JP6447679B2 - 蛍光色素内包樹脂粒子および該蛍光色素内包樹脂粒子を含む組織多重染色用蛍光色素内包樹脂粒子セット - Google Patents
蛍光色素内包樹脂粒子および該蛍光色素内包樹脂粒子を含む組織多重染色用蛍光色素内包樹脂粒子セット Download PDFInfo
- Publication number
- JP6447679B2 JP6447679B2 JP2017149795A JP2017149795A JP6447679B2 JP 6447679 B2 JP6447679 B2 JP 6447679B2 JP 2017149795 A JP2017149795 A JP 2017149795A JP 2017149795 A JP2017149795 A JP 2017149795A JP 6447679 B2 JP6447679 B2 JP 6447679B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluorescent dye
- particles
- containing resin
- fluorescent
- resin particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
Description
[項1]
1個の樹脂粒子中に赤色蛍光色素、緑色蛍光色素及び青色蛍光色素の2種又は3種の蛍光色素を内包する蛍光色素内包樹脂粒子。
前記蛍光色素の蛍光スペクトルのピークの波長の半値幅がいずれも90nm以下である、項1に記載の蛍光色素内包樹脂粒子。
前記蛍光色素内包樹脂粒子の平均粒径が10nm以上150nm以下である、項1又は2に記載の蛍光色素内包樹脂粒子。
前記蛍光色素内包樹脂粒子の母体がメラミン樹脂又はポリスチレン樹脂である、項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光色素内包樹脂粒子。
蛍光色素内包樹脂粒子を2種以上含み、該蛍光色素内包樹脂粒子の少なくとも1種が項1〜4のいずれか一項に記載の蛍光色素内包樹脂粒子である、組織多重染色用蛍光色素内包樹脂粒子セット。
組織標本中の2種以上の検出対象物質のそれぞれに対して、検出対象物質と、該検出対象物質を特異的に捕捉する物質と、蛍光色素内包樹脂粒子を結合させる組織多重染色法であって、
(1)前記蛍光色素内包樹脂粒子の少なくとも1種が項1〜4のいずれか一項に記載の蛍光色素内包樹脂粒子であり、
(2)前記組織標本に、前記蛍光色素内包樹脂粒子に内包される全ての蛍光色素の励起波長の光を同時に照射し、
(3)前記組織標本から、前記蛍光色素内包樹脂粒子に内包される全ての蛍光色素の蛍光波長の光を同時に検出する、
組織多重染色法。
前記検出対象物質を特異的に捕捉する物質が抗体である、項6に記載の組織多重染色法。
前記検出対象物質を特異的に捕捉する物質がヌクレオチド鎖である、項6に記載の組織多重染色法。
蛍光in situハイブリダイゼーション法で実施する項8に記載の組織多重染色法。
1.蛍光色素内包樹脂粒子
本発明の蛍光色素内包樹脂粒子は、
『1個の樹脂粒子中に赤色蛍光色素、緑色蛍光色素及び青色蛍光色素の2種又は3種の蛍
光色素を内包する蛍光色素内包樹脂粒子』
である。
蛍光色素内包樹脂粒子は、樹脂でできた粒子(樹脂粒子)を母体とし、この中に蛍光色素の分子が内包されたものである。すなわち、蛍光色素の分子が、化学結合、電気的な引力、物理的な包含、吸着、その他により、母体とする樹脂粒子に内包されたものである。
1個の樹脂粒子中に内包させる蛍光色素は、赤色蛍光色素、緑色蛍光色素及び青色蛍光色素の2種又は3種である。このように、赤色蛍光色素、緑色蛍光色素及び青色蛍光色素の2種又は3種を1個の樹脂粒子中に内包させ、これらの色素を同時に励起し、これらの色素から発光する蛍光を同時に検出することによって、これらの蛍光が混合された色の蛍光が1個の樹脂粒子から発光することになる。
