JP6448021B2 - 携帯電話端末 - Google Patents

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Description

本発明は、アンテナを介して送受信処理を行う携帯電話端末に関する。
近年、携帯電話端末の通信データの大容量化および高速化が図られている。これら大容量化および高速化に対応して、例えば、通信周波数のマルチバンド化およびMIMO(Multiple−Input and Multiple−Output)受信によるLTE(Long Term Evolution)方式が採用されている。携帯電話端末がマルチバンドに対応する場合は、バンド毎のアンテナと変復調部を備え、MIMOでも複数のアンテナを備える。
携帯電話端末の筐体に内蔵するタイプのアンテナは、特性を広帯域にカバーすることが難しく、バンド毎に備えることになる。また、アンテナのエレメントについては、板金、あるいはFPC(Flexible Printed Circuit)に形成したものが用いられる。例えば、筐体内部にエレメントを貼り付け、プリント基板上の無線回路端と、エレメントとの間をバネ力で接触させている。
上記のように、近年の携帯電話端末は、アンテナの使用数が増えることにより、製造時の組立て不良や、ユーザ使用中のアンテナの故障(例えば、振動、落下衝撃などによるエレメントと無線回路端との接触離れ)のリスクが高まっている。一度、アンテナの故障が生じると通信は中断され、緊急時においては不便を強いられる。このため、故障検出でき、通信不能を回避して通信維持できる手段が望まれている。
アンテナの故障を検出するものとして、カップラー部において、電力増幅部からの進行波とアンテナ側からの反射波によりつくられる合成波のレベルを監視し、あらかじめ定められた範囲から外れたときに故障と判断する方法が示されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
特開2007−251333号公報
しかしながら、従来技術では、例えば、以下の1.2.のような場合にアンテナ側からの反射波のレベルが低減されてしまい、アンテナの故障が検出しにくくなる問題がある。
1.アンテナから無線回路までの経路部分で挿入損失がかさむような回路構成の場合。例えば、同軸ケーブルや高周波スイッチ、フィルタ、カップラー等の使用、プリント基板の配線引き回しが長い場合など。
2.ハーフコンタクトの場合。例えば、エレメントと無線回路端とのバネ接触があまい(弱い)状態や、同軸ケーブルのコネクタが半挿しの状態などによる接触不良状態の場合など。
また、アンテナの故障が生じてもこの故障を検出できない場合、例えば、通信不能が生じてもアンテナの故障を原因とした対策を早急に施すことができず、故障解消までに時間がかかった。
一つの側面では、本発明は、アンテナの故障を精度良く検出できることを目的とする。
一つの案では、テスト信号として所定の周波数間隔の2波の無変調連続波を送信系統に送出させ、当該送信系統の送信増幅器で相互変調歪を生じさせ、前記テスト信号をデュプレクサを介して受信系統で受信させ、ダウンコンバートすることにより得られる前記無変調連続波および前記相互変調歪のレベルに基づいて、アンテナの故障を検出する制御部を有し、前記制御部は、前記無変調連続波と前記相互変調歪のレベルの和が所定の基準値に適合するよう前記送信増幅器の送信レベルを可変制御し、適合時に得た前記無変調連続波と前記相互変調歪のレベルの差を求め、当該レベルの差に基づいてアンテナの故障を検出することを要件とする。
一つの実施形態によれば、アンテナの故障を精度良く検出できる。
図1は、実施の形態にかかる携帯電話端末の構成例を示す図である。(正常通信時) 図2は、実施の形態にかかる携帯電話端末のテストモード時の回路接続構成を示す図である。 図3は、アンテナ故障によるインピーダンス不整合によるIM増加とD/U劣化を説明する図表である。(その1) 図4は、アンテナ故障によるインピーダンス不整合によるIM増加とD/U劣化を説明する図表である。(その2) 図5は、アンテナ故障によるインピーダンス不整合によるIM増加とD/U劣化を説明する図表である。(その3) 図6は、アンテナ部の故障時のスイッチ切替状態を示す図である。(その1、メインアンテナ故障時) 図7は、アンテナ部の故障時のスイッチ切替状態を示す図である。(その2、サブアンテナ故障時) 図8は、実施の形態にかかる携帯電話端末の制御部の内部構成例を示すブロック図である。 図9は、実施の形態にかかる携帯電話端末のテストモード時の制御処理内容を示すフローチャートである。(その1) 図10は、実施の形態にかかる携帯電話端末のテストモード時の制御処理内容を示すフローチャートである。(その2)
(実施の形態)
(携帯電話端末の構成例:正常通信時の各部の回路接続状態)
以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は、実施の形態にかかる携帯電話端末の構成例を示す図である。図1に示す携帯電話端末100は、LTE通信方式によるメインアンテナ101およびサブアンテナ102を備えたダイバーシチ構成の例であり、正常通信時(メインアンテナ101およびサブアンテナ102ともに正常時)の各部の回路接続状態を示している。
メインアンテナ101およびサブアンテナ102は、いずれも回路切替で電波の送信および受信が可能である。図1の接続構成で説明すると、メインアンテナ101は、図示しない基板側に設けられた無線回路端の接点103とバネ接触により導通接続されている。サブアンテナ102についても、図示しない基板側に設けられた接点104とバネ接触により導通接続されている。アンテナの故障とは、エレメントの損傷等に限らず、上述したエレメントと無線回路端との間の接触離れ(ハーフコンタクトを含む)を含む。
(受信側の接続構成)
