JP6449028B2 - 子牛の疑似グルーミング装置及び飼育管理方法 - Google Patents

子牛の疑似グルーミング装置及び飼育管理方法 Download PDF

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Description

本発明は、子牛に疑似グルーミングを施す装置に関する。
家畜動物に対してブラシ掛けをしてやることは、家畜動物の健康を改善する効果があることが知られている。馬、牛などの大きな動物に対するブラシ掛けは大変な作業であるため、これを自動的に行えるようにした回転ブラシ装置などが従来から知られており、これに関する技術が特許文献1〜3などによって開示されている。
米国特許第6318298号明細書 特開平11−243802号公報 特表2005−521412号公報
生後間もない時期に母親のケアがない状態におかれると子の成長や行動発達にとって大きなマイナス要因であるという報告が、人を含む多くの動物において存在している。しかしながら、乳牛及び肉牛飼養の現場においては、当該観点による子牛の成長や行動発達に与える影響について何の考慮もしていないのが現状である。昨今の乳牛及び肉牛飼養では、作業効率を上げるために集約管理体制をとっているため、子牛は母親から出産直後に分離されることが多いが、「生後間もない時期に母親のケアがない状態であること」について子牛の発育に係る影響等への問題意識そのものがないのが現状である。
このような状況であるため、従来、出産直後に母親から分離された子牛に対して、なんらかの形で母親によるケアを与える若しくはその代替手段を講じることを考慮するということはされてこなかった。「母親によるケア」の最も代表的な行為はグルーミングであり、母親によるケアの代替手段を講じるということを考えた場合、母親が子牛を舐めてやる行動の代わりにその代替手段を付与することが考えられる。
本発明は、子牛の育成に関する上記のような状況に鑑み、子牛に対して疑似的なグルーミング(母親が子牛を舐めてやる行動の代わり)を施すことが可能な装置、またはその利用状況を記録することが可能な子牛の疑似グルーミング装置を提供することを目的とする。
(構成1)
子牛の身体に接しながら回転する回転体と、この回転体を駆動する駆動体と、子牛が回転体に対して接触状態となるか又は回転体に近づくと入となって駆動体が駆動して回転体の回転が開始され、子牛が回転体に対して非接触状態となるか又は回転体から遠ざかると切となって駆動体が停止して回転体の回転が終了する作動スイッチと、を含む疑似グルーミング実行部、を備えることにより、成牛が子牛を舐めた際の刺激を模した刺激を子牛に与える疑似グルーミングを実行することを特徴とする子牛の疑似グルーミング装置。
上記構成によれば、子牛が回転体に接する又は近づくことにより、回転体が回転し、子牛は当該回転体から疑似的なグルーミング(母親が子牛を舐めてやる行動の代わり)を受けることが可能となる。
(構成2)
前記回転体が子牛に与える圧力が、成牛の舐める圧力と同等の圧力であることを特徴とする構成1に記載の子牛の疑似グルーミング装置。
(構成3)
前記回転体が子牛に与える圧力が0.3Mpa〜1.0Mpaであることを特徴とする構成2に記載の子牛の疑似グルーミング装置。
(構成4)
前記回転体が子牛に与える圧力が0.3Mpa〜0.5Mpaであることを特徴とする構成2に記載の子牛の疑似グルーミング装置。
(構成5)
前記回転体の回転数及び回転速度の少なくとも一方の設定により、子牛が前記回転体から成牛の舌触りに近い感触を得ることを可能としたことを特徴とする構成1又は構成2に記載の子牛の疑似グルーミング装置。
(構成6)
前記回転体の回転数が、2rpm〜30rpmであることを特徴とする構成5に記載の子牛の疑似グルーミング装置。
(構成7)
前記回転体の回転数が、10rpm〜20rpmであることを特徴とする構成5に記載の子牛の疑似グルーミング装置。
(構成8)
前記回転体はブラシであり、ブラシの毛の直径が0.3mm〜1.4mmであることを特徴とする構成1乃至構成7の何れかに記載の子牛の疑似グルーミング装置。
(構成9)
前記回転体はブラシであり、ブラシの毛の長さが3cm〜10cmであることを特徴とする構成1乃至構成8の何れかに記載の子牛の疑似グルーミング装置。
(構成10)
前記回転体の設置高さが、地上から50〜100cmの範囲となるように調整できる調整機構を備えたことを特徴とする構成1乃至構成9の何れかに記載の子牛の疑似グルーミング装置。
(構成11)
一定期間内における前記回転体の回転時間及び回転体の回転数の双方、又はこれらのうち少なくとも一方を計測する計測部、を備えることを特徴とする構成1乃至構成10の何れかに記載の子牛の疑似グルーミング装置。
上記構成によれば、計測部によって回転時間又は回転数が計測されるため、当該情報によって子牛がどれだけ疑似的グルーミングを受けているかを判断することが可能となる。
(構成12)
前記作動スイッチは、子牛の回転体への接触の有無により入又は切が切り替えられるマイクロスイッチであることを特徴とする構成1乃至構成11の何れかに記載の子牛の疑似グルーミング装置。
(構成13)
前記回転体の回転速度をさらに計測することを特徴とする構成11又は構成12に記載の子牛の疑似グルーミング装置。
(構成14)
前記計測部は、さらにグルーミング時間に関する標準データを備え、この標準データと前記計測により得られた計測データを比較することにより、子牛が正常であること又は異常であることを検出することを特徴とする構成11乃至構成13の何れかに記載の子牛の疑似グルーミング装置。
なお、「グルーミング時間に関する標準データ」とは、例えば、予め調査された正常に成長している子牛のグルーミング装置使用時間に基づいて作成されるグルーミング時間の標準データである。
(構成15)
子牛に取り付けられた個体識別用発信器から受信した個体識別情報若しくは外部から入力された個体識別情報と、前記計測により得られた計測データと、を関連付けて外部装置へ送出する送出部、又は、前記関連付けた情報が格納される記憶部を備えることを特徴とする構成11乃至構成14の何れかに記載の子牛の疑似グルーミング装置。
(構成16)
前記個体識別用発信器からの信号を受信する受信部を備え、当該受信部によって前記個別識別情報が受信されている期間における、前記計測により得られた計測データを、前記個別識別情報と対応付けることを特徴とする構成15に記載の子牛の疑似グルーミング装置。
(構成17)
一頭のみの子牛が入れられた区画内に、構成11乃至構成16の何れかの子牛の疑似グルーミング装置を設置し、一定期間内における回転体の回転時間及び回転体の回転数の双方、又はこれらのうち少なくとも一方の値を計測し、この値に基づいて子牛の飼育状態を監視することを特徴とする子牛の飼育管理方法。
上記構成によれば、出産直後に母親から分離して子牛を飼育する場合において、回転体による疑似的なグルーミングを子牛に与えることができ、且つ、回転体の動作状況(回転体の回転時間の合計又は回転体の回転数の合計)に基づいて、子牛の健康状態を監視することができる。
