JP6449134B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、静電霧化装置で発生したミストを貯蔵室に供給する構成とした冷蔵庫に関する。
従来、冷蔵庫において、ミスト発生装置(超音波式霧化装置或いは静電霧化装置)を、貯蔵室のうちの野菜室に設けて、そのミスト発生装置から発生したミストを野菜室に供給することにより、野菜の鮮度保持を行う構成が考えられている(例えば、特許文献1参照)。また、このようなミスト発生装置を、野菜等に付着した農薬等の有害物質の除去に利用したり(例えば、特許文献2参照)、或いは殺菌や脱臭に利用したり(例えば、特許文献3参照)することも考えられている。
特許第4179398号公報 特開2008−116198号公報 特開2003−79714号公報
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電霧化装置で発生したミストを複数の貯蔵室に供給することができる冷蔵庫を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明は、冷蔵温度帯の第1貯蔵室および第2貯蔵室を有する冷蔵庫において、ヒドロキシラジカルを含むミストを放出するミスト放出部と、このミスト放出部に水分を供給する給水部と、前記ミスト放出部に負の電圧を印加する電源装置とを有する静電霧化装置と、前記第1貯蔵室に固定され、前記静電霧化装置が収容されるユニットベースと、前記ユニットベースを覆う蓋と、前記蓋に設けられ、前記ミスト放出部から放出されるミストを通過させる複数のミスト放出口と、を備え、前記静電霧化装置は、前記第1貯蔵室に冷気を吹き出す冷気吹出し口の前方に配置されており、前記ミスト放出口は、前記ミスト放出部よりも前方および下方に設けられており、前記ミスト放出部から放出されるミストは、前記冷気吹出し口から前記第1貯蔵室に吹出される冷気の流れとともに、前記ミスト放出口を通して前記第1貯蔵室に供給され、前記第1貯蔵室に供給されたミストは、冷気とともに前記第2貯蔵室にも供給されることを特徴とする。
本発明の冷蔵庫によれば、静電霧化装置で発生したミストを複数の貯蔵室に供給することができる
本発明の第1の実施形態を示す冷蔵庫全体の縦断側面図 静電霧化装置を設置した付近の概略的斜視図 静電霧化装置を設置した付近の概略的平面図 給水機構部分の縦断側面図 野菜容器と静電霧化装置との位置関係を示す概略的斜視図 静電霧化装置設置部分の縦断側面図 図6とは異なる位置での静電霧化装置部分の縦断側面図 本発明の第2の実施形態を示すもので、静電霧化装置設置部分の縦断側面図 本発明の第3の実施形態を示す図8相当図
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1から図7を参照して説明する。まず、図1において、冷蔵庫本体1の断熱箱体2は、外箱と内箱との間に発泡断熱材を充填して形成されている。この冷蔵庫本体1の内部には、上方から冷蔵室3、野菜室4、そして製氷室5と小冷凍室(図示せず)を左右に併設し、最下部に冷凍室7を配設している。このうち、冷蔵室3及び野菜室4は、庫内温度が1〜4℃に制御される冷蔵温度空間であり、どちらも冷蔵温度帯の貯蔵室を構成する。これら冷蔵室3及び野菜室4は、同じ冷蔵温度帯の貯蔵室であることから、基本的に合成樹脂により形成された仕切板8によって上下に区画されている。他の貯蔵室の製氷室5、小冷凍室及び冷凍室7は、冷凍温度帯の貯蔵室を構成するものである。なお、小冷凍室は、使用者によって設定温度を切り替えることが可能な温度切替室としてもよい。冷蔵温度帯の下部の野菜室4と、これのすぐ下に存する冷凍温度帯の製氷室5及び小冷凍室との間は、断熱仕切壁9によって区画されている。