なお、前記でも記載したように、本発明の蛍光色素内包樹脂粒子を用いて多重染色を行う場合、用いた蛍光色素内包樹脂粒子に内包された全ての色素を同時に励起できるフィルターと全ての色素の蛍光を同時に検出できるフィルターの2枚のフィルターで、多重染色に用いた全ての蛍光色素内包樹脂粒子が発光する蛍光を検出できるという効果が得られる。この場合、多重染色で用いる蛍光色素内包樹脂粒子の間で同じ色の蛍光色素が内包されている場合は、その色の蛍光色素は同じ蛍光色素であることが必要である(例えば、多重染色で、赤色蛍光色素と緑色蛍光色素を内包する蛍光色素内包樹脂粒子と緑色蛍光色素と青色蛍光色素を内包する蛍光色素内包樹脂粒子を用いる場合は、共通して内包されている緑色蛍光色素は同じ蛍光色素であることが必要である。)
蛍光色素内包樹脂粒子の製造方法は、特に限定されるものではなく、前記の樹脂粒子に対応する原料及び前記の蛍光色素を用いて、通常用いられている方法で製造することができる。例えば、樹脂粒子の原料である樹脂のモノマーに蛍光色素分子を結合させた後に重合し粒子を合成する方法、重合した樹脂の粒子に蛍光色素を吸着又は結合させて導入する方法、樹脂のモノマーと蛍光色素とを混合して重合と蛍光色素の結合を同時に行う方法等がある。これらの方法で製造した蛍光色素内包ナノ粒子は、通常、1粒子中に複数個の蛍光色素分子が内包される。
本発明の蛍光色素樹脂粒子は、内包させた2種又は3種の蛍光色素の蛍光を混合して、企図した色の蛍光をその蛍光色素内包樹脂粒子から発光させるために、前記の通り、これらの色素を同時に励起し、これらの色素の蛍光を同時に検出することが必要である。内包させた色素を別々に励起し、別々にその蛍光を観察するのでは、1個の蛍光色素内包樹脂粒子に内包させた2種又は3種の蛍光色素の蛍光の混合が起こらず、その蛍光色素内包樹脂粒子から発光する蛍光は、企図した色にならない。
本発明の組織多重染色用蛍光色素内包樹脂粒子セットは、
『蛍光色素内包樹脂粒子を2種以上含み、該蛍光色素内包樹脂粒子の少なくとも1種が項1〜4のいずれか一項に記載の蛍光色素内包樹脂粒子である、組織多重染色用蛍光色素内包樹脂粒子セット。』
である。
蛍光色素内包樹脂粒子を用いた組織多重染色法については、次に記載する。
本発明の組織多重染色方法は、
『組織標本中の2種以上の検出対象物質のそれぞれに対して、検出対象物質と、該検出対象物質を特異的に捕捉する物質と、蛍光色素内包樹脂粒子を結合させる組織多重染色法であって、
(1)前記蛍光色素内包樹脂粒子の少なくとも1種が項1〜4のいずれか一項に記載の蛍光色素内包樹脂粒子であり、
(2)前記組織標本に、前記蛍光色素内包樹脂粒子に内包される全ての蛍光色素の励起波長の光を同時に照射し、
(3)前記組織標本から、前記蛍光色素内包樹脂粒子に内包される全ての蛍光色素の蛍光波長の光を同時に検出する、
組織多重染色法。』
である。
組織標本としては、多重染色が行われる生物試料の組織であれば特に制限はなく、また、血液細胞等の細胞も使用可能である。通常は、採取した生物試料から公知の方法によって調整した、パラフィン包埋切片、その他の組織切片が用いられる。
多重染色の対象である検出対象物質としては、検出対象組織に含まれている物質を、多重染色の目的に応じて、2種以上、選べばよい。
検出対象物質を捕捉する物質は、検出対象物質と特異的に結合する物質であって、例えば、検出対象物質がタンパク質、ポリペプチド、糖等の場合にはその抗体、検出対象物質が糖鎖を含む物質の場合にはこれと結合するレクチン、検出対象物質が核酸の場合にはこれとハイブリダイズするDNA配列又はRNA配列が挙げられる。これらの検出対象物質を捕捉する物質は、通常の方法を用いて取得することができる。
組織多重染色法で用いる蛍光色素内包樹脂粒子は、そのうちの少なくとも1種は本発明の蛍光色素内包樹脂粒子であり、その説明は前記に記載した通りである。目的とする組織多重染色に応じて、蛍光色素内包樹脂粒子の種類の数、平均粒子径、発光する蛍光の色、その他必要な条件を満たすものを選ぶこと、1枚のフィルターで多重染色に用いた全ての蛍光色素を同時に励起し、1枚のフィルターでこれらの蛍光色素の全ての蛍光を検出するために、蛍光色素内包樹脂粒子に内包させる赤色蛍光色素、緑色蛍光色素、青色蛍光色素は、それぞれの蛍光色素内包樹脂粒子間で、同じ色素であることが必要であること、等も前記で記載した通りである。
以下、蛍光色素内包樹脂粒子を「標識物質」ともいい、検出対象物質と、該検出対象物質を特異的に捕捉する物質と、蛍光色素内包樹脂粒子が結合したものを「検出対象物質−捕捉物質−標識物質結合体」ともいう。
