JP6448210B2 - ポリマー膜 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリマー膜に関し、より詳しくは耐汚れ性に優れた導電性ポリマー膜に関する。
ポリマー膜は、その表面が汚れてしまうと望みの機能が発揮できない場合がある。よって、耐汚れ性向上のために、例えば、表面自由エネルギーの低いフッ素材料をポリマー膜表面に導入することが古くから検討されてきた。
特許文献1には、フッ素を含有する粒子を分散させた耐汚れ性に優れた導電性のポリマー膜が開示されている。特許文献1に開示されているポリマー膜は、導電性微粒子とフッ素を含む粒子とが共にポリマーマトリックス中に分散されていることで、導電性のポリマーマトリックス中に複数のフッ素粒子を含有したポリマー膜が形成されている。その結果、このポリマー膜は耐汚れ性に優れた導電性のポリマー膜となる。
特開2010−231007号公報
しかしながら、特許文献1にて開示されているポリマーマトリックス中にフッ素を含有する粒子を分散させた構成の導電性のポリマー膜は、曲げ等の機械的負荷が加わると、該粒子の脱落が起こり、耐汚れ性が低下する場合があった。従って、特許文献1にて開示されているポリマー膜は、特に機械的不可が加わった後においてその表面に付着し得る汚れにより電気抵抗値がばらつく場合があった。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、その目的は、曲げや擦れ等の機械耐性に優れた、耐汚れ性の良好な導電性ポリマー膜を提供することにある。
本発明のポリマー膜は、導電性ポリマー材料と、複数の粒子と、を有するポリマー膜であって
前記粒子が、フッ素樹脂材料で構成された粒子部と、前記粒子部と一体になっている繊維部と、を有し、
前記粒子部と前記繊維部とが同一の組成であり、
各前記粒子が、前記繊維部において他の粒子と絡みあっており、
前記繊維部の径が50nm以上1000nm未満であり、
前記粒子が、前記導電性ポリマー材料の表層に偏在して埋設されていることを特徴とする。
また、本発明のポリマー膜の製造方法は、エレクトロスピニング法により、フッ素樹脂材料で構成された粒子部と、前記粒子部と同一組成であってかつ一体になっている繊維部と、を有する粒子を、導電性ポリマー材料の上に付与する工程と、
ホットプレスにより、前記粒子を前記導電性ポリマー材料に埋設する工程と、を有し、
記導電性ポリマー材料の表層に、前記粒子部が存在していることを特徴とする。
本発明によれば、曲げや擦れ等の機械耐性に優れた、耐汚れ性の良好な導電性ポリマー膜を提供することができる。
(a)は、本発明のポリマー膜における実施形態の例を示す図であり、(b)は、(a)中の囲みα部分を示す部分拡大図である。 粒子を構成する繊維部同士が絡み合っている様子を示す模式図である。 ポリマー膜を構成する粒子が導電性ポリマー材料の表層に埋設されている様子を示す模式図であり、(a)は、上面図、(b)は、(a)中のAA’断面を示す図である。 導電性ポリマー材料の上に粒子を付与する装置の例を示す模式図である。 本発明のポリマー膜を有するフレキシブルセンサーの例を示す断面模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
[ポリマー膜]
本発明のポリマー膜は、導電性ポリマー材料と、複数の粒子と、を有する。本発明において、粒子は、フッ素を含有する粒子部と、前記粒子部と一体になっている繊維部と、を有し、粒子を構成する粒子部と繊維部とは同一の組成である。本発明にいて、ポリマー膜を構成する各粒子は、繊維部において他の粒子と絡みあっており、またこれら粒子は、導電性ポリマー材料の表層に埋設されている。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明のポリマー膜について説明する。
図1(a)は、本発明のポリマー膜における実施形態の例を示す図であり、図1(b)は、(a)中の囲みα部分を示す部分拡大図である。
図1のポリマー膜1は、複数の粒子10と、導電性ポリマー材料20とを有する。図1のポリマー膜1において、導電性ポリマー材料20は、マトリックスとしての役割を果たし、このマトリックス(導電性ポリマー材料20)中に複数の粒子10が配置されている。尚、以下の説明では、導電性ポリマー材料20をマトリックスということがある。
本発明において、粒子10は、図1(b)に示すように、フッ素を含有する粒子部11と、この粒子部11と一体になっている繊維部12と、からなる。このように、マトリックス20中に配置される粒子10は、粒子部11等にフッ素を有するため、フッ素含有粒子ということができるが、以下の説明においては、単に「粒子10」と呼ぶことにする。またこの粒子10を構成する粒子部11等に含まれるフッ素としては、例えば、他の原子(炭素原子等)と共有結合するフッ素原子等が挙げられる。
本発明において、粒子部11や繊維部12の断面形状は特に限定されない。例えば、円形、楕円形、類円形、四角形、多角形、半円形等でもよく、また正確に定義できないような不特定の形状であってもよいし、任意の断面で形状が異なっていてもよい。尚、粒子部11において、直径とは、粒子部11の断面が円状のものでは、その断面の円の直径のことを指すが、それ以外では、粒子部11の断面における重心を通る最長直線の長さをいう。本発明において、粒子部11の直径(粒径)は、好ましくは、500nm以上100μm以下である。
本発明において、繊維部12の太さは粒子部11の直径よりも小さい。ここでいう繊維部12の太さとは、基本的には繊維部12の幅をいうが、繊維部12の繊維幅が一定でない場合は、その最高幅をいう。
本発明において、粒子10は、図1(a)に示されるように、1個の粒子部11が少なくとも1本の繊維部12と一体になっている構成である。つまり、図1(b)のように、1個の粒子部11が2本の繊維部12と一体になっている構成であってもよい。図1(b)のように、1個の粒子部11が2本の繊維部12と一体になっている場合、粒子部11に対する各繊維部12の配置位置は特に限定されない。例えば、図1(b)のように対向した位置に配置されていてもよく、所望の性能を与えるように適宜配置位置を調整すればよい。また、繊維部12の長さは、繊維部12の太さよりも長く、好ましくは、繊維部12の長さは繊維部12の太さの10倍以上である。尚、ここでいう繊維部12の太さとは、粒子を構成する繊維部12の断面が円柱状のものでは、その断面の円の直径のことをいうが、それ以外では、断面における重心を通る最長直線の長さをいう。
粒子10を構成する繊維部12の平均直径は、1nm以上50000nm未満であることが好ましく、より好ましくは、50nm以上15μm未満であり、さらに好ましくは50nm以上1000nm未満である。このように、繊維部12の平均直径を小さくする方が、所定の空間あたりに存在する繊維部12の本数を多くすることができるようになり、結果として、導電性ポリマー材料(マトリックス)20内にある粒子10同士のネットワークが強固になる。ただし、繊維部12の作製のしやすさという観点から、繊維部12の太さ(直径)は小さくなり過ぎない方が望ましく、ナノレベル(1nm以上)であることが好ましい。
