JP6447026B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
このダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図14および図15に示すように構成されている。図14に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
また、トロイダル型無段変速機では、起動時など油圧装置が作動していない場合において、起動時のトラクション面の面圧確保のために予圧となる押圧力を発生させる機構が必要である。
特許文献1に記載の技術では、入力軸の外周に雄ネジを形成し、この雄ネジにローディングナットを螺合させ、このローディングナットと入力側ディスクとの間に皿バネを設け、この皿バネによって予圧を発生させている。
また、特許文献2に記載の技術では、回転軸の外周面に、入力側ディスクから離れる方向への移動を阻止された状態で、油密に外嵌支持された内径側シリンダ環と、この内径側シリンダ環と入力側ディスクとの間に掛け渡された外径側シリンダ環と、この外径側シリンダ環を入力側ディスクに向け押圧するための予圧ばねとを備え、この予圧ばねによって予圧を発生させている。
また、回転軸の外周面に係止凹溝を形成し、この係止凹溝内にコッタの内径側半部を係止するとともに、このコッタを内径側シリンダ環に当接させて、当該内径側シリンダ環が入力側ディスクから離れる方向に移動することを阻止している。
また、前記特許文献2にも、予圧ばねによる予圧調整については何ら記載されておらず、簡易な方法で予圧を調整することができない。特に、特許文献2に記載のトロイダル型無段変速機では、予圧を調整しようとすると、内径側シリンダ環、外径側シリンダ環およびコッタの寸法管理が必要であるため、容易に予圧を調整することができない。
前記入力側ディスク、前記出力側ディスクおよび前記パワーローラに対して前記押圧装置の反対側となる位置で、当該押圧装置により発生するスラスト荷重を前記軸に設けられた係止溝に係止されたコッタにより支持するトロイダル型無段変速機において、
前記コッタまたはこのコッタを前記軸に固定するコッタストッパと、前記入力側ディスクまたは前記出力側ディスクとの間に、前記押し付け力の予圧を付与する弾性部材が設けられ、
前記入力側ディスク、前記コッタおよび前記コッタストッパのうちの少なくともいずれか一つに前記弾性部材による予圧を調整可能な予圧調整部が設けられていることを特徴とする。
なお、本発明のトロイダル型無段変速機は、押圧装置からの押圧力を支持する支持構造に特徴を有し、それ以外の構成は従来と同様であるので、図示とその説明を省略し、以下では押圧力支持構造について説明する。また、図14および図15に示すトロイダル型無段変速機と共通の構成には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
図1は、第1の実施の形態を示す要部の半断面図である。
入力軸1の端部には、係止溝1fが周方向に沿って形成され、この係止溝1fにコッタ100が係止されている。
コッタ100は、例えば、略半円弧板状、1/3円弧板状または1/4円弧板状に形成され、当該コッタ100の対向する側面100a,100bは互いに平行となっている。コッタ100が係止溝1fに係止された状態において、当該コッタ100の外周側略半分(図1において略上半分)が係止溝1fから突出するとともに、外側(図1において右側)を向く側面100aの内周側略半分(図1において略下半分)が係止溝1fの一方の側面(図1において右側の側面)に当接している。また、コッタ100の他方の側面100bは、係止溝1fの他方の側面から離間しており、当該側面100bには、入力側ディスク2の背面側の略中央部が当接している。
そして、コッタストッパ101の軸方向内側(図1において左側)を向く側面とフランジ部101aの内周面とが、それぞれコッタ100の側面100aと外周面とにそれぞれ当接している。また、入力軸1の外周面には、コッタストッパ101と隣接して小溝が周方向に沿って形成されている。この小溝に止め輪102が嵌合され、この止め輪102がコッタストッパ101に当接している。
このようにして、コッタ100はコッタストッパ101によって軸方向外側(図1において右側)への倒れが防止されるとともに、軸方向と直交する方向への抜け出が防止されるようにして、コッタ100を入力軸1に固定している。