冷蔵室3は、横開き式の回動可能な扉3aによって開閉され、他の野菜室4、製氷室5、小冷凍室及び冷凍室7は、それぞれ引き出し式の扉4a,5a,7aによって開閉されるようになっている。なお、各貯蔵室(冷蔵室3、野菜室4、製氷室5、小冷凍室、冷凍室7)には、対応する扉3a、4a,5a,7aの開閉を検出する扉スイッチ(図示せず)が設けられている。製氷室5には、製氷皿11を備えた自動製氷装置12(製氷装置)が配設されている。
冷蔵室3の下部の背部には冷蔵用冷却器13が配設され、野菜室4の背部には、この冷蔵用冷却器13により冷却された冷気を冷蔵温度帯の貯蔵室である冷蔵室3及び野菜室4内に供給して循環させる冷蔵用ファン14が配設されている。冷蔵室3の後面には、冷気ダクト15が設けられている。この冷気ダクト15には複数の冷気吹出し口15aが形成されていて、冷気ダクト15内を通る冷気が冷気吹出し口15aから冷蔵室3内に吹き出される。
また、冷凍室7の背部には冷凍用冷却器16が配設され、製氷室5及び小冷凍室の背部には、冷凍用冷却器16により冷却された冷気を冷凍温度帯の貯蔵室である製氷室5、小冷凍室及び冷凍室7に供給して循環させる冷凍用ファン17が配設されている。冷蔵庫本体1の後底部には機械室18が形成されていて、ここに冷凍サイクルのコンプレッサ19が配設されている。このコンプレッサ19は、冷蔵用冷却器13と冷凍用冷却器16に共用のものである。
冷蔵室3内の下部には、図2に示すように、仕切板8の上方に位置させて、左端に製氷用給水タンク20が着脱可能にセットされ、この製氷用給水タンク20の右隣に引出し式の小物ケース21と卵ケース22が上下2段に設けられ、右側にチルド室23が設けられている。チルド室23にはチルドケース24が設けられている。この場合、製氷用給水タンク20、小物ケース21、卵ケース22、チルド室23の前端は、仕切板8の前端よりも後方に位置していて、仕切板8の前部8aの上方には空間部が形成されている。この空間部は、冷蔵室3における扉3aの内面に設けられたドアポケット25(図1参照)のためのスペースになっている。
前記製氷用給水タンク20の後方には、図3に示すように水受け容器28が設置されている。これら製氷用給水タンク20と水受け容器28との間には、製氷用給水タンク20の水を水受け容器28側へ供給するための給水機構29が設けられている。この給水機構29は、次のような構成となっている。図4に示すように、水受け容器28の下方にはポンプ用モータ30が設けられ、前記製氷用給水タンク20にはポンプ31が設けられていて、ポンプ用モータ30により非接触でポンプ31を駆動する構成となっている。
詳細には示されてはいないが、その駆動原理を簡単に説明する。ポンプ用モータ30の先端部には、当該ポンプ用モータ30により回転駆動される永久磁石32が設けられ、その永久磁石32の回転により、製氷用給水タンク20内のポンプ31のポンプ羽根が回転し、ポンプ動作が行なわれる。ポンプ動作が行なわれると、製氷用給水タンク20内の水が汲み上げられて、給水パイプ33を介して水受け容器28に供給される。水受け容器28に供給された水は、給水パイプ34を介して、前記自動製氷装置12の製氷皿11へ供給される構成となっている。
さて、冷蔵室3と野菜室4との間を仕切る前記仕切板8の前部8aに、静電霧化装置36が設置されており、以下、この静電霧化装置36の構成について、図6及び図7も参照して説明する。静電霧化装置36は、図2及び図3に示すように、仕切板8の前部8aにおいて、左右方向のほぼ中央部に配置されている。仕切板8の下面には、静電霧化装置36を設置するためのベース板37が取り付けられ、仕切板8には、静電霧化装置36の霧化ユニット38を出し入れするための開口部39が形成されている。仕切板8には、その開口部39を開閉する蓋40が前後方向にスライド可能に設けられている。仕切板8とベース板37との間には、霧化ユニット38を収容するためのユニット収容部41が設けられている。
霧化ユニット38は、水Wを貯留する貯水タンク43(貯水部に相当)と、この貯水タンク43の上部に組み付けられた上部ケース44と、この上部ケース44を上方から覆うユニット蓋45とを有している。上部ケース44には、導電性シート46と、保水材47と、吸水ピン48と、複数本のミスト放出部49が設けられている。