尚、本発明においては、繊維部12の太さを1000nm未満とすることで、より曲げ耐久性に優れたポリマー膜が得られる傾向にある。詳細な理由は明確にはなっていないが、1000nm未満の繊維は、繊維自体が極めて細く、最大曲げ応力が大きくなり,しなりやすくなる。このため、結果として大きな曲げに対してもポリマー膜1に含まれる粒子の脱離耐性が高まると考えられる。既に述べたが、繊維部12の断面形状は特に限定されず、円形、楕円形、四角形、多角形,半円形等もよく、それらが歪んだ形状で合ってもよい。また、断面によって断面形状が異なっていてもよい。
また本発明において、粒子部11と繊維部12とは、同一の組成である。ここでいう同一の組成とは、同一の材料で粒子部11と繊維部12とが形成されていることを意味する。
本発明のポリマー膜において、導電性ポリマー材料20中に複数配置されている粒子10の単位面積当たりの配置数、粒子間の間隔や各粒子の形状は、所望する導電性ポリマー膜の特性に合わせて適宜選択することができる。例えば、図1(a)に示されるように、マトリックス20中に粒子10がランダムに配置される構成が挙げられる。
さらに本発明において、マトリックスである導電性ポリマー材料20中に配置される複数の粒子10は、それぞれ粒子10を構成する繊維部12において他の粒子10と絡み合っている。図2は、粒子を構成する繊維部同士が絡み合っている様子を示す模式図である。尚、図2は、図1(a)中の囲みβ内の部分拡大図でもある。本発明において、粒子10同士の絡み合いは、基本的には、図2に示されるように、粒子10を構成する繊維部12同士の絡み合いをいうが、所定の粒子10を構成する粒子部11の周辺に他の粒子10を構成する繊維部12が絡まっている態様も当然に含まれる。またこの絡み合いの具体的な態様については、特に限定されるものではなく、少なくとも所定の粒子10を構成する粒子部11又は繊維部12が近傍にある他の粒子10を構成する繊維部12と接触していればよく、これらが相互に巻きついていてももちろんよい。この粒子10同士の絡み合いは、導電性ポリマー材料(マトリックス)20内における、複数の粒子10による強固なネットワーク形成の基礎となっている。
本発明おいて、複数の粒子10は、マトリックスである導電性ポリマー材料20の表層に埋設されている。図3は、ポリマー膜を構成する粒子が導電性ポリマー材料の表層に埋設されている様子を示す模式図であり、(a)は、上面図、(b)は、(a)中のAA’断面を示す図である。尚、図3は、図1(b)と同様に図1(a)中の囲みα内の部分拡大図でもある。本発明において、粒子10を埋設するとは、粒子10の上面、例えば、粒子10を構成する粒子部11の上面11aを外気等の外部環境に接触できるようにした状態で、粒子10を導電性ポリマー材料20(マトリックス)内に埋め込ませることをいう(図3参照)。ただし、図3に示されている態様はあくまでも具体例であり、本発明はこの態様に限定されるものではない。マトリックス(導電性ポリマー材料)20の表層に埋設される粒子10の埋め込み量や埋め込み深さ(厚み)は、得られるポリマー膜の表面から厚みに対して、50%未満の領域であることが好ましく、0.1%以上50%未満の領域であることがより好ましい。
以上説明したように、フッ素を含有する粒子部11と繊維部12とが一体となった粒子10は、他の粒子10と絡み合う部分を有し、その少なくとも一部がマトリックス(導電性ポリマー材料)20に埋め込まれている。
具体的には、図3に示すように、マトリックスである導電性ポリマー材料20に、フッ素を含有する粒子部11と繊維部12とが一体となった粒子10同士が絡み合う部分の少なくとも一部がマトリックスの表層に埋められている。これは、導電性ポリマー材料(マトリックス)20内に、粒子10同士が互いに束縛されていることをも意味する。これにより、ポリマー膜1に曲げ等の機械的負荷が加わっても、粒子10の導電性ポリマー材料20からの脱落を抑制することができる。その結果、導電性ポリマー材料20の表層に埋設されている粒子10に起因する優れた耐汚れ性を維持した導電性ポリマー膜となる。
また本発明においては、導電性ポリマー材料20に埋設されている粒子10において、粒子10同士の絡み合い(繊維部12と粒子部11又は繊維部12との絡み合い)が多ければ多いほど、必然的にポリマー膜1に含まれる粒子10の脱落の抑制効果が高いため、好ましい。
尚、ポリマー膜1に含まれる粒子10の脱落の有無は、曲げ等の機械的負荷が加わる前後で、その定点部を直接観察することで測定することができる。
以上説明した構成を備える、本発明のポリマー膜1は、少なくとも隣接する粒子10同士が粒子10を構成する繊維部12同士で絡まっているので、曲げや擦れ等10の機械的負荷に対する耐性(機械耐性)に優れる。しかも、ポリマー膜1に含まれる粒子は、フッ素を有する粒子部11と、この粒子部11と同一材料組成の繊維部12とが一体となっている粒子である、このため、この粒子10を構成する部材(粒子部11、繊維部12)は強固に一体となっている。またこの粒子10は、フッ素を有する粒子部11が有する特性である耐汚れ性を備えている。
よって本発明により、曲げや擦れ等の機械的に優れ、かつ耐汚れ性の良好なポリマー膜(導電性ポリマー膜)を提供することができる。
尚、本発明のポリマー膜(導電性ポリマー膜)は、様々な構造体で適用することができる。またその構造体は特に限定されず、立方体や直方体、さらにはシート状やローラ状であってももちろんよく、所望する特性に応じて適宜最適な構造にすればよい。
例えば、本発明のポリマー膜は、シート状等の任意の基材の上に積層させてもよい。このとき基材としては、本発明のポリマー膜の軸材として不具合なく使用できるものであれば特に限定されないが、例えば、基材の上に本発明のポリマー膜を積層することで、強度が増し、強度や曲げ耐性が要求される用途にも用いることができるようになる。加えて、本発明のポリマー膜は、厚みを持たせるために適宜積層して用いてももちろんよい。尚、本発明のポリマー膜の具体的な適用例については、後述する。
本発明のポリマー膜は、表面比抵抗が、好ましくは、1.0×10-5Ω/□以上1.0×1014Ω/□以下、より好ましくは1.0×10-2Ω/□以上1.0×1010Ω/□以下である。この範囲内にあることで、電流の制動性が良好となり、導電均一性に優れたポリマー膜とすることができる。
[ポリマー膜の構成材料]
次に、本発明のポリマー膜の構成材料について具体的に説明する。
(1)導電性ポリマー(マトリックス)
マトリックスとなる導電性ポリマー材料としては、ポリマー(高分子重合体A)と、導電性粒子とを有するポリマー材料が挙げられる。
