JP6448020B2 - 電気伝導体 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶性無機化合物に関するものである。
ペロブスカイト型複合酸化物およびその関連構造を有する化合物は、様々な物性を示すことから、幅広い分野で利用および研究されている。
上記材料はたとえば、酸化物イオン伝導等の陰イオン伝導、リチウムイオン伝導等の陽イオン伝導、プロトン伝導、電子伝導、強誘電性、強磁性、または高温超伝導等の物性を示す。
また、メリライト型複合酸化物は、酸化物イオン伝導等の陰イオン伝導を示す。
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた少なくとも1種のキャリアが伝導可能な材料は、固体酸化物形燃料電池、センサ、電池、電極、電解質、酸素濃縮器、酸素分離膜、酸素透過膜、触媒、および光触媒等に利用可能である。
LaGaOおよびその置換系は、燃料電池の固体電解質等として用いられる。
非特許文献1には、燃料電池の固体電解質の候補として、(La,Sr)Ga系メリライト型複合酸化物に関する研究が報告されている。
特許文献1、2には、(La,Sr)(Ga,Mg)O系ペロブスカイト型複合酸化物を固体電解質として用いた燃料電池セルが記載されている(特許文献1の請求項1、特許文献2の請求項7)。
特開2005-216760号公報 特開2005-166314号公報
今後のさらなる材料の発展には、陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた少なくとも1種のキャリアが伝導可能な新規材料の開発が必要である。これにより、従来よりも優れた新規材料の開発が可能となり、上記用途における高性能化が可能となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた少なくとも1種のキャリアが伝導可能である新規な結晶性無機化合物を提供することを目的とするものである。
本発明に係る第1の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
結晶構造内に、互いに稜共有した複数のBX八面体(式中、各略号は以下の通りである。BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。Xは、1種以上の陰イオンである。)を含み、
既約格子定数(reduced cell parameters)ar〜crおよびαr〜γrが以下の数値範囲内である、
結晶性無機化合物である。
(既約格子定数)
ar=5.06±0.5Å、
br=9.61±0.5Å、
cr=9.61±0.5Å、
αr=74.31±10°、
βr=75.63±10°、
γr=75.63±10°。
ar、br、crはそれぞれ、既約格子のa軸長、b軸長、c軸長である。
αrは、既約格子のb軸とc軸がなす角度である。
βrは、既約格子のa軸とc軸がなす角度である。
γrは、既約格子のa軸とb軸がなす角度である。
本発明に係る第2の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
PbGeAl1020型構造を有する、
結晶性無機化合物である。
ここで、「PbGeAl1020型構造」とは、空間群がC2/mであり、c軸長をa軸長で割った値(c/a)が0.31〜0.35の範囲内にあり、かつ下記に示すWyckoff位置リストの群から選ばれた1つの位置リストの各席を原子が完全あるいは部分的に占有する構造である。
(Wyckoff位置リストの群)
j6 i3 h b a(6つの異なるj位置、3つの異なるi位置、1つのh位置、1つのb位置、およびa位置を意味する。)、
および、
j6 i3 g d c(6つの異なるj位置、3つの異なるi位置、1つのg位置、1つのd位置、c位置を意味する)。
なお、Wyckoff位置リストの表記様式については、他の結晶構造でも同様である。
本発明に係る第3の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
結晶構造内に、BX四面体(式中、各略号は以下の通りである。BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。Xは、1種以上の陰イオンである。)を含み、
既約格子定数ar〜crおよびαr〜γrが以下の数値範囲内である、
結晶性無機化合物である。
(既約格子定数)
ar=8.1±0.5Å、
br=9.1±0.5Å、
cr=10.8±0.5Å、
αr=90±10°、
βr=90±10°、
γr=91.5±10°。
ar、br、crはそれぞれ、既約格子のa軸長、b軸長、c軸長である。
αrは、既約格子のb軸とc軸がなす角度である。
βrは、既約格子のa軸とc軸がなす角度である。
γrは、既約格子のa軸とb軸がなす角度である。
本発明に係る第4の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
結晶構造内に、複数のBX四面体(式中、各略号は以下の通りである。BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。Xは、1種以上の陰イオンである。)を含み、
既約格子定数ar〜crおよびαr〜γrが以下の数値範囲内である、
結晶性無機化合物である。
(既約格子定数)
ar=6.74±0.5Å、
br=8.04±0.5Å、
cr=9.71±0.5Å、
αr=85.04±5°、
βr=72.8±5°、
γr=74.18±5°。
ar、br、crはそれぞれ、既約格子のa軸長、b軸長、c軸長である。
αrは、既約格子のb軸とc軸がなす角度である。
βrは、既約格子のa軸とc軸がなす角度である。
γrは、既約格子のa軸とb軸がなす角度である。
本発明に係る第5の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
CaAl型構造を有する、
結晶性無機化合物である。
ここで、「CaAl型構造」とは、空間群がC2/cであり、c軸長をa軸長で割った値(c/a)が0.4〜0.45の範囲内にあり、酸素イオンおよび/または窒素イオンを含み、5つのf席と2つのe席の各々を原子が完全にあるいは部分的に占有する(ここで、e席およびf席はWyckoff記号である。)構造である。
本発明に係る第6の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
結晶構造内に、複数のBX四面体(式中、各略号は以下の通りである。BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。Xは、1種以上の陰イオンである。)を含み、
既約格子定数ar〜crおよびαr〜γrが以下の数値範囲内である、
結晶性無機化合物である。
(既約格子定数)
ar=6.74±0.5Å、
br=8.04±0.5Å、
cr=9.71±0.5Å、
αr=85.04±5°、
βr=72.8±5°、
γr=74.18±5°。
ar、br、crはそれぞれ、既約格子のa軸長、b軸長、c軸長である。
αrは、既約格子のb軸とc軸がなす角度である。
βrは、既約格子のa軸とc軸がなす角度である。
γrは、既約格子のa軸とb軸がなす角度である。
本発明に係る第7の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオンおよびプロトンからなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
BaAl型構造を有する、
結晶性無機化合物である。
ここで、「BaAl型構造」とは、空間群がP622であり、c軸長をa軸長で割った値(c/a)が1.6〜1.75の範囲内にあり、かつ下記に示すWyckoff位置リストの群から選ばれた1つの位置リストの各席を原子が完全あるいは部分的に占有する構造である。
(Wyckoff位置リストの群)
h g f b、
および、
g f c b。
本発明に係る第8の結晶性無機化合物は、
酸化物イオンを除く陰イオンおよびプロトンより選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物であって、
結晶構造内に、互いに稜共有した複数のBX八面体(式中、各略号は以下の通りである。BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。Xは、1種以上の陰イオンである。)を含み、
既約格子定数ar〜crおよびαr〜γrが以下の数値範囲内である、
結晶性無機化合物である。
(既約格子定数)
ar=5.8±0.5Å、
br=5.8±0.5Å、
cr=22.9±2.0Å、
αr=90±10°、
βr=90±10°、
γr=120±10°。
ar、br、crはそれぞれ、既約格子のa軸長、b軸長、c軸長である。
αrは、既約格子のb軸とc軸がなす角度である。
βrは、既約格子のa軸とc軸がなす角度である。
γrは、既約格子のa軸とb軸がなす角度である。
本発明に係る第9の結晶性無機化合物は、
酸化物イオンを除く陰イオンおよびプロトンより選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物であって、
CaAl1219型構造を有する、
結晶性無機化合物である。
