できるため、低コストでサービスを提供することができる。
また、英語訓練アプリ5が英語訓練サーバ2にあるため、英語訓練アプリ5のバージョンアップが容易になるほか、各ユーザの利用状況や進捗状況を英語訓練サーバ2で管理することも容易である。
英語訓練装置8は、スマートフォン、携帯電話、タブレットPC、パーソナルコンピュータなどのコンピュータによって構成されている。
英語訓練装置8には、英語訓練アプリ5がインストールされており、これを駆動することにより、ユーザは、英語訓練装置8をインターネット3に接続することなく英語訓練アプリ5を利用することができる。
この例は、英語訓練装置8が通信機能を持たない場合、通信事情が悪い場所にいる場合、通信費用を節約したい場合などに有効である。
英語訓練サーバ2は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、通信制御装置14、記憶装置15などがバスラインで接続されて構成されている。
例えば、CPU11は、記憶装置15に記憶されている英語訓練プログラム16を実行することにより英語訓練アプリ5を実現する。
ROM12は、読み取り専用のメモリであって、CPU11が動作する上での基本的なプログラムやパラメータが記憶されている。
RAM13は、読み書きが可能なメモリであって、CPU11が情報処理をする際のワーキングメモリを提供する。
記憶装置15は、例えば、ハードディスクや半導体記憶装置によって構成された大容量の記憶装置を備えており、英語訓練プログラム16、その他のプログラムやデータが記憶されている。
端末4は、CPU21、ROM22、RAM23、通信制御装置24、表示装置25、位置入力装置26、スピーカ27、マイク28、記憶装置29などがバスラインで接続されて構成されている。
CPU21は、コンピュータプログラムに従って所定の情報処理を行う中央処理装置であって、バスラインを介してROM22から記憶装置29と協働して動作する。
例えば、CPU21は、記憶装置29に記憶されているブラウザプログラム18によってブラウザを構成し、当該ブラウザを用いて英語訓練サーバ2に接続して英語訓練アプリ5が提供するサービスを端末4で実現する。
RAM23は、読み書きが可能なメモリであって、CPU21が情報処理をする際のワーキングメモリを提供する。
通信制御装置24は、インターネット3による通信回線を介して端末4と英語訓練サーバ2を接続する。
表示装置25は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示デバイスを備えており、画像、映像、文字などの情報を表示する。これにより、端末4は、英語訓練アプリ5が提供する画像や文字などを表示することができる。
表示装置25と位置入力装置26を組み合わせることによりタッチパネルが構成され、ユーザが表示装置25に表示されたアイコンをタッチして選択するなどの入力操作が可能となる。
なお、本実施の形態では、ユーザはタッチパネルから入力を行うが、例えば、マウス操作によってアイコンを選択し、左クリックするなどして入力するように構成することもできる。
マイク28は、音声を入力する。これにより、例えば、ユーザの発音をマイク28から入力して録音し、これをスピーカ27から出力して、発音の確認に用いたりすることができる。
本実施の形態では、記憶装置29にブラウザプログラム18が記憶されており、CPU21がこれを実行してブラウザが構成される。
英語訓練装置8の構成は、基本的に端末4と同様である。
英語訓練装置8の場合は、記憶装置29に英語訓練プログラム16が記憶されており、これをCPU21が実行することにより、端末4を英語訓練サーバ2に接続しなくても英語訓練アプリ5を英語訓練装置8で動作させることができる。
英語訓練画面31では、最上部領域に手動自動切替ボタン32、課題番号表示欄33、訓練モード切替ボタン34などの表示要素が横一列に表示され、最下部領域に、開始ボタン35、進むボタン36、終了ボタン37などの表示要素が表示される。
そして、その間の領域に、あなたアイコン41、彼アイコン42、彼女アイコン43、私アイコン44、過去アイコン51、現在アイコン52、未来アイコン53、第1文字表示エリア61、第2文字表示エリア62などの表示要素が表示される。