このうち、導電性シート46は、例えば、ポリエステル繊維と、導電性物質としてのカーボン繊維を混ぜてフェルト状(不織布状)に形成したもので、保水性、水分の吸い上げ特性と、導電性を有していて、上部ケース44内の上部に配置されている。
保水材47は、例えばウレタンスポンジからなり、保水性及び水分の吸い上げ特性に優れていて、上面が導電性シート46の下面に接触する状態で配置されている。保水材47は、導電性シート46よりも厚く形成されている。
吸水ピン48は、例えば、ポリエステル繊維を撚り合せてピン状に形成したもので、保水性と、水分の吸い上げ特性に優れている。この吸水ピン48は、上端部が前記保水材47を貫通して導電性シート46に接触している。また、吸水ピン48の下端部は、上部ケース44の筒部44aを通して貯水タンク43内の水Wの中に挿入された状態となっている。
ミスト放出部49は、例えば、ポリエステル繊維と、導電性物質としてのカーボン繊維を混ぜて撚り合せてピン状に形成したもので、吸水ピン48と同様に保水性及び水分の吸い上げ特性を有するとともに、導電性シート46と同様に導電性を有している。各ミスト放出部49には、白金ナノコロイドを担持させている。白金ナノコロイドは、例えば、当該白金ナノコロイドを含む処理液にミスト放出部49を浸漬して、これを焼成することによって担持させることができる。これら各ミスト放出部49は、それぞれの上端部が導電性シート46に接触している。
また、各ミスト放出部49の下端部は、上部ケース44を貫通して上部ケース44の下方へ垂下する状態で突出している。上部ケース44には、それらミスト放出部49を覆うように放出部カバー50が着脱可能に設けられている。その放出部カバー50には、ミスト放出部49の下方に位置させて、放出口51が形成されている。ベース板37には、その放出口51の後方に位置させて、ミスト放出口52が形成されている。ミスト放出口52は、野菜室4内の上部に連通している。放出口51とミスト放出口52とは連通していて、前記ミスト放出部49からミストが放出されると、そのミストは、図6に矢印Aで示すように、放出口51からミスト放出口52を通して野菜室4内に供給されるようになっている。
ここで、吸水ピン48は、貯水タンク43内の水Wを吸い上げて保水材47及び導電性シート46に供給する。保水材47は、吸水ピン48から供給された水を保持するとともに、その水を前記導電性シート46に供給する。導電性シート46は、吸水ピン48及び保水材47から供給された水をミスト放出部49に供給する。この場合、吸水ピン48、保水材47、導電性シート46は、ミスト放出部49へ水分を供給する給水部を構成する。貯水タンク43は、給水部と貯水部を兼ねている。
霧化ユニット38をユニット収容部41にセットする際には、前記蓋40を開放させた状態で、図6に矢印B1で示すように、開口部39からユニット収容部41内に挿入した後、後方へスライドさせることによって正規のセット位置にセットする。また、霧化ユニット38をユニット収容部41から取り出す際には、図6に矢印B2で示すように、手前にスライドさせた後、霧化ユニット38を持ち上げて開口部39から取り出すようにする。
霧化ユニット38には、図7に示すように、給電ピン54が後方へ向けて突出するように設けられている。この給電ピン54は、基端部が導電部材55を介して前記導電性シート46に接続されている。霧化ユニット38をユニット収容部41内の正規の位置にセットすると、給電ピン54の先端部が、ベース板37側に設けられたコネクタ58に挿入接続される。コネクタ58は、電源装置56の二次側の高電圧トランス57の一端に接続されるようになっている。ここで、前記ミスト放出部49には、導電性シート46、給電ピン54、コネクタ58を介して、電源装置56の負の高電圧が印加されるようになっている。電源装置56の負の高電圧が各ミスト放出部49に印加されると、各ミスト放出部49の表面の水分が分裂して微細なミストとして放出されるようになる。静電霧化装置36において、ミスト放出部49に対する対極を、当該ミスト放出部49の近傍には設置していない。