ここで、「CaAl1219型構造」とは、空間群がP6/mmcであり、c軸長をa軸長で割った値(c/a)が3.7〜4.1の範囲内にあり、かつ下記に示すWyckoff位置リストの群から選ばれた1つの位置リストの各席を原子が完全あるいは部分的に占有する構造である。
(Wyckoff位置リストの群)
k3 h f3 e d b a、
k3 h f3 e c b a、
k3 h2 f3 e2 d a、
k3 h f3 e d a2、
k3 h f3 e2 c a、
k3 h f3 e2 d a、
k3 h2 f3 e2 a、
および、
l k2 j f3 e2 d a。
本発明に係る第10の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
下記一般式(VI)で表され、
既約格子定数ar〜crおよびαr〜γrが以下の数値範囲内である、
結晶性無機化合物である。
・・・(VI)
(式中、各略号は以下の通りである。
AはAサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
AはBaイオンまたはSrイオンを含み、BはGaイオンを含む。
Xは、1種以上の陰イオンである。
xは、2.5±2.0の範囲内の数値である。
yは、11±3の範囲内の数値である。
zは、20±6の範囲内の数値である。)
(既約格子定数)
ar=5.8±0.5Å、
br=5.8±0.5Å、
cr=22.9±2.0Å、
αr=90±10°、
βr=90±10°、
γr=120±10°。
ar、br、crはそれぞれ、既約格子のa軸長、b軸長、c軸長である。
αrは、既約格子のb軸とc軸がなす角度である。
βrは、既約格子のa軸とc軸がなす角度である。
γrは、既約格子のa軸とb軸がなす角度である。
本発明に係る第11の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
マグネトプランバイト(magnetoplumbite)型構造を有し、
AサイトがBaイオンまたはSrイオンを含み、
BサイトがGaイオンを含む、
結晶性無機化合物である。
本明細書において、既約格子定数ar〜crのうち少なくとも1つは、上記で規定される数値のm/n倍であってもよい。ここで、mおよびnはそれぞれ独立に、自然数、2または3の平方根またはその整数倍である。なお、ar、br、およびcr間の数値、または、αr、βr、およびγr間の数値は互いに入れ替わってもよい。
また、既約格子定数は、常圧下約25℃におけるデータである。
本明細書において、特に明記しない限り、「イオン半径」は、Shannonが1976年に提案したイオン半径である。
本明細書において、元素族名は、IUPAC命名法の元素族名である。
本発明によれば、陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた少なくとも1種のキャリアが伝導可能な新規な結晶性無機化合物を提供することができる。
LaSrGa1120(実施例1−1)の酸化物イオンに対するBVS(Bond Valence Sum)の空間分布の計算結果を示す。 実施例1−1で得られたLaSrGa1120試料のX線粉末回折(XRPD)図形である。 実施例1−2で得られたLa0.98Sr2.02Ga1119.99試料のXRPD図形である。 実施例1−3で得られたLa0.99Sr2.01Ga1119.995試料のXRPD図形である。 実施例1−4で得られたLa1.01Sr1.99Ga1120.005試料のXRPD図形である。 実施例1−5で得られたLa1.02Sr1.98Ga1120.01試料のXRPD図形である。 実施例1−6で得られたLa1.03Sr1.97Ga1120.015試料のXRPD図形である。 実施例1−7で得られたLa1.04Sr1.96Ga1120.02試料のXRPD図形である。 実施例1−8で得られたLaSrGa10.9Mg0.119.95試料のXRPD図形である。 実施例1−1で得られたLaSrGa1120の精密化した結晶構造である。 実施例1−1で得られたLaSrGa1120試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例1−2で得られたLa0.98Sr2.02Ga1119.99試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例1−3で得られたLa0.99Sr2.01Ga1119.995試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例1−4で得られたLa1.01Sr1.99Ga1120.005試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例1−5で得られたLa1.02Sr1.98Ga1120.01試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例1−6で得られたLa1.03Sr1.97Ga1120.015試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例1−7で得られたLa1.04Sr1.96Ga1120.02試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例1−8で得られたLaSrGa10.9Mg0.119.95試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例1−1で得られたLaSrGa1120試料の全電気伝導度σtotalの900℃における酸素分圧依存性の測定結果を示すグラフである。 実施例1−3で得られたLa0.99Sr2.01Ga1119.995試料の全電気伝導度σtotalの900℃における酸素分圧依存性の測定結果を示すグラフである。 実施例1−5で得られたLa1.02Sr1.98Ga1120.01試料の全電気伝導度σtotalの900℃における酸素分圧依存性の測定結果を示すグラフである。 実施例2−1で得られたPrSrGa1120試料のXRPD図形である。 実施例2−2で得られたNdSrGa1120試料のXRPD図形である。 実施例2−3で得られたLaBaGa1120試料のXRPD図形である。 実施例2−4で得られたNdBaGa1120試料のXRPD図形である。 実施例2−1で得られたPrSrGa1120試料のXRPDデータのリートベルト(Rietveld)解析図形である。 実施例2−2で得られたNdSrGa1120試料のXRPDデータのLe Bail解析図形である。 実施例2−3で得られたLaBaGa1120試料のXRPDデータのリートベルト解析図形である。 実施例2−4で得られたNdBaGa1120試料のXRPDデータのLe Bail解析図形である。 実施例2−1で得られたPrSrGa1120の精密化した結晶構造である。 実施例2−1で得られたPrSrGa1120試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例2−2で得られたNdSrGa1120試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例2−3で得られたLaBaGa1120試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例2−1で得られたPrSrGa1120試料の全電気伝導度σtotalの817℃における酸素分圧依存性の測定結果を示すグラフである。 実施例2−2で得られたNdSrGa1120試料の全電気伝導度σtotalの802℃における酸素分圧依存性の測定結果を示すグラフである。 実施例2−3で得られたLaBaGa1120試料の全電気伝導度σtotalの819℃における酸素分圧依存性の測定結果を示すグラフである。 実施例3−1で得られたBaSnGa1020試料のXRPD図形である。 実施例3−2で得られたBaGeGa1020試料のXRPD図形である。 実施例3−3で得られたSrGeGa1020試料のXRPD図形である。 実施例3−1で得られたBaSnGa1020試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例3−2で得られたBaGeGa1020試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例3−3で得られたSrGeGa1020試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例3−1で得られたBaSnGa1020試料の全電気伝導度σtotalの906℃における酸素分圧依存性の測定結果を示すグラフである。 実施例3−2で得られたBaGeGa1020試料の全電気伝導度σtotalの909℃における酸素分圧依存性の測定結果を示すグラフである。 実施例3−3で得られたSrGeGa1020試料の全電気伝導度σtotalの909℃における酸素分圧依存性の測定結果を示すグラフである。 SrGa1219(実施例4−1)の酸化物イオンに対するBVS(Bond Valence Sum)の空間分布の計算結果を示す。 SrGa(実施例4−2)の酸化物イオンに対するBVS(Bond Valence Sum)の空間分布の計算結果を示す。 SrGa(実施例4−3)の酸化物イオンに対するBVS(Bond Valence Sum)の空間分布の計算結果を示す。 SrGa(実施例4−4)の酸化物イオンに対するBVS(Bond Valence Sum)の空間分布の計算結果を示す。 