すなわち、入力側ディスク2の凹所2dの底面には、前記凸部2eの外周側に隣接してディスク溝106が周方向に沿って形成されている。このディスク溝106は円環状に形成され、その深さ(入力軸1の軸方向の深さ)および径方向の長さは、弾性部材103としての皿バネ103が収まるように設定されている。
ディスク溝106の内周側の開口には、コッタ100の側面100bの外周側(図1おいて側面の上部側)が位置しており、この側面100bに皿バネ103の内周部が当接している。また、皿バネ103の外周部はディスク溝106の底面に当接している。これによって、皿バネ103を組み付けた状態における皿バネ103の軸方向の寸法を管理できるので、皿バネ103による予圧を調整可能なっている。つまり、予圧調整部105はディスク溝106によって構成されている。
次に、コッタ100を入力側ディスク2の凹所2dから係止溝1fに挿入して係止する。この場合、コッタ100を皿バネ103に突き当て、当該皿バネ103をコッタ100によって押しつぶしながら、つまり、皿バネ103を軸方向に弾性的に収縮させながら、当該コッタ100を係止溝1fに挿入して係止する。コッタ100が例えば3個ある場合、これら3個のコッタ100を同様にして順次係止溝1fに挿入して係止してもよいし、3個のコッタ100をほぼ同時に係止溝1fに挿入して係止してもよい。
また、後述する治具120を使用して皿バネ103を押しつぶしながら、コッタ100を係止溝1fに挿入して係止してもよい。
コッタ100を係止溝1fに係止した後、コッタストッパ101を入力軸1に嵌め込んだうえで、止め輪102を入力軸1に形成された小溝に嵌め込んで、コッタ100と皿バネ103の組み込みを終了する。
また、押圧装置により発生するスラスト荷重を支持するために、ローディングナットを使用せずに、コッタ100を使用しているので、ローディングナットを使用する場合に比して軸方向の長さを短くでき、トロイダル型無段変速機がコンパクトになる。
図2は、第2の実施の形態を示す要部の半断面図である。
この第2の実施の形態が前記第1の実施の形態と主に異なる点は、コッタの形状と、ディスク溝の位置であるので、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。
コッタ110の入力ディスク2側を向く側面110bの外周側には、当該側面110bより一段入力軸1の軸方向右方に位置する段差面110cが形成されている。また、コッタ110の側面110aは係止溝1fの一方の側面に当接し、側面110bは入力側ディスク2の背面の中央部に当接している。
そして、コッタストッパ101Aを入力軸1に嵌め込んだ状態において、コッタストッパ101Aの軸方向内側(図1において左側)を向く側面とフランジ部101aの内周面とが、それぞれコッタ110の側面110aと外周面とにそれぞれ当接している。また、入力軸1の外周面には、コッタストッパ101Aと隣接して小溝が周方向に沿って形成され、この小溝に止め輪102が嵌合され、この止め輪102がコッタストッパ101に当接している。
このようにして、コッタ110はコッタストッパ101Aによって軸方向外側(図2において右側)への倒れが防止されるとともに、軸方向と直交する方向への抜け出が防止されている。
また、コッタ110の段差面110cの外周側はディスク溝106Aの内周側に対向しており、コッタ110の段差面110cの内周側は入力側ディスク2の中央部に対向している。
そして、コッタ110と入力側ディスク2との間に弾性部材103Aとしての皿バネ103Aが設けられ、この皿バネ103Aの内周側がコッタ110の段差面110cに当接するとともに、当該内周側の端部が段差面110cと直角に配置された段付面110dに当接し、さらに、皿バネ103Aの外周側の端部はディスク溝106Aの底面に当接している。これによって、皿バネ103Aの軸方向の寸法を管理可能となっているので、皿バネ103Aによる予圧を調整可能となっている。したがって、本実施の形態では予圧調整部105Aはディスク溝106Aとコッタ110の段差面110cとで構成されている。
この場合、皿バネ103Aをコッタ110によって押しつぶしながら、つまり、皿バネ103Aをコッタ110によって軸方向に弾性的に収縮させながら、当該コッタ110を係止溝1fに挿入して係止する。皿バネ103Aの外周部はディスク溝106Aに底面に当接されるので、コッタ110を入力側ディスク2の凹所2Dの底面に向けて押し込むことによって、皿バネ103Aは軸方向に弾性的に収縮され、この状態でコッタ110が係止溝1fに係止される。