ユニット収容部41内の底部には、霧化ユニット38の位置決めをする位置決め凸部60が設けられているとともに、霧化ユニット38のセット状態を検出するユニット検出スイッチ61が設けられている。また、ベース板37の前部には、蓋スイッチ62及びレバー63が設けられている。蓋40が閉鎖された状態では、蓋40の押圧部64を介してレバー63が回動されることに基づき蓋スイッチ62が押圧操作され、蓋40が開放されると、蓋スイッチ62に対する押圧操作が解除される。これにより、蓋40の開閉を蓋スイッチ62により検出する。
前記貯水タンク43内には、図7に示すように、容器状をなすろ過フィルタ65が設けられているとともに、そのろ過フィルタ65内にイオン交換樹脂66が収容されている。ユニット蓋45には、そのろ過フィルタ65に対応して下方へ延びる筒状の注水口67が設けられている。ユニット蓋45には、その注水口67を開閉する注水蓋68が着脱可能に装着されている。その注水蓋68を外した状態で、注水口67から貯水タンク43内へ水を補給することができる。補給された水は、ろ過フィルタ65によりろ過することができる。また、貯水タンク43の内面には、例えば酸化チタンからなる光触媒69が塗布されている。ユニット収容部41内の底部には、紫外線を発する光源(例えば紫外線LED)70が設けられている。この光源70は、点灯時に貯水タンク43に向けて紫外線を照射する。光触媒69は、その紫外線を受けることで活性化し、除菌作用を発揮する。ここで、ろ過フィルタ65、イオン交換樹脂66、光触媒69は、本発明の浄水手段を構成する。
前記野菜室4内には、図1に示すように、下部容器72と、この下部容器72の上部に配置された上部容器73とが設けられている。上部容器73は、下部容器72よりも前後方向の長さが小さく形成されていて、下部容器72の後部側に配置されている。上部容器73の前端部が、前記ベース板37の前記ミスト放出口52の下方に位置するようになっている。そして、この状態で、ミスト放出口52から野菜室4内へミストが放出されると、そのミストは下部容器72と上部容器73の両方に供給されるようになる。
冷蔵庫本体1の背部には、マイクロコンピュータを含む制御装置75(図1参照)が設けられている。この制御装置75は、冷凍サイクルのコンプレッサ19や冷蔵用ファン14、冷凍用ファン17、自動製氷装置12、給水機構29のポンプ用モータ30、静電霧化装置36、光源70など、冷蔵庫本体1の全体の動作を制御する機能を有していて、制御手段を構成する。制御装置75は、特に、静電霧化装置36に対しては、各貯蔵室の扉スイッチが扉の閉鎖を検出し、かつ、前記蓋スイッチ62が蓋40の閉鎖を検出し、さらに、ユニット検出スイッチ61が霧化ユニット38のセット状態を検出した状態でのみ静電霧化装置36への通電を許容するが、いずれかの貯蔵室の扉が開放されたり、蓋40が開放されたり、或いは霧化ユニット38がセットされていないことを検出した場合には、静電霧化装置36への通電を遮断する。また、制御装置75は、所定時間ごとに光源70を一定時間点灯制御する。
上記構成の作用を説明する。
霧化ユニット38がユニット収容部41内にセットされ、ユニット収容部41の蓋40が閉鎖され、かつ、各貯蔵室の扉が閉鎖された状態で、静電霧化装置36が駆動されると、各ミスト放出部49から微細なミストが放出され、そのミストがミスト放出口52から野菜室4の上部容器73及び下部容器72内に供給される。そのミストは強い酸化作用を有するヒドロキシラジカルを含んでいて、そのヒドロキシラジカルを含むミストが野菜室4の上部容器73及び下部容器72内に供給されることで、それらの除菌や脱臭が可能になる。また、そのミストにより、それら上部容器73及び下部容器72内に収容された野菜等の鮮度保持等も期待できる。また、所定時間ごとに光源70を一定時間点灯制御することで、貯水タンク43内の光触媒69が活性化され、貯水タンク43内の除菌作用を期待できる。