検出対象物質−捕捉物質−標識物質結合体が作成された組織標本に対して、標識物質(蛍光色素内包樹脂粒子)に内包させた全ての赤色蛍光色素、緑色蛍光色素及び青色蛍光色素の励起波長の光を同時に照射する(内包させた蛍光色素が2種の場合は、2種の色素の励起波長の光を同時に照射する)。このために使用するフィルターについても、前記で説明した通りであり、例えば、420nm(青色蛍光励起波長)、490nm(緑色蛍光励起波長)、580nm(赤色蛍光励起波長)を同時に透過させることのできるFF01-407/494/576-25(Semrock製)を、励起用フィルターとして、用いることができる。
光源、その他の励起光の照射装置についても、通常使われているものが用いられる。
前記の励起光の照射によって組織標本から発光される全ての蛍光、すなわち標識物質(蛍光色素内包樹脂粒子)に内包させた全ての赤色蛍光色素、緑色蛍光色素及び青色蛍光色素の蛍光波長の光、を同時に検出する(内包させる蛍光色素が2種の場合は、2種の色素の蛍光波長の光を同時に検出する)。このために使用するフィルターについても、前記で説明した通りであり、例えば、450nm(青色蛍光検出波長)、520nm(緑色蛍光検出波長)、610nm(青色蛍光検出波長)を同時に透過させることのできるFF01-457/530/628-25(Semrock製)を、蛍光検出用フィルターとして、用いることができる。
受光装置、蛍光顕微鏡等についても、通常使われているものが用いられる。
[実施例1](蛍光in situハイブリダイゼーション用の種々の色の蛍光色素内包樹脂粒子の作製)
(1)粒子1−1:赤色メラミン粒子の作製
蛍光色素として赤色発光色素であるSulfoRhodamine101(シグマアルドリッチ社製)14.4mgを水22mLに加えて溶解した。その後、この溶液に乳化重合用乳化剤のエマルジョン(登録商標)430(ポリオキシエチレンオレイルエーテル、花王社製)の5%水溶液を2mL加えた。この溶液をホットスターラー上で撹拌しながら70℃まで昇温させた後、この溶液にメラミン樹脂原料ニカラックMX−035(日本カーバイド工業社製)を0.65g加えた。
蛍光色素として赤色発光色素であるSulfoRhodamine101(シグマアルドリッチ社製)9.6mgと緑色発光色素であるpyromethene556(Exciton社製)4.8mgを水22mLに加えて溶解した。その後は、赤色メラミン粒子と同様に粒子を作製した。
MET遺伝子に結合するDNAプローブは、フナコシ社よりBACプローブを購入して用いた。粒子への結合は赤色粒子と同様に行なった。
蛍光色素として赤色発光色素であるSulfoRhodamine101(シグマアルドリッチ社製)7.2mgと緑色発光色素であるpyromethene556(Exciton社製)7.2mgを水22mLに加えて溶解した。その後は、赤色メラミン粒子と同様に粒子を作製した。
P53遺伝子に結合するDNAプローブは、フナコシ社よりBACプローブを購入して用いた。粒子への結合は赤色粒子と同様に行なった。
蛍光色素して赤色発光色素であるSulfoRhodamine101(シグマアルドリッチ社製)9.6mgと青色発光色素であるCyto415,carboxylic acid(cytodiagnostics社製)4.8mgを水22mLに加えて溶解した。その後は、赤色メラミン粒子と同様に粒子を作製した。
RB−1遺伝子に結合するDNAプローブは、フナコシ社よりBACプローブを購入して用いた。粒子への結合は赤色粒子と同様に行なった。
蛍光色素として赤色発光色素であるSulfoRhodamine101(シグマアルドリッチ社製)7.2mgと青色発光色素であるCyto415,carboxylic acid(cytodiagnostics社製)7.2mgを水22mLに加えて溶解した。その後は、赤色メラミン粒子と同様に粒子を作製した。
MYC遺伝子に結合するDNAプローブは、フナコシ社よりBACプローブを購入して用いた。粒子への結合は赤色粒子と同様に行なった。
蛍光色素として緑色発光色素であるpyromethene556(Exciton社製)14.4mgを水22mに加えて溶解した。その後は、赤色メラミン粒子と同様に粒子を作製した。