ポリマー(高分子重合体A)は、高分子量の重合体であれば、高分子樹脂のような有機材料であってもよく、シリカ、チタニア、粘土鉱物等の無機高分子重合体、有機材料と無機材料のハイブリッド材料であってもよい。本発明においては、ポリマー(高分子重合体A)は、導電性粒子に対する親和性が高いことが好ましい。導電性粒子に対する親和性が高いことで、導電性粒子がポリマー(高分子重合体A)内に分散しやすくなるためである。
ポリマー(高分子重合体A)が有機材料である場合、その具体例としては、ニトリルブタジエンコポリマー(NBR)、ポリクロロプレン、エチレンプロピレン(EPDM)、ポリシロキサン(シリコーン)、イソチレンイソブチレンコポリマー、スチレンブタジエンコポリマー(SBR)、ウレタンや、ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系ポリマー;ポリスチレン;ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド;ポリパラフェニレンオキサイド、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキサイド)、ポリパラフェニレンスルフィド等のポリアリーレン類(芳香族系ポリマー);ポリオレフィン系ポリマー、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアリーレン類(芳香族系ポリマー)に、スルホン酸基(−SO3H)、カルボキシル基(−COOH)、リン酸基、スルホニウム基、アンモニウム基又はピリジニウム基を導入したもの;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系のポリマー;含フッ素系のポリマーの骨格にスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、スルホニウム基、アンモニウム基、又は、ピリジニウム基を導入したパーフルオロスルホン酸ポリマー、パーフルオロカルボン酸ポリマー、パーフルオロリン酸ポリマー;ポリブダジエン系化合物;エラストマーやゲル等のポリウレタン系化合物;シリコーン系化合物;ポリ塩化ビニル;ポリエチレンテレフタレート;ナイロン;ポリアリレート、及び上記化合物の置換体や共重合体が挙げられる。以上列挙したもののうち、好ましくは、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーである。
導電性ポリマー材料を構成するポリマー(高分子重合体A)である有機材料が、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)等のような溶融しづらいものを含む場合、適宜熱可塑性樹脂を組み合わせてもよい。
ポリマー(高分子重合体A)が無機材料である場合、その具体例としては、Si、Mg、Al、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Sn及びZnの酸化物、より具体的には、シリカ(SiO2)、酸化チタン、酸化アルミニウム、アルミナゾル、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化クロム等の金属酸化物を挙げることができる。また、モントモリロナイト(MN)の様な粘土鉱物を用いることもできる。
ポリマー(高分子重合体A)が有機材料と無機材料とからなるハイブリッド材料である場合、その具体例としては、上記例示された有機材料と、上記例示された無機材料とのハイブリッドが挙げられる。
尚、ポリマー(高分子重合体A)の構成材料となる有機材料及び無機材料は、上記例示した材料のうちの一種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
導電性粒子は、電子電導性フィラーであればよく、例えば、カーボン粒子、金属粒子、導電性ポリマー、これらを複合化したもの等を用いることができる。好ましくは、カーボン粒子、金属粒子及び導電性ポリマーである。
カーボン粒子としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、活性炭素ファイバーの他、ナノ炭素ファイバー、炭素ナノ粒子、グラフェン、カーボンナノチューブが挙げられる。
導電性粒子として列挙されるカーボン粒子の中でも、入手の容易さから、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が好ましい。
尚、カーボンブラックとは炭素主体の微粒子のことであり、アセチレンブラックとはカーボンブラックの一種で特にアセチレンの熱分解によって製造されるカーボンブラックのことである。また、ケッチェンブラックもカーボンブラックの一種で、特にカーボンブラックの中で比表面積、多孔度ともに高い特徴を有する。活性炭素ファイバーは繊維状の活性炭素のことである。
尚、市販のカーボンブラックとしては、例えば、トーカブラック#4300、#4400、#4500、#5500等(東海カーボン社製、ファーネスブラック)、プリンテックスL等(デグサ社製、ファーネスブラック)、Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA等、Conductex SC ULTRA、Conductex 975 ULTRA等(コロンビヤン社製、ファーネスブラック)、#2350、#2400B、#30050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、#5400B等(三菱化学社製、ファーネスブラック)、MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、BlackPearls2000等(キャボット社製、ファーネスブラック)、Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、SuperP−Li(TIMCAL社製)、ケッチェンブラックEC−300J、EC−600JD(アクゾ社製)、デンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35(電気化学工業社製、アセチレンブラック)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ナノ炭素ファイバーは、グラファイトのシートが円筒状に丸まって構成されたものであり、その円筒径が10nm以上1000nm以下のものであり、カーボンナノファイバーとも呼ばれる。カーボンナノファイバーは、ファイバーの太さが75nm以上で中空構造を有し、分岐構造の多い炭素系ファイバーである。カーボンナノファイバーの市販品としては、昭和電工(株)のVGCF、VGNF等が挙げられる。