ところで、静電霧化装置36は、水が無くなるとミストを発生させることができなくなるため、定期的に水を補給する必要がある。また、使用に伴いミスト放出部49の表面にぬめりのような汚れが付着して目詰まりが発生すると、ミストの放出性能が低下するため、例えば1年に1回程度、ミスト放出部49を掃除することが好ましい。
このような場合には、冷蔵室3の扉3aを開放した後、仕切板8前部8aの蓋40をスライドさせてユニット収容部41の開口部39を開放させる。そして、使用者はユニット収容部41内に手を挿入して静電霧化装置36の霧化ユニット38を持ち、前方へスライドさせた後、持ち上げ、ユニット収容部41から取り出す。このとき、コネクタ58に対する給電ピン54の接続が外れる。そして、水を補給するだけの場合には、注水蓋68を外した状態で注水口67から水を補給する。また、ミスト放出部49も掃除する場合には、貯水タンク43から上部ケース44を外すとともに、上部ケース44から放出部カバー50を外し、ミスト放出部49を露出させた状態でその掃除を行う。なお、水を補給するだけの場合には、霧化ユニット38をユニット収容部41にセットしたままで、注水蓋68のみを外すことによっても行うことができる。
なお、水の補給や掃除が終わったら、霧化ユニット38をもとのように組み立てた後、霧化ユニット38をユニット収容部41内に収容して正規の位置にセットする。このとき、給電ピン54をコネクタ58に挿入接続する。この後、蓋40を前方へスライドして開口部39を閉鎖し、冷蔵室3の扉3aを閉鎖しておく。
上記した第1の実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
冷蔵室3と野菜室4との間の仕切板8に静電霧化装置36を設置し、その静電霧化装置36のミスト放出部49から放出されたミストを主に野菜室4に供給する構成とした。これにより、強い酸化作用を有するヒドロキシラジカルを含むミストが野菜室4に供給されることで、その野菜室4内の除菌や脱臭が可能になる。また、そのミストにより、野菜等の鮮度保持等も期待できる。
静電霧化装置36としては、ミスト放出部49に対する対極を、当該ミスト放出部49の近傍に設置していないため、ミスト放出部と対極との間でコロナ放電が発生していた従来構成のものとは異なり、オゾンなどの有害ガスの発生を抑えることができ、安全性を向上させることができる。
静電霧化装置36は水Wを貯留する貯水タンク43を有し、この貯水タンク43に貯留された水Wを、吸水ピン48、保水材47及び導電性シート46を介して各ミスト放出部49に供給する構成としている。これにより、ミスト放出部49へ水を安定して供給することができるので、ミスト放出部49からのミスト発生量も安定させることができる。
また、貯水タンク43は霧化ユニット38ごとユニット収容部41に対して着脱可能であるから、貯水タンク43への水の補給を容易に行うことができる。貯水タンク43に合わせてミスト放出部49も着脱可能であるから、そのミスト放出部49の掃除も容易に行うことができる。
貯水タンク43内にろ過フィルタ65を設けたので、貯水タンク43内に補給される水を浄化することができ、清潔な水をミスト放出部49に供給することができる。これにより、ミスト放出部49などに目詰まりが発生することを極力防止することができ、ミストの放出量の低下を防止することができるようになる。また、そのろ過フィルタ65内にイオン交換樹脂66を設けたので、貯水タンク43内に貯留される水Wに含まれたミネラル分を、そのイオン交換樹脂66により吸着することで除去することができる。これにより、ミスト放出部49などにスケールが蓄積してしまうことを極力防止できて、目詰まりの発生を一層防止することができ、ミストの放出量の低下を一層防止できるようになる。これらにより、ミスト放出部49の使用寿命を長くすることが可能になる。