実施例4−1で得られたSrGa1219試料のXRPD図形である。 実施例4−2で得られたSrGa試料のXRPD図形である。 実施例4−3で得られたSrGa試料のXRPD図形である。 実施例4−4で得られたSrGa試料のXRPD図形である。 実施例4−1で得られたSrGa1219試料のXRPDデータのLe Bail解析図形である。 実施例4−2で得られたSrGa試料のXRPDデータのLe Bail解析図形である。 実施例4−3で得られたSrGa試料のXRPDデータのリートベルト解析図形である。 実施例4−4で得られたSrGa試料のXRPDデータのLe Bail解析図形である。 実施例4−1で得られたSrGa1219試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例4−2で得られたSrGa試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例4−3で得られたSrGa試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例4−4で得られたSrGa試料の全電気伝導度σtotalの測定結果(アレニウスプロット)を示すグラフである。 実施例4−1で得られたSrGa1219試料の全電気伝導度σtotalの795℃における酸素分圧依存性の測定結果を示すグラフである。 実施例4−2で得られたSrGa試料の全電気伝導度σtotalの1006℃における酸素分圧依存性の測定結果を示すグラフである。 実施例4−3で得られたSrGa試料の全電気伝導度σtotalの1099℃における酸素分圧依存性の測定結果を示すグラフである。 実施例4−4で得られたSrGa試料の全電気伝導度σtotalの904℃における酸素分圧依存性の測定結果を示すグラフである。 BaGa(実施例5−1)の酸化物イオンに対するBVS(Bond Valence Sum)の空間分布の計算結果を示す。 BaGa1219(実施例5−2)の酸化物イオンに対するBVS(Bond Valence Sum)の空間分布の計算結果を示す。
本発明者らは、様々な物質について、BVS(Bond Valence Sum)の空間分布を調べ、結晶格子におけるイオンの拡散経路を推定した。これにより、陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な材料を推測した。この推測に基づいて、実際に材料を製造して評価し、推測が正しいことを確認した。以上のようにして、陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な新規な結晶性無機化合物を見出した。
本発明に係る第1の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
結晶構造内に、互いに稜共有した複数のBX八面体(式中、各略号は以下の通りである。BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。Xは、1種以上の陰イオンである。)を含み、
既約格子定数(reduced cell parameters)ar〜crおよびαr〜γrが以下の数値範囲内である、
結晶性無機化合物である。
(既約格子定数)
ar=5.06±0.5Å、
br=9.61±0.5Å、
cr=9.61±0.5Å、
αr=74.31±10°、
βr=75.63±10°、
γr=75.63±10°。
ar、br、crはそれぞれ、既約格子のa軸長、b軸長、c軸長である。
αrは、既約格子のb軸とc軸がなす角度である。
βrは、既約格子のa軸とc軸がなす角度である。
γrは、既約格子のa軸とb軸がなす角度である。
本発明に係る第2の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
PbGeAl1020型構造を有する、
結晶性無機化合物である。
本発明に係る第3の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
結晶構造内に、BX四面体(式中、各略号は以下の通りである。BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。Xは、1種以上の陰イオンである。)を含み、
既約格子定数ar〜crおよびαr〜γrが以下の数値範囲内である、
結晶性無機化合物である。
(既約格子定数)
ar=8.1±0.5Å、
br=9.1±0.5Å、
cr=10.8±0.5Å、
αr=90±10°、
βr=90±10°、
γr=91.5±10°。
ar、br、crはそれぞれ、既約格子のa軸長、b軸長、c軸長である。
αrは、既約格子のb軸とc軸がなす角度である。
βrは、既約格子のa軸とc軸がなす角度である。
γrは、既約格子のa軸とb軸がなす角度である。
本発明に係る第4の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
結晶構造内に、複数のBX四面体(式中、各略号は以下の通りである。BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。Xは、1種以上の陰イオンである。)を含み、
既約格子定数ar〜crおよびαr〜γrが以下の数値範囲内である、
結晶性無機化合物である。
(既約格子定数)
ar=6.74±0.5Å、
br=8.04±0.5Å、
cr=9.71±0.5Å、
αr=85.04±5°、
βr=72.8±5°、
γr=74.18±5°。
ar、br、crはそれぞれ、既約格子のa軸長、b軸長、c軸長である。
αrは、既約格子のb軸とc軸がなす角度である。
βrは、既約格子のa軸とc軸がなす角度である。
γrは、既約格子のa軸とb軸がなす角度である。
本発明に係る第5の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
CaAl型構造を有する、
結晶性無機化合物である。
本発明に係る第6の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
結晶構造内に、複数のBX四面体(式中、各略号は以下の通りである。BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。Xは、1種以上の陰イオンである。)を含み、
既約格子定数ar〜crおよびαr〜γrが以下の数値範囲内である、
結晶性無機化合物。
(既約格子定数)
ar=6.74±0.5Å、
br=8.04±0.5Å、
cr=9.71±0.5Å、
αr=85.04±5°、
βr=72.8±5°、
γr=74.18±5°。
ar、br、crはそれぞれ、既約格子のa軸長、b軸長、c軸長である。
αrは、既約格子のb軸とc軸がなす角度である。
βrは、既約格子のa軸とc軸がなす角度である。
γrは、既約格子のa軸とb軸がなす角度である。
本発明に係る第7の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオンおよびプロトンからなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
BaAl型構造を有する、
結晶性無機化合物である。
本発明に係る第8の結晶性無機化合物は、
酸化物イオンを除く陰イオンおよびプロトンより選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物であって、
結晶構造内に、互いに稜共有した複数のBX八面体(式中、各略号は以下の通りである。BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。Xは、1種以上の陰イオンである。)を含み、
既約格子定数ar〜crおよびαr〜γrが以下の数値範囲内である、
結晶性無機化合物である。
(既約格子定数)
ar=5.8±0.5Å、
br=5.8±0.5Å、
cr=22.9±2.0Å、
αr=90±10°、
βr=90±10°、
γr=120±10°。
ar、br、crはそれぞれ、既約格子のa軸長、b軸長、c軸長である。
αrは、既約格子のb軸とc軸がなす角度である。
βrは、既約格子のa軸とc軸がなす角度である。
γrは、既約格子のa軸とb軸がなす角度である。
本発明に係る第9の結晶性無機化合物は、
酸化物イオンを除く陰イオンおよびプロトンより選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物であって、
CaAl1219型構造を有する、
結晶性無機化合物である。
本発明に係る第1、第2、第8、および第9の結晶性無機化合物においては、
前記結晶構造内にさらに、BX八面体以外のBX多面体および/またはBX多角形を含む(ここで、BおよびXは前記と同様である。nは正の実数である。)ことができる。
本発明に係る第1および第2の結晶性無機化合物としては、
下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
・・・(I)
(式中、各略号は以下の通りである。
AはAサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
Xは、1種以上の陰イオンである。
xは、2.5±2.0の範囲内の数値である。
yは、11±3の範囲内の数値である。
zは、20±6の範囲内の数値である。)