炭素ナノ粒子は、カーボンナノチューブ以外の、カーボンナノ材料、例えば、カーボンナノホーン、アモルファス状炭素、フラーレンといった炭素を主成分とするナノスケール(10-6m乃至10-9m)の粒子状物質をいう。ここでカーボナノホーンとは、グラファイトシートを円錐状に丸めた形状を持ち、先端が円錐状に閉じている炭素ナノ粒子のことである。
グラフェンは、黒鉛構造の一部であって、平面構造を有する炭素六員環が二次元的に配列した炭素原子の集合体であり、1枚の炭素の層からなる。
カーボンナノチューブ(以下、CNTと記載する場合がある)は、グラフェンが円筒状に丸まって構成されたグラフェンシートであり、その円筒径が1nm以上10nm以下のものである。CNTは、グラフェンシートの周壁の構成数から単層ナノチューブ(SWCNT)と多層ナノチューブ(MWCNT)とに大別されるが、いずれのタイプのカーボンナノチューブも導電性粒子として用いることができる。
導電性ポリマー材料内に存在する導電性粒子の含有量は、導電性ポリマー材料自体の抵抗値を考慮して適宜調整すればよいが、ポリマー(高分子重合体A)の重量に対して1重量%以上であることが好ましい。これはポリマー(高分子重合体A)の重量に対して1重量%以上存在することにより、導電性のポリマーマトリックスとなり、結果、導電性ポリマー材料及びその導電性構造体として機能しうる程度の電気伝導性を付与することができるためである。
また、導電性ポリマー材料に対するポリマー(高分子重合体A)の割合は、10重量%以上70重量%以下であることが好ましい。これは、ポリマー(高分子重合体A)の割合が10重量%以上であることにより、導電性ポリマー材料自体が良好な機械的特性を保つことが可能となる。またポリマー(高分子重合体A)の割合を70重量%以下とすることで相対的に導電性粒子の割合が高くなるからである。
導電性ポリマー材料の膜厚は、0.1μm以上5.0mm以下であることが好ましい。これは、膜厚が0.1μm以上5.0mm以下の範囲に入ることで、導電性ポリマー材料からなる膜やその導電性を利用した構造体を作製しやすいからである。
(2)粒子
ポリマー膜1に含まれる粒子10は、少なくともフッ素樹脂材料で構成されている。ただし、フッ素樹脂材料のみで構成される必要はなく、他の樹脂材料をはじめとする有機材料、シリカ、チタニア、粘土鉱物、金属等の無機材料を適宜混合して用いても構わない。また、粒子10は、一種類のフッ素樹脂材料で構成されていてもよいし、複数種類のフッ素樹脂材料を含んでいてもよい。
粒子10の構成材料であるフッ素樹脂材料として、例えば、ジフルオロメチレン基(CF2ユニット)の繰り返し単位を有する、テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系ポリマー、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やPVDFとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(PVDF−HFP)や、テトラフルオロエチレン(TFE)−プロピレン共重合体、さらにはフッ素系のポリマーの骨格にスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、スルホニウム基、アンモニウム基、又は、ピリジニウム基を導入したパーフルオロスルホン酸ポリマー、パーフルオロカルボン酸ポリマー、パーフルオロリン酸ポリマーを挙げることができる。尚、これらは1種類を単独で用いてもよいし、複数種類を組み合わせて用いてもよい。また使用する樹脂材料については、適宜官能基化を行ってもよいし、他の高分子重合体との共重合体としてもよい。
粒子10は、導電性ポリマー材料(マトリックス)20に含まれるポリマー(高分子重合体A)とは融点が異なる材料で形成されることが好ましい。具体的には、粒子10の融点は、導電性ポリマー材料(マトリックス)20に含まれるポリマー(高分子重合体A)の融点よりも、好ましくは5℃以上、より好ましくは30℃以上高いことが好ましい。これは、ポリマー(高分子重合体A)の融点より高い温度でマトリクス20中に粒子10を埋め込む際に、マトリックス20の深部にまで粒子10を埋め込ようにするためである。特に、マトリックス20に含まれるポリマー(高分子重合体A)の融点が、粒子10の構成材料であるフッ素材料のガラス転移点以下である場合には、粒子10を、導電性ポリマー材料(マトリックス)20内により埋め込みやすくなるため、特に好ましい。
粒子10の中に、マトリックス20に含まれるポリマー(高分子重合体A)の一部のモノマーが共通していたり、同種の骨格構造を有していたりする場合には、マトリクス20と粒子10との密着性や相溶性が高くなり好ましい。
本発明において、ポリマー膜に含まれる粒子は、好ましくは、導電性ポリマー材料に対して1重量%以上30重量%以下含まれる。
(3)その他の成分
本発明のポリマー膜には、所望の特性を阻害しないのであれば、例えば、シリカのような酸化物、水酸化カルシウムのような水酸化物、炭酸カルシウムのような炭酸塩、硫酸バリウムのような硫酸塩、タルク、マイカ、ワラストナイトのような珪酸塩等のフィラーを添加してもよい。フィラーの添加により、導電性ポリマー膜の強度や耐熱性等の特性向上が図れる傾向にある。
[ポリマー膜の製造方法]
次に、本発明のポリマー膜の製造方法について説明する。本発明の導電性ポリマー膜の製造方法は、下記(i)、(ii)の工程を有する。
(i)ポリマー(高分子重合体A)に導電性粒子が分散されたマトリクスの表面に、粒子を付与する工程(粒子の付与工程)
(ii)粒子の少なくとも一部をマトリクスに埋め込む工程(粒子の埋め込み工程)
以下、特に、工程(i)及び(ii)を中心に説明する。
(1)導電性ポリマー材料の準備
はじめに、導電性粒子が分散されたポリマーマトリクッスを製造する方法について説明する。導電性粒子が分散されたマトリックスは、従来公知の方法により作製することができる。例えば、超音波やボールミルを用いて、高分子重合体Aに導電性粒子を分散・混合させた後に乾燥させることで作製することができる。
(2)粒子の付与工程
次に、得られたマトリックスの表面に、粒子を付与する方法について説明する。尚、ここでいう粒子とは、フッ素を含有する粒子部と、この粒子部と同一組成であってかつ粒子部と一体になっている繊維部とからなる粒子である。
マトリックスの上に付与する粒子は、例えば、エレクトロスピニング法(電界紡糸法・静電紡糸法)や、メルトブロー法等を、単独もしくは組み合わせることで作製することができる。これらのうちでも、上記粒子は、エレクトロスピニング法を用いた噴霧により形成することが好ましい。これは、上記噴霧により、粒子部と繊維部とが一体となった複数の粒子を、各粒子を構成する繊維部と隣接する粒子を構成する繊維部又は粒子部とが絡まった状態で作製することが比較的簡便だからである。
また、また作製プロセスがフッ素含有樹脂のポリマー溶液に電圧を印加するだけと簡便であることから、エレクトロスピニング法で作製することが好ましい。
