JP6446185B2 - ドラム式洗濯乾燥機 - Google Patents

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Description

本発明は,ドラム式洗濯乾燥機に関するもので,特にドラム式洗濯乾燥機の脱水時の低振動化に関する。
ドラム式洗濯乾燥機は、水を溜める外槽と,外槽の内部に回転可能に支持されたドラムと,外郭をなす筺体と,外槽を筺体に支持する防振支持機構などによって構成される。衣類の脱水は,ドラムを高速で回転させて行う。この時,ドラム内の衣類分布に偏りが生じていると、ドラムが回転する際に外槽に振動が発生する。この振動は、外槽から防振支持機構を介して筺体,床へと伝達する。外槽を防振支持する減衰機構の減衰力が大きい程,外槽の振動を低減することができるが,筺体や床への伝達力が増加する。
本技術分野の背景技術として,特開2006−204563号公報(特許文献1)がある。この公報には,洗濯機外枠の底部に設けられた弾性体に支持された外槽と、前記外槽内に回転可能に設けられた洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を回転させる駆動手段とを備え、前記弾性体をエアーダンパとし、前記外槽を下方より支持する構成とした洗濯機が記載されている。弾性体は、シリンダと、ピストンと、前記シリンダの側部に前記ピストンを挟んで設けた第1の排気口および第2の排気口を有し、前記第1の排気口と前記第2の排気口を繋ぐ連通管を設け、前記連通管に開閉手段を設けた、との記載がある。これにより,外槽の振動が大きい共振時に弾性体の減衰力を強くして,外槽の振動を抑え,外槽の振動が比較的小さい定常時に弾性体の減衰力を弱くして,外槽の洗濯機外枠に対する振動伝達率を小さくし,洗濯機外枠の振動を低減することができる。
また,その他の背景技術として,特開2010−104578号公報(特許文献2)がある。この公報には,洗濯機のサスペンションは,シリンダ内部の軸受に相対的に直線往復動可能に支持されたシャフトと,このシャフトの外周に嵌合され,そのシャフトの直線往復動に抵抗する摩擦力を発生させて水槽の振幅を減衰させる筒状の摩擦部材とを具備する。この摩擦部材とシャフトの外周面との間に磁気粘性流体を保持せしめると共に,摩擦部材の近傍に磁気粘性流体の粘性を制御するコイルを設ける,方法が提案されている。
特開2006−204563号公報 特開2010−104578号公報
しかしながら,特許文献1及び特許文献2には,外槽の振動を基準に減衰力の切り替えを行う手法が記載されているが,筺体の振動モードに関する記載がない。筺体の振動は,主に筺体が左右に倒れるように振動するモードと,筺体が上下に振動するモードの2つの共振がある。筺体が上下に振動するモードは,特許文献1に記載のように,減衰力を低下して筺体への伝達力を低減することで,筺体の振動を低減することが可能である。しかし,筺体が左右に倒れる振動モードに関しては,減衰力を低下して筺体への伝達力を下げても,必ずしも筺体の振動は低減しない。具体的には,筺体の左右共振時には脱水時のドラムの回転方向に対して衣類が上昇する側の減衰機構の減衰力を筺体の共振回転速度よりも低い回転速度で低下させると,筺体の振動及び床への伝達力が増加するという課題がある。
上記課題を解決するために、脱水時のドラムの回転方向に対して衣類が上昇する側の減衰機構の減衰力を,筺体の共振回転速度よりも高い回転速度で低下させる。
具体的には,衣類を収容するドラムと,該ドラムを内包する外槽と,該外槽を収容する筺体と,前記ドラムを回転駆動する駆動機構と,前記ドラムが脱水時に回転する方向に対して衣類が上昇する側に前記外槽の振動を抑制し、減衰性能を変更することが可能な可変減衰機構と、前記可変減衰機構の減衰性能を変更する制御部と、を設け,前記制御部は、脱水運転時に前記筺体の左右共振回転速度よりも高い回転速度において前記可変減衰機構の減衰力を低下させることを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
本発明のドラム式洗濯乾燥機は,外槽が振動した時に筐体に伝達するモーメントの不釣り合いを低減することで,筐体の左右振動を低下させ,床への伝達力を低減することが可能である。
