JP6448977B2 - バリ取り装置 - Google Patents

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Description

本発明はバリ取り装置に関する。さらに詳しくは、鉄系材料粉を圧縮成形してなる圧粉体の表面に残ったバリを除去するバリ取り装置に関する。
鉄系材料粉からなる圧粉体は、通常、ダイ、上下のパンチ及びコアなどの金型を備えたプレス成型機を用いて製造される。かかるプレス成型機では、金型を円滑に作動させるために、当該金型の各嵌合面にはわずかな隙間が存在するように前記ダイやコアなどのサイズが設定されている。このため、圧粉体の製造工程において鉄系材料粉が前記隙間に押し出され、圧粉体の端部にバリとして残る。このバリは、製品の見栄えを悪くするだけでなく、製品の機能を損なう虞がある。
そこで成形後の圧粉体を、続く焼結工程に搬送するラインから一旦取り出して、マニュアルで、又は、電動ブラシなどの道具を用いてバリを取り除いた後に、再度ラインに投入することが行われていた。
しかし、この方法は人手と時間を要し、生産性及び作業性がよくないことから、搬送用のベルトコンベヤにバリ取り設備を付設することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載のバリ取り装置では、ベルトコンベヤの側方に回転ブラシを千鳥状に配設しており、ベルトコンベヤの搬送面に突設された段部に圧粉体を係止させて当該圧粉体を搬送しつつ、モータにより回転させた回転ブラシによって圧粉体を回転させながらバリを除去している。
特開平8−337801号公報
しかし、特許文献1記載の装置を含む従来の自動バリ取り装置では、駆動源やセンサなどの設備が必要であり、コストアップの要因となっていた。また、バリ取り装置のために一定の設置スペースを要するので既存の搬送ラインに組み込むことができない場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、専用の動力源が不要であり、省スペース及び省電力を図ることができ、かつ、構造を簡素化することができるバリ取り装置を提供することを目的としている。
本発明の一態様に係るバリ取り装置は、鉄系材料粉を圧縮成形して得られる圧粉体を次工程に搬送するためのベルトコンベヤに配設されるバリ取り装置であって、
前記ベルトコンベヤの無端状ベルト体の外表面から所定距離だけ離間して配置される長尺の取付具と、
前記取付具の上流側側面に設けられており、圧縮成形時に圧粉体の端部に形成されたバリを除去するためのバリ除去部と、
前記ベルトコンベヤのフレームに固定される調整具と、
を備えており、
前記取付具は、前記ベルト体の進行方向に沿って第1取付具、第2取付具及び第3取付具を有しており、
前記調整具は、第1調整具、第2調整具及び第3調整具を有しており、
前記第1取付具の上流側端部は前記第1調整具に取り付けられており、下流側端部は、接続ステーを介して前記第2取付具の上流側の端部近傍に取り付けられており、
前記第2取付具の上流側端部は第2調整具に取り付けられており、下流側端部は前記第3調整具に取り付けられており、
前記第3取付具の上流側端部は第3調整具に取り付けられており、下流側端部は第2調整具に取り付けられており、
前記第1取付具、第2取付具及び第3取付具の下流側端部には圧粉体が通過可能な通路が設けられており、
前記第1取付具、第2取付具及び第3取付具は、それぞれの長手方向が前記ベルト体の進行方向に対してθの角度をなすよう、当該ベルト体に対し斜めに配置されており、
前記第1取付具は、前記第1調整具及び第2調整具に位置変更可能及び角度変更可能に取り付けられており、
前記第2取付具は、前記第2調整具及び第3調整具に位置変更可能及び角度変更可能に取り付けられており、
前記第3取付具は、前記第2調整具及び第3調整具に位置変更可能及び角度変更可能に取り付けられている。
上記発明によれば、専用の動力源が不要であり、省スペース及び省電力を図ることができ、かつ、構造を簡素化することができる。
本発明のバリ取り装置の一実施形態の平面説明図である。 (a)は圧粉体の一例の側面説明図であり、(b)は同平面説明図である。 バリ除去部の一例の断面説明図である。 バリ除去部の他の例の断面説明図である。 バリ除去部の他の例の断面説明図である。 バリ除去部の他の例の断面説明図である。 バリ除去部の他の例の断面説明図である。