(構成18)
複数の子牛が入れられた区画に、構成15又は構成16の子牛の疑似グルーミング装置を設置し、一定期間内における回転体の回転時間及び回転体の回転数の双方、又はこれらのうち少なくとも一方の値を各個別識別情報ごとに計測し、この情報に基づいて複数の子牛の集中的な飼育管理を行うことを特徴とする子牛の飼育管理方法。
(構成19)
前記回転体の回転時間の合計及び回転体の回転数の合計の双方、又はこれらのうち少なくとも一方の値が所定の基準値に達していないときは、子牛の飼育状態が異常であると判定することを特徴とする構成17又は構成18に記載の子牛の飼育管理方法。
本発明によれば、出産直後に母親から分離して子牛を飼育する場合においても回転体による疑似的なグルーミングを子牛に与えることができるため、生後間もない時期に母親のケアがない状態におかれることによる子牛の成長や行動発達へのマイナス要因を、低減させることができる。
本発明に係る実施形態1の疑似グルーミング装置を示す斜視図 実施形態1に係る疑似グルーミング装置の概略ブロック図 実施形態1に係る疑似グルーミング装置を示す側面図 実施形態1に係る疑似グルーミング装置を示す正面図 実施形態1に係る疑似グルーミング装置を示す上面図 ブラシ(回転体)を示す正面図 ブラシ(回転体)を示す上面図 実施形態1に係る疑似グルーミング装置の設置状態を示す図 実施形態1に係る疑似グルーミング装置の使用状態を示す図 ブラシの回転数と、圧力との関係の測定結果を示すグラフ ホルスタイン種の雌子牛が好む回転ブラシの回転数に関する測定結果を示すグラフ(2分以上の連続使用) ホルスタイン種の雌子牛が好む回転ブラシの回転数に関する測定結果を示す表(3分以上の連続使用) ホルスタイン種の雌子牛が好む回転ブラシの回転数に関する測定結果を示すグラフ(3分以上の連続使用) ホルスタイン種の雌子牛が好む回転ブラシの回転数に関する測定結果につき、各回転数範囲に対応する頻度を示すグラフ(3分以上の連続使用) 黒毛和種の子牛(9頭分のデータ)による回転ブラシの利用頻度の結果を示すグラフであり、1日あたりの総使用時間(秒)を示すグラフ 黒毛和種の子牛(9頭分のデータ)による回転ブラシの利用頻度の結果を示すグラフであり、1日あたりの回転数を示すグラフ 黒毛和種の子牛(9頭分のデータ)による回転ブラシの利用頻度の結果を示すグラフであり、1日あたりの総アクセス回数を示すグラフ 黒毛和種の子牛(9頭分のデータ)による回転ブラシの利用頻度の結果を示すグラフであり、1アクセスあたりの平均回転数を示すグラフ 黒毛和種の子牛(9頭分のデータ)による回転ブラシの利用頻度の結果を示すグラフであり、1アクセスあたりの平均回転時間(秒)を示すグラフ ホルスタイン種の子牛(5頭分のデータ)による回転ブラシの利用頻度の結果を示すグラフであり、1日あたりの総使用時間(秒)を示すグラフ ホルスタイン種の子牛(5頭分のデータ)による回転ブラシの利用頻度の結果を示すグラフであり、1日あたりの回転数を示すグラフ ホルスタイン種の子牛(5頭分のデータ)による回転ブラシの利用頻度の結果を示すグラフであり、1日あたりの総アクセス回数を示すグラフ ホルスタイン種の子牛(5頭分のデータ)による回転ブラシの利用頻度の結果を示すグラフであり、1アクセスあたりの平均回転数を示すグラフ ホルスタイン種の子牛(5頭分のデータ)による回転ブラシの利用頻度の結果を示すグラフであり、1アクセスあたりの平均回転時間(秒)を示すグラフ 群飼移行時の増体率を擬似グルーミング装置未使用群(コントロール)と使用群(ブラシ)で比較した結果を示す表 黒毛和種の雄子牛における増体重の低下を擬似グルーミング装置が緩和したことを示すグラフ 飼育場所に提示された新奇物体への行動反応を擬似グルーミング装置未使用群(対照群)と使用群(ブラシ使用群)で比較した結果を示すグラフ 1ヶ月齢の黒毛和種子牛の1日あたりの装置利用における体の部位別利用割合を示すグラフ 2ヶ月齢の黒毛和種子牛の1日あたりの装置利用における体の部位別利用割合を示すグラフ 黒毛和種子牛の1ヶ月齢における、1日あたりのセルフグルーミング回数と、疑似グルーミング装置の利用時間との関係を示したグラフ 黒毛和種子牛の2ヶ月齢における、1日あたりのセルフグルーミング回数と、疑似グルーミング装置の利用時間との関係を示したグラフ 実施形態2に係る疑似グルーミング装置の概略ブロック図 実施形態2に係る疑似グルーミング装置の使用状態を示す図 実施形態2に係る疑似グルーミング装置における処理動作の概略を示すフローチャート
以下、本発明の実施態様について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施態様は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
本発明は、乳牛及び肉牛飼養において、「生後間もない時期に母親のケアがない状態であること」を問題とし、疑似的な「母親のケア」を子牛に付与するための装置である。「母親のケア」には、単純に母親が子のそばにいてやることや、授乳、抱擁など、種の相違などに応じて色々なものが考え得るが、その一つとしてグルーミング(毛づくろい)がある。グルーミングが、防害虫的な保護機能を果たし、防疫面で効果をもたらすことを示唆する報告があることから、グルーミングが子牛の発育に好影響を与える可能性があるものであると考えられる。また、母親によるグルーミング行動自体が子牛に対する安寧効果を持つとされており、子牛の心理的安定効果を介した発育への好影響を与える可能性があるものであると考えられている。即ち、母親によるグルーミングが子牛の発育に良好な影響を与える大きな要素であると考え得る。しかしながら、前述のごとく、昨今の乳牛及び肉牛飼養では、集約管理のため、子牛は母親から出産直後に分離されることが多く、子牛は母親によるグルーミングをほとんどうけることができないため、子牛の好発育が得られにくいという問題がある。
このような問題を解決する手段として、自動のブラシがけ装置等によりグルーミングの代替手段とすることが考えられる。家畜動物に対するブラシ掛けを目的とした回転ブラシ装置などが従来から知られてはいるが、これらは成体を対象としたブラシ掛けを目的とするもの(成牛の洗浄化や成牛への薬液塗布の自動化のためのもの)であり、子牛の発育に対するグルーミングの効果に考慮された装置ではなかった。本実施形態の疑似グルーミング装置1は、上記課題に対して開発されたものであり、子牛に対する疑似的なグルーミング、即ち、成牛が子牛を舐めた際の刺激を模した刺激を子牛に付与するためのものである。
<実施形態1>
図1は、実施形態1の疑似グルーミング装置1を示す斜視図であり、図2は同疑似グルーミング装置1の構成の概略を示すブロック図である。図2に示されるように、実施形態1の疑似グルーミング装置1は、子牛に対して疑似的なグルーミング(回転ブラシによるブラシ掛け)を施す疑似グルーミング実行部11と、回転体(ブラシ)の回転数を測定・データの蓄積をする測定部12と、測定部12から得られる情報に基づいた表示部14への表示処理等を行うマイコン13と、表示部(モニター部)14と、等を備える。