以下に、エレクトロスピニング法を用いた、フッ素を含有する粒子部と繊維部とが一体となっている粒子の作製方法の具体例について、図面を参照しながら説明する。
図4は、導電性ポリマー材料の上に粒子を付与する装置の例を示す模式図である。図4の装置30は、ポリマー溶液等を吐出・噴霧するヘッド31と、吐出・噴霧されたポリマー溶液等を受容する導電性ポリマー材料を設置するためのコレクター32と、を備える。図4の装置30において、ヘッド31には、ポリマー溶液等を収容する貯蔵タンク33と、この貯蔵タンク33の下端に設けられ、ポリマー溶液等を吐出・噴霧する紡糸口34と、貯蔵タンク33を電源37に電気接続するための接続部35と、を備える。尚、接続部35は、配線36によって電源37に電気接続される。また図4の装置30では、紡糸口34からポリマー溶液等38が吐出・噴霧されるが、紡糸口34から吐出・噴霧されるものとしては、ポリマー溶液の他に融点以上に加熱した溶融ポリマー等も挙げられる。
図4の装置30において、紡糸口34から吐出・噴霧されるポリマー溶液等38の量や速度は、電源37によって制御される。この電源37による制御を適宜行うことにより、粒子部と繊維部とを有する粒子が得られる。
タンク33に収容されているポリマー溶液は、紡糸口34まで一定の速度で押し出される。このとき紡糸口34では、1kV乃至50kVの電圧が印加されており、電気引力がポリマー溶液の表面張力を越える時、ジェット状のポリマー溶液等38がコレクター32に向けて噴射される。このとき、ジェット中の溶媒は徐々に揮発し、コレクターに到達する際には完全に蒸発する。そしてコレクター32、より具体的には、コレクター32の上に載置されている導電性ポリマー材料の上に、粒子部と繊維部を有する粒子状ポリマー導電部が形成される。
尚、エレクトロスピニング法において、ポリマー繊維のみを作製する条件と、ポリマー粒子のみを作製する条件と、の中間の作製条件が、繊維部を有する粒子状ポリマー材料を作製する条件となる。この作製条件としては、例えば、印加電圧で調整してもよいし、溶液粘度や溶液の導電性で調整させ得ることも可能である。
エレクトロスピニング用のポリマー溶液を調製する手法としては特に限定されず、従来公知の方法を適宜用いることができる。例えば、導電性を有する微粒子や繊維状のフィラーを用いる場合には、超音波やボールミルを用いて分散・混合してもよい。ここで、含有させる溶媒の種類や溶液の濃度は、特に限定されるものではなく、エレクトロスピニングに最適な条件であればよい。
尚、粒子部と繊維部とを有する粒子は、レーザー顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)測定による直接観察により確認できる。またこの粒子を構成する繊維部の平均繊維径(繊維太さ)や粒子部の平均直径を求める場合には、該当する画像を画像解析ソフト「Image J」に取り込んだ後、任意の20点の繊維部の太さや粒子部の幅を計測することで求めることができる。
ところで、本工程(粒子の付与工程)では、電極でもあるコレクター32の表面にポリマーマトリックス(導電性ポリマー材料)を配置して、このマトリックスの上に粒子部と繊維部とを有する粒子を付与したものである。ただし、本発明のポリマー膜の製造方法は、この方法に限られず、コレクター32の表面に粒子部と繊維部とを有する粒子を作製し、作製した粒子をポリマーマトリクスの表面に転写する方法であってもよい。
また、本工程では、高分子重合体(フッ素樹脂材料)の溶液を用いたが、高分子重合体の溶液の代わりに、融点以上に加熱した溶融高分子重合体を用いてもよい。
また、本工程では、一種類のフッ素樹脂材料を用いて繊維部を有する粒子を形成したが本発明はこれに限定されない。例えば、前述のフッ素樹脂材料(フッ素系高分子重合体)以外の高分子重合体の溶液を別のタンク内に配置させ、ポリマーマトリクス(導電性ポリマー材料)の表面に、前述のフッ素樹脂材料の溶液と上記高分子重合体の溶液とをそれぞれ付与する方法がある。また、一つの貯蔵タンクに複数種類の高分子重合体を含む溶液を充填して複数種類の高分子重合体が混合してなる繊維部を有する粒子を形成してもよい。
ところで、粒子を構成する繊維部の繊維径やこの繊維部の他の粒子との絡み合いは、レーザー顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)測定による直接観察により容易に確認することができる。また粒子を構成する繊維部の平均の繊維径(繊維太さ)を求める場合には、該当する画像を画像解析ソフト「Image J」に取り込んだ後、任意の20点の繊維太さを計測することで求めることができる。
(3)粒子の埋め込み工程
繊維部を有する粒子の少なくとも一部をポリマーマトリクスに埋め込む方法としては、例えば、(2)の工程で得た、ポリマーマトリクスの表面に配置された粒子をプレスする方法が挙げられる。
粒子をプレス方法としては、特に限定されないが、厚みを均一に揃えやすいことから、例えば、加熱圧着(ホットプレス)方法が特に好ましい。尚、ここで記載する「ホットプレス」には、加熱しながらプレスする方法、及び、プレスした状態で昇温する方法のいずれも含まれる。
プレス方法を用いる際の、温度、圧力及び時間は、粒子が分解する温度以下であれば特に限定されるものではないが、プレス方法が加熱圧着方法である場合、例えば、加熱圧着時の温度は、30℃以上150℃以下であることが好ましい。またプレス時に粒子に与える圧力は、1kg/cm2以上100kg/cm2以下であることが好ましく、10kg/cm2以上50kg/cm2であることがより好ましい。またプレスを行う際は、マトリクス(導電性ポリマー材料)を構成するポリマー(高分子重合体A)の融点より高い温度で行うことが好ましい。これは、ポリマー(高分子重合体A)の融点より高い温度で行うことで、繊維部を有する粒子がポリマーマトリクスに埋め込まれやすいからである。
尚、粒子のポリマーマトリクスへの埋め込み状態の確認は、レーザー顕微鏡やSEMを用いた観察により容易に行うことができる。
[ポリマー膜の評価方法]
以上の工程で作製されたポリマー膜は、以下の試験・測定により評価できる。
<曲げ試験>
曲げ試験は、次のようにして行うことができる。まず曲げる対象となるポリマー膜(導電性ポリマー膜)において、導電性構造体が平面状である状態(開始直後の状態)の曲げ角度0度とする。そして、この曲げ角度0度の状態でポリマー膜を80℃で加熱しながら、曲げた部分、曲げの中心となる軸、元の位置が60度となるところまで曲げる。そしてこの状態で、曲げ部にPETフィルムを指で押し付けて左右に5回擦った後に、ポリマー膜を、曲げ角度0度を通過し、曲げ角度マイナス60度となるところまで曲げ、次いで角度0度まで戻す。この一連の操作を1回として30回繰り返す。
尚、曲げ試験前後でのフッ素粒子の脱落はレーザー顕微鏡で、容易に観察することができる。
<耐汚れ試験>