本発明に係る第3および第7の結晶性無機化合物としては、
下記一般式(II)で表される化合物が挙げられる。
・・・(II)
(式中、各略号は以下の通りである。
AはAサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
Xは、1種以上の陰イオンである。
xは、1.0±0.8の範囲内の数値である。
yは、2.0±0.5の範囲内の数値である。
zは、4.0±2.0の範囲内の数値である。)
本発明に係る第4および第5の結晶性無機化合物としては、
下記一般式(III)で表される化合物が挙げられる。
・・・(III)
(式中、各略号は以下の通りである。
AはAサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
Xは、1種以上の陰イオンである。
xは、1.0±0.8の範囲内の数値である。
yは、4.0±1.0の範囲内の数値である。
zは、7.0±2.0の範囲内の数値である。)
本発明に係る第6の結晶性無機化合物としては、
下記一般式(IV)で表される化合物が挙げられる。
・・・(IV)
(式中、各略号は以下の通りである。
AはAサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
Xは、1種以上の陰イオンである。
xは、3.0±2.4の範囲内の数値である。
yは、4.0±1.0の範囲内の数値である。
zは、9.0±3.0の範囲内の数値である。)
本発明に係る第8および第9の結晶性無機化合物としては、
下記一般式(V)で表される化合物が挙げられる。
・・・(V)
(式中、各略号は以下の通りである。
AはAサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
Xは、1種以上の陰イオンである。
xは、2.5±2.0の範囲内の数値である。
yは、11±3の範囲内の数値である。
zは、20±6の範囲内の数値である。)
上記一般式(I)〜(V)において、
Aは、H, Li, Na, Mg, K, Ca, Sc, Mn, Fe, Co, Cu, Zn, Rb, Sr, Y, Mo, Tc, Cd, In, Te, Cs, Ba, La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu, Hf, W, Hg, Tl, Pb, Bi, Po, Ra, Th, Pa, U, Np, およびPuからなる群より選ばれた1種以上の元素のイオンを含み、
Bは、H, Li, Be, B, Mg, Al, Si, P, Sc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, Ge, As, Se, Y, Zr, Nb, Mo, Tc, Ru, Rh, Pd, Ag, Cd, In, Sn, Sb, Te, Ce, Pr, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu, Hf, Ta, W, Re, Os, Ir, Pt, Au, Tl, Pb, Bi, Po, At, Th, Pa, U, Np, およびPuからなる群より選ばれた1種以上の元素のイオンを含み、
Xは、N, O, F, S, Cl, Se, Br, Te, およびIからなる群より選ばれた1種以上の元素のイオンを含むことができる。
上記一般式(I)〜(V)において、
Aは、Xとの配位数が4〜12である1種以上の陽イオンを含み、
Bは、Xとの配位数が3〜7である1種以上の陽イオンを含むことができる。
上記一般式(I)において、
Aは、
Xとの配位数が4〜12である1種以上の第1の陽イオンと、
Xとの配位数が4〜12であり、前記第1の陽イオンとは平均イオン半径および/または平均価数の異なる1種以上の第2の陽イオンとを含み、
Bは、Xとの配位数が3〜7である1種以上の陽イオンを含むことができる。
なお、AおよびBの上記配位数は陰イオン空孔および/または格子間陰イオンがない場合の配位数である。
ここで、
前記第1の陽イオンは1種以上の希土類元素のイオンを含み、
前記第2の陽イオンは1種以上の2族元素のイオンを含み、
Bは1種以上の13族元素のイオンを含むことができる。
上記一般式(I)〜(V)において、
Aは1種以上の2族元素のイオンを含み、
Bは1種以上の13族元素のイオンを含むことができる。
本発明に係る第10の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
下記一般式(VI)で表され、
既約格子定数ar〜crおよびαr〜γrが以下の数値範囲内である、
結晶性無機化合物である。
・・・(VI)
(式中、各略号は以下の通りである。
AはAサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
AはBaイオンまたはSrイオンを含み、BはGaイオンを含む。
Xは、1種以上の陰イオンである。
xは、2.5±2.0の範囲内の数値である。
yは、11±3の範囲内の数値である。
zは、20±6の範囲内の数値である。)
(既約格子定数)
ar=5.8±0.5Å、
br=5.8±0.5Å、
cr=22.9±2.0Å、
αr=90±10°、
βr=90±10°、
γr=120±10°。
ar、br、crはそれぞれ、既約格子のa軸長、b軸長、c軸長である。
αrは、既約格子のb軸とc軸がなす角度である。
βrは、既約格子のa軸とc軸がなす角度である。
γrは、既約格子のa軸とb軸がなす角度である。
上記一般式(VI)において、
Aは、H, Li, Na, Mg, K, Ca, Sc, Mn, Fe, Co, Cu, Zn, Rb, Sr, Y, Mo, Tc, Cd, In, Te, Cs, Ba, La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu, Hf, W, Hg, Tl, Pb, Bi, Po, Ra, Th, Pa, U, Np, およびPuからなる群より選ばれた1種以上の元素のイオンを含み、
Bは、H, Li, Be, B, Mg, Al, Si, P, Sc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, Ge, As, Se, Y, Zr, Nb, Mo, Tc, Ru, Rh, Pd, Ag, Cd, In, Sn, Sb, Te, Ce, Pr, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu, Hf, Ta, W, Re, Os, Ir, Pt, Au, Tl, Pb, Bi, Po, At, Th, Pa, U, Np, およびPuからなる群より選ばれた1種以上の元素のイオンを含み、
Xは、N, O, F, S, Cl, Se, Br, Te, およびIからなる群より選ばれた1種以上の元素のイオンを含むことができる。
上記一般式(VI)において、
Aは、Xとの配位数が4〜12である1種以上の陽イオンを含み、
Bは、Xとの配位数が3〜7である1種以上の陽イオンを含むことができる。
本発明に係る第11の結晶性無機化合物は、
陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な結晶性無機化合物あって、
マグネトプランバイト(magnetoplumbite)型構造を有し、
AサイトがBaイオンまたはSrイオンを含み、
BサイトがGaイオンを含む、
結晶性無機化合物である。
上記一般式(I)および(V)において、
Aは1種以上の2族元素のイオンを含み、
Bは1種以上の13族元素のイオンと、1種以上の14族元素または4族元素のイオンとを含むことができる。
上記一般式(I)〜(V)において、
Aは1種以上の2族元素のイオンを含み、
BはFe,Co,Cr,Mn,Ni,およびCuからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素のイオンと、1種以上の14族元素または4族元素のイオンとを含むことができる。
上記一般式(I)で表される結晶性無機化合物において、A、B、およびXの組合わせの材料設計はたとえば、以下のように行うことができる。
A、B、およびXは、全体の電荷の合計が0になるように選択される。たとえば後記[実施例]におけるLaSrGa1120の場合、La3+、Sr2+、Ga3+、O2−であり、全体の電荷の合計は0になる。
陽イオンAとしては、上記で例示したような比較的イオン半径が大きな陽イオンを選択する。陽イオンAが配位する陰イオンXの数(配位数)は4以上である。
Paulingの法則によれば、Aの平均イオン半径rAとXの平均イオン半径rXとの比(rA/rX)は0.2より高い。多くの場合、Bの平均イオン半径はAに比べて小さい。多くの場合、Bの平均イオン半径rBとrXとの比(rB/rX)は、0.15より高く、rA/rXより低い。
Bの配位数は基本的に4または6であるので、rB/rXは0.22〜0.74の範囲内にあることが多い。
上記一般式(I)で表される結晶性無機化合物では、AとBとXとの比が3:11:20であるのが基本であり、これらの比からずれることも可能である。
上記一般式(I)中のzは電荷中性条件を満たす値であり、上記標準値(20)から多少変動し得る。
他の一般式(II)〜(VI)で表される結晶性無機化合物についても、A、B、およびXの組合わせの材料設計は上記一般式(I)で表される結晶性無機化合物と同様に行うことができる。