疑似グルーミング実行部11には、子牛の身体に接しながら回転する回転ブラシ(回転体)111と、これを駆動するモーター(駆動体)112と、子牛が回転体に対して接触することによる回転ブラシ111の揺動を検知し、モーター112の駆動のオン・オフを切り替えるマイクロスイッチ(作動スイッチ)113と、が備えられ、さらに、商用電源に接続されるコンセント116や、装置の電源スイッチとなるロッカースイッチ115、保護回路となるヒューズ114などが備えられる。
測定部12には、回転ブラシ111の回転軸に設けられる突起111aとの接近を検知(即ち、回転ブラシ111の1回転を検知)する近接スイッチ121と、当該近接スイッチ121から得られる情報(回転ブラシ111が1回転したことを示す情報)をログするデータロガー122とが備えられる。
図3A−図3Cは、それぞれ疑似グルーミング装置1を示す各平面図(図3A:側面図、図3B:正面図、図3C:上面図)であり、一部を透過的に示している。
図3A−図3Cに示されるように、疑似グルーミング装置1は、疑似グルーミング実行部や測定部の各構成要素を納める筺体15と、当該筺体15を柱2に対して揺動可能に支持するための支持部材16と、筺体15と支持部材16とを揺動可能に接続する連結部材17と、等を有する。
本実施形態の疑似グルーミング装置1は、筺体15内に図2のブロック図で示した各要素が内蔵又は取り付けられる。当該筺体15は、軸受と回転軸を有する連結部材17によって、柱2にネジ等によって固定される支持部材16に対して揺動可能(連結部材17の回転軸において自由に回動できるよう)に取り付けられる。また、図3Cに示されるように、支持部材16の内側であって筺体15と対向する場所に、筺体15から所定距離離した位置に突接部材18が備えられる。当該突接部材18は、筺体15に固定されるマイクロスイッチ113のスイッチ機構部を当接させるための部材である。突接部材18と、マイクロスイッチ113との位置関係は、平常時(子牛が回転ブラシに接していない状態)において、マイクロスイッチ113が突接部材18に当接してスイッチが押された状態となるように配置される。なお、図3Aにおいて筺体15が反時計回りにそれ以上回らないようにすることにより、スイッチに過度な力が加わることの無いように、連結部材17等において回転抑止手段を設けてもよい。
上記構成により、平常時(子牛が回転ブラシ111に接していない状態)において、マイクロスイッチ113が突接部材18に当接してスイッチが押されている状態では、マイクロスイッチ113によってモーター112への給電が停止される。一方、子牛が回転ブラシ111に接したことにより、連結部材17を軸に筺体15が回動(図3Aにおいて筺体15が時計回りに回動)すると、マイクロスイッチ113が突接部材18から離れ、これをもってマイクロスイッチ113によってモーター112への給電が開始されるものである。
図5は、疑似グルーミング装置1の設置状態を示す図であり、図6は、使用状態(子牛が疑似グルーミングを受けている状態)を示す図である。図5及び図6に示されるように、本実施形態における疑似グルーミング装置1は、柱2に対して設置され、図示はしていないが、コンセント116が電源に接続され、ロッカースイッチ115がオンにされることにより、装置が作動状態となる。なお、図2では図示を省略しているが、ロッカースイッチの115のオンにより、測定部12やマイコン13、表示部14にも給電されるものである。
図5に示されるように、平常時は連結部材17の回転軸に対して自重によって回転ブラシ111が垂れ下がっている状態となり、前述のごとく、マイクロスイッチ113によってモーター112への給電が停止されているため、回転ブラシ111は停止している。 一方、図6に示されるように、子牛5が、回転ブラシ111に対して接触すると、連結部材17の回転軸を中心として、回転ブラシ111(筺体15)が回動し、マイクロスイッチ113が突接部材18から離れると、モーター112への給電が開始され、回転ブラシ111が回転し、子牛5は疑似グルーミングを受けることができる。 子牛5が回転ブラシ11から離れると、再び回転ブラシ111の自重により図5の状態となり、マイクロスイッチ113によってモーター112への給電が停止され、回転ブラシ111が停止するものである。このように、子牛5が回転ブラシ111に接触することで自動的に回転ブラシの回転をオン・オフすることができ、且つ、回転ブラシ111が自重により垂れ下がっている状態(回動自由)としているため、生後間もない子牛であっても、体を少し押し付ける程度でオン・オフさせることができるものである。これにより、子牛は疑似グルーミング装置1の動作について(回転ブラシ111を押せばブラシが回転することを)すぐに学習できるという効果も得られる。
次に、本実施形態の疑似グルーミング装置1の構成・作用・効果やその根拠等について、より具体的に説明する。
図4A、図4Bは、本実施形態における回転ブラシ111を示す図である。本実施形態の回転ブラシ111は、ブラシの毛については、材質がナイロンで、毛の長さが50mm、毛の直径が0.7mmのものとしており、ブラシの直径を140mm、ブラシの長さ(図4Aにおける縦方向の長さであり、ブラシの毛がある範囲の長さ)を400mmとしている。本実施形態において回転ブラシ111をこのような構成としているのは、母牛の舌触りに近い感触(コシ、ハリなど)を得られるものについて、試行錯誤して選定をした結果、上記条件のブラシが好適なものであることを見出したものである。
成牛が子牛を舐めた際の刺激を模した刺激を子牛に付与するためには、特に、ブラシの毛にハリやコシがあることが重要である。ナイロンの場合、市販の様々なブラシを人及び子牛に使用し、成牛の舌に舐められる感触や、子牛の反応をもとに判断した結果、ブラシの毛の直径が0.3mm―1.4mmであり、ブラシの毛の長さが3cm―10cmとすることが好適である。
なお、回転ブラシ111は、疑似グルーミング実行部11に対して容易に着脱することができる構成とされており、これにより、回転ブラシ111を取り外しての洗浄や消毒が可能なため、常に衛生的に使用することができる。図3A、図3Bを参照して、回転ブラシ111の取り付け構造についてより具体的に説明すると、回転ブラシ111は、ブラシ軸の上端側においてモーター112のシャフトに取り付けられ、下端側においてブラシ支持材151に取り付けられる。モーター112のシャフトへの取り付けは、ブラシ軸に形成されたシャフト挿入溝111b(図4A)にモーター112のシャフトを挿入し(図3A、図3B)、ブラシ軸のネジ穴111c(図4A)からイモネジを締め付けることで行う。下端側のブラシ支持材151への取り付けは、ブラシ軸に形成された軸挿入溝111d(図4A)に軸部材153が挿入され(図3A、図3B)、当該軸部材153の下端が、ブラシ支持材151に取り付けられたブラシ軸受部材152(金属プレートにベアリングが入った軸受けが取り付けられた部材)によって回転可能に支持されることで行われる。ブラシ軸受部材152の取り付けは、金属プレートをネジでブラシ支持材151に固定することで行われる。従って、モーター112のシャフトへの取り付けのイモネジと、金属プレートを止めているネジをはずすことで、簡単に回転ブラシ111の着脱を行うことができ、回転ブラシ111を取り外しての洗浄、消毒が容易であるため、常に衛生的に使用することができる。
