JP6446998B2 - 絶縁電線及び同軸ケーブル - Google Patents

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本発明は、電子機器内の信号伝送用の配線等として用いられる、伝送特性に優れた絶縁電線及び同軸ケーブルに関する。
電子機器内や機器間の信号伝送用には、導体を絶縁体で被覆した絶縁電線や、その絶縁電線の外周を外部導体で覆いさらにその外側を外被層で覆った同軸ケーブルが用いられている。信号伝送用の絶縁電線や同軸ケーブルには、優れた伝送特性が求められ、特に差動ペアにおける2つの信号間の遅延時間差であるスキューの発生の抑制が求められる。
信号伝送用の絶縁電線や同軸ケーブルを構成する絶縁体の材料としては、フッ素樹脂組成物が知られている。例えば、特許文献1には、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合系フッ素ゴム(A)と、30〜50モル%のフッ化ビニリデン、30〜50モル%のテトラフルオロエチレン及び10〜30モル%のヘキサフルオロプロピレンを共重合した結晶性ポリマー(B)とを、重量比A:B=90:10〜50:50の割合で含有することを特徴とするフッ素樹脂組成物の架橋体からなる絶縁体を、導体上に設けたことを特徴とする絶縁電線が開示されている。
特開平11 − 323053号公報
信号伝送用の絶縁電線や同軸ケーブルにおいて、優れた伝送特性を得るためには、低誘電率の絶縁体の使用が求められる。又、スキューを抑制するためには、導体と絶縁体との接合強度が高く、隙間が少ないことが求められる。しかし、信号伝送用の同軸ケーブル等の絶縁層の材料として従来用いられているフッ素樹脂は、低誘電率ではあるが、非粘着性であるため、絶縁体の材料として使用したとき、導体と絶縁体との接合強度を充分に高め隙間の発生を充分抑制することは困難である。近年、伝送信号の高速化にともない、スキューの抑制がより求められているが、これまで、近年の要請を充分満たす信号伝送用の絶縁電線や同軸ケーブルは得られていなかった。
本発明は、前記のような従来技術の問題を解決し、優れた伝送特性、特にスキューが抑制された信号伝送用の絶縁電線や同軸ケーブルを提供することを課題とする。
上記の課題は、以下に示す構成(態様)により解決される。
第1の態様は、導体、前記導体の外周を被覆する第1の絶縁層及び前記第1の絶縁層の外周を被覆する第2の絶縁層を有し、前記第1の絶縁層が、非晶性シクロオレフィンポリマーを主体とする絶縁電線である。
第2の態様は、導体、前記導体の外周を被覆する第1の絶縁層、前記第1の絶縁層の外周を被覆する第2の絶縁層、前記第2の絶縁層の外周を被覆する外部導体及び前記外部導体の外周を被覆する外被層を有し、前記第1の絶縁層が、非晶性シクロオレフィンポリマーを主体とする同軸ケーブル、すなわち、前記第1の態様の絶縁電線、その外周を被覆する外部導体及び前記外部導体の外周を被覆する外被層を有する同軸ケーブルである。
第1の態様により、優れた伝送特性、特にスキューが抑制された信号伝送用の絶縁電線が提供される。
第2の態様により、優れた伝送特性、特にスキューが抑制された信号伝送用の同軸ケーブルが提供される。
第1の態様の絶縁電線の断面を模式的に示す断面図である。 第2の態様の同軸ケーブルの断面を模式的に示す断面図である。
次に、本発明を実施するための形態及び実施例を説明するが、本発明の範囲はこの形態や実施例のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で、種々の変更を加えることが可能である。
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、絶縁電線を構成する導体と第2の絶縁層との間に、非晶性シクロオレフィンポリマーを主体とする層を設けて導体と第2の絶縁層間の接合強度を向上させることにより、導体と第2の絶縁層間の隙間を無くし、伝送特性を向上できること、特にスキューの発生を抑制できることを見出し、第1の態様及び第2の態様の発明を完成した。