本発明に係る第1〜第5および第8〜第11の結晶性無機化合物は、結晶構造内にBX八面体および/またはBX四面体を含む。
本発明に係る第1〜第11の結晶性無機化合物は、結晶構造内にさらに、上記以外のBX多面体および/またはBX多角形を含むことができる。ここで、BおよびXは前記と同様であり、nは正の実数である。
BX多角形としては、BX三角形等が挙げられる。
本発明に係る第1〜第11の結晶性無機化合物では、BX八面体、BX四面体、その他のBX多面体、およびBX多角形のうち少なくとも1つの稜を通して、酸化物イオン等の陰イオンが伝導しやすいと考えられる。
より詳細には、本発明に係る第1〜第11の結晶性無機化合物においては、BX八面体、BX四面体、その他のBX多面体、およびBX多角形のうち少なくとも1つの稜に沿って、陰イオンXと陽イオンBの間の距離をある程度一定に保ちながら、酸化物イオン等の陰イオンが伝導すると考えられる。
本発明に係る第1〜第11の結晶性無機化合物においては、結晶構造内に隙間があり、格子間イオンを介した酸化物イオン等のイオンおよび/またはプロトンの伝導も起こりうる。
本発明に係る第1〜第11の結晶性無機化合物においては、陰イオンXとの距離をある程度一定に保ちながら、陽イオンおよびプロトンより選ばれた1種以上のキャリアが伝導すると考えられる。この陽イオンのキャリアは,他の陽イオンおよびプロトンの近くを移動することはできず、ある一定以上の距離を保っている。このプロトンのキャリアは、陽イオンの近くを移動することはできず、プロトンと陽イオンはある一定以上の距離を保っている。
本発明に係る第1〜第11の結晶性無機化合物において、酸化物イオン等の陰イオンの伝導は異方的であり、結晶の方位をそろえた薄膜等を作製するなどすれば、ユニークな陰イオン伝導素子または陰イオン−電子混合伝導素子等を作製できると考えられる。
本発明に係る第1〜第11の結晶性無機化合物は、固体酸化物形燃料電池、センサ、電池、電極、電解質、酸素濃縮器、酸素分離膜、酸素透過膜、触媒、光触媒、電気・電子・通信機器、エネルギー・環境関連用機器、および光学機器等に利用することができる。本発明に係る第1〜第11の結晶性無機化合物を用いることで、これらの高性能化が可能である。
本発明に係る第1〜第11の結晶性無機化合物は、イオン伝導度が高く、電気化学的に安定であるため、
一次電池、二次電池、および燃料電池に用いられる電解質および電極;
各種電気化学キャパシタ;
色素増感型太陽電池;
および、
電荷移動担体を有する他の電気化学素子等に用いることができる。
本発明に係る第1〜第11の結晶性無機化合物は、イオン伝導度が高いので、ガスセンサ等の電解質に用いることができる。
電解質上に検知したいガスに応じた感応電極を取り付けることにより、ガスセンサまたはガス検知器等を構成できる。たとえば、炭酸塩を含む感応電極を用いた場合に炭酸ガスセンサ、硝酸塩を含む感応電極を用いた場合にNOxセンサ、硫酸塩を含む感応電極を用いた場合にSOxセンサが得られる。また、電解セルを組むことにより、排ガス中に含まれるNOxおよび/またはSOx等の捕集装置または分解装置を構成できる。
本発明に係る第1〜第11の結晶性無機化合物はまた、材料中に多くの酸素空孔が存在するイオンの組合せにより、イオン等の吸着剤または吸着分離剤、または各種触媒等として用いることができる。
本発明に係る第1〜第11の結晶性無機化合物はまた、イオン伝導体中の各種希土類が発光中心(カラーセンター)を形成する賦活剤として作用する場合がある。この場合、波長変更材料等として用いることができる。
本発明の結晶性無機化合物はまた、電子キャリアまたは正孔キャリアをドープすることにより、超伝導体になる場合がある。
本発明に係る第1〜第11の結晶性無機化合物からなるイオン伝導体の表面に伝導イオンの挿入・脱離によって着色または変色する無機化合物等を付着させ、さらにその上にITO等の透光性電極を形成することにより、全固体型エレクトロクロミック素子を作製することも可能である。この全固体型エレクトロクロミック素子を用いることにより、消費電力が抑制された、メモリー特性を有するエレクトロクロミックディスプレイを提供することができる。
本発明に係る実施例について説明する。
(実施例1−1〜1−7)
原料組成を変える以外は同様にして、固相反応法により表1に示す組成のセラミック焼結体(LaSrGa1120、およびLa/Srモル比を変えた試料)を得た。
まず、La粉末(純度99.9%)、SrCO粉末(純度99.9%)、およびGa粉末(純度99.9%)を、所望組成となるように、秤量し混合した。得られた混合粉末を空気中1000℃で3時間仮焼した。
次に、上記の仮焼した試料を20〜30分間ボールミルにより粉砕した後、一軸加圧によりペレットを得、これを空気中1200℃で24時間焼成した。
さらに、この焼成物を20〜30分間ボールミルにより粉砕した後、一軸加圧によりペレットを得、これを空気中1400℃で10時間焼結した。
仮焼、焼成および焼結の温度プログラムは、次の通りとした。(1)常温から3時間かけて仮焼温度、焼成温度または焼結温度に昇温し、(2)その温度で所定時間保持し、(3)3時間かけて50℃まで降温した。
焼結温度を表1に示す。
<BVSの空間分布の計算>
LaSrGa1120(実施例1−1)の酸化物イオンに対するBVSの空間分布の計算結果を図1に示す。
図1において、等高線は、DBVS(酸化物イオンの理想的なBVS(2)と計算によって得られたBVSの差分(Difference Bond Valence Sum)が−0.6〜0.6v.u.である範囲を0.2v.u.間隔で描いてある。ここでv.u.はvalence unitsである。図中、矢印は酸化物イオンの拡散経路を示す。
BVSの空間分布の計算結果から、LaSrGa1120は酸化物イオン伝導性を有することが示唆された。
<XRPD測定と結晶構造の解析>
実施例1−1〜1−7で得られた各試料のX線粉末回折(XRPD)データを測定した。
X線粉末回折測定装置としては、リガク社製の「RINT2550」またはBruker社の「D8」を用いた。Cu KαのX線を用いた。
実施例1−1〜1−7で得られた各試料のXRPD図形を図2A〜図2Gに示す。
さらに、得られた上記XRPDデータに対して、リートベルト(Rietveld)解析またはLe Bail解析を実施した。
実施例1−1〜1−7で得られた各試料はいずれも、PbGeAl1020型構造(空間群I2/m(12番、C2/mと等価))を持つ単斜相であることが確認された。
実施例1−1で得られたLaSrGa1120の精密化した結晶構造を図3に示す。
LaSrGa1120は、図中黒色で示されるGaO八面体、図中灰色で示されるGaO四面体、図中黒色球で示されるSr、および図中白黒球で示される(La,Sr)からなる結晶構造を有していることが分かった。
LaSrGa1120は、結晶構造内に、互いに稜共有してc軸に沿って連結した複数のGaO八面体と、互いに点共有して連結した複数のGaO四面体とを有することが分かった。
複数のGaO八面体の稜、および/またはGaO八面体と点共有して連結した複数のGaO四面体の稜に沿って、酸化物イオンが伝導すると推測される。かかる構造においては、結晶構造内に隙間があり、格子間酸素を介した酸化物イオン伝導も起こりうる。
La/Srモル比を変えた実施例1−2〜1−7においても、精密化した結晶構造は実施例1−1(図3)と同様であり、同型の結晶構造が形成されることが分かった。
実施例1−1〜1−7で得られた各試料の空間群、構造型、BX配位多面体の種類、およびBのXとの配位数を表2に示す。ここで、BはGaであり、XはOであり、nは6、4またはこれらに近い値である。
表2には、本発明に係る結晶性無機化合物の番号との対応についても合わせて示してある。たとえば、表中の「本発明の化合物対応番号」の欄に「1」とあれば、当該化合物が本明細書に記載の「本発明に係る第1の結晶性無機化合物」に該当する(他の番号についても、同様。)。
また、実施例1−1〜1−7で得られた各試料の格子定数と格子体積を表3に示す。ただし、これらの格子定数と格子体積は空間群I2/mに基づいている。また、対応する既約格子定数と既約格子体積を表4に示す。
<全電気伝導度および酸化物イオン伝導度の評価>
実施例1−1〜1−7で得られた各試料(直径約5mmφの焼結体および直径約20mmφの焼結体)について、直流四端子法および交流四端子法 (500〜1200℃)により全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1))を測定した。
また、実施例1−1で得られたLaSrGa1120試料、1−3で得られたLa0.99Sr2.01Ga1119.995試料、および1−5で得られたLa1.02Sr1.98Ga1120.01試料について、全電気伝導度の900℃における酸素分圧依存性を測定した。酸素分圧(P(O))を0.2〜4×10−4atmの範囲内で変化させたときの全電気伝導度を測定した。
実施例1−1〜1−7で得られた各試料の全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1))の測定結果(アレニウスプロット)を図4A〜図4Gに示す。
実施例1−1、1−3および1−5で得られた各試料の全電気伝導度の900℃における酸素分圧依存性をそれぞれ図5A、図5Bおよび図5Cに示す。