また、後述する治具を使用して皿バネ103Aを押しつぶしながら、コッタ110を係止溝1fに挿入して係止してもよい。
コッタ110を係止溝1fに係止した後、コッタストッパ101Aを入力軸1に嵌め込んだうえで、止め輪102を入力軸1に形成された小溝に嵌め込んで、コッタ110と皿バネ103Aの組み込みを終了する。
また、コッタ110に段差面110cを形成したので、この段差面110cの径方向の長さを調整することによって、皿バネ103Aのセット高さ位置(入力軸1の径方向における位置)を調整することができる。
さらに、段差面110cの深さを調整することによって、皿バネ103Aによる予圧の調整の自由度が高まる。
さらに、押圧装置により発生するスラスト荷重を支持するために、ローディングナットを使用せずに、コッタ110を使用しているので、ローディングナットを使用する場合に比して軸方向の長さを短くでき、トロイダル型無段変速機がコンパクトになる。
図3は、第3の実施の形態を示す要部の半断面図である。
この第3の実施の形態が前記第2の実施の形態と異なる点は、皿バネの形状と、入力側ディスク2にディスク溝を形成していない点であるので、以下ではこの点について説明し、第2の実施の形態と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。
そして、コッタ110と入力側ディスク2との間に皿バネ103Bが設けられ、この皿バネ103Bの内周側がコッタ110の段差面110cに当接するとともに、当該内周側の端部が段差面110cと直角に配置された段付面110dに当接し、さらに、皿バネ103Bの外周側の端部が凹所2Dの底面に当接している。これによって、皿バネ103Bの軸方向の寸法を管理可能となっているので、皿バネ103Bによる予圧を調整可能となっている。したがって、本実施の形態では予圧調整部105Bはコッタ110の段差面110cによって構成されている。
次に、図4に示すように、3つのコッタ110を皿バネ103Bに対向するようにして、凹所2Dにその周方向に沿って等しい隙間Sで配置するとともに、治具120を皿バネ103Bに対向するようにして配置し、治具120の3本の柱120aをそれぞれ周方向に配置されて、互いに隣り合うコッタ110,110間の隙間Sに挿入して、当該柱120aの先端部を皿バネ103Bに当接する。
柱120aは、帯板状に形成されており、その基端部が円板部120bの外周部の裏面に固定されている。3本の柱120aは円板部120bの周方向に等間隔で配置されており、柱120aの短辺の延長が円板部120bの中心を通るように、放射状に配置されている。柱120aの厚さは、周方向に隣り合うコッタ110,110間の隙間Sに挿入できるような寸法に設定されている。
また、深さの異なる段差面110cを有するコッタ110を数水準用意しておくことによって、皿バネ103Bによる予圧を容易に調整できる。
さらに、コッタ110に段差面110cを形成したので、この段差面110cの径方向の長さを調整することによって、皿バネ103Bのセット高さ位置(入力軸1の径方向における位置)を調整することができる。
また、段差面110cの深さを調整することによって、皿バネ103Bによる予圧の調整の自由度が高まる。
また、押圧装置により発生するスラスト荷重を支持するために、ローディングナットを使用せずに、コッタ110を使用しているので、ローディングナットを使用する場合に比して軸方向の長さを短くでき、トロイダル型無段変速機がコンパクトになる。
この図に示す変形例が図4に示すものと異なる点は、治具120の柱を円柱状にした点と、コッタ110に切欠きを形成した点であるので、以下ではこの点ついて説明し、図4に示すものと同一構成についは同一符号を付してその説明を省略する。
次に、3つのコッタ110を皿バネ103Bに対向するようにして、凹所2Dにその周方向に沿って等間隔で配置するとともに、治具120を皿バネ103Bに対向するようにして配置し、治具120の3本の柱120aをそれぞれコッタ110の切欠き110eに係合するように挿入して、当該柱120aの先端部を皿バネ103Bに当接する。なお、周方向に隣り合うコッタ110,110間には僅かな隙間が設けられている。
この状態で、コッタ110を係止溝1f(図4(c)参照)に挿入した後、治具120を外すことによって、柱120aを皿バネ103Bから離間させると、皿バネ103が弾性復帰力によって、コッタ110の段差面110c(図4(c)参照)に当接する。