<好適な圧力値について>
実験1
疑似グルーミング装置1の、疑似グルーミング(母親が子牛を舐めてやる行動の代替)としての有効性を得るため、実際に牛の舐める圧力値と、回転ブラシ111の回転時の圧力(子牛が受ける圧力)を測定した。当該測定には、圧力および圧力分布を測定できるフィルムである富士フイルム株式会社製の「プレスケールシート(極超低圧用 PRESCALE(登録商標) LLLW PS 270X200 5S、(測定可能圧力帯0.2〜0.6MPa 1MPa≒10.2kgf/cm))」を使用した(以下、単に「圧力シート」という)。同製品のマニュアルに従い、5秒間加圧、5秒間圧力保持による瞬時圧力測定を行い、圧力の測定は、圧力シートが加圧によって赤色に変色した濃度を、付属の標準チャートにより目視判断した。
実際に成牛が舐める圧力:
測定はステンレス製のなめらかな飼槽板の上に動かないように圧力シートを固定して行った。分娩後の雌成牛1頭を用い、牛が好む餌、濃厚試料または糖蜜をその上に置き、牛がなめ始めてから10秒後にシートをとり、圧力の大きさに応じて変化する赤色の濃度を測定した。累積で10秒間舐めた際のシートの変色を測定するものとし、5回測定し、その範囲及び平均値を求めた。
ブラシ回転時の圧力:
回転ブラシの回転数を30回転/分に固定して測定した。圧力シートを板に固定後、子牛が回転ブラシを回転させる時によく接触する箇所(上端より1/3の位置、目視により回転ブラシの汚れが最も多い箇所)に板を近づけ、回転ブラシが回転したポイントで10秒間保持した。圧力の大きさに応じて変化する赤色の濃度を測定した。成牛の舐める力に比べ、データに均一性があったため、3回測定し、その範囲及び平均値を求めた。ブラシは回転体のため、圧力分布に幅が見られたことから、平均値は範囲として求めた。
実験1結果
成牛の舐める圧力(約10秒間):0.3〜0.5Mpa 平均で0.395Mpa
ブラシ回転時の圧力(約10秒間):0.25〜0.6Mpa 平均で0.315〜0.545Mpa(回転体のため圧力分布に差があったため範囲で表示)
したがって、本実施形態の疑似グルーミング装置1の回転ブラシは、母牛が子牛を舐める圧力に相当する圧力の範囲にほぼ近い形で、子牛に対して圧力を与えていることが確かめられた。
なお、「実際に成牛が舐める圧力」の実験結果は、成牛が好む餌を舐める圧力であり、これをもって「子牛に対するグルーミング時の好適な圧力」を推定するものである。実際に子牛を舐める際にはより強い圧力となる可能性があることや、個体差等も考慮すると、上限値としては1.0Mpaとすること、即ち、疑似グルーミング装置1として付与する圧力範囲を0.3Mpa―1.0Mpaとして設定する(より好適な範囲として、0.3―0.5Mpaに設定する)ことが考えられる。
実験1´
次に、回転ブラシの回転数を変えて回転数が圧力に及ぼす影響を実験した。
回転ブラシの回転数を10,20,30回転にそれぞれ固定し、回転数以外は上記「ブラシ回転時の圧力」と同様にして測定を行った。
実験1´結果
ブラシ回転数10rpm:0.27Mpa
ブラシ回転数20rpm:0.47Mpa
ブラシ回転数30rpm:0.62Mpa
この結果から、回転ブラシの回転数の増加に伴い、圧力も増加することがわかった。回転ブラシの回転によって生ずる摩擦力等が影響したもの(回転エネルギーの一部が圧力値に影響した)と考えられる。なお、圧力測定は、回転ブラシ111が回転し始めたポイントにて行っている。前述のごとく、本実施形態の疑似グルーミング装置1においては、回転ブラシ11を僅かに傾けることでスイッチオンする構成であり、回転開始ポイントにおいて回転していない回転ブラシ111から受ける圧力はゼロに近い値である。即ち、上記実験結果において得られた圧力は、概ね、回転ブラシの回転数に基づいて発生している圧力と考えられる(前述のごとく、回転によって生ずる摩擦力が影響するものと考えられるため、摩擦力を生み出すための回転ブラシ111の自重等も影響していると考えられる)。
当該結果をグラフとしたものを図7に示した。
同グラフから理解されるように、実験1の結果である実際の成牛の舐める圧力範囲(0.3―0.5Mpa)に対応する回転数は、10rpm―20rpmであり、この範囲において、0.3―0.5Mpaの圧力を付加できることがわかった。
<好適な回転速度について>
実験2
子牛が好むブラシの回転速度について、実験的に確認した。当該実験は、回転ブラシを回転させるモーターに可変速のインダクションモーターを用いた。電源とモーターとの間にスピードコントローラーを設け、電圧の変化によって回転数を制御した。本実施形態の疑似グルーミング装置1では、子牛が回転ブラシ111に体重をあずけることで回転ブラシ111の軸が鉛直方向から最大30度傾く機構になっているが、この傾きに応じてスピードコントローラーが制御され、傾きが大きくなるほど回転数が上がるようにした。モーターからのスピード出力として、モーターの出力軸1回転あたり30パルスのパルス信号が出力され、その信号をデータロガーに記録した。モーターからブラシ軸へのギア比を100に設定したため、3000パルスを1回転に換算し、ブラシの連続使用時間およびその期間の平均回転数を求めた。生後から45日齢までのホルスタイン種について連続で記録し、3分以上の連続使用を「子牛が好む回転速度」の判断基準として、子牛が好む回転速度の範囲を決定した。
実験2結果
ホルスタイン種雌子牛5頭を用い、0−30rpmの範囲の可変速度範囲で検討した結果、2分以上の連続使用は2.1−29.9rpmの範囲で認められた。当該結果をグラフにしたものが図8Aである。
また、3分以上の連続使用について表にしたものが図8Bであり、グラフ化したものが図8C、各回転数範囲に対応する頻度をグラフ化したものが図8Dである。これらから3分以上の連続使用は2.2−29.6rpmの範囲で認められた。
図8A―Dは、母牛の子牛へのグルーミングは1時間あたり2.22分という報告があり(Priceら、1981)、これに基づき、2分間以上連続して装置を利用した際には、母親からのグルーミングの代替効果を得ていると想定して作成したものである。
これらから、2−30rpmの範囲が、子牛が好む回転速度と考えられ、10−20rpmの範囲で最も利用頻度が高いことがわかる。
なお、4分以上の各連続使用時間に対応する回転速度は以下の通りであった。
4分以上:2.2−28.0rpm
5分以上:3.6−26.1rpm
6分以上:3.6−24.3rpm
7分以上:3.6−23.9rpm
実験3