本実施例のドラム式洗濯乾燥機を示す外観斜視図である。 本実施例のドラム式洗濯乾燥機の内部構造を示すために筺体の一部を切断して示した右側面断面図である。 本実施例のドラム式洗濯乾燥機の可変減衰機構の内部構造を示す断面図である。 本実施例のドラム式洗濯乾燥機の制御部を示すブロック図である。 ドラム式洗濯乾燥機の外槽から筺体に伝わる力を示す模式図である。 本実施例のドラム式洗濯乾燥機の脱水運転を示すフローチャートである。 本実施例のドラム式洗濯乾燥機の振動低減効果を示す模式図である。 他の実施例の脱水時の運転制御方法を示すフローチャートである。 他の実施例のロッドの下方への移動量が小さい時の変位依存可変減衰機構の内部構造を示す断面図である。 他の実施例のロッドが下方に大きく移動する際の変位依存可変減衰機構の内部構造を示す断面図である。 他の実施例のロッドが上方に移動する時の変位依存可変減衰機構の内部構造を示す断面図である。 ドラム式洗濯乾燥機の減衰機構の変位とドラムの回転速度の関係を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態例について図面を用いて詳細に説明する。
<実施例1>
図1は本発明の一実施の形態例に関わるドラム式洗濯乾燥機の外観斜視図であり,図2は内部の構造を示すために筐体の一部を切断して示した右側面断面図である。
外郭を構成する筐体1は,ベース1aの上に取り付けられており,左右の側板1b,前面カバー1c,背面カバー(図示せず),上面カバー1d,下部前面カバー1fで構成されている。左右の側板1bは,コの字型の上補強材(図示せず),前補強材(図示せず),後補強材(図示せず)に結合されており,ベース1aを含めて箱状の筐体1を形成し,十分な強度を有している。ドア2は前面カバー1cの略中央に設けた衣類を出し入れするための投入口1gを塞ぐためのもので,前補強材に設けたヒンジで開閉可能に支持されている。筐体1の上部中央に設けた操作・表示パネル3は,電源スイッチ4,操作スイッチ5,表示器6を備える。操作・表示パネル3は筐体1下部に設けた制御装置7に電気的に接続している。制御装置7には冷却ファン7aが取り付けられている。
図2に示すドラム8は外槽9に回転可能に支持されており,その外周壁および底壁に通水および通風のための多数の貫通孔を有し,前側端面に衣類を出し入れするための開口部8aを設けている。開口部8aの外側にはドラム8と一体の流体バランサ8bを備えている。外周壁の内側には軸方向に延びるリフタ8cが複数個設けてあり,洗濯,乾燥時にドラム8を回転すると,衣類はリフタ8cと遠心力で外周壁に沿って持ち上がり,重力で落下する動きを繰り返す。ドラム8の回転軸は,水平または開口部8a側が高くなるように傾斜している。
円筒状の外槽9はドラム8を同軸上に内包し,後側端面の外側中央に駆動機構10を設けている。駆動機構10のシャフトは外槽9を貫通し,ドラム8と結合している。なお,外槽9は前側中央に衣類を出し入れするための開口部9cを有している。また,駆動機構10には回転速度を検出する回転速度検出装置10aが設けられている。
外槽9の開口部9cと前補強材に設けた開口部は,ゴム製のベローズ11で接続しており,ドア2を閉じることで外槽9を水封する。排水口9dは外槽9の底面最下部に設けられており,排水ホース12と接続している。排水ホース12には排水弁(図示せず)が設けてあり,排水弁を閉じて給水することで外槽9に水を溜め,排水弁を開いて外槽9内の水を機外へ排出する。外槽9の下部には外槽振動検出装置9eを設けており,外槽9の振幅を測定している。前記振幅とあらかじめ設定しているしきい値を比較し,振幅が大きい場合にはドラム8の回転を停止させて,振動が小さい運転を行っている。また,外槽9の前方にはカウンタウェイト9fが設置されており,外槽9の重量や慣性モーメントを増加させることで,衣類の偏りが発生した時の振動を低減している。外槽9は,下側をベース1aに固定された左右一対の弾性支持部15によって防振支持されている。弾性支持部15はバネ16と可変減衰機構30で構成されている。
また,筺体1の上部には,筺体1の振動を検出するための筺体振動検出装置1hを設けている。筺体1の振動変位の極大値を求めることで,筺体1の共振回転速度を算出することができる。