耐汚れ試験は、次の簡易試験で実施できる。まずチャック付きポリエチレン製袋(容量約250mL)に、粉体汚染物質(紙粉)1gと試験片(2×0.5cm)1枚とを入れる。次に、袋一杯に空気を封入した後に、袋を10分間上下に振る。袋を振る操作が終わった後、試験片の中央部を5回指ではじき、余分な汚れを取った後でCCDカメラ画像からゴミの数をカウントする。同様の測定を、フッ素を含有する粒子を導電性構造体の表層に埋め込む前の導電性ポリマーマトリックスでも行い、粒子の有無による試験片表面に付着しているごみの量の変化割合を算出する。尚、この試験は各5回行い、その平均値を算出する。そしてこれらの一連の操作を上記曲げ試験の前後で行う。
得られたCCDカメラ画像より、以下に方法で耐汚れ性の評価を行う。即ち、CCDカメラ画像内の任意の20点において、下記式(I)を計算する。尚、より詳細な評価方法及び評価結果例については実施例にて説明する。
|(a1−a2)−(b1−b2)|=X (I)
(a1:フッ素を含有する粒子を表層に埋め込む前の導電性ポリマーマトリックスのみの曲げ試験前の耐汚れ試験測定値、a2:フッ素を含有する粒子を表層に埋め込む前の導電性ポリマーマトリックスのみの曲げ試験後の耐汚れ試験測定値、b1:ポリマー膜の曲げ試験前の耐汚れ試験測定値、b2:導電性ポリマー膜の曲げ試験後の耐汚れ試験測定値)
<ポリマー膜の表面電気抵抗値の測定方法>
ポリマー膜(導電性ポリマー膜)の表面電気抵抗値は、例えば、以下に説明する方法により測定することができる。具体的には、直径40μmの4本の探針が間隔1mmでA、B、C、Dの順に一直線上に並んだプローブに、4本の探針のいずれにも試料である導電性構造体が接触するようにプローブを配置し、外側の探針A乃至Dに定電流源で一定電流を流す。この際、中間に位置する探針B−C間の電圧を測定することにより、ポリマー膜の或る点における表面電気抵抗値を測定することができる。これを導電性ポリマー膜の任意の5点において行い、その平均値を算出して表面電気抵抗値とする。
この際、探針(電極)の厚みをt、電極の幅をWとすると、電極の断面積Sは、式(i)で近似できる。
S=tW・・・(i)
また、流した電流をI、測定した電圧をV、電圧測定端子間距離をLとすると、表面抵抗値(R)は、式(ii)で表すことができ、体積抵抗値(R’)は式(iii)で表すことができる。
R=(V/I)×(W/L)・・・(ii)
R’=(V/I)×(S/L)・・・(iii)
そして本発明において、電気抵抗値のばらつきは、下記式(iv)中のYで評価するが、具体的な評価方法については、後述する実施例にて説明する。
|R1−R2|÷R1×100=Y (iv)
(R1:耐汚れ試験前の測定値、R2:耐汚れ試験後の測定値)
尚、式(iv)による評価を耐汚れ試験の前後で行うことで、ポリマー膜の耐汚れ性が、ポリマー膜の電気抵抗値のばらつきに如何に関わっているかを確認することができる。
[ポリマー膜の利用例]
本発明の導電性ポリマー膜は、曲げ等の機械的負荷が加わっても長期に亘って、表層に存在するフッ素粒子に起因する良好な耐汚れ性を示し、結果として表面の電気抵抗値にばらつきが生じにくいことから、例えば、フレキシブルセンサー用電極等といった弾性及び導電性を必要とする電子機器部品の構成部材として利用することができる。
図5は、本発明のポリマー膜を有するフレキシブルセンサーの例を示す断面模式図である。図5のフレキシブルセンサー4は、柔軟基材41と、この柔軟機材41の上に設けられているフレキシブル電極42と、で構成される。図5のフレキシブルセンサー4において、フレキシブル電極41には、一定量の電流が流れており、電流値測定計43を配線(44a、44b)に接続することでその電流量を測定することができる。尚、図5のフレキシブルセンサー4において、本発明のポリマー膜は、フレキシブル電極41として用いられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
[実施例1(参考例)
本実施例は、下記に示す材料を使用した。
ポリマーマトリックス(高分子重合体A):熱可塑性ポリウレタンエラストマー
粒子原料:PVDF−HFP(ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体)導電性粒子:カーボンブラック(主成分)
(1)導電性カーボンフィラーを分散させたポリマー膜の作製
導電性を有するポリマー膜は、以下に説明する方法で作製した。まず下記に示す材料を所定の容器に投入した。
トーカブラック(導電材料、東海カーボン社製のカーボンブラック):2.7g
SWCNT(直径約1nm、長さ1μm、Unidym社製「HiPco」):45mgジメチルホルムアミド(dimethyfolmamide、DMF):9mL
次に、ボールミル処理を30分間行った後、ポリウレタン(PU−E、ペレセン2103−80AE、ダウケミカル社製)8gを添加した、尚、ポリウレタンを添加する際には、当該ポリウレタンを80℃のDMF5mLに一晩浸漬した後に撹拌して溶解させることで得たDMF溶液を当該容器に添加した。次に、さらに50分間ボールミル処理することで該導電材が分散した黒色のペーストを得た。次に、この黒色ペーストをテフロン(登録商標)型(300μm厚)の上にキャストした。続いてキャストしたものを乾燥及び真空乾燥し、所定のサイズ(幅5cm×長さ5cm)に切り出すことで、導電性カーボンフィラーを分散させた膜状の導電性ポリマー材料を作製した。
(2)粒子部と繊維部とが一体となった粒子の作製(粒子の付与工程)
まず下記に示す試薬を混合してPVDF−HFP希釈液を作製した。
PVDF−HFP(ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、融点168℃、商品名:カイナー3120、東京材料社製):800mg
DMF(ジメチルホルムアミド):1.7mL
AcCN(アセトニトリル):1.9mL
次に、エレクトロスピニング装置(メック社製)に備え付けられているタンクに、PVDF−HFP希釈液を充填した。次に、紡糸口に23kVの電圧を印加しながら左右に50mm/sで移動させて、当該希釈液をコレクター電極の上に配置した。具体的には、導電性カーボンフィラーを分散させた導電性を有するポリマー膜に直接1分間噴射して紡糸した。これにより、導電性カーボンフィラーを分散させた導電性を有する導電性ポリマー材料の上面が、粒子部と繊維部とが一体となっている複数の粒子が絡み合いあるいは交差してなる薄膜で物理的に被覆された膜、即ち、ポリマー膜の前駆体を作製した。
(3)繊維部が一体となった粒子の埋め込み工程
次に、得られた前駆体を、厚さが300μmの金属板からなるスペーサーを用いて挟持させた後、110℃に加熱した加熱プレスを用いて、加圧力0.1MPaで1分間ホットプレスさせることによりポリマー膜(導電性ポリマー膜)を作製した。
