JP6446786B2 - 画像処理装置および画像処理プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、1または複数の計測処理を含む画像処理を実行可能な画像処理装置、およびそれを実現するための画像処理プログラムに関する。
FA(Factory Automation)分野などにおいては、ワークなどの被測定物上の欠陥や汚れの有無を検査したり、その大きさを計測したり、被測定物上の文字や図形を認識したりする装置として、いわゆる視覚センサが実用化されている。このような視覚センサは、被測定物を撮像することで得られる画像データに対して、各種の画像処理を行うことで、上述のような計測処理を実現する。
このような視覚センサでは、画像処理の結果を表示することも重要である。例えば、特開2011−191928号公報(特許文献1)は、パターンマッチング処理の結果を示す画面例を開示している(特許文献1の図26など参照)。
特開2011−191928号公報
画像処理の用途によっては、複数の計測処理を含む画像処理が実行されることも多い。例えば、特開2011−191928号公報(特許文献1)に開示されるパターンマッチングでは、実際には、粗サーチおよび詳細サーチという2段階のサーチが実行される。このような場合、各計測処理の結果をそれぞれ確認したいというニーズがある。例えば、意図した画像処理が実行できなかった場合には、いずれの計測処理に問題があったかといったことを確認するなどのニーズがある。
そのため、複数の計測処理を含む画像処理を実行する際に、それぞれの計測処理の結果を自在に出力できる構成が要望されている。
本発明のある局面に従えば、1または複数の計測処理を含む画像処理を実行可能な画像処理装置が提供される。画像処理装置は、各々が固有の計測処理を実行する複数の処理ユニットを実現するためのプログラムを格納する記憶部と、記憶部にアクセス可能な演算部とを含む。演算部が予め定められた設定に従ってプログラムを実行することで、複数の処理ユニットのうち選択された処理ユニットが予め定められた順序でそれぞれ固有の計測処理を実行する。複数の処理ユニットの各々は、対応する固有の計測処理を実行する計測モジュールと、他の処理ユニットに依存することなく、自処理ユニットの計測モジュールによる計測処理の結果を出力する表示モジュールとを含む。
本発明の別の局面に従えば、1または複数の計測処理を含む画像処理を実行可能な画像処理装置が提供される。画像処理装置は、複数の処理ユニットを含む。各処理ユニットは、固有の計測処理を実行する計測モジュールと、当該計測モジュールによる計測処理の結果を出力する表示モジュールとを含む。画像処理装置は、さらに、複数の処理ユニットに含まれる、第1の表示モジュールと第2の表示モジュールとを組み合わせて結果表示を行う結果出力部を含む。
本発明によれば、複数の計測処理を含む画像処理を実行する際に、それぞれの計測処理の結果を自在に出力できる。
本実施の形態の画像処理装置100を含む画像処理システム1の構成を示す模式図である。 本実施の形態の画像処理装置のハードウェア構成を示す模式図である。 本実施の形態の画像処理装置の機能構成を示す模式図である。 本実施の形態の画像処理装置の画像処理結果を示す画面例の図である。 本実施の形態の画像処理装置における結果表示の組み合わせの一例を示す図である。 本実施の形態の画像処理装置における結果表示の組み合わせの一例を示す図である。 本実施の形態の画像処理装置における結果表示の組み合わせの一例を示す図である。 本実施の形態の処理ユニットグラフィック表示機能の画面例を示す図である。 本実施の形態の処理ユニットグラフィック表示機能の設定操作例を示す図である。 本実施の形態の処理ユニットグラフィック表示機能の設定操作例を示す図である。 本実施の形態の処理ユニットグラフィック表示機能の別の設定操作例を示す図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
<A.画像処理システムの構成>
図1は、本実施の形態の画像処理装置100を含む画像処理システム1の構成を示す模式図である。
図1を参照して、画像処理システム1は、主要なコンポーネントとして、視覚センサとも称される画像処理装置100と、画像処理装置100に接続された撮像装置8と、画像処理装置100と通信可能なPLC(Programmable Logic Controller)5とを含む。図1には、一例として、表示部102と一体的に構成された画像処理装置100を示す。