図5A、図5Bおよび図5Cに示すように、酸素分圧(P(O))が0.2〜4×10−4atmの範囲内において、LaSrGa1120、La0.99Sr2.01Ga1119.995、およびLa1.02Sr1.98Ga1120.01の全電気伝導度(log(σtotal (S cm-1)))は酸素分圧(P(O))に殆ど依存しないことが分かった。この酸素分圧の範囲内において、電気伝導のキャリアは酸化物イオンであり、全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1)))は酸化物イオン伝導度(log(σion(S cm-1)))と実質的に同じ値であることが分かった。すなわち、LaSrGa1120、La0.99Sr2.01Ga1119.995、およびLa1.02Sr1.98Ga1120.01は、上記酸素分圧の範囲内では純酸化物イオン伝導体であることが分かった。
他の実施例についても、同型の結晶構造を有し、化学組成が類似しているので、全電気伝導度の酸素分圧依存性は実施例1−1、1−3および1−5と同様であり、酸素分圧(P(O))が0.2〜4×10−4atmの範囲内において、全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1)))は酸化物イオン伝導度(log(σion(S cm-1)))と実質的に同じ値であると考えられる。
実施例1−1〜1−7で得られた各試料の852〜857℃または900℃における全電気伝導度(=酸化物イオン伝導度)の測定結果を表5に示す。
(実施例1−8)
原料組成と焼結温度を変えた以外は実施例1−1〜1−7と同様にして、固相反応法により表1に示す組成のセラミック焼結体(LaSrGa10.9Mg0.119.95)を得た。前出の出発原料に加えてMgO(純度99.9%)を出発原料として用いてLaSrGa10.9Mg0.119.95を合成した。焼結温度は1300℃である。
<XRPD測定と結晶構造の解析>
得られたLaSrGa10.9Mg0.119.95試料について、実施例1−1〜1−7と同様にして、X線粉末回折(XRPD)測定および結晶構造解析を実施した。
XRPD図形を図2Hに示す。
得られたLaSrGa10.9Mg0.119.95試料は、PbGeAl1020型構造(空間群I2/m(12番、C2/mと等価))を持つ単斜相であることが確認された。
実施例1−8で得られた試料においても、精密化した結晶構造は実施例1−1(図3)と同様であり、同型の結晶構造が形成されることが分かった。
得られたLaSrGa10.9Mg0.119.95試料の空間群、構造型、BX配位多面体の種類、およびBのXとの配位数を表2に示す。ここで、BはGaおよびMgであり、XはOであり、nは6、4またはこれらに近い値である。
また、得られたLaSrGa10.9Mg0.119.95試料の格子定数と格子体積を表3に示す。ただし、この格子定数と格子体積は空間群I2/mに基づいている。また、対応する既約格子定数と既約格子体積を表4に示す。
<全電気伝導度(酸化物イオン伝導度)の評価>
実施例1−8で得られたLaSrGa10.9Mg0.119.95試料について、実施例1−1〜1−7と同様にして、全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1))を測定した。
全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1))の測定結果(アレニウスプロット)を図4Hに示す。
得られた試料の789℃における全電気伝導度(=酸化物イオン伝導度)の測定結果を表5に示す。
なお、この実施例についても、実施例1−1、1−3および1−5と同型の結晶構造を有するので、全電気伝導度の酸素分圧依存性は実施例1−1、1−3および1−5と同様であり、酸素分圧(P(O))が0.2〜4×10−4atmの範囲内において、全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1)))は酸化物イオン伝導度(log(σion(S cm-1)))と実質的に同じ値であると考えられる。
(実施例2−1〜2−4)
原料組成と焼結温度を変えた以外は実施例1−1〜1−7と同様にして、固相反応法により表1に示す化学組成のPrSrGa1120、NdSrGa1120、LaBaGa1120、およびNdBaGa1120のセラミック焼結体を得た。これらの化合物は過去に報告が無い新物質である。
前出の出発原料に加えて、Pr11(純度99.95%)、Nd(純度99.95%)およびBaCO(純度99.9%)を出発原料として用いた。
焼結温度は表1に示す。
<XRPD測定と結晶構造の解析>
実施例2−1〜2−4で得られた各試料について、実施例1−1〜1−7と同様にして、X線粉末回折(XRPD)測定および結晶構造解析を実施した。
実施例2−1〜2−4で得られた各試料のXRPD図形を図6A〜図6Dに示す。
得られた試料はいずれも、PbGeAl1020型構造(空間群I2/m(12番、C2/mと等価))を持つ単斜相であることが確認された。
実施例2−1で得られたPrSrGa1120試料のXRPDデータのリートベルト解析図形を図7Aに示す。
実施例2−2で得られたNdSrGa1120試料のXRPDデータのLe Bail解析図形を図7Bに示す。
実施例2−3で得られたLaBaGa1120試料のXRPDデータのリートベルト解析図形を図7Cに示す。
実施例2−4で得られたNdBaGa1120試料のXRPDデータのLe Bail解析図形を図7Dに示す。
実施例2−1で得られたPrSrGa1120の精密化した結晶構造を図8に示す。
PrSrGa1120は、実施例1−1〜1−7と同様に、図中黒色で示されるGaO八面体、図中灰色で示されるGaO四面体、図中黒色球で示されるSr、および図中白黒球で示される(Pr,Sr)からなる結晶構造を有していることが分かった。
PrSrGa1120は、実施例1−1〜1−7と同様に、結晶構造内に、互いに稜共有してc軸に沿って連結した複数のGaO八面体と、互いに点共有して連結した複数のGaO四面体とを有することが分かった。
実施例1−1〜1−7と同様に、GaO八面体および/またはGaO四面体の稜に沿って、酸化物イオンが伝導すると推測される。かかる構造においては、結晶構造内に隙間があり、格子間酸素を介した酸化物イオン伝導も起こりうる。
実施例2−1〜2−4で得られた各試料においても、精密化した結晶構造は実施例1−1(図3)と同様であり、同型の結晶構造が形成されることが分かった。
実施例1−1〜1−7および2−1と同様に、GaO八面体および/またはGaO四面体の稜に沿って、酸化物イオンが伝導すると推測される。かかる構造においては、結晶構造内に隙間があり、格子間酸素を介した酸化物イオン伝導も起こりうる。
実施例2−1〜2−4で得られた各試料の空間群、構造型、BX配位多面体の種類、およびBのXとの配位数を表2に示す。ここで、BはGaであり、XはOであり、nは6、4またはこれらに近い値。
また、実施例2−1〜2−4で得られた各試料の格子定数と格子体積を表3に示す。ただし、この格子定数と格子体積は空間群I2/mに基づいている。また、対応する既約格子定数と既約格子体積を表4に示す。
<全電気伝導度(酸化物イオン伝導度)の評価>
実施例2−1〜2−3で得られた各試料について、実施例1−1〜1−7と同様にして、全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1))を測定した。
また、実施例2−1、2−2、および2−3で得られた各試料について、それぞれ温度を817℃、802℃、および819℃で一定にしたときの全電気伝導度の酸素分圧依存性を測定した。酸素分圧(P(O))を0.2〜4×10−4atm範囲内で変化させたときの全電気伝導度を測定した。
実施例2−1〜2−3で得られた各試料の全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1))の測定結果(アレニウスプロット)を図9A〜図9Cに示す。
実施例2−1で得られたPrSrGa1120試料の全電気伝導度の817℃における酸素分圧依存性を図10Aに示す。実施例2−2で得られたNdSrGa1120試料の全電気伝導度の802℃における酸素分圧依存性を図10Bに示す。実施例2−3で得られたLaBaGa1120試料の全電気伝導度の819℃における酸素分圧依存性を図10Cに示す。
図10A〜図10Cに示すように、酸素分圧(P(O))が0.2〜4×10−4atmの範囲内において、実施例2−1〜2−3で得られた各試料の全電気伝導度(log(σtotal (S cm-1)))は酸素分圧(P(O))に殆ど依存しないことが分かった。この酸素分圧の範囲内において、電気伝導のキャリアは酸化物イオンであり、全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1)))は酸化物イオン伝導度(log(σion(S cm-1)))と実質的に同じ値であることが分かった。すなわち、実施例2−1〜2−3で得られた各試料は、上記酸素分圧の範囲内では純酸化物イオン伝導体であることが分かった。
得られた各試料の約920℃における全電気伝導度(=酸化物イオン伝導度)の測定結果を表5に示す。
実施例2−4で得られた試料は実施例1−1(図3)〜1−7および2−1〜2−3と同型の結晶構造を有するので、実施例1−1〜1−7および2−1〜2−3と同様、酸化物イオン伝導性を有すると考えられる。
(実施例3−1〜3−3)