このようにして得られたポリマー膜において、ポリマー膜の表層にある粒子を構成する繊維部の太さは1μmであり、粒子部の大きさは5μmであった。また、レーザー顕微鏡(VK−X100,キーエンス)の断面測定から得られたポリマー膜(導電性ポリマー膜)について以下の事項が確認された。
・複数の粒子が互いに絡み合っていること
・各粒子がその断面積に対して95%以上ポリマー膜に埋設されていること
またミツトヨ社製のマイクロメーターで測定したところ、得られたポリマー膜の厚みは300μmであった。
[実施例2]
本実施例は、下記に示す材料を使用した。
ポリマーマトリックス(高分子重合体A):ポリエステエル系エラストマー
粒子原料:PVDF(ポリフッ化ビニリデン、カイナー761、融点172℃)
導電性粒子:カーボンブラック(主成分)
本実施例では、実施例1のプロセス・条件の一部を変更した以外は、実施例1と同様の方法によりポリマー膜(導電性ポリマー膜)を作製した。以下、その変更点を中心に説明する。
(1)導電性カーボンフィラーを分散させたポリマー膜の作製
本実施例では、下記に示される材料を用いて導電性を有するポリマー膜を作製した。
ポリマーマトリックス:ポリエステエル系エラストマー(PES−E、プリマロイ、A1600N)
導電性粒子:ポリマーマトリックス(高分子重合体A)
アセチレンブラック(デンカ社製、高分子重合体Aに対して20重量%の割合で使用)
(2)粒子部と繊維部とが一体となった粒子の作製(粒子の付与工程)
本実施例では、粒子の原料であるPVDFとDMFとを混合してなるPVDF希釈溶液(溶液中のPVDF濃度:11.5重量%)を1mL用い、紡糸口へ印加する電圧を20kVに設定した。これを除いては、実施例1(2)を同様の方法により、導電性ポリマー材料の上に粒子を付与した。
(3)繊維部が一体となった粒子の埋め込み工程
また、ポリマー膜への粒子の埋め込み工程は、加熱温度125℃、加圧時間30秒、加圧力0.1MPaの条件とし、ホットプレスにより行った。
このようにして得られたポリマー膜(導電性ポリマー膜)において、このポリマー膜の表層に埋め込まれている粒子を構成する繊維部の太さは600nmであり、粒子部の大きさは4μmであった。また、レーザー顕微鏡(VK−X100,キーエンス)の断面測定から、得られたポリマー膜において、複数の粒子が互いに絡み合っていること、並びに各粒子がその断面積に対して95%以上ポリマー膜に埋設されていることを確認した。また得られたポリマー膜の厚みは300μmであった(ミツトヨ社製のマイクロメーターで測定)。
[実施例3]
本実施例は、下記に示す材料を使用した。
ポリマーマトリックス(高分子重合体A):ポリエステエル系エラストマー
VDF/TFE/HFP3元共重合体(商品名:ネオフロンVT470、ダイキン工業(株)製、融点180℃)
導電性粒子:アセチレンブラック(主成分)
本実施例では、下記に説明する作製工程以外は、実施例2と同様の方法によりポリマー膜(導電性ポリマー膜)を作製した。
(1)導電性カーボンフィラーを分散させたポリマー膜の作製
実施例2と同様の方法により、導電性カーボンフィラーを分散させたポリマー膜を作製した。
(2)粒子部と繊維部とが一体となった粒子の作製(粒子の付与工程)
VDF/TFE/HFPとNMP(N−メチルピロリドン)とを混合して、固形分濃度が25重量%であるNMP溶液10mLを調製した。次に、このNMP溶液に、フィラーであるモンモリロナイト(MN、ナノクレイ、アルドリッチ社製)を重量比で1%の割合で添加した。
その後、粒径2mmのジルコニアボールを容器容量の1/3まで加え、ボールミル機(フリッチュ社製遊星型微粒粉砕機)を用いて、200rpm/30分間の条件で分散処理を行った。
次に、分散処理を行ったNMP溶液を用いて、実施例2と同じ方法で紡糸(粒子の付与)を行った。ただし、本実施例においては、紡糸口への電圧の印加は19kVに設定した。
(3)繊維部が一体となった粒子の埋め込み工程
本実施例では、オーブンを用いて120℃、1分間加熱したことを除いては実施例2と同様の条件とした。
このようにして得られたポリマー膜において、粒子を構成する繊維部の太さは800nmであり、粒子部の大きさは5μmであった。また、レーザー顕微鏡(VK−X100,キーエンス)の断面測定より、得られたポリマー膜において、複数の粒子が互いに絡み合っていること、並びに各粒子がその断面積に対して95%以上ポリマー膜に埋設されていることを確認した。また得られたポリマー膜の厚みは300μmであった(ミツトヨ社製のマイクロメーターによる測定)。
[比較例1]
本比較例は、フッ素を含有する粒子である、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEL169J、17μm、融点330℃)粒子を用い、下記工程を経て作製した以外は、実施例1と同様に導電性構造体を作製した。尚、本比較例で使用した粒子は、粒子自体が繊維状のものと一体にはなっていないものである。
(1)導電性カーボンフィラーを分散させたポリマー膜の作製
実施例1と同様の方法により、導電性カーボンフィラーを分散させたポリマー膜を作製した。
(2)フッ素を含有する粒子の載置工程
次に、フッ素を含有する粒子(ポリテトラフルオロエチレン)を、先程作製したポリマー膜(導電性を有するポリマーからなるマトリックス)の上に振り撒いた。
(3)繊維部が一体となった粒子の埋め込み工程
その後、温度を150℃に設定したホットプレスにより粒子の埋め込みを行った。
尚、レーザー顕微鏡(VK−X100,キーエンス)の断面測定からフッ素粒子がその断面積に対して95%以上埋設されていることを確認した。
<導電性ポリマー膜の性能評価>
得られたポリマー膜(導電性ポリマー膜)について、以下に説明する方法により評価した。評価結果を表1に示す。
具体的には、曲げ試験、耐汚れ試験及び表面電気抵抗測定を行った。具体的方法を以下に説明する。
(式I)から算出された耐汚れ試験の変化割合、(式iv)から算出された表面電気抵抗値の変化割合の評価結果を示してある。
(1)曲げ試験
ポリマー膜を曲げた後、ポリマー膜の表層の任意の定点箇所において、ポリマー膜を曲げる前と同様にフッ素を含有する粒子があるかないかを評価した。このときフッ素を含有する粒子の脱落がない場合は、「無」と表記する。ここで「無」と評価されたポリマー膜は、機械的耐久性に優れていることを示している。つまり「無」と評価された場合、ポリマー膜の表層に存在するフッ素材料が維持されていることを意味するため、簡易的に「曲げや擦れ等の機械耐性に優れた、耐汚れ性の良好なポリマー膜(導電性ポリマー膜)」であることが推察できる。
(2)耐汚れ試験
下記式(I)に基づいて、耐汚れ試験の評価を行った。尚、式(I)において、Xの値が5(=X0:基準値)以下であれば、「曲げや擦れ等の機械耐性に優れた、耐汚れ性の良好な導電性ポリマー膜」と評価できる。
|(a1−a2)−(b1−b2)|=X (I)