加えて、所定時間ごとに光源70を一定時間点灯制御することで、貯水タンク43内の光触媒69が活性化され、貯水タンク43内の除菌作用を期待できる。これによっても、清潔な水をミスト放出部49に供給することができる。
静電霧化装置36の霧化ユニット38は仕切板8の前部8aに設置したので、その霧化ユニット38に対する水の補給や、霧化ユニット38の着脱が容易にできる。霧化ユニット38のミスト放出部49から放出されるミストが、野菜室4における上部容器73と下部容器72の両方に上方から供給される構成としたので、上部容器73にも下部容器72にもミストを供給することができる。
ミスト放出部49に白金ナノコロイドを担持させることで、ミスト放出部49から放出されるミストにヒドロキシラジカルが一層生成されやすくなり、除菌機能や脱臭機能を一層向上させることが可能になる。また、ミスト放出部49に導電性物質(カーボン)を含ませたことにより、ミスト放出部49の導電性を良好に維持することができる。
貯蔵室(冷蔵室3、野菜室4、製氷室5、小冷凍室、冷凍室7)の扉3a、4a,5a,6a,7aのどれかが開放されると、静電霧化装置36の通電が遮断される構成としているので、使用者が高電圧部に触れることを防止でき、安全性の向上を図ることができる。この場合、少なくとも冷蔵室3の扉3aが開放されたときに、静電霧化装置36の通電が遮断される構成とすればよい。また、本実施形態においては、静電霧化装置36を収容したユニット収容部41の蓋40の開閉を検出する蓋スイッチ62を設け、その蓋40が開放されたときも、静電霧化装置36の通電が遮断されるようにしているので、一層安全性を向上できる。さらに、ユニット収容部41にユニット検出スイッチ61を設け、霧化ユニット38がセットされていないときも、静電霧化装置36の通電が遮断されるようにしているので、一層安全性を向上できる。
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態について図8を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明は省略し、異なる部分について説明する。
この実施形態における静電霧化装置80は、冷蔵室3内の後部において、チルド室23の上方で、かつ冷気ダクト15の冷気吹出し口15aの前方に位置させて設置されている。静電霧化装置80の霧化ユニット81を収容するユニットベース82は、チルド室23の上方に設置された下部棚板83上に固定されている。
ユニットベース82は、後面及び前面が開口していて、前面に前面開口部を開閉する蓋84が設けられている。蓋84は、上端部が軸85にてユニットベース82に回動可能に支持されていて、その軸85を支点に前後方向に回動可能とされている。ユニットベース82の上部には、蓋84の開閉を検出する蓋スイッチ86が設けられている。下部棚板83にはストッパ部87が設けられている。このストッパ部87は、蓋84が開放方向に移動することを規制するためのもので、使用者が蓋84を開放させる際にはその規制を解除することができるようになっている。蓋84には、ミストを通過させるためのミスト放出口88が形成されている。
霧化ユニット81は、貯水タンク90(給水部、貯水部に相当)と、ピン状をなす複数本のミスト放出部91と、導電性シート92と、保水材93と、吸水ピン94と、放出部カバー95とを有していて、ユニットベース82に対して前方から出し入れ可能に収納されるようになっている。
ミスト放出部91、導電性シート92、保水材93、吸水ピン94は、第1の実施形態におけるミスト放出部49、導電性シート46、保水材47、吸水ピン48と同種の材料により形成されている。各ミスト放出部91は、下端部が導電性シート92に接触し、先細状をなす上端部が上に向けられている。導電性シート92の下に保水材93が配置されている。吸水ピン94は、上端部が保水材93を貫通して導電性シート92に接触し、下端部が貯水タンク90内に貯留された水Wの中に挿入されている。