〔本発明の実施形態の説明〕
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係るバリ取り装置は、
(1)鉄系材料粉を圧縮成形して得られる圧粉体を次工程に搬送するためのベルトコンベヤに配設されるバリ取り装置であって、
前記ベルトコンベヤの無端状ベルト体の外表面から所定距離だけ離間して配置される長尺の取付具と、
前記取付具の上流側側面に設けられており、圧縮成形時に圧粉体の端部に形成されたバリを除去するためのバリ除去部と、
前記ベルトコンベヤのフレームに固定される調整具と、
を備えており、
前記取付具は、前記ベルト体の進行方向に沿って第1取付具、第2取付具及び第3取付具を有しており、
前記調整具は、第1調整具、第2調整具及び第3調整具を有しており、
前記第1取付具の上流側端部は前記第1調整具に取り付けられており、下流側端部は、接続ステーを介して前記第2取付具の上流側の端部近傍に取り付けられており、
前記第2取付具の上流側端部は第2調整具に取り付けられており、下流側端部は前記第3調整具に取り付けられており、
前記第3取付具の上流側端部は第3調整具に取り付けられており、下流側端部は第2調整具に取り付けられており、
前記第1取付具、第2取付具及び第3取付具の下流側端部には圧粉体が通過可能な通路が設けられており、
前記第1取付具、第2取付具及び第3取付具は、それぞれの長手方向が前記ベルト体の進行方向に対してθの角度をなすよう、当該ベルト体に対し斜めに配置されており、
前記第1取付具は、前記第1調整具及び第2調整具に位置変更可能及び角度変更可能に取り付けられており、
前記第2取付具は、前記第2調整具及び第3調整具に位置変更可能及び角度変更可能に取り付けられており、
前記第3取付具は、前記第2調整具及び第3調整具に位置変更可能及び角度変更可能に取り付けられている。
本態様に係るバリ取り装置では、圧粉体をベルトコンベヤにより次工程に搬送している間に、当該ベルトコンベヤのベルト体の上方に配設された取付具に設けられたバリ除去部によって圧粉体のバリが除去される。圧粉体は、ベルト体に対して斜めに配置された取付具に沿って回転しながら下流側に移動し、移動時に回転しながらバリ除去部と接触することで当該圧粉体の端部に形成されたバリが除去される。取付具及びバリ除去部はベルトコンベヤに配設されただけであり、バリ除去のための専用の駆動源は不要である。したがって、駆動源及び当該駆動源の動力をバリ除去機構に伝達するための動力伝達機構などの設備が不要であり、省スペース及び省電力を図ることができる。また、バリ除去部及び取付具はベルトコンベヤのベルト体の上方に配設するだけであるので、構造が簡単である。このため、本態様に係るバリ取り装置は、既存の搬送ラインにも容易に組み込むことができる。
(2)上記(1)のバリ取り装置において、前記θは、30°〜60°の範囲内であることが望ましい。この場合、圧粉体をバリ除去部に適度な力で接触させつつ当該圧粉体を下流側に移動させることができる。
(3)上記(1)または(2)のバリ取り装置において、上流側の取付具に設けられる通路は、当該上流側の取付具に隣接する下流側の取付具における、通路が設けられる側の端部と反対側の端部と対向する位置に設けられることが望ましい。この場合、圧粉体におけるバリの部位毎にバリ除去部の種類を変えたり、又は、同一部位のバリに対して複数回バリ除去を行ったりすることができ、圧粉体のバリ除去をより確実に行うことができる。
(4)上記(1)〜(3)のバリ取り装置において、前記バリ除去部がブラシ又はサンドペーパーを備えたものとすることができる。この場合、圧粉体のバリをブラシやサンドペーパーを用いて除去することができる。
(5)上記(3)又は(4)のバリ取り装置において、複数の取付具におけるバリ除去部を互いに異なる構成とすることができる。この場合、バリ除去の工程を、例えば上流側の粗除去工程と、下流側の仕上げ工程とで構成することができ、圧粉体のバリをより確実に除去することができる。
〔本発明の実施形態の詳細〕
以下、添付図面を参照しつつ、本発明のバリ取り装置の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
〔バリ取り装置の全体構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係るバリ取り装置1の平面説明図である。