次に、子牛が疑似グルーミング装置を利用した時間、回転数、アクセス回数を測定した。測定は、黒毛和種及びホルスタイン種について行った。黒毛和種については、雄5頭、雌4頭の合計9頭の子牛を用いて、回転速度を一定(30rpm)にした上で、子牛が疑似グルーミング装置を利用した時間・回転数・アクセス数を測定した。当該実験では、回転速度が固定されているため、時刻及び回転数を記録するために、近接スイッチを用いた。ブラシ軸の1点に取り付けた六角穴付きボルト(突起111a)が、軸が1回転する毎に、近接スイッチ121に近接することで生じる電圧を、1パルスとして、データロガー122に記録した。 生後から90日齢まで連続で記録し、1日あたりの総使用時間の平均値を求めた。 一方、ホルスタイン種については、実験2と同様の条件にて行った(実験2と同時実施)。
実験3結果
黒毛和種についての測定結果をグラフにしたものが図9A−図9E、ホルスタイン種についての測定結果をグラフにしたものが図10A−図10Eである。それぞれ、図(a)が1日あたりの総使用時間(秒)、図(b)が1日あたりの回転数、図(c)が1日あたりの総アクセス回数、図(d)が1アクセスあたりの平均回転数、図(e)が1アクセスあたりの平均回転時間(秒)を示すグラフである。
子牛が疑似グルーミング装置を利用した時間について見ると、黒毛和種については1日あたり平均で約26分間の利用時間であり、ホルスタイン種については1日あたり平均で約15分間の利用時間であった(黒毛和種については90日間の平均であるが、ホルスタイン種については、実験の都合上45日間の平均であるため単純な比較はできない)。これは、過去の報告(小針ら,2012 黒毛和種繁殖牛における母性行動の個体変異と子牛の発育への影響 日本家宙管理学会誌,37(4):149-155)において、母牛が子牛を舐めてやる1日あたりの時間(15−40分)に近いものであった。このように、比較的安定的にブラシを利用する結果が得られており(初期は学習が必要であり、この学習期間を除けば、より安定的にブラシを利用している)、このことは、ブラシの時間や回転数をモニタリングすることで、当該値を子牛の健康管理の指標として利用し得ることを示している。
以上の実験結果から、本実施形態の疑似グルーミング装置1は、母牛が子牛を舐めてやる圧力に近い圧力を子牛に与えることができ、回転ブラシ111の回転速度を2−30rpmの範囲としてやることで、子牛はそれを、自然条件下で母牛から受けている舐めの総時間にほぼ等しい時間利用することが明らかとなった。このことは、疑似グルーミング装置1が母親の舐めの代替としての機能を果たしていることを示唆しているものである。
<疑似グルーミングの有効性について>
さらに、疑似グルーミングの有効性を評価するため、対照実験として、群飼移行時の増体率についての測定(実験4)と、新奇物体認識テスト(実験5)を行った。
実験4
出産直後に分離され飼育ペン内で単離飼育された子牛は、所定月齢(ホルスタイン種は生後約2ヶ月、黒毛和種は約3ヶ月)で群飼へと移行される。この群飼へ移行時の飼育環境の変化というストレスを原因とした体重増加抑制が見られる場合がある。このような群飼移行時の飼育環境変化ストレスによる体重増加抑制に対する、疑似グルーミングの有効性(体重増加抑制への改善効果)を評価するため、実験2(ホルスタイン種雌子牛5頭)と実験3(黒毛和種の雄5頭、雌4頭)について、群飼移行後の体重増加率を、コントロール群(実験2:ホルスタイン種雌子牛5頭、実験3:黒毛和種の雄3頭、雌4頭)と比較した。
実験4結果
群飼移行時の増体率低下についての対照実験の結果を表にしたものが図11Aである。表に示されるように、特に黒毛和種の雄子牛において群編入後2ヶ月および3ヶ月における体重増加抑制が顕著であり、擬似グルーミングにより大きな改善が見られた(これをグラフ化したものが図11B)。即ち、黒毛和種の雄子牛における群編入前と群編入後3カ月間の日増体重(平均値)を比較すると、コントロールでは群編入前は1日あたり0.5kgの割合で増加していたものが、群編入後に0.18kgに落ち込んでいるが、疑似グルーミング装置を使った場合、群編入前0.44kgから、群編入後は0.74kgまで増加している。ホルスタイン種雌子牛や黒毛和種雌子牛については、今回の結果では有意差まではみられなかったが、これは種の傾向としてホルスタイン種の方が温和で黒毛種の方が気が荒く、また、雄に比べて雌の方がストレスに強いという点などが影響しているものとも考えられる。なお、コントロールでは、黒毛和種の雄において1頭死亡し、雌においていじめによる一時隔離が1頭出ている。これは、生後間もない時期に母親のケアがない状態におかれることにより、子牛の成長(社会適応能力の発達など)に影響がでていることを示唆している可能性もあり、同時に疑似グルーミングによってこれが改善されることを示唆している可能性があるものである。
実験5
飼育ペン内に提示された新奇物に対して子牛が探査し始めるまでの時間と、探査の累積時間とを計測する対照実験を生後1ヶ月齢のホルスタイン種雌牛各5頭ずつについて行った。
実験5結果
当該実験結果をグラフ化したものが図12である。図からも明らかなように、コントロール群に対して明らかな有意差をもってブラシ使用群の方が新奇物をより早く探査し始め、且つ、より長く探査を行ったという結果が得られた。
以上の各実験結果から、疑似グルーミング装置1の有効性やその可能性が示された。即ち、疑似グルーミング装置1の回転ブラシは、母牛が子牛を舐める圧力に相当する圧力の範囲にほぼ近い形で、子牛に対して圧力を与えることができ、且つ、疑似グルーミング装置1が母親の舐めの代替としての機能を果たしていることを示唆する結果が得られた。 また、疑似グルーミング装置1によって、子牛の耐ストレス性等が向上し、新たな環境に適応する能力が向上されることを示唆する結果が得られた。
上記のごとく、出産直後に分離されて飼育される子牛に対し、疑似グルーミング装置1を使うことの有効性が示されており、図5に示したように、飼育ペン内(区画内)3で単離飼育される子牛に対し、疑似グルーミング装置1を設置してやることが有効である。 また、疑似グルーミングの有効性に基づき、疑似グルーミングの使用状況(即ち回転ブラシ111の駆動状況)をモニタリングすることで、これを子牛の育成状況を評価する指標として利用することが可能と考えられる。
本実施形態の疑似グルーミング装置1では、計測部12と、マイコン13、表示部14を備えることにより、回転ブラシ111の回転数をログし、当該情報を表示部で確認できるようにしてある。即ち、回転ブラシ111の回転軸に設けられる突起111aとの接近を検知する近接スイッチ121により、回転ブラシ111の回転を検知し、当該近接スイッチ121からの信号に基づいて、回転ブラシ111の駆動状況に関する情報(回転数情報や回転時間情報など)をデータロガー122で蓄積し、当該蓄積データをマイコン13によって表示部14に表示させることができるものであり、これにより、子牛の疑似グルーミング装置の使用状況をモニタすることができる。
さらに、予め“標準データ”をマイコン13に設定しておき、当該標準データと、実際の計測データとをマイコン13で比較し、所定以上の差がある場合には、表示部14に警告表示等を行うようなものとしてもよい。なお、“標準データ”とは、例えば上記の実験から得られる情報である「正常に成長している子牛のグルーミング時間やブラシの回転数」といったデータに基づいて適宜定められるものである。