TOP2A遺伝子に結合するDNAプローブは、フナコシ社よりBACプローブを購入して用いた。粒子への結合は赤色粒子と同様に行なった。
蛍光色素として赤色発光色素であるSulfoRhodamine101(シグマアルドリッチ社製)4.8mgと縁色発光色素であるpyromethene556(Exciton社製)9.6mgを水22mLに加えて溶解した。その後は、赤色メラミン粒子と同様に粒子を作製した。
EGFR遺伝子に結合するDNAプローブは、フナコシ社よりBACプローブを購入して用いた。粒子への結合は赤色粒子と同様に行なった。
蛍光色素として緑色発光色素であるpyromethene556(Exciton社製)9.6mgと青色発光色素であるCyto415,carboxylic acid(cytodiagnostics社製)4.8mgを水22mLに加えて溶解した。その後は、赤色メラミン粒子と同様に粒子を作製した。
ヒト第17番染色体セントロメアに結合するDNAプローブは、フナコシ社よりBACプローブを購入して用いた。粒子への結合は赤色粒子と同様に行なった。
蛍光色素として緑色発光色素であるpyromethene556(Exciton社製)7.2mgと青色発光色素であるCyto415,carboxylic acid(cytodiagnostics社製)7.2mgを水22mLに加えて溶解した。その後は、赤色メラミン粒子と同様に粒子を作製した。
ヒト第7番染色体セントロメアに結合するDNAプローブは、フナコシ社よりBACプローブを購入して用いた。粒子への結合は赤色粒子と同様に行なった。
蛍光色素として青色発光色素であるCyto415,carboxylic acid(cytodiagnostics社製)14.4mgを水22mに加えて溶解した。その後は、赤色メラミン粒子と同様に粒子を作製した。
粒子1−1〜1−10の内容をまとめると表1の通りである。
表1に記した粒子を用いてFISHを行なった。ヒトの乳がん組織切片を用いて染色した。(染色は常光社HER2ヒストラFISHキットの染色法に準じて染色を行なった。)観察の際には、励起波長が420、490、580nmを同時に励起できるフィルター(FF01-407/494/576-25(Semrock製))を用い、発光波長(蛍光波長)として、450、520、610nmを同時に検出できるフィルター(FF01-457/530/628-25(Semrock製))を用いた。これにより、粒子1−1〜1−10の10種の発光色の異なる粒子を同時に観察する事ができた。例えば、癌の増殖や分子標的薬の奏効率に関係する、HER2(粒子1−1赤色)、TOP2A(粒子1−6緑色)、RB−1(粒子1−4ピンク色)、EGFR(粒子1−7黄緑色)、P53(粒子1−3黄色)の欠損を、同時に確認できた。この際、17番染色体(粒子1−8青緑色)の増殖の有無を確認し、染色体自体の増幅では無く、HER等の特定の遺伝子が憎幅あるいは欠損している事を確認した。
上記のように、染色体上の遺伝子の噌幅、欠損を、フィルターの切り替え無しに同時に観察できた。
下記の表2に記した粒子を用いてFISHを行なった。実施例と同様にして、ヒトの乳がん組織切片を用いて染色した。観察の際には、例えば粒子2−1の赤色発光を検出する場合は励起580nm、発光615nmのフィルターを装着して蛍光顕微鏡観察を行なった。粒子2−2の黄色発光色素を検出する場合は励起530nm、発光560nmのフィルターを装着して蛍光顕微鏡観察を行なった。粒子2−1〜2−5と、5種の発光色の異なる粒子を、励起・発光(蛍光)フィルターをそれぞれ変更して観察するため、観察が煩雑であった。また、例えば、赤色と黄色と緑色の発光色の樹脂粒子では、それぞれ励起・発光(蛍光)フィルターが異なるため、同時に観察する事ができなかった。
(1)粒子3−1:赤色メラミン粒子の作製
粒子1−1と同様にして赤色メラミン粒子を作製し、表面修飾を行ない、末端にマレイミド基を結合させた。一方、抗HER2抗体に、N−succinimidyl S−acetylthioacetate(SATA)にてチオール基付加処理を行ったのち、ゲルろ過カラムによるろ過を行い、チオール基が付加した抗HER2抗体溶液を得た。これと前記の赤色粒子を混合して反応させた。反応後、遠心分離と分散による粒子の洗浄を3回行ない、抗HER2抗体修飾赤色メラミン粒子を得た。