メインアンテナ101側の受信系統100RxAの接続構成を説明すると、メインアンテナ101は、接点103を介して第1の共用器(DUP1:Duplexer)105の入出力ポートに接続されている。DUP1(105)の受信ポートには、受信増幅器(RX1)106が接続され、受信信号を増幅してミキサ107に出力する。ミキサ107は局発信号(RXLO)111により受信信号をダウンコンバートし、ローパスフィルタ(LPF)108に出力する。
LPF108はダウンコンバート後の受信信号の高周波成分を除去し、アナログデジタル変換器(ADC)109に出力する。ADC109は、デジタル変換後の受信信号を変復調回路(MODEM)110の復調部入力ポート(RXIQ1)に出力する。RXIQとTXIQのIQとは、直交するI(In−phase)信号、Q(Quadrature−phase)信号の2つのベースバンド信号を指す。
サブアンテナ102側の受信系統100RxBの接続構成についてもメインアンテナ101側の受信系統100RxAと同様である。サブアンテナ102は、接点104を介して第2の共用器(DUP2)115の入出力ポートに接続されている。DUP2(115)の受信ポートには、受信増幅器(RX2)116が接続され、受信信号を増幅してミキサ117に出力する。ミキサ117は局発信号(RXLO)111により受信信号をダウンコンバートし、ローパスフィルタ(LPF)118に出力する。
LPF118はダウンコンバート後の受信信号の高周波成分を除去し、アナログデジタル変換器(ADC)119に出力する。ADC119は、デジタル変換後の受信信号を変復調回路(MODEM)110の復調部入力ポート(RXIQ2)に出力する。
(送信側の接続構成)
送信データの送信系統100Txの接続構成を説明すると、変復調回路(MODEM)110は、所定の変調方式により変調後の送信信号(変調波、Mod:Modulation Wave)を送信ポートTXIQから出力する。送信信号は、デジタルアナログ変換器(DAC)121によりアナログ信号化され、LPF122を介してミキサ124に出力される。ミキサ124は局発信号(TXLO)125により送信信号をアップコンバートしてAGC増幅器123に出力する。
AGC増幅器123は、変復調回路(MODEM)110のTPC(Transmitted Power Control)ポートから出力される送信パワーコントロール信号に基づき、送信信号の送信パワーが一定となるように制御される。例えば、AGC(Automatic Gain Control)電圧制御される。AGC増幅器123の出力は、送信増幅器(TX)126に出力される。
送信増幅器(TX)126による増幅後の送信信号は、高周波切替用のスイッチ130の共通ポートに入力され、共用器(DUP1)105の入力ポートに出力される。共用器(DUP1)105は、入力された送信信号をメインアンテナ101から送信電波として送出する。
正常通信時、RXLO111の周波数とTXLO125の周波数は異なり、送信周波数と受信周波数は異なる。
スイッチ130は、一方の共用器(DUP1)105と他方の共用器(DUP2)115との間に配置され、制御部140の切替制御により、送信信号をメインアンテナ101側、あるいはサブアンテナ102側に切替可能である。
図1に示すように、正常通信時には、制御部140は、スイッチ130を状態A(図中実線位置)に切り替えて、共通ポートに入力される送信信号を一方の共用器(DUP1)105の入力ポートに接続し、メインアンテナ101から送信出力される。この状態Aの際、スイッチ130は、サブアンテナ102側の他方の共用器(DUP2)115の入力ポートを終端(終端抵抗)131に接続する。
また、制御部140は、メインアンテナ101の故障を検出したときには、スイッチ130を状態B(図2中点線位置)に切り替える。これにより、メインアンテナ101が故障した場合でも、共通ポートに入力された送信信号を他方の共用器(DUP2)115の入力ポートに接続し、サブアンテナ102から送信出力させることができる。なお、この状態Bの際、スイッチ130は、メインアンテナ101側の一方の共用器(DUP1)105の入力ポートを終端(終端抵抗)131に接続する。
(テストモード時の各部の回路接続状態)
図2は、実施の形態にかかる携帯電話端末のテストモード時の回路接続構成を示す図である。制御部140は、テストモード時に図1に示した携帯電話端末100の各部を制御して、メインアンテナ101およびサブアンテナ102のアンテナの接触状態が正常であるか否かを判断する。このテストモード時には、メインアンテナ101およびサブアンテナ102のアンテナの接触状態をインピーダンス不整合に伴うD/U劣化が生じたアンテナに故障が生じていることを検出し、故障しているアンテナを示す障害通知信号を通知出力する。
そして、制御部140は、一方のアンテナに故障が生じていれば、他方のアンテナから送信信号を送信するようスイッチ130を切替制御する。また、制御部140は、双方のアンテナ(メインアンテナ101およびサブアンテナ102)のいずれにも故障が生じていれば、通信維持できないため、外部に双方のアンテナに故障が生じている旨の障害通知信号を通知出力する。
図2に示す例は、メインアンテナ101に対するテストモード時である。このメインアンテナ101に対するテストモード時の回路の接続構成、すなわち、スイッチ130のスイッチ切替状態は、図1と同様にDUP1(105)側に切り替えた状態Aとする。なお、サブアンテナ102に対するテストモード時には、スイッチ130をDUP2(115)側に切り替えた状態Bとする。そして、制御部140は、メインアンテナ101に対するテストモード時に下記1.〜8.の制御処理を行う。
1.テストするアンテナに対応してスイッチ130の切替制御を行う。
メインアンテナ101のテスト時には状態Aに切り替え、サブアンテナ102のテスト時には、状態Bに切り替える。
2.IQコントロールにより、変復調回路(MODEM)110から2波の無変調連続波(CW)のテスト信号を生成して送信ポートTXIQから出力させる。無変調連続波(CW)は、異なる周波数2波の振幅、位相が同一とする。
3.LO周波数設定(TXLO125,RXLO111)をテストモード時の周波数に変更する。