乾燥ダクト13は筐体1の背面内側に縦方向に設置され,前記乾燥ダクト13の下部は外槽9の背面下方に設けた吸気口(図示せず)にゴム製の蛇腹13aで接続される。乾燥ダクト13の上部は送風ユニット14に接続されている。送風ユニット14は筺体1の上部に前後方向に設置されており,送風用の乾燥ファン14aや乾燥ヒータ14bが組み込まれている。送風ユニット14の前方はゴム製の蛇腹14cで外槽9の温風吹き出し口9gに接続されている。乾燥ファン14aにより乾燥ヒータ14bに風を送り,温風吹き出し口9gからドラム8内に温風を吹き付けることで衣類の乾燥を行う。
図3は可変減衰機構30の内部構造を示す断面図である。可変減衰機構30はシリンダ31,ロッド32,前記シリンダ31の内周に設置された電極33,ロッド32の先端に設置された円形電極34,及び前記シリンダ31の内部に封入された電気粘性流体36によって構成される。前記円形電極34と電極33の間には流路35を設けており,シリンダ31とロッド32が相対運動した時に,電気粘性流体36が流路35を通過する構造となっている。前記電気粘性流体36が流路35を通過するときに生じる抵抗によって,シリンダ31は相対速度と逆向きの力を受けることになり,可変減衰機構30が外槽9の振動を抑制する。
また,電極33と円形電極34は増幅器39(図示せず)にリード線で接続されており,前記リード線の一部は保護チューブ37,38の内に配置されている。電極33と円形電極34との間に電界を発生させた場合、電極33と円形電極34との間の電気粘性流体36の粘度が上昇する。これにより,ロッド32に付加された円形電極板34が移動する際に前記電気粘性流体36が流路35を通過する時に生じる抵抗が大きくなり、可変減衰機構30の減衰係数が大きくなる。電界の発生を停止した場合は、電気粘性流体36の粘度が小さくなるため,可変減衰機構30の減衰係数は電界を発生させている場合に比べて小さくなる。このように,可変減衰機構30は,電極への通電を入り切りすることで減衰係数の切り替えが可能である。
図4に示すブロック図を用いて,本発明の可変減衰機構30の制御方法を説明する。制御装置7はマイクロコンピュータ50を主体に構成され,運転制御を行う。マイクロコンピュータ50には,回転速度算出部51,振動変位記録部52,共振判定部53,可変減衰機構制御部54などがある。回転速度算出部51は,回転速度検出部10aの出力からドラム8の回転速度を算出する。外槽振動検出装置9eや筺体振動検出装置1hの出力は振動変位記録部52に記録され,その結果から共振判定部53は外槽9や筺体1の共振回転速度を算出する。可変減衰機構制御部54は,共振判定部53により求めた外槽9や筺体1の共振回転速度に基づいて,可変減衰機構30の制御を行う。直流電圧発生装置40で発生させた直流電圧を増幅器39によって増幅し,可変減衰機構30の電極33,円形電極34に通電して電界を発生させることで,可変減衰機構30の減衰係数を増加させることができる。
図5(a)は筺体1の左右振動時の力の伝達を示す模式図であり,図5(b)は筺体1の上下振動時の力の伝達を示す模式図である。図5を用いて,本実施例の可変減衰機構30の制御方法による床への伝達力を低減する原理について説明する。外槽9の共振回転速度よりも十分に高い回転速度では,外槽9の振動は略円運動となる。外槽9が振動することにより,筺体1と外槽9を接続する左右の可変減衰機構30および外槽9前方を接続するベローズ11などから筺体1に力が伝わり,筺体1が振動する。ここで,ばねは変位が大きい程伝達力が大きくなり,減衰力は速度が大きい程伝達力が大きくなる。筺体1の左右振動は筺体下部付近を中心とした回転振動であり,筺体1の上下振動は並進の振動である。ここで,ドラム8の回転方向は反時計回りとし,以下ドラム8の回転に対して衣類が上昇する側を右側,衣類が下降する側を左側と呼ぶこととする。また,外槽9の上下方向の変位をxとし,ベローズ11のばね定数をk,減衰係数をcb,可変減衰機構30の減衰係数をcdとする。また,ばねと減衰はそれぞれ,変位と速度に依存するため,位相が90度異なる。