第1の態様は、導体、前記導体の外周を被覆する第1の絶縁層及び前記第1の絶縁層の外周を被覆する第2の絶縁層を有し、前記第1の絶縁層が、非晶性シクロオレフィンポリマーを主体とする絶縁電線である。
第2の態様は、前記第1の態様の絶縁電線、その外周を被覆する外部導体及び前記外部導体の外周を被覆する外被層を有する同軸ケーブルである。
[第1の絶縁層について]
第1の態様の絶縁電線及び第2の態様の同軸ケーブルは、非晶性シクロオレフィンポリマーを主体とする第1の絶縁層を有し、この第1の絶縁層により、導体と第2の絶縁層間の接合強度を向上させ、導体と第2の絶縁層間の隙間を無くして伝送特性を向上させることを特徴とする。
1)第1の絶縁層を構成する材質
第1の絶縁層を構成する樹脂としては、導体や第2の絶縁層との接着性の観点から選ばれ、導体と第2の絶縁層のいずれにも接着性に優れた樹脂から選択される。又、優れた伝送特性を得る観点からは低誘電率の樹脂が好ましく、特に比誘電率2.3以下の樹脂が好ましい。さらに、絶縁電線や同軸ケーブルの電線としての取り扱い性を良好にするためには、破断伸びが50%以上の樹脂により第1の絶縁層を形成することが好ましい。上記の観点から、第1の絶縁層を構成する樹脂として、非晶性シクロオレフィンポリマーを主体とする樹脂が選択される。
ここで主体とするとは、当該成分(第1の絶縁層の場合は、非晶性シクロオレフィンポリマー)が最大の組成であり、この成分のみからなる場合もあるが、発明の趣旨を損ねない範囲で他の成分を含んでもよいことを意味する。以下において述べられる「主体とする」も同じである。
非晶性シクロオレフィンポリマーとしては、例えば、下記の構造式(1)、(2)で表されるポリマーを挙げることができる。
Figure 0006446998

(式中、R1、R2は、アルキル基等の置換基を表し、m、nは自然数を表す。)
このような非晶性シクロオレフィンポリマーとしては、日本ゼオン社のゼオノア1020R、1060R(上記の構造式(1)で表される)、三井化学社のアペルAPL8008T、APL6509T(上記の構造式(2)で表される)等の市販品を使用することが出来る。
第1の絶縁層を構成する材料は、非晶性シクロオレフィンポリマーを主体とする樹脂であるが、さらに必要に応じて酸化防止剤、接着付与剤、着色剤等を含んでいてもよい。前記樹脂自体を変性して接着性を付与したり、加工性を良くしたりしてもよい。
2)第1の絶縁層の厚み
第1の絶縁層の厚みは、好ましくは、0.1μm以上、200μm以下の範囲である。厚みが、0.1μm未満の場合は、導体と第2の絶縁層間の接合強度の向上が不十分となり易く、スキューを充分に抑制しにくくなる。一方第1の絶縁層を、200μmを超えて厚くしても導体と第2の絶縁層間の接合強度は向上せず、一方製造のコストは上がるので好ましくない。より好ましい範囲は、1μm以上、50μm以下である。
3)第1の絶縁層の形成方法
第1の絶縁層の形成方法として、非晶性シクロオレフィンポリマーを主体とする樹脂(必要により加えられるその他の成分を含む場合もある)を溶剤に溶解させてワニス状の溶液とし、この溶液を導体にコーティングし、その後、溶剤を乾燥させて焼付けを行う方法(ワニスコーティング法)、及び前記の樹脂を押出し被覆する方法等を挙げることができる。中でも、ワニスコーティング法によれば、導体や第2の絶縁層との密着性に優れた絶縁層が得られ、導体と第2の絶縁層間の接合強度(接着力)をより向上でき、隙間の発生をより抑制できるため好ましい。
このワニスコーティング法においてコーティング工程は、導体にワニスを付着させる塗布工程、所定の膜厚が得られるように付着ワニスを絞る絞り工程、溶剤を乾燥させる焼き付け工程とからなる。絞り工程としては、ダイスやフェルトを用いて余分な付着ワニスを絞る方法を挙げることが出来る。焼付け温度は、通常、100℃〜500℃である。塗布工程から焼付け工程までを複数回繰り返すことにより、所望の膜厚を精度よく得ることが出来る。
ワニスコーティング法を採用する場合、第1の絶縁層を構成する樹脂を溶剤に溶解させる必要があるため、溶剤への溶解性の良い樹脂が好ましく採用される。溶剤への溶解性の良い非晶性シクロオレフィンポリマーは、この点でも好ましい。