通常の変調波(Mod)の送受信時には、TXLO125の周波数とRXLO111の周波数は異なるが、テストモード時にはRXLO111の周波数とTXLO125の周波数をほぼ同一周波数に変更する(各部の周波数例は後述する)。
4.TXLEV、D/U計算を行う。
変復調回路(MODEM)110からテスト信号として出力される2波のCW信号は、後段のAGC増幅器123および送信増幅器(TX)126の非線形特性により相互変調歪(IM:InterModulation)を伴った送信信号となる(図2の波形図200参照)。この送信信号は、スイッチ130のスイッチ切替(状態A)により、DUP1(105)を介して受信系統100RxA(受信増幅器(RX1)106〜変復調回路(MODEM)110の受信系統100RxA)がリーク電力として受信する。
そして、制御部140は、変復調回路(MODEM)110が検出したCWとIMのレベルに基づき、CWとIMの和(TXLEV)と、CWとIMの差(D/U)を計算する。D/UのDはDesire(希望成分)の略でありCWレベルを指し、UはUndesire(不要成分)の略でありIMレベルを指す。
CWとIMの和=テスト信号のトータルレベル(TXLEV)
CWとIMの差(比)=D/U
5.TPC補正を行う(テストモード時の送信信号が一定となるパワーコントロール)。
6.アンテナ故障検出のために記憶した基準値と受信信号とを比較する。
7.アンテナ故障時の障害通知信号を通知出力する。
8.アンテナ故障時に通信可能なアンテナ側にSW130を切り替え通信継続させる。
つぎに、図2に示すテストモード時の回路各部の信号状態を説明する。変復調回路(MODEM)110は、CWのベースバンド信号を同一レベルで2波送出する。このテスト信号は、ミキサ124によりアップコンバートされ、AGC増幅器123および送信増幅器(TX)126で増幅され、IMを得る。図2の波形図200に示すように、テスト信号は、2波のCW成分と、CWの側波帯に生じる2波のIM成分からなる。
このとき、制御部140は、メインアンテナ101から放射される送信レベルを電波法規制値以下となるように、テスト信号のトータルレベル(TXLEV)を設定する。また、制御部140は、変復調回路(MODEM)110に対し、TPC補正によりAGC増幅器123および送信増幅器(TX)126の電源電圧や利得を可変させ、送信信号が歪みやすい状態をつくり、IMを大きく発生させるようにする。
また、制御部140は、テストモード時、受信系統100RxAの局発信号(RXLO111)をCWの周波数に同調(周波数シフト)させ、DUP1(105)を介して送信系統100TxからリークしてくるCWをダウンコンバートし、変復調回路(MODEM)110にてレベル測定する。さらに、IMの周波数に同調(周波数シフト)させ、DUP1(105)を介してリークしてくるIMをダウンコンバートして、変復調回路(MODEM)110にてレベルを測定する。
テスト信号のレベルは、通常の通信時同様に電波法規制値以下に設定する。これにより、DUP1(105)が有する送信端子および受信端子間(上記入力ポートおよび出力ポート間)のアイソレーション分だけレベルダウンする。しかし、テスト信号のレベルは、受信系統100RxAの感度レベル以上であるため十分に検波可能である。
電波法規制値<−30dBm、DUP1(105)のアイソレーション50dB、受信感度レベル>−110dBm
図2のテストモード時の各部の周波数を例示しておく。
通信周波数 2GHz帯(Band1)
2波のCW信号の周波数 1949MHz,1951MHz
(3次の2波のIM3信号の周波数として1947MHz,1953MHzが生成され、CW信号とIM3信号の周波数間隔は2MHz)
LPF108のカットオフ周波数 2MHz
RXLO111の周波数 1950MHz(CWレベル測定時)
RXLO111の周波数 1954MHz(IMレベル測定時)
制御部140が上記設定を行うことにより、CWおよびIMそれぞれの測定時において、1MHzのベースバンド信号が得られ、変復調回路(MODEM)110によるCW,IMをレベル検出できる。
そして、制御部140は、変復調回路(MODEM)110により検出したCW,IMレベルに基づいて、CWとIMの和=テスト信号のトータルレベル(TXLEV)と、CWとIMの差=D/Uと、を算出する。
制御部140は、アンテナが故障していない状態におけるTXLEVと、D/Uの値を基準値としてあらかじめ記憶保持している。そして、制御部140は、テストモード時にアンテナ部(メインアンテナ101およびサブアンテナ102)のインピーダンス不整合に伴うD/U劣化を検出することによりアンテナの故障の有無を判断する。
アンテナが故障し、インピーダンス不整合が生じた場合に、D/Uを変化させるためには、ALC(Automatic Level Control)を機能させ、TXLEVを一定に保つ必要がある。故障していない状態でのTXLEVおよびD/Uの値を基準値として、あらかじめ制御部140はメモリ等に保持しておく。そして制御部140は、算出されたTXLEVが基準値に等しくなるようALC制御により送信信号のレベル可変を行い、収束した時点でD/Uを算出する。
この際、ADC109によるデジタル変換後のテスト信号のトータルレベル(TXLEV=CWとIMの和)を変復調回路(MODEM)110が検出し、変復調回路(MODEM)110は、トータルレベル(TXLEV)を制御部140に出力する。制御部140は、変復調回路(MODEM)110が検出したトータルレベル(TXLEV)が基準値となるように変復調回路(MODEM)110を制御する。変復調回路(MODEM)110は、制御部140の制御に対応してTPCポートからAGC増幅器123に送信パワーコントロール信号を出力し、トータルレベル(TXLEV)が基準値となるように制御する。
図3〜図5は、アンテナ故障によるインピーダンス不整合によるIM増加とD/U劣化を説明する図表である。はじめに、図3は、アンテナにおけるインピーダンスの周波数特性を示す図表である。アンテナ(メインアンテナ101およびサブアンテナ102)は、使用周波数帯域において、インピーダンスが良好となるようにコンデンサやインダクタを用いて、整合(マッチング)されている。