以上のごとく、本発明に係る疑似グルーミング装置1によれば、子牛が回転ブラシ111に接することにより、ブラシが回転し、子牛は疑似的なグルーミング(母親が子牛を舐めてやる行動の代わり)を受けることが可能となる。これにより、生後間もない時期に母親のケアがない状態におかれることによる子牛の成長や行動発達へのマイナス要因を低減させることができる(新たな環境への適合能力が向上され得る)。また、計測部12によって回転時間合計や回転数の合計などが計測されるため、当該情報によって子牛がどれだけ疑似的グルーミングを受けているかがわかり、これを子牛の育成状況や健康状況の判断の指標の一つとして利用することができる。
本実施形態においては、図5に示されるように、平常時は連結部材17の回転軸に対して自重によって回転ブラシ111が垂れ下がっている状態とし、回転ブラシ111を揺動可能な構成とすることで、生後間もない子牛であっても、簡単にスイッチを入れることができるようにしたものを例としている。これにより、力が弱い子牛でもブラシを回転させることを学習し(ブラシにあたると気持ちがいいということを認知する)、ブラシに接触している限り(子牛が満足するまで)ブラシを持続的に回転させることが可能となり、好適なものである。なお、接触を検知して回転ブラシを駆動させるスイッチ機構については、これとは別のものであってもよい。例えば、回転ブラシの回転を検知できる機構とし、接触に伴って回転ブラシが回転することを検知して回転ブラシを駆動させるようなものであってもよく、何らかの形で接触を検知するセンサと、当該センサからの信号に基づいて回転ブラシを駆動させるものであればよい。
また、直接の接触ではなく、接近を検知するようなものであってもよい。例えば、赤外線、超音波、可視光等を利用した慣用の人感センサを子牛感知センサとして、適宜定める距離(例えば50cm以内)に子牛が接近した場合に検知するように本発明に係わる疑似グルーミング装置に付設し、慣用の方法にて使用することにより、子牛感知センサが子牛の接近を検知して回転ブラシを駆動させるようなものであってもよい。また、回転ブラシの駆動を停止させるスイッチ機構については、子牛が疑似グルーミング装置から適宜定める距離より離反した場合に検知して回転ブラシの駆動が停止するように、慣用の方法により、当該子牛感知センサを本発明に係わる疑似グルーミング装置に付設し、使用することができる。
接近を検知するものである場合には、子牛が近付くことで回転ブラシが回転するため、まだブラシの使い方がわからない子牛に対してこれを学習させるという効果も得ることができる。
また、本実施形態においては、自重によって回転ブラシ111を揺動可能に垂れ下げる構成とすることにより、回転ブラシ111に対する体の押し付け具合にあわせて、その圧力も変化するため、子牛が自分の好む強さ(圧力)でブラシを使用することができる面でも優れている(自分の好む強さでブラシを使用できることを、子牛が直ぐに学習できるという効果もある)。ただし、本発明をこれに限るというものではなく、例えば、付勢機構や緩衝機構等を適宜備えることにより、常に所定の圧力(例えば、実験1で得られた範囲の圧力)が子牛に加わるような構成等にしてもよい。また、本実施形態では、前述のごとく疑似グルーミング実行部11の自重や回転ブラシ111の回転数等に基づいて子牛へのブラシの圧力が発生するものであるが、モーターやブラシ自体の重さだけではその重さが不足する(子牛へ与える圧力が適正な範囲にならない)ような場合には、重りを追加する構成としてもよいし、弾性部材などによる付勢機構によって不足する圧力を補うようにしてもよい。
本実施形態においては、疑似グルーミング装置1としてマイコン13や表示部14を備えるものを例としているが、当該機能を外部装置として使うものであっても構わない(例えば、疑似グルーミング装置1としてはデータロガーからの端子のみを備えるようにし、当該端子とパソコン等を接続して使用したり、データロガーとの接続をネットワークと接続できる構成(無線か有線かを問わない)とし、ネットワーク経由でサーバー等に接続し、複数の疑似グルーミング装置1のデータを一括して管理できるようにする等にしてもよい)。また、マイコン13や表示部14によって表示させるものの場合、一定期間(例えば1日)ごとのデータ表示などの各種の表示処理や、前述のような標準データとの比較・警告表示などができて好適であるが、単純なカウンタで回転数を表示させるものであっても構わない(より単純に、計測部も機械的に回転数を計測・表示するものとしてもよい)。
本実施形態においては、モーター112の制御については、単なるオン・オフだけのものを例として説明しているが、例えばマイコンなどの制御により、その回転を可変なものとしてもよい。例えば、母牛の舐める動作を疑似化するために、回転を連続ではなく間欠的に行うようなものとしてもよい。また、回転ブラシ111の傾き(即ち、子牛が体を押しつける力)の大きさに合わせて、回転速度を変化させるような構成(回転ブラシの角度を検出する手段と、検出角度に基づいて回転速度を制御する手段を設ける)としてもよい。
また、本実施形態では、ログする情報として、回転数情報、回転時間情報を例としているが、その他の情報を取得するようにしてもよい。例えば、圧力情報を取得するようにしてもよい(圧力センサを用いるようなものであってもよいし、回転ブラシ111の角度を計測する手段を設けることで、角度情報(及び回転数情報)によって圧力を推定するようなものとしてもよい)。また、時計機能を備えさせることで、時刻情報を他の情報と対応付けて記録するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、図5に示されるように、疑似グルーミング装置1が柱2に取り付けられるものを例としているが、その他の部材に取り付けられるもの等であっても構わない(屋根から吊り下げられるようなものや、単体で自立するような構成とする等)。
疑似グルーミング装置1は、子牛用のものであり、実験3等において、子牛がブラシをあてる部位は、頸、頭が多いことが確認されており、これは母牛が子牛をグルーミングしてやる際に多く行う部位と一致した。その他、ブラシを当てる部位としては、頻度順で、肩、腰・尻、腹であった。
各部位と利用割合の関係を示したグラフを図13A及び図13Bに示す。図13Aは、1ヶ月齢の黒毛和種子牛の1日あたりの装置利用における体の部位別利用割合(n=9,4females and 5males)であり、図13Bは同様に2ヶ月齢のグラフである。
1ヶ月齢(図13A)では、利用割合は体の部位別で有意に異なっており(Friedman's test, p < 0.005)、腹部に比べ、頭部や肩を装置に当てて利用することが有意に多かった(*: Scheffe test, p < 0.05)。
一方、2ヶ月齢(図13B)では部位間で有意な差までは認められなかった( Friedman's test,p > 0.1)が、腹部に比べ、頭部や肩についてブラシを利用する傾向は見てとれる。