(a1:フッ素を含有する粒子を表層に埋め込む前の導電性ポリマーマトリックスのみの曲げ試験前の耐汚れ試験測定値、a2:フッ素を含有する粒子を表層に埋め込む前の導電性ポリマーマトリックスのみの曲げ試験後の耐汚れ試験測定値、b1:ポリマー膜の曲げ試験前の耐汚れ試験測定値、b2:導電性ポリマー膜の曲げ試験後の耐汚れ試験測定値)
(3)表面電気抵抗測定
上記(2)の耐汚れ試験を行う前後におけるポリマー膜について、それぞれ表面電気抵抗を測定し、下記式(iv)を用いて評価した。尚、式(iv)において、Yが30(%:以下、Y0と表記することがある。)以下である場合は、電気抵抗値のばらつきが少ないことを示している。
|R1−R2|÷R1×100=Y (iv)
(R1:耐汚れ試験前の測定値、R2:耐汚れ試験後の測定値)
Figure 0006448210
表1より、比較例1のポリマー膜は、「曲げや擦れ等の機械耐性に優れた、耐汚れ性の良好なポリマー膜(導電性ポリマー膜)」と成り得ないことが推察できる。
ここで機械耐性が劣る理由として、ポリマー膜の表層に存在するフッ素を含む粒子が、繊維状のものと一体となった状態ではなく粒子状のままで存在しているためと考えられる。即ち、比較例1のポリマー膜では、フッ素を含む粒子と繊維状のものとが一体となった場合に見られる繊維状のもの同士の絡み合いが見られない。このため、ポリマー膜(特に、その表面)の機械的耐久性が悪く、実際に曲げ試験を行った際にポリマー膜の表面からフッ素を含む粒子の脱落が認められた。
また表1より、式(I)より算出されたX(耐汚れ試験の変化割合)の値(X=15)は、基準値(X0=5)よりも著しく大きく、耐汚れ性が劣っていることがわかった。つまり、機械的耐久性に劣る比較例1のポリマー膜は、曲げ等の物理的負荷をかけると表層に存在するフッ素を含む粒子の一部が脱落してしまう。その結果、フッ素を含む粒子の脱落部に汚れ成分が入り込んでポリマー膜の表面の汚れが進行する(拡大する)場合がある。この汚れの進行は、レーザー顕微鏡の画像から観測される。また表1より、このポリマー膜の表面の汚れが、ポリマー膜の電気抵抗値をばらつかせる原因の一つであることが示唆された。
一方、表1より、実施例(実施例1乃至3)のポリマー膜は、曲げたときにフッ素を含む粒子(粒子部)が脱落することがなかった。これは、実施例のポリマー膜の表層には、フッ素を含む粒子部と繊維部とが一体となっている粒子が複数あり、かつ各粒子同士は互いに絡み合った状態で存在しているからである。言い換えると、実施例のポリマー膜の表層には、複数のポリマー粒子が、繊維状のものと一体になっている状態で埋設し、かつこの繊維状のもの同士が絡み合っている。このため、実施例のポリマー膜は、機械的耐久性が優れていることがわかる。
また耐汚れ試験の結果(表1)から、実施例のポリマー膜は、いずれも式(I)中のXの値が5未満であるため、耐汚れ性にも優れていることがわかった。この結果は、実施例のポリマー膜の機械的耐久性が高いことに起因する。即ち、曲げ試験評価を行った後でも、フッ素を含む粒子がポリマー膜(導電性ポリマー膜)の表層から脱落していないことから、実施例のポリマー膜を曲げる等して物理的負荷をかけたとしても曲げる前の耐汚れ性を維持できていることを示している。
さらに、表面電気抵抗の測定結果(表1)から、実施例のポリマー膜は、いずれも式(iv)中のYの値が、基準値(Y0=30(%))よりも著しく低い値を示した。このため、本発明のポリマー膜は、安定した導電性/抵抗が得られることが確認できた。
以上の各実施例で示したように、本発明の構成により、曲げや擦れ等の機械耐性に優れた、耐汚れ性の良好なポリマー膜を提供することができる。
尚、以上実施例によって本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。本発明の範囲に含まれる技術は、以上に例示した実施例を様々に変形、変更したものも当然に含まれる。
1:ポリマー膜、10:粒子、11:粒子部、12:繊維部、20:導電性ポリマー材料(マトリックス)

Claims (11)

  1. 導電性ポリマー材料と、複数の粒子と、を有するポリマー膜であって
    前記粒子が、フッ素樹脂材料で構成された粒子部と、前記粒子部と一体になっている繊維部と、を有し、
    前記粒子部と前記繊維部とが同一の組成であり、
    各前記粒子が、前記繊維部において他の粒子と絡みあっており、
    前記繊維部の径が50nm以上1000nm未満であり、
    前記粒子が、前記導電性ポリマー材料の表層に偏在して埋設されていることを特徴とする、ポリマー膜。
  2. 前記粒子部が、少なくとも、CF2からなる繰り返し単位を有することを特徴とする、請求項1に記載のポリマー膜。
  3. 前記粒子部の粒径が500nm以上100μm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリマー膜。
  4. 前記導電性ポリマー材料が、高分子重合体と、導電性粒子と、を有し、
    前記高分子重合体が、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリマー膜。
  5. 前記導電性粒子が、カーボン粒子、金属粒子又は導電性ポリマーからなる粒子であることを特徴とする、請求項4に記載のポリマー膜。
  6. 前記粒子が、前記導電性ポリマー材料に対して1重量%以上30重量%以下含まれることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の導電性ポリマー膜。
  7. 前記導電性ポリマー材料の厚みが0.1μm以上5.0mm以下であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のポリマー膜。
  8. 前記表層が、前記導電性ポリマー材料の表面から厚みに対して50%未満の領域であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のポリマー膜。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のポリマー膜を有する電子機器部品であって、
    前記ポリマー膜の表面電気抵抗値が、1.0×10-5Ω/□以上1.0×1014Ω/□以下であることを特徴とする、電子機器部品。
  10. フレキシブルセンサーとして用いられることを特徴とする、請求項9に記載の電子機器部品。
  11. エレクトロスピニング法により、フッ素樹脂材料で構成された粒子部と、前記粒子部と同一組成であってかつ一体になっている繊維部と、を有する粒子を導電性ポリマー材料の上に付与する工程と、
    ホットプレスにより、前記粒子を前記導電性ポリマー材料に埋設する工程と、を有し、
    前記導電性ポリマー材料の表層に、前記粒子部が存在していることを特徴とする、ポリマー膜の製造方法。
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