図3(a)に示す整合状態(インピーダンス良好)は、交流の伝送線路における進行波と反射波の関係を示すパラメータであるVSWR(定在波比)が小さい状態、すなわち進行波に対して反射波が小さく、通過ロスが少ない状態をいう。また、使用帯域内(中央)に共振点f0を有する。図3(c)に示す不整合状態は、マッチングがずれ(共振点が使用帯域からずれて位置)、使用周波数帯域におけるVSWRが大きくなり(完全反射)、通過ロスが増す状態をいう。図3(b)に示すハーフコンタクト等による不整合状態は、マッチングのずれこみが図3の(a)と(c)の略中間となる状態である。
つぎに、図4,図5は、増幅器に対するCWとIMの入出力特性を示す図表である。図4は、横軸がAGC増幅器123に対する入力Input、縦軸が送信増幅器(TX)126の出力Outputである(InputとOutputの位置は図2参照)。図5(a)は、AGC増幅器123に対する入力Inputであり、横軸が周波数、縦軸がレベルである。図5(b)は、送信増幅器(TX)126の出力Outputであり、横軸が周波数、縦軸がレベルである。図5(a)と(b)には、それぞれ整合状態、不整合状態(ALC Off/On)を示している。このALCは、テストモード時に上記の送信パワーコントロール信号を用いてAGC増幅器123の出力レベルを所定レベルに一定化させる制御である。
AGC増幅器123および送信増幅器(TX)126に所定の周波数間隔のCWを2波入力すると、これら2波のCWが増幅出力されるとともに、これらAGC増幅器123と送信増幅器(TX)126の非線形特性により、CWの周波数近傍に2波の相互変調歪IMが発生する。IMとして、次数が3次以上の奇数次のものが発生し、次数の低いものから順次、よりCWの周波数近傍に強いレベルで発生する。
図4には、CWとIM3(次数3)のそれぞれ2波のうち1波分を示す。IM3はCWの入力レベルに対し、CW:IM3=1:3でレベルが増減する性質をもつ。図4には、インピーダンス整合時のCWとIM3を実線で示し、不整合時のCWとIM3を点線で示している。
図4の実線で示す整合時、図5に示すように、CWの入力レベルはP1、CWの出力レベルはP2、IM3の出力レベルはP3である。これに対し、図4の点線で示す不整合が生じると、通過ロスが増加した分、CW出力レベルはP2から低下してP4となるが、ALCが機能(ALC On)するため、CW入力レベルがP5に上がるとともに、CW出力レベルもP2まで持ち上がる。
ALCにより、CWとIMの和=テスト信号のトータルレベル(TXLEV)が基準値となるようにレベル一定化の制御がなされる。このALCによるCWレベルの持ち上げにつれてIM3レベルもP6まで持ち上がる。これにより、IM3が検出可能なレベルとなる。図5の例でみて、CWの2波分のP2のレベル+IMの2波分のP6のレベル=テスト信号のトータルレベル(TXLEV)相当である。
IMは、図4に示した3次成分のIM3では、CWの増分に対し3倍で増加するため、IM3の検出精度を大きくとることができる。また、CWは、通信時の変調波(Mod)と比較して振幅、位相ともに安定しているため瞬時に読み取りやすい。これにより、アンテナ故障時によって反射波が低減してしまうような状態が生じた場合であってもIM3の検出精度向上に基づき、アンテナ故障を正確かつ精度よく検出できるようになる。
CWとIM3の差のD/Uについて変化をみると、整合時には、CW−IM=P2−P3であった。これが、不整合によりCW−IM=P2−P6に劣化している(差分であるD/Uが縮小している)。制御部140では、整合時に対する不整合時のD/Uの差分変化(縮小)により、アンテナ部(メインアンテナ101およびサブアンテナ102)の故障を検出する。
テストモード時、このようなアンテナ部の故障の検出について、スイッチ130をDUP1(105)側に切り替えて(状態A)、メインアンテナ101の故障検出を行う。また、スイッチ130をDUP2(115)側に切り替えて(状態B)、サブアンテナ102の故障検出を行う。
そして、制御部140は、D/Uが所定の基準値より劣化した場合、テストを行ったアンテナ部が故障していると判断し、該当するアンテナの修理を促す障害通知信号を通知出力する。また、制御部140は、故障していない側のアンテナを送受信共用アンテナとして機能させるよう、スイッチ130を切り替える。
図6,図7は、アンテナ部の故障時のスイッチ切替状態を示す図である。図6には、メインアンテナ101の故障時のスイッチ130の切替状態を示す。メインアンテナ101のエレメントと無線回路端の接点103との間の接触離れ等によるアンテナ故障時を示す。制御部140は、メインアンテナ101の故障時には、スイッチ130をサブアンテナ102のDUP2(115)側に切り替える(状態B)。また、制御部140は、メインアンテナ101が故障である旨の障害通知信号を通知出力する。
図7には、サブアンテナ102の故障時のスイッチ130の切替状態を示す。サブアンテナ102のエレメントと無線回路端の接点104との間の接触離れ等によるアンテナ故障時を示す。制御部140は、サブアンテナ102の故障時には、スイッチ130をメインアンテナ101のDUP1(105)側に切り替える(状態A)。また、制御部140は、サブアンテナ102が故障である旨の障害通知信号を通知出力する。
メインアンテナ101あるいはサブアンテナ102の一方が故障した場合、ダイバーシチ受信のスループット低下を招くが、送信については正常に行えるため、通信を維持させることができる。通信時、制御部140は、テストモードを終了して送信系統100Txから変調波(Mod)を出力する。
なお、メインアンテナ101およびサブアンテナ102のいずれのアンテナも正常の場合には、上述したように(図1参照)、制御部140は、スイッチ130をDUP1(105)側に切り替えた状態とする(状態A)。
さらには、制御部140は、メインアンテナ101およびサブアンテナ102双方が故障の場合は、メインアンテナ101およびサブアンテナ102が故障である旨の障害通知信号を通知出力する。