このようにしてコッタ110を係止溝1fに係止した後、コッタストッパ101Aを入力軸1に嵌め込んだうえで、止め輪102を入力軸1に形成された小溝に嵌め込んで、コッタ110と皿バネ103Bの組み込みを終了する。
図6は、第4の実施の形態を示すもので、(a)は要部の断面図、(b)はコッタと入力軸の寸法関係を説明するための図である。
この第4の実施の形態が前記第3の実施の形態と異なる点は、第3の実施の形態では皿バネ103Bを治具120によって押しつぶしながらコッタ110を組み付けているのに対し、本実施の形態では治具120を使用することなく、コッタ110によって皿バネ103Bを押しつぶしながら当該コッタ110を組み付けている点である。したがって、以下ではこの点ついて説明し、図5に示すものと同一構成についは同一符号を付してその説明を省略する。
ここで、hは、コッタ110の内周面の端部が入力軸1の外周面に当接する場合における入力軸1の中心と、コッタ110の内周面との間の最大離間距離である。
(d4/2)2=(d1/2)2+(h−d1/2)2−2d1/2(h−d1/2)cos(π−π/n)
ここで、図5(a)に示すように、d2はコッタの段付き部(段付面110d)の径、d5は皿バネ103Bの内径、d3はコッタ110の外径であり、これらの寸法は以下を満たす。
h+(d2−d1)/2<d5/2<d5/2<d3/2
次に、図7(b)に示すように、コッタ110と皿バネ103Bとを一緒に入力軸1に沿って入力側ディスク2側に向けて移動させて、当該皿バネ103Bを入力側ディスク2の背面に設けられた凹所2Dの底面に当接し、さらに、コッタ110を軸方向に移動させることによって、皿バネ103Bを弾性的に押しつぶす。
また、第3の実施の形態と同様に、コッタ110の段差面110cの側面110bからの寸法(段差面110cの深さ寸法)だけを管理することによって、皿バネ103Bによる予圧を容易に調整できるとともに、ディスク溝106Aを形成する工程が不要となるため第2の実施の形態に比して、コスト削減を図ることができる。
また、深さの異なる段差面110cを有するコッタ110を数水準用意しておくことによって、皿バネ103Bによる予圧を容易に調整できる。
図8は第5の実施の形態を示す要部の半断面図である。
本実施の形態が第4実施の形態と異なる点は、第4の実施の形態に比して組立性を改善した点であるので、以下ではこの点について説明し、第4の実施の形態と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。
コッタ100と入力側ディスク2との間に皿バネ103Bが設けられるとともに、この皿バネ103Bとコッタ100との間に調整シム130が設けられている。
本実施の形態では、調整シム130の厚さを管理することによって皿バネ103Bの軸方向の寸法を管理可能となっており、これによって、皿バネ103Bによる予圧を調整可能となっている。つまり予圧調整部105Cは調整シム130によって構成されている。
次に、図9に示すように、治具120Aを用いて、調整シム130を介して皿バネ103Bを押しつぶす。
また、円筒体120d内でコッタ100の姿勢を自由にするために、円筒体120dの内径d6は以下の式を満たす必要がある。
h+(d5−d1)/2<d6/2<d7/2
hは、コッタ110の内周面の端部が入力軸1の外周面に当接する場合における入力軸1の中心と、コッタ100の内周面との間の最大離間距離である。
また、d1はコッタ100の内径、d5はコッタ100の外径、d7は調整シム130の外径である。
また、円筒体120dの先端面には段差面120eが形成されており、この段差面120eが調整シム130の外周縁部に当接するようになっている。
この状態で、コッタ100を円筒体120dの開口部から挿入して入力軸1の係止溝1fに挿入する。コッタ100を係止溝1fに挿入した後、治具120Aを外すことによって、円筒体120dを調整シム130から離間させると、皿バネ103Bが弾性復帰して、調整シム130がコッタ100に当接する。
また、厚さの異なる調整シム130を数水準用意しておくことによって、皿バネ103Bによる予圧を容易に調整できる。
図10は第6の実施の形態を示す要部の半断面図である。
本実施の形態が前記第4の実施の形態と異なる点は、コッタ110に予圧調整ボルト135を設けた点であるので、以下ではこの点について説明し、第4の実施の形態と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。