[導体について]
第1の態様の絶縁電線及び第2の態様の同軸ケーブルを構成する導体としては、例えば、銅、銀、アルミニウム等の金属を鋳造及び圧延しさらに伸線加工を行って得られる単線、前記単線を複数撚り合せてなる撚線を挙げることができる。撚線の場合、第1の絶縁層の形成は、撚線を構成する単線の外周を樹脂で被覆して第1の絶縁層を形成した後に撚線にする方法、撚線を形成した後その外周を樹脂で被覆して第1の絶縁層を形成する方法のいずれも採用できるが、前者の方法では製造コストの問題があり、後者の方法では安定な第1の絶縁層を得るのは難しい場合が多い。そこで、導体は好ましくは単線である。導体の表面には防錆処理層が形成されていてもよく、例えばスズ、ニッケル等によるめっきを施してもよい。
導体断面形状としては、柔軟性に優れるので円形が好ましいが、方形、矩形等の他の形状を採用することもできる。
[第2の絶縁層について]
1)第2の絶縁層を構成する材質
第2の絶縁層は、優れた伝送特性を得る観点から低誘電率であることが好ましく、特に比誘電率2.3以下であることが好ましい。そこで、好ましい態様として、前記第2の絶縁層の比誘電率が2.3以下である第1の態様の絶縁電線が提供される。
従って、第2の絶縁層は低誘電率の絶縁性樹脂により形成されることが好ましく、特に比誘電率2.3以下の絶縁性樹脂により形成されることが好ましい。又、絶縁電線や同軸ケーブルの電線としての取り扱い性を良好にするためには、破断伸びが大きい樹脂により形成されることが好ましい。
例えば、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)を主体とする樹脂組成物を、好ましい樹脂として挙げることができる。そこで、好ましい態様として、前記第2の絶縁層が、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)を主体とする樹脂組成物により形成される第1の態様の絶縁電線が提供される。
このポリ(4−メチル−1−ペンテン)としては、例えば4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、4−メチル−1−ペンテンと3−メチル−1−ペンテン又はプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等のα−オレフィン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等とを前記の趣旨が損なわれない範囲で共重合させた共重合体等を挙げることができる。
前記ポリ(4−メチル−1−ペンテン)としては、温度300℃、荷重5kgで測定されるメルトフローレートが50g/10分以上、80g/10分以下のものが好ましい。メルトフローレートが小さすぎる場合は、第2の絶縁層を押出成形で形成するときの押出性が低下する可能性があり、一方大きすぎる場合は、第2の絶縁層の厚みの調整が困難になりやすい。
又、前記ポリ(4−メチル−1−ペンテン)としては、示差走査熱量分析により測定される融点が200℃以上、250℃以下のものが好ましい。融点が低すぎる場合は、第2の絶縁層の耐熱性が不十分になり易く、一方高すぎる場合は、第2の絶縁層を押出成形で形成するときの加工が困難になりやすい。
さらに、絶縁電線の取扱いの容易さの観点からは、前記ポリ(4−メチル−1−ペンテン)としては、JIS−K7162:1994に準拠し、試験片IAを用いて測定される破断伸びが50%以上のものが好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。
第2の絶縁層を構成する樹脂組成物は、本発明の趣旨を損ねない範囲で、前記のポリ(4−メチル−1−ペンテン)等の樹脂以外の樹脂や添加剤等を含んでもよい。第2の絶縁層を構成する樹脂組成物に含まれていてもよい他の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン系アイオノマー等のポリオレフィン、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステル、フェノキシ樹脂等を挙げることができる。