手動自動切替ボタン32は、英語訓練画面31の遷移モードを手動モードと自動モードの何れかに設定する切替ボタンであって、英語訓練アプリ5は、手動自動切替ボタン32のタッチを検出するごとに自動モードと手動モードを交互に切り替える。
後述するように画面の遷移(移動)は4段階で構成されているが、手動モードは、1段階ごとに手動で次の画面に遷移するモードである。
手動モードは、英語訓練画面31に慣れていない場合に、1段階ごと確認しながら訓練を進めるのに適したモードである。
課題番号表示欄33には、現在何件目の課題(訓練課題、問題)に取り組んでいるかが表示される。
これによりユーザはこなした課題数を把握することができ、例えば、「今日はとりあえず10題やろう」などと目標を立てたり、「今日は50題もやった」などと達成感を味わうことができ、ユーザの訓練を側面から支援することができる。
訓練には、「Make(日)」、「全(日)」、「Make(英)」、「全(英)」の4種類があり、訓練モード切替ボタン34には、現在選択されている訓練モード名が表示される。
なお、訓練対象の動詞を他の動詞(「get」など)に限定したり、あるいは、複数の動詞(「make」と「get」など)に限定するように構成することも可能である。
このモードは、訓練対象の動詞が少数に限定されているため、初心者が訓練するのに適している。
Make(英)モードと全(英)モードは、それぞれ、動詞を「make」に限定したモード、動詞を限定しないモードであり、述語の指示を英語で行う。
ユーザは、以上のモードから好みのモードを選択することができる。
開始ボタン35は、英語訓練アプリ5の動作を開始させるボタンであって、英語訓練アプリ5は、開始ボタン35のタッチを検出すると、英語訓練画面31の遷移を開始する。
進むボタン36は、英語訓練画面31の遷移を進めるボタンである。英語訓練アプリ5は、手動モードでは、進むボタン36のタッチを検出するたびに英語訓練画面31を1段階ごとに遷移させ、自動モードでは、例えば、解答の表示など、所定の段階での画面遷移を進むボタン36のタッチの検出により行う。
英語訓練アプリ5は、開始ボタン35が選択されると、用意された課題が全て終了するまで次の課題を出し続けるが、終了ボタン37のタッチを検出すると、課題の提示を停止する。
私アイコン44は、ユーザの後ろ姿を模して(象徴して)おり、英語の「I」に相当するアイコンである。
英語訓練アプリ5は、私アイコン44をあなたアイコン41に対して手前側(英語訓練画面31の下側)に表示する。
あなたアイコン41は、私アイコン44の話し相手を模しており、英語の「you」に相当するアイコンである。
英語訓練アプリ5は、私アイコン44を向こう側(英語訓練画面31の上側)に私アイコン44と向き合わせて表示する。
英語訓練アプリ5は、後述の彼アイコン42と彼女アイコン43に関しては、主語でない場合は非表示とするが、会話では自分と相手が必ず存在するため、私アイコン44とあなたアイコン41に関しては、表示状態を変化させるだけで常に表示する。
なお、独り言を発話する訓練の場合には、あなたアイコン41を非表示にするように構成することもできる。
英語訓練アプリ5は、主語が第三者の男性である場合は、英語訓練画面31の上側右隅に彼アイコン42を青色のカラーで強調して表示し、主語でない場合は非表示とする。
彼女アイコン43は、第三者としての女性を模しており、英語の「she」に相当するアイコンである。
英語訓練アプリ5は、主語が第三者の女性である場合は、英語訓練画面31の上側右隅の彼アイコン42に隣接する位置に彼女アイコン43を桃色のカラーで強調して表示し、主語でない場合は非表示とする。
また、英語訓練アプリ5は、主語が第三者の複数人である(英語の「they」に相当する)場合は、彼アイコン42と彼女アイコン43を同時表示する。
英語訓練画面31の中央領域は、左側から右側に向けて過去から未来への時間軸をイメージしており、過去アイコン51、現在アイコン52、未来アイコン53の表示位置は、これに対応して、それぞれ、左側、中央、右側となっている。