図5(a)は,筺体1の左右方向の振動を示し,外槽9が反時計回りに円の軌跡を描きながら振動した際に,右側の位置に移動した時に各因子から受ける力の向きを示す。外槽9が右に移動しているため,ベローズ11のばね成分は筺体1に右向きの力を与え,支持位置が回転中心より高いため時計回りのモーメントとなる。外槽9が右の位置にある時,外槽9の速度は上向きとなるため,左右の可変減衰機構30は筺体1に上向きの力を加える。ここで,筺体1の左右振動の中心が筺体1の下部付近にあることを考慮すると,図5(a)に示すように左側の可変減衰機構30は筺体1の回転振動の中心よりも左側に接続しているため,時計回りのモーメントとなる。一方,右側の可変減衰機構30は筺体1の回転振動の中心よりも右側に接続しているため,反時計回りのモーメントとなる。ここで,ベローズ11によるモーメントをM1,左側の可変減衰機構30によるモーメントをM2,右側の可変減衰機構30によるモーメントをM3とし,筺体1に働くモーメントの合計をMは次式で表すことができる。
M=M1+M2+M3
さらに,時計回りを正とし,回転中心からベローズ11,左側の可変減衰機構30,右側の可変減衰機構30それぞれの接続位置までの距離をl1,l2,l3,それぞれの伝達力をF1,F2,F3とすると,筺体1に働くモーメントMは次式で表すことができる。
M=F11+F22+F33
このように,右側の可変減衰機構30のみ負となるため,ベローズ11と左側の可変減衰機構30によるモーメントを打ち消す効果がある。従って,ベローズ11と左側の可変減衰機構30の加振モーメントと,右側の可変減衰機構30の加振モーメントを釣り合わせることで,筺体1の左右振動を抑制することができる。一般的に,減衰機構に比べベローズ11の加振モーメントが大きいため,右側の可変減衰機構30の減衰係数を大きくすることで,筺体1の左右振動を抑制することができ,床への伝達力を低減可能である。
図5(b)は,筺体1の上下方向の振動を示し,外槽9が反時計回りに円の軌跡を描きながら振動した時に,右上の位置に移動した時に各因子から受ける力の上下方向成分の向きを示す。筺体1に上下方向に加えられる力は,ベローズ11のばね力,減衰力および可変減衰機構30の減衰力などがある。ばねと減衰力の位相差は90度であるため,伝達力は90度ずれたベクトルの和となり,互いに打ち消しあうことがない。従って,各因子の伝達力が小さければ小さい程,筺体1及び床を加振する力が低下する。このように,上下方向の振動に関しては,可変減衰機構30の減衰係数は小さい方が望ましい。
従って,筺体1が左右に大きく振動する回転速度領域では右側の可変減衰機構30の減衰力を大きい状態とし,筺体1が大きく上下に振動する領域では右側の可変減衰機構30の減衰力を小さい状態とすることで,筺体1の振動,及び床への伝達力の両者を低減することができる。
一般的にドラム式洗濯乾燥機では,筺体1の上下方向の共振回転速度に比べ,左右方向の共振回転速度の方が低いため,左右共振回転速度よりも高い回転速度で減衰係数を外槽9の共振時に比べて低下させることで,床への伝達力を低減することができる。
本実施例における脱水時の制御方法について,図6に示すフローチャートを用いて説明する。
<Step101>
直流電圧発生装置40により可変減衰機構30に電界を発生させて,減衰係数を増加させる。
<Step102>
ドラム8の回転速度を上昇させる。
<Step103>
外槽9の振動変位が極大値かどうか判定する。極大値と判定した場合はStep104に進み,極大値でないと判定した場合はStep105に進む。
<Step104>
ドラム8の回転速度ωを共振回転速度ω1として記録する。
<Step105>
ドラム8の回転速度ωが所定の回転速度ω2より大きいかどうか判定する。回転速度ωがω2以下の場合はStep102に戻り,ω2より大きい場合はStep106に進む。ここで,ω2は外槽の共振回転速度ω1よりも大きく,ω1の√2倍程度であることが望ましい。
<Step106>
左側の可変減衰機構30の減衰係数を低下させる。
<Step107>
ドラム8の回転速度を上昇させる。
<Step108>
筺体1の左右振動変位が極大値かどうか判定する。極大値でない場合はStep110に進み,極大値の場合はStep109に進む。
<Step109>
ドラム8の回転速度ωを共振回転速度ω3として記録する。
<Step110>