制御部140は、以上のテストモードを、例えば、携帯電話端末100の電源起動後で通信モードに移行する前のタイミングで行う。
(制御部の内部構成例)
図8は、実施の形態にかかる携帯電話端末の制御部の内部構成例を示すブロック図である。携帯電話端末100は、図1に示したメインアンテナ101、サブアンテナ102、送信系統100Tx、および受信系統100RxA,100RxBの各構成部と、変復調回路(MODEM)110と、制御部140とを含む。
さらに、携帯電話端末100は、携帯電話端末100の各種機能を制御するCPU等のアプリケーション制御部801と、ROM,RAM等の記憶部802と、入出力部803とを含む。
入出力部803は、各種表示を行うディスプレイ(LCD)、操作入力用のキーボード(KEY)、音声入出力用のマイクやスピーカ(AUDIO)、画像を撮影するカメラ(CAMERA)等を含む。電源制御部804は、バッテリ805を動作電源として各部に動作用の電源を供給する。
制御部140は、例えばCPUを用いて構成でき、テストモード時の各部の制御を実行する。このテストモード時、例えば、CPUが携帯電話端末100の各部を制御する制御プログラムを記憶部802のROM等から読み出して実行し、この際、記憶部802のRAMを実行処理時の作業エリアに用いる。また、CPUは、テストモードの実行により、メインアンテナ101およびサブアンテナ102のうち故障が生じているアンテナを判断する。そして、CPUは、故障が生じているアンテナがあれば、他のアンテナから送信信号を送信するようスイッチ130を切替制御する。この制御部140は、CPUによるプログラム実行に限らず、電子回路素子を用いたハードウェアにより構成することもできる。
アプリケーション制御部801も、例えばCPUを用いて構成でき、携帯電話端末100が有する各種機能プログラムを記憶部802のROM等から読み出して実行し、この際、記憶部802のRAMを実行処理時の作業エリアに用いる。例えば、各種機能プログラムは、入出力部803のキーボード操作により携帯電話網を介した通信(データの送受信)、カメラ撮影、音声入出力、ディスプレイへの画像表示等の処理を行う。
(テストモード時の制御処理内容)
図9,図10は、実施の形態にかかる携帯電話端末のテストモード時の制御処理内容を示すフローチャートである。図9,図10には、テストモード実行用の制御部140の制御処理内容を記載している。
図9には、テストモード時のCWとIMの測定処理を示す。制御部140は、例えば、携帯電話端末100の電源起動後で通信モードに移行する前のタイミングでテストモードを実行開始する。これに限らず、携帯電話端末100の製造検査時、ユーザの操作入力時や携帯電話端末100の待ち受け時や定期的にテストモードを実行開始してもよい。
はじめに、制御部140は、テストモードの実行時にスイッチ130をテストモードの位置に切り替える(ステップS901)。メインアンテナ101のテストモード実行時には、スイッチ130を状態A(図2参照)とし、送信系統100TxをDUP1(105)側に切り替え、受信系統100RxAに接続する。
以下、メインアンテナ101のテストモード実行時の処理内容を順に説明する。制御部140は、変復調回路(MODEM)110に対し、送信ポートTXIQからテスト信号として2波のCW信号を出力させる(ステップS902)。
例えば、2波のCW信号の周波数は1949MHz,1951MHzとする。これにより、図2の波形図200に示すように、3次の2波のIM3信号が生じる。IM3信号の周波数は、1947MHz,1953MHzとなる。
そして、制御部140は、変復調回路(MODEM)110に対し、CW信号を受信するための周波数をRXLO111に設定する(ステップS903)。例えば、CW信号受信時には、RXLOは1950MHzとする。
そして、受信系統100RxAを介してテスト信号のリーク電力を変復調回路(MODEM)110が受信し(ステップS904)、制御部140は変復調回路(MODEM)110が検出したCWレベルを取得する。
つぎに、制御部140は、変復調回路(MODEM)110に対し、IM3信号を受信するための周波数をRXLO111に設定する(ステップS905)。例えば、IM3信号受信時には、RXLOは1954MHzとする。
そして、受信系統100RxAを介してテスト信号のリーク電力を変復調回路(MODEM)110が受信し(ステップS906)、制御部140は変復調回路(MODEM)110が検出したIM3レベルを取得する。
つぎに、制御部140は、取得した2波のCW信号と、2波のIM3信号とを用いて、CWとIMの和であるテスト信号のトータルレベル(TXLEV)と、CWとIMの差であるD/Uと、をそれぞれ計算により求める(ステップS907)。
ステップS907の実行時、制御部140は、テスト信号のトータルレベル(TXLEV)が基準値のレベルであるかを判断する(ステップS908)。2波のCW信号と、2波のIM3信号を合計したトータルレベル(TXLEV)が基準値と異なる場合(ステップS908:No)、制御部140は、トータルレベル(TXLEV)が基準値となるように送信パワーを制御する(ステップS909)。
この際、制御部140は、トータルレベル(TXLEV)が基準値より低い場合、変復調回路(MODEM)110に対し、TPCポートから出力される送信パワーコントロール信号のAGC電圧を上げる。これにより、AGC増幅器123の増幅レベルが増大し、CWおよびIM3の信号レベルが持ち上げられる。ステップS909の実行後はステップS903に戻る。この処理は上述の図5に示したALC制御に相当し、トータルレベル(TXLEV)が基準値に収束するまでステップS909〜ステップS903の処理が繰り返し実行される。なお、制御部140は、トータルレベル(TXLEV)が基準値より高くならないようにALC制御を行い、電波法規制値以下の範囲でレベル可変させる。
2波のCW信号と、2波のIM3信号を合計したトータルレベル(TXLEV)が基準値に一致した場合(ステップS908:Yes)、制御部140は、計算により求めたメインアンテナ101に関するD/Uをメモリに記憶する(ステップS910)。このメモリは、図8の記憶部802を用いることができる。