なお、例えば、現在完了形は、過去の動作が現在にも影響を及ぼしている状態を表すので、過去アイコン51と現在アイコン52を同時に表示して現在完了形を指示するなどの変形例も可能である。
このデザインは、左側の縦線の英語訓練画面31外から延々と続く過去からの時間の流れが半円により途切れているところをイメージした図形であって、これによりユーザが直感的に過去をイメージすることができる。
種々のアンケート調査によると、過去をイメージする色として灰色が選ばれる傾向があるため、英語訓練アプリ5は、過去アイコン51の表示色を灰色に設定している。
ユーザは、過去アイコン51の形状のみならず色によっても発話の際に過去を直感的にイメージすることができる。
過去アイコン51と同様の理由により、英語訓練アプリ5は、現在アイコン52の表示色を明るい黄色に設定している。
ユーザは、現在アイコン52の形状のみならず色によっても発話の際に現在を直感的にイメージすることができる。
このデザインは、現在の直近の未来に位置する半円から始まり右側の縦線の英語訓練画面31外へ延々と続く未来への時間の流れをイメージした図形であって、これによりユーザが直感的に未来をイメージすることができる。
ユーザは、未来アイコン53の形状のみならず色によっても発話の際に未来を直感的にイメージすることができる。
第1文字表示エリア61、第2文字表示エリア62は、文字にて発話指示を表示するエリアである。
英語訓練アプリ5は、第1文字表示エリア61に核心的な部分のイメージを文字にて表示し、第2文字表示エリア62に周辺的な部分のイメージを文字にて表示する。
なお、英語訓練アプリ5は、これらのエリアを、Make(日)モード、及び全(日)モードの場合は日本語で表示し、Make(英)モード、及び全(英)モードの場合は英語で表示する。
あなたアイコン41は、2人称の「あなた」をイメージするシンボルであり、彼アイコン42と彼女アイコン43は、それぞれ3人称の「彼」と「彼女」をイメージするシンボルである。
彼アイコン42と彼女アイコン43の組み合わせは、3人称の「彼ら」をイメージするシンボルであり、私アイコン44は、1人称の「私」をイメージするシンボルである。
これらシンボル化されたイメージにより、ユーザは、言語で表現される前のイメージとして主語と時制を非言語的に認識(把握)することができる。
ところで、英語訓練アプリ5は、表現対象を言語で表現される前のイメージの状態でユーザに直感的に認識させ、これをズームアウト型の順番で英語で表現させる訓練を繰り返し行わせるアプリケーションであるため、ユーザの頭の中では、言語表現に変換される前のイメージとして表現対象が去来する。
例えば、英語訓練アプリ5が彼アイコン42を表示すると、ユーザの頭の中では[主語は彼だな]と、「he」や「彼は」などの言葉の元となるイメージが認識される。
英語訓練画面31の画面遷移の段階は、主語と時制のイメージを表示する第1段階、述語(肯定・疑問・否定の文形が付随する動詞)のイメージを表示する第2段階、周辺的な部分のイメージを表示する第3段階、解答を表示する第4段階から構成されている。
このように、第1段階から第3段階に至る過程は、主語と時間軸→述語→周辺、とズームアウト型になっており、英語訓練サーバ2は、イメージ情報を訓練対象である言語における発話順序に基づいて提示する提示手段を備えている。
この画面は、英語訓練アプリ5を起動して開始ボタン35をタッチして表示されたものである。
この例では、手動自動切替ボタン32は、手動に設定されており、訓練モード切替ボタン34は、Make(日)モードに設定されている。課題番号表示欄33は、最初の課題をこれから行うため1と表示されている。
進むボタン36には、「ステップ1」と表示されており、進むボタン36をタッチすると、第1文字表示エリア61に述語を表示するステップ1に画面が遷移することが示される。
彼女アイコン43は、主語でありカラー表示で強調されている。
あなたアイコン41と私アイコン44は、主語でないため、輪郭線で表示されている。図では、輪郭線による表示を波線で表し、カラー表示を実線で表すことにする。