バリ取り装置1は、図示しないプレス成形機によって鉄系材料粉を圧縮成形することで得られる圧粉体Wを、続く焼結工程に搬送するためのベルトコンベヤ2に配設される。ベルトコンベヤ2は、無端状のベルト体3を備えており、このベルト体3は一対のローラ(図示せず)に架け渡されている。ベルト体3は、前記ローラを回転させることにより、白抜きの矢印で示されるように図1において左側から右側に移動する。ベルト体3は、ワイヤ入りの合成樹脂製ベルトからなっている。ベルトコンベヤ2の上流側端部には、圧粉体Wの重量を測定する秤量機4が配設されている。一方、ベルトコンベヤ2の下流側端部には、製品集荷部5が設けられている。製品集荷部5まで搬送された圧粉体Wは、マニュアルで、又は、ロボットなどの搬送機構によって続く焼結工程に送られる。
バリ取り装置1は、取付具6と、バリ除去部30〜32とを備えている。以下、各要素について順に説明する。
[取付具]
取付具6は、後述するバリ除去部が設けられる長尺の部材である。取付具6は、前記ベルトコンベヤ2のベルト体3の外表面から所定距離(例えば、1cm程度)だけ上方(図1において紙面手前側)に離間して配置される。取付具6は、例えばSC45などで作製することができる。
本実施形態では、3本の取付具6a、6b、6cが用いられている。最も上流側に第1の取付具6aが配設されており、最も下流側に第3の取付具6cが配設されている。両取付具6a、6cの間に第2の取付具6bが配設されている。
第1〜3取付具6a、6b、6cは、ベルトコンベヤ2のフレーム2aに固定された3つの第1〜3調整具8a,8b,8cに位置変更可能及び角度変更可能に取り付けられている。より詳細には、第1取付具6aの上流側端部は第1調整具8aに取り付けられている。第2取付具6bの上流側端部は第2調整具8bに取り付けられており、下流側端部は第3調整具8cに取り付けられている。第3取付具6cの上流側端部は第3調整具8cに取り付けられており、下流側端部は第2調整具8bに取り付けられている。第1取付具6aの下流側端部は、接続ステー9を介して第2取付具6bの上流側の端部近傍に取り付けられている。
第1調整具8aは鋼製の長尺材からなり、ボルトによりベルトコンベヤ2のフレーム2aに固定されている。第1調整具8aには、その長手方向に沿って角度・位置変更用の長孔10が形成されている。第1取付具6aの上流側端部は、前記長孔10に挿入されるボルト11及びナット(図示せず)を用いて第1調整具8aに固定されている。
第2調整具8bは鋼製の長尺材からなり、ボルトによりベルトコンベヤ2のフレーム2aに固定されている。第2調整具8aの上流側端部近傍及び下流側端部近傍には、その長手方向に沿って角度・位置変更用の長孔12、13がそれぞれ形成されている。第2取付具6bの上流側端部は、前記長孔12の挿入されるボルト14及びナット(図示せず)を用いて第2調整具8bに固定されている。第3取付具6cの下流側端部は、前記長孔13に挿入されるボルト15及びナット(図示せず)を用いて第2調整具8bに固定されている。
第3調整具8cは、平面視でT字形状の第1部材8c1と、ベルトコンベヤ2のフレーム2aに固定される第2部材8c2とを備えている。第1部材8c1には、3つの角度・位置変更用の長孔16、17、18が形成されている。第2取付具6bの下流側端部は、前記長孔16に挿入されるボルト19及びナット(図示せず)を用いて第3調整具8cの第1部材8c1に固定されている。第3取付具6cの上流側端部は、前記長孔17に挿入されるボルト20及びナット(図示せず)を用いて第3調整具8cの第1部材8c1に固定されている。第1部材8c1は、前記長孔18に挿入されるボルト21及びナット(図示せず)を用いて第2部材8c2に固定されている。
前記第1〜3取付具6a、6b、6cを固定しているボルトとナットの締結を緩め、当該ボルトを前記長孔10などに沿って移動させ、ついでナットを締め付けることにより前記第1〜3取付具6a、6b、6cの位置及び/又は角度を変更することができる。