原料組成と焼結温度を変えた以外は実施例1−1〜1−7と同様にして、固相反応法により表1に示す化学組成のBaSnGa1020、BaGeGa1020、およびSrGeGa1020のセラミック焼結体を得た。前出の出発原料に加えて、SnO(純度99.9%)およびGeO(純度99.99%)を出発原料として用いた。焼結温度は表1に示す。
<XRPD測定と結晶構造の解析>
実施例3−1〜3−3で得られた各試料について、実施例1−1〜1−7と同様にして、X線粉末回折(XRPD)測定および結晶構造解析を実施した。
実施例3−1〜3−3で得られた各試料のXRPD図形を図11A〜図11Cに示す。
得られた試料はいずれも、PbGeAl1020型構造(空間群I2/m(12番、C2/mと等価))を持つ単斜相であることが確認された。
実施例3−1〜3−3で得られた各試料においても、精密化した結晶構造は実施例1−1(図3)と同様であり、同型の結晶構造が形成されることが分かった。
実施例3−1〜3−3で得られた各試料の空間群、構造型、BX配位多面体の種類、およびBのXとの配位数を表2に示す。ここで、BはGaであり、SnまたはGeであり、XはOであり、nは6、4またはこれらに近い値である。
また、得られた試料の格子定数と格子体積を表3に示す。ただし、この格子定数は空間群I2/mに基づいている。また、対応する既約格子定数と既約格子体積を表4に示す。
得られた試料はいずれも実施例1−1(図3)と同型の結晶構造を有するので、実施例1−1と同様、酸化物イオン伝導性を有すると考えられる。
実施例1−1〜1−7および2−1〜2−4と同様に、GaO八面体および/またはGaO四面体の稜に沿って、酸化物イオンが伝導すると推測される。かかる構造においては、結晶構造内に隙間があり、格子間酸素を介した酸化物イオン伝導も起こりうる。
<全電気伝導度(酸化物イオン伝導度)の評価>
実施例3−1〜3−3で得られた各試料について、実施例1−1〜1−7と同様にして、全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1))の温度依存性を測定した。
また、実施例3−1〜3−3で得られた各試料について、温度を906℃または909℃で一定にしたときの全電気伝導度の酸素分圧依存性を測定した。酸素分圧(P(O))を0.2〜4×10−4atmの範囲内で変化させたときの全電気伝導度を測定した。
実施例3−1〜3−3で得られた各試料の全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1))の測定結果(アレニウスプロット)を図12A〜図12Cに示す。
実施例3−1〜3−3で得られた各試料の全電気伝導度の906℃または909℃における酸素分圧依存性を図13A〜図13Cに示す。
図13A〜図13Cに示すように、酸素分圧(P(O))が0.2〜4×10−4atmの範囲内において、実施例3−1〜3−3で得られた各試料の全電気伝導度(log(σtotal (S cm-1)))は酸素分圧(P(O))に殆ど依存しないことが分かった。この酸素分圧の範囲内において、電気伝導のキャリアは酸化物イオンであり、全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1)))は酸化物イオン伝導度(log(σion(S cm-1)))と実質的に同じ値であることが分かった。
以上の結果から、実施例3−1〜3−3で得られた各試料は、純酸化物イオン伝導体であることが分かった。
(実施例4−1)
以下のようにして、固相反応法により表1に示す組成のセラミック焼結体(SrGa1219)を得た。
SrCO粉末(純度99.9%)およびGa粉末(純度99.9%)を、所望組成となるように、秤量し混合した。得られた混合粉末を空気中1000℃で12時間仮焼した。次に、上記の仮焼した試料を20分間ボールミルにより300rpmで粉砕した後、一軸加圧によりペレットを得、これを1200℃で24時間焼結した。
(実施例4−2)
以下のようにして、固相反応法により表1に示す組成のセラミック焼結体(SrGa)を得た。
SrCO粉末(純度99.9%)およびGa粉末(純度99.9%)を、所望組成となるように、秤量し混合した。得られた混合粉末を空気中800℃で12時間仮焼した。次に、上記の仮焼した試料に対して、メノウ乳鉢中でエタノールを用いた湿式混合と乾式混合を合計約2時間行った。その後、一軸加圧によりペレットを得、これを空気中1000℃で6時間焼結した。
(実施例4−3)
以下のようにして、固相反応法により表1に示す組成のセラミック焼結体(SrGa)を得た。
SrCO粉末(純度99.9%)およびGa粉末(純度99.9%)を、所望組成となるように秤量した。秤量した粉末に対して、メノウ乳鉢中でエタノールを用いた湿式混合と乾式混合を合計約2.5時間行った。得られた混合粉末を空気中800℃で3時間仮焼した。
次に、上記の仮焼した試料を20分間ボールミルにより粉砕し、一軸加圧によりペレットを得、これを空気中800℃で6時間焼結した。
さらに、焼結した上記ペレットを砕き、20分間ボールミルにより粉砕し、一軸加圧によりペレットを得、これを空気中1000℃で6時間焼結した。
さらに、上記の焼結したペレットを砕き、20分間ボールミルにより粉砕し、一軸加圧によりペレットを得、これを空気中1300℃で12時間焼結した。
(実施例4−4)
以下のようにして、固相反応法により表1に示す組成のセラミック焼結体(SrGa)を得た。
SrCO粉末(純度99.9%)およびGa粉末(純度99.9%)を、所望組成となるように、秤量し混合した。得られた混合粉末を空気中800℃で21時間仮焼した。
次に、上記の仮焼した試料を20分間ボールミルにより粉砕した後、メノウ乳鉢中でエタノールを用いた湿式混合と乾式混合を合計約1時間半行った。得られた混合粉末を用いて一軸加圧によりペレットを得、これを空気中1100℃で52時間焼成した。
さらに、この焼成した試料を20〜30分間ボールミルにより粉砕した後、メノウ乳鉢中でエタノールを用いた湿式混合と乾式混合を合計約1時間半行った。得られた混合粉末を用いて一軸加圧によりペレットを得、これを空気中1400℃で24時間焼結した。
<BVSの空間分布の計算>
SrGa1219(実施例4−1)の酸化物イオンに対するBVSの空間分布の計算結果を図14Aに示す。図14Aは、SrGa1219のab面(z=0.8)における酸化物イオンに対するBVSの空間分布の計算結果を示す。
SrGa(実施例4−2)の酸化物イオンに対するBVSの空間分布の計算結果を図14Bに示す。図14Bは、SrGaのab面(z=0)における酸化物イオンに対するBVSの空間分布の計算結果を示す。
SrGa(実施例4−3)の酸化物イオンに対するBVSの空間分布の計算結果を図14Cに示す。図14Cは、SrGaのac面(y=0.6)における酸化物イオンに対するBVSの空間分布の計算結果を示す。
SrGa(実施例4−4)の酸化物イオンに対するBVSの空間分布の計算結果を図14Dに示す。図14Dは、SrGaのab面(z=0)における酸化物イオンに対するBVSの空間分布の計算結果を示す。
図14A〜図14Dにおいて、等高線は、DBVS(酸化物イオンの理想的なBVS(2)と計算によって得られたBVSの差分(Difference Bond Valence Sum)が−0.6〜0.6v.u.である範囲を0.2v.u.間隔で描いてある。ここでv.u.はvalence unitsである。図中、矢印は酸化物イオンの拡散経路を示す。
図14A〜図14Dに示すBVSの空間分布の計算結果から、実施例4−1〜4−4の各試料は、酸化物イオン伝導性を有することが示唆された。
<XRPD測定と結晶構造の解析>
実施例4−1〜4−4で得られた各試料について、実施例1−1〜1−7と同様にして、X線粉末回折(XRPD)測定および結晶構造解析を実施した。
実施例4−1〜4−4で得られた各試料のXRPD図形を図15A〜図15Dに示す。
実施例4−1で得られたSrGa1219試料のXRPDデータのLe Bail解析図形を図16Aに示す。
実施例4−2で得られたSrGa試料のXRPDデータのLe Bail解析図形を図16Bに示す。
実施例4−3で得られたSrGa試料のXRPDデータのリートベルト解析図形を図16Cに示す。
実施例4−4で得られたSrGa試料のXRPDデータのLe Bail解析図形を図16Dに示す。
実施例4−1〜4−4で得られた各試料の空間群、構造型、BX配位多面体の種類、およびBのXとの配位数を表2に示す。ここで、BはGaであり、XはOであり、nは6、5、4またはこれらに近い値である。
また、実施例4−1〜4−4で得られた各試料の格子定数と格子体積を表3に示す。ただし、実施例4−1、4−2、4−3、および4−4の格子定数はそれぞれ空間群P6/mmc、単純格子の空間群(P2/c、およびP2/n等)、C2/c、およびP−1に基づいている。また、対応する既約格子定数と既約格子体積を表4に示す。
<全電気伝導度(酸化物イオン伝導度)の評価>
実施例4−1〜4−4で得られた各試料について、実施例1−1〜1−7と同様にして、全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1))の温度依存性を測定した。
実施例4−1で得られたSrGa1219試料について、温度を795℃一定にしたときの全電気伝導度の酸素分圧依存性を測定した。実施例4−2で得られたSrGa試料について、温度を1006℃一定にしたときの全電気伝導度の酸素分圧依存性を測定した。実施例4−3で得られたSrGa試料について、温度を1099℃一定にしたときの全電気伝導度の酸素分圧依存性を測定した。実施例4−4で得られたSrGa試料について、温度を904℃一定にしたときの全電気伝導度の酸素分圧依存性を測定した。