更に、ユーザは、彼女アイコン43と過去アイコン51から[主語は彼女で時制は過去形]と主語と時制を把握する。
この例は、手動モードであるため、英語訓練アプリ5は、第1段階の画面を表示した後、ユーザが進むボタン36をタッチするまで画面の遷移を一時停止(ポーズ)する。
なお、第1段階を、あなたアイコン41と私アイコン44を表示する段階と、主語と時制を表示する段階に分けてもよい。
そして、所定時間後、又はユーザが進むボタン36をタッチした後、英語訓練アプリ5は、主語と時制を与えるアイコンを表示する。この例は、英語訓練アプリ5に不慣れなユーザに適している。
以上のようにして、第1段階では、英語を母国語とする者と同様に、ユーザは最も核心的な部分のイメージである主語と時制を他のイメージに先だって認識することができる。
この画面は、第1段階の画面で進むボタン36をタッチすると表示される。
第2段階では、進むボタン36に「ステップ2」と表示され、進むボタン36をタッチすると、第2文字表示エリア62に周辺的な部分のイメージを表示するステップ2に画面が遷移することが示される。
第1段階の[主語は彼女で過去形]と第2段階の[作るの否定形]により、主語と時間軸、及び述語が揃い、ユーザは、発話の核心的な部分のイメージを認識する。
なお、本実施の形態では、述語の提示を言葉によって行うが、図形、絵柄、画像、動画などの非言語的な手段によりイメージを提示することも可能である。
また、動詞を言葉で提示し、肯定・否定・疑問の区別を、例えば「○」、「×」、「?」などと、図形や記号などで非言語的に提示するように構成することもできる。
このように発話指示における言語の介入をなるべく少なくすると、脳は言語に変換される前のイメージでの情報処理を行うため、英語脳の発育を促進することができる。
これにより、まずは核心的な部分のイメージをS(主語)+V(動詞)にて英語化するというズームアウト型の思考パターン、即ち英語脳を、ユーザは脳内の情報処理と口頭による筋肉運動により体験することができる。
このように、提示手段は、主語イメージ情報、時制イメージ情報、及び述語イメージ情報を提示した後、一時停止する。
この画面は、第2段階の画面で進むボタン36をタッチすると表示される。
第3段階では、進むボタン36に「解答」と表示され、進むボタン36をタッチすると、解答画面に遷移することが示される。
英語訓練アプリ5は、第2文字表示エリア62に表示を行う際に第1文字表示エリア61の表示を薄い色にするなど目立たなくさせ、ユーザの意識が第1文字表示エリア61から第2文字表示エリア62にズームアウト型の順序で向かうように誘導する。
なお、本実施の形態では、周辺的な部分のイメージの提示を言葉によって行うが、絵柄、画像、動画などの非言語的な手段によりイメージを提示することも可能である。
これにより、核心的なイメージであるS(主語)+V(動詞)を発話しつつ、周辺的なイメージを英語化して発話するというズームアウト型の発話過程を、ユーザは脳内の情報処理と口頭による筋肉運動により体験することができる。
この場合、例えば、第1文字表示エリア61に「である」、第2文字表示エリア62に「生徒」と表示して「she was a student」などと発話訓練させる。
更に、第1文字表示エリア61に「作った」、第2文字表示エリア62に「私に夕食を」と表示して「she made me dinner」などとS+V+O+Oから成る第4文型を発話訓練させたり、第1文字表示エリア61に「させた」、第2文字表示エリア62に「怒る」と表示して「she made me angry」などとS+V+O+Cから成る第5文型を発話訓練させることも可能である。
この画面は、第3段階の画面で進むボタン36をタッチすると表示される。
第4段階では、進むボタン36に「次へ」と表示され、進むボタン36をタッチすると、次の課題に遷移することが示される。
英語訓練アプリ5は、解答を示してユーザに英文の確認を促す。
英語訓練サーバ2の提示手段は、イメージ情報の提示を終えた後、訓練対象である言語による表現を提示する。
なお、この際に、解答の音声出力も合わせて行い、ユーザに発音の確認を促すように構成することもできる。