撮像装置8は、一例として、レンズなどの光学系に加えて、CCD(Coupled Charged Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサといった撮像素子を含んで構成される。撮像装置8は、被測定物(以下「ワーク2」とも称す。)を撮像することで取得される画像(以下「入力画像」とも称す。)を画像処理装置100へ出力する。
画像処理装置100は、撮像装置8からの入力画像に対して、1または複数の計測処理を含む画像処理を実行することができる。
本明細書において、「計測処理」は、「画像処理」を構成する処理単位を意味する。このような処理単位は、画像処理装置を実現する際の設計事項であり、どのような処理単位としてもよい。そのため、1つの計測処理のみで目的の画像処理が実現される場合もあるし、複数の計測処理を組み合わせて目的の画像処理を実現することもできる。
典型的には、画像処理装置100は、ワーク2上の欠陥や汚れの有無の検査、ワーク2の大きさや配置向きなどの計測、ワーク2表面上の文字や図形などの認識といった画像処理を実行する。PLC5は、画像処理装置100と連係して、搬送機構6などの制御を実行する。
なお、図1には、画像処理装置100に撮像装置8が接続され、撮像装置8から画像処理の対象となる入力画像が提供される構成例を示すが、この構成に限られるものではない。例えば、画像処理装置100と撮像装置8とを一体的に構成し、撮像によって生成される入力画像に対して直接的に画像処理を実行するようにしてもよい。あるいは、各種の記憶媒体または通信媒体を介して、画像処理の対象となる入力画像を画像処理装置100へ与えるようにしてもよい。
<B.画像処理装置のハードウェア構成>
図2は、本実施の形態の画像処理装置100のハードウェア構成を示す模式図である。
図2を参照して、画像処理装置100は、典型的には、汎用的なコンピュータアーキテクチャに従う構造を有しており、予めインストールされたプログラムをプロセッサが実行することで、後述するような各種の画像処理を実現する。
より具体的には、画像処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)などのプロセッサ110と、RAM(Random Access Memory)112と、表示コントローラ114と、システムコントローラ116と、I/O(Input Output)コントローラ118と、ハードディスク120と、カメラインターフェイス122と、入力インターフェイス124と、PLCインターフェイス126と、通信インターフェイス128と、メモリカードインターフェイス130とを含む。これらの各部は、システムコントローラ116を中心として、互いにデータ通信可能に接続される。
プロセッサ110は、ハードディスク120などからプログラムを読み出して、RAM112に展開して実行することで、目的の演算処理を実現する。ハードディスク120は、典型的には、不揮発性の磁気記憶装置であり、プロセッサ110で実行される画像処理プログラム150に加えて、各種設定値などが格納される。このハードディスク120にインストールされる画像処理プログラム150は、コンピュータである画像処理装置100で実行されることで、1または複数の計測処理を含む画像処理を実現するためのプログラムであって、メモリカード106などに格納された状態で流通する。ハードディスク120に代えて、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置などを採用してもよい。
上述のような汎用的なコンピュータアーキテクチャに従う構造を有するコンピュータを利用する場合には、本実施の形態の機能を提供するためのアプリケーションに加えて、コンピュータの基本的な機能を提供するためのOS(Operating System)がインストールされていてもよい。この場合には、本実施の形態の画像処理プログラム150は、OSの一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の順序および/またはタイミングで呼出して処理を実行するものであってもよい。すなわち、本実施の形態の画像処理プログラム150自体は、上記のようなモジュールを含んでおらず、OSと協働して処理が実行される場合もある。したがって、本実施の形態の画像処理プログラム150としては、このような一部のモジュールを含まない形態であってもよい。