ドラム8の回転速度ωが所定の回転速度ω4よりも高いか判定する。低い場合はStep107に戻り,高い場合はStep111に進む。ここで,ω4は筺体1の左右振動の共振回転速度ω3よりも大きく,筺体1の上下振動の共振回転速度よりも低いことが望ましい。
<Step111>
右側の可変減衰機構30の減衰係数を低下させる。
<Step112>
ドラム8の回転速度を上昇させる。
<Step113>
ドラム8の回転速度が最終脱水回転速度ωfに到達しているか判定を行う。到達していない場合はStep112に戻り,最終脱水回転速度ωfに到達している場合はStep114に進む。
<Step114>
所定の脱水時間が経過したか判定する。
<Step115>
所定時間経過した場合はドラム8の回転を停止し,終了する。
次に,図7(a)に可変減衰機構30の減衰力を左右同時に切り替えた場合と本実施例のように右側のみ筺体1の左右共振回転速度より高い回転速度で減衰力を低下させた時の床への伝達力の比較を示し,図7(b)に各領域での左右の可変減衰機構30の減衰力の大きさを示す。ここで,可変減衰機構30は,2段階に減衰力を切り替えることが可能な構成とし,減衰力が小さい状態を小,大きい状態を大として表記する。外槽9が大きく振動する領域Aでは,左右に同時に切り替える制御及び本実施例ともに可変減衰機構30の減衰力を大きい状態とし,外槽9の振動を低減する。筺体1が上下に大きく振動する領域Cでは,可変減衰機構30の減衰力を小さい状態とし,伝達力を低減する。筺体1が左右に大きく振動する領域Bでは,左右に同時に切り替える制御では,領域Cと同様に可変減衰機構30から筺体1に伝達する力を低減するために左右ともに減衰力を小さい状態としているが,本実施例では右側の可変減衰機構30は他の因子の加振力を相殺することができるため,減衰力を大きい状態とする。これにより,図7(a)に示すように領域Bでの床伝達力を左右に同時に切り替える制御に比べ低減することが可能である。
本実施例では可変減衰機構30に電気粘性流体36による粘性減衰の機能を付加したが,必ずしも電気粘性流体36による減衰作用である必要はない。磁性流体を用いたものや流路に電磁弁を設け,電磁弁の開閉によって減衰係数を切り替えるものなどでもよい。また,筺体振動検出装置1hを有する場合の制御について述べたが,必ずしも筺体振動検出装置1hを有する必要はなく,予め筺体1の左右共振回転速度ω3を計測し,ω4を予め設定してもよい。ここで,一般的なドラム式洗濯乾燥機では,500〜1400r/min程度に設けることが望ましい。筺体1の左右方向の共振回転速度は設置した床の硬さによって変化し,床が硬い程共振回転速度は高くなる。なお,木製の床に設置した時の共振回転速度より高い回転速度で右側の可変減衰機構30の減衰力が低下した場合,本実施例による制御であると言える。
また,本実施例では,筺体1の共振回転速度が上下方向に比べ左右方向の方が低い場合について述べたが,筺体1の共振回転速度が上下方向に比べ左右方向の方が高い場合は,次のように右側の可変減衰機構30の減衰係数を変化させることで,筺体1の振動を低減することができる。各共振は,外槽9,筺体1の上下方向,筺体1の左右方向の順に現れ,外槽9の共振と筺体1の左右方向の共振時には,右側の可変減衰機構30の減衰力が高い方が望ましい。従って,ドラム9の回転速度が低い時に可変減衰機構30の減衰を大きい状態とし,外槽9の共振回転速度よりもドラム9の回転速度が上昇した時に可変減衰機構30の減衰力を小さい状態にし,筺体1の上下方向の共振回転速度よりもドラム9の回転速度が上昇した時に可変減衰機構30の減衰力を大きい状態とし,最後に筺体1の左右共振回転速度よりもドラム9の回転速度が上昇した時に可変減衰機構30の減衰力を低下させることで,それぞれの共振回転速度での筺体1の振動を低減できる。
さらに,本実施例では,左右に1本ずつ減衰機構を有するドラム式洗濯乾燥機について述べたが,必ずしも減衰機構を左右に1本ずつ設ける必要はなく,3本以上の減衰機構を有するドラム式洗濯乾燥機であってもよい。その場合は,左右の中心に対して右側に設置する減衰機構の内少なくとも1本を可変減衰機構130とし,その可変減衰機構130の減衰力を筺体1の左右振動の共振回転速度以上で低下させることで,筺体1の左右振動及び床への伝達力の低減が可能である。
<実施例2>