第2の絶縁層を構成する樹脂組成物に含まれていてもよい添加剤としては、例えば発泡剤、難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤、酸化防止剤、銅害防止剤、顔料、反射付与剤、隠蔽剤、加工安定剤、可塑剤等が挙げられる。難燃剤としては、例えば、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばフェノール系酸化防止剤等を挙げることができる。
2)第2の絶縁層の構成、厚み
第2の絶縁層は、前記のようにして第1の絶縁層が形成された導体を被覆するように、第1の絶縁層の外周上に層状に形成される。第2の絶縁層は、単層でも2層以上の多層構造でもよく、多層構造の場合は、層ごとに樹脂組成物の組成を変えることができる。
第2の絶縁層の厚みとしては、通常、0.015mm以上、0.30mm以下の範囲から選択される。0.015mm未満の厚みの場合は、第2の絶縁層の強度が低下するおそれがある。
[絶縁電線の製造方法について]
第1の態様の絶縁電線は、導体に、前記「3)第1の絶縁層の形成方法」に記載した方法等により第1の絶縁層を形成した後、前記第1の絶縁層の外周に、第2の絶縁層を形成する材質、例えばポリ(4−メチル−1−ペンテン)を主体とする樹脂組成物を被覆して製造することができる。前記樹脂組成物の被覆は、例えば、押出成形により行うことができる。押出成形の具体的方法や条件は、同様な樹脂組成物について行われている公知の押出成形と同様な方法や条件を採用することができる。
図1に第1の態様の絶縁電線の断面図を示す。図中、1は導体、2は第1の絶縁層、3は第2の絶縁層を表す。
第2の態様の同軸ケーブルは、前記第1の態様の絶縁電線の第2の絶縁層の外周に外部導体の層を形成し、さらに前記外部導体の外周に外被層を形成することにより作製することができる。
[外部導体]
同軸ケーブルにおいて、外部導体は、接地されており他の回路からの電磁波を吸収し電気的干渉を防ぐ電磁波シールド層である。同軸ケーブルの外部導体としては、編組シールド、横巻きシールド、テープシールド、導電性プラスチックシールド、金属チューブシールド等が知られているが、本態様においても、これらのいずれかを採用することができる。高周波シールド性の観点からは、編組シールド、テープシールドが好ましい。又、1重シールドであっても、2重以上の多重シールドであってもよい。
[外被層(シース)]
外被層とは、絶縁電線や外部導体を保護し、絶縁性、難燃性、耐候性等を付与するために、外部導体の外周を被覆する層である。外被層としては、熱可塑性樹脂を主体として形成される層を挙げることができる。
外被層を形成する熱可塑性樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、フッ素樹脂等が挙げられる。中でも、コスト及び加工容易性に優れるポリオレフィン、ポリ塩化ビニルが好ましい。又、これらを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[第2の態様の同軸ケーブルの製造方法]
同軸ケーブルは、前記の第1の態様の絶縁電線を形成した後、前記第1の絶縁層の外周を被覆するように外部導体を形成し、その後、前記外部導体の外周を被覆するように外被層を形成することにより製造される。
外部導体による被覆は、従来の同軸ケーブルの製造における外部導体の形成と同様にして行うことができる。例えば、編組シールドは、チューブ状の編組内に絶縁電線を挿入した後に編組を縮径させることで形成することができる。横巻きシールドは、例えば銅線等の金属線を絶縁層に巻き付けることで形成することができる。テープシールドは、アルミニウムとポリエステルのラミネートテープ等の導電性のテープを絶縁層の周囲に巻き付けることで形成することができる。
外被層による被覆は、従来の同軸ケーブルの製造における外被層の形成と同様にして行うことができる。例えば、外被層を形成する熱可塑性樹脂を、押出成形により外部導体の外周に被覆して製造することができる。押出成形の具体的方法や条件は、同様な熱可塑性樹脂について行われている公知の押出成形と同様な方法や条件を採用することができる。