前記第1〜3取付具6a、6b、6cは、それぞれの長手方向がベルト体3の進行方向に対してθの角度をなすように、当該ベルト体3に対して斜めに配置されている。この角度θは、本発明において特に限定されるものではないが、通常、30°〜60°の範囲内で選定されることが望ましい。後述するバリ除去部の種類やベルト体3の外表面の滑りやすさなどにもよるが、前記θが30°未満であると、圧粉体Wはスムーズに下流側に移動することができるが、バリ除去部との接触が不十分となり、確実にバリを除去することができない虞がある。一方、前記θが60°より大きいと、バリ除去部と十分に接触させることができるが、抵抗が大きくなりすぎて下流側にスムーズに移動できなくなり、場合によっては圧粉体Wが損傷する虞がある。
第1〜3取付具6a、6b、6cの下流側端部には、取付具に設けられたバリ除去部と接触しつつ回転しながら下流側に移動してきた圧粉体Wが、当該取付具から離反してさらに下流側へと移動する際に通過するための第1〜3通路7a、7b、7cがそれぞれ設けられている。第1取付具6aの下流側先端と、第2取付具6bの上流側端部の上流側側面との間のスペースが第1通路7aとされている。また、第2取付具6bの下流側端部近傍をベルト体3の外表面から所定距離だけ切り欠くことで第2通路7bが形成されている。同様に、第3取付具6cの下流側端部近傍をベルト体3の外表面から所定距離だけ切り欠くことで第3通路7cが形成されている。
[バリ除去部]
第1〜3取付具6a、6b、6cの各上流側端面には、それぞれ第1〜3バリ除去部30、31、32が設けられている。バリ除去部30、31、32は、圧縮成形時に圧粉体Wの端部に形成されたバリを除去するための部材である。図2の(a)は圧粉体Wの一例の側面説明図であり、同(b)は圧粉体Wの一例の平面説明図である。圧粉体Wは、ダイ、上下のパンチ及びコアなどの金型を備えたプレス成型機を用いて製造されるが、その際、当該金型の各嵌合面に設定されたわずかな隙間に押し出された粉末がバリ33となって圧粉体Wの端部に残る。図2の(a)では、分かりやすくするためにバリ33を誇張して描いている。バリ33は、圧粉体Wの筒部34の上面34aのほぼ全周(外周)にわたり形成されている。また、圧粉体Wのフランジ部35の上面35aのほぼ全周(外周)にわたり形成されている。
図3は、第1取付具6aに設けられているバリ除去部30の断面説明図である。バリ除去部30は、圧粉体Wのフランジ部35の上面35aのほぼ全周にわたり形成されたバリ33を除去する役割を果たす。バリ除去部30は、前記第1取付具6aに固定される板状のベース部36と、このベース部36にボルト37により固定されるブラシ体38とで構成されている。
ブラシ体38は、板状の本体38aの一側面にブラシ38bが稙設されたものである。ブラシ38bの材質としては、例えばSUS、スチール、ナイロンなどの合成樹脂を用いることができる。ブラシ38bの材質は、圧粉体Wの組成などを考慮して選定される。例えば、圧粉体Wがステンレスの合金粉を圧縮成形したものである場合、成形圧が高くなるため形成されるバリが固くなることから、SUS又はスチール製のブラシを用いることが望ましい。
ブラシ38bの直径は、本発明において特に限定されるものではないが、通常、0.2mm〜0.5mmの範囲である。また、ブラシ38bの長さも本発明において特に限定されるものではないが、概ね5mm〜15mmの範囲であり、10mm程度が一般的である。
ブラシ体38の本体38aに形成されるボルト孔は、図3において上下方向に長い長孔である。これにより、ブラシ体38のベース部36への取付位置を調整して、ブラシ38bの先端の高さ調整をすることができる。
図4は、第2取付具6bに設けられているバリ除去部31の断面説明図である。バリ除去部31は、圧粉体Wの筒部34の上面34aのほぼ全周にわたり形成されたバリ33を除去する役割を果たす。バリ除去部31は、前記第2取付具6bに固定される板状のベース部40と、このベース部40にボルト41により固定されるブラシ体42とで構成されている。ブラシ体42は、板状の本体42aの一側面にブラシ42bが稙設されたものである。
ブラシの材質、直径及び長さについての説明、並びにボルト41が挿入されるボルト孔42についての説明は、図3に示されるバリ除去部30と同様であるので、簡単のため、それらの説明を省略する。
図5は、第3取付具6cに設けられているバリ除去部32の断面説明図である。バリ除去部32は、圧粉体Wのフランジ部35の上面35aのほぼ全周にわたり形成されたバリ33及び圧粉体Wの筒部34の上面34aのほぼ全周にわたり形成されたバリ33を除去する役割を果たす。すなわち、バリ除去部32は、前記バリ除去部30及びバリ除去部31で除去しきれなかったバリ33を仕上工程として除去する役割を果たす。