また、英語訓練アプリ5、Make(日)モード、全(日)モードでは、解答を英語で表示するが、Make(英)モード→全(英)モードでは、解答を日本語で表示する。
手動自動切替ボタン32を自動に設定した場合、英語訓練アプリ5は、第1段階から第3段階まで所定の時間間隔で画面を遷移した後に一時停止し、ユーザが進むボタン36をタッチすると第4段階の画面を表示する。
この所定の時間間隔は、ユーザが設定することができる。
ユーザは、最初は手動モードで訓練し、慣れてくると自動モードで訓練する。そして、英語脳ができるに従って自動遷移の時間間隔を短くしていく。
画面の遷移時間が短いほど日本語脳の活性化を抑制することができ、英語脳の発達を促進することができる。
今回は、2番目の課題であるので課題番号表示欄33の表示は2になる。
この画面では、あなたアイコン41と私アイコン44が輪郭線で表示され、彼アイコン42と彼女アイコン43がカラー表示で強調されており、更に、未来アイコン53が表示されているため、ユーザは、[私アイコン44は自分]、[あなたアイコン41が話し相手]、[主語は彼ら]、[未来の話]と認識する。
今回は、3番目の課題であるので課題番号表示欄33の表示は3になる。
この画面では、あなたアイコン41はカラー表示で強調されており、私アイコン44が輪郭線で表示されている。また、時間軸として現在アイコン52が表示されている。
これにより、ユーザは、[私アイコン44は自分]、[あなたアイコン41が話し相手]、[主語はあなた]、[現在の話]と認識する。
これによりユーザは、核心部分のイメージから周辺部分のイメージに向かって英語化し、「can you make the attachment?」などと発話する。
この場合は、例えば、過去、現在、未来に対応する音声を登録しておき、これを再生してユーザに時制を指示する。
また、触覚を通じて発話指示を行うことも可能である。この場合は、振動デバイスをユーザに取り付けて振動を伝えたり、電極をユーザに取り付けて電気刺激を与えたりすることにより時制などを指示する。
以下の動作は、英語訓練サーバ2の備えるCPU11と端末4の備えるCPU21が、それぞれ英語訓練プログラム16とブラウザプログラム18に従って行うものである。
まず、端末4(ブラウザ、以下同様)は、通信制御装置24を用いることによりインターネット3を介して英語訓練サーバ2のウェブサイトにアクセスする。
これに対し、英語訓練サーバ2(英語訓練アプリ5、以下同様)は、英語訓練画面31の初期状態を表示する初期画面データを端末4に送信し、端末4は、これを用いて初期状態の英語訓練画面31を表示装置25に表示する。
英語訓練サーバ2は、端末4から開始が選択された旨の通知を受けると、第1問目の課題の第1段階の英語訓練画面31を表示する画面データを端末4に送信する(ステップ10)。
ユーザが英語訓練画面31で進むボタン36をタッチしてステップ1を選択すると、端末4は、位置入力装置26でこれを検知し、ステップ1が選択された旨を英語訓練サーバ2に通知する(ステップ20)。
英語訓練サーバ2は、端末4からステップ1が選択された旨の通知を受信すると、第1問目の課題の第2段階の英語訓練画面31を表示する画面データを端末4に送信する(ステップ25)。
ユーザが英語訓練画面31で進むボタン36をタッチしてステップ2を選択すると、端末4は、位置入力装置26でこれを検知し、ステップ2が選択された旨を英語訓練サーバ2に通知する(ステップ35)。
英語訓練サーバ2は、端末4からステップ2が選択された旨の通知を受信すると、第1問目の課題の第3段階の英語訓練画面31を表示する画面データを端末4に送信する(ステップ40)。
ユーザが英語訓練画面31で進むボタン36をタッチして解答を選択すると、端末4は、位置入力装置26でこれを検知し、解答が選択された旨を英語訓練サーバ2に通知する(ステップ50)。
英語訓練サーバ2は、端末4から解答が選択された旨の通知を受信すると、第1問目の課題の第4段階の英語訓練画面31を表示する画面データを端末4に送信する(ステップ55)。
ユーザは、英語訓練画面31で進むボタン36をタッチして次へを選択するか、又は、終了ボタン37を選択して終了を選択する。