一方、前記孔には予圧調整ボルト135が挿入され、この予圧調整ボルト135が前記雌ネジに螺合されている。予圧調整ボルト135は、円板状の本体部135aと、この本体部135aの中央部に同軸に設けられた軸部135bとを有しており、軸部135bの先端部が皿バネ103Bに当接している。そして、軸部135bの外周部に雄ネジが形成され、この雄ネジが前記雌ネジに螺合している。
本体部135aの後端面には、六角ボルト孔135cが形成されており、この六角ボルト孔135cに六角レンチを挿入して回転操作することによって、予圧調整ボルト135が軸回りに回転しつつ、軸方向に移動するようになっている。
その後、コッタストッパ101を入力軸1に嵌め込んだうえで、止め輪102を入力軸1に形成された小溝に嵌め込んで、コッタ110と皿バネ103Aの組み込みを終了する。
図11は第7の実施の形態を示す要部の半断面図である。
本実施の形態が第1〜第6の実施の形態と異なる点は、皿バネ103Cをコッタストッパ111に設けた点であるので、以下ではこの点について説明し、第1〜第6の実施の形態と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。
このようにして、コッタ100はコッタストッパ111によって軸方向外側(図1において右側)への倒れが防止されるとともに、軸方向と直交する方向への抜け出が防止されている。
すなわちまず、コッタストッパ111は略リング状に形成されており、その外周部には軸方向内側(図11において左側)に突出するフランジ部111aが形成されている。このフランジ部111aの外周部にはフランジ部111aの外周面より一段低い(一段小径の)段差面111bと、この段差面111bと直交する段付面111cが形成されている。
そして、段差面111bと段付面111cとに皿バネ103Cの内径部が係合されている。皿バネ103Cの内径側の外側(図11において右側)を向く側面は段付面111cに当接されており、皿バネ103Cの外径側の端部は入力側ディスク2の凹所2Dの底面の外周側に当接されている。これによって、皿バネ103Cの軸方向の寸法を管理可能となっているので、皿バネ103Cによる予圧を調整可能となっている。したがって、本実施の形態では、予圧調整部105Eはコッタストッパ111の段付面111cによって構成されている。
次に、皿バネ103Cをコッタストッパ111に取り付ける。この場合、皿バネ103Cの内径側をコッタストッパ111の段差面111bと段付面111cの交差部に嵌め込んで取り付ける。また、コッタストッパ111は複数(例えば3または4個程度)あるので、1つの皿バネ103を全てのコッタストッパ111に取り付ける。
また、段付面111cの深さ寸法の異なるコッタストッパ111を数水準用意しておくことによって、皿バネ103Cによる予圧を容易に調整できる。
また、軸方向の寸法(厚さ)が異なる止め輪102を数水準用意しておくことによっても、皿バネ103Cによる予圧を容易に調整できる。つまり、止め輪102の厚さによってコッタストッパ111の段付面111cの軸方向の位置を調整できるので、皿バネ103Cによる予圧を容易に調整できる。
図12は第8の実施の形態を示す要部の半断面図である。
本実施の形態が前記第7の実施の形態と異なる点は、調整シム131を追加した点であるので、以下ではこの点について説明し、第7の実施の形態と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態では、調整シム131の厚さを管理することによって皿バネ103Cの軸方向の寸法を管理可能となっており、これによって皿バネ103Cによる予圧を調整可能となっている。したがって、本実施の形態では予圧調整部105Fは調整シム131によって構成されている。
また、軸方向の寸法(厚さ)が異なる調整シム131を数水準用意しておくことによっても、皿バネ103Cによる予圧を容易に調整できる。
図13は第9の実施の形態を示す要部の半断面図である。
本実施の形態が第7の実施の形態と異なる点は、コッタストッパ111に予圧調整ボルト135を設けた点であるので、以下ではこの点について説明し、第8の実施の形態と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。