バリ除去部32は、前記第3取付具6cに固定される板状のベース部44と、このベース部44にボルト45により固定されるブラシ体46とで構成されている。ブラシ体46は、圧粉体Wのフランジ部35の上面35aのほぼ全周にわたり形成されたバリ33を除去するための第1ブラシ体46aと、圧粉体Wの筒部34の上面34aのほぼ全周にわたり形成されたバリ33を除去するための第2ブラシ体46bとを備えている。第1ブラシ体46aは、板状の本体46a1の一側面にブラシ46a1が稙設されたものである。また、第2ブラシ体46bは、板状の本体46b1の一側面にブラシ46b2が稙設されたものである。
ブラシの材質、直径及び長さについての説明、並びにボルト45が挿入されるボルト孔47についての説明は、図3に示されるバリ除去部30と同様であるので、簡単のため、それらの説明を省略する。なお、バリ除去部32では、第1ブラシ体46a及び第2ブラシ体46bの上下方向の位置をそれぞれ個別に調整することができる。
本実施形態では、圧粉体Wをベルトコンベヤ2により次工程に搬送している間に、当該ベルトコンベヤ2のベルト体3の上方に配設された取付具6に設けられたバリ除去部30,31,32によって圧粉体Wのバリ33が除去される。ベルトコンベヤ2の速度は、本発明において特に限定されるものではないが、概ね50〜300mm/秒程度であり、一般的には100mm/秒程度である。圧粉体Wは、ベルト体3に対して斜めに配置された取付具6に沿って回転しながら下流側に移動し、移動時に回転しながらバリ除去部30,31,32と接触することで当該圧粉体Wの端部に形成されたバリ33が除去される。
〔その他の変形例〕
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、前述した実施形態では、ブラシを用いてバリ除去をしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、バリを除去することができる限り、他の手段を採用することができる。例えば、ブラシ体に代えて、図6に示されるように、バリが形成される圧粉体Wの端部と当接可能な斜面50を有する当接体51と、この当接体51が固定されるベース部52とで構成されるバリ除去部53を用いることもできる。前記斜面50の水平面に対する傾斜角度αは、本発明において特に限定されるものではないが、通常、15〜45°程度である。当接体51は、例えばS45Cなどの鋼材で作製することができる。
バリ除去部53において、当接体51をベース部52に固定するボルト54が挿入されるボルト孔55は、前述したボルト孔39などと同じく長孔に形成されており、当接体51の高さ調整ができるようになっている。
また、図6に示されるバリ除去部53は、圧粉体Wのフランジ部35の上面35aのほぼ全周にわたり形成されたバリを除去する役割を果たすものであるが、図7に示されるように、圧粉体Wのフランジ部35の上面35aのほぼ全周にわたり形成されたバリ及び圧粉体Wの筒部34の上面34aのほぼ全周にわたり形成されたバリを除去するバリ除去部56を用いることもできる。この場合においても、ボルト孔57は長孔に形成されており、当接体58,59の高さ調整を個別に行うことができる。
また、図6〜7に示される態様において、当接体の斜面にサンドペーパーを貼付することもできる。この場合、圧粉体Wの端部をサンドペーパーと接触させることで、バリ除去部のバリ取り能力を向上させることができる。
また、前述した実施形態では、ベルトコンベヤ上に3つの取付具を配設しているが、取付具の数は3つに限定されるものではなく、1つ、2つ、又は4つ以上であってもよい。ベルトコンベヤの長さや、バリ除去部のバリ取り能力などを考慮して取付具の数を選定することができる。
また、前述した実施形態では、3つの取付具のすべてにブラシ体を備えたバリ除去部を設けているが、複数の取付具を用いる場合、取付具ごとにバリ除去部の構成を変えることもできる。例えば、2つの取付具を用いる場合、上流側の取付具に、図7に示される当接体を備えたバリ除去部を採用し、下流側の取付具に、図5に示されるブラシ体を備えたバリ除去部を採用することができる。このように、取付具ごとにバリ除去部の構成を変えることで、バリの特性に応じたきめの細かいバリ除去を行うことができる。