以上により、メインアンテナ101に対するテストモード時のCWとIMの測定処理を終了する。この後、制御部140は、サブアンテナ102についてのテストモードを実行する。このサブアンテナ102のテストモード実行時には、ステップS901でスイッチ130を状態B(図2参照)とし、送信系統100TxをDUP2(115)側に切り替えて受信系統100RxBに接続する。そして、制御部140は、図9に示した処理を実行し、サブアンテナ102に関するD/Uをメモリ(記憶部802)に記憶する。
また、図9に示す処理のうち、ステップS907のD/Uの計算処理については、処理を簡素化してもよい。図5に示したように、2波のCW信号は同一レベルであり、対応して2波のIM3信号についても同一レベルとなる。このため、ステップS907では、1波のCW信号と1波のIM3信号だけを用いてD/U計算してもよい。
図10には、テストモード時の故障診断処理を示す。制御部140は、図9の処理により、メインアンテナ101およびサブアンテナ102に関するD/Uを計算し、メモリ(記憶部802)に記憶している。この後、制御部140は、図10の処理を実行する。
はじめに、制御部140は、メインアンテナ101とサブアンテナ102のD/Uをメモリ(記憶部802)から読み出す(ステップS1001)。そして、制御部140は、メインアンテナ101の故障判断(ステップS1002)と、サブアンテナ102の故障判断を行う(ステップS1003)とを行う。
メインアンテナ101の故障判断(ステップS1002)では、制御部140は、D/U、すなわちCW信号とのレベルに対するIM3信号のレベルの差をD/Uの基準値と比較する。そして、制御部140は、D/Uが基準値以上であれば正常と判断し(ステップS1002:Yes)、D/Uが基準値未満であれば異常と判断する(ステップS1002:No)。例えば、基準値を5dBと設定し、D/Uが10dBのとき正常と判断し、D/Uが5dB未満であれば異常と判断する。
このD/Uの基準値は、記憶部802に予め設定しておくほか、正常通信時のD/U、すなわちCW信号とのレベルに対するIM3信号のレベルに基づき設定してもよい。
制御部140は、メインアンテナ101が正常と判断したときには(ステップS1002:Yes)、つぎに、制御部140は、サブアンテナ102についても故障判断する(ステップS1003)。制御部140は、このサブアンテナ102の故障判断についても、ステップS1002と同様にサブアンテナ102のD/Uを基準値と比較し、正常であるか(ステップS1003:Yes)、または異常であるか(ステップS1003:No)を判断する。
制御部140は、ステップS1003の判断結果が正常であれば(ステップS1003:Yes)、メインアンテナ101およびサブアンテナ102が正常であると判断し、スイッチ130の切替を状態Aとする(図1参照、ステップS1004)。そして、制御部140は、テストモード終了後、変調波(Mod)の送信信号をメインアンテナ101から送信する正常通信を行う。制御部140は、テストモード後の制御を携帯電話端末100の通信を統括制御するシステム制御部(例えば、アプリケーション制御部801)に移行させてもよい。この場合、テストモードの通信制御は、システム制御部が行う。
一方、制御部140は、ステップS1003の判断結果が異常であれば(ステップS1003:No)、メインアンテナ101が正常であるが、サブアンテナ102が異常である旨の障害通知信号を外部に通知出力する(ステップS1005)。例えば、アプリケーション制御部801が障害通知信号を受けてディスプレイにサブアンテナ102に異常が発生した通知表示を行う。
そして、制御部140は、スイッチ130の切替を状態Aとする(図7参照、ステップS1006)。そして、制御部140は、テストモード終了後、変調波(Mod)の送信信号をメインアンテナ101から送信させる。
また、制御部140は、ステップS1002においてメインアンテナ101が異常と判断したときには(ステップS1002:No)、サブアンテナ102について故障判断を行う(ステップS1007)。ステップS1007の判断処理内容は、ステップS1003と同じである。そして、制御部140は、サブアンテナ102のD/Uを基準値と比較し、正常であるか(ステップS1007:Yes)、または異常であるか(ステップS1007:No)を判断する。
制御部140は、ステップS1007の判断結果が正常であれば(ステップS1007:Yes)、サブアンテナ102が正常であるが、メインアンテナ101が異常である旨の障害通知信号を外部に通知出力する(ステップS1008)。例えば、アプリケーション制御部801が障害通知信号を受けてディスプレイにメインアンテナ101に異常が発生した通知表示を行う。
そして、制御部140は、サブアンテナ102が正常であるため、スイッチ130の切替を状態Bとする(図6参照、ステップS1009)。制御部140は、テストモード終了後、変調波(Mod)の送信信号をサブアンテナ102から送信させ、通信を維持させる。
一方、制御部140は、ステップS1007の判断結果が異常であれば(ステップS1007:No)、メインアンテナ101およびサブアンテナ102がいずれも異常であるため、これらメインアンテナ101およびサブアンテナ102がいずれも異常である旨の障害通知信号を通知出力する(ステップS1010)。例えば、アプリケーション制御部801が障害通知信号を受けてディスプレイにメインアンテナ101およびサブアンテナ102に異常が発生した通知表示を行う。
この場合、メインアンテナ101およびサブアンテナ102がいずれも異常であるため、制御部140は、該当する使用バンドでの通信が不能であることや、故障したアンテナを使用せず正常なアンテナに切り替えて通信継続させている、等の情報を併せて通知出力してもよい。