実施例1では,左右に可変減衰機構を有する場合について述べたが,必ずしも左右両方に可変減衰機構を有する必要はない。そこで,本実施例では,脱水時のドラム0の回転方向が反時計回りの場合に,右側にのみ可変減衰機構を有する場合について述べる。
本実施例における脱水時の制御方法を図8に示すフローチャートを用いて説明する。
<Step201>
直流電圧発生装置140により可変減衰機構130に電界を発生させて,可変減衰機構130の減衰係数を大きい状態とする。
<Step202>
ドラム8の回転速度を上昇させる。
<Step203>
筺体1の左右振動変位が極大値かどうか判定し,極大値と判定した場合はStep204に進み,極大値ではない場合にはStep205に進む。
<Step204>
ドラム8の回転速度ωを共振回転速度ω5として記録する。
<Step205>
ドラム8の回転速度ωが所定の回転速度ω6以下の場合はStep202に戻り,ω6より大きい場合はStep206に進む。ここで,ω6は筺体の左右共振回転速度ω5よりも大きく,筺体の上下共振回転速度以下であることが望ましい。具体的には,500〜1400r/min程度が望ましい。
<Step206>
右側の可変減衰機構130の減衰係数を小さい状態とする。
<Step207>
ドラム8の回転速度を上昇させる。
<Step208>ドラム8の回転速度が最終脱水回転速度ωfに到達しているか判定を行う。到達していない場合はStep207に戻り,ドラム8の回転速度が最終脱水回転速度ωfに到達している場合は,Step209に進む。
<Step209>
所定の脱水時間が経過したか判定する。
<Step210>
所定の脱水時間が経過した場合はドラム8の回転を停止し,終了する。
このように制御することにより,筺体1が大きく左右に振動する領域において,右側の可変減衰機構130によって加振力を相殺することにより,筺体1の左右振動,床への伝達力を低減することができる。
<実施例3>
実施例1及び2では減衰力を外部から切り替え可能な可変減衰機構を設置した場合の制御方法について述べたが,必ずしも外部から減衰力を切り替える必要はない。ここでは,減衰機構自体の変位によって減衰力を機械的に切り替える,変位依存可変減衰機構200を用いた場合について述べる。
図9乃至図11に変位依存可変減衰機構200の構造を表す断面図を示す。変位依存可変減衰機構200は,シリンダ201,ロッド202,該ロッド202の先端付近に配置されたピストン203及びプレート204で構成されている。ロッド202がシリンダ201内を並進運動することで,変位可変減衰機構200が伸縮する。ピストン203は,ロッド202の先端部付近に固定されており,ロッド202とともに移動する。ロッド202の先端部付近にはピストン203側から長さLの小径部202aが設けられており,プレート204はその間で移動可能になっている。シリンダ201にはオイル205が封入されており,オイル205がピストン203の孔203aを通過するときの粘性抵抗により,変位依存可変減衰機構200に減衰力が発生する。ピストン203の孔203aが大きい程,オイル205が孔203aを通過するときの抵抗が小さくなるため,変位依存可変減衰機構200の減衰係数も小さくなる。図9及び図10はロッドが下向きに,図11は上向きに移動した時を示す図であり,図中の矢印は移動した時のオイル205の流れる向きを表している。
外槽9が振動し,変位依存可変減衰機構200が伸びると,ロッド202は下側に移動する。図9に示すように変位が小径部202aの長さLよりも小さい範囲では,ピストン203とプレート204が接触することがないため,変位依存可変減衰機構200の減衰力はピストン203の孔203aの径によって決まる。一方,下方への変位が小径部202aの長さLより大きい場合,図10に示すようにピストン203とプレート204が接触し,プレート204がピストン203の孔203aを塞ぐため,一部の孔203aに設けた切欠203bのみが流路となることで流路抵抗が増加する。これにより,変位依存可変減衰機構200の減衰力はプレート204が孔203aを塞いでいない場合に比べて大きくなる。また,変位依存可変減衰機構200が縮むと,ロッド202は上側に移動し,プレート204はロッド202に対し相対的に下側に移動する。この場合,図11に示すように変位の大きさに依らず,ピストン203とプレート204が接触することがないため,変位依存可変減衰機構200の減衰力は,ピストン203とプレート204が接触した場合に比べて小さくなる。