図2は、第2の態様の同軸ケーブルの断面を模式的に示す断面図である。図1と同様に図中、1は導体、2は第1の絶縁層、3は第2の絶縁層を表す。図中、4は外部導体であり、5は外被層である。
1)先ず、下記の実験例(実施例、比較例)で使用した材料を述べる。
(第1の絶縁層を形成する樹脂)
・ゼオノア1020R(非晶質シクロオレフィンポリマー:日本ゼオン社製)
・ゼオノア1060R(非晶質シクロオレフィンポリマー:日本ゼオン社製)
それぞれの物性を下記表1に示す。
Figure 0006446998
(導体)
銅を鋳造及び圧延しさらに伸線加工を行って得られた0.254mmφの単線を用いた。
2)次に絶縁電線の形成方法について述べる。
(第1の絶縁層の形成)
表2の第1の絶縁層の欄に記載の樹脂をナフサ系溶剤に溶解し、濃度16質量%のワニスを作製した。このワニス中に前記導体を線速10m/分で通して、導体の外周にワニスを塗布した(塗布工程)後、フェルトを用いて導体を被覆するワニスを絞った(絞り工程)。その後300℃で焼付けを行った。この操作を、3回繰り返し、膜厚10μmの第1の絶縁層を導体外周に有する径0.274mmφのコーティング導体を得た。
(第2の絶縁層の形成)
前記のようにして得られたコーティング導体の外周に、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)を、押出成形機を用いて押出成形して塗布し、第2の絶縁層を形成した(実験例1、2)。このようにして得られた絶縁電線の径は0.90mmφであった。押出成形は、シリンダー温度を160℃、クロスヘッド及びダイス温度は320℃とし、シリンダーからダイスに向かって順に温度が高くなるよう勾配をかけて行った。なお、実験例3では、第1の絶縁層の形成を行わずに、導体の外周面に直接、前記と同じ方法、条件にて第2の絶縁層の形成を行い、絶縁電線を得た。
3)次に、下記の実験例(実施例、比較例)で行った実験、評価方法、それらの条件について述べる。
(導体接着力の測定方法)
導体接着力は、全長40mmの電線サンプルのうち、絶縁被覆部20mmを残して残り20mm分の第2の絶縁層及び第1の絶縁層を除去し、導体のみが通ることの出来る穴(例えば0.3mmφ)をあけた板材に通して、板材を固定し、引張試験機で導体を引き抜いた時の最大荷重を測定した。測定結果を表2に示す。
(スキュー測定方法)
スキューの測定方法としては、TDR(Time Domain Reflectometry)で終端反射波の立ち上がり時間差を測定した。測定結果を表2に示す。
4)測定結果
Figure 0006446998
表2に示す結果より、非晶質シクロオレフィンポリマーにより第1の絶縁層を形成した実験例1、2では、導体と第2の絶縁層間の接合強度(接着力)である導体接着力が大きく、その結果、優れた伝送特性が得られ、スキューが抑制されている。一方、第1の絶縁層を形成しない実験例3では、導体と第2の絶縁層間の導体接着力が小さく、スキューが大きいことが示されている。
第1の態様の絶縁電線及び第2の態様の同軸ケーブルは、導体と第2の絶縁層との導体接着力に優れ、導体と第2の絶縁層間の隙間の発生が抑制されており、優れた伝送特性を有し、特にスキューの発生が抑制されているので、電子機器間や電子機器内の信号伝送用の配線として好適に用いることができる。
1 導体
2 第1の絶縁層
3 第2の絶縁層
4 外部導体
5 外被層

Claims (2)

  1. 導体、前記導体の外周を被覆する第1の絶縁層及び前記第1の絶縁層の外周を被覆する第2の絶縁層を有し、前記第1の絶縁層が、非晶性シクロオレフィンポリマーからなり、かつ前記第2の絶縁層が、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)からなる絶縁電線。
  2. 請求項1に記載の絶縁電線の外周を被覆する外部導体及び前記外部導体の外周を被覆する外被層を有する同軸ケーブル。
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