貯水タンク90内の後部には、容器状をなすろ過フィルタ96が設けられ、このろ過フィルタ96内にイオン交換樹脂97が収容されている。この場合も、ろ過フィルタ96及びイオン交換樹脂97は浄水手段を構成する。貯水タンク90の上部には、ろ過フィルタ96の上方に位置させて注水口98が形成されている。
冷気ダクト15には、貯水タンク90の上方に位置させて冷却板99が配置されている。この冷却板99は、熱伝導率の高い金属材料、例えば鉄板によりほぼコ字形に形成されていて、開口部が下向きとなるように配置されている。この冷却板99の一端部99aは、冷気ダクト15を貫通して当該冷気ダクト15内に配置され、他端部99bは冷蔵室3内に突出して、前記注水口98の上方に配置されている。他端部99bの下端部が、注水口98に上方から臨んでいる。
この場合、冷却板99の一端部99aが、冷気ダクト15内を流れる冷気により冷却されるため、それに伴い他端部99bも冷却される。これに伴い、冷蔵室3内において、その他端部99bの周囲の空気に含まれた水蒸気がその他端部99bの表面に結露し、その結露水W1が注水口98から貯水タンク90内に滴下し、貯留されるようになる。したがって、庫内の湿気を凝縮した結露水W1が貯水タンク90に貯留される。その貯水タンク90に貯留された水Wは、吸水ピン94に吸い上げられ、保水材93及び導電性シート92を介してミスト放出部91へ供給される。この場合、吸水ピン94、保水材93、導電性シート92は、ミスト放出部91へ水分を供給する給水部を構成する。貯水タンク90は、給水部と貯水部を兼ねている。
前記放出部カバー95はミスト放出部91を覆うように配置され、ミストが通過する多数の孔を有している。霧化ユニット81には、図示はしないが、後方に向けて突出する給電ピンが設けられていて、霧化ユニット81を正規の位置にセットすることに伴い、その給電ピンが、ユニットベース82側に設けられた図示しないコネクタに挿入接続されるようになっている。この場合も、ミスト放出部91には、導電性シート92、給電ピン及びコネクタを介して、電源装置の負の高電圧が印加されるようになっている。電源装置の負の高電圧が各ミスト放出部91に印加されると、各ミスト放出部91の表面の水分が分裂して微細なミストとして放出されるようになる。静電霧化装置80において、ミスト放出部91に対する対極を、当該ミスト放出部91の近傍には設置していない。
上記構成において、静電霧化装置80が駆動されると、各ミスト放出部91からヒドロキシラジカルを含む微細なミストが放出される。そのミストは、冷気ダクト15の冷気吹出し口15aから冷蔵室3内に吹き出される冷気の流れととともに、蓋84のミスト放出口88を通して冷蔵室3の前方に向けて供給される(図8の矢印C参照)。冷蔵室3内に供給されたミストは、冷気とともに下方の野菜室4にも供給されるようになる。
上記した実施形態によれば、特に次のような作用効果を得ることができる。
静電霧化装置80を、冷蔵室3内において、冷気吹出し口15aの前方に配置しているので、ミスト放出部91から放出されたミストを冷蔵室3及び野菜室4にも供給することができ、それらの除菌及び脱臭の作用を期待することができる。また、そのミストにより、野菜等の鮮度保持等も期待できる。
静電霧化装置80において使用する水として、冷却板99に結露した結露水W1(庫内の水蒸気を凝縮した結露水)を利用しているので、静電霧化装置80への給水を自動化でき、使用者が静電霧化装置80へ給水する手間を極力省くことができる。なお、貯水タンク90へは、使用者が必要に応じて水を補給することもできる。この場合、冷却板99に結露した結露水W1には、庫内の空気に含まれた埃が含まれることが懸念されるが、その結露水W1をろ過フィルタ96にてろ過することで浄化することができる。
(第3の実施形態)
次に本発明の第3の実施形態について図9を参照して説明する。なお、第1及び第2の実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明は省略し、異なる部分について説明する。
この第3の実施形態においては、庫内の水蒸気を凝縮する手段として、冷却板99に代えて、電子冷却ユニット、この場合ペルチェ素子101の冷却面102を利用している。ペルチェ素子101は、この場合、ユニットベース82の取付片103に取り付けている。そのペルチェ素子101の冷却面102は、冷蔵室3内において、前記注水口98の上方に配置されている。冷却面102の下端部が、注水口98に上方から臨んでいる。
この場合、ペルチェ素子101の冷却面102が冷却されることに伴い、冷却面102の周囲の空気に含まれた水蒸気がその冷却面102の表面に結露し、その結露水W1が注水口98から貯水タンク90内に滴下し、貯留されるようになる。したがって、この場合も庫内の湿気を凝縮した結露水W1が貯水タンク90に貯留される。その貯水タンク90に貯留された水Wは、吸水ピン94に吸い上げられ、保水材93及び導電性シート92を介してミスト放出部91へ供給される。この場合も、吸水ピン94、保水材93、導電性シート92は、ミスト放出部91へ水分を供給する給水部を構成する。貯水タンク90は給水部と貯水部を兼ねている。
このような構成とした第3の実施形態においても第2の実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
浄水手段としては、ろ過フィルタ65,96内に収容したイオン交換樹脂66,97に代えて活性炭を用いてもよい。
光触媒69としては、酸化チタンに限られず、可視光型光触媒を用いてもよい。可視光型光触媒を用いた場合には、光源70も可視光型光源でよい。
図面中、3は冷蔵室(貯蔵室)、4は野菜室(貯蔵室)、8は仕切板、15aは冷気吹出し口、20は製氷用給水タンク(貯水部)、36は静電霧化装置、38は霧化ユニット、40は蓋、43は貯水タンク(給水部、貯水部)、46は導電性シート(給水部)、47は保水材(給水部)、48は吸水ピン(給水部)、49はミスト放出部、54は給電ピン、56は電源装置、65はろ過フィルタ(浄水手段)、66はイオン交換樹脂(浄水手段)、69は光触媒、70は光源、75は制御装置、80は静電霧化装置、81は霧化ユニット、84は蓋、88はミスト放出口、90は貯水タンク(給水部、貯水部)、91はミスト放出部、92は導電性シート(給水部)、93は保水材(給水部)、94は吸水ピン(給水部)、96はろ過フィルタ(浄水手段)、97はイオン交換樹脂、99は冷却板、101はペルチェ素子、102は冷却面を示す。

Claims (2)

  1. 冷蔵温度帯の第1貯蔵室および第2貯蔵室を有する冷蔵庫において、
    ヒドロキシラジカルを含むミストを放出するミスト放出部と、このミスト放出部に水分を供給する給水部と、前記ミスト放出部に負の電圧を印加する電源装置とを有する静電霧化装置と、
    前記第1貯蔵室に固定され、前記静電霧化装置が収容されるユニットベースと、
    前記ユニットベースを覆う蓋と、
    前記蓋に設けられ、前記ミスト放出部から放出されるミストを通過させる複数のミスト放出口と、を備え、
    前記静電霧化装置は、前記第1貯蔵室に冷気を吹き出す冷気吹出し口の前方に配置されており、
    前記ミスト放出口は、前記ミスト放出部よりも前方および下方に設けられており、
    前記ミスト放出部から放出されるミストは、前記冷気吹出し口から前記第1貯蔵室に吹出される冷気の流れとともに、前記ミスト放出口を通して前記第1貯蔵室に供給され、前記第1貯蔵室に供給されたミストは、冷気とともに前記第2貯蔵室にも供給される冷蔵庫。
  2. 一端部が冷気により冷却される冷却部をさらに備え、
    前記給水部は、前記冷却部の他端部に結露する結露水を前記ミスト放出部に供給する請求項1に記載の冷蔵庫。
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