サブアンテナ102の故障時(ステップS1006)、あるいはメインアンテナ101の故障時(ステップS1009)では、一方のアンテナが切り離されるため、ダイバーシチ受信処理でスループット低下が生じる。しかし、いずれの場合でも、正常なアンテナ側を用いた送信処理が行えるため、送信および受信の通信切断が生じず通信を維持させることができる。
以上説明した実施の形態では、1バンドあたり2本のアンテナ(メインアンテナ101およびサブアンテナ102)を用いる構成を例に説明した。携帯電話端末100は複数のバンド(例えば、800MHz帯、1.5GHz帯、1.7GHz帯、2GHz帯)毎に2本のアンテナを用いる。このように、複数のバンド毎の複数のアンテナ(メインアンテナとサブアンテナ)についてもそれぞれ上記テストモードを実行して故障判断を行うことができ、さらには一方のアンテナ故障時でも正常なアンテナを用いて通信継続できるようになる。
そして、上述した実施の形態によれば、携帯電話端末に内蔵されるアンテナの故障を検出するために、テスト信号として2波のCW信号を送信し、送信系統の増幅器で相互変調歪(IM)を生じさせ、これらCW信号とIM信号を用いて故障を検出する。この際、スイッチ切替により、送信系統を結合器(DUP)を介して受信系統に接続し、CW信号とIM信号を受信系統でレベル検出して、アンテナ故障時におけるアンテナのインピーダンス不整合を検出する。このように、実施の形態では、携帯電話端末内でテスト信号を送信および受信することで、レベル損失を抑えてアンテナ故障を検出できる。
このアンテナの故障検出は、受信系統でリーク電力を受信し、CWとIMの差(D/U)に基づくD/U劣化により故障を検出している。この際、送信信号のパワーをALC制御により一定にすることで、IMがノイズに埋もれることなく検出できる。これにより、アンテナの故障を高精度に検出できるようになる。
IM信号として、例えば、CW信号の3次成分のIM3を用いる場合、ALC制御によるCWの増分に対し3倍で増加するため、検出精度を向上できる。また、CW信号の5次成分のIM5を用いる場合、ALC制御によるCWの増分に対し5倍で増加する。D/UにはCW信号の奇数次成分を用いることができるが、ALC制御により所定のレベルまで持ち上げることができる奇数次成分を用いればよい。また、CW信号は、通信時の変調波(Mod)と比較して振幅、位相ともに安定しているため、瞬時に読み取りやすい。これにより、アンテナ故障時の反射波が低減してしまうような状態が生じた場合であってもIM3の検出精度向上に基づき、アンテナ故障を正確かつ精度よく検出できるようになる。
そして、実施の形態では、一方のアンテナ故障を検出した場合に、送信信号を正常なアンテナから送信できるようにスイッチを切り替え制御するため、アンテナ故障発生前後における通信を維持できる。
このような実施の形態によれば、従来のように、アンテナ側からの反射波のレベルが低減されアンテナの故障が検出しにくくなる問題を生じない。例えば、アンテナから送信増幅器(TX)までの経路部分で挿入損失がかさむような回路構成(例えば、同軸ケーブルや高周波スイッチ、フィルタ、カップラー等の使用、基板の配線引き回しが長い場合)であってもアンテナ故障を高精度に検出できるようになる。また、ハーフコンタクト(エレメントと無線回路端とのバネ接触があまい(弱い)状態、同軸ケーブルのコネクタが半挿しの状態などによる接触不良状態)であってもアンテナ故障を高精度に検出できるようになる。
また、アンテナの故障が生じた場合、故障したアンテナを特定して、障害通知信号をディスプレイ等に通知出力する。これにより、故障したアンテナに対する修理等の対策を早急に施すことができ、短時間で故障解消できるようになる。この際、複数のアンテナに対する故障を個別に検出し通知できるとともに、アンテナ故障の通知、アンテナ切替の通知、通信状態等を通知することで、故障状態をよりわかりやすく通知でき、適切な故障対策が施せるようになる。
上記実施の形態では、メインアンテナとサブアンテナの2本のアンテナを有する携帯電話端末を例に説明したが、2本以上複数本のアンテナに対しても同様に故障を検出できる。例えば、1バンドあたり2本のアンテナを用いて複数バンドの無線通信を行う携帯電話端末について、各バンドのそれぞれのアンテナについて故障を検出できる。
上記実施の形態の携帯電話端末としては、スマートフォンなどを想定しているが、これに限らず、アンテナを内蔵して無線通信を行うパーソナルコンピュータ、タブレット端末などの電子機器についても同様に適用できる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)テスト信号として所定の周波数間隔の2波の無変調連続波を送信系統に送出させ、当該送信系統の送信増幅器で相互変調歪を生じさせ、
前記テスト信号をデュプレクサを介して受信系統で受信させ、ダウンコンバートすることにより得られる前記無変調連続波および前記相互変調歪のレベルに基づいて、アンテナの故障を検出する制御部、
を有することを特徴とする携帯電話端末。
(付記2)前記制御部は、
前記無変調連続波と前記相互変調歪のレベルの和が所定の基準値に適合するよう前記送信増幅器の送信レベルを可変制御し、適合時に得た前記無変調連続波と前記相互変調歪のレベルの差を求め、当該レベルの差に基づいてアンテナの故障を検出することを特徴とする付記1に記載の携帯電話端末。
(付記3)1バンドあたり複数のアンテナおよび複数の受信系統と、一つの送信系統と、
前記送信系統からの送信信号を前記複数の受信系統に切り替え可能なスイッチと、を有し、
前記制御部は、
前記送信系統を複数のうち一つの受信系統に接続させた状態で前記テスト信号を送出させ、前記スイッチの切替により複数のアンテナの故障を順次検出する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の携帯電話端末。
(付記4)前記スイッチは、前記一つの送信系統と、前記複数の受信系統との間に設けられ、
前記デュプレクサは、前記スイッチと前記複数のアンテナとの間にそれぞれ設けられたことを特徴とする付記3に記載の携帯電話端末。