また、前述した実施形態では、取付具の長手方向に沿って、同じ仕様のバリ除去部を用いているが、取付具の長手方向に沿ってバリ除去部の仕様を変えることも可能である。例えば、取付具の上流側部分では、当接体を備えたバリ除去部とし、取付具の下流側部分では、ブラシ体を備えたバリ除去部とすることもできる。さらには、取付具の上流側部分では、ステンレス製のブラシを備えたバリ除去部とし、取付具の下流側部分では、ナイロン製のブラシを備えたバリ除去部とすることもできる。
1 :バリ取り装置
2 :ベルトコンベヤ
2a :フレーム
3 :ベルト体
4 :秤量器
5 :製品集荷部
6 :取付具
6a :第1取付具
6b :第2取付具
6c :第3取付具
7 :通路
7a :第1通路
7b :第2通路
7c :第3通路
8 :調整具
8a :第1調整具
8b :第2調整具
8c :第3調整具
9 :接続ステー
10 :長孔
11 :ボルト
12 :長孔
13 :長孔
14 :ボルト
15 :ボルト
16 :長孔
17 :長孔
18 :長孔
19 :ボルト
20 :ボルト
21 :ボルト
30 :第1バリ除去部
31 :第2バリ除去部
32 :第3バリ除去部
33 :バリ
34 :上面
35 :フランジ部
35a :上面
36 :ベース部
37 :ボルト
38 :ブラシ体
39 :ボルト孔
40 :ベース部
41 :ボルト孔
42 :ブラシ体
43 :ボルト孔
44 :ベース部
45 :ボルト
46 :ブラシ体
47 :ボルト孔
50 :斜面
51 :当接体
52 :ベース部
53 :バリ除去部
54 :ボルト
55 :ボルト孔
56 :バリ除去部
57 :ボルト孔
58 :当接体
59 :当接体
W :圧粉体

Claims (5)

  1. 鉄系材料粉を圧縮成形して得られる圧粉体を次工程に搬送するためのベルトコンベヤに配設されるバリ取り装置であって、
    前記ベルトコンベヤの無端状ベルト体の外表面から所定距離だけ離間して配置される長尺の取付具と、
    前記取付具の上流側側面に設けられており、圧縮成形時に圧粉体の端部に形成されたバリを除去するためのバリ除去部と、
    前記ベルトコンベヤのフレームに固定される調整具と、
    を備えており、
    前記取付具は、前記ベルト体の進行方向に沿って第1取付具、第2取付具及び第3取付具を有しており、
    前記調整具は、第1調整具、第2調整具及び第3調整具を有しており、
    前記第1取付具の上流側端部は前記第1調整具に取り付けられており、下流側端部は、接続ステーを介して前記第2取付具の上流側の端部近傍に取り付けられており、
    前記第2取付具の上流側端部は第2調整具に取り付けられており、下流側端部は前記第3調整具に取り付けられており、
    前記第3取付具の上流側端部は第3調整具に取り付けられており、下流側端部は第2調整具に取り付けられており、
    前記第1取付具、第2取付具及び第3取付具の下流側端部には圧粉体が通過可能な通路が設けられており、
    前記第1取付具、第2取付具及び第3取付具は、それぞれの長手方向が前記ベルト体の進行方向に対してθの角度をなすよう、当該ベルト体に対し斜めに配置されており、
    前記第1取付具は、前記第1調整具及び第2調整具に位置変更可能及び角度変更可能に取り付けられており、
    前記第2取付具は、前記第2調整具及び第3調整具に位置変更可能及び角度変更可能に取り付けられており、
    前記第3取付具は、前記第2調整具及び第3調整具に位置変更可能及び角度変更可能に取り付けられている、バリ取り装置。
  2. 前記θは、30°〜60°の範囲内である、請求項1に記載のバリ取り装置。
  3. 上流側の取付具に設けられる通路は、当該上流側の取付具に隣接する下流側の取付具における、通路が設けられる側の端部と反対側の端部と対向する位置に設けられる、請求項1又は請求項2に記載のバリ取り装置。
  4. 前記バリ除去部がブラシ又はサンドペーパーを備えている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のバリ取り装置。
  5. 複数の取付具におけるバリ除去部が互いに異なる構成である、請求項3又は請求項4に記載のバリ取り装置。
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