粒子1−2と同様にして橙色メラミン粒子を作製し、表面修飾を行ない、末端にマレイミド基を結合させた。これに粒子3−1と同様の手順で抗体を結合させ、抗MET抗体修飾橙色メラミン粒子を得た。
粒子1−3と同様にして黄色メラミン粒子を作製し、表面修飾を行ない、末端にマレイミド基を結合させた。これに粒子3−1と同様の手順で抗体を結合させ、抗P53抗体修飾黄色メラミン粒子を得た。
粒子1−4と同様にしてピンク色メラミン粒子を作製し、表面修飾を行ない、末端にマレイミド基を結合させた。これに粒子3−1と同様の手順で抗体を結合させ、抗HER2抗体修飾ピンク色メラミン粒子を得た。
粒子1−5と同様にして赤紫色メラミン粒子を作製し、表面修飾を行ない、末端にマレイミド基を結合させた。これに粒子3−1と同様の手順で抗体を結合させ、抗MYC抗体修飾赤紫色メラミン粒子を得た。
粒子1−6と同様にして緑色メラミン粒子を作製し、表面修飾を行ない、末端にマレイミド基を結合させた。これに粒子3−1と同様の手順で抗体を結合させ、抗TOP2A抗体修飾緑色メラミン粒子を得た。
粒子1−7と同様にして黄緑色メラミン粒子を作製し、表面修飾を行ない、末端にマレイミド基を結合させた。これに粒子3−1と同様の手順で抗体を結合させ、抗EGFR抗体修飾黄緑色メラミン粒子を得た。
粒子3−1〜3−7の内容をまとめると表4の通りである。
表4に記した粒子を用いて抗体染色を行なった。ヒトの乳がん組織切片を用いて染色した。(染色はダコ社HercepTest IIの染色法に準じて染色を行なった。)観察の際には、励起波長が420、490、580nmを同時に励起できるフィルター(FF01-407/494/576-25(Semrock製))を用い、発光波長(蛍光波長)として、450、520、610nmを同時に検出できるフィルター(FF01-457/530/628-25(Semrock製))を用いた。これにより、粒子3−1〜3−7の7種の発光色の異なる粒子を同時に観察する事ができた。例えば、癌の増殖や分子標的薬の奏効率に関係する、HER2(粒子3−1赤色)、TOP2A(粒子3−6緑色)、RB−1(粒子3−4ピンク色)、EGFR(粒子3−7黄緑色)、P53(粒子3−3黄色)MET(粒子3−2橙色)、EGFR(粒子3−7黄緑色)、MYC(粒子3−5赤紫色)の抗原たんぱくの増加の有無を評価できた。
下記の表5に記した粒子を用いて抗体染色を行なった。実施例と同様にして、ヒトの乳がん組織切片を用いて染色した。観察の際には、例えば粒子4−1の赤色発光を検出する場合は励起580nm、発光615nmのフィルターを装着して蛍光顕微鏡観察を行なった。粒子4−2の黄色発光色素を検出する場合は励起530nm、発光560nmのフィルターを装着して蛍光顕微鏡観察を行なった。粒子4−1〜4−5と、5種の発光色の異なる粒子を、励起・発光(蛍光)フィルターをそれぞれ変更して観察するため、観察が煩雑であった。また、例えば、赤色と黄色と緑色の発光色の樹脂粒子では、それぞれ励起・発光(蛍光)フィルターが異なるため、同時に観察する事ができなかった。
Claims (4)
- 1個の樹脂粒子(母体)中に赤色蛍光色素、緑色蛍光色素及び青色蛍光色素の2種又は3種の蛍光色素(但し、蛍光色素としては下記式(1)で表されるポリアザインダセン染料を除き、蛍光色素が2種であり、かつ2種が共にクマリン染料である場合を除き、蛍光色素が2種であり、かつ1種がクマリン染料であり、他方が下記式(1)で表されるポリアザインダセン染料である場合を除く)を内包し、母体がメラミン樹脂であり、前記各蛍光色素から得られる蛍光色を合成することで蛍光色を調整できる蛍光色素内包樹脂粒子。
- 前記蛍光色素の蛍光スペクトルのピークの波長の半値幅がいずれも90nm以下である、請求項1に記載の蛍光色素内包樹脂粒子。
- 前記蛍光色素内包樹脂粒子の平均粒径が10nm以上150nm以下である、請求項1又は2に記載の蛍光色素内包樹脂粒子。