(付記5)前記制御部の制御により、通常時には変調波の受信処理および送信処理を行い、前記アンテナの故障検出時には前記テスト信号として2波の前記無変調連続波を出力する変復調部を有し、
前記制御部は、
アンテナの故障検出時には、前記スイッチの切替により、故障したアンテナに接続された前記受信系統を切り離し、前記変復調部に他の正常なアンテナの受信系統を用いて受信処理させ、
前記変復調部から出力される前記送信系統を前記正常なアンテナに接続させて送信処理を継続させる、
ことを特徴とする付記3または4に記載の携帯電話端末。
(付記6)前記制御部は、
前記アンテナの故障検出時には、前記送信系統の送信周波数および前記受信系統の受信周波数を、前記無変調連続波に対応する周波数に切り替えることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の携帯電話端末。
(付記7)前記制御部は、
前記送出するテスト信号の2波の前記無変調連続波のうち1波と、当該1波の無変調連続波に対応して生じる1波の前記相互変調歪とを用いて、前記無変調連続波と前記相互変調歪のレベルの差を求めることを特徴とする付記2〜6のいずれか一つに記載の携帯電話端末。
(付記8)前記制御部は、
前記受信系統の周波数を走査して、前記無変調連続波と前記相互変調歪のレベルをそれぞれ検出することを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の携帯電話端末。
(付記9)前記制御部は、
故障を検出したアンテナの情報を通知出力することを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の携帯電話端末。
(付記10)前記変復調部は、2つのアンテナの受信系統を用いたダイバーシチ受信処理を行い、一方のアンテナ故障時には、1つのアンテナの受信系統を用いた受信処理を行うことを特徴とする付記5に記載の携帯電話端末。
100 携帯電話端末
100RxA,100RxB 受信系統
100Tx 送信系統
101 メインアンテナ
102 サブアンテナ
103,104 接点
105,115 共用器
106,116 受信増幅器
107,117,124 ミキサ
108,118,122 LPF
109,119 ADC
110 変復調回路(MODEM)
121 DAC
123 AGC増幅器
126 送信増幅器
130 スイッチ
140 制御部
801 アプリケーション制御部
802 記憶部
803 入出力部
804 電源制御部
805 バッテリ

Claims (8)

  1. テスト信号として所定の周波数間隔の2波の無変調連続波を送信系統に送出させ、当該送信系統の送信増幅器で相互変調歪を生じさせ、
    前記テスト信号をデュプレクサを介して受信系統で受信させ、ダウンコンバートすることにより得られる前記無変調連続波および前記相互変調歪のレベルに基づいて、アンテナの故障を検出する制御部を有し、
    前記制御部は、
    前記無変調連続波と前記相互変調歪のレベルの和が所定の基準値に適合するよう前記送信増幅器の送信レベルを可変制御し、適合時に得た前記無変調連続波と前記相互変調歪のレベルの差を求め、当該レベルの差に基づいてアンテナの故障を検出することを特徴とする携帯電話端末。
  2. 1バンドあたり複数のアンテナおよび複数の受信系統と、一つの送信系統と、
    前記送信系統からの送信信号を前記複数の受信系統に切り替え可能なスイッチと、を有し、
    前記制御部は、
    前記送信系統を複数のうち一つの受信系統に接続させた状態で前記テスト信号を送出させ、前記スイッチの切替により複数のアンテナの故障を順次検出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話端末。
  3. 前記スイッチは、前記一つの送信系統と、前記複数の受信系統との間に設けられ、
    前記デュプレクサは、前記スイッチと前記複数のアンテナとの間にそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項2に記載の携帯電話端末。
  4. 前記制御部の制御により、通常時には変調波の受信処理および送信処理を行い、前記アンテナの故障検出時には前記テスト信号として2波の前記無変調連続波を出力する変復調部を有し、
    前記制御部は、
    アンテナの故障検出時には、前記スイッチの切替により、故障したアンテナに接続された前記受信系統を切り離し、前記変復調部に他の正常なアンテナの受信系統を用いて受信処理させ、
    前記変復調部から出力される前記送信系統を前記正常なアンテナに接続させて送信処理を継続させる、
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の携帯電話端末。
  5. 前記制御部は、
    前記アンテナの故障検出時には、前記送信系統の送信周波数および前記受信系統の受信周波数を、前記無変調連続波に対応する周波数に切り替えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の携帯電話端末。
  6. 前記制御部は、
    前記送出するテスト信号の2波の前記無変調連続波のうち1波と、当該1波の無変調連続波に対応して生じる1波の前記相互変調歪とを用いて、前記無変調連続波と前記相互変調歪のレベルの差を求めることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の携帯電話端末。
  7. 前記制御部は、
    前記受信系統の周波数を走査して、前記無変調連続波と前記相互変調歪のレベルをそれぞれ検出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の携帯電話端末。
  8. 前記制御部は、
    故障を検出したアンテナの情報を通知出力することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の携帯電話端末。
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