疑似グルーミング装置1は、母親のケアの代替を想定していることから、装置を利用させる期間を離乳までと考えると、ホルスタイン種で生後約2ヶ月まで、黒毛和種で生後約3ヶ月までとなる。その間、子牛の体高(地面からき甲までの距離。図6におけるH)はホルスタイン種で約75〜86cm、黒毛和種で約68〜86cmである。個体差等も考慮すると、生後約3ヶ月までの期間で、体高は、概ね最低約50cmから最高で約100cmまで変化(成長)する。
上記の利用部位の傾向、生後約3ヶ月までの期間の体高の変化の範囲と、頭部は下げて利用することができる(子牛が自分で容易に高さ調節できる)こと等を考慮すると、回転ブラシ111の設置位置は、地上から50―100cmの範囲内にあることが望ましい。 即ち、子牛が自分で高さ方向の位置調整が難しい頸から体幹にかけての部位に回転ブラシ111があたるようにすることで、効果的なグルーミング効果を得ることができるものである。
「回転ブラシ112の設置位置が、地上から50―100cmの範囲内」とは、地上から50―100cmの範囲内において少なくとも回転ブラシ111が存在することであり、端的には、図6におけるBB(地上から回転ブラシ111の下端までの距離)が50cm以下であり、且つ、図6におけるBT(地上から回転ブラシ111の上端までの距離)が100cm以上である状態である。
即ち、回転ブラシ111の長さが少なくとも50cm以上であれば、適切な設置高さとすることで、“地上から50―100cmの範囲内”をカバーすることができる。
なお、回転ブラシ111の設置高さを調整できる機構を備えさせるようにしてもよい。例えば、柱2にネジ等によって固定される支持部材16に対して上下にスライド可能に筺体15(及び連結部材17)を取り付けられるようにすることで、適宜回転ブラシ111の高さを調節可能としてもよい。この場合、回転ブラシ111の長さが50cm未満であっても、適宜高さ調節をすることにより、簡便に子牛の体高(地上から50―100cm)に適応させることができる。
図14A及び図14Bには、生後約3ヶ月までの子牛の中でも、生後間もない子牛ほど母牛からのグルーミングを欲して(その代替として)疑似グルーミング装置1を利用していることを推察させるデータを示した。
図14A及び図14Bは、それぞれ、黒毛和種子牛の1ヶ月齢(図14A)および2ヶ月齢(図14B)における、1日あたりのセルフグルーミング回数と、疑似グルーミング装置1の利用時間との関係(n = 9, 4 females and 5 males)を示したグラフである。
1ヶ月齢(図14A)では相関関係は認められなかったが、2ヶ月齢(図14B)では両者の間に正の相関関係が認められた(Spearman’s rank order correlation coefficient, rs = 0.92, p < 0.001)。 2ヶ月齢の子牛の場合、自分で体を舐める(セルフグルーミング)頻度と、疑似グルーミング装置1の利用時間に相関がある(即ち、よく舐める牛程よく装置を利用する)ものであり、自分で体を舐めること(体がかゆいことの解消目的等)の代替として装置を利用していることを示唆し得る。
一方、1ヶ月齢の子牛の場合、このような相関がなく、1ヶ月齢における疑似グルーミング装置の利用は、セルフグルーミングとは異なる欲求に起因することが示唆される(体がかゆいことなどの解消目的ではなく、母親から体を舐めてもらいたい欲求を実現している可能性も考えられる)。
本実施形態の疑似グルーミング装置1が、母牛が子牛を舐めた際の刺激を模した刺激を子牛に与え、離乳前の子牛に対して疑似的なグルーミング(母親が子牛を舐めてやる行動の代わり)を施し得ることが、当該データからも推察されるものである。
なお、本実施形態では、回転体としての回転ブラシが円筒状のものを例としているが、本発明における回転体がこれに限られるものではなく、子牛の身体に接しながら回転し、疑似グルーミング効果を生じるものであれば良い。
例えば、球状回転ブラシ等であってもよく、また、連続的な外周面ではなく、不連続な外周面のもの(直方体状回転ブラシ、凹凸の表面からなる円筒状回転体等)であってもよい。不連続な外周面のものの場合、間欠的な接触となり、連続的な接触とは違う刺激を与えることができる。
<実施形態2>
図15は実施形態2の疑似グルーミング装置の構成の概略を示すブロック図であり、図16はその使用状態(子牛が疑似グルーミングを受けている状態)を示す図である。なお、実施形態1と同様の構成については実施形態1と同一の符号を使用し、ここでの説明を簡略化若しくは省略する。
図15に示されるように、実施形態2の疑似グルーミング装置には、記憶部131と、子牛に取り付けられた個体識別用発信器からの信号を受信するリーダ18とが備えられる。また、実施形態2では、近接スイッチ121からの信号が、データロガー122を介さずに直接マイコン13に入力される構成となっている。
個体識別用発信器とその受信機であるリーダは、本実施形態ではRFID(Radio Frequency IDentification)のRFタグとリーダによって構成される。本実施形態では、図16に示されるように、子牛5の首に装着された首輪に個体識別情報が格納されたRFタグ19が内蔵され(若しくは取り付けられ)、疑似グルーミング装置の筺体15にリーダ18が取り付けられる。これにより、子牛5が疑似グルーミング装置の所定距離内(RFIDの仕様による)に入った際に、RFタグ19からの信号がリーダ18によって受信されるものである。
次に、実施形態2の疑似グルーミング装置の主にマイコン13における処理動作について説明する。図17は、マイコン13で実行されるプログラムの本発明に関する処理動作の概略を示すフローチャートである。
マイコン13では、リーダ18によるRFタグ19からの信号の受信の有無を監視しており(S001)、子牛5が所定距離内に入ったことによりRFタグ19からの信号を受信した場合には、当該RFタグ19から受信したID(子牛の個体識別情報)を一時的に保持する(S001:Yes→S002)。
続くループ1の処理は、RFタグ19からの信号の受信が続いている間S003〜S007の処理を実行するものである。S003では、回転ブラシ111の回転の有無を検知する。回転ブラシ111の回転の有無は、近接スイッチ121からの信号に基づいてマイコン13において判別される。回転ブラシ111の回転が検知された場合には(S003:Yes)、タイマをスタート(S004)すると共に、近接スイッチ121からの信号に基づいて回転ブラシ111の回転数をカウントする(S005)。なお、S004のタイマは、マイコン13に備えられたタイマ機能により、回転ブラシ111が回転している時間(子牛が疑似グルーミングを受けている時間)を計時するものである。回転ブラシ111が回転している間はその回転数をカウントし続け(S006:No→S005)、回転ブラシ111の停止が検知された場合は、回転数と、回転時間(タイマ数値を取得してタイマをストップ)を、S002で保持していたID(子牛の個体識別情報)と対応付けて記憶部131へと格納する処理を行う(S006:Yes→S007)。ループ1は、RFタグ19からの信号の受信が続いている間において、上記S003〜S007の処理を実行させるものであり、S007の処理後は、S003の処理へと戻って処理を繰り返す。即ち、子牛5が所定距離内にいる間において再度回転ブラシ111を回転させた場合には、その都度回転数と回転時間がIDと対応付けられて格納されるものである。