- 蛍光色素内包樹脂粒子を2種以上含み、該蛍光色素内包樹脂粒子の少なくとも1種が請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光色素内包樹脂粒子である、組織多重染色用蛍光色素内包樹脂粒子セット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017149795A JP6447679B2 (ja) | 2017-08-02 | 2017-08-02 | 蛍光色素内包樹脂粒子および該蛍光色素内包樹脂粒子を含む組織多重染色用蛍光色素内包樹脂粒子セット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017149795A JP6447679B2 (ja) | 2017-08-02 | 2017-08-02 | 蛍光色素内包樹脂粒子および該蛍光色素内包樹脂粒子を含む組織多重染色用蛍光色素内包樹脂粒子セット |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013232098A Division JP6187170B2 (ja) | 2013-11-08 | 2013-11-08 | 蛍光色素内包樹脂粒子、該蛍光色素内包樹脂粒子を含む組織多重染色用蛍光色素内包樹脂粒子セット、及び該蛍光色素内包樹脂粒子を用いた組織多重染色法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017222877A JP2017222877A (ja) | 2017-12-21 |
JP6447679B2 true JP6447679B2 (ja) | 2019-01-09 |
Family
ID=60688073
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017149795A Active JP6447679B2 (ja) | 2017-08-02 | 2017-08-02 | 蛍光色素内包樹脂粒子および該蛍光色素内包樹脂粒子を含む組織多重染色用蛍光色素内包樹脂粒子セット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6447679B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5326692B1 (en) * | 1992-05-13 | 1996-04-30 | Molecular Probes Inc | Fluorescent microparticles with controllable enhanced stokes shift |
JP2009014379A (ja) * | 2007-07-02 | 2009-01-22 | Toppan Printing Co Ltd | 遺伝子解析装置 |
JP5790352B2 (ja) * | 2011-09-09 | 2015-10-07 | コニカミノルタ株式会社 | 蛍光物質内包ナノ粒子およびこれを用いた生体物質の検出方法 |
-
2017
- 2017-08-02 JP JP2017149795A patent/JP6447679B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017222877A (ja) | 2017-12-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6112169B2 (ja) | 生体物質検出用の蛍光標識体 | |
US20200150120A1 (en) | Portable electronic device, system, and method for analyte detection | |
JP7147724B2 (ja) | 組織染色用染色剤、組織染色用染色剤の製造方法および組織染色用染色剤を含む組織染色用キット | |
Bünzli | Lanthanide light for biology and medical diagnosis | |
JP5974892B2 (ja) | 生体物質検出方法 | |
Dey et al. | Quantum dot: Novel carrier for drug delivery | |