一方、前記孔には予圧調整ボルト135が挿入され、この予圧調整ボルト135が前記雌ネジに螺合されている。予圧調整ボルト135は、円板状の本体部135aと、この本体部135aの中央部に同軸に設けられた軸部135bとを有しており、軸部135bの先端部が皿バネ103Bに当接している。そして、軸部135bの外周部に雄ネジが形成され、この雄ネジが前記雌ネジに螺合している。
このような予圧調整ボルト135は、本体部135aの後端面に形成された六角ボルト孔135cに六角レンチを挿入して回転操作することによって、軸回りに回転しつつ、軸方向に移動するようになっている。
止め輪102を嵌め込んだ状態において、コッタストッパ111の予圧調整ボルト135は予め緩めてあり、コッタストッパ111をコッタ100に係合した時点では予圧調整ボルト135の軸部135bの先端部は皿バネ103Cに当接していないか、当接しているだけで、皿バネ103Cに圧縮力をかけていない。
また、本実施の形態では本発明を、ダブルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機に適用する場合を例にとって説明したが、これに限ることなく、本発明はダブルキャビティ式フルトロイダル型無段変速機にも適用でき、さらに、シングルキャビティ式のハーフトロイダル型やフルトロイダル型のトロイダル型無段変速機にも適用できる。
2 入力側ディスク
2 出力側ディスク
11 パワーローラ
100,110 コッタ
101,101A,111 コッタストッパ
103,103A,103B,103C 皿バネ(弾性部材)
105,105A,105B,105C,105D,105E,105F 予圧調整部
120,120A 治具
130,131 調整シム
Claims (2)
- 軸と、この軸に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと出力側ディスクとの間に挟持されるパワーローラと、前記入力側ディスク、前記出力側ディスクおよび前記パワーローラに押し付け力を付与する押圧装置とを備え、
前記入力側ディスク、前記出力側ディスクおよび前記パワーローラに対して前記押圧装置の反対側となる位置で、当該押圧装置により発生するスラスト荷重を前記軸に設けられた係止溝に係止されたコッタにより支持するトロイダル型無段変速機において、
前記コッタと、前記入力側ディスクまたは前記出力側ディスクとの間に、前記押し付け力の予圧を付与する皿バネが設けられ、
前記入力側ディスクまたは前記出力側ディスクに前記皿バネによる予圧を調整可能な予圧調整部が設けられ、
前記予圧調整部は、前記入力側ディスクまたは前記出力側ディスクの前記コッタの側を向く側面に、前記入力側ディスクまたは前記出力側ディスクの周方向に沿って形成されたディスク溝によって構成され、
前記皿バネの外周部は前記ディスク溝の底面に当接し、前記皿バネの内周部は前記ディスク溝から若干突出して前記コッタに当接していることを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 軸と、この軸に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと出力側ディスクとの間に挟持されるパワーローラと、前記入力側ディスク、前記出力側ディスクおよび前記パワーローラに押し付け力を付与する押圧装置とを備え、
前記入力側ディスク、前記出力側ディスクおよび前記パワーローラに対して前記押圧装置の反対側となる位置で、当該押圧装置により発生するスラスト荷重を前記軸に設けられた係止溝に係止されたコッタにより支持するトロイダル型無段変速機において、
前記コッタを前記軸に固定するコッタストッパと、前記入力側ディスクまたは前記出力側ディスクとの間に、前記押し付け力の予圧を付与する皿バネが設けられ、
前記コッタストッパに前記皿バネによる予圧を調整可能な予圧調整部が設けられ、
前記予圧調整部は、前記コッタストッパに、当該コッタストッパの前記入力側ディスクまたは前記出力側ディスクの側を向く面に対して軸方向に段差して形成された段付面によって構成され、
前記皿バネの内周部は前記段付面に当接し、前記皿バネの外周部は前記入力側ディスクまたは前記出力側ディスクの側面に当接していることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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