子牛5が所定距離以上離れることによりRFタグ19からの信号の受信がなくなった場合には、ループ1を終了してS001へと戻り、上記の処理を繰り返す。
以上のごとく、実施形態2の疑似グルーミング装置によれば、各子牛(個体識別情報)ごとに、疑似グルーミング装置を使用した時間や回転数が記録(DB化)されるため、疑似グルーミング装置を複数個体に使用させる場合においても、個別にその利用状況を把握することができるため、良好に子牛の飼育状態を監視することができる。
なお、本実施形態では、個体識別用発信器とその受信機をRFIDによるものを例として説明したが、これに限られるものではなく、各種の無線通信手段によってID(個体識別情報)を判別できるものを適用することができる。乳牛及び肉牛飼養においては、自動哺乳システム(哺乳ロボット)が普及しつつあり、当該自動哺乳システムにおいてもRFID等による非接触のID管理が行われており、RFタグ19等をこれらのシステムと兼用のものとすると効率的である。また、本実施形態では、RFタグ19を子牛5の首に装着された首輪に内蔵するものを例としたが、当該RFタグ19は、子牛5の耳や足に装着する構成などであってもよい。
本実施形態では、IDに、回転数と回転時間を対応付けて記憶するものを例としているが、これに限られるものではなく、例えば、圧力情報を取得してこれを対応付けて記憶するものであってもよいし、日付・時間情報を対応付けて記憶させるもの等であってもよい。また、各情報の対応付けは直接的に関連付けてDB化するものであってもよいし、間接的に関連付けるようなものであってもよい(例えば、IDが受信されている日時・時間を記録し、その他の情報(回転数など)についても日時・時間で記録しておくもの(合致する日時・時間で関連付けられる)など)。
本実施形態では、リーダ18によってRFタグ19からの信号を受信し、これをマイコン13に入力するものを例としているが、これに限られるものではなく、ID(個体識別情報)が外部の装置等から入力されるものであってもよい。例えば、前述した自動哺乳システムと併用する場合には、自動哺乳システムからIDが入力されるような構成であってもよい。また、入力部などから人手で入力されるものであっても構わない。
また、本実施形態では、記憶部131(記憶部131はマイコン13に内蔵されているものであってもよい)を備え、これにデータを格納するものを例としているが、これに限られるものではなく、外部装置へ情報を送出する送出部を備えることにより、外部装置(例えばPC)において情報を格納・管理するような構成であっても構わない。
1...疑似グルーミング装置、3...飼育ペン(区画内)、11...疑似グルーミング実行部、12...計測部、14...表示部(モニター部)、18...リーダ(受信部)、19...タグ(個体識別用発信器)、111...回転ブラシ(回転体)、112...モーター(駆動体)、113...マイクロスイッチ(作動スイッチ)、131...記憶部、

Claims (11)

  1. 子牛の身体に接しながら回転する回転体と、この回転体を駆動する駆動体と、子牛が回転体に対して接触状態となるか又は回転体に近づくと入となって駆動体が駆動して回転体の回転が開始され、子牛が回転体に対して非接触状態となるか又は回転体から遠ざかると切となって駆動体が停止して回転体の回転が終了する作動スイッチと、を含む疑似グルーミング実行部、を備え、
    前記回転体はブラシであり、ブラシの毛がナイロンによって形成され、ブラシの毛の直径が0.3mm〜1.4mm、ブラシの毛の長さが3cm〜10cmであり、前記回転体の回転数が、2rpm〜30rpmであり、且つ、前記回転体が子牛に与える下記測定方法における圧力が0.3Mpa〜1.0Mpaであることにより、成牛が子牛を舐めた際の圧力を模した刺激を子牛に与えることを特徴とする子牛の疑似グルーミング装置。

    測定方法:圧力測定フィルムを、停止している前記回転体に対して圧力測定フィルムが変色しないように接触させて保持し、この状態で前記回転体を回転させることで生じた圧力測定フィルムの変色によって測定。
  2. 前記回転体が子牛に与える圧力が0.3Mpa〜0.5Mpaであることを特徴とする請求項1に記載の子牛の疑似グルーミング装置。
  3. 前記回転体の回転数が、10rpm〜20rpmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の子牛の疑似グルーミング装置。
  4. 前記回転体の回転が間欠的に行われることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の子牛の疑似グルーミング装置。
  5. 前記回転体の設置高さが、地上から50〜100cmの範囲となるように調整できる調整機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の子牛の疑似グルーミング装置。
  6. 一定期間内における前記回転体の回転時間及び前記回転体の回転数の双方、又はこれらのうち少なくとも一方を計測する計測部、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の子牛の疑似グルーミング装置。
  7. 前記回転体の回転速度をさらに計測することを特徴とする請求項に記載の子牛の疑似グルーミング装置。
  8. 前記計測部は、さらにグルーミング時間に関する標準データを備え、この標準データと前記計測により得られた計測データを比較することにより、子牛が正常であること又は異常であることを検出することを特徴とする請求項又は請求項に記載の子牛の疑似グルーミング装置。
  9. 子牛に取り付けられた個体識別用発信器から受信した個体識別情報若しくは外部から入力された個体識別情報と、前記計測により得られた計測データと、を関連付けて外部装置へ送出する送出部、又は、前記関連付けた情報が格納される記憶部を備えることを特徴とする請求項乃至請求項の何れかに記載の子牛の疑似グルーミング装置。
  10. 前記個体識別用発信器からの信号を受信する受信部を備え、当該受信部によって前記個別識別情報が受信されている期間における、前記計測により得られた計測データを、前記個別識別情報と対応付けることを特徴とする請求項に記載の子牛の疑似グルーミング装置。
  11. 子牛が入れられた区画内に、請求項乃至請求項1の何れかの子牛の疑似グルーミング装置を設置し、
    一定期間内における回転体の回転時間及び回転体の回転数の双方、又はこれらのうち少なくとも一方の値を計測し、この値に基づいて子牛の飼育状態を監視することを特徴とする子牛の飼育管理方法。
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