外槽9が共振する回転速度付近では,外槽9の振動が大きく,変位依存可変減衰機構200の伸縮が大きいため変位依存可変減衰機構200の減衰力が大きくなり,外槽9の振動を低減することができる。一方,高速脱水時のように外槽9の振動変位が小さく,変位依存可変減衰機構200の変位が小さい場合には,変位依存可変減衰機構200の伸縮する速度の方向に係わらず常にピストン203とプレート204が接触することがないため,変位依存可変減衰機構200の減衰力が小さく,床伝達力を低減することができる。このように,変位依存可変減衰機構200はそれ自体の振動の大きさによって,減衰力を切り替えることが可能である。
図12は左右の減衰機構の変位とドラム8の回転速度の一例を示す模式図である。左右の変位依存可変減衰機構200は外槽9が共振する回転速度付近で変位が大きくなり,その後は徐々に減少する。左側の変位依存可変減衰機構200は外槽9の共振付近,右側の変位依存可変減衰機構200は外槽9の共振及び筺体1の左右共振付近で減衰力が大きく,それ以上の回転速度で減衰力が低いことが望ましい。そこで,図12に示すように,ロッド202の小径部202aの長さLを左側の変位依存可変減衰機構200に対して,右側の変位依存可変減衰機構200の小径部202aの長さLを小さくする。これにより,左側の変位依存可変減衰機構200の減衰力は外槽9の共振回転速度よりも高くなった時に減衰力が小さくなり,右側の変位依存可変減衰機構200は筺体1の左右振動の共振回転速度よりも高くなった時に減衰力が小さくなる。
このように,変位依存可変減衰機構200の減衰力が切り替わる変位を左側よりも右側を小さくすることで,左側に対し右側の減衰力をより高い回転速度で低下させることが可能となる。このような構成とすることで,外槽9の共振時の変位の低減と筺体1の左右振動の低減が可能となる。
本実施例では,油圧式の変位依存可変減衰機構200について述べたが,必ずしも油圧式である必要はなく,摩擦式でも構わない。また,変位依存可変減衰機構200が伸びる方向のみ減衰力が増加する構成としたが,両方向で切り替わる構成や,縮む方向のみ減衰力が増加する構成としても構わない。両方向で切り替わる構成とすることで,外槽が共振する際の変位をより低減することが可能となる。
1 筐体
1h 筺体振動検出装置
2 ドア
8 ドラム
9 外槽
9e 外槽振動検出装置
10 駆動機構
15 弾性支持部
16 ばね
30 可変減衰機構
39 増幅器
40 直流電圧発生装置
53 共振判定部
54 可変減衰機構制御部
200 変位依存可変減衰機構

Claims (3)

  1. 衣類を収容するドラムと,該ドラムを内包する外槽と,該外槽を収容する筺体と,前記ドラムを回転駆動する駆動機構と,前記ドラムが脱水時に回転する方向に対して衣類が上昇する側に前記外槽の振動を抑制し、減衰性能を変更することが可能な可変減衰機構と、前記可変減衰機構の減衰性能を変更する制御部と、を設け,
    前記制御部は、脱水運転時に前記筺体の左右共振回転速度よりも高い回転速度において前記可変減衰機構の減衰力を低下させることを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
  2. 請求項1に記載の洗濯乾燥機において,
    減衰力を低下させる回転速度を500r/min以上としたことを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
  3. 衣類を収容するドラムと,該ドラムを内包する外槽と,該外槽を収容する筺体と,前記ドラムを回転駆動する駆動機構と,前記外槽の振動を抑制する可変減衰機構を前記外槽の左右方向の両側に少なくとも左右に1本ずつ有し,
    衣類が下降する側の可変減衰機構の減衰力を外槽共振通過後に低下させ,衣類が上昇する側の可変減衰機構の減衰力を筺体左右共振通過後に低下させることを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
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