実施例4−1〜4−4で得られた各試料の全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1))の測定結果(アレニウスプロット)を図17A〜図17Dに示す。
実施例4−1で得られたSrGa1219試料の全電気伝導度の795℃における酸素分圧依存性を図18Aに示す。実施例4−2で得られたSrGa試料の全電気伝導度の1006℃における酸素分圧依存性を図18Bに示す。実施例4−3で得られたSrGa試料の全電気伝導度の1099℃における酸素分圧依存性を図18Cに示す。実施例4−4で得られたSrGa試料の全電気伝導度の904℃における酸素分圧依存性を図18Dに示す。
図18Aおよび図18Dに示すように、酸素分圧(P(O))が0.2〜10−1.9atmの範囲内において、実施例4−1と4−4で得られた各試料の全電気伝導度(log(σtotal (S cm-1)))は酸素分圧(P(O))に殆ど依存しないことが分かった。この酸素分圧の範囲内において、電気伝導のキャリアは酸化物イオンであり、全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1)))は酸化物イオン伝導度(log(σion(S cm-1)))と実質的に同じ値であることが分かった。酸素分圧が低いと全電気伝導度が少し高くなることは、電子伝導性の若干の寄与を示唆している。
図18Bに示すように、酸素分圧(P(O))が0.2〜10−2.4atmの範囲内において、実施例4−2で得られた各試料の全電気伝導度(log(σtotal (S cm-1)))は酸素分圧(P(O))に殆ど依存しないことが分かった。この酸素分圧の範囲内において、電気伝導のキャリアは酸化物イオンであり、全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1)))は酸化物イオン伝導度(log(σion(S cm-1)))と実質的に同じ値であることが分かった。
図18Cに示すように、酸素分圧(P(O))が0.2〜10−1.7atmの範囲内において、実施例4−3で得られた各試料の全電気伝導度(log(σtotal (S cm-1)))は酸素分圧(P(O))に殆ど依存しないことが分かった。この酸素分圧の範囲内において、電気伝導のキャリアは酸化物イオンであり、全電気伝導度(log(σtotal(S cm-1)))は酸化物イオン伝導度(log(σion(S cm-1)))と実質的に同じ値であることが分かった。酸素分圧が低いと全電気伝導度が少し高くなることは、電子伝導性の若干の寄与を示唆している。
以上の結果から、実施例4−1〜4−4で得られた各試料は、純酸化物イオン伝導体、酸化物イオン−電子混合伝導体またはn型半導体であることが分かった。
実施例4−1で得られた試料の795℃における全電気伝導度(=酸化物イオン伝導度)の測定結果を表5に示す。実施例4−2で得られた試料の1006℃における全電気伝導度(=酸化物イオン伝導度)の測定結果を表5に示す。実施例4−3で得られた試料の1099℃における全電気伝導度(=酸化物イオン伝導度)の測定結果を表5に示す。実施例4−4で得られた試料の904℃における全電気伝導度(=酸化物イオン伝導度)の測定結果を表5に示す。
(実施例5−1、5−2)
<BVSの空間分布の計算>
BaGa(実施例5−1)の酸化物イオンに対するBVSの空間分布の計算結果を図19Aに示す。図19Aは、BaGaのbc面(x=0)における酸化物イオンに対するBVSの空間分布の計算結果を示す。
BaGa1219(実施例5−2)の酸化物イオンに対するBVSの空間分布の計算結果を図19Bに示す。図19Bは、BaGa1219のab面(z=0.17)における酸化物イオンに対するBVSの空間分布の計算結果を示す。
図19Aおよび図19Bにおいて、等高線は、DBVS(酸化物イオンの理想的なBVS(2)と計算によって得られたBVSの差分(Difference Bond Valence Sum)が−0.6〜0.6v.u.である範囲を0.2v.u.間隔で描いてある。ここでv.u.はvalence unitsである。図中、矢印は酸化物イオンの拡散経路を示す。
図19Aおよび図19Bに示すBVSの空間分布の計算結果から、BaGa(実施例5−1)およびBaGa1219(実施例5−2)は、酸化物イオン伝導性を有することが示唆された。
BaGa(実施例5−1)およびBaGa1219(実施例5−2)の空間群、構造型、BX配位多面体の種類、およびBのXとの配位数を表2に示す。ここで、BはGaであり、XはOであり、nは6、5、4またはこれらに近い値である。
また、BaGa(実施例5−1)およびBaGa1219(実施例5−2)の格子定数と格子体積を表3に示す。ただし、これらの格子定数は表2に記された空間群に基づいている。これらの空間群、構造型、格子定数と格子体積のデータはICSDデータベースのものを用いている。また、対応する既約格子定数と既約格子体積を表4に示す。
本発明の結晶性無機化合物はたとえば、固体酸化物形燃料電池、センサ、電池、電極、電解質、酸素濃縮器、酸素分離膜、酸素透過膜、触媒、光触媒、電気・電子・通信機器、エネルギー・環境関連用機器、および光学機器等に利用することができる。

Claims (8)

  1. BX八面体、BX四面体、他のBX多面体、およびBX多角形(式中、各略号は以下の通りである。BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。Xは、1種以上の陰イオンである。nは正の実数である。)からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造を含む結晶性無機化合物からなり、陰イオン、陽イオン、プロトン、電子および正孔からなる群より選ばれた1種以上のキャリアが伝導可能な、固体酸化物形燃料電池、センサ、電池、電極、電解質、酸素濃縮器、酸素分離膜、酸素透過膜、または電気・電子・通信機器用の電気伝導体であって、
    前記結晶性無機化合物は、
    互いに稜共有した複数のBX八面体を含み、
    下記一般式(I)で表され、
    既約格子定数(reduced cell parameters)ar〜crおよびαr〜γrが以下の数値範囲内である、
    電気伝導体。
    ・・・(I)
    (式中、各略号は以下の通りである。
    AはAサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
    BはBサイトのイオンであり、1種以上の陽イオンである。
    Xは、1種以上の陰イオンである。
    xは、2.5±2.0の範囲内の数値である。
    yは、11±3の範囲内の数値である。
    zは、20±6の範囲内の数値である。
    Aは、La,Sr,Pr,Nd,およびBaからなる群より選ばれた1種以上の元素のイオンを含む。
    Bは、Ga, Mg, Sn, およびGeからなる群より選ばれた1種以上の元素のイオンを含む。
    Xは、Oイオンを含む。)
    (既約格子定数)
    ar=5.06±0.5Å、
    br=9.61±0.5Å、
    cr=9.61±0.5Å、
    αr=74.31±10°、
    βr=75.63±10°、
    γr=75.63±10°。
    ar、br、crはそれぞれ、既約格子のa軸長、b軸長、c軸長である。
    αrは、既約格子のb軸とc軸がなす角度である。
    βrは、既約格子のa軸とc軸がなす角度である。
    γrは、既約格子のa軸とb軸がなす角度である。
    ただし、arとαrの数値の組、brとβrの数値の組、crとγrの数値の組は互いに入れ替わってもよい。
  2. PbGeAl1020型構造を有する、請求項1に記載の電気伝導体。
  3. 晶構造内にさらに、BX八面体以外のBX多面体および/またはBX多角形を含む、請求項1または2に記載の電気伝導体。
  4. Aは、Xとの配位数が4〜12である1種以上の陽イオンを含み、
    Bは、Xとの配位数が4及び6である1種以上の陽イオンを含む、
    請求項1〜のいずれかに記載の電気伝導体。
  5. Aは、
    Xとの配位数が4〜12である1種以上の第1の陽イオンと、
    Xとの配位数が4〜12であり、前記第1の陽イオンとは平均イオン半径および/または平均価数の異なる1種以上の第2の陽イオンとを含み、
    Bは、Xとの配位数が4及び6である1種以上の陽イオンを含む、
    請求項1または2に記載の電気伝導体。
  6. 前記第1の陽イオンは1種以上の希土類元素のイオンを含み、
    前記第2の陽イオンは1種以上の2族元素のイオンを含み、
    Bは1種以上の13族元素のイオンを含む、
    請求項に記載の電気伝導体。
  7. Aは1種以上の2族元素のイオンを含み、
    Bは1種以上の13族元素のイオンを含む、
    請求項1〜のいずれかに記載の電気伝導体。
  8. Aは1種以上の2族元素のイオンを含み、
    Bは1種以上の13族元素のイオンと、1種以上の14族元素または4族元素のイオンとを含む、
    請求項1または2に記載の電気伝導体。
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