端末4は、次へ、又は終了が選択された場合、端末4は、位置入力装置26でこれを検知し、その旨の通知を英語訓練サーバ2に送信する(ステップ65)。
次へが選択された場合(ステップ70;次へ)、英語訓練サーバ2は、次の課題を選択して(ステップ75)、ステップ10に戻る。
終了が選択された場合(ステップ70;終了)、英語訓練サーバ2は、訓練時間などの訓練結果を集計し、これを表示するための結果画面データを端末4に送信する(ステップ80)。
端末4は、英語訓練サーバ2から結果画面データを受信すると、これを用いて結果画面を表示して訓練を終了する(ステップ85)。
以上に説明した実施の形態では、一例として日本語を母国語とし、英語を母国語としないユーザが英語の発話を訓練する場合について説明したが、英語を母国語とし、日本語を母国語としないユーザが日本語の発話を訓練する場合は、次のようになる。
まず、第1段階では、私アイコン44とあなたアイコン41を輪郭線で表すと共に彼女アイコン43をカラーで強調して表示する。
ユーザは、[私は私アイコン44]、[話し相手はあなたアイコン41]、[主語は彼女]と認識する。
このようにして、ユーザは、周辺的な部分のイメージから核心的な部分のイメージに迫るズームイン型の日本語脳を体験することができる。
また、日本語脳のユーザが韓国語脳の訓練をするなど、同じ言語系統の言語間での訓練に用いることができる。この場合は、ズームイン型の言語脳のユーザの場合は、ズームイン型のイメージ表示で訓練を行い、ズームアウト型の言語脳のユーザの場合は、ズームアウト型のイメージ表示で訓練を行うことになる。
2 英語訓練サーバ
3 インターネット
4 端末
5 英語訓練アプリ
8 英語訓練装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 通信制御装置
15 記憶装置
16 英語訓練プログラム
18 ブラウザプログラム
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 通信制御装置
25 表示装置
26 位置入力装置
27 スピーカ
28 マイク
29 記憶装置
31 英語訓練画面
32 手動自動切替ボタン
33 課題番号表示欄
34 訓練モード切替ボタン
35 開始ボタン
36 進むボタン
37 終了ボタン
41 あなたアイコン
42 彼アイコン
43 彼女アイコン
44 私アイコン
51 過去アイコン
52 現在アイコン
53 未来アイコン
61 第1文字表示エリア
62 第2文字表示エリア
Claims (2)
- 言語で表現される前の表現対象である主語、時制、述語及び周辺的な部分のイメージを表すイメージ情報を取得する取得手段と、
前記取得したイメージ情報を訓練対象である言語における発話順序に基づいて提示する提示手段と、
を具備し、
前記イメージ情報は、視覚を通じて前記表現対象のイメージを起こさせる情報であり、主語に関しては、第1人称、第2人称及び第3人称を示すアイコンであり、時制に関しては、過去、現在及び未来を示すアイコンであり、述語及び周辺的な部分に関しては、文字であり、
前記提示手段は、主語と時制のイメージ情報を表示する第1段階、述語(肯定・疑問・否定の文形が付随する動詞)のイメージ情報を表示する第2段階、周辺的な部分のイメージ情報を表示する第3段階の順でイメージ情報を提示し、
且つ、前記提示手段は、第1段階で主語を提示する際、表示されている第1人称、第2人称及び第3人称を示すアイコンのうち該当するアイコンを強調表示し、時制を提示する際、過去、現在及び未来を示すアイコンのうち、該当するアイコンのみを表示し、
前記提示手段が、発話順序に基づいて取得したイメージ情報を提示する際、手動で一段階ごとにイメージ情報を遷移させる手動モードと、複数の段階に渡って順次連続して遷移される自動モードとを選択するモード選択手段をさらに具備したことを特徴とする言語訓練装置。
- 前記提示手段が、第3段階のイメージ情報を提示した後、第4段階として、回答のイメージ情報を提示することを特徴とする請求項1に記載の言語訓練装置。
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