さらに、本実施の形態の画像処理プログラム150は、他のプログラムの一部に組み込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、画像処理プログラム150自体には、上記のような組み合わせられる他のプログラムに含まれるモジュールを含んでおらず、当該他のプログラムと協働して処理が実行される。すなわち、本実施の形態の画像処理プログラム150としては、このような他のプログラムに組み込まれた形態であってもよい。代替的に、画像処理プログラム150の実行により提供される機能の一部もしくは全部を専用のハードウェア回路として実装してもよい。
<C.概要>
本実施の形態の画像処理装置100は、入力画像に対して、ユーザが任意に選択した少なくとも1つの計測処理を含む画像処理を実行可能である。この画像処理に含まれる計測処理は、ユーザによって実行順序が定められており、この一連の計測処理によって定義される画像処理の内容を、以下では「計測フロー」とも称す。すなわち、「計測フロー」は、ユーザの入力により選択された計測処理の組み合わせを意味する。
画像処理装置100には、それぞれの計測処理に対応するそれぞれの処理ユニットが実装されており、計測フローの実行時には、当該計測フロー内で定義された計測処理に対応するそれぞれの処理ユニットが自ユニット固有の計測処理を実行する。
図3は、本実施の形態の画像処理装置100の機能構成を示す模式図である。図3を参照して、画像処理装置100は、各々が固有の計測処理を実行するための複数の処理ユニット10_1,10_2,・・・,10_N(以下、「処理ユニット10」とも総称する。)を含む。図2に示すように、記憶部の典型例であるハードディスク120は、このような複数の処理ユニット10を実現するための画像処理プログラム150を格納している。そして、ハードディスク120にアクセス可能なプロセッサ110が画像処理プログラム150を読み出して、予め定められた設定に従って画像処理プログラム150を実行することで、複数の処理ユニット10のうち選択された処理ユニット10が予め定められた順序でそれぞれ固有の計測処理を実行することになる。言い換えれば、画像処理プログラム150は、各々が固有の計測処理を実行する複数の処理ユニット10を実現するための命令を含み、コンピュータである画像処理装置100が予め定められた設定に従って画像処理プログラム150を実行することで、複数の処理ユニット10のうち選択された処理ユニット10が予め定められた順序でそれぞれ固有の計測処理を実行する。このような構成および挙動によって、意図された画像処理が実現される。
処理ユニット10_1,10_2,・・・,10_Nは、それぞれ、計測モジュール12_1,12_2,・・・,12_N(以下、「計測モジュール12」とも総称する。)、および、表示モジュール16_1,16_2,・・・,16_N(以下、「表示モジュール16」とも総称する。)を含んでいる。
計測モジュール12の各々は、サーチやエッジ検出といったそれぞれ固有の計測処理を実行する。計測モジュール12_1,12_2,・・・,12_Nがそれぞれ計測処理を実行することで計測結果14_1,14_2,・・・,14_N(以下、「計測結果14」とも総称する。)が得られる。なお、計測結果14の内容は、対応する固有の計測処理に依存することになる。なお、説明の便宜上、図3においては、計測結果14が各処理ユニット10内で保持されるように描いているが、対応する計測モジュール12および表示モジュール16からアクセス可能であれば、計測結果14がいずれの位置に保持されていてもよい。
表示モジュール16の各々は、他の処理ユニット10に依存することなく、自処理ユニット10の計測モジュール12による計測処理の結果(計測結果14)を出力する。つまり、表示モジュール16は、自処理ユニット10の計測モジュール12によって生成された計測結果14を用いて、例えば、検出位置や検出領域を示すオブジェクト(マークなど)を入力画像上に重ねて表示することができる。
さらに、画像処理装置100は、処理ユニットグラフィック表示機能20を有している。処理ユニットグラフィック表示機能20は、典型的には、画像処理プログラム150(図2)に含まれる命令群とユーザなどの設定によって実現される。処理ユニットグラフィック表示機能20は、計測フローに含まれるとして選択された処理ユニット10が予め定められた順序でそれぞれ固有の計測処理を実行した後に、選択された1または複数の処理ユニットの表示モジュールから計測処理の結果(計測結果14)を取得して出力する。典型的には、処理ユニットグラフィック表示機能20は、結果出力部に相当し、複数の処理ユニット10に含まれる、複数の表示モジュール16を組み合わせて結果表示を行う。このとき、処理ユニットグラフィック表示機能20は、複数の処理ユニット10に含まれる、予め定められた指定に従って選択された表示モジュール16を組み合わせて結果表示を行う。
プログラムを実行する観点で表現すると、プロセッサ110は、個々の処理ユニット10から表示モジュール16を呼出して処理ユニットグラフィック表示用に計測結果の表示を再構成する。なお、処理ユニットグラフィック表示機能20自体を一つの計測処理とみなすこともできる。
図4は、本実施の形態の画像処理装置100の画像処理結果を示す画面例の図である。図4の結果表示画面200には、「カメラ画像入力」、「形状サーチ」、「円形スキャンエッジ位置」、「結果表示」という計測処理からなる計測フローの実行結果を示す。結果表示画面200は、計測フローの設定内容を示すエリア202を含んでおり、このエリア202には、それぞれの計測処理を示すアイコン210,212,214,216がその実行順序に関連付けて表示されている。
結果表示画面200には、形状サーチ処理の結果表示222と、円形スキャンエッジ位置の検出処理の結果表示224と、結果表示の結果表示226とが表示されている。
形状サーチ処理の結果表示222では、予め設定されたテンプレートと一致すると判断された領域の外枠が入力画像上に重ねて表示されている。形状サーチ処理を実行する処理ユニット10(図3)の表示モジュール16は、計測結果14を用いて、入力画像上に重ねるべき外枠を示す情報(例えば、描画命令など)を出力する。
また、円形スキャンエッジ位置の検出処理は、予め設定された領域内で円の輪郭(エッジ)を検出し、その検出した円の輪郭から当該円の中心を決定する処理である。結果表示224では、円の輪郭(エッジ)を検出する対象になった範囲(領域)を示す範囲(ドーナツ形状の範囲)を示す内側円および外側円(いずれも実線)が入力画像上に重ねて表示されており、さらに、検出された円の輪郭(破線)が入力画像上に重ねて表示されている。さらに、入力画像上には、検出された円の中心位置を示す十字マークが重ねて表示されている。円形スキャンエッジ位置の検出処理を実行する処理ユニット10(図3)の表示モジュール16は、計測結果14を用いて、入力画像上に重ねるべき外枠を示す情報(例えば、描画命令など)を出力する。
結果表示の計測処理は、計測フローに従ってそれぞれの処理ユニット10が計測処理を実行した後に、その計測結果を予め定められた任意の方法で表示するものである。なお、後述するように、対象の処理ユニット10における計測処理の結果(処理結果)に依存して、表示する内容を変えるような設定も可能である。
図4に示す例では、「結果表示」の例として、形状サーチ処理の計測結果と、円形スキャンエッジ位置の検出処理の計測結果とをいずれも、入力画像上に重ねることが設定されているとする。その結果、結果表示226には、実質的に、結果表示222で表示されている外枠などのオブジェクトと、結果表示224で表示されている外枠などのオブジェクトとが重ねて、入力画像上に表示されている。
すなわち、「結果表示」の計測処理では、「形状サーチ」および「円形スキャンエッジ位置」をそれぞれ実行した処理ユニット10の表示モジュール16をそれぞれ呼出して、それぞれの計測結果を取得し、入力画像上に重ねて表示する。本実施の形態の画像処理装置100では、処理ユニット10の各々が表示モジュール16を独自に有しているので、各計測処理の計測結果14を任意に組み合わせて最終的な計測結果として出力することができる。
なお、各処理ユニット10が実行する計測処理の内容によっては、入力画像に対して何らかの変換処理を実行した上で、本来の処理を実行するようなものもある。この場合には、入力画像と計測結果14との位置関係や座標系が他の処理ユニット10における位置関係や座標系とは異なったものとなる。そのため、画像処理装置100が実行する処理ユニットグラフィック表示機能20では、それぞれの表示モジュール16が同一の座標系で各計測結果14を出力できるように、表示倍率や表示位置などが適宜調整される。
<D.計測処理の結果の組み合わせ>
次に、各計測処理の計測結果14を任意に組み合わせて最終的な計測結果として出力する処理例について説明する。図5〜図7は、本実施の形態の画像処理装置100における結果表示の組み合わせの一例を示す図である。
図5に示す例では、処理ユニット10_1の表示モジュール16が結果表示Aおよび結果表示Bを出力可能であるとともに、処理ユニット10_2の表示モジュール16が結果表示Cおよび結果表示Dを出力可能であるとする。
本実施の形態では、ユーザは、処理ユニット10に含まれる表示モジュール16を自由に選択して結果画像を構築することができる。すなわち、処理ユニットグラフィック表示機能20は、ユーザなどによる設定に従って、処理ユニット10_1の表示モジュール16を呼出して、結果表示Aを出力させるとともに、処理ユニット10_2の表示モジュール16を呼出して、結果表示Dを出力させる。これによって、結果表示Aと結果表示Dとが組み合わせられた結果表示が得られる。各処理ユニット10における表示モジュール16が出力可能な結果表示のうち、この最終的な結果表示に用いる結果表示を任意に選択することができる。
なお、各処理ユニット10が計測処理を実行した時点で、表示モジュール16がその結果表示を行うようにしてもよい。つまり、同一の結果表示を異なるタイミングおよび異なる出力形態で複数回出力するようにしてもよい。
図5に示す結果表示の組み合わせの処理を、画像処理またはそれに含まれる計測処理に依存させて異ならせるようにしてもよい。すなわち、画像処理装置100は、選択された処理ユニット10の計測処理の結果の一部に少なくとも依存して、出力対象の計測処理を異ならせてもよい。より具体的には、処理ユニットグラフィック表示機能20は、予め指定された処理ユニット10による計測処理の結果の一部に少なくとも依存して、異なる結果表示を行う。
例えば、予め設定したテンプレートと一致する領域をサーチすることができた場合には、サーチ結果を表示し、そうでない場合には、どのような理由でサーチに失敗したのかを調査するために必要な情報を表示する、といった使用形態が可能である。以下、このような画像処理またはそれに含まれる計測処理に依存させて、処理ユニットグラフィック表示の内容を異ならせる処理例について説明する。
図6には、画像処理として、処理ユニット1および処理ユニット2のそれぞれが計測処理を実行する例を示す。この処理例では、画像処理の結果が「OK」および「NG」のいずれであるかによって、組み合わせる対象となる表示結果を異ならせる処理例を示す。なお、「OK」および「NG」は、画像処理およびそれに含まれる計測処理の内容に応じて定義されるが、例えば、予め定められたテンプレートと一致する領域を入力画像からサーチすることができた場合を「OK」と定義し、そうでなかった場合を「NG」と定義できる。つまり、対象の処理ユニット10による計測処理が目的の結果を得ることができたか否かに応じて、出力対象の計測処理、すなわち結果表示を異ならせてもよい。
図6(a)には、「OK」と判定された場合(つまり、目的の結果を得ることができた場合)の処理例を示し、図6(b)には、「NG」と判定された場合(つまり、目的の結果を得ることができなかった場合)の処理例を示す。より具体的には、画像処理の実行結果(あるいは、各計測処理の計測結果)が「OK」である場合には、処理ユニットグラフィック表示機能20は、処理ユニット10_1の表示モジュールが出力可能な結果表示Bと、処理ユニット10_2の表示モジュールが出力可能な結果表示Cとを組み合わせて、結果表示として出力する(図6(a))。これに対して、画像処理の実行結果(計測結果)が「NG」である場合には、処理ユニットグラフィック表示機能20は、処理ユニット10_1の表示モジュールが出力可能な結果表示Aと、処理ユニット10_2の表示モジュールが出力可能な結果表示Dとを組み合わせて、結果表示として出力する(図6(b))。
このようにして、画像処理の実行結果(あるいは、各計測処理の計測結果)に依存して、最終的な結果表示として用いる各処理ユニット10の結果表示を適宜変更することができる。
図7にも、図6と同様に画像処理として、処理ユニット1および処理ユニット2のそれぞれが計測処理を実行する例を示す。この処理例では、計測処理の実行によって得られる計測結果が数値である場合が想定されており、この計測結果である数値の大きさに応じて、組み合わせる対象となる表示結果を異ならせる処理例を示す。例えば、予め定められたテンプレートと一致する領域をサーチするような計測処理を考えると、対象領域とテンプレートとの一致は、両者の類似度(典型的には、相関値)などが用いられる。この算出される類似度を計測結果として用いるとともに、類似度が予め定められたしきい値との大小関係に依存して、最終的な表示結果の出力に係る処理を変化させることができる。つまり、対象の処理ユニット10による計測処理の結果である値が所定条件を満たしているか否かに応じて、出力対象の計測処理、すなわち結果表示を異ならせてもよい。
図7(a)には、計測結果を示す数値がしきい値X未満である場合の処理例を示し、図7(b)には、計測結果を示す数値がしきい値X以上である場合の処理例を示す。より具体的には、画像処理の実行結果を示す値がしきい値未満である場合には、処理ユニットグラフィック表示機能20は、処理ユニット10_1の表示モジュールが出力可能な結果表示Bと、処理ユニット10_2の表示モジュールが出力可能な結果表示Cとを組み合わせて、結果表示として出力する(図7(a))。これに対して、画像処理の実行結果を示す値がしきい値以上である場合には、処理ユニットグラフィック表示機能20は、何らの結果表示も出力しない(図7(b))。言い換えれば、処理ユニットグラフィック表示機能20は、選択対象の結果表示をゼロとする。
このようにして、画像処理の実行結果(あるいは、各計測処理の計測結果)に依存して、最終的な結果表示として用いる各処理ユニット10の結果表示を適宜変更することができる。
<E.画面ユーザインターフェイスおよび設定操作例>
次に、本実施の形態の画像処理装置100が提供する画面ユーザインターフェイスおよびそれに対する設定操作例について説明する。
図8は、本実施の形態の処理ユニットグラフィック表示機能の画面例を示す図である。図9および図10は、本実施の形態の処理ユニットグラフィック表示機能の設定操作例を示す図である。図11は、本実施の形態の処理ユニットグラフィック表示機能の別の設定操作例を示す図である。以下では、画像処理の実行結果を図8に示すような態様で表示する場合の設定操作例について説明する。
図8に示す結果表示画面200では、入力画像230上に4つのオブジェクトが重ねて表示されている。すなわち、(1)ECM(エッジコードモデル)サーチの結果として出力されるエッジコード群を示す結果表示232と、(2)日付および時刻を示す表示236と、(3)入力画像230上の対象領域を示す表示234と、(4)入力画像230上の予め定められた位置を示す表示238とが、入力画像230上に重ねて表示される。
本実施の形態の処理ユニットグラフィック表示機能20によって、これらの表示が入力画像230上にそれぞれ重ねられて出力される。つまり、本実施の形態の処理ユニットグラフィック表示機能20を利用することにより、図8に示すような複雑な結果表示を実現する。なお、本実施の形態では、計測処理の結果表示だけではなく、ユーザが指定した任意の種類の表示を組み合わせることが可能である。
図8に示すような結果表示画面200を実現するために、ユーザは、まず図9に示すような結果表示の編集画面250にて、いずれの表示モジュール16を使用するのかという組み合わせを設定する。編集画面250は、結果表示一覧の設定エリア260を有しており、ユーザは、この設定エリア260にて表示させるべきモジュールを指定する。図9に示す編集画面250では、表示232を定義するための「処理項目グラフィック表示」のエントリ262と、表示236を定義するための「日付時刻表示」のエントリ264と、表示234を定義するための「長方形表示」のエントリ266と、表示238を定義するための「十字カーソル表示」のエントリ268とが構成されている例を示す。
図9に示す編集画面250において、ユーザが「処理項目グラフィック表示」のエントリ262を選択して「編集」を選択すると、図10に示すような「表示項目グラフィック表示」の編集画面252が表示される。ユーザは、この編集画面252において、設定エリア272において、表示対象とする「処理項目」(計測処理)とそれに対応する表示モジュール16とを選択する。すなわち、いずれの処理ユニット10の計測処理の結果を表示するのかを選択することができる。ここで、計測処理の内容によっては、複数の表示項目または表示態様が存在するので、「サブ番号」の欄に、表示を希望する表示モジュール16を指定することもできる。また、上述の図6および図7を参照して説明したように、画像処理の結果(または、いずれかの計測処理の結果)に依存して表示内容を異ならせることもでき、この場合には、ユーザは設定エリア274にて「表示条件」を指定する。すなわち、設定エリア272において設定した表示対象を表示する条件を設定することが可能になっている。「表示条件」の欄を指定することで、上述の図6に示すような、結果が「OK」および「NG」のいずれであるかによって、表示結果を異ならせることができる。また、「判定式」、「計測値」、「判定条件」の欄を指定することで、上述の図7に示すような、計測結果である数値の大きさに応じて、表示結果を異ならせることができる。
なお、図9および図10では、対話型の画面ユーザインターフェイスを用いた設定操作例について説明したが、直接スクリプトを記載することで同様の設定を可能にしてもよい。例えば、図11には、図9および図10に示す設定内容と同様の設定内容を定義するスクリプトが示されている。図11に示す例では、マクロ機能として、「MeasureDispG Subroutine」というタイトルでその処理内容が定義されている例を示す。このように、「処理項目グラフィック表示」による描画処理をマクロ機能を用いて制御することもできる。
<F.結論>
本実施の形態の画像処理装置100によれば、複数の計測処理を含む画像処理を実行する際に、それぞれの計測処理の結果を自在に出力できる。すなわち、本実施の形態の画像処理装置では、出力する計測処理の結果を任意に選択できるので、自由度が高い。また、複数の処理ユニット10から任意の数の表示モジュール16を選択して組み合わせることができる。本実施の形態では、計測処理を実行した各処理ユニット10から表示モジュール16を呼出すので、複数の結果表示を用いた複雑の表示を実現することもできる。
また、本実施の形態の画像処理装置100では、表示対象となる計測処理の結果(計測結果)に応じて、出力する計測処理の結果も異ならせることもできる。そのため、よりユーザにとって使い易い表示出力を提供できる。
本実施の形態の画像処理装置100では、各処理ユニット10が表示モジュール16を有しているので、別の表示のモジュールを追加する必要がない。また、各処理ユニット10は、表示モジュール16を互いに独立して保持しており、計測モジュール12はそれらの表示モジュール16を参照するので、計測モジュール12内に表示に関する処理を実装したくてもよい。
また、本実施の形態の画像処理装置100は、複数の計測結果14を組み合わせて表示することの設定をより簡素化するための、処理ユニットグラフィック表示機能20が設けられている。これによって、いずれの処理ユニット10の表示モジュール16を呼出して処理結果をどのような条件で表示させ易くなる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 画像処理システム、2 ワーク、5 PLC、6 搬送機構、8 撮像装置、10 処理ユニット、12 計測モジュール、14 計測結果、16 表示モジュール、20 処理ユニットグラフィック表示機能、100 画像処理装置、102 表示部、106 メモリカード、110 プロセッサ、112 RAM、114 表示コントローラ、116 システムコントローラ、118 I/Oコントローラ、120 ハードディスク、122 カメラインターフェイス、124 入力インターフェイス、126 PLCインターフェイス、128 通信インターフェイス、130 メモリカードインターフェイス、150 画像処理プログラム。

Claims (12)

  1. 1または複数の計測処理を含む画像処理を実行可能な画像処理装置であって、
    各々が固有の計測処理を実行する複数の処理ユニット、および、処理ユニットグラフィック表示機能を実現するためのプログラムを格納する記憶部と、
    前記記憶部にアクセス可能な演算部とを備え、前記演算部が予め定められた設定に従って前記プログラムを実行することで、前記複数の処理ユニットのうち選択された処理ユニットが予め定められた順序でそれぞれ固有の計測処理を実行し、
    前記複数の処理ユニットの各々は、
    対応する固有の計測処理を実行する計測モジュールと、
    他の処理ユニットに依存することなく、自処理ユニットの前記計測モジュールによる計測処理の結果を出力する表示モジュールとを含み、
    記処理ユニットグラフィック表示機能は、前記複数の処理ユニットのうち任意の第1の処理ユニットの表示モジュールを呼び出すことで当該第1の処理ユニットにおける計測処理の結果を取得し、前記複数の処理ユニットのうち任意の第2の処理ユニットの表示モジュールを呼び出すことで当該第2の処理ユニットにおける計測処理の結果を取得し、両結果を出力可能に構成される、画像処理装置。
  2. 前記演算部は、前記選択された処理ユニットが予め定められた順序でそれぞれ固有の計測処理を実行した後に、選択された1または複数の処理ユニットの表示モジュールから計測処理の結果を取得して出力する、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記演算部は、前記選択された処理ユニットの計測処理の結果の一部に少なくとも依存して、出力対象の計測処理を異ならせる、請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記演算部は、対象の計測処理が目的の結果を得ることができたか否かに応じて、出力対象の計測処理を異ならせる、請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記演算部は、対象の計測処理の結果である値が所定条件を満たしているか否かに応じて、出力対象の計測処理を異ならせる、請求項3に記載の画像処理装置。
  6. コンピュータで実行されることで、1または複数の計測処理を含む画像処理を実現するための画像処理プログラムであって、
    各々が固有の計測処理を実行する複数の処理ユニット、および、処理ユニットグラフィック表示機能を実現するための命令を含み、
    前記コンピュータが予め定められた設定に従って前記画像処理プログラムを実行することで、前記複数の処理ユニットのうち選択された処理ユニットが予め定められた順序でそれぞれ固有の計測処理を実行し、
    前記複数の処理ユニットの各々は、
    対応する固有の計測処理を実行する計測モジュールと、
    他の処理ユニットに依存することなく、自処理ユニットの前記計測モジュールによる計測処理の結果を出力する表示モジュールとを含み、
    記処理ユニットグラフィック表示機能は、前記複数の処理ユニットのうち任意の第1の処理ユニットの表示モジュールを呼び出すことで当該第1の処理ユニットにおける計測処理の結果を取得し、前記複数の処理ユニットのうち任意の第2の処理ユニットの表示モジュールを呼び出すことで当該第2の処理ユニットにおける計測処理の結果を取得し、両結果を出力可能に構成される、画像処理プログラム。
  7. 1または複数の計測処理を含む画像処理を実行可能な画像処理装置であって、
    複数の処理ユニットを備え、各処理ユニットは、固有の計測処理を実行する計測モジュールと、当該計測モジュールによる計測処理の結果を出力する表示モジュールとを含み、前記表示モジュールは、他の処理ユニットに依存することなく、自処理ユニットの前記計測モジュールによる計測処理の結果を出力するように構成されており、さらに
    前記複数の処理ユニットに含まれる、第1の表示モジュールと第2の表示モジュールとを組み合わせて結果表示を行う結果出力部を備え、
    前記表示モジュールの各々は、前記結果出力部により任意に呼び出し可能に構成される、画像処理装置。
  8. 前記結果出力部は、前記複数の処理ユニットに含まれる、予め定められた指定に従って選択された表示モジュールを組み合わせて結果表示を行う、請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記結果出力部は、対象の処理ユニットによる計測処理の結果の一部に少なくとも依存して、異なる結果表示を行う、請求項7または8に記載の画像処理装置。
  10. 前記結果出力部は、対象の処理ユニットによる計測処理が目的の結果を得ることができたか否かに応じて、結果表示を異ならせる、請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記結果出力部は、対象の処理ユニットによる計測処理の結果である値が所定条件を満たしているか否かに応じて、結果表示を異ならせる、請求項9に記載の画像処理装置。
  12. コンピュータで実行されることで、1または複数の計測処理を含む画像処理を実現するための画像処理プログラムであって、前記コンピュータを
    複数の処理ユニットとして機能させ、各処理ユニットは、固有の計測処理を実行する計測モジュールと、当該計測モジュールによる計測処理の結果を出力する表示モジュールとを含み、前記表示モジュールは、他の処理ユニットに依存することなく、自処理ユニットの前記計測モジュールによる計測処理の結果を出力するように構成されており、さらに
    前記複数の処理ユニットに含まれる、第1の表示モジュールと第2の表示モジュールとを組み合わせて結果表示を行う結果出力部として機能させ、
    前記表示モジュールの各々は、前記結果出力部により任意に呼び出し可能に構成される、画像処理プログラム。
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