Guo et al. | Lanthanide-doped upconverting phosphors for bioassay and therapy | |
JP6236881B2 (ja) | 免疫染色方法、蛍光免疫染色用前処理液および免疫染色用キット | |
Chen et al. | Bright and stable Cy3-encapsulated fluorescent silica nanoparticles with a large Stokes shift | |
Gong et al. | High-performance fluorescence-encoded magnetic microbeads as microfluidic protein chip supports for AFP detection | |
JP6424826B2 (ja) | 組織切片における生体物質の定量法 | |
JP6241239B2 (ja) | 蛍光色素内包ナノ粒子、蛍光色素内包ナノ粒子の製造方法、蛍光標識剤、及び蛍光免疫染色方法 | |
JP6614161B2 (ja) | 蛍光観察に使用する蛍光体集積ナノ粒子 | |
Riccò et al. | Signal enhancement in DNA microarray using dye doped silica nanoparticles: application to human papilloma virus (HPV) detection | |
JP6187170B2 (ja) | 蛍光色素内包樹脂粒子、該蛍光色素内包樹脂粒子を含む組織多重染色用蛍光色素内包樹脂粒子セット、及び該蛍光色素内包樹脂粒子を用いた組織多重染色法 | |
JPWO2015159776A1 (ja) | 蛍光体集積ナノ粒子、これを用いた染色試薬、キットおよび蛍光免疫染色法 | |
Liu et al. | Preparation of fluorescence-encoded microspheres based on hydrophobic conjugated polymer–dye combination and the immunoassay | |
Saleh et al. | New silica and polystyrene nanoparticles labeled with longwave absorbing and fluorescent chameleon dyes | |
JP6447679B2 (ja) | 蛍光色素内包樹脂粒子および該蛍光色素内包樹脂粒子を含む組織多重染色用蛍光色素内包樹脂粒子セット | |
EP4097043A1 (en) | Ultrabright fluorescent nanocomposite structures for enhanced fluorescent bioassays | |
JP6303313B2 (ja) | 水分散液、病理染色液および自動染色装置用の試薬ボトル | |
WO2021186813A1 (ja) | 蛍光ナノ粒子、および蛍光ナノ粒子の製造方法 | |
WO2022264545A1 (ja) | 定量方法および標識方法 | |
JP2023109473A (ja) | 蛍光ナノ粒子 | |
WO2021230134A1 (ja) | 画像形成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180710 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180906 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20181106 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20181119 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6447679 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |