以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は複合顕微鏡の構成図である。除振台1上にXYステージ2が設けられている。このXYステージ2上には、試料3が載置される。このXYステージ2は、XY軸方向に移動する。又、除振台1上には、門型フレーム4が設けられている。この門型フレーム4には、光学顕微鏡ユニット5が設けられている。
この光学顕微鏡ユニット5は、試料3の光学像(光学顕微鏡像)を含む少なくとも二次元の形状情報を測定するもので、XYステージ2と対向部分にZ駆動機構6が設けられると共に、このZ駆動機構6の下部にレボルバ(移動機構)7が設けられている。Z駆動機構6は、レボルバ7をZ軸方向に昇降する。レボルバ7は、Z駆動機構6に対して回転可能に設けられ、かつそれぞれ倍率の異なる複数の対物レンズ8及び走査型プローブ顕微鏡(SPM)ユニット9が取り付けられている。従って、レボルバ7を回転すことにより所望の倍率を有する対物レンズ8又はSPMユニット9が試料3に対峙する位置に設定される。
光学顕微鏡ユニット5は、試料3の少なくとも二次元情報を取得し得る光学系を有しており、より好ましくは、試料3の三次元情報を取得し得る光学系を有している。この光学顕微鏡ユニット5は、例えば試料3の三次元情報(以下、形状情報と称する)を取得し得る走査型レーザー顕微鏡ユニットを用いる。なお、光学顕微鏡ユニット5は、走査型レーザー顕微鏡ユニットに限定されるものではなく、試料3の少なくとも二次元情報を取得し得る任意の光学系であればよい。
図2は光学顕微鏡ユニット5としての走査型レーザー顕微鏡ユニット10の構成図である。この走査型レーザー顕微鏡ユニット10は、レーザビームを射出する光源11と、この光源11から射出されたレーザビームの径を拡大するビームエキスパンダー12と、このビームエキスパンダー12を透過したレーザビームの光路上に配置されたハーフミラー13と、このハーフミラー13を透過したレーザビームを例えばY軸方向に沿って走査するための第1のガルバノミラー14と、この第1のガルバノミラー14により走査されたレーザビームをX軸方向に沿って走査するための第2のガルバノミラー15と、この第2のガルバノミラー15により走査されたレーザビームを収束させるための対物レンズ8とを有する。
しかるに、光源11から射出されたレーザビームは、ビームエキスパンダー12によりその径が拡大され、ハーフミラー13を透過し、第1のガルバノミラー14により例えばY軸方向に沿って走査され、第2のガルバノミラー15により例えばX軸方向に沿って走査され、対物レンズ8により収束されて試料3上にXY軸方向に走査される。このように対物レンズ8から射出されたレーザビームは、その光軸を横切る試料3の表面で反射される。
又、走査型レーザー顕微鏡ユニット10は、ハーフミラー13の反射光路上に当該ハーフミラー13からの反射光ビームを収束する結像レンズ16と、対物レンズ8によるレーザビームの収束点と共役な位置に配置されたピンホール17と、このピンホール17を通過した光の強度を検出するための受光素子18とを有する。
しかるに、試料3の表面からの反射光ビームは、ハーフミラー13により分離されて結像レンズ16に進行し、この結像レンズ16により収束され、ピンホール17を通過して受光素子18により受光される。この受光素子18は、受光した光の強度を検出し、その光強度検出信号を出力する。
SPMユニット9は、試料3の形状情報を含む物性情報である走査型プローブ顕微鏡像(以下、SPM像と称する)を測定する。このSPMユニット9は、カンチレバー19を有する。このカンチレバー19の自由端には、探針20が設けられている。このSPMユニット9は、カンチレバー19をXY軸方向に走査すると共にZ軸サーボ制御をするためのスキャナーと、カンチレバー19の変位を検出するための変位検出センサーとを内蔵している。
変位検出センサーは、光てこ方式によりカンチレバー19の変位を検出するもので、例えばカンチレバー19に光ビームを照射する光源と、カンチレバー19で反射された光ビームの位置を検出するための受光素子とを有する。
又、SPMユニット9は、図示しないが探針20を試料3にアプローチするためのZ軸方向移動機構を内蔵している。
次に、複合顕微鏡の制御系について説明する。
中央演算処理部(以下、CPUと称する)21には、複合顕微鏡を動作制御する制御部22と、複合顕微鏡の測定により得られる各情報を記憶するRAM23aやプログラム等を記憶するROM23bからなる記憶部23と、マウスやキーボード等を有する指示入力部24と、液晶ディスプレイ等の表示部25とが接続されている。これらCPU21、記憶部23、指示入力部24及び表示部25は、例えばパーソナルコンピュータを用いる。
制御部22は、SPMユニット9によるSPM測定と、走査型レーザー顕微鏡ユニット10による光学顕微鏡測定とを行なうための制御を行う。
記憶部23のRAM23aは、走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定により取得した形状情報を記憶する光学顕微鏡像メモリ23a−1と、SPMユニット9の測定により取得したSPM像を記憶するSPM像メモリ23a−2とを有する。
又、記憶部23のROM23bは、走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定動作を制御する光学顕微鏡動作プログラムと、SPMユニット9の測定動作を制御するSPM動作プログラムと、走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定により取得した形状情報を解析する形状情報解析プログラムと、SPMユニット9の測定により取得した物性情報を解析する物性情報解析プログラムとを記憶する。
指示入力部24は、走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定条件の変更設定の指示と、SPMユニット9の測定条件の変更設定の指示と、走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定により取得される試料3の形状情報の解析の変更設定の指示と、SPMユニット9の測定により取得されるSPM像の解析の変更設定の指示と、表示部25に表示される画面の切り替え指示などを行う。
CPU21は、走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定中にSPMユニット9の測定により取得されたSPM像の解析を実行する。又、CPU21は、SPMユニット9の測定中に走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定により取得された試料3の形状情報の解析を実行するマルチタスクの機能を有する。すなわち、CPU21は、ROM23bに記憶されている光学顕微鏡動作プログラムを実行すると同時に物性情報解析プログラムを実行する。又、CPU21は、SPM動作プログラムを実行すると同時に形状情報解析プログラムを実行する。
CPU21は、走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定により取得された試料3の形状情報又はSPMユニット9の測定により取得されたSPM像を解析して少なくとも試料3の断面の情報、粗さの情報、長さ測定結果の情報、フィルタ処理結果の情報、傾き調整処理結果の情報のうち1つの解析結果を取得する。すなわち、CPU21は、解析部として機能する。
CPU21は、走査型レーザー顕微鏡ユニット10による試料3の形状情報の測定中にSPMユニット9の測定により取得されたSPM像の解析結果を表示部25に表示し、又はSPMユニット9による試料3のSPM像の測定中に走査型レーザー顕微鏡ユニット10による試料3の形状情報の解析結果を表示部25に表示する。
表示部25は、CPU21によって次の表示を行う。
表示部25は、走査型レーザー顕微鏡ユニット10とSPMユニット9との各測定条件情報、走査型レーザー顕微鏡ユニット10により測定される形状情報、SPMユニット9により測定される物性情報、CPU21による解析結果の各情報(試料3の形状情報の解析結果、試料3のSPM像の解析結果)を選択して1つの情報又は複数の情報を任意に組み合わせて同一画面上に表示する。
表示部25は、CPU21によるSPMユニット9により測定された物性情報の解析中に、走査型レーザー顕微鏡ユニット10による形状情報の測定が終了すると、走査型レーザー顕微鏡ユニット10により形状情報を測定したときの形状情報を表示する。
表示部25は、CPU21による走査型レーザー顕微鏡ユニット10により測定された形状情報の解析中に、SPMユニット9による物性情報の測定が終了すると、SPMユニット9により物性情報を測定したときの物性情報を表示する。
表示部25は、図3に示すように走査型レーザー顕微鏡ユニット10又はSPMユニット9の各測定条件情報を設定変更するための測定制御画面Dを表示する。この測定制御画面Dは、測定条件情報を表示する測定条件枠F1(第1の測定画面領域)と、走査型レーザー顕微鏡ユニット10により測定される形状情報又はSPMユニット9により測定される物性情報を表示する画像枠F2(第2の測定画像領域)とを有する。
表示部25は、図4に示すように走査型レーザー顕微鏡ユニット10により測定された形状情報又はSPMユニット9により測定されたSPM像に対するCPU21による各解析結果情報を含む解析画面Aを表示する。この解析画面Aは、CPU21による解析条件を設定変更する解析条件枠(第1の解析画面領域)G1と、CPU21による解析結果情報を表示する第2の解析画面領域、例えば試料3のX軸方向の断面を解析した結果を表示するX断面解析枠H1、試料3のY軸方向の断面を解析した結果を表示するY断面解析枠H2、試料3を真上から観察した像を表示するトップビュー像枠H3とを有する。
以下、上記複合顕微鏡の測定動作について説明する。
先ず、オペレータが指示入力部24を操作して測定条件設定の指示を行うと、CPU21は、表示部25に対して例えば図3に示す走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定制御画面Dを表示する。この測定制御画面Dにおいて測定条件枠F1は、走査型レーザー顕微鏡ユニット10の対物レンズ8、測定範囲等の測定条件を表示するエリアである。画像枠F2は、走査型レーザー顕微鏡ユニット10により取得した光学顕微鏡像を表示するエリアである。
オペレータが指示入力部24を操作して測定条件を設定し、測定開始の指示を行うと、CPU21は、走査型レーザー顕微鏡ユニット10に対して測定開始の指示を発する。
この走査型レーザー顕微鏡ユニット10において光源11からレーザビームが射出されると、このレーザビームは、ビームエキスパンダー12、ハーフミラー13、第1のガルバノミラー14、第2のガルバノミラー15を経て対物レンズ8に入射し、この対物レンズ8から試料3に照射される。試料3上のレーザビームは、第1のガルバノミラー14と第2のガルバノミラー15とによりXY軸方向にラスター走査される。
試料3上に走査されたレーザビームは、試料3で反射し、ハーフミラー13により分離されて結像レンズ16に進行し、この結像レンズ16により収束され、ピンホール17に入射する。
試料3からの反射光ビームは、試料3の表面がレーザビームの収束点近くに位置している場合にのみピンホール17を通過できる。これとは異なって試料3の表面がレーザビームの収束点から離れている場合にはピンホール17を通過できない。従って、レーザビームの収束点がちょうど試料3の表面に照射されたときに、試料3からの反射光ビームがピンホール17を通過できる。
このピンホール17を通過した反射光ビームは、受光素子18で受光される。この受光素子18は、受光した光の強度を検出し、その光強度検出信号を出力する。
CPU21は、受光素子18から出力された光強度検出信号を入力し、この光強度検出信号と、第1のガルバノミラー14及び第2のガルバノミラー15によるラスター走査に基づくレーザビームの収束点のXY位置とを合わせて処理することにより、レーザビームの収束点のZ位置すなわち高さに位置する試料3の表面の一画面分の光学顕微鏡像を取得する。
CPU21は、一画面分のラスター走査終了毎に、Z駆動機構6により対物レンズ8を予め設定された距離ずつZ軸方向に沿って移動し、前述の動作を繰り返して高さ情報を取得して画像処理することで三次元形状情報を取得する。このように得られた二次元形状情報若しくは三次元形状情報は、CPU21によって光学顕微鏡像メモリー23a−1に保存する。
又、CPU21は、光学顕微鏡像メモリー23a−1に保存されている試料3の二次元形状情報若しくは三次元形状情報に基づいて、例えば図5に示すような三次元画像又は図6に示すようなエクステンドフォーカス像等を作成し、これら像を表示部25に表示する。図6に示すエクステンドフォーカス像は、試料3の全ての高さにおいて焦点が合っている像であり、これは前述の複数の試料3の表面の光学顕微鏡像の合焦部分を組み合わせることによって作成される。
次に、走査型レーザー顕微鏡ユニット10により測定した試料8上の特定部位とほぼ同じ位置をSPM測定する。
走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定制御画面Dにおいて、オペレータが指示入力手段24を操作して測定条件枠F1内にあるSPM測定の切換えを指示すると、CPU21は、SPMユニット9を試料8と対向する位置に移動させる指示をレボルバ7に発する。これによりレボルバ7は回転し、SPMユニット9を試料8に対向する位置に配置させる。
これと共にCPU21は、表示部25に対して図3に示すようなSPMの測定制御画面F1を表示させる指示を発する。これにより表示部25は、SPMの測定制御画面Dを表示する。この測定制御画面Dは、SPMの測定条件情報を表示する測定条件枠F1と、SPMユニット9により測定されたSPM像を表示する画像枠F2とを有する。
オペレータが指示入力部24を操作して測定条件を設定し、測定開始の指示を行うと、CPU21は、測定制御画面D上に測定条件パラメータを設定した後、SPMユニット9に対して測定開示の指示を発する。
このSPMユニット9は、スキャナーによって探針20を設けたカンチレバー19をXY軸方向に走査すると共にZ軸方向にサーボ制御し、かつ変位検出センサーによってカンチレバー19の変位を検出する。この変位検出センサーは、例えば光源から発せられた光ビームをカンチレバー19に照射し、このカンチレバー19で反射された光ビームの位置を受光素子により検出し、その受光位置信号を出力する。
CPU21は、変位検出センサーから出力された受光位置信号を入力し、試料3のSPM像を取得する。この試料3のSPM像は、CPU21によってSPM像メモリ23a−2に記憶される。
このようなSPM測定中、オペレータが指示入力部24を操作して走査型レーザー顕微鏡ユニット10により測定された試料3の二次元形状情報若しくは三次元形状情報の解析指示を行うと、CPU21は、図4に示すような光学顕微鏡像の像解析画面Aを表示部25に表示する。
この像解析画面Aにおいてオペレータによって解析条件枠G1で前もって走査型レーザー顕微鏡ユニット10により測定された試料3の二次元形状情報若しくは三次元形状情報顕微鏡像の選択、各種解析条件が設定されている。
CPU21は、解析条件枠G1に設定された試料3の二次元形状情報若しくは三次元形状情報顕微鏡像の選択、各種解析条件に従い、記憶部23の光学顕微鏡像メモリ23a−1に記憶されている任意の像を試料3の二次元形状情報若しくは三次元形状情報を読み出して各種の解析を実行する。CPU21は、例えば試料3の二次元形状情報若しくは三次元形状情報に対して粗さ解析、二次元画像内長さ計測等の他の解析は勿論のこと、画像のノイズを低減するためのフィルタ処理、傾きを調整するための傾き調整処理などの各種画像処理を実行する。
図4は試料3の二次元形状情報若しくは三次元形状情報の解析結果を示し、例えばX断面解析枠H1に試料3のX断面像を表示し、Y断面解析枠H2に試料3のY断面像を表示し、画像枠H3に試料3のトップビユー(TopView)像を表示している。
なお、図6は試料3の各断面解析の解析結果の表示例を示すが、その他に粗さ解析、二次元画像内長さ計測等のほかの解析は勿論のこと、画像のノイズを低減するためのフィルタ処理や、傾きを調整するための傾き調整処理などの各種画像処理の結果も可能である。又、図6は画面内の構成の一例を示したものであり、各解析に応じて枠の配置などが変形可能であることは言うまでもない。
次に、再度、走査型レーザー顕微鏡ユニット10により試料8を測定する場合について説明する。
上記同様に、走査型レーザー顕微鏡ユニット10は、試料3上にレーザビームをラスター走査し、試料3からの反射光ビームをピンホール17を通して受光素子18で受光する。CPU21は、受光素子18から出力された光強度検出信号を入力し、レーザビームの収束点のZ位置における試料3の表面の一画面分の光学顕微鏡像を取得する。又、CPU21は、一画面分のラスター走査終了毎に対物レンズ8を予め設定された距離ずつZ軸方向に沿って移動することにより三次元形状情報を取得する。
このような走査型レーザー顕微鏡ユニット10による試料3の二次元形状情報若しくは三次元形状情報の測定中、オペレータが指示入力部24を操作してSPMユニット9により測定された試料3のSPM像の解析指示を行うと、CPU21は、図4に示すようなSPM像の像解析画面Aを表示部25に表示する。
この像解析画面Aにおいてオペレータによって解析条件枠G1で前もってSPMユニット9により測定された試料3のSPM像の選択、各種解析条件が設定されている。
CPU21は、解析条件枠G1に設定された試料3のSPM像の選択、各種解析条件に従い、記憶部23のSPM像メモリ23a−2に記憶されている任意のSPM像を読み出して各種の解析を実行する。CPU21は、例えば試料3のSPM像に対して粗さ解析、二次元画像内長さ計測等の他の解析は勿論のこと、画像のノイズを低減するためのフィルタ処理、傾きを調整するための傾き調整処理などの各種画像処理を実行する。
このように上記第1の実施の形態によれば、SPMユニット9の測定中に、CPU21によって走査型レーザー顕微鏡ユニット10により測定された試料3の二次元形状情報若しくは三次元形状情報を解析しかつその解析結果を表示部25に表示し、走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定中に、CPU21によってSPMユニット9により測定された試料3のSPM像を解析しかつその解析結果を表示部25に表示する。
これにより、SPMユニット9の測定中に、これまで不可能であった走査型レーザー顕微鏡ユニット10により測定された試料3の二次元形状情報若しくは三次元形状情報の解析及びその解析結果の表示ができる。この試料3の二次元形状情報若しくは三次元形状情報の解析は、例えば試料3のX断面解析像、Y断面解析像、試料3のトップビュー(TopView)像を取得したり、さらには試料3の粗さ解析、二次元画像内長さ計測、画像のノイズを低減のフィルタ処理、傾きを調整するための傾き調整処理などの各種画像処理ができる。
この結果、SPMユニット9の測定中の待ち時間を有効利用することが可能である。
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図7は複合顕微鏡の主要部を示す構成図である。SPMユニット9は、円筒状のユニット本体30を有する。このユニット本体30には、スキャナー31と変位検出センサー32とが設けられている。この変位検出センサー32の下部に探針20を自由端に設けたカンチレバー19が設けられている。スキャナー31は、カンチレバー19をXY軸方向に走査すると共にZ軸方向にサーボ制御をする。変位検出センサー32は、光てこ方式によりカンチレバー19の変位を検出するもので、例えばカンチレバー19に光ビームを照射する光源と、カンチレバー19で反射された光ビームの位置を検出するための受光素子とを有する。又、ユニット本体30には、Z軸方向移動機構33が内蔵されている。このZ軸方向移動機構33は、探針20を試料3にアプローチするためにZ軸方向に移動させる。
さらに、ユニット本体30には、対物レンズ34が内蔵されている。この対物レンズ34は、レボルバ7によってSPMユニット9が試料3の対向位置に配置された場合、図2に示す走査型レーザー顕微鏡ユニット10の対物レンズ8の代わりとなる。
従って、SPMユニット9を選択したときに、対物レンズ8を利用した走査型レーザー顕微鏡ユニット10により試料3の二次元形状情報若しくは三次元形状情報を取得可能である。
又、CPU21は、オペレータが指示入力部24に対してSPM測定から光学顕微鏡測定への切り換え、又は光学顕微鏡測定からSPM測定への切り換えの操作を行うと、CPU21は、表示部25の画面を、SPMの測定制御画面Dから走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定制御画面Dに切り換えると共に、走査型レーザー顕微鏡ユニット10に対して動作切換え指令を発し、又は走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定制御画面DからSPMの測定制御画面Dに切り換えると共に、SPMユニット9に対して動作指令を発する。
以下、上記複合顕微鏡の測定動作について説明する。
SPMユニット9を選択して試料8の対向位置に配置している状態では、通常、表示部25は、図3に示すようなSPMの測定制御画面Dを表示する。
この状態で、SPMの測定前又は後に、探針20と測定する所望位置との関係を確認したい場合がある。このような場合、オペレータが指示入力部24に対してSPM測定から光学顕微鏡測定に切り換える操作を行うと、CPU21は、表示部25の画面を、SPMの測定制御画面Dから走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定制御画面Dに切り換えると共に、走査型レーザー顕微鏡ユニット10に対して動作指令を発する。
これにより、SPMユニット9が試料3と対向する位置にある状態であっても、走査型レーザー顕微鏡ユニット10は、SPMユニット9に内蔵された対物レンズ34を利用して試料3の二次元形状情報若しくは三次元形状情報を取得可能である。
このとき、CPU21は、SPMユニット9に内蔵された対物レンズ34を利用して走査型レーザー顕微鏡ユニット10により測定した試料3の二次元形状情報若しくは三次元形状情報に対して解析を実行し、探針20と試料3との位置関係を確認することが可能である。
一方、対物レンズ8を選択して試料8の対向位置に配置している状態からSPMユニット9を試料3と対向する位置に切り換えれると、CPU21は、表示部25の画面を、走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定制御画面DからSPMの測定制御画面Dに切り換えると共に、SPMユニット9に対して動作指令を発する。
このとき、CPU21は、即座にSPM測定に移行せずに、SPMユニット9に内蔵する対物レンズ34を利用して光学顕微鏡測定を行なった後、走査型レーザー顕微鏡ユニット10の測定制御画面DからSPMの測定制御画面Dに切り換え、この後に、SPM測定に移行する。
このように上記第2の実施の形態によれば、SPMユニット9に対物レンズ34を内蔵したので、SPMユニット9が試料3と対向する位置にある状態であっても、走査型レーザー顕微鏡ユニット10により試料3の二次元形状情報若しくは三次元形状情報を取得可能である。
なお、本発明は、上記第1及び第2の実施の形態に限定されるものではなく、次のように変形してもよい。
なお、光学顕微鏡としては、走査型レーザー顕微鏡ユニット10を示したが、これは単なる明視野顕微鏡、暗視野顕微鏡、落射顕微鏡、透過顕微鏡、偏向顕微鏡、干渉顕微鏡、共焦点レーザ顕微鏡などの光学顕微鏡ユニットであってもよい。この場合、光学顕微鏡ユニットを通してCCDセンサなどの受光素子で受光した二次元像の情報を記憶部23に記憶すれば、上記第1及び第2の実施の形態と同様の効果を得ることは言うまでもない。
光学顕微鏡の対物レンズ8とSPMユニット9の切換え機構としてレボルバ7を用いているが、例えばSPMユニット9を光学顕微鏡ユニットから離して門型フレーム4に設置した構成でも実現可能である。この場合、XYステージ2は、XY座標検出可能な電動ステージを用い、試料3を対物レンズ8の下方又はSPMユニット9の下方に移動して切り替えることで実現可能である。
1:除振台、2:XYステージ、3:試料、4:門型フレーム、5:光学顕微鏡ユニット、6:Z駆動機構、7:レボルバ、8:対物レンズ、9:走査型プローブ顕微鏡(SPM)ユニット、10:走査型レーザー顕微鏡ユニット、11:光源、12:ビームエキスパンダー、13:ハーフミラー、14:第1のガルバノミラー、15:第2のガルバノミラー、16:結像レンズ、17:ピンホール、18:受光素子、19:カンチレバー、20:探針、21:中央演算処理部(CPU)、22:制御部、23:記憶部、23a:RAM、23b:ROM、23a−1:光学顕微鏡像メモリ、23a−2:SPM像メモリ、24:指示入力部、25:表示部、30:ユニット本体、31:スキャナー、32:変位検出センサー、33:Z軸方向移動